2021年3月31日水曜日

コレットは死ぬことにした1

(1話)コレットはまだ17才だけど薬師(お医者さん)として独り立ちして数年。村の唯一の薬師として朝から晩までひっきりなしに呼ばれ、すべてに忠実に答えようとして、眠る間も食事をする間もゆっくりトイレをする間もなく疲れ果て、井戸は別の世界につながっているという伝説を思い出して、衝動的に飛び込んでしまう。気がついたのはハデス様が治める冥府の牢屋の中。様子を見に来た家来のガイコツを恐れるどころか、死者の国なら病人はいないから働かなくていいと喜ぶ。ところがガイコツたちは、ハデス様がしばらく前から謎の病に伏しているから診察をしろという。いやいや連れて行かれた閨ではハデス様は発疹だらけの手を突き出して、「これを直せるのか」と頭ごなしで、何が起こったのか聞いても会話が噛み合わない。イラッとしたコレットは閨のカーテンを開ける。無礼者と怒られても「治す気があるならとっとと中に入れなさいよ」と、ハデス様の体に懸けている布を剥いでチェックをする。ハデス様は発疹の理由は頑なにいわないものの、ガイコツ達を制して治療させる。コレットは炎症を抑えて解熱する(下熱じゃ無いと思うが)処置をはじめる。1日半眠ったハデス様が目を覚ましたときは、それまで治療をしていたコレットが疲れ果てて、ハデス様のベッドで寝てしまったところだった。客間に運ばれて目が覚めたら再び治療に連れて行かれるコレット。なんだかんだいってハデス様が運んでくれるのね。素直に治療のお礼は言わないけど。ハデス様は特別牢の悪霊が騒ぐのでケルベロスを連れて静めに行く。戻ってきたハデス様はまた熱がぶり返しているのを家来に隠そうとする。「お前はたいへん無礼だが なんだかんだ病んでいる者を放っておけぬ質らしい」(既に仕事人としてのコレットを認めているハデス様)と、少し前に脱走した霊をおって地上近くまで追いかけたが、長い間地下に暮らしている自分が日光アレルギーの体質になったことをやっと語る。薬師は患者のことを口外したりしませんよとコレット。(ちゃんと守秘義務という概念があるらしい)家来の前で弱音を吐いたら家来が不安になるなど立場があるから言えないことがあるというハデス様に、コレットは自分を重ねる。頑張ることが嫌になりませんか、と自分と比べて思わず口にするコレット。(ハデス様は恋人になる前からよくコレットの髪や頬に触るけど、ここで既にコレットの頬に手をあてている)連れて行かれたのは、ハデス様が善と下した魂達が過ごすアスポデロスの野という天国。「ここを守る そのためならあらゆる痛みも孤独も耐えてみせる」とハデス様。ここで暮らす死者の影たちの一人がコレットに歩み寄って、「生前あなたに病を治してもらったことがある あのときはどうもありがとうございます」と言いに来た。そういえばお礼の言葉もたくさん聞いていたことをコレットは思い出す。そこへ、地上は流行病で、冥府に死者がたくさん押し寄せているとガイコツ家来が知らせに来る。今行ったらお前も死ぬかもしれないというハデス様に、私は薬師、今行かずにいついきますかと迷いの吹っ切れたコレットは言う。送ってくれたハデス様は「死後裁判でこの冥王に対して胸を張れる人生を全うしろ」と。

地上の流行病治療が一段落したところでコレットは再び井戸に飛び込み、ハデス様の治療を続ける。

読み切りだったという第1話でさえこのタイトルはあまり合ってないと思う。ましてやその後の連載はタイトルから受ける印象と中身は全く異なるので、ずいぶん損をしていると思う。あと下熱とか多少の縁とか(輪廻転生の考え方は入っているので、”多生の縁”のしゃれかとも思ったのだけど、この場合文脈に会わないし)のように間違いや表現の仕方がおかしいところがこの後も時々見られ、つい気になってしまうのが、大好きな漫画だけに残念。漫画に校正者はいないのだろうか。

(2話)あいかわらず仕事の為には自分の体を顧みないハデス様は微熱もあるし太陽アレルギーによる発疹も治ってない。コレットには弟子が二人出来たけど、手間がかかるばかりでつい自分で全部やってしまってあいかわらず忙しい。「なら毎日自分の往診にこなくてもいい。神は不老不死、だがお前は違う。自分の仕事をよく考えろ」とハデス様。まあ仕事人間なのはどちらも同じだけど、確かに神は死なないから、ハデス様の言うのももっともかな。それに他人のことはのよね。

行き倒れの旅人ヘラクレスがコレットの診療所にやってくる。うなされていて、治ったように見えないが、まだやることがあると翌日旅立つ。疲れたあまり薬箱を忘れて冥府に往診にいって、ハデス様を待っている間にハデス様の閨で寝込んでしまうという醜態をさらした上、笑って誤魔化そうとして、「お前に命は預けられない 帰れ お前はいらぬ」とハデス様に追い返される。このころのコレットはちょっときつい目をしている。このころのハデス様もちょっと言葉がきつい。まあハデス様もコレットと付き合っていくうちに少しずつ変わっていったところがこの漫画の魅力だけど、しかし不老不死の神様がお前に命は預けられないはおかしな表現だ。命預けてないじゃん、どうせ死なないくせに。家に帰ったコレットは、放心状態で、捻挫した患者さんに包帯を巻こうとして体が動かない。かわりに颯爽と弟子達が巻いてくれるのを見て「自分でやった方がなんてとんだ思い上がりだ」と思う。真面目な仕事人間は自分がすべてやらねばという思考に陥りがちなのだけど、ハデス様だってそれは同じ・・・だけどまあ神様だからいいのか。翌日コレットは冥府でハデス様に謝って治療を続けることになる。

(3話)ケルベロスは三つ首の猛犬だが、お腹がすくと三匹の子犬になる。ハデス様の治療中、半身半神のヘラクレスが冥府に入ってきて、子犬のケルベロスを連れて行こうとする。ハデスに攻撃されてケルベロスは取り替えされるが、かわりにヘラクレスはコレットを人質にしケルベロスと交換だと交渉するが、ハデス様は断る。ヘラクレスはコレットをハデス様の愛人だと思い、コレットを見殺しにして死後裁判などできないとふんで、地上へつれていく。ハデス様に攻撃されて怪我しているヘラクレスを、薬師の制服である自分のスカートを使って包帯をつくり手当てするコレット。ヘラクレスが妻と子供を守ってやれなくて、夢の中で繰り返し妻と子供が死ぬ夢を見るという。苦しくて予言の神にお告げをもらいにいったら「故郷の王の下で働け」と言われたという。故郷の王は珍しいものが好きであれこれかなえてあげて、ケルベロスを連れていくのが最後の仕事で、これで神様が夢を消してくれるという。大事な人をなくして傷ついたのに人の大事なものを奪うのか、大事なものを守れなかった罪悪感は神様に消してもらうものじゃないよ、自分で折り合いをつけなきゃとコレットは説得する。コレットは子どもの頃流行病で村が全滅して両親も友達も村の全ての人を失ったけれど、コレットを育ててくれた薬師の先生は「楽しそうに歩いているどの人もみんな心の中には楽しいこと半分苦しいこと半分を持っているんだけど、それでも明日が楽しくなるように歩いているのさ 楽しい日々が傷を包んでいつかいつか溶けたらいいなと」そうやって死ぬまで自分とつきあっていくんだとコレットは語りかける。楽しそうにしている人たちに悩みがないなんて思い上がり。

(4話)地面が割れて、ケルベロスの偽物を連れてハデス様が現れる。地面が割れてハデス様登場というのは、ほんもののギリシア神話でもペルセポネの略奪であるけれど、この漫画の中では、このあと他では見ない。ハデス様が都に乗りこ自分の力を全て使うと、都一つなど簡単に沈むという。自分のせいでまた人が死ぬのは勘弁してくれとヘラクレス。ハデス様は2,3日は持つ偽物のケルベロスで立ち回って見せろと、ヘラクレスに言う。コレットがハデス様と冥府に戻ると、ガイコツが「予言だの占いだのは心が弱っとるときに手を出すもんではない」とコレットに語る。「無事で良かった」「ハデス様はお前を放り出しはしたが それをなんとも思わんよようなお方ではない」とも。わかってはいるけどケルベロスとの交換をきっぱり断っていったん見捨てられた形になるのが、自分は冥府の仲間じゃないというのを思い知らされたようで落ち込むコレット。ヘラクレスの手当てに破ってしまったスカートのかわりに薬師の服用に青い布を冥府からもらったものの、人間には分相応で後光が差すので山向こうの町まで買いに行くというコレットに、遠いから冥府から井戸を経由していけというハデス様。ハデス様を井戸の側に置いて、薬師の服を買いに行ったときに、ヘラクレスが上手く王様を諫めた噂を聞く。おばあさんがハデス様の姿を遠くから見て、あの人は若い頃に見たというのを聞いて、ハデス様に聞いてみると、太陽アレルギーになるずっと前には、死者の裁判官として人を知るために時々人混みに紛れて歩いたという。コレットを待っている間にも3人神様を見かけたという。

今ならハデス様は絶対にコレットを守ったと思うけど、だいぶ違うなあ。まあ二人とも好きだと意識する以前の頃だからしょうがないけど。あとハデス様の神様らしいスーパーパワーってその後はあまり出てこないし、ガイコツもちょっとキャラが違うし、いろいろな設定がその後とずいぶん違う。あとコレットの買い物につきあうハデス様、凄く忙しい設定じゃなかったっけ、まあこの時点ではコレットに負い目を感じているということがあるか。

突風が来てハデス様のフードが外れて、太陽アレルギーのハデス様に日が当たりそうになって、必死で抑えるコレット、「楽しいこともすべきです 私がそばにいてそれができるならどこへでもついて行きます」というコレットを抱きしめて、「天秤にはもうかけぬ お前は冥府の薬師 私の薬師 誰が来ようと渡すものか」

この辺まではいつ話が終わっても不思議はなくて、今の連載とは雰囲気がちょっと違う。

暁のヨナのような現在人気の長寿漫画も、最初は連載いつ打ち切られるかわからないようで、なかなか大変だなあと思う。「コレットは死ぬことにした」は逆に読み切りから長寿連載になったようなので、悪霊が文句をいう声が住居まで聞こえてくるような最初の冥府の雰囲気とちょっと変わっているけど、ほかはけっこう矛盾なく展開できていると思う。

ギリシア神話をベースに借りているとのこと。かつてこども向きのギリシア神話を読んだ感じでは、人間の身勝手さを膨張させて詰め込んだようで、ゼウスからしてあちこち愛人をつくってこどもを産ませて、その愛人や隠し子がヘラに殺されたり呪われたりするのは放置して、まったく共感できなかったのだけど、よく少女漫画向けに改変したと感心する。

神様は不老不死だけど、病気にはなるという設定もギリシア神話ならまあ納得できる。愛人つくり放題のギリシア神話の神様の中でハデス様は、浮気相手はメンテーくらいしかいないし、妃のペルセポネはさらってきたけどなかなか手を出さずに丁寧に扱ってウブなところがあるし、一番共感できるキャラかも。

全体にふわふわとして、いろいろあるけどたぶんハッピーエンドに着地できるだろうと安心して読めるファンタジー。ペルセポネは妃になってからも地上と冥界を行き来していたはずだし、どう着地するかはまだわからないけど、冥府ではザクロが育っているし、デメテル様ともいつか再開するだろうし、18巻+αまで進んだけど、今後が楽しみ。

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2021年3月29日月曜日

暁のヨナ34

(193話)緋龍王の血筋と聞いて喜んだ神官たちは、空都のはずれに賜ったヨンヒの一族の屋敷に行き話を聞くが、詮索に激怒したユホンは神官をほとんど処刑、神殿は焼き払った。ジュナム皇帝は激怒したが、民衆は神官が王家より力を持つのを快く思わず、ユホンを支持した。ヨンヒは神官見習いのイクスとカシの行方を女官に頼むが、ユホンは戦では敵を非情な拷問にかけたり女子どもを火あぶりにすることを厭わないから我が国は他国を圧し、民は平和なのだと諭す。

弾圧から一月後、ヨンヒは一族を訪ねる。そこで母が自分を責めて自殺した事を知る。大神官は自分たちの耐え忍んできた歴史や命の短さに同情してくれて救われた思いだったのに、生きながら火あぶりになった。ときいた。迎えに来たユホンは、ヨンヒが泣いているのを見て抱きしめる。

草凪みずほ作「黒檻姫と渇きの王」でも感じたのだけど、自分や国を守るために、過剰と思われるほど残酷で、同時に自分の家族や恋人を情熱的に愛することが一人のリーダーの中で折り合っているのが現代の普通に人の感覚では不思議だ。でも歴史上を見ても、戦で勝利をおさめたあと直接関係ない兵士で無い民衆や敵の家族まで残虐に殺すのはけっこう見られるから、たぶん疑問を感じてないのだろうけど。

ユホンとヨンヒの一人息子スウォンは明るく好奇心旺盛で聡い子どもだった。イルは、ユホンとの対立以来、同じ城に住んでいてもヨンヒやユホンとは疎遠になったが、突然顔に傷のある平民の女性を妻にしたという。なぜかジュナム王もすんなり承諾した。

緋龍城の庭園でヨンヒとスウォンは具合が悪くて東屋で休憩しているイルの妻と出会う。ヨンヒは見習い巫女だったカシであることに気がついたところへ、イルが素早く現れる。ヨンヒはカシが生きていることは誰にも言わないしすべては自分のせいなので、ユホンではなくて自分を恨んでくれと追いすがるが「もういい私は幸せだから。」とイルはカシを連れて立ち去る。

(194話)無事に赤い髪をした赤子、ヨナが生まれるが、半年たっても場内ではカシとヨナに近づけるものはごく一部。なのに、スウォンはいつの間にかカシとヨナの部屋に入り込んで、赤い髪がふわふわでとてもかわいかったのでそっとなでなでしたという。イルに連れてこられ、その子がカシとヨナに近づかないようにといわれる。その子は嫌な感じがするとも言われる。スウォンの心には「嫌な感じ」という言葉は刻み込まれたようで、ヨンヒがそんなことないという言葉は響いていないようだった。

後ほど35巻か36巻で、ヨンヒが日記に残した数々の言葉はヨナには大きく響いているのに、スウォンには届かないことも多いのが残念。

カシとヨナは少しずつ庭園にでてくるようになった。ある日火の部族のイグニとカシが庭園で話しているのを見かけたヨンヒは、そっと立ち去ろうとするが、スウォンが五部族会議に来たムンドク将軍に連れてこられたハクと遊んでいて、もう少し遊びたいという。そこにイグニとカシが挨拶に来る。ヨナの赤い髪を初めて見たヨンヒは緋龍王の存在を思い出してショックを受ける。スウォンはハクをヨナに引き合わせ、一緒に猫を見にいく。ヨナの手をひいて歩くハクを見て、カシははっとハクの腕を掴み、ヨナを守ってねと言う。

更に、カシはヨナが生まれたばかりの頃「この子にはしろとあおとみどりときいろの守護がついている」とイグニに言ったと、ヨンヒは聞く。イグニがスジンと帰った後、以前、ヨナが生まれる前にイルが幸せだと言ったことについて、「イル様が幸せだと仰ったのは赤い髪の子供を授かったからだと思います」とヨンヒに言う。カシには自分以外の人間の未来が見えるという。燃え盛る神殿の中からイルに助け出されたあの日イルと自分の間に赤い光りのようなものが降りてくるのを感じたという。それはまるで緋龍王。あの子が再び四龍を集結させることがわかっているという。
これってカシはすごい意地が悪いと思う。言っても何も出来ないし、ヨンヒにとっては、自分が血筋を保ってきたのに緋龍王は他に降臨して、ヨンヒもスウォンも苦しんで早死にするという運命しか継いでないと思い知らされて、絶望するだけなのに。イルもカシも言葉が適切でなかったり、説明不足だったり、口に出すと相手を傷つけるようなことをよくいう。そのしこりが子供達の代のトラブルを招いていると思う。
そしてヨンヒは緋の病に。スウォンにだけはこの痛みを負わせないでと神に祈るが「都合のいい時ばかりお祈りをして神は全て燃やしちゃったじゃないか」とヨンヒの頭の中に浮かんだイルがいう。その後2年間頭の痛みは消えたり現れたりを繰り返すがまだユホンも含めて周囲には悟られてない。そこにジュナム王が倒れたという知らせが来る。

(195話)ジュナム王の最後の厳命は、次期国王はイルだと。これはユホン自身にも、ユホンはジュナム王を凌ぐ王になると期待していた他部族にも衝撃的だったし、ヨンヒにとっても、自分を守るためにユホンは神官を断罪したからジュナム王は許さなかったのだと、辛かった。
庭園でスウォンと遊ぶヨナを見ながら、カシと話しているうちに頭痛でヨンヒは倒れる。いよいよユホンにも緋の病が発病したことを打ち明けざるを得なくなった。ユホンはヨンヒを静かな場所で養生させるために、スウォンを連れて城からでていく。別れの前にイルがお見舞いに来て、ヨンヒとイルは和解する。
戴冠式は盛り上がらなかったが、逆にユホンはイルは立派にやっているのにと腹を立てる。ムンドクだけが「イル陛下万歳」と叫んだという。ユホンはイルに味方が少ないから自分が支えてやらねばと思うようになり、「考えてみれば王になるかどうかなど大した問題ではなかった 王家と民を守ることこそ我が本懐 これからは弟を助け俺は前線で戦い続けようぞ」と決心をヨンヒに告げる。ユホンはカシにも戴冠式で初めて会う。女官が、カシ王妃がヨンヒにヨナ姫は緋龍王なのだと話していたこと、それがイル陛下が王に選ばれたことに関係しているのかとかとカシが尋ねていたことを告げ、またヨンヒがかつて神官見習いのカシとイクスを探して欲しいといったことも告げる。
子どもの頃のミンスや若き日のケイシュク登場!
ヨンヒにもミンスの母であり主治医である女性スイメイがそばに付くようになり、やっと心許せる人ができた。ヨンヒはカシ王妃を屋敷に招く。ヨナも来るというのでスウォンは喜ぶ。ミンスも一緒に遊ぼうと誘う。ケイシュクは断る。
しかしユホンの屋敷に向かう途中、カシは賊に襲われ殺される。カシが城の外に出るのは初めてだった。ヨナは馬車に乗っていなくて難を逃れる。

ヨナを慰めるためにスウォンは緋龍城にお泊まりしに行く。
これこそ、一巻1話の皇后陛下がなくなった後眠れないヨナに、スウォンが一緒に寝て眠るまで手を握っていてあげるという場面につながるのよね。その後1巻4話の雪合戦して3人とも風邪をひくのもその続き。見舞いに来たユホンがヨナは怖かったのは、ユホンはほんとうはヨナも殺すよう命じたわけだから、殺気が感じられたと思うので無理もない。
そしてその二ヶ月後ユホンは亡くなる。

(196話)ユホンは遠乗りに出かけて崖から滑落して亡くなったという。スウォンは一生懸命母を慰めようとする。夜中に起きたらスウォンがいなくなっているので探しに行ったヨンヒは、スウォンがケイシュクやユホンの護衛兵と話し合っているのを立ち聞きする。スウォンはユホンの墓を暴いて、背中に剣で刺された痕を確認したという。ユホンがイル国王と遠乗りに行くようすが気になってそっと後と追ったケイシュクの話では、イルは後ろからユホンを刺して、カシが巫女だったから殺したんだろうといったという。カシはヨナを緋龍王を生んだ偉大なる母で、ヨナは伝説の四龍と共にこの国を守って・・・それがユホンによれば「お前はあの女に騙されている」ということになる。イル王はユホンを突き飛ばして、崖の下に落とす。話を聞いたユホンの部下達はイルを玉座から引き摺り落として思い上がった考えを正さなければ息巻くが、スウォンはもう少し時間を下さいという。
母に聞かれたことを知ったスウォンはイル陛下が国を守れる人物かどうかを見極めないと、という。イル陛下が国を守れないと判断したら、降りて頂くか或いは(自分が殺すという含みがあるのかと思う)。イル陛下を殺したらヨナもただでは済まないのよ?というヨンヒに「ヨナは仲良しですが その箱を一番に掬い上げるのは私は違うと思います」

