2022年7月29日金曜日

スキップ・ビート!37

(2015年9月18日)

(ACT.219 CRYSTAL STREAM)
お笑い芸人見習いの覚悟を決めた天宮さんの代マネとして、天宮さんとともにラブミーピンクつなぎで富士テレビに行くキョーコ。天宮さんが昨日の事故で捻って首に包帯をしていることを揶揄されるのを見て、スカーフを買いに行くと申し出るキョーコ。自らをラブミー部員一号と名乗る。

天宮さん、今では完全にキョーコに信服している。ただ階段から突き落として指を負傷するさせた人(23巻ACT.133)とそんなに仲良くしていいの・という気もするけど。突き飛ばされて捻挫して(2巻ACT.9)脚のヒビに発展してしまった松内瑠璃子も最後はキョーコに信服したけど(3巻ACT.13)、キョーコちゃん満身創痍過ぎる。

天宮さんのその後が出てこないけど(2022年)お笑い番組で名をあげて、役者としても返り咲いて欲しい。

テレビでキョーコの母最上冴菜が、交通事故についてコメントしているのをミス・ウッズとの電話中に気が付くローリィ社長。蓮とミス・ウッズは今夜中に韓国を発って明日日本に帰るようだ。目玉焼きのせトーストの食事中だった社さんも同じテレビ番組を自宅で見て、もしかしてキョーコちゃんの・・・と気が付く。

「『芸人見習いになってみせる』じゃなくて『芸人見習いを演じてみる』っていったのよ。」という天宮さんに、「『お笑い芸人』のリアリティを追求するあまりそのうち演技じゃなくなります」とキョーコ。

嫌みをいっていた共演者が「見直した。けどっ収録中一瞬でも『女優なのに』ヅラしやがったら・・・」「「『給料泥棒』なんて二度と言わせない」と天宮さん。

スカーフを買って急いで帰ってきたキョーコが、エレベーターに乗ろうとすると、降りてきたのは母、冴菜だった。

(ACT.220 CRYSTAL STREAM)
冴菜さんの眉間にしわが寄ったけれど、何も言わずにキョーコとすれ違う。

誰かの付き添いでTBMに来ていた琴南さんは(誰の付き添いだったのだろう、ラブミー部の仕事じゃないといっていたけど。)、『きまぐれ』の録画に来たキョーコと出逢う。「鶏は連続ドラマでレギュラー出演してる人間がやる仕事じゃないでしょ」という琴南さんに、キョーコが、「主演張れるようになったら考える」というので正直今のドラマもW主演みたいなもんだと思うけどと「ふくしきこゆーは結婚式の名前だよ」と素人っぽいアイドルの主演、丸山留美を想像する。(初心者マークを持った留美ちゃんが奏江の脳内でいってるこのわけのわからないセリフは何?複式?故宮?)

モー子さんにBOX"R"の初回見てくれたと聞くが、見てないという(正確には「録画で見たのでオンタイムではない」のだが)

突然モー子さんに「あんたの母親って弁護士やってたりする?」と聞かれる。今回のモー子さん出演「水森都シリーズ」に、最上冴菜という弁護士が監修についているという。キョーコはさっき富士で会ったという。バラエティやコメンテーターとしてよく見る『笑いも取れる鰐顔弁護士』片桐憲一が過労で倒れて、富士は代打らしい。奏江のドラマは監修のサブでもともとついていたという。奏江は冴菜さんに昨日会って「(キョーコと)親子だって確信した」という「だって似てるもの」といわれて呆然とするキョーコに、「正確に言うと似てるのは普段のあんたじゃなくてドラマの中の『ナツ』特に無表情になる時の人形みたいな無機質な顔と雰囲気」(モー子さん、キョーコにBOX"R"見てないといったばかりなのに)「本当はドラマ見てくれたの?」とキョーコは喜ぶ。「あんたにしては表現が慎ましやかね。」「ちょっと今気持ち的に複雑で。私が母に似てるらしいって事に対して」「嫌なの?」「母がね」。

TBMのカフェテリアに移って会話を続けるキョーコと奏江。「普通の家庭の親子より関係が氷点下なだけ」(いや男と家出した娘に何年ぶり?であってスルーするのは氷点下なんてものじゃなくて絶対0度)「富士ではスルーされた」というキョーコに「(不破尚)だってあんたが茶髪ショートにしただけで気づかなかったんでしょ」というが「二度目に目が合ったときは眉を顰められた」「ただの通りすがりの人間がどんな常軌を逸した服を着てようが、そんな事であの人は顔に表情を乗せたりしない。昔からあの人が感情を出す時は私があの人にとって不快な事をした時だけ。そして私の存在を疎ましいと思ってる。子供の頃からずっと。」

