2024年3月13日水曜日

暁のヨナ43

2024/2/20刊行

(第247話)おぼろげな光
ジェハは消えてしまった。キジャの手が巨大化した龍の手になる。必死でキジャの心を鎮めようとするハク。怯えた村人たちはキジャも攻撃しようとする。そこにソノンさんが、ハクたちの私物を乗せた馬を二頭放ち、村人を蹴散らしてやってきた。ソノンさんヨナとキジャを抱いたハクは乗って逃げる。ソノンさんほんとうにいい人。高華国と将来和睦が成立したら、高華国にもきて欲しい。

そして3人が荒野で目覚めるとキジャは元に戻っていた。高華国に戻って休んだほうがいいというヨナとハクに、「誰かから四龍は短命だと聞いたか?」と問う。そしてキジャはヨナに、「それは歴代三龍の宿命なので皆覚悟しておりました。ただ私は死ぬ時まであなたをお守りしたい。どうかお側にいさせて下さい。」と。「キジャたちの短命がいいわけないよ」というヨナに、「そのお言葉だけで私は生まれてきて良かった」と思う。「前にキョウガ達はジェハと思われる龍に矢が当たり消えたのを見た。それでもジェハは私達の前に帰ってきた。だから今回も、きっと」とキジャ。

ヨナ姫様は四龍様と合流できたでしょうか。と野営地点でスウォンに語り掛けるミンスに「もう戻らないかもしれませんよ」とつぶやく。と、ミンスの手伝いでお使いに来たユンを見て「あなた・・・行かなかったのですか?ヨナと共に」と驚くスウォン「はい、仕事があるので」そんなわけないじゃん。ヨナはこの戦いが終わるまではスウォンに協力するといったのだから。

夢の中でゼノに会うヨナ。

(第248話)青い影を追って

夢の中でゼノに、ジェハがいなくなっちゃったというヨナに、ゼノは「言ったろ?寿命がきたって」と。「始まったんだ」とも

風の部族の野営地点に現れたのは、龍に半ば心をのっとられた青龍シンヤ。ハクの名前を耳にするが、それはテウだった。テウを守ろうとノブが矢を放つと青龍は暴れ、集まってきた兵士を目の力で倒す。テウもジュドもケイシュク参謀も青龍であることに気がつき、殺さないで止めようとする。

(第249話)繋ぎ止めて

やっと青龍は縄で縛られたが、そこへやってきたスウォンの肩にケガさせてしまった青龍。青龍を殺せと命を下すケイシュク参謀。なぜここにスウォンはやってきたの?本気になれば自分の身は守れるだろうに、なんで青龍に噛みつかれるままでぼーっとしていたの?

そこに騒ぎを聞きつけてユンが現れる。

(第250話)悲しみが終わる場所へ

ユンの顔をおぼろげながら思い出す青龍。青龍の矢を抜かなきゃ、とういユンに「あれが人であれ龍であれ陛下に重傷を負わせた。我々はあれを殺さねばならない」とカン・キョウガ将軍。「待ってスウォン陛下もきっと助けるから」とお願いするユンを、部下に連れて行かせようとするキョウガを青龍が襲う。そんな青龍に「逃げて。これ以上人を傷つけないで」という。青龍を切ろうとするジュドを必至に止めるユン。矢で傷つき去って行く青龍。ヨナや仲間たちの幻を思い浮かべながら。四龍が高華国とこんな関係になってしまったとは。

シンヤは、荒野をかけるヨナ、ハク、キジャとやっとであう。ゼノがヨナの夢の中で持っていた血の盃があれば傷が回復するかもしれぬと聞いて、ゼノを求める青龍。千里眼でゼノを見つけてゼノの元に。

(第251話)分断

スウォン陛下の傷を手当てするミンスに「スウォン陛下、死なないよね・・。シンアの傷で死なないよね・・!?」と必至で問いかけるユンに、ミンスは「助けます」というが、会話を盗み聞きしていた側近のソガは納得いかないようだ。