これで今までの謎がかなり解けた。この話はファンタジーではあるけれど、緋龍王の再来も神には国をまかせられないというのも、イル陛下が国を任せられるかどうかその後10年間見極めていたことといい、スウォンが本当に賢こい王になる素質があると思う。結局イル国王を殺して王になったわけだけど、歩み寄れないイルとユホンもに問題があると思うし、皆を納得できる説明が出来ないのならヨナが緋龍王とかいうのは、混乱させるだけだからイルは黙っていればいいものを。

(197話)手記も終わりに近づいた。ヨナの母はユホン伯父に殺されていた。だからイル国王はユホン伯父を殺した。カシは何かを感じて襲われた馬車には乗せなかったんだとヨナは思う。ヨンヒの病状は進み信頼する主治医スイメイに手記をイル国王に渡すよう頼む。最後はこれからイルとヨナに起こるかもしれない未来を私は何としても阻止したいと結ばれていた。屋敷にはユホンを慕っていた部下達が集まりつつあるという。
ジュドもいる!
その後ヨンヒはスウォンとイルの話をすることはない。
って、真国との和平を求めたときに、スウォンは会っても簡単に意見を変える方ではないとミンスもいっていたけど(24巻136話)、母の気持ちも無視かい!
自分がもっと働きかけていたら大神官のこともその他の悲劇も起こらなかったかもしれない。この死の連鎖を断ちたいというのがヨンヒの願いだった。
手記にはイル国王のヨンヒへの返信が出されないまま栞の中に隠されていた。自分と兄は幼少期から性格も思想もまるで違っていて、自分は兄上のように民に愛されていなかった。緋龍王の血筋というヨンヒが現れて兄への妬みが一気に吹き出したけれどヨンヒのせいではない。兄が自分を気に懸けていたことはわかっていたけど、昔から兄と話をするのが苦手で体が震え言葉に詰まり本当に言うべき事と違うことを口走ってしまう。あの時理解して欲しかったのはカシを愛していたこと。兄がヨンヒを何より大切にしていたように、カシは自分にも代えがたい存在だった。私を騙してなどいないと信じて欲しかった。でもカシにも自分が愛していたとは伝わっていなかったことがわかった。人どころか自分ですら動かすことが出来ない自分は王に向いていない。カシも予言していたように、私はスウォンに殺される。もう二度と誰かを殺したくないから、その日が来たら受け入れる。自分が王になりたいと願ったことは無かったが、(神官の件で)兄上だけは王にしてはならないと決意した。自分は、次の王が立つまで、ヨナがいずれ四龍を集結させるまでのつなぎだ。自分が死んでヨナを切り捨てるとわかっていてスウォンを受け入れることは出来ない。いつかヨナがひとりぼっちになってもヨナを誰より大切に想ってくれる者 何があっても裏切らない者を側に置きたい。

それは当然この人

(198話 2020/11/5花とゆめ22号 2020/10/20発売)図書室で再びユンに会ったミンスは、ユンに千樹草について教えて欲しいという。「自分が千樹草がある所に行ってお願いすれば分けてもらえるかも ただ自分はヨナと一緒に城に入った者だから外出の許可でるかなあ・・」といわれてユンがヨナの仲間であることを初めて知る。ケイシュクに交渉にいく途中に、緋の病の頭痛でうずくまるスウォンを囲む四龍に気がつく。精神力で持ち直したスウォンとそれを追うミンス。四龍達は見張られていることに気がつく。「王の病状は国の最重要秘事 加えてひた隠しにされてる「緋の病」だ それを知った時点で普通の人間なら死罪だ」とゼノが言う。ヨナが四龍やハクに会わないって言い出したのはそのためだったのかと四龍達は気がつく。

まだ執務室にいるヨナに、ミンスは急な仕事が入ったので今日はお部屋に戻るようにとの伝言が来る。伝えたのはユホンの護衛だった人ね(196話197話)。ヨナがスウォンをスウォンと呼ぶのが気に入らないようで陛下とお呼び下さいと言うが、口先だけの忠誠に意味は無いでしょうと扉を締める。3日後もまだ執務室でヨナは本を読みまくっていた。スウォンに話したいことがあると言うが、今日は南戒からの使者が来るのでスウォンはここに戻らないとミンスはいう。そこにジュドがミンスを呼び出しにくる。ジュドの反対を押し切って自分も行くという。スウォンの容態は南戒の使者に隠しきれないくらい悪かった。それでもケイシュクが勧める睡眠薬を断って立ち上がったところでヨナと顔を会わせる。「王が病にかかっていると最も知られてはならない相手でしょう ヨンヒ様はずっと寝たきりだったけどあなたは働きすぎなのよ 王家の人間ならここにもいる」
ということで会談にはケイシュク、ジュドを伴ってヨナが出た。舐められていると相手にしなかった南戒の使者だが、スウォンを呼び捨てにするヨナに、高華国でかなりの地位にいるのかと思う。ケイシュクは渋い顔。
ヨナは金州での南戒の敗残兵の乱暴狼藉、阿波での人身売買、水の部族の民をナダイを使い廃人にしたことを指摘する。身に覚えが亡いとつっぱねる使節団に、高華国にやってきた船は沈めたし、人身売買もナダイもやめさせて、関わった商人や貴族は高華国で捕らえていると伝える。
さすが今まで各部族をまわって世直しに努めてきた甲斐があったヨナの迫力とユーモアはかっこいい。

1巻からの伏線がかなり解決されて、親世代のどろどろした確執が重い。

争いを厭う平和主義者と行っても、代わりに外交手腕をもっているわけではなく、苦しんでいる国民に手を伸ばすわけではないイル国王に、ヨナの父とはいいながら疑問を抱いていたのだけど、この巻で国王としての才は全くないけれど、理解できたし共感できた。ただ、イル国王の心理は、理解できない人には全く理解できないだろうなあ。才能豊かで高圧的で外交的な兄弟に常に押さえつけられてきて、思うように喋ることも出来なかった私にはわかるし、殺すくらいの殺意を持つのも私にはよくわかるけれど。

2021年3月28日日曜日

暁のヨナ33

 (188話)ヨナがハクには会わないと言ったこと、ジェハにも来られると困るといった話から、何かがあったことを察するが、どうしていいかわからない四龍達。

 ヨナはミンスに、スウォンとの会見を取り計らってもらうよう頼むが、スウォンは忙しいからと断る。会う気がないことを悟って、夜窓から抜け出してスウォンの執務室にいくが、ドアの前で、護衛に首を捕まれ殺されそうになる。イル国王殺害の前に、夜緋龍城でヨナを追いかけてきた男だ(一巻1話)。室内から出てきたスウォンが、彼女とは今同盟関係にあるし武器も持ってないと割って入る。護衛のヒューリは暗闇に姿を消す。スウォンと執務室で二人きりになり、何かを言おうとしても口から言葉がでてこないが、ここで言えなかったらたぶんもう二度と部屋から出られないと必死になって、「秘密を守らせるなら私が把握できる距離に居た方が都合がいい筈だし、イルの子としてあなたの生き様を見届ける権利があるから、執務室に出入りする許可をちょうだい」と、言う。部屋に戻る途中ハクが第35番隊の仲間といるのを見かける。ハクが稽古をつけているようすに見とれていると、突然ハクがこちらを見て、近づいてきた。そのときヒューリが自分を見張っているのに気がついて、自分と一緒に居たら秘密を喋らなくてもハクを死罪にする口実を与えてしまうと、ヨナは逃げる。ヨナであると気がついて追いかけるハクだが、ヨナは城内に逃げ込む。

(189話)ヨナが近くまで来ていて、他の者の気配もないのに顔を出せない理由がある。ジェハもその後来ない。何が起こっているのか。ハクが兵達の宿舎で考えていると、戒帝国に攻め入るのではないかと兵士達が噂している。ハクは昔叶わないと思った、スウォンの剣の師のヒューリのことを不意に思い浮かべる。

 ヨナは情報共有のためにスウォンの執務室に行く。戒帝国との戦は避けられないという話を聞いていると、ケイシュクが、今日の軍事演習には四龍も参加すると言いに来る。ゼノも参加するときいて了承するスウォン。スウォンはゼノに対して他の龍とは違う特別な感情をもっているようだ。これは何の伏線だろうか。四龍達が無理をしたら「千樹草がいくつあっても足りない」とヨナがつぶやくと、ミンスが耳にとめる。一人スウォンの執務室に取り残されて、王家の死には不審な影が付き纏うとぼんやり考えているうちに、母カシの言葉を思い出す。ほんとうに母は賊に襲われて亡くなったのだろうかと疑問が湧いてくる。

 キジャは演習で兵士達の士気を鼓舞するために四龍の力をお貸し頂きたいとケイシュクに言われて承知する。他の四龍やスウォン、ジュド、ケイシュク、ハクを含む兵達が見守る中、攻撃してくるラパの剣をよけようとしない。ラパは直前で寸止めする。「我々の主は緋龍王即ちヨナ姫様只一人 どうしても我らの力を使うのならここに姫様をお連れしろ われわれから緋龍王を奪えると思うな」と凜と宣言するキジャ。

こういところキジャはほんとうに真っ直ぐで好感が持てる。

スウォンは緊張が走るのを感じ取って、なだめて兵達を感動させる。尚も話があると募るキジャはそのままにして退出しようとするが、すれ違ったゼノはスウォンの顔色が悪いのに気がつく。ゼノがもう少し王様とお話しするからとなごませて、一緒に他から見えないところまで連れ出す。他の龍達もついていく。ゼノはスウォンに、「隠しても無駄だ。お前の母親を知っている。発病したんだな 緋龍王の血筋だけがかかる緋の病に」と迫る。スウォンは緋龍王の末裔だという。他の龍達はびっくりする。

(190話)龍達はヨナに初めて出会ったとき雷に打たれたような衝撃を受けたが、スウォンからは感じないという。ゼノ曰く、ヨナは緋龍王の生まれ変わりで龍達は緋龍王の魂に共鳴しているのだという。緋龍王には5人の子どもが居たけど四龍が仕えたのは緋龍王だけだからとも。(ゼノは他の初代龍達が城を去った後2代目のヤクシ陛下にも神官としてしばらく仕えたと思うけど18巻103話)再び殺害する前のイル国王の言葉がスウォンの頭をよぎる。「あの子は緋龍王の化身なんだよ」そんなのどうやって証明するんだろうと思ってたけど魂の共鳴・・四龍達が言った方がすとんと落ちる。緋龍王か この夜で最もいらない存在だ。とも思う。

執務室に取り残されたヨナは積み上げられた本をひっくり返してしまい、なんとかもとに戻そうとしている最中にヨンヒの手記を見つける。ヨンヒが、ひいてはスウォンが緋龍王の血筋で、一族は緋の病にかかって若くして死ぬ人が多いことを知る。

緋龍王の血筋の者は自分たちだけで静かに都から離れてたところで暮らしていた。お使いに行く娘時代のヨンヒを離れて見守るゼノがいた。そこにユホン王子の鷹ジークがヨンヒの持つ猪肉に惹かれて攻撃してくる。鷹に猪肉を少しわけてあげようとするとお腹のすいたユホンまで食べてしまう。真面目に言っているのにユーモラスな会話となってしまっているヨンヒに吹き出すユホン。傷だらけて足を捻ったヨンヒを送ると言うが、隠れ住む一族の集落を教えるわけにはいかない。ユホンは自分の馬にヨンヒを乗せて緋龍城に連れて行って手当てを受けさせる。空都はこの世で一番の光りの都だと誇らしげに言うユホン。民衆がユホン様と呼びかけるのを聞いて、ヨンヒは相手がユホン王子であることを知る。

(191話)城の前庭にはイル王子とムンドクがいた。(きゃー若き日のムンドク将軍登場、ユホンやイルとも親しくしているようだから、当然この兄弟の確執をずっと知っていたのね)ユホンは、信心深く神官を尊重して神殿にお祈りに通うイルが歯がゆくて仕方が無い。「緋龍王に祈りたくば天を仰げばいいんだ」という(でもこの時点では緋龍王を否定はしない)

城で手当てを受け美しい着物に着替えさせられて、側室候補の美しい女性達に囲まれて酒を飲むユホンのもとへいくヨンヒ。側室候補の女達はユホンをたたえるつもりでイルの悪口をいうが、ヨンヒは、イルが自分の体を気づかってくれて緊張が解けていくのを感じて この人は民に安らぎを与える力をお持ちなのだと思ったという。女達を追い払い、ユホンはヨンヒと食事をするが、話が弾まない。「俺は信頼できる女を探している お前は少し信頼できる女かもしれんな お前は弟を見下さなかった」ヨンヒはユホンはイルを鷹狩りに誘っていたし、ほんとうはユホンはイルに情があるのにうまく噛み合わなくて歯痒いのだと思う。

ヨンヒがどうしても家を教えないので、二人が出会った丘までユホンは送り、7日後に来るようにいう。その後二人は7日おきにあい、いろいろな話を交わす。「お前は信頼できる女だ 俺は信頼出来る女を嫁にするといったよな?」と思わせぶりなことをいいながら。しかし二人の逢い引きはヨンヒの母の知ることになり神聖なる血を卑しい者達に汚される訳にはいかないと、会いに行くことを禁じられてしまう。数ヶ月後お使いに出たときにユホンと出会った丘のそばを通るとジークの声がしてユホンの姿が見える。「会えなくなってから眠れなかった。こんな想いはもうさせてくれるな」と。

(192話)ヨンヒは母とユホンをあわせる。母は一族の秘密をうちあける。ヨンヒの一族は正当なる緋龍王の血筋を名乗り当時の王家に対して反乱を企て、民衆から嘘つきと刃を向けられ半数が処分された過去があり、それ以来その血を隠して静かに生きていること、一族の人間は緋の病にかかり短命となる可能性が高いこと。ヨンヒとヨンヒが産む子は緋の病にかかってしまうかもしれないことなどを話した。ユホンはその秘密がバレなければ面倒な事にはならないという考えだった。自分だっていつ死ぬかわからないし、平穏に暮らしたいのならば一族の身分には誰も介入せぬようにする。ヨンヒとお前達は必ず守ると。

ジュナム王から結婚の許しも得たが、婚礼の儀に神殿を使えという神官がユホンは目障りだった。(ヨンヒの護衛はあのヒューリ!常に影のように無言で付き添い、ここでも恐怖感満載。ヨンヒも怖がっている)子どもの頃の神官イクスと見習い巫女のカシに城の庭で出会う。カシは一目でヨンヒの血筋を見抜く。若き日のイルもやってきて誘われて神殿にいく。イルが優しい人であることを知っているしユホンもそれを理解していると知っているヨンヒは、神官を理解することで二人が歩み寄ればと行ってみたのだが、大神官も一目でヨンヒの緋龍王の血筋を見抜く。そこにヒューリとユホンがやってきて、口論となり、ユホンはイルを殴る。その後神官への弾圧が始まる。

(番外編)13歳のハクと12歳のテウとヘンデはムンドク将軍に連れられて、地の部族の阿波の港町(と思われるところ)に社会見学。ムンドクとはぐれた3人は武器屋へいくが、そこで大刀を盗んだ賊を、ハクと若き日のジェハは協力して捕まえる。5年後に出会うことになる(5巻26話)とは知らずに、お互いの力を認める。

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2021年3月27日土曜日

暁のヨナ32

(182話)キジャとジェハは大暴れして会場を壊し、お客さんを逃げ出させる。その後二人は力尽きて倒れる。スウォンは彼らが青龍と黄龍の能力を見せたくないためにやっていることに気がつく。

(183話)四龍を解放に舞台に出ていったハクも民衆に姿をさらすことになる。特に風の部族は熱狂する。

試合後赤ん坊を連れた妻のユウノと共に挨拶に来たグンテに、跡継ぎについて聞かれてスウォンは「跡継ぎをつくるには時間がかかりすぎる 私の血を受け継ぐ子が王にふさわしいとは限らない それより王の器を持った人を探す方が早い 自分の血を引いてなくてもどのような身分でもいいという」こういうところスウォンは一番器が大きいし、リーダーとしての才があると思う。たぶん自分の血をひくと病気の血統も受け継ぐかもしれないのも自覚していただろうし、自分の母のように若くして発病するかもしれない可能性も考えていたと思う。そこら辺は最高の王さまだと思う。

ハクは夜ラパを呼びつけ、自分を一兵卒でいいから空の部族軍に入れることと、ユンに医学の勉強をさせる約束をケイシュクに促すよういう。

(184話)ハクの入った空の軍第35番隊は落ちこぼれの集まりで、ろくに訓練もさせてもらえずに掃除炊事に励む雑用隊。しかしそこでも速攻で仕事をこなし、素振りする時間をとるハク。手合わせを望む隊員達をコテンパンにして、嘆く隊員に、「武器を扱った事すらないお嬢さんが毎日弓の訓練してかなりの使い手になったりもするよ」という。「誰よりも必死だったんだ強くなる為に」と。この35番隊からあとでハクは切り離されて城の牢獄に閉じ込められるけど、いずれ来る戦ではどうなるのだろうか。35番隊の隊員達とけっこう心を通わせているように見えたが。

ジュド将軍見つかり、「スウォン陛下に忠誠を誓え」と迫られる。ハクは「どうしてイル陛下と姫さんはあんな裏切りを受けなければならなかったんだ!?イル陛下のやり方では国を滅ぼすと危惧していたにしてもスウォンならばイル陛下と解決することは出来たんじゃないか」と。イル陛下に一番寵愛されていたハクの耳にはユホンはイル陛下に殺害されたことが届いていないし、ヨナ姫からも聞いてないことを知る。自分とスウォン一緒にいながら違うことを考えていたことを思い知るハク。そこへハクとスウォンが育てたスウォンの鷹グルファンが、ハクを見つけて喜んで飛んでくる。ハクがイル陛下がユホンを殺したことを知らないのは不思議はないけど、ヨナは何故ハクに告げなかったのだろう。まあ状況は複雑で、この時点ではヨナも親世代の確執を知らなくて、なぜイルがユホンを殺したかまで知らなかったわけだけど。

暁のヨナは過去を回想して現在の気持ちを説明したり、伏線があとから種明かしされたりといろいろあるけれど、単行本で何度か読み直している身にはよくできたわかりやすい説明だと思う(もちろん連載だけ何年にもわたって追いかけている人や新しくファンになった人にはわからないこともあるかと思うけど)。でもこの場面のジュドの家来(ギョクさんだっけムアさんだっけ)の行動だけ理解するのに結構時間がかかった。


真ん中のコマが回想であることに気がつくまで(枠線がここだけ薄くなっているけど)何を言っているのかよくわからなかったけど、これはかつてスウォンとハクが城を出てから初めて近距離で対面して、つかみかかろうとした16巻91話で
全くハクにはかなわなくて止められなかったことを思い出して、思わず刀に手を伸ばしたわけなのよね。

(185話)「姫さんはあんたらと同盟を結ぶと決めた 主君の誓いを俺が一方的には反故にはしねぇ」とい言葉に真実を感じたジュドは剣を退く。一方ラパがイル陛下暗殺の夜に緋龍城に侵入した一人であることを覚えていたハクは、もう一度イル陛下がユホン様を殺害したことを確認する。空の部族やほかの部族にもユホン派は大勢いる。グンテ将軍もジュンギ将軍もジュド将軍と多くの空の部族兵も、みな先々帝のジュナム王がユホンを次期王に選ばなかったことに不満で、あの夜の反乱はイル陛下への復讐というよりスウォンを高華国の王にするためだという。ハクも、方法は違うけれどスウォンとヨナが結婚して王になることを願っていた。

一方スウォンはゼノを誘って城内を散歩。不老不死という現象に興味があるという。殺してみるとわかるけどそれをやると他の四龍さん達が暴れそうなんで面倒ともいう。そこにジュドがきて、ハクが空の兵に一兵卒として入隊したことを報告する。城壁から見下ろすとハクが第35番隊の兵士達を仕事をしており、グルファンが嬉しそうにつきまとっている。突然具合が悪くなったスウォンは判断任せますといって去る。

夜ヨナの部屋にスウォンがミンスを探しに忍んできて倒れる。ヨナの腕の中で夢だと思ったスウォンは、ハクが空の部族の戦士になって傍らにグルファンがとても嬉しそうに飛んでと、子どもの頃と同じように優しい声で語りかける。

(186話)