そのころ冴菜さんはLMEサイトのキョーコを見て、額に深い最上川をつくっていた。

冴菜さんの部下かな?勤務時間中に1時間も私用電話していてお客様にお茶もださなかったら、皮肉を言われても仕方ないだろうに。

(ACT.221 CRYSTAL STORM)
深刻な奏江の顔をみて「母の事に関しては私のハート、コンニャクみたいに柔軟になっちゃってモー子さんが思ってる程傷ついたりしてないのよ?」「でもごめんいろんな意味で」

翌朝、モー子さんとの会話を思い出して、「罪悪感なんて感じないで欲しい。今まで人様のあたたかい家庭を見て羨ましいと思った事なんてただの一度も・・・なかったとは言わないけれども、それで自分は不幸だと哀れんだ事は一度も無い。これまでだって一人ぼっちで生きて来た訳じゃないし、今だって大好きだと思える人がたくさん居る。」

敦賀さんが手に書いてくれた消えかけた「よくできました」マークを見て微笑むキョーコ(今日は敦賀さんが一時帰国する日)

そのころミス・ウッズと飛行機の中にいた久遠は「今回は短期滞在なのに蓮ちゃんの髪色に染めてもいいの?」「万一の事があると困るのでお願いします」「貴方の髪と頭皮のダメージが心配だわ」「禿げたら潔く丸坊主にしましょう。敦賀蓮ウィッグもあるので大丈夫。むしろウィッグが無駄にならなくて良いのじゃないかと。」

しかし久遠の姿は出入国に必要なだけだから、そっちを鬘ですませて、カイン・ヒール→敦賀蓮じゃいけないのかな。
しかし眉毛とかまつげはどうなるのかな。あちらとか・・・地がキラキラ金髪だったらほかもそうなると思うのだけど。

そうすると社長さんがよく浮いた話の一つもないといっていたけど、バレないように気を遣っているのにそんな浮いた話どころではないでしょうと思う。

BOX"R"のメンバーと会話中のキョーコ。今年のタレント名鑑にはキョーコは未登録だと聞いて驚く共演者たち。元々「ラブミー部員」って補欠タレント的な扱いだったから(『親の承諾』って壁もあったからなんだと思うけど)パスポートを取るためにあの人と連絡を取った事を社長に話してすぐ後、事務所のホームページに正式に所属タレントとして載せるから、あの人と直接話していいかって社長さんに訊かれた。それでホームページに載せてもらえてるんだから滞りなくOKがでたのだと思うキョーコ。『何をしようと勝手だけど間違っても私と関わりがあるなんて世間に知られないようにしてちょうだいね」と昨日スルーされたときの眉間のしわは語っていたけど、社長さんにもそういったんだろうな。それでも迷惑だから認めないとは言わなかったんだ。と。

CMの撮影が終わって、インタビューのために社さんと事務所に向かう蓮。その後は社長と報告がてら飲むことになっている。

このCM撮影の敦賀さん、ポスターで欲しい!

事務所へ蓮と社さんが顔をだすと、真剣な顔で社長が「キロノット」というテレビ人生相談番組を見ている。挨拶にいくと、画面に『最上冴菜』という弁護士が、相談者から「あなたには子供居ないんですか!?あなたっお腹を痛めて子供産んだ事なんかないんでしょう!!!」と罵られていた。「確かに私に子供はおりません。母親になった事のない私にはあなたのつらさも悔しさも、想像はできても分かち合う事はできません。ですがそれは今ここでは関係の無い事です。」

眉間にしわを寄せているローリィ社長を横目で見た社さんは「社長、もしかしこの女性やっぱりキョーコちゃんの・・・」えっと驚いた表情の蓮。社長は「最上君がこれを見ていなければいいんだが。最悪だ」

冴菜さんの発言は、普段テレビにでる人じゃないから理解してないのかも知れないけど、全国ネットでこんなことをいうのは、どんな気持ちからであっても許せない。キョーコだけでなく、その知り合いにもみんな伝わる事を考えてないのかな。

(ACT.222 CRYSTAL STORM)
車で移動中の尚は、偶然冴菜さんが登場するキロノットを見て、しまう。一方キョーコもだるまやでおかみさんが間違って録画したキロノットを見てしまう。

インタビューが終わって社さんと社長と飲む蓮。すらすらと会話をしながら、突然「最上さんの母親は社長と会ったとき特に異論無く最上さんの芸能活動を許可したんですか」と唐突に会話を変える。