ソガと側近達は、ラパもつれて青龍に天誅をくだしにいく。「あの怪我では何もせずとも命はないかと」いうケイシュクに、「ぬるい事を言うようになったなケイシュク。ヨナ姫の影響か。我々はユホン様がご逝去されたあの日スウォン様を王とし御守りすると誓った。あの化物は重罪だ。しかしこの野営地には龍殺しを躊躇う者もいるだろう。ここからは我々『影』の役目」とでかける。

荒野からゼノが突然現れる。気がついたら一人で荒野に放り出されてたからあんま覚えてない。ジェハとシンアの気配は感じないという。血の盃について知らないかと、自分の見た夢を話すヨナに、「持ってない」という。

そこに現れたスウォン護衛の影たち。青龍を知らないかというソガ。落ちていた縄を「青龍を縛った縄です」というラパ。「シンアはここにはいない」という。「隠してはいない。知っていたとしても渡せない」というヨナ。「ならばそこにいる二体(キジャとゼノ)も引き渡して頂きます」とソガ。割って入るハクに「我らスウォン陛下の旧知の側近。我らの意志は陛下の意志」というが、「あいつを昔から知ってんのはこっちも一緒だ。四龍を今すぐ捕らえて処分しろってあいつの意志とは思えないんですがね。だいたいあんたら寄ってたかって側近だ護衛だ名乗っていながら、その場にいたのに主に重傷を負わせたのか?うん、ハク鋭い。スウォンは四龍を探しに行けと言った。その辺、主との意思疎通きっちりしてから話し合いをしましょうや。」「探せと仰っていた事は知っている。お前だけにお伝えになったお言葉も」というソガに、ハクとスウォンの二人だけの深夜の会話「私が死んだあと次期高華国王にヨナを」というのを聞いていたことを、ハクは知る。「我我はそれを認めない」

要は皆ユホンに忠実なのであって、スウォンに忠実なのとちょっと違う。まあ主が暴走しようとしたら止めるのが側近の役目ではあるけれど、スウォンはユホンよりすぐれたリーダーだと思うのに、これはスウォンの意志をまったく尊重していない。

(第252話)たとえ元には戻れなくても

「消えて頂く。ここで。」と。「下知もなくキジャ達を捕らえ私を暗殺など、スウォンに対しても不敬でしょう」というヨナに「我らはユホン様に忠誠を誓う者。憎きイルの子である貴女が高華国の王になることを決して許す事は出来ない」と。スウォンが自分が死んだ後聞き国王はヨナだと言ったことを初めて聞くヨナ。「本当に勝手な人ね」とヨナ。「スウォン陛下はご聡明で理想的な王であられるが間違った選択をなさる事もある。特にあなた方の前ではご判断が鈍っておられるようだ。それを断ち切るのが我らの役目」止めようとするラパに、お前は青龍を探せといって、ラパはハクに共感を持っているのをわかっていて配慮したのか・・ソガたちは、ヨナやキジャを攻撃する。ヒューリ並に強い。ヨナをかばって怪我をしたキジャは、幻夢の中で歴代白龍たちとであう。「お前はよく闘った。もう休め」という先祖達に、「つまりそちらにジェハとシンアはいないのですね。あやつらが天に昇ったのなら私や姫様を案じて魂となってきているはずです。でもここにはあなた方しか来ていない。つありあの二人はまだ地上にいる。私はまだ白龍を全うしてないので見ていて下さいね。今少しだけ力を貸して下さい。」と龍になるキジャ。これ、生真面目でヨナ姫一途なキジャらしい。ユーモアもあるし。龍になり、あっという間に側近達を倒し、ラパも殺そうとするキジャに呼びかけるヨナ。暴走が止まったキジャを、ゼノは盃に入れる。

これであとはゼノだけ残った。でも龍神さまの意図はどこにあるのだろう。主を待って、龍の力を使う機会もないまま、村人から隠れ住んだり迫害され、短い寿命を受け入れて2000年も待ったあげく、ヨナを守って消えるの?

緋龍王の子孫にしても、緋龍王の遺志を次ぐ機会もなくひたすら隠れ住んで、緋の病で苦しんで若くして死ぬだけの2000年だし。見ているだけで何も出来ないゼノにとっても苦しい2000年だったはず。

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