こういうところでしか甘えられないスウォンも、自業自得とはいえかわいそうだなあ。

気がついて退室しようとするが体が動かないスウォン。実はずっと護衛が控えていたようだが、スウォンがヨナのところに忍んできたと思って、静観していたけど、さすがにようすがおかしいと連絡に言ったようでケイシュクが駆けつける。主治医のミンスが呼ばれる。ミンスが主治医であることがここで初めて明かされるけど、当然ミンスの母がスウォンの母ヨンヒ様の主治医であったことから、万が一の可能性も含めて主治医になっていたのよね。
ミンスは図書室で医学の勉強をしているユンと出会っていた。回復を促進する千樹草が載ってないか調べていたが、他にも回復を早める薬草がいろいろあることを知る。そこにスウォンが倒れたので呼び出される。ミンスは普段はスウォンは問題ないと言うが、ヨンヒ様を知っているケイシュクは懸念をジュドに伝える。千州の戦でスウォンは指揮をジュドやケイシュクに任せて城に残ったのは、南戒を警戒して城を空にしないためと言うことで合意したものの今となっては気になるというケイシュク、グンテ将軍との、跡継ぎは自分の血筋でなくてもというやりとりも思い出させる。

夢の中でイル国王との最後のやりとり「やあ 来たねスウォン 私を殺しても緋龍王にはなれないよ 試してみるといい そして振り返るといい ほらそこに赤い髪の真の王がきっと君を死に落とす」という。これはなんの予言なのだろう。もともとイル国王はスウォンが自分を殺すことを、妻のカシに予言されていたけれど、スウォンがヨナに殺されるという予言なのだろうか。

(187話)翌日からヨナは、部屋から出ることも禁止でケイシュクやジュドやミンス以外の人間との接触も断ってもらうとジュドから言われ、四龍ともハクともユンとも会えなくなってしまう。
第35番隊で働くハクをジュドがこっそり文官の服を借りて訪ねる。四龍達はヨナと会えなくなったことを伝える。こちらから会いに行くことにしたというジュドに一緒に来るよう誘われるが、ハクは宮殿で騒ぎになったら反撃してしまうかもしれないけれどそうなると姫さんの覚悟もここでやってる事も無駄になるから、とヨナの部屋だけ教える。空の部族部隊の中で実力で偉くなってヨナの専属護衛を取り返そうと思っていることも伝える。

ジュドにスウォンとの面会を求めたヨナは書類の山に埋もれて倒れているスウォンを見つける。薬に睡眠作用があるので寝てしまったのだろうとミンスが言う。突然ヨンヒ様が昔倒れた事を思い出したヨナは、ヨンヒ様は同じ病でもう亡くなっていて、死に至る病だから見てしまった自分は隔離されているのではとミンスに問う。王の体に関することは国の最重要秘事で主治医とごく一部の側近にしか知ることができず、見聞きしたり口外すると死罪、ヨナと四龍は政に必要だから死罪を免れるがハクやその他の人に知られてはならない。二度と口にせずケイシュク参謀やジュド将軍に逆らうなとミンスは諫める。

スウォンは親の仇であるが、幼なじみで初恋の人でもあるヨナには、スウォンが死に至る病というのはショック。そこにアオを連れたジェハが窓からやってきて、ハクのもとへ連れて行ってあげるというが、ミンスの言葉を思いだし、「来られると困るし専属護衛もいらないとハクに伝えて」と。ジュドがようすを見に来る声がしたので、ジェハをあわてて追い出すが、アオはそのまま残る。


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2021年3月26日金曜日

暁のヨナ31

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(176話)ヨナもハクもジェハに火の部族の野営地まで運ばれてユンの手当てを受ける。ゴビ神官はハクがヴォルドとアルギラに引き渡す。ユンは他の兵士達の手当てにもかり出されて忙しい。勝利の宴が始まり、ハクに抱かれてヨナも参加。火の部族から二人とも大歓迎されるが、ヨナは火事の影響で声が出ない。お見舞いに来たケイシュク参謀にハクはヨナを抱いて退散するが、テジュンは喉の薬を頼む。途中落ちそうになったヨナを思わず抱きしめるハク。ヨナはまだ声が出ない。

そこへケイシュク参謀から喉の薬をもらってきたテジュンが追いつき、ヨナは警戒するハクを尻目に一気飲みする。なんとか声がでるようになって(そんなに即効性の薬があるか!!と突っ込みたい)「わたしハクが好き」

(177話)回顧シーン。許嫁のアヤメに「関係が壊れて失いたくない 俺はその人とその人の大事な人が幸せになってくれたらそれでいいよ」とヨナへの思いを名前は挙げずに漏らした子どもの日が、ハクの脳裏をよぎる。絶妙のタイミングでテジュンの耳を塞ぐフクチ、最高!フクチに連れられてテジュン退場。でも天幕のすぐ外だったので、ジェハにもキジャにもアルギラにもヴォルドにもしっかり聞こえている。
翌日、アルギラとヴォルドはゴビ神官を連行して真国へ出発。火の部族は帰り支度をしているが、今彩火に戻ると騒ぎになるからとヨナは一緒に行かないことにする。そこでフクチがヨナ姫がハク隊長に愛の告白をするまでに声が回復したことを受け・・・とさらりと告げる。このおとぼけぶりも最高。このあとテジュンもフクチも2021年2月現在ずっと登場しないのだけど、どうしているかなあ。ヨナがアヤメにやきもちを妬いていることに気づいて、ハクは幸せ。せっかくほっこりムードになってきたのにこの後は長い長い別れが・・・空の部族の医療部隊と話ながら、その医療技術に感心するユンに、ケイシュクが緋龍城の書庫にくるように誘う。そしてヨナに「私は優秀な人材が欲しい 手を組みませんか」と。

(178話)今後も四龍を狙う者が国内外問わず現れる。今までの様な生活では彼らを守れなくなるというケイシュクの言葉にヨナは動揺する。ハクに「あの日イル王が消えなければスジン将軍の反乱の時にあるいは斉国にあるいは真国に高華国は滅ぼされていた 暗殺されたのは歴史的な勝利の日だ。スウォン陛下でなくてはこの国を守れないのだ」というケイシュク。ケイシュクの狙いは彼らが英雄になってしまったので、殺すと暴動が起きかねないから手を組んで彼らを監視下におくこと。雷獣がスウォンの命を狙っていることに懸念を示すジュドに「空の部族将軍でありながらイル王の貴方の扱いは年若いハク将軍よりも下・・・イル王はハク将軍をヨナ姫の婿に考えているとの噂もありましたね あなたがスウォン様に付いたのはそれが大きな原因では?」と揶揄する。一晩猶予を与えられたヨナはケイシュク参謀の話を受ける決心をする。ハクは「どんな理由があろうとも俺は(スウォンを)一生許すことは出来ない」というが。

(179話)ヨナ姫の失踪およびイル陛下の死も千州の仕業だったという噂を流して、空の部族の凱旋と共にヨナ姫の帰還。四龍は緋龍城で心が安らぐのを感じる。しかしハクは入場を拒まれる。ユンも一緒に残ることを選ぶ。(でもって35巻でやっとヨナと四龍は一緒になれたしハクも城に一応入っているけど、ユンはいずこ)ヨナ姫はかつての自分の部屋に入るよういわれ、四龍とスウォンの対面、とはいっても彼らとは水の部族の麻薬相同や斉国との戦いで既に会っているが。ケイシュクは四龍のお披露目のための武術大会を開くという。

(180話)ゼノは不老不死であることを聞いて興味をもつスウォン。キジャがスウォンに触発されて、思わずのせられて四龍は参加することになる。ヨナは元の自分の部屋に一人隔離される。そこへお世話係としてミンスが来る。武術大会の貴賓席でヨナはスウォンの隣の王妃席に座るよう促される。民衆はスウォンとヨナが婚約したと思い込んで祝福する。見ているハク。こうなったら、ヨナとスウォンを結婚させて四龍を支配下に置くのがケイシュクとしては理想の大団円。

(181話)ジュド将軍対キジャ、グンテ将軍対ジェハが同時進行で始まる。試合は四龍に上手く能力を出させて適当なところで負けろとジュドはグンテに言い含める。ケイシュクの方針のようだ。

2021年3月25日木曜日

暁のヨナ30


(170話)龍達はまだ決着がつかない(つかないよう引き延ばしている)。千州千都のリ・ハザラの城では、クエルボの妻ユーランが、ヨナの世話をしている。ユーランはヨナがクエルボの第二の妻であると思い込んでいるが、クエルボを愛して尊重していることが伺われる。そこへゴビ神官が現れる。戦場ではクエルボが前線にあがり、ハクと対決する。姫さんはどこだとハクに言われて、クエルボは、ヨナがこの男に惚れていると察する。

(171話)馬鹿馬鹿しい会話をしながら、凄い対決をしている二人を見守る戒と火の部族の兵。そこに戒軍の左右の騎兵隊が崩壊寸前で、まもなく高華国の騎兵が中央歩兵隊に向かってくるとの伝令に、クエルボは四龍を回収して退却を命じる。ハクはクエルボに重傷を負わせるが、クエルボは部下に連れて行かれてしまう。四龍達はユンを逃がし、4人が人質になるとクエルボの兵に伝える。戦場で動けないハクを見つけて手当てをしにユンは駆け寄る。
 ゴビ神官はユーランに、ヨナ姫を自分に引き渡して、その後四龍を逃がせば、クエルボの妻として嫉妬する必要がなくなるというがユーランに拒否される。

(172話)ゴビ神官は傭兵を使ってヨナを連れ去ろうとするが、アオがゴビ神官の顔面に突撃、ヨナも傭兵を跳び蹴り、(アオはシンアのお友達ペット?だけど、のちのちの32巻187話の緋龍城とか、ヨナやその他の人が精神的に大変な時は寄り添ってくれる。ヨナは足に鎖をつけらたまま跳び蹴りというのは無理があるような・・・)ユーランがトゥーリ族伝統の激辛香辛料をかけて脱出。傭兵に追いつかれたところをヨナは倒れている警備兵の刀で反撃、更に弓で射る。

そうこうしているうちに退却したクエルボが兵と四龍を連れて千都に戻ってきた。ところがクエルボの命で門前で戦わせるために四龍を運ぶのは、いつの間にか千州兵に扮したアルギラとヴォルド。ジェハは、本当は戦いたくないし、戦でもっぱら前線に自分の兵ばかり晒されて兵をたくさん失ったリ・ハザラに、四龍が都を守ることと引き換えに降伏を持ちかける。クエルボに逆らって白旗をあげるリ・ハザラ軍。四龍はリ・ハザラは降伏したので都の門を開けるが無抵抗の兵や都の民に害をなさないよう高華国軍を説得。空の部族は納得しないが、ハクが現れると火の部族は英雄のごとく歓喜する。

(173話)
火の部族の熱狂支持により、ジュドたち空の部族兵も従う「これではまるで雷獣がこの戦の総隊長ではないか。もしここに陛下がいると軍が分裂してしまう この者達の存在がこれ以上大きくなれば高華国は分裂してしまう」とジュドは危惧するが。
ジェハが言っている、降伏したのだから無抵抗の兵や都の民に害をなさないっていうのは至極当たり前でまっとうだと思うのだけど、戦国時代には敵国の一般市民まで虐殺するのが当たり前だったのだろうな。それこそこの方法で国を守り国内で圧倒的に人気があったというユホンのやり方だ。これが変わらないと外交による平和的共存ができないのだけど、スウォンはユホンを崇拝しながら、もっと外交的手腕が見えるところがユホンを越えた王だ。
ユーランは脚枷をされたヨナを隠してクエルボを探しに行くが、ゴビ神官の手下に襲われる。隠れ場所から出てきたヨナはその傭兵を射るが、ゴビ神官側に捕まる。トゥーリ族には撤退命令が出るが、クエルボは一人空の部族兵の服装で千州城に潜入する。ハクがそれに気がつき一緒に潜入。

(174話)ハクの目的はヨナ奪還。クエルボはヨナがいるはずの自室に案内しようとする。城を警護するクエルボの部下が殺されていてゴビ神官が裏切ったことをクエルボは知る。二人でゴビ神官の部下を倒してクエルボの部屋に向かう途中で、クエルボを探しに来たユーランと出会う。ヨナ姫がゴビ神官に連れ去られたことを聞いてハクは駆け出す。クエルボはユーランを連れて撤退。
後ほど34巻過去編のユホン将軍もそうだけど、残虐な君主であることと配偶者を大切にすることは普通に両立するものなので。
ヨナを探しに来たアルギラとヴォルドは、ゴビ神官の部下に抱えられているところを見つけるが、ゴビ神官は灯りを倒して逃げたために城が火事になる。燃えさかる火の中で意識が遠ざかりながらハクを思うヨナ。近くまできたハクはアオが呼ぶ声に気がつき、倒れているヨナを見つける。ハクの腕の中で夢を見ていたヨナは「ハク すき」とつぶやく。

(175話)火事で煙を吸って声が出なくなったヨナ、クエルボがユーランを迎えにきたときいて喜ぶ。ひどい火傷と怪我のハクは、ヨナを抱えながら途中で休憩、水をあげようとしたヨナはひしゃくがないので口うつして渡す。

 しつこく狙うゴビ神官はハクの大刀で服ごと壁に固定される。アルギラとヴォルドはゴビ神官の手下をやっつけたものの、城の外廊下から落下、その間に火はどんどん廻り、ジェハを探して助けを求める。

2021年3月24日水曜日

暁のヨナ29


(164話)仲間を人質に取られたオギは、ヨナ、ジェハ、ゼノ、ユンを呼び出して、ゴビ神官の手下の手に渡す。4人は戒帝国のクエルボの元へ連れ去られる。

(165話)四龍の力を出させるためにヨナを傷つけようとしたゴビ神官は、逆にヨナに跳び蹴りされる。ヨナは更にクエルボに剣を突きつけるがあっさり奪われる。クエルボはジェハを部下と戦わせる。その間もクエルボに肘打ちして足かせをつけられる。クエルボの部下を全員倒したジェハだが、4日後の高華国との戦で残りの四龍を連れてくるよう命じられる。「君はいずれ稲妻の獣に喉笛を喰いちぎられるだろう」とジェハ。ヨナは城に人質としておいて行かれるが、クエルボに「姫さんって呼ばないで」とヨナ。

千州の軍が国境に向けて集まりつつある。空の軍からはジュド将軍が援軍を引き連れてくるが、スウォンは来ないらしい。ハクはテジュンと組んで出陣することになる。キジャとシンアは敵が狙っているのがわかるので、頼れないと思う。

(166話)彩火城で療養しているオギの見舞いとゴビ神官を追って、真国からヴォルドとアルギラがやってくる。テジュンとハクから状況を聞いて、二人はハクと一緒に戦うことになる。
ヨナはクエルボに連れられてリ・ハザラと再会する。リ・ハザラはスウォンの報復が怖くて戦はしたくないが、兵も武器も城もクエルボに抑えられて従わされ憔悴している。

(167話)クエルボの姉ティティアはかつて戦女神と呼ばれ父や民に愛されて、トゥーリ族を率いて無敵だったが、戒帝国の皇帝に嫁いで不審な死を遂げた。ヨナはその姉と纏う空気が似ているので新しい戦女神とするとクエルボはいう。四龍も求心力があるから手にいれると。
ティティアの死の真相とかは2021年2月現在まだ明かされていないけど、まだ何か伏線がありそう。
出陣するジェハにヨナはハザラは戦に乗り気でないことを耳打ちする。ゼノと、人質としてユンも出征する。
戦いが始まった。ハクは実際に軍を率いて戦にでたことはない。火の部族の兵達にあいつらを絶対俺らの国に入れさせないと誓い、鼓舞する。

(168話)ハクの率いるテジュン部隊は、一番敵が歩兵を集中して突破しようとしている中央で迎え撃つ。キョウガは左翼を攻撃し、最強のジュドの部隊は右翼を突破したら敵の後ろに回り込み左翼にまわってキョウガの部隊を支援する予定だが、そこにゼノとジェハが現れて、ジュドの部隊を攻撃して足止めする。そこへ気配を感じたキジャとシンアが駆けつけて対決する。ジュドに二人は自分たちに任せて行けといって。ジュド隊が遅れている間にハクが斬られて落馬する。

(169話)思わず救護に駆けつけるテジュンは斬られそうになるが、ハクが立ち上がり相手を斬る。復活したハクはテジュンに作戦を授け、アルギラとヴォルドも突破したらそのままハザラの城に向かってヨナ姫と仲間を頼むと、行かせる。
ハクの作戦は苦戦して持ちこたえられそうにない右翼のキョウガ将軍騎兵隊を退却させることだ。ハク隊長の指示と聞いてキョウガはその通りにする。武人としてのハクをキョウガは知っているからね。中央右翼の歩兵隊が退却するキョウガ将軍騎兵に隠れて前進、勢いづいて追ってきた戒の騎兵に弓を浴びせる。そしてその背後にはアルギラやヴォルドを含む高華国の騎兵が隠れていて、一気に突破する。かつてスウォンとハクがたてた架空の戦の陣形と戦略だった。スウォンが「こんな戦略は中央で踏ん張る一騎当千の武人がいないと無茶かな」といったことまでハクの脳裏に浮かぶ。見ていたケイシュクはまるでスウォンのような作戦に驚く。策を支持したのは雷獣ハクであると伝えに来たテジュンに、状況を聞き空の部族兵を雷獣の補佐にまわすように指示する。驚く部下に「スウォン陛下の策とムンドク様譲りの いやそれ以上の武力をもつ男 今ここで死なすには惜しくなった」と。

クエルボは中央で一人でハザラの兵を次々倒す男がいると聞き、「雷獣か?」とつぶやく。ヨナの「ハクは誰にも殺せないわ」との言葉を思い出しながら。

2021年3月23日火曜日

暁のヨナ28

 (158話)彩火の都でテジュンの別荘に滞在するヨナ達一行。3年ほど前に緋龍城でヨナに言い寄っているところを、ハクに邪魔されたことを思い出したテジュン(懐かしの1巻3話!あの頃のテジュンとずいぶん変わった)、ヨナ姫と将来を誓い合ったというのは嘘だろうとハクに迫る。ハクは「この人を好きな気持ちは偽ってない」と皆の前でしれっという。フクチはすかさず「私が聞いておきましょうか ヨナ姫の気持ち」と突っ込む。フクチの突っ込み最高!

熱狂した火の部族の民衆が別荘に押しかけてヨナ姫の手をひっぱったり、キジャの龍の手に触ろうとして、真国で四龍が民衆につかまったことを思い出す。あわてて皆窓を閉めて引っ込むが、民衆に話を聞きに来たのは、なぜかあの真国のゴビ神官。

空の部族の民衆にも、ヨナ姫と四龍の噂は広がり、イル国王は本当はスウォンに殺されて、天罰を与えるために緋龍王であるヨナ姫が四龍と共に立ち上がったのではという者もでてきた。ケイシュクは尊大で民衆に人気が無いが、リリはケイシュクがヨナ達を快く思ってないだろうと心配する。

(159話)ヨナ達はテジュンの手配で彩火城に身を寄せることになった。テジュンの母イグ二がやってくる。イグニはヨナ四龍を見て「あか しろ あお みどり き」とつぶやく。(これはずっと後の34巻の過去編でヨナの母カシがイグ二に「この子にはしろとあおとみどりときいろの守護がついている」といったことを思い出したのだけど、この伏線は単行本になってから読み直さないと思い出さないだろうな。)

キョウガ将軍はもう風呂に入った後なので将軍の風呂を四龍達に貸したところが、綺麗好きのキョウガ将軍が食事中に阻喪をしてもう一度入浴に来ていてはち合わせしてしまう。ドアの両側で争っているうちに外れたドアにぶつかって気を失うキョウガ将軍。しかしここで思わず緋龍王よ私に力をと叫ぶキョウガ将軍、緋龍王伝説はやはり染みついているようで。

ハクとヨナは貴賓室で二人きり。気が利きすぎる女官に最高級の夜用香水と絹の服と怪しげな寝所を用意してもらう。(って女官はヨナをテジュンの恋人だと思っているようだが)そこにユンや四龍達が失神したキョウガを担ぎ込んで乱入。そこへキョウガの母イグ二も入ってきて・・・

(160話)更にテジュンも来る。そこに空の部族を率いたケイシュク参謀が国境警備の為に彩火城に到着したという知らせ。キョウガ将軍は失神したままなのでテジュンが部下のフクチとキルソンと共に迎えに行く。ケイシュクの何か隠しているのはという思わせぶりないい方や前回の烽火はヨナ姫が関わっているのではという言葉に更に侮辱的な発言もあったが、こらえるテジュン。

テジュンが何か隠しているのを察して空の兵に(名前は32巻でやっとでてくるけどケイシュク直属の部下ラパに見える)後をつけさせたのをちゃんと気がつくフクチは相変わらず優秀な部下!