「異論は唱えないが条件があるっていうか、内容が内容だけに、たとえお前とはいえそうペラペラとはなあ」という社長に、「『何をさせても構わない。親子だと世間に知られないようにしてくれるなら』とでも言われましたか」という蓮。「最上君から家庭の事情を聞いてるのか?」と驚く社長さん。「少しだけ。母親が最上さんには随分厳しい人だという事くらいですが」(あれは厳しいと言うより、愛情が感じられないという方が適切では・・)(「以前最上君の口からも蓮が幸せになる資格が無いとこいつが自分を責めていた事を知ってる感じのセリフをきいたが、お互い話してるのか。心の傷を。まさかこいつが惚れた女に自ら弱み晒すと思えんが。それも重すぎて闇すぎる」)敦賀さんはコーンだった子供のとき、キョーコは坊の時と、お互い相手が知らないときに聞いてるんだよね。いつ本当の事をうちあけて、心から癒やし合えるのかな。

「好意的に受け止めればその厳しさも最上さんを思っての事ですよね」「社長に彼女が言った事も、今回のテレビでの発言も、彼女なりに最上さんの将来や立場を気遣って」と言いかけた蓮を目で制するローリィ社長。「もういちいち許可を取りに来るなと言われた。全部LMEの自由にしていいからと」愛の伝道師社長さん、涙を拭ってる?

冴菜さんすごい美人。キョーコも大人になったら絶世の美女になりそう。しかし複雑な思いがあるにしても全国ネットで「私に子供は居ません」はない。でも社さん、敦賀さん、社長さん、尚と、キョーコを心配してくれる人が、たくさんいるのが救い。久遠は両親からは溺愛されてたから、衝撃だろうな。とはいっても久遠も自分の存在をアメリカ芸能界で否定されたわけだから、気持ちはわかるかと思う。

遙かな昔「お母さん頭の悪い子キライなの。だから私頑張って100点いっぱい取るの。それでね、いつか笑顔でいい子ねってお母さんにほめてもらうんだっ」といった子供の頃のキョーコの顔を思い浮かべながら電話をしようか迷う蓮。

電話では一度演技でごまかされた過去がある(15巻ACT.85-86で軽井沢のレイノにストーカーされてた事)。怖いのはもしあの子があの番組を見ていなかった場合、俺のその不自然な探りが、あの番組を見るキッカケをあの子に作ってしまうかもしれないという事だ。『会う』のならグアムでの食事の証拠動画という切り札がある。この一時帰国中に会う機会を作って後日・・・と思ったところで、絶望的に泣いていた子供のキョーコのが浮かぶ。

録画した番組を見てしまったキョーコは、コーンの石を持ってだるまやの裏口から飛び出すと、キョーコが心配で電話する尚が目の前に居た。「その顔やっぱり見たんだな」

まあ尚は事情を知ってるからまっ先に駆けつけるのは当然か。軽井沢でレイノにストーカーされたときと言い、敦賀さん一歩遅れてる。でも子供の頃からこの場合キョーコを本当に癒やせるのは、コーンだよ。

(ACT.223 CRYSTAL STORM)
後を追ったおかみさんは、尚とキョーコが対峙しているのに気が付く。おかみさんに気づいた尚は首を振ってみせる。幼馴染にまかせた方が良さそうだね、とおかみさんは引っ込む。

尚の頭には、かつて「私は自然とあんたの居ない所で泣く様になったのよ。あんたを困らせたくなかったから」と言ったキョーコ(8巻ACT.45)が思い浮かぶ。心を見せようとしないキョーコに近づくと、感情まで殺して目が死んでいる。

思わずキスをして、「いつものお前ならケリの一つも入れんだろうが。俺の前で泣くのが嫌なら切れてみせろ」という尚に、「メンドくさい。お願いがあるの、一人にして。」

尚もけっこういいところがあるけど、ここでキスして、キョーコの怒りの感情を引きおこそうというのはそもそも間違ってる。たとえ怒ったとしても、キョーコが癒やされるわけじゃない。キョーコが尚に甘えられないのは、今までの2人の関係から尚が招いた事だし。まあ結果的にずっとあとに敦賀さんの怒りの感情を引きおこしたけど(44巻ACT.267)。