事情を知らないキョウガの部下がケイシュクを貴賓室に案内する。先客が泊まっているといて、女官はその名前を答えられないというのをきいてピンときたケイシュク達が押し入ってくるのを、ヨナ達も察して隠れ、まずは気を失ったキョウガ将軍が裸で寝所で休んでいるところを発見させ、攪乱したところで灯りが消え、シンアがケイシュクの頭の中に話しかける。そのスキに、ジェハに載ったゼノが逃げて注目を集め、他のメンバーは走って逃げる。

(161話)庭園は空の部族軍に見張られているがイグ二が抜け穴からヨナ達を自分の屋敷に招く。イグニはテジュンを笑った参謀もキョウガを懐柔したスウォン陛下もいい気分がしないという。キョウガを懐柔したスウォンにはいい気分がしないというのは、簡単に方向転換したキョウガよりもよほど正直だと思う。なんと言ってもイグニはスジン前将軍の妻だし、後ほど34巻の過去編ででてくるけどヨナの母カシの友達でもあったし、ヨナもスウォンも子どもの頃から知っているわけだから。空を飛んで皆の注意を逸らそうとしたジェハに乗ったゼノは、ケイシュクの部下に射られる。夜目遠目の聞くシンアが気がつき、四龍とユンとヨナとハクが駆けつける。ジェハと共に墜落したゼノの矢傷が寸時に治るのを見たケイシュク。

(162話)更にもう一度矢をゼノに射かけて死ぬかどうか確認せよというケイシュクに、火の部族が駆け寄って四龍達を守る。このままでは国王の権威が脅かされる。そこにハクの大刀がケイシュクの首筋に据えられる。ケイシュクは、今自分と兵士が死ねば民衆の大半はハク達は悪と見なすし、陛下はヨナ姫とハクを処刑する正当なる理由が出来不安材料は消えるが、首を懸けるのはここではないと判断して、空の部族兵を退かせる。翌朝目が覚めたキョウガを待っていたイグニは、火の部族の民の恩人を軽んじてはいけないとキョウガを諭す。

トゥーリ族の王イン・クエルボは千州を制圧してリ・ハザラを従えていた。真国のゴビ神官もクエルボの元に身を寄せ、高華国の化け物と化け物が守る赤い髪の少女を捕らえるようにクエルボに勧める。

(163話)ケイシュクはキョウガ将軍に、国境整備に四龍とハクの力を借りるよう提案。キョウガはヨナに、四龍という兵を味方につけてスウォン陛下に復讐するつもりか問いただす。「父を亡くした日を忘れたことはないし 許すつもりもないけれど ただ父の愛したこの国がいとおしい」「火の部族領には思い出の地や大切な人もいっぱいいる 私で出来ることがあれば手を貸したい」と。

既に28巻になってしまったけれど、父を殺した人への恐れや憎しみ、そしてなかなか吹っ切れない恋心、裏切られた思いを乗り越えて自分が国のために何をしたいか自覚するにはこのくらいかかるのが自然かと思う。

イグニの屋敷の池の畔で、ハクはヨナに、「あんたとタレ目(ジェハ、ケイシュクの部下にゼノが射られたときに一緒に墜落してまだ負傷中)は安全な場所にいてください」という。ヨナとラブラブになりそうな雰囲気だったのに、わざと避けた。


ヨナたちと別れてもまだ彩火城下町の裏町いるオギは、赤い髪の少女と四龍をおびき出せとゴビ神官の傭兵に脅かされる。ハクとキジャがキョウガ将軍に、協力の話をしにいっている間にオギに呼び出されたヨナとユンとジェハとゼノ。

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2021年3月22日月曜日

暁のヨナ27

 (153話)大声の告白の後もハクは変わらない。朝から木刀持ってビシバシ剣の稽古。ヨナはなかなか集中できない。「姫さんが弱いんでしょ」といわれて、ハクの喉元に木刀を突きつけるヨナ「やっぱ かっこいいな あんた」とハク。「昨日言ったことなら本気ですよ あ 気にしないで下さいね 俺は別にあんたに何か期待してるわけじゃねーから」といわれて何か言うきっかけを失ったヨナ。夜しみじみとジェハと語るハク。「今はお前らがいるし姫さんの心も安定してるみたいだから俺が何か言ったくらいじゃ揺らがないだろうし」(いやハクといるとヨナの目が泳いでいるのはちゃんと気がついてるじゃない)

ヨナには忘れてくれと言ったハクの話は、スウォンからもらった簪は情報屋に対価として渡してしまったけど取り返さなくていいのかということだった。あの日の傷が少し過去のものとなって前に進めているのならよかったという。自分だけが思い出を手放せてないと。ハクはまだ裏切りの闇にいて救ってあげられるのはヨナちゃんたぶん君だけだとジェハは思う。

そういえばこの簪はリリが後ほど買い取るのだけど(27巻154話)、当然ヨナに返そうと思ってリリは買い取ったと思うのだけど2021年3月現在まだ登場しない。というかこのあとリリとヨナは会えてないし。

ヨナは真国との戦を止める件でスウォンと対峙してから、すごく強くなった。スウォンもユホンやイルよりまっとうな王だと思うけど、ユホンを崇拝するあまり引きずられているところがあるけれど、真国の事件以来ヨナは父親を殺されたこともスウォンへの恋心も乗り越えたように見える。連載で読んでいる人にはこの進行具合がもどかしく、話を引き延ばしているように感じるだろうけど、後からまとめて読む身としてはこのくらいいろいろあった上でスウォンと向き合えるようになった方が、自然に感じる。

(154話)緋龍城には緋龍王の霊魂を祀る廟があり龍神の加護が強いので、近くに行くと四龍は体が回復するからと、空都の近くでの療養をゼノは提案する。緋龍王の廟には小さい頃からヨナは出入りしていたが、一度だけスウォンを連れて入ろうとしたらイル国王に「お前が脚を踏み入れていい場所じゃない」とスウォンだけ叱られたが、スウォンは不満も漏らさず廟には二度と近寄らなかったことを回想する。

空都で、オギはスウォンを小さい頃から知っているけれど、今回のヨナ姫の件でもうスウォンは自分とは会わないだろうと落ち込む。そこにリリが訪れ、ヨナの簪を見つけて、あの子の物よといい、ヨナ姫と知り合いであることをオギも知る。オギはスウォンが心配だという。リリは簪は自分が買い取るけど、負けてくれれば対価としてスウォンが元気にしているかどうか時々伝えにくるという。緋龍城に戻ったリリはスウォンが玉座の地下にある緋龍王の廟へ入るのを見かけてついて行く。一度止められたのでどんなところか見に来たけど、こんなものかという。

火の部族ではテジュンが烽火の件でキョウガから責められていた。そこに本当に戒帝国側より国境を破り、火の部族領最北の町に敵の軍が侵攻してきたとの知らせが来る。

(155話)ハクや四龍達が療養する空都近くの温泉に、オギが情報屋仲間と密会するために来て、戒帝国より敵が侵入してきたという話をハク達も耳にする。テジュンに進軍を遅らせるために烽火を上げてもらった話を仲間にして、言葉に詰まるヨナに、行けば何か出来ることがあるかもしれないとキジャはいう。四龍の噂を確かめるために、オギは馬を貸して自分もついていくことにする。

侵攻を確認にいったキョウガ将軍とテジュンは軍勢を目にする。彩火城への援軍を頼むが時間がかかるので、キョウガはここで敵の侵攻を食い止める。しかし相手方の方が圧倒的に兵力が大きい。そこにヨナの放った矢が。

(156話)ハクと白龍緑龍青龍が火の部族を応援し、敵は退却する。戦場に現れるという四龍を探していた火の部族兵に囲まれて、ジェハ達は引き上げられずにいるうちに、現れたキョウガはハクに気がつく。ということは丘の上にいるのはヨナ姫。彩火城まで連行してスウォンに引き渡さなければという。テジュンが駆けつけて、ヨナ姫と仲間たちは火の部族領の復興に手を貸してくれたし、今も火の部族を救ってくれたので手出ししないで頂きたいという。誰が何と言おうとたとえ兄上でもヨナ姫に手出しは許さないと。ヨナは崖を降りてキョウガに「スウォンは自分たちが生きていることは知っている 殺したければいつでも出来るし貴方一人で焦る必要はない」という。城にいた頃の何も知らない甘やかされたヨナ姫しか知らないキョウガは驚く。火の部族の兵達は、伝説の赤い髪と四龍だという。彼らに手出しする事は髪への冒涜にも等しいと。一部始終を見ていたオギは、この騒ぎが広まれば、スウォンにはない神の力をもつヨナ姫は、王家にとってより目障りな存在となることを感じていた。

火の部族は緋龍王や四龍への信仰が厚く子どもの頃から聞かせれているのだから、いくら将軍という立場があるとは言え、父のカン・スジンや緋龍王や四龍の話をすべて否定して、ころっとスウォンへの忠誠第一と思えるキョウガの方が、変わり身が早すぎると思うが。

(157話)ユンとゼノも崖から降り、兵の手当てを先にするように呼びかける。侵略してきた敵は千州より更に北方の豪族であることがわかった。

リリは緋龍城にまだ滞在中。リリとスウォンは恋仲だと思われて、城の人には歓迎されているし、スウォンとしてもうるさい婚姻話を持ちかけられないので都合がいいという。ただリリは真国の出兵の際に、自分とヨナは親友で、スウォン達がヨナを城から追い出したと空の部族軍や水の部族軍に喋ったので、ケイシュクだけはリリを排除すべきと思っている。そこに火の部族領に、北の豪族イン・クエルボが指揮する戒帝国からの軍勢が来たというキョウガ将軍からの報告書が届く。またヨナ姫とハク元将軍と四龍が戦場に現れて、火の部族軍に加勢したとも聞く。この国の神を王以外の者が騙っているようなものだとケイシュクは問題視する。

(番外編1)若き日のアユラとテトラが活躍してアン・ジュンギ将軍にリリの護衛としてスカウトされる。ハクが風の部族長となる。暴力の嫌いなイル王は、ハクの試合が始まる前にヨナを部屋に戻してしまう。テウはキョウガに負けてボロボロになる。スウォンは応援専門といって出場しない。ハクはジュド将軍と戦うはずだったが、棄権して部屋に帰されたヨナ姫のようすを見にいく。顔を潰されたジュドは面白くない。

(番外編2 お大事にその3 2018/6/1号ザ花とゆめファンタジー)白龍の里ののど飴を舐めたハクに四龍達ぶっ飛ばされたあと森の中で気がつく

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2021年3月21日日曜日

暁のヨナ26

(147話)最後の力を使い切った四龍は死んだように動かない。四龍が真国の兵士達に連れて行かれようとしているのを見てハクが切れてジェハとキジャの縄を切って取り返す。アルギラとヴォルドも切れ、シンアとゼノの縄を切る。ゴビ神官が傭兵にコウレン姫への攻撃を命じたときに、ミザリが到着。

高華国側ではスウォン王が国境の風の部族野営地に到着した。

(148話)テウは真国で内乱が起きていることを報告する。そこになんとか真国に帰ろうとしていたヨタカが空の部族兵に見つかって連行される。怪我をしているので風の部族で保護したので間者ではないというテウ。真国とはまず会談を開くことになっているので、迂闊に真国の民を殺すわけにはいかない。真国に戻って我々が到着したことを伝えて来てくださいとヨタカにいうスウォン。ヨタカはテウに支えられて真国側に。反戦派とコウレン達の戦いに加わり、コウレンにスウォンが国境で待っていることを伝える。コウレンはヴォルドとアルギラにタオ姫を守るように命じて、ミザリとヨタカを連れて高華国王のもとへ行こうとする。阻止しようとするゴビ神官と戦う。

(149話)女性を盾にしたゴビ神官に刀を止めたコウレンは、ゴビ神官の傭兵に斬られる。更に傭兵にコウレンを早く殺せと命じるゴビ神官。コウレンは再び立ち上がり、反撃する。ヨナはタオ姫に今の二人なら手を取り合えると促す。四龍の中で一人だけ気がついたゼノがハクに自分たちはおいてヨナと一緒に行くよう促す。戦いの中でミザリは息をひきとりヨタカは重傷だが、真国の兵達が今ではゴビ神官にコウレンへの攻撃を止めるよう迫る。

 血まみれのコウレン姫はタオ姫アルギラ、ヴォルド、およびハクとヨナと一緒に会談に向かう。スウォンの前に駆けつけたゴビ神官は、コウレン姫が四龍を捕らえたことを訴えるが、スウォンは四龍と自分は何の関係もないという。自分は人と人との対話をしに来たので 神など何の役にも立たないと。

こういうところ、ファンタジーではあるけれど神の力に頼らず人の力を信じるスウォンは一番まともだと思う。

(150話)会談の前にタオ姫は皆の前で、「ヨナ姫は真国にとって救世主の如き御方、これからも友人としてこの関係を大切にしてゆこうと思っています。」と宣言。すなわち自分がいない会談中にヨナ姫やハクに手を出すなと。会談中リリがアユラ、テトラと来て、自分がヨナを守るという。会談は今後真国の外交と軍事は高華国の監視下に置かれるということでスウォン王は真国民の命を脅かす事は無いと約束して締結した。今回初めてヨナの生存を知り、四龍についても耳にしたケイシュクは部下に調べるよう命ずる。重傷のコウレン姫はリリの強引な指示でアユラ、テトラに風の部族の天幕に連れて行かれて手当てを受ける。

四龍は高華国側に連れて帰られたが、まだ体が動かない。ハクを探しに行ったヨナは、ハクが風の部族でアヤメに手当てを受けているのを目にする

(151話)更に風の部族の兵もやってきて、将軍になってから3年も帰ってこなかったからいい加減戻ってきてという風の部族の仲間たちの声も聞く。更にアヤメがムンドクに決められた許嫁であったことも知る。実際はアヤメにはサキという恋人がいるが、その話が出た頃はにはヨナは自分たちの野営地に戻っていった。真国のゴビ神官の手下から逃げている最中に、ハクが「これが終わったら話があります」と真面目な顔をしていたことも思い出す。翌朝もヨナはハクを避けギクシャクとしている。ハクに追いかけられてオギの酒場で俺にしたアレ(別れのキス)は何だったのかと言われて「もうしないからごめんなさい」という。
せっかくヨナからキスされたのに改めて理由を聞くとは何たる野暮なハク、キスの理由?決まってるのに。

ハクが話があるといったのは忘れてくれと言う。風の部族が帰り支度をしているので、ハクは少し風雅の都に戻ってもというと「俺は必要ありませんか」と。「私ハクにいつも助けられてばかりだからハクがいなくても大丈夫って時が来たらハクに自由を返そうって思ってたの」「それはお気遣いどうもありがとうございました」と、ますます二人はすれ違う。

(152話)なんとか動けるようになった四龍達、翌日ハクは用事があるとでかける。ハクの迷惑にならないようにと気を遣うヨナはますますハクとギクシャクする。ハクが出かけた後何があったとジェハに聞かれて、皆にハクに許嫁がいたことと昨日からのことを話す。それは雷獣は必要ないって言ってるように聞こえるとユンに指摘されて、呆然とするヨナ。姫様の本当のお心を真っ直ぐにお伝えすればハクは分かってくれます」とキジャ。「ヨナちゃんが素直に伝えないとハクは誤解したままどこかへ言ってしまうかもしれないよ?」とジェハ。

この時期に通る知り合いの商団に食べ物や武器をもらいに会いにいっていたハクに、皆の前でヨナは謝り、ハクは大切な人だから一緒にいてと伝える。ハクは自分は義務でやっているわけではなくて、自分の帰る場所はここだという。自分はイル陛下の命であんたに従っているわけではない。誰かに使える喜びを教えてくれたのはあんたなんだよと。更に気になっているアヤメのことを聞かれて、アヤメには男がいて、俺が好きなのあんただから!!!

と全員の前で宣言

あ~~~ハクらしい告白だけど、それって全員の前で言われた方は何も言えないよね。

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2021年3月20日土曜日

暁のヨナ25


(141話)真国を今武力で押さえつけたら憎しみの連鎖は止まらないというヨナにスウォンは耳を貸さないが、17年前のユホンの仕打ちを戦ではよくある事と肯定するスウォンに、「ユホン伯父がなぜ王になれなかったか わかった」とヨナがいうと顔色を変える。ヨナが火の部族の烽火に関わっているとは認めないが察したケイシュクは、ヨナとアルギラを殺すように部下に命じる。そのとき、水の部族についてきたリリが、「空の部族は城を追い出しても尚 ヨナ姫の命を奪おうとする恥知らずなの!?」「ヨナ姫は水の部族の民を苦しめた麻薬を取り除くため尽力してくれた」と伝えると兵に動揺が走る。改めてスウォンに「コウレン姫もタオ姫も民を犠牲にしたくないはずだし あなたも夥しい数の死を望んではいないと信じたいから」というヨナの言葉に、条件付きではあるが真国との会談をスウォンは約束する。馬をかりてアルギラとヨナは先にいく。
真国からは反戦派のゴビ神官と傭兵が国境に来る。ヴォルドは開戦派の暴走を止められると喜ぶが、ハクはなにか胡散臭いと思う。

(142話)ゴビ神官率いる傭兵達は、コウレン姫にタオ姫を返すように要求する。コウレン姫はタオを見縊るなと警告する。コウレン姫がタオ姫に解放するから危篤状態の父王の下にいくようにいっている最中に、誰か弓で狙う者が。

ハクと風の部族軍の元にアルギラとヨナが到着し、スウォンがコウレン姫とタオ姫と会談を開く約束を取り付けてきたという。反戦派の神官ゴビはそれを聞いてコウレン姫に会うのは明朝にするのがいいという。何かまずいことがおこっていることを感じてヨナ達が振り切ってコウレン姫の屋敷に駆けつけると、コウレン姫に放たれた矢をネグロが体を張って止めたところだった。

(143話)17年前の戦の後の若き日のネグロとコウレン姫の出会い回想場面。

弓で反撃するヨナも矢を浴びるが、体を張ってハクが止める。(ってハクはその前の国境での真国と風の部族の悶着で、矢を剣で止めたけど、まあここではヨナの行動自体が予想外だったからかな)ヨナはスウォンとは会談を開くと約束してきたという。一方牢ではミザリがゴビ神官の手下に殺されようとしている。隣の牢のキジャが、檻を破ってミザリを脱出させる。まだ怪我から回復していないキジャはそこで力尽きるが、シンアがゴビ神官の手下達を龍の目の力で倒す。

(144話)今攻撃しているのはスウォンでなければゴビ神官の手下とコウレン姫は自国の民から襲われているのを承知。アルギラ、ヴォルドに守られてコウレン姫とタオ姫は脱出。ハク、ヨナも続く。ネグロはコウレン姫を守って大量の矢を受けて倒れる。牢を出た四龍やユンがヨナ達やコウレン姫と合流。コウレン姫はシンアやジェハの龍の力を目にする。

(145話)ユンはコウレン姫の矢傷も手当てする。敵国のしかもお前達を捕らえたものの傷をなぜ治療すると問うコウレン姫に「戦とか暴力に負けたくないから」とユン。四龍の力でスウォンに復讐できるのではというコウレンに、四龍は私怨の道具ではないと答えるヨナ。「あの日のことを簡単に許したり出来ない。でもそれだけに囚われて生きていきたくないと。」スウォンとの会談については「ユホン伯父のように真国民を奴隷にするつもりならスウォンは最初からこんな約束はしない。」とも。聞いていたハクは「姫さんは怯えや憎悪でなく真っすぐにスウォンと対峙している。俺には出来るか?」と自問する。コウレンの頭には、ネグロと高華国に報復を誓ったことも浮かび迷いは消えないが「お前達を捕らえ人質とした事は不当であった」という。国境の野営地にいるヨタカは、兵達を懐柔するゴビ神官の言葉にかっとなったところを、友達をミザリに斬られて恨む仲間から刺され、更にゴビ神官とその手下に殺されようとしていた。ハクが「風の部族を頼む」といって真国側にいってしまったので悩んでいたテウが、国境越しにそのようすに気がつく。

(146話)テウはゴビ神官側とヨタカの間に、大刀を投げ入れて国境の柵を越えて侵入する。風の部族将軍と知って、殺したら面倒なことになるとゴビ神官側は引き上げ、ヨタカは風の部族側に運ばれて手当てを受ける。
ハクや四龍やコウレン姫達が野営地にたどり着くと、ゴビ神官に説得された兵士達が敵意をもって待ち構えていた。兵士達は四龍の首にそれぞれ縄をつけて、兵士側につれていく。ネグロやミザリやヨタカを侮辱されたコウレンは弓をゴビ神官側に向け、傭兵達が応戦しようとするところにヨナ姫が割って入る。ヨナ姫に矢が放たれるのを見た力尽きる寸前の四龍から龍の化身が立ち上りヨナを守る。

番外編 風邪をひいたハクがヨナの膝枕で休む。その後白龍の里ののど飴を舐めて大変な自体になりそう。


 

2021年3月19日金曜日

暁のヨナ24


(135話)オギはスウォンの依頼で真国の情報を集めているところだった。「ハクはイル王を殺害し失踪」という、巷に流れているというか流されている噂も耳にしていたが、密かにイル王を殺したのはスウォンでハクとヨナ姫は殺されたのではと考えていたが、生きていたとは知らなかった。ヨナはスウォンを自分たちと引き合わせて欲しいという。
真国の牢では、ミザリが四龍に包帯や毛布まで差し入れてくれて食べ物の世話をしたりする。見返りにジェハが緑の龍の足が巨大化するところを見せてあげる。(なんでその場面の描写がないのかな?美しくないからジェハが拒否?)緋龍城ではリリがアン・ジュンギ将軍のすすめで長期滞在中。実は数年前水の部族の水呼城の祭りに招かれたときにリリを正室にどうかとアン・ジュンギ将軍に勧められたので、リリの顔を知っていたという。リリもスウォンもその気は全くない。オギが出したヨナ達の現状や要望を書いた暗号の手紙がスウォンの元に着く。しばしオギは昔(10巻60話61話)の思い出話。そこにスウォンの返事を持ってきたのはミンスだった。

(136話)文は真国との和解の要求に応じることはできないとのことだった。スウォンはコウレン姫の憎悪を知っているので、表面上和解しても解決しないし、真国に勝って戒帝国に対応しうる力を持っていることを示したいようだ。ミンスは、今はスウォンに仕える身で、もともと母親がスウォンの母ヨンヒの医務官だったのでスウォンの屋敷で育ったので、イル国王の側仕えをしていた頃、何気なく城のようすをケイシュク参謀に漏らしていて、結果的にイル陛下を葬った人間の一人だと。ヨナは憎しみを糧に生きるのは嫌で、その憎しみの連鎖である戦を止めたいと。家族である仲間が真国にとらわれているのでそのためにも戦を止めたいと。ミンスはスウォンが真国との戦に空と風の部族軍をぶつける予定であることを漏らす。城に戻りスウォンに改めてヨナの大切な者がまた奪われるけれどいいのかと問うミンスに、スウォンは「この国にとって最善を選ばなければ私が玉座にいる意味はない」と「一個人を優先する王がいる国は滅びる」とも。王ではなかったけどスウォンの父のユホンも私情にとらわれすぎて国を混乱に導いたのでは・・・。
別れるときのムンドクの言葉「いつかあなたが再び絶望に立たされ助けを求めたとき 我ら風の部族は誰を敵に回してもお味方します」をヨナに思い出させて(2巻8話)ハクは風の部族に協力を頼むという。オギは小さい頃から知っているスウォン(ウォン)がかわいいし、スウォンが王であることが国のためにもいいと思っているが、友達を裏切る奴は許せないということで、風の部族に伝令をだすことに同意した。その代償としてヨナはスウォンからもらった簪をオギに渡す。

(137話)風の部族の舞台は国境で待機している。スウォンは空の部族2万の兵を連れて3日後に進軍する。耳にしたミンスは、まだオギのところにいるハクたちに伝えに来る。ハクは風の部族のところに行かせて、ヨナは身分の高い人に会って進軍を遅らせるという。ミンスは自分なら緋龍城の使者という立場で動けるから、お供をするという。オギは馬車を出してくれることにした。アルギラがヨナを護衛するという。不安そうに見つめるハクにヨナはキスをする。ハクからの手紙を受け取った風の部族は、「ハク様の言葉は絶対」と確認する。真国の人と仲良くやれ、とのハクの指示で、風の部族には宴の指示をして、テウやヘンデは真国軍に近づく。
ヨナはミンスとアルギラと共に彩火城へ。

(138話)お忍びでテジュンに会って、空の軍の出発を遅らせるために、北戒からの侵略があった印の狼煙を上げてスウォンの注意を引いて欲しいと頼む。テジュンはヨナからもらったイザの実が初めて収穫できて火の部族にとって希望の実だといい、診療所も村も順調であるといい快く引き受ける。13巻74話はずいぶん昔の話。テジュンも久しぶりの登場!アルギラは感激して俺もいつかテジュにゃんやヨにゃん達に恩を返すよとの言葉、いずれ29巻166話でヴォルドと一緒に、誘拐されたヨナ達を助けるためにハクと共にたたかってくれる!この真国との事件でヨナが今までよりずっと強くなって、たくましくなった。ハクなしででかけてテジュンと交渉して、スウォンを攪乱し、後ほどスウォンと対峙しても一歩も退かずに説得したりと。
ミザリがあれこれ世話を焼いてくれるのは白龍と緑龍を仲間に入れたいという下心。コウレンも自分に下れば牢からだしてやってもいいという。高華国と和平などどだい無理だったのだと。しかしゼノは、ヨナは四体の龍に愛されて生まれた緋龍の子だからその気になれば天をも味方につける、という。
ハクは国境に駐屯する風の部族に到着。

(139話)ハクの姿を見て喜ぶ風の部族の兵士達。スウォンは信用ならないという真国の兵達に、ハクは「確かに切れ者で必要とあれば卑怯な手も使う だが偏った神への信仰心はないし差別主義者でもない 下手に戦を仕掛けなきゃ大儀なくあんたらを虐げるなんて馬鹿はしねえよ 」「それって結局信じてるって言ってるように聞こえるよハク様」と心の中で思うテウ将軍。4日たっても空の軍はまだ国境に到着しない。国境の真国側にヨタカとミザリがくる。高華国側にいるヴォルドは、高華国にはアルギラも叶わないハクという武人もいるし、四龍がいるという。四龍はヨタカ相手に手も足も出なくて大したことなかったという兵士たちを、ミザリはそんなことを言うなら強いのかと思ったと味方でありながら斬る。そのミザリへの反発と、敵方なのに手当てを徹夜でするアヤメほか風の部族に、7年前の戦いを知らない真国軍兵士の中には、態度を和らげる者もでてきた。
もともとハクはスウォンに心から信服していたから。テウも王命に背いてもハクに従うとは思いながら、同時にスウォンも認めているし。

火の部族の烽火には少し引っかかるとスウォンは言うがいずれにせよ空の部族軍は当初の予定通りには真へ行けなくなった。

(140話)味方を攻撃したミザリは、四龍達のすぐそばの牢に閉じ込められる。四龍の力が欲しいというミザリに、ゼノは人と違う自分のような力はない方がいいんだというのを聞きながらジェハは、ここに閉じ込められてから、自分の脚が奪われてもう二度と泣いている彼女の元へ飛んでいけない夢を度々見ると思う。

このジェハの夢は何かの予告だろうか、それともこの時点ではジェハが閉じ込められていて、スウォンと対決するヨナを何も助けられない無念さを表しているだけ?ゼノ以外の龍は短命だし、ジェハは一番年上で、先代が死んだ年に近づきつつあるわけだけど、2021年2月現在203話までのところでは、新しい緑龍が生まれたような感覚はなさそうだし。

スウォンは空の部族1万の部隊を率いて出発。水の部族からは6千の部隊を出すことになった。潸潸に向かう途中併走して行軍していた水の部族のようすを馬車から伺うと、不審に思われた兵士に襲われてしまう。そこに水の部族軍と合流するためにケイシュク参謀があらわれたので、真国についてスウォンに話があるので案内して欲しいというが、ケイシュクは部下にヨナ達を殺せと命じる。「戦を前に真国の使者の言葉も聞かずなぜここで不条理に殺されなければならない それが私の父を葬ってまで手にいれた地位でやりたかったことか」というヨナの姿に、ケイシュクが思わず退いたところにスウォンがくる。

2021年3月18日木曜日

暁のヨナ23


(130話)炎の中から黒焦げになったゼノがでてくる。桃地渓谷の洞窟に避難しているうちに、鱗だらけだったゼノの体ももとに戻る。

ゼノは死なないし必ず体が再生してより強くなるので最強の龍ではあるけれど、痛みは感じるのね。痛みで気絶することも出来ないとなると、辛くて大変だったろう。
ハクも認める真国一の武人アルギラが、猫大好きで、みんなを呼ぶときには、親しみを込めてにゃんをつけるのが和む。

ハクとアルギラは手合わせをしてお互いを認め合う。真国は危険なので皆は高華国に帰ってもらいたいとタオ姫の意向。

真国の王都天穹に戻ったミザリは、他の従者ネグロ、ヨタカから怒られる。

(131話)ヨナ達一行は、潸潸まで戻ってくる。町の様子を見にいったヨナとハクは、町外れで子どもにいわれて、弓対決に参加したり、空の鳥を射る。見ていたコウレン姫に、お前の弓の腕は気に入ったと言われる。コウレン姫は国境近くの潸潸で、ミザリ、ネグロ、ヨタカと共に国民を鼓舞するためにきたのだ。ヨナは戦を止めるために緋龍城に行きスウォンにタオ姫の話を通したいとハクにいう。「行きますよ どこへでも」

(132話)コウレンが強硬派なのは、17年前の戦で真国軍が敗れたときにスウォン王の父ユホン将軍が、捕虜にした真国の兵士や民衆の首を刎ねて真国の城門に投げ入れるという蛮行をして、その中にはコウレンと親しかった兵士もいたからだという。イル王はその事を謝罪して占領地を返還して両国の和平のために努力したが、スウォン王は即位以来次々と周辺国との戦を制している。

この残虐さとヨンヒとの恋愛やスウォンをかわいがったこと、スウォンのユホンへの崇拝がなかなか結びつかないのだが、リーダーとして冷酷である人間にも当然恋人や家族があるはずだし、力で国を平定する時代には当然だったのかも。日本でも戦国時代には、謀反をおこしたものはその家族まで殺されて晒し首になったりしたようだし。

市場に様子見にいった四龍達はミザリに見つかる。

(133話)真国と高華国の戦を引きおこさないよう無抵抗の四龍はミザリとヨタカに簡単につかまってしまう。とどめを刺そうとするヨタカに、身を張って止めるユンの言葉に、それ以上の攻撃はやめてコウレンの屋敷に連行する。アルギラとヴォルドとタオ姫はヨナ、ハクと共にコウレンの屋敷に乗り込み、四龍達はスウォン王と無関係だと解放を求める。ヨナは自分の身分を明かし、自分は決してスウォンの命令で動いたりしないと断言する。ユンと四龍は自分の大切な家族だと。自分は高華国の民にも真国の民にも二度と絶望を繰り返させたくないから戦に手を貸すことは出来ないが、自分がスウォンにあって戦を回避できないか交渉してくると。四龍とユンは人質として、ヨナが裏切ったりスウォンが先に戦を仕掛けたら殺すという条件で、ハクとヨナは出かける。タオ姫の命でアルギラとヴォルドもヨナ姫を守るためについていくことになった。

スピンオフの猫漫画でも見てみたい。

(134話)ユンと四龍は牢の中で、ヨナとハクがスウォン王と交渉するためにでかけたことをミザリから聞かされる。人質は今死んだら人質にならないからユンの医療道具と食べ物と水をくれるようゼノは交渉。四龍はヨナ姫に自分たちと両国の命運を背負わせることになったことを後悔する。ジェハはハクも王を前に冷静でいられるかも心配する。

山の中で野宿しながら久しぶりのヨナハクほっこりムードLOVE!

当てにしていたリリはジュンギ将軍の命ででかけて仙水の屋敷には数週間戻ってないという(22巻126話いらいリリはずっと緋龍城に滞在しているのね)。ハクは風の部族には王に関わる問題で手は借りられないという。なんとかしてくれるかもしれないとヴォルドがいう情報屋は、竜水に来ていたオギだった。オギは9歳の時以来10年ぶりに会うハク(11巻60-61話)を見てやばいことに関わりそうだと思う。

(番外編1)年末年始はイル王も緋龍王の廟に籠もるのでヨナは一人だと知って、ハクは風の里に帰るのをやめて一緒に城にいることにした。まだ出会う前のユンやシンアやジェハやゼノたちもちらっと顔見せ。3話、4話、60-61話と近い回想かな。ヨナは緋龍城で甘やかされては居るけど友達も居ないし外に遊びに行くことも全くなくて孤独であることを、従者時代のハクはときどき思いやっているのが見られる。
(番外編2)白龍の里の商人からもらったのど飴を舐めたキジャとシンアとヨナが凶暴化しためんどくさい話。青龍はおにぎりで沈静化し、キジャは足元に虫がいるというと緑龍にしがみつき、ヨナはゼノがハクに言った恥ずかしい言動を披露すると沈静化。

2021年3月17日水曜日

暁のヨナ22

(124話)スウォン陛下のお見舞いを受けるリリ、そこにグンテ将軍も来て、グンテに憧れるリリは、思わず乙女になる。スウォンは「あまりよくわからないんです 恋愛とか」夜になってやってきたヨナとは、ハクへの恋心を意識するようになったとのガールズトークで盛り上がる。帰り際にリリはハクに、斉国で取り上げられたヨナの荷物を返す。その中にはスウォンから贈られた簪がある。

(125話)かつてハクは、スウォンがヨナもハクもムンドクもジュド、グンテ将軍も、ジュンギ将軍も、スジン将軍もみんな好きで、人って興味深いというのを聞いてこいつは大物だと感心する。

現実に戻って、ハクはユンにヨナの私物を返しておいてと渡す。(この設定無理がある。ハクなら自分でヨナに簪を渡すと思う。)山菜を採りにいったユンは、鞄にちゃんと収まってなかったヨナの簪の入った巾着を谷に落としてしまう(これもユンらしくないと思うが)。巾着の中にヨナが大切にしている綺麗な簪が入っているのを知っているユンは、狼狽する。「へし折ってやりたいけれど、俺がちゃんととってこないと」とハク。スウォン国王からもらったもので、ヨナはスウォン国王が好きだったことに思い至るユン。黙って聞くジェハとキジャ。

ハクが掴む前に、不安定な谷の斜面の枝から巾着は落ちる。あとを追って川に飛び込んだハクは、しばし物思いにふけって泳ぐのを忘れる。スウォンに王になって欲しかったがそれは最悪の形で叶った。簪をもらって幸せそうな姫さんの顔を見たその足で、どうしてイル陛下を殺しに行けるのか。人が好きだといったのは特別誰にも執着しないということだったのか。俺の大切な物をすべて踏みつけて。姫さんをも殺そうとしたスウォンを見て、心が散り散りになるほど悲しかったと思いながら。

ハクを助けに川に入ったユンとキジャは川の中で転び、彼らも含めてジェハに助けだされてみんなずぶ濡れになった。「簪をどうするかはヨナが決める それでいいんだね」とユンが雷獣にいう。

(126話)父アン・ジュンギ将軍の命令で、スウォン王にお礼の訪問をするために空都にきたリリは、スウォンが下町の裏の顔オギさんのところに、裏情報を仕入れに入っていくのを見つける。ついて行って、そこで戦場に四龍と赤い髪の女が現れると噂になっている話を聞く。知人を連れて行ったのは9歳の時以来、というのは回想の11巻60話61話のハクとヨナのこと。緋龍城に帰るスウォンについていったリリは、スウォンに「ヨナにもしかして生きていて欲しいって思って・・」と言いかけて口を塞がれる。あなたに語る事などありませんと拒否される。

まあ当然だけど、スウォンの選んだ道では心の内を絶対に見せられないし、意に沿わないこともしなくてはならない孤独が切なくなる。後ほど34巻の過去編で特に感じるのだけど、読めば読むほど、王としての力量は、イル国王はもちろんのこと父ユホンよりスウォンの方がずっとあるのに、平和に権力委譲とはいかなかったのは、親世代の確執のせいだと思う。スウォンにも幸せになって欲しい。

いっぽうハク達は風の部族領の斉国国境近くの森の中で真国からの武人達に囲まれていた。

(127話)ハク達一行が高華国の美しき化け物であると確認してから名乗ったのは、真国第二王女タオ姫の従者ヴォルドとその部下達。斉国の砦建設に真国民も奴隷として連れて行かれたが、戻ってきた物達が、「高華国には巨大な爪を振り回し暴走する白髪の妖怪と 頭に草が生えた空飛ぶ妖怪がいる」といっていたという。真国と高華国の未来のためにタオ姫に会って欲しいとのことで、真国の国境の町、潸潸にいく。

そこで真国には、高華国へ嫌悪感を持つ人がたくさんいる事を知る。四龍の噂も伝わっているが、高華国の化け物に死をという声も聞こえてきた。タオ姫のもう一人の従者アルギラも加わってタオ姫の私邸のある桃地渓谷へ。
タオ姫には高華国の妖怪を連れてくるという話は伝わってなかったようだが、自分は真国の第二王女で真国は武力で高華国に叶わないので、犠牲を避けるために高華国の属国になることを望んでいるが、第一王女コウレンは高華国を深く憎んでいて、高華国に戦をしかけようとしているという。

(128話)スウォン王は斉国との戦いに勝利し、南戒の金州を制圧し、北戒のリ・ハザラ軍も破っている。次に狙うのは真国。スウォンはどこよりも強いどこからも侵略されることのない高華国をつくろうとしている とヨナもハクも思う。四龍達はスウォン王と共に斉国の砦で戦ったので、高華国の配下にあると思っていたのだが、たまたま目的が同じであって、あの王が何を考えているかなどしらないとハクは告げる。とりあえず宴となるがヨナは生理で体調が悪い。気がついたタオ姫はヨナを寝室に連れて行って休ませる。そこでヨナ達に会いたいと思った一番の理由は、タオ姫の女官の一人が誘拐されて砦でむごい目に遭っていたときに、キジャが助けてくれた礼を言いたかったのだと聞く。ヨナ達はスウォン王の命令で動いていると思ったので、コウレン姫が行動を起こす前にスウォン王との話し合いの場をつくれたらと思ったという。
 スウォンに話を通すなど自分にはできないと思い、夜風に当たりに外に出たヨナを、タオ姫と間違えて襲うものがいた。ハクに撃退されるが、敵は一人ではなく、ジェハも加わる。他の四龍も駆けつけ、夜目の利くシンヤは谷に何人も入り込んでいるという。

突然生理とは・・・確かに若い女性なら当然だけど、いきなりファンタジーが現実的になった。

(129話)騒ぎを聞きつけて出てきたヴォルドにタオ姫の元に行くように指示し、四龍が敵と戦う。ヴォルドとヨナとハクがタオ姫の寝所に行くと、コウレン姫の従者ミザリがまさにタオ姫を襲おうとしていたが、タオ姫の寝所にいたのはアルギラ、タオ姫は既に避難させたという。アルギラはハクも感心するいい腕の武人で、ミザリを散々痛めつける。ミザリの部下が何人もハク達を襲うが、ハクは一刀のもとに撃退する。そこに油のような臭いが漂ってきて、屋敷に火をつけたという。ハクとヴォルドはここは自分たちに任せて、アルギラはタオ姫のところに行けという。焦げ臭い臭いに気がついたゼノはタオ姫を救いに屋敷に入り、自分は燃え上がる梁を支えて体を焼かれながら、かけつけたアルギラとその部下にタオ姫を避難させろという。

2021年3月16日火曜日

暁のヨナ21

 (118話)もう一人の脱走者をとらえに来た兵にヨナも見つかって連れて行かれるところを、空から探しているジェハの背中から見つけたゼノは、飛び降りて地面のぶつかった衝撃の大怪我から龍の力が発動し、続いて降りてきたジェハとともに兵をやっつける。リリが殺されるとジェハにしがみついて泣くヨナを背負って、ジェハはクシビの砦に戻る。ゼノは地上を走って追いかける。

こういうとき、不死で再生すると龍の力がでるゼノが、結局は最強の龍だと思う。

(119話)スウォン達がクシビの砦にたどり着くと、クシビは奴隷を奥の広場に集めて待ち構えている。奴隷から取り上げた荷物の中に、ヨナに贈った簪を見つけたスウォンは、ヨナもここにとらえられている(いた)ことを知る。高華国からの侵入者を前にクシビはリリを公開処刑するつもりである。ハク達も広場の別の側から到着。クシビの兵を攻撃はじめる。スウォン達もハクに気がつく。