キョーコも尚も有名人である事を思い出したおかみさんとご主人が裏口から見にいくと二人とも居ない。

一人になったキョーコは近くの小さな公園のベンチで「東京にコーンの森は存在しないのに。大声で安心して泣いていい場所なんて東京には無いのに」「"無視"されると覚悟していた"お願い"を聞いてもらえたのは、あの人なら無視ができなくなる様に自分でそういう手段を選んだから(つまり本人直接でなくて、冴菜さんの事務所に母の知り合いと思われる藤道さん送って、たとえ藤道さんが人違いでも手紙で事情を知った第三者の手から同意書を母の手に渡してさえもらえれば、外聞を気にするあの人は絶対に同意書を無視できないと、たくらんだから38巻ACT.226)。

迷惑だと思いながらも許可をくれたのは別に私の未来を尊重してくれた訳じゃない。あのヒトは私の存在ごと無かった事にしてたんだ。これがコーンと再会する前じゃなくて良かった。」かつてコーンと会えなくなってから一人雨森の中をコーンの名前を呼んで泣いて歩いたことを思い出す。

向こうから歩いてきたのは・・・

この時の敦賀さん、どうみても敦賀さんの姿なんだけど、敦賀さん規格にそっくりのコーンがコーンに見えるように、キョーコちゃん絶対視感を持ってるけど、けっこうフィルターがかかるんだね。

この時のキョーコを心配しながら、何と声をかけたらいいのか、なんでキョーコと母の事を知ってるのか葛藤してるであろう憂いを帯びた敦賀さんの立ち姿が素敵。

でもほんとうのところ、事務所で偶然社長と一緒に冴菜さんの発言を見て、社長に事情を聞いたで、よかったはず。コーンの事を言わずにどう話しかけるかに気を取られすぎて頭が回らなかった?」

(ACT.224 PRESSURE CHANGE)
キョーコは子供の頃、弁護士として難しい案件に落ち込んでいる母の部屋に入って「この案件に負けたらあんたのせいよ」と拒絶された事が浮かぶ。

「嫌われてるのは知っていた。ともすれば憎まれている可能性も受け入れた。だけどまだ私には存在そのものを否定される現実なんて」コーンに見えた敦賀さんに「コーン」と呼びながらすがりつくキョーコ。

個人的に母親との関係、修復しなくてもいいと思う。まあ事情は尋ねてもいいけど。

蓮はキョーコに抱きつかれて思わず手を浮かせて悩むが、更に号泣するキョーコに、そっと抱きしめて頭をすり寄せる蓮。

この時、一旦キョーコの肩に手をおいてそっと抱きしめかけたのを「コーン」と呼ばれたのを思い出してもう一度手を放したものの、キョーコが号泣したのを見て、やっぱり抱きしめてスリスリするのが、好き。

本当はこの状態で尚が戻ってきて欲しかった。その後の話の展開がまったく変わっただろうな。

一方状況を電話で社長に報告するレトは、何かに気が付く。

社さんに「こんな時にまで若い二人のラブの行方を想像して楽しんでるなんて、社長は只のラブモンじゃありません。ゲスラブモンです!!」といわれて、ローリィ社長は「俺が『行方』を想像してんのはあの娘の成長だ。役者としてもう一皮むけるかどうかを期待している。それは今回のこの状況をあの娘がどう受けとめるかで決まる。"傷"にするのかそれとも宝にするのか」

キョーコに一人にしてといわれて一旦立ち去ったものの、付き人と共に道に立ち尽くす尚。やっぱり一人にできるかと戻ったがキョーコは居ない。一人で泣くつもりならどっちにいくかと考える。

キョーコの最初で最後のショータローへのお願いが「1人にして」ってのは、まさにキョーコと尚の関係の象徴。

昔、キョーコが泣き止むと「きょうはどうしたの?」と話を聞いてくれたコーンを思い出すキョーコ。敦賀さんになでなでされて、「今はうまく話せる自信が無い。黙ってただこうしてくれてるだけの方が落ちつける。これがグアムでコーンと再会前だったら私また自分の事情ばかりを話してしまうと思ったけど。」「また逢おう」といった眩しいくらいの最後のコーンを思い出して、「ウソみたい。呼んだら本当に来てくれた」と思ったところで、抱きつく前の顔は金髪碧眼でなかったことに気が付く。改めて見れば、明らかに敦賀さん。「ごめん。言い出せなくて」。

キョーコちゃんの直感はいつも正しい!でもコーンだと言えないのにコーンとしてキョーコに抱きつかれている敦賀さんの心境は複雑だろうな。抱きしめたいのにわざわざ最初両手を挙げて困った顔に葛藤が見られる。でも最後に優しく抱きしめてキョーコの髪に頬ずりして、なでなでするのがたまらない。

しかしキョーコの中