(120話)スウォン達の反撃も始まる。リリの次には奴隷達を順番に処刑するというのを聞いて、リリは奴隷達に「あんた達 何ボケッとしていんの!死にたくないなら闘え!!」と鼓舞する。

南戒からの商船団に対抗するためにリリは前にも仙水の駐屯部隊に要請に行く際に「麻薬にしてもヒヨウにしても 結局は この地の人々が立ち向かわなきゃ未来はないと思う(16巻89話)」といっていたけど、これが水の部族長の娘としてのリリの基本的な考え方。リリもリーダーとしていい素質を持っている。

まさにリリが絞首台に掛けられようとしたその瞬間にスウォンが放った矢が縄を切り、直前のスウォンの念が通じたのか、真っ逆さまに落下したリリを武器を捨てて走り寄ったハクが受け止める。ジェハの背中で空から見ていたヨナを含め、全員が注目。

(121話)ヨナの胸には、ハクとスウォンが共にあったらどれだけの事を成し遂げる事ができただろう。今なぜ私達はこんな風になってしまったのだろうという思いが浮かぶ。リリは救ったものの丸腰のハクに兵は刀を突きつける。思わず自分の刀に手をやるスウォン、遅れてきたグンテが兵を切りつけて助け、風の部族、地の部族、ジュドやジュンギ将軍他の高華国メンバーも駆けつけ、ヨナが無事であることを伝えに来たジェハも戦闘に加わって大乱闘となるが、高華国側の圧勝。クシビにスウォンは、不当に攫って先ほど処刑をしようとしていたのは水の部族長の娘で自分の友人でもあること、砦を解体して攫ってきた人々を解放すること、クシビは高華国に拘束されることを宣言。

青龍、白龍に守られ、ユンに肩をかりてやってくるヨナに、ハクは駆け寄る。

(122話)ヨナとハクに背を向けるスウォンに、このままあの男を帰すのか、次は斬るといったではないかとジュドはいい、自らの剣を抜く。リリの救出に手を貸してくれたから今日のところは・・というグンテにも「あれはいずれ陛下の命を脅かす!!そうなる前に何としても殺さねばならんのだ!!」という。しかし、スウォンは風の部族のムンドクとテウとヘンデが殺気立っているようすに注意を向けさせる。漸く五部族がまとまろうとしているのに風の部族を敵にまわすのは得策ではないという。ハクが四龍に守られているようすにも目を向けさせ、彼らと正面切って戦えば貴方も私も命はないという。クシビと斉国の兵士の件の処理が今は先だと。

やっと追いついたゼノは勢い余ってスウォンに突進する。ゼノに四龍が欲しいか?と聞かれて「いえ、全くと答える」スウォン。

スウォンとゼノは後にヨナ達が緋龍城に滞在するようになったときにも、特別な感情があるようだ。ゼノはスウォンの母親を知っているし、緋龍王の子孫も見てきたし、感慨があるのはわかるけど、スウォンも他の龍とは違う親しみを感じているように見える。スウォンは緋龍王の子孫で自分の命が短いかもしれないことを予感しているから不老不死に興味があるのかな。

夜中に目が覚めたヨナはハクも起きて薪を集めているのを見つける。ハクと話したいというつもりが「ハクに触れたい」と思わず言ってしまう。

(123話)幻聴かと反芻するハク。ヨナは自分がずっとお風呂に入ってないことを思い出し、自分は臭おうからあまり近寄ってはまずいと思う。近寄る事すら許されないのかと誤解するハク、もみ合っているうちに思わずヨナを抱きしめるハク。傷だらけのヨナがかっこいいという。綺麗好きの姫さんなんてもやはや懐かしいといわれて、城にいた時代を思い出す。スウォンと話す時間が嬉しくて楽しくて待ち遠しかったけど、(説明不足だけど、ここは「今」のハクへの気持ちだと思う)ハクといるときは呼吸をするのが苦しくて言葉を紡ぐのも怖くなる。でも近づきたくてたまらない 今まで私ハクの前でどうしてたっけと自問する。

昔城にいた頃、ヨナにとってハクは幼なじみの従者という存在で、スウォンへの恋心も隠してなかったから、今のハクが「呼吸をするのが苦しくて言葉を紡ぐのも怖くなる でも近づきたくてたまらない」存在になったということだと思う。ちょっと分かりにくいけど。

番外編 ヨナ一行のお酒の飲み比べ。白龍の腕力と緑龍の脚力はどちらが強いか。最強の矛と最強の盾をぶつけると双方砕け散ったという故事があるそうだが・・・実はいくら飲んでも酔い潰れない黄龍が最強の酒豪。でも酔わなくても眠くなったら寝る。皆が潰れてから食器片付けて火の番して朝から山菜採りにいってご飯炊いて洗濯していて繕い物は早めに出してというユンくんが優勝。


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2021年3月15日月曜日

暁のヨナ20


(112話)気がついたらヨナとリリは他のたくさんの人とともに斉国が水の部族領との境に建設中の砦に連れてこられた。ツバルは斉国でナダイの商人をやっていて、ナダイについて探って取り締まっているリリが邪魔で連れてきたのだ。リリは仙水の貴族の娘という事になっている。ここではナダイを疲労回復の薬として水の代わりに飲ませて、連れてきた人間を奴隷として働かせている。
龍達とハクは、宿の使用人を締め上げてリリとヨナが斉国の砦に連れて行かれて、ナダイを飲まされながら奴隷として働かされていることを、知る。
 砦は2カ所あるので、ジェハ、ゼノ、アユラ組とハク、ユン、キジャ、シンア組に分かれて潜入することになる。テトラは高華国側の灯水で待機する。

(113話)テトラが駐屯軍隊長のラマルの報告を聞いていると、突然アン・ジュンギ将軍が現れる。ラマルが、リリが昨夜の騒ぎに巻き込まれて斉国に誘拐されたことを報告する。そこにジュド将軍とスウォンも現れる。
砦では水の代わりにナダイしか飲ませてもらえないので、2日たってもヨナ達は水を飲まずにがんばっている。夜中に水を探しにでていったヨナを追っていったリリは、兵士に見つかってしまう。後ろから棒で応援するヨナを守るために兵士の首筋を壺?の欠片で刺して殺し、二人は森に脱走する。

(114話)ハク達の潜入したホツマの砦にはヨナ達はいないことがわかった。ヨナ達と合流したら何らかの形で伝えるとジェハはいっていたのでしばらく待つことにする。一方ジェハ達の潜入したクシビの砦にはヨナとリリは確かにいたが、ある朝いなくなっていたという。ジェハはヨナはリリを連れて逃げたと信じて、探しに行くことにした。アユラの機転でゼノもジェハに飛び乗って脱出。
灯水ではグンテ将軍とその精鋭部下数人および水の部族の英雄ムンドクと将軍テウとヘンデがリリ奪回部隊を形成。

(115話)斉国はカザグモが王座に就いているが、その叔父のホツマとクシビが実際には政をしており、この二人が王座を狙いそれぞれ砦を築いて高華国への侵入を企てている。まずはリリを救出するために風の部族と地の部族の精鋭隊が派手に暴れて注目を集めるというのがスウォンの作戦である。
宿舎の外に出たハクは、高華国との間の壁の向こう側に人の気配を感じる。誘拐された奴隷の親族かと思い、自分は高華国の人間であると伝える。聞こえてきたのはまぎれもないスウォンの声。早朝ここから砦を壊してそちらに侵入するので、そちらにとらえられた人たちに被害がないよう避難させておいて頂きたいと。暁に合図するという返事をしたのが、ハクであるとスウォンも気がついた。

そして夜明けにキジャは抛石機で砦の壁に大々的に穴を開ける。

(116話)むこうに協力者がいるとは聞いてないと不審そうなジュド。穴を広げて風の部族と地の部族は侵入して暴れる。ハクは火薬で壁を壊している。煙漂う中駆けつけたムンドクはハクと対峙して、お互いに驚きのあまりすぐ反応できず、ムンドクはハクの爆薬を受けてしまう。ムンドクがやられたと思ったヘンデも駆けつけるが、風の部族一素早い男ヘンデは、大刀で爆弾をよけて壁に飛ばす。そこにテウもかけつけ、ハクを見て涙を流す。

テトラがいれば情報が聞けるかもしれないと、壁の穴から高華国側に出たキジャとシンアはスウォンと顔を会わせる。

(117話)姫様の敵と龍の力を持つ右手を攻撃態勢にしたキジャ、刀を構えるシンア、応戦しようとするジュンギ将軍と兵士達。スウォンは大丈夫ですと皆を退かせ、あなたは何者なのでしょうと問う。緋龍王に使える白龍と青龍で、緋龍王はそなたもよく知っているお方だとの返事に、そうですかとだけ答える。尚も問い詰めるキジャに、「私の目的はただ一つ この国を他国に侵されない強国にすること 王になったのはその手段です 四龍の存在は興味深いし否定もしませんが必要ともしていません 私が欲しいのは神の力ではなく人の力なのだから」 といってリリを助けにもう一つのクシビの砦に向かう指示をする。

森の中で斉国のクシビの軍隊を見かけたヨナとリリ、見つかって矢で足を射貫かれて走れないヨナを置いて、リリは時分が囮になってつかまる。

2021年3月14日日曜日

暁のヨナ19


(106話)一人薪を取りに行った青龍シンアは相棒のリス、アオが、森の中にポツンと立つ龍の像に呑み込まれそうになったので、像を斬って助け出すと何者かに取り憑かれる。シンアの様子がおかしいことに気がついたキジャを、シンアは龍の目の力で攻撃しようとする。ゼノが飛び出してきて前に立ち塞がる。ゼノには龍の力は一瞬しか聞かない。

(107話)心臓を止めても死なないゼノを見て、青龍は他のメンバーを麻痺させてゼノを縛り上げ連れていく。キジャとジェハは後を追って、龍の像の地下にある空間へ。取り残されたユンは、狩りから戻ってきたヨナとハクに事情を伝え、二人も地下へ。突然扉が閉まってユンは地上に取り残される。取り憑かれた青龍は、気がついたゼノに、ここは歴代青龍の墓。押さえつけられ踏みにじられてきた無念がたまっている。青龍という最高の器を得たがお前の体も同胞に明け渡せという。だが何百年何千年と自分を消そうとしてきた黄龍の器は霊には背負えない。

(108話)地上に一人取り残されたユンは、他から音がすることに気がつく。地下で気を失ったヨナは夢の中でシンヤが、強い恨みをもつ霊が狙っているから近づくなという。青龍にのりうつった霊は、里人に囮とされ賊と一緒に閉じ込められて朽ちた昔の青龍だった。ヨナはシンアが何をしても私やみんなの心は揺るがない。という。霊達に取り憑かれてハクもジェハも弱っている。一方黄龍は隙を突いて青龍の剣を奪い自分を縛っている縄を切る。でもその剣で青龍を切ることはしないという。黄龍にとっては自分以外の龍は、昔一緒に戦った1代目のアビやシュテンやグエンの子どもみたいなもので、俺はお前らがかわいくて仕方がねぇという。黄龍は自分で自分の腕を切りつけて龍の力を発動させ、外にいる緑龍と白龍を招く。白龍は昔の青龍の霊に、自分に取り憑けという。だが、先代白龍の加護が強すぎて取り憑けない。そこへ来たヨナはまっすぐ青龍に向かう。恐れ多くて近寄れない青龍を抱きしめ、閉じ込められて怖かった死ぬまでの記憶を聞いてあげる。シンアもやっと太陽の下にでられたのだから、気持ちが落ち着いたらその体をシンアに返してというヨナに、お前が来るのを待っていたような気がするといって昔の青龍の霊は消え、シンアに戻る。そこへ別の入口を見つけたユンが迎えに来る。

(109話)5部族会議が終わった後、スウォンに声を掛けられた風の部族の将軍テウは、丁寧に、だが素っ気なく挨拶をして帰る。自分の領土が返還されてご機嫌のグンテはケイシュク参謀やジュド将軍とともにスウォンに結婚の予定はないかとからかう。阿波であった行きずりの女(実はヨナとの再会7巻39話)の話もでる。
 ヨナ達は水の部族領竜水へ。仲睦まじくふざけあうハクとヨナを見て青龍と白龍はちょっと複雑な気分。

緋龍王が女性として蘇ったおかげで、男性である龍達はちょと複雑な気分のよう。おかげで暁のヨナはイケメンハーレム物語の要素があって面白いけど。黄龍は永遠の命をもっていて緋龍王の次代から見てきたため、ヨナに対しておじいさん目線を感じる。青龍はヨナのことを姉のように慕っているように見える。緑龍と白龍が一番ヨナのことを女性として見ている。

市場でテトラとアユラになぜか出会い、ゼノの服を買ってあげたりお酒を持参したりしたのち、ハクに促されて、リリが斉国へいくといって聞かないので、護衛をお願いしたいという。

(110話)リリに会い、斉国の商人がナダイを横流ししていて、南戒からの流通を絶ってもなくならないこと、斉との国境付近で行方不明者が多発していることを聞く。ヒヨウに刺されて重傷を負ったテトラはまだ回復しておらず行けないので、斉国に行くリリを守って欲しいと。ヨナはリリと一緒に寝ながらガールズトーク。スウォンを今討つのは国のためにならないと思うこと。実際スウォンを許せないと思っていても本気で殺したいと思ったことは一度もない。自分やハクに見せた優しさが全て嘘だとどうしても思えないという。ヨナがスウォンを愛していたことを感じ取るリリ。でもハクは誰よりもスウォンを信じていたから ハクはスウォンを絶対許さないともヨナはいう。
眠れなくなったヨナが庭に出るとハクがいた。竜水の市場で買った癒やしと幸運の青金石のペンダントを贈る。「あんたが幸せになってくれたら 俺はそれで十分幸せですよ。」との言葉に、ハクがどれだけ大切かを自覚するヨナ。

(111話)人が消えると評判の、斉との国境の灯水の町に来たヨナ達とリリ達の一行。リリの馴染みの宿に泊まりお祭りを見にいく。昨日からドキドキが止まらなくて上の空のヨナ。リリが人混みの中で誰かに手を切られる。どこかで叫び声もする。龍達を置いて、ハクやヨナやリリ一行はいったん宿に帰るが、外で騒ぎが起こって怪我人が出たということで、ハクも助けに行く。アユラとテトラが宿でも不審な動きを見つけて、ようすを見にいったすきに、宿のツバルという女性にリリは薬物の入ったお茶で眠らされる。リリに宿にいて欲しかったんだと言いあてたヨナも、薬物で眠らされる。

番外編回想 幽霊が出て金縛りに遭うから一緒に寝てくれという御姫様だった頃のヨナ。真っ暗い夜の中にハクとヨナは城を放り出され、気がつくとハクは血まみれになって倒れていたという。

たぶん16歳の誕生日がもう近い頃の話。スウォンの謀反の時に城の兵も大部分は寝返ったはずなので、なにか不穏な空気を感じ取っていたのかも。イル国王は人気なかったようだし。


 

2021年3月13日土曜日

暁のヨナ18


(100話)
首を切られても再生するばかりか、再生するたびに肌は鱗に覆われ鋼鉄のように強くなって刀も通らなくなり、キジャ並みの腕力とジェハ並みの脚力がでるようになったゼノに、敗残兵は逃げていく。

(101話)カルガンの薬と高華国に戻ってきたおかげで回復した龍達。時間がたつとゼノの体は元に戻る。ゼノは緋龍王に仕えていた初代の龍で不老不死であることが明かされる。たくさんの龍達が生まれて死んで、愚帝・賢帝も見てきたなか緋龍王の生まれ変わりであるヨナを待っていたという。ヨナの元にすぐに現れなかったのは、四龍の力をつかうに値する人物かずっと見ていたという。ヨナが城を追われて青龍の里や阿波で危ない目に遭うのも見てきた。

(102話)夢の中でゼノは緋龍王と初代龍達との世界へ帰っていた。黄龍が不老不死であることに気づいた緋龍王は、ゼノを絶対前に立たせなかった。緋龍王が天界から降りたときに賜った龍の紋章をゼノに与える。青龍、白龍、緑龍達は神の力をもつものとしてあがめられ、恐れられ、狙われていった。やがて病気になった緋龍王をゼノは看病して看取る。

(103話)緋龍王が亡くなり、龍達の力はますます人々に狙われるようになり、城を出ることにした。黄龍だけは神官として、実際は一人で小さな争いを鎮めて王子がヤクシ陛下として育つまで20年以上城に残った。戦いのさなかに白龍の命がつきたことを感じ取る。

(104話)不老不死のゼノの容姿があまりにも変わらないことに皆が気味悪くなる頃合いに、後継者の神官をたて、ゼノは城を出る。白龍の里にこっそり行ってみると、そこには次代白龍が生まれていた。白龍の里で射られた傷を看病してくれたカヤという少女と親しくなり結婚する。幸せな日々だったが、カヤは病気で人にうつさないように隔離生活をしているところで、病気が進行してやがて先に逝ってしまう。

(105話)カヤが死んで森の中をさまようゼノは、白龍、緑龍、青龍が何代も血を繋いでいるのは、緋龍王が復活して四龍がまた集結するからではと思い当たる。そして白龍の里で子どもの当代白龍キジャと、暁の光りが空に輝くのを見て、緋龍王が復活したのを感じとる。当代青龍、緑龍を訪れ、大人になったらまた会おうと語りかけるゼノ、俺の在る意味が見つかるかもしれないと。そこで目が覚めると昼過ぎまで寝ているゼノに龍達やヨナが心配していた。

(番外編)ユンがいないある日、クマを捕ってクマ鍋にして天幕で火事を起こす龍達。


 

2021年3月12日金曜日

暁のヨナ17


(95話)戒帝国との国境に近い地の部族の土地に来たヨナ一行。町で出会った少年カルガンを送るために戒帝国の国境近くの金州の集落へ行く。金州はかつて高華国だった。

(96話)カルガンの病気が感染して白龍キジャは高熱を出して倒れる。ユンとハクとヨナを周囲のようすを調べに行かせて、龍達だけになったとき、ジェハは次の白龍が誕生したのではないかと問う。龍は短命で次の龍が生まれるとだんだん力を失う。しかしキジャはそうではないという。水を汲みに行ってすぐ戻ってきたユンは、それを耳にする。このことはヨナには黙っているようにとジェハはいう。その後ジェハも感染して倒れる。
 金州奪回は火の部族のキョウガ将軍が先鋒で、地の部族、空の部族が担う。

(97話)高華国が戒に攻めてきて、戦いは高華国の圧勝で終わった。しかしヨナは「たとえスウォンが高華国にとっては良い王だったとしても私はこの戦い 高華国にも戒帝国にも与する気にはなれない」とハクにいう。
 病気と知ってカルガンの父に家から追い出され、龍達は天幕に移動する。シンアも感染して倒れる。丈夫が取り柄の黄龍ゼノが看病する。「龍神の加護が強い緋龍城から離れると、元々自分以外の龍は丈夫じゃないし病なんかには子どもみたいに抵抗力が低くなる」という。黄龍が意外と龍に詳しいのでキジャは感心する。「俺は四龍の落ちこぼれだけどお前らを絶対守ってやんよ」と、ゼノは優しい微笑みを浮かべる。

(98話)戒帝国の敗残兵はどうせここは高華国のものになるからと、近隣の町村を荒らして略奪にまわる。自分が病をうつしたことを知っているカルガンは隣町で薬を買っていたところで敗残兵に追われて帰ってくる。助けるためにヨナが弓で兵士を射ると更に怒りを買う。ハクはヨナに自分がなんとかするので、ユンと四龍達と逃げろという。天幕の外でユンやゼノに説明していると、天幕は空に。

(99話)熱のあるキジャやシンアやジェハがハクと共に戦っているが敗残兵が次々押し寄せてきりがない。ゼノが、突然飛び出して騎馬隊に飛びかかり切られる。駆け寄るヨナに、ゼノは黄龍は死なないという。斬られた体は再生しゼノは立ち上がる。「俺は娘さんの盾になるために生まれてきた龍だから 黄龍っつ-盾に守られていれば絶対に娘さんは傷つかない」

(番外編)鎖で繋がれていたジェハの子ども時代。先代は15歳でジェハが生まれて12年も生きた。先代ガロウは、龍の力を完全に得たジェハを射落とそうとする里人を止め、逃がす。

2021年3月11日木曜日

暁のヨナ16

 (89話)仙水駐屯隊入口で、スウォンがリリが、水の部族長の娘であり、速やかに隊長に取り次ぐよう伝える。兵の派遣も前例がないと乗り気でないラマル隊長に、リリは水の金印を見せ、私の言葉は水の部族長の言葉という。平伏しながらもこの人数ではと戸惑う隊長に、策はあるとスウォン。それに向こうには雷獣がいるから何が来ても負けないと。
 スウォンの奇策は、海女を一緒に乗せて、南戒の商船に爆弾をつけること。兵を動かしたとなると戦争になるので、海賊を装って追い返すこと。ハクはリリの用心棒の案と聞いてどういうやつなのか不審に思うがジェハが命令し馴れて無駄が無く、自分の感では信頼できるという。
 沖の南戒の貴族カザックは、やってきたのは3隻だけとのんびりしていると、ジェハとジェハにおんぶされたキジャが飛び移ってきた。ハクと龍達の総力戦と海女による爆破で、わずかな人数で船を沈めてしまう。水の部族兵隊長が、リリの用心棒はあちらには雷獣がいるので負けないと言われたと聞いてきたというのに、ハクはハッとする。

(90話)リリは、ヨナはヒヨウに背中を切られて傷がまだ治ってないことをスウォンに喋る。目のいいゼノはヒヨウの手下達が弓でヨナを狙っていることに気がつき、皆に警告して、ヨナの前に立ち塞がる。その前には更にスウォンとジュドが立ち塞がり、矢を斬り落とす。矢は毒矢で、拾って反撃しようとしたヨナはスウォンに止められる。むっとしたヨナに、ゼノはあの兄ちゃんといると娘さんはちょっと冷静じゃない。弓を止めたのは娘さんの背中の傷を気にしたんだよという。今娘さんの敵はひとりだと諭されて、スウォンを弓で狙う手下を射るヨナに、スウォンもジュドも驚く。そんなヨナを見て、ジュドは「あなたの死を望んだことなど一度もない。どこか遠く俺の目の届かぬ場所で生きのびていてくれたらと思っていた」と心の中でつぶやく。

そういえばジュドはずっと先にヨナが緋龍城に戻ってからも一番丁寧に扱い、ヨナの無事を気にしていた。

そこにヒヨウが刀をかざしてヨナに突進してくる。ゼノがヨナの盾になって守っているが更に前に、飛び出して腕で刀を止めたのは、ハクだった。

(91話)一撃でヒヨウを倒したハクの視線はスウォンに向いていた。まっすぐスウォンに向かっていくハクは、ムアもギョクも一撃で倒し、ジュド斬られたものの一蹴し、スウォンを掴もうとしたところで、追いかけてきたジェハに止められる。ジェハとキジャが渾身の力で止めているところを、部下達に急かされてスウォンは去って行った。ヨナはハクの前に立って、「大丈夫 私は大丈夫だから」とハクに語りかける。

しかし一巻2話で城を追われてからハクはこの16巻91話までスウォンと対峙する機会がなかったのよね。ヨナは地の部族の地、阿波(7巻38-9話)で視察に来たスウォンとばったり会っているけど。

(92話)帰り際にジュドがウォンを「陛下」と呼んでいるのを聞いて、リリは、ウォン、そしてヨナの正体も察した。キジャは次はハクを止めないとジェハにいう。城に戻ったジュドはああいうときは剣を抜いてくださいとスウォンを責める。次は斬りますとスウォンはいう。

(93話)リリが仙水にいると聞いてテトラ、アユラが駐屯隊に駆けつける。三人でヨナ達の野営地に差し入れにいって、送別会をする。アユラはハク達の正体を思い出したことをほのめかすが、同時にあなた方は水の部族の恩人という。

(94話)兵舎に戻ったリリは、アン・ジュンギ将軍と対面する。水の部族長の象徴である水の金印を持ち出してそれを使って権力を振るうのは本来なら極刑をも免れぬ大罪、水呼城からの追放を命じるという。リリは覚悟が出来ているという。追放先は仙水で、どこにも鍵などかかっていない。ジュンギ将「軍は5部族会議に向かう前に兵の増強やナダイ中毒患者の施設の指示を出していったという。おまえが決めた道だ。この地で最後までやり通せといっている」ように思えるとアユラはいう。

 緋龍城でスウォンはイル陛下の時代に奪われた高華国の領土の返還を求めて南戒に向けて出陣すると宣言。ケイシュク参謀に南戒の船隊の攻撃を迎え撃ったことを軽率と言われたアン・ジュンギ将軍は、今まで抑圧され虐げられてきた民の怒りの分まで南戒の影響を取り除くべく尽力するという。

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2021年3月10日水曜日

暁のヨナ15

 (83話)駆けつけたシンアがヒヨウの部下に剣で切りつける。ヒヨウが懐から剣を出すのを見て、ヨナは剣で一撃してヒヨウの額に怪我をさせる。水麗にいっていた3人が帰って来たときは、テトラは重傷で、ヨナも怪我は比較的浅いが手当てを受け眠っている。ヨナの夢の中で4頭の龍が泣いている。「怪我をしたのは私の力不足」と4頭をなだめる。「でも私の剣術が少しは通用した アユラにも筋がいいってほめられた」とハクに話しかけたところで目が覚め、ハクが傍らにいるのに気がつく。「ハクは悪くない 私の傷に責任など感じなくていい (これは私の歩んでいく道だから 選んだ道だから だからハクは哀しまないで私を導いて)」というヨナにあんたが大事すぎると思うハク。ヒヨウは仙水の拠点に戻り、赤い髪の女を殺せと命じる。

(84話)リリは重傷のテトラを自分の家のある水呼の都で手当てさせるという。自分の部族がこのような目に遭っているのにアン・ジュンギ部族長は何をしているのだろうユンはいう。ヨナ達はヒヨウの潜伏する仙水へ向かい必ず彼らを水の部族の地から追い出すからリリは安全なところにいてという。アン・ジュンギの娘であるリリは無力さに落ち込むが、アユラとテトラはリリにはリリにしかできないことがあると諭す。

(85話)水呼城に戻ったリリは父、アン・ジュンギ将軍に麻薬密売人討伐のために兵を動かして欲しいというが、将軍は水の部族だけの問題ではなく下手をすると戒帝国と戦争になる。陛下やグンテ将軍が信頼に足る人物かわからないので力を借りることは無いという。リリは自分の部屋に閉じ込められてしまうが、アユラが作った隠し扉で脱出する。水の部族領のどこにでも入れるし兵を動かせる、象徴である金印を持って、リリは馬で仙水に向かう。大罪であることを知りながら。ヨナは熱を出してジェハと先に仙水に向かうが、あちこちに刺客が待ち構えている。

リリは馬に乗れる。後ほど25巻141話で真の国との戦いに向かう水の部族の後も馬でついてきて、ヨナの危機に助けにくるし。

(86話)ヒヨウの刺客が赤い髪の娘を狙っているなら、わざと目立つようにしてヒヨウを探そうとヨナは提案。赤い髪の女は化け物に守られているとヒヨウにも伝わる。仙水に着いたリリは、早速ヨナを探す中毒者に襲われかけるが、お忍びで見回りに来たスウォンが傘で撃退する。スウォンはリリがジュンギ将軍の娘と気がつくが、商人のウォンと偽って、自分たちを用心棒として雇うように薦める。

(87話)リリから、ヒヨウが水の部族の沿岸部の町に麻薬をばらまいていること、父には対策を講じるように進言したけど取り合ってくれないことなどを聞いたスウォンは、ジュンギ将軍は難しい立場だと思うけれど、自分でなんとかしようと走り回るリリを愚かだとは思わない。本気で水の部族のことを思うのなら躊躇わず出来る限りのことをすべきだという。スウォン一行とリリが泊まることになった宿にヨナ達も来るが、満員で泊まれない。異常に気づいたジェハは一人残り地下室で宿の主人を詰問しているところに、気配を感じたスウォンとジュドが来る。ナダイ入りの酒を捨てて意気投合する。酒は洞という店で手にいれたという。後ほどスウォンから話を聞いたリリは、容姿からジェハだと気がつく。

翌朝港でシンアは海の向こうからたくさん船が来るのに気がつく。ハクとゼノは見張りに行く。残りのメンバーは洞へ。そこでリリとその護衛を装うスウォン、ジュドおよびその部下のギョク、ムアとはち合わせする。

(88話)海の向こうからヒヨウの取引らしいが大量の南戒の商船がくる。ハクとシンアは見張りを続けることにしてゼノが連絡に行く。ゼノは何故かしばしスウォンを呆然と見つめる。南戒からの商船を見て、スウォンはわれわれの中で一番水の部族を救える力を持っているのはリリだという。スウォンの案ではまずは船を出してもらって交渉するという。ジェハとユンとキジャは漁師に船を出す交渉に行く。ゼノだけヨナのもとに残ることになり、ゼノは黄龍の名にかけてヨナを守るという。

ゼノがどうやってヨナを守るのか、まだこの時点では明かされていないけど、毅然とした言葉に姫様命のキジャも信じさせるものがあった!あとでキジャはハクに、黄龍の名にかけてヨナを守るといっていたから任せて大丈夫だと説得していたし。

南戒の船団が来たという知らせを聞いても、手を貸す気がない無気力な商業組合に、リリは駐屯兵団を連れてくるから船を出せという。

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2021年3月9日火曜日

暁のヨナ14

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 (77話)水の部族の港町四泉に、ヨナ達一行7名到着。花街に行こうとハクを誘うが断られて一人ででかけるジェハ。遊郭の女達が麻薬中毒者であるのに気がつく。必死で止めようとするアリンを抑えて、麻薬入りのお酒と知りながら飲みほすジェハ。監視されていて店を出ると追っ手がくる気配を感じて、跳んで逃げようとするが、麻薬の作用で町はゆがんで見え墜落する。他の龍達がジェハの気配がおかしいのに気がついて、ヨナ達が駆けつける。

(78話)宿で麻薬の禁断症状であばれるジェハ、麻薬は馴れているとの言葉にもう一度気絶させられ縛られる。青龍を見張りに残して、ジェハが行った店を調べに行く一行。町中では水路に死体があっても誰も驚かない。禁断症状で暴れる人もいる。通りかかった町人に、この町は南戒の商人がナダイという麻薬を持ち込んだので、薬で壊れた人間も死体も珍しくないから長居しない方がいいと忠告する。もっと調べようとするヨナに、シンアの見張りを振り切ってきたジェハは首を突っ込むなと言うが、「今私が危険を回避しても それはいずれ国の危険となる 民の苦難と闘うために私は旅をしているのだから」と、ヨナは退かない。そのようすを遠くから見る水の部族長の娘リリ。

(79話)父のジュンギ将軍には四泉に妙な連中がいると言ったら部屋に閉じ込められたが、水の部族の地が戒帝国に脅かされそうになっても それを知りつつ何の行動にも移さないお父様とは違うと供のアユラ、テトラとともにリリは再び四泉へ。すぐにヨナ一行とばったり行きあう。あわてて宿に戻ったリリ一行。リリはヨナ達を尾行して酒場についていくと、ヨナが舞台で踊っている。やはり旅芸人だったのかと思うが、ナダイ中毒者に絡まれる。舞台から見ていたヨナは思わず相手に跳び蹴りをする。他のメンバーも気がついて駆けつける。

(80話)四龍とハクも混じって大乱闘になった酒場を抜け出して、リリはユンの手当てを受ける。リリはヨナという名前を聞いて緋龍城の失踪した姫の名前という。慌ててヨナ姫と同じ名前なので洒落で姫と呼んでいると誤魔化す皆。暴れている人達からナダイは水麗というジェハが薬を飲まされた店から手にいれたと聞き出してきたハク。麻薬を調べるために明日潜入してようすを探るという。ちょうどリリを探しにアユラとテトラが来てリリは無事に宿に戻るが、ハクとアユラとテトラはどこかで会った覚えがある。

(81話)翌日リリ一行は、お金が足りなくて野宿しているヨナ達を見つけて、昨夜の跳び蹴りと手当ての礼として、自分たちの宿に泊まれという。ハクとジェハとキジャは水麗にいって、薬入りの酒を飲んだふりして、宿のものたちを縛り上げ、ナダイ入りの酒を捨てる。なかなか口を割らないが、前回ジェハを守ろうとしたアリンが、水麗の主はヒヨウといって35歳くらいで額に傷をもつ男で、四泉の至る所で麻薬を売っている闇商人で、たくさんの店を持っていて、今はここにいないという。ヨナたちは温泉でのんびり。

(82話)実はヒヨウはヨナ達の泊まる宿で、主人にナダイを売れと脅迫しており、お茶とお菓子をもらいに行ったテトラは偶然耳にしてしまう。素手で戦う武人であるテトラは捕まえようとするヒヨウの弟子に蹴りを入れるが、障子越しにヒヨウに刺される。そこにヨナとリリがやってくる。テトラは、この人は水の部族にナダイを持ち込んだ密売人だから逃げるよういうが、逃げるとこの人達はテトラを殺してしまうと、剣を持って戦うヨナ。ハクの指導を思い出しながら一人倒したところで別の部下に背中を切られる。

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2021年3月8日月曜日

暁のヨナ13


 (71話)敵方に落とし穴の偽情報を流したり、ジュドの率いる騎馬隊に虎の顔をかぶせさせたりといったスウォンの奇策で時間稼ぎをしているあいだに、火の部族軍後ろから、グンテ率いる地の部族軍が援軍に来た。


近隣の村から略奪しながら退却しようとする千州軍に、ハク達が立ち塞がる。

(72話)退却しようと進言する部下の首をはねたスジンに、「あなたは高華国の五将軍のひとりでありながらやってはならない大罪を犯した。その上自らの兵の首を刎ね犬死にさせるというの?」と問いかけるが聞く耳を持たないスジンに「王の器ではない」と。「テジュンを見てもらいたい」とも。

(73話)火の部族に何やら凄い力を持ったもの達が乱入してきたと聞いて見に来たスウォン、グンテ、ジュドほか。スウォンの鷹グルファンの声に振り向いてスウォンと見つめ合うヨナ。大刀を持つハクの姿を見つけて「捕らえますか」と言う部下に無言のスウォンとそのようすを伺うジュド。グンテは「訳の分からんどっかの賊が戦場に紛れ込んだんだろ ほっとけ」との言葉に「今はスジン将軍を捕らえるのが先だ 賊はかまうな」とジュド(?たぶん)スウォンに気がついたスジンは、矢を放てと叫ぶが火の部族兵は皆躊躇するので自ら矢をつがえる。グンテが斬りに来る前に、背後から部下の火の部族兵がスジンを刺し殺す。事切れる前のスジンの脳裏に浮かんだのは、キョウガとテジュン、もうすぐおまえたちにあの緋龍城を与えてやれると。

スウォン一行から話を聞いて自分が責を負うからテジュンの命は助けて欲しいと土下座するキョウガに、スウォンは、キョウガは今回のことは全く知らなかったことだし、戒と国境を接する部族として今まで軍事に力をいれてきたことは間違いではないから、火の部族長に任命するという。ただ彩火の外のことはあまり知らないようだが、テジュンが面白い試みをしているときいたので見にいこうと誘う。

(74話)テジュンは村で病人の村人の面倒をみたり自ら洗濯をしたり甲斐甲斐しく働いていた。弟の今の姿をみて驚くキョウガ。そんなキョウガに、部族の統治の仕方にはいろいろあることを学びに空都にくるようにスウォンは言う。テジュンには村の仕事は各役所に引き継がせて、将軍代理として彩火に戻るようにと。

 村人のセドルがヨナから託されたイザの実をテジュンに届けに来たところにスウォンも居合わせる。

(75話)千州のリ・ハザラの休戦協定は、高華国の損害の実費の賠償と、高華国との不戦協定と、それに国境近くにある村を一つ高華国にもらうこと。イザの実そのものをもらうより、イザの栽培の仕方を知っている村ごと火の部族に与えるというのがスウォンなりのやり方だった。意外と甘い王だと内心思ったリ・ハザラは、協定を破った場合はその首をもらい受けるとのスウォンの迫力にたじたじする。

12巻68話で、キョウガとテジュンは、火の部族とは神の血を引く民であり部族長とは緋龍王の化身と子どもの頃から教え込まれていて、父親スジンはその思いに準じて死んだのに、キョウガはこの後スウォンに忠実に従順になって、17巻97話の金州での戒帝国と高華国の戦いでは、先頭に立って戦っている、そう簡単に今まで吹き込まれていたことは嘘だったと、スウォンに忠誠を誓えるのだろうか。

(76話)市場で薬草を売ってお金を稼ぐヨナ一行。客引きで女の子を抱きしめるサービスをするハクをみてちょっともやもや。火の部族の新部族長にカン・キョウガ、部族長代理にカン・テジュンが就任した噂も耳にする。最近は水の部族の治安が悪いという話も聞く。その胸の内を聞くジェハももやもや。その後ハクにおだてられて賭け射的に挑戦するヨナ。ハクの賭けたとおりど真ん中にあて、いつの間にか弓の腕もかなりのものとなっていた。

特別編「雷獣」」は、ハクがグンテを負かして雷獣と呼ばれるようになった昔の武術大会。若き日のジュドとグンテの対決や素直にハクをたたえるスウォン。

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2021年3月7日日曜日

暁のヨナ12


(66話)千州の村で一夜明けて、村の外をうろついているのは、千州ではなく火の部族の兵。数年前からよくうろついているらしい。村人は昨夜の踊りや薬草を処方してくれたユンに感謝してイザの種籾をくれた。国境近くの火の部族の土地では、将軍カン・スジンが秘密裏に千州の豪族リ・ハザラと密談をしていた。自分の部族こそ緋龍王の末裔と信じるカン・スジンは3日後にリ・ハザラと手を組んで反乱を企てていた。国境のようすを探り偵察にいったヨナ達は高華国側からリ・ハザラ一行が帰ってくるのを目にする。

(67話)緋龍城では、訪問した地の部族長グンテと会談するスウォンが、北東の方がきな臭いので、近々小火が起こるかもしれないと意味深な話をしている。千州で異変を感じたヨナ一行は火の部族の中心地である彩火の都の裏町に潜伏する。そこへ戒帝国の千州の軍が国境を突破して高華国に侵略し彩火に向かってきているとの知らせが来る。将軍カン・スジンは彩火城を息子のカン・キョウガに任せて大軍を率いて迎え撃ちに出陣する。

(68話)テジュンが部下達と畑を耕していた集落に、リ・ハザラの千州軍がやってくる。ヨナとの約束を思い出して、村人を避難させ、畑に踏み込もうとする千州軍にたちふさがるテジュン。あわや切られるかというときに剣で応戦したのはフクチ、他の部下達も立ちふさがり、躊躇する千州軍、現れたリ・ハザラはテジュンの顔を見て、「よく似ている」と笑い、手を出さずに部下を連れて他の道へ退いた。一方千州軍の一部2000ほどが彩火城の目の前まで来た。

フクチは、普段テジュンをおちょくっているけど、先頭に立って畑仕事も村人の手当てもするし、ヨナのことを感づいていながらテジュンが良い方向に変わりつつあるためか黙認しているようだし、欄外にあったように、いざというときには武術の達人でテジュンを守るし、10巻の巻末にあったように、これで痩せてハンサムだったらいい男過ぎて、テジュンの影が薄くなるかも。

(69話)千州軍を撃ちに行ったはずのカン・スジンは敗走しているとの知らせに、ユンの故郷を守るため、スジンが彩火城に合流できるように城の前の千州軍をヨナ達は賊を装って翻弄するが、遠目の聞くシンアが、スジンもそれを追う千州軍も彩火城に寄らずに通過して王都へ向かうのを見る。火の部族兵はほとんど怪我していないようだという。カン・スジンは敵国である千州と通じて、緋龍城に助けを求めるふりをしてスウォンの首をねらっていることをハクは気づく。

(70話)スジンと千州軍は併せて2万、ヨナはスジンの行動はこの国を混乱に落とししれるからと、追うことにした。リ・ハザラは、スジンの緋龍王の末裔が緋龍城と高華国を奪回するという妄想を利用して高華国と手を組んで、自分は戒帝国の皇帝になり、いずれは高華国も配下に置くことをもくろんでいる。スウォンはそれを既に読んでいて、空都の外で待ち構えている。空の部族軍は一万にも満たず、数の上では連合軍の方が有利だ。

番外編と特別編はキジャの幼い頃と、白龍を継ぐ事への覚悟

2021年3月6日土曜日

暁のヨナ11


(60話)(61話)回想 過保護で緋龍城からでたことのなかったヨナが6歳のとき一度だけハクとスウォンに連れられて城下町に遊びに行く。人さらいにさらわれ、スウォンとハクの活躍で無事助けられる。後ほど城を追われてからハクとヨナが再会する裏町の顔オギさん(24巻135-137話)、若き日のわがままで傲慢なカン・テジュン、悪党を一蹴りするハクの力量に感心するグンテ、近衛一番隊隊長の若いジュドはこの頃から二刀流でガミガミと小言屋。裏町の影の実力者達と友達で、彼らを操るスウォンへのハクの崇拝はこの頃からだった。

ヨナの母が賊(実際はユホンが送った刺客ヒューリ34巻35巻)に襲われて亡くなったばかりで、ほんとうはヨナも殺されるはずだったことをイル国王はわかっていただろうから、ヨナを城から一歩も出さずに育てていたのは、後から見れば納得できる、ただ同時にイル国王はヨナが緋龍王の再来として国を治めることはわかっていたはずで、城の外のことを何も教えなかったのは、2021年2月現在まで読み進めてもやはり共感できない。

(62話)ヨナはハクから剣の稽古をつけてもらう。ハクの夢の中でヨナは「スウォンを殺しに行きましょう」とハクに言う。そのヨナの後ろには剣を振りかざすスウォンが。目を覚ましたハクは、スウォンに刃を突き立てるのは俺の役目だと誓う。そのようすを見ていた黄龍ゼノは「あんまり思いつめんなよ 命縮めんぞ 兄ちゃんはすこし死の臭いがする」「四龍は死んでもまた生まれるから でも兄ちゃんには代わりはいないから大事にしなきゃ」と。ハクは「お前らにだって代わりはいねーよ」と返す。

ゼノが不老不死で緋龍王の時代からたぶん数百年のあいだずっと高華国を見てきて、ヨナ達も子どもの頃から知っていて、さらにはその親の世代の確執も知っているのは、ずっと先の話(18巻)。あとから読み返すと、このゼノの言葉はヨナとハクとそしてスウォンも暖かく見守っている仙人のように感じられる。ハクがすこし死の臭いがするというのは、たぶん忠告で、予言ではないと思うけれど。

追いかけてきたヨナに、ハクはもっと好きなことをやっていいのよといわれて、ヨナの額に口づけをする。戸惑うヨナ。

(63話)火の土地より寒い戒帝国には、火の土地でも育つ作物があるかもしれないというユンの提案。国境には不思議と火の部族や戒帝国の兵があまりいない。戒帝国はかつては広大な領地と高い軍事力を誇っていたが、現在は南北に分かれ、北戒は遊牧民族の攻撃を度々受け、帝国軍は手が回らずに、各地では豪族が実質的に支配している。南戒は気候が安定して豊かで貴族や官僚商人が多く移り住んでいて、皇帝のいとこが仮初めの玉座に座っている。ヨナ達の行き先は、北戒の千州という豪族リ・ハザラが支配する土地だ。天幕がもう一つできたので、ヨナは熊に襲われないようにハクと小さい方の天幕で寝ることになったが、先日の口づけ以来落ち着かない。

(64話)千州ではイザという寒さ乾燥にも強い作物を育てていた。種はあげられないが、今夜のお祭りで団子汁を振る舞うので食べられるという。ヨナ達は旅芸人のふりをして参加する。お祭りは先々代のジュナム皇帝の時代に戒帝国と高華国が領土争いをした際に死んだ人達の魂を鎮めるのと、戦火の炎と土地を奪われた火の部族の怒りを鎮めて再び争いが起こらないよう祈る、火鎮めの祭りだ。かつて姫だった頃に習っていた踊りをハクにからかわれて、スウォンに見せるために一生懸命練習したんだと思わず言ってハッとするヨナ。スウォンから送られた簪をユンが見つけてさしたらと勧められてあわてるヨナに、「それをどうしようとあんたの勝手だ」後ろを向いて去るハク。ヨナがまだスウォンを忘れられないでいるのを知っている。

(65話)いい男揃いのハク一行の話で盛り上がる元気な村の女の人達に混ざってガールズトーク。好きな人はと聞かれてスウォンを思い出して言葉に詰まるヨナ。昔の戦争で使った剣を手に、花嫁の剣の舞を踊る。切なげに見つめるハク。終了後一人で簪を見つめるヨナの手を抑えて、何か言いたげな態度を見せながら、言葉も行動も呑み込むハク。

 

2021年3月5日金曜日

暁のヨナ10


(54話)ヨナの声がどうしても気になるテジュンは平民に変装して加淡村に探りに行く。しかしいきなり青龍と白龍にでくわして腰が抜けたところを、病気と思われて隠れ家に連れていかれるが、そこで泥水のようなしょうが汁を、子供たちが争うように飲むのを目にし、これが今日初めての食事と聞いても火の部族の現実が信じられない。「坊ちゃんにはまだわからんか」「今度来るときは皆に菓子でも持ってきてね」とゼノに言われて身分がばれたかと冷や冷やする。
ヨナの声がしたような気がして思わず表に飛び出すが、見つからない。夜の戸外は寒くて呆然としていると、焚火が見えた。そこにいたのはなんと雷獣ことハク。

(55話)慌てたテジュンは、危険がせまったら上げるようにと部下に渡された狼煙を焚火に取り落としてしまう。テジュンはすぐにハクに拘束される。テジュンであることはとうに見抜かれていた。たくさんの兵士がテジュンを助けに向かってくる。狼煙を上げたのは事故なので、兵を止めに行くから放してくれというテジュン。「こいつは一度俺らを殺そうとした」というハクの言葉の「俺ら」という言葉に「ヨナ姫は生きているのか」と問うと、躊躇するハクを差し置いてゼノが「生きてるよ 娘さんは一番元気だから」とあっさりいう。そこにヨナ、キジャも来る。「今後私が約束を違えることがあるならば、殺してください あなたになら私は殺されてもかまいません」「貴女と再び言葉を交わせることが幸福で仕方ないのです 生きていてくださってありがとうございました」というテジュンをヨナは信じて釈放することにする。

(56話)火矢にやけどを負いながらテジュンは狼煙は間違ってあげたと兵を止め、宿舎に帰る。どうしてもヨナに会いたいテジュンは、食べ物をもって再び加淡村にいくが、ヨナは食べ物を村人に分けてしまう。その後もテジュンは宿舎の食料を盗んでは加淡村に持ってくる。

(57話)ヨナ姫に会うために加淡村に通うテジュンは、村が税金を納められないのは、畑をつくって耕す若い男手がないからで、それはテジュンの父であるカン・スジン将軍の軍備最優先の方針に従って徴兵されたからであることを知る。ヨナ姫と一緒に村人の生活を見に行った時に、自分の部下たちが見回りに来た時に、村人にかくまってもらう。見回りに来た部下のフクチはテジュンと一瞬顔を会わせるが追求しない。テジュンは火の部族長の息子として自分は火の部族のために何ができるかを自問するようになる。

(58話)ヨナたちは加淡村よりさらに貧しく病気の蔓延している村を慰問する。テジュンはユンのアドバイスを受けて、賊の対策本部をつくるという名目で、村の警護や食料の確保や医術師の派遣をさせる。部下のキルソンが病で倒れるもののテジュンは徹夜で介護し、快方に向かい、部下の信頼を得る。

(59話)無事キルソンは全快し、テジュンはこの宿舎はもう診療所として、炎里村に賊がでたので次はそちらに向かうという。キルソンを始め部下たちもテジュンのやろうとしていることに賛同して向かう。炎里村も飢えと病人で大変な状態だったが戦闘員でないため役人に印象の薄かったユンが助けに現れる。ゼノも加わって村人の心を開かせ「兄ちゃんは この高華国にとって きっと大きな存在になる」と予言する。村人とテジュンの部下たちが憩うなか、ヨナもこっそりテジュンのもとを訪れ、この土地でも育つ作物を探しに自分たちは明朝出発するという。火の部族のみんなを守ってとテジュンに託して。ヨナが去ったあとも土下座をしているテジュンに、フクチは「腹へり達を捕らえるまでは彩火城に戻れないとなると 一生戻れませんね」と意味深に語り掛ける。

その後テジュンは火の部族を武人である兄のカン・キョウガとともに支える存在になり、スウォンからも評価され、ヨナを支える重要な働きもするが、ヨナが緋龍城にもどったあとはでてこないのが寂しい。2021年3月現在(35巻あたり)まだまだ、ゼノの予言「高華国にとって大きな存在になる」が達成されたとは言えないし、ひと働きありそうな予感

2021年3月4日木曜日

暁のヨナ9


 (48話)火の部族の民は寒くて乾燥した土地が多い上、部族長は若い男性はみな兵にとり、予算は軍事につぎ込んで、畑を耕す働き手もないのに重税の厳しい取り立てにあえいでいた。火の部族出身のユンは、イクスだけに告げて、縁のある加淡村に「自己満足だけどね」といいながらこっそり食べ物を差しいれにいく。四龍とハクとヨナはそんなユンの後をつけ、手伝うことになった。そこにやってきた役人一行は、ユンの差し入れの食料とともに子どもを連れて行って売り払うという。ヨナ達は身元を隠して山賊を装って、役人を追い返す。

(49話)その後も「暗黒龍とゆかいな腹へり達」という賊を名乗ってあちこちで乱暴する役人を追い返す。ジェハとハクとキジャとユンとゼノが別の場所の見回りに行った間、留守番するシンアとヨナ。ヨナにシンアには龍の目の力があるのになぜ剣を覚えたのか聞くが、4歳の時目の力で集落に押し入ってきた兵士を全滅させて、一族が隠れ住むことになったことはまだ話せないトラウマだ。ほんものの盗賊がやってきて、ヨナの弓だけでは太刀打ちできず捕まったヨナは必死でシンアに呼びかける。

(50話)子ども達に遊びで剣を奪われたタイミングで、剣が手元にないシンアは素手では対抗できず賊の刀で傷を負う。ヨナが必死で呼んでいるにに気づいたシンアは、目の力を解放し賊を麻痺させて殺そうとする。

(51話)シンアは力を解放する快感に我を忘れていたが、体を張って止めて必死に呼びかけるヨナの声が届き、龍の目の力の反動でシンアは倒れる。この力の為に里の人達は二度と自分に近づかなくなったと後悔しながら。そんなシンアに「シンアがやらねばならないのは 目を閉じてすべてを封じることじゃなく 目を開けてその力を自分のものにすること」「一緒に強くなろう」と語りかける。

(52話)帰ってきた皆はシンアの手当てをし賊は縛って公道に放り出す。役人に殺された子どもの弔いに、ヨナとユンは「火の土地からこんな風景をなくそう」と誓う。

天幕が怪我したシンアと看病をするユンが使うために、ヨナも外に寝ることになったが、ヨナはハクと一緒がいいという。その心はこっそりハクの剣を奪って無理矢理剣の稽古をしたいがためだった。ハクもヨナに剣を教えることにやっと同意する。

このあたりからハクもヨナも顔が大人っぽくなって、安定してきた。

一方火の部族の城、彩火城では、最愛のヨナを殺してしまったと信じている将軍次男のカン・テジュンはふぬけになって、部下から見放されていた。剛を煮やした長男のカン・キョウガはテジュンに賊の討伐を命じる。

(53話)現地役所でも不抜けて役人にあきれられているテジュンだがフクチのたくらみで、現地へ行ったところへ暗黒龍とゆかいな腹へり達がやってくる。そこでテジュンは白龍と青龍にこてんぱんにやられながら、賊長ヨナの声を耳にする。

カン・テジュンと部下のフクチの愉快な組み合わせの始まり!

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電子書籍のファンです

2020年に暁のヨナにはまってからは、雑誌も単行本も含めてすべて電子書籍で買っている。例外は2021年2月20日の花とゆめ 6号で、これは付録のコレットのファンブックが欲しかっただけで、本体はぱらぱらとめくったけれど、実際に読んだのは電子書籍版。あと暁のヨナ34巻はおまけのカレンダーが欲しくて予約購入したけど読んだのは電子書籍。

なんと言っても電子書籍はかさばらない。若い頃から何度も漫画を買ってはある程度たまるとじゃまになって廃棄したりBook Offに持って行ったりを繰り返してきたけど、電子書籍が増えてきて置き場所が解決できて嬉しい。ただものが目の前になくてクレジットカードを登録してしまうと歯止めがきかなくなるのが心配で、Renta!というサイトでWebマネーを使ってポイント購入。レンタル電子書籍とは言っても、後で欲しくなりそうなので結局全部無期限レンタルで借りている。スマホとタブレットにアプリをいれてあるけど、アプリならダウンロードできる。調子に乗ってフィールドで読むためにWifiでたくさんダウンロードしておいたら、ハードディスクの容量が一杯になってしまったことがあるけれど。

そういえばKindleは本を買うのに使っているけど、パソコン版でもダウンロードできるのよね。クレジットカードの問題が無ければKindleにすればよかったかなとも思う。Amazonギフト券という手があったし。

コレットのファンブックが欲しくて何十年ぶり?に紙版の雑誌を買ったのだけど、通常のページは色ののりがいまいちなので、電子書籍の方が気に入っている。パソコンで見ることが多いので、画面が大きいし、見開きも映える。

電子書籍はシリーズごととか作家ごとに管理できるし(いや紙版でも本棚に整理すればいいのだけど、場所の問題があって)、買った本は購入サイトを見てわかるので同じ本を買う心配は無い(心配するほど買ってないけど)

本が劣化したり汚れる心配もない。我が家は狭いマンションで台所の油汚れとかさけられないので、いつの間にか蔵書の上部には油っぽい埃がこびりついているので、最近は本の上に透明フォルダをおいたり、大切な本は透明袋に入れたりしているけど、電子書籍ならそういった問題も無し。

電子書籍の方が安いし(Amazonでは漫画に関してはKindle版と紙版が同じ値段だけど)、ポイントバックもあるし。紙版でもBook Offとかなら安く手に入るけど、作家さんを応援したいから、推しの本は売り上げに貢献してあげたいし。

発売日の0時を過ぎると読めるので、最近は花とゆめとかは発売日の0時過ぎに真っ先に読んでから寝ることにしている。

最近は電子書籍のおかげで漫画の売り上げは増えているようだし、コレットのファンブックやヨナの特装版も電子版で読めるようにして欲しかった。コレットのカラー画集付き特装版が電子書籍であったのは嬉しかった!
https://hon.jp/news/1.0/0/30684


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2021年3月2日火曜日

暁のヨナ8

(42話)白龍、青龍、緑龍が加わりあとは黄龍だけと思ったら、鹿のバーベキューをしているところにちゃっかり加わった少年が黄龍ゼノだった。里はとっくに出て、一人でのんびり旅をしていて、特に目的地とかないしヒマだしご飯がおいしかったから仲間になっていいという。

(43話)四龍が揃ったが、何事も起こらず神官イクスの予言

「四龍 集結せん時

王 守護する 剣と盾が目覚め

ついに 赤き龍 暁より還り給う」

の意味はわからない。ドジな神官イクスが3ヶ月弱一人暮らしでどうしているかも心配で、いったん全員で神官のところに行くことにする。
イクス曰く「王を守護する剣と盾が現れるにはもう少し時間が必要なようです」

2021年2月20日の204話でも、王を守護する剣と盾とは何か、王は誰かという謎はまだ解明していない。ゼノは俺は娘さんの盾になるために生まれてきた龍だといっているけど(17巻99話)四龍とは別に王を守護する盾がいるように読めるし。

それまでおちゃらけていたゼノがヨナに「四龍を集めてどうしたい?」とヨナに問いかける。「城を追われたってことだから戦力がいるのはわかる 生きるために でもそれから先は?ずっと逃げるだけ?王位を簒奪したスウォンを討ち 緋龍城を 玉座を 取り戻そうとお考えか」

時々ゼノは鋭い本質をついてくる。まあ後ほど(18巻)ゼノは唯一不老不死で緋龍王の時代から高華国を見てきたことがわかれば、実は一番状況を見極めているし、仙人みたいな威厳があるのはわかってくるけど。

夜イクスに「初めて城の外の人と話して聞こえてきたのは 亡くなった父上と変わらない現状への恨みの声 私はこの国に守りたい人がたくさんできた 私はこれから大地に立って高華国を見渡し苦境に押しつぶされる人々を助けたい そしてこれは決して城の中ではできないことなの」といいながらヨナの脳裏に浮かんだのはスウォンの「今はまだ私にはやるべき事がある」という言葉。阿波でスウォンと再会し憎くて許せないのに剣を抜けなかったともいう。それは人に憎まれ人に裏切られても人を愛さずにいられない緋龍王の苦悶だとイクスはいう。だまって聞くハク。

(44話)地心の都の地心城で腐っていたグンテは、憧れた比類なき最強の武人ユホンの嫡男であるスウォンが、地心には観光に来たといい、お茶の話や、鉱山から副産物としてとれた美しい石の話などに興ずる気の抜けたようなようすにいらだち「イル王には疑問を抱くばかりで、これ以上の屈辱を受け入れ高華を危険にさらすのならば もしかしたら謀反を起こしたのは俺だったかもしれん」と物騒な皮肉をいったあと「おっと違った 俺は謀反を起こしていたかもしれん」とわざとらしく言い直す。スウォンはあいかわらずひょうひょうとして「戴冠式でこの国を先々代国王のような強国へと再生させるといったことに偽りはない」というが、覇気が感じられずグンテは失望。なんとかとりつくろうといいわけをする側近に、グンテ将軍のことはあなた達を見ていればわかります。私の大好きな人達に どこか似てますというスウォンの脳裏にはハクと風の部族のなかまたちが浮かんでいた。そんな家来達にスウォンは祭りで模擬戦をすることを提案する。

(45話)戦争を忘れた人々の、皿割り合戦という戦争ごっこにしらけるグンテだが、スウォンは転んだと見せかけて敵軍を同士討ちさせ、敵軍に追いかけ回されているように見えて巧みに自軍を導き、ただらなぬ剣の腕の片鱗も感じ取る。

(46話)スウォンとグンテの一騎打ちとなり、グンテは一瞬スウォンに覇気に満ちた目を感じたが、スウォンは足をすべらせて負ける。

試合が終わり、スウォンのすすめでグンテの妻ユウノがグンテに身につけさせた鉱山の副産物の輝石が人気になり、更にユウノはスウォンのすすめで戒の商団にお茶をすすめて、購入の話がきて、地心が潤うこととなったときには、スウォン一行は帰った後だった。スウォンの目的は五部族1の士気をもつ地の部族を味方につけることであった。

(47話)一方ヨナは剣の稽古もしたいといってハクやシンアやジェハから拒否されていた。

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2021年3月1日月曜日

暁のヨナ7

(36話)ヨナとユンは、他の人質たちと協力しながら海賊達への合図の花火を打ち上げる。彼方まで見通せる目をもつシンヤはすぐに気がつく。船上でヨナは役人達に捕まって殺されそうになるが、あわやという瞬間、ジェハが空から降りたって助け出す。更に夜目の利くシンヤも加わる。

(37話)クムジは劣勢を悟って、船も部下も見捨てて小舟で脱走するが、ヨナに射られて海の藻屑となる。

(38話)戦いは終わり海賊と解放された捕虜と港の人たちは、祝宴に酔いしれる。

(39話)酔い潰れて眠る人々やハクを置いて一人静かに港町を散歩するヨナは、クムジの悪行の噂を聞いて視察に来たスウォンと出会い頭に衝突する。スウォンは、後を追ってくるジュド将軍や部下の目から、とっさに自分のマントの下にヨナを隠す。スウォンの剣を奪おうと思わずヨナは手を伸ばすが、スウォンに手をつかまれたこともあって剣を抜けない。ジュドに行きずりの女と抱き合っていると思わせてやりすごした。スウォンは「私を殺したいですか? 当然ですね でも今はまだ死ぬわけにはいかないんです 私にはやるべき事があるから」といって地の部族長イ・グンテ将軍に会いに去って行く。 

 その場に座り込んで泣いているヨナを探しに来たハクは、何が起こったかを察する。阿波でやるべき事も終わり、ヨナはこの地を去ることにする。

(40話)港の人たちやギガン船長が一行を見送りに来たが、なぜかジェハの姿は無い。実はこっそりついてきていて、龍の気配がわかる白龍、青龍に見つかって、いいわけをしながら一行に加わることになる。

(41話)41話は、どちらかというと番外エピソード。白龍の里の人達が作った惚れ薬に、キジャが思わずヨナへの熱い思いを告げ、自己嫌悪に陥る。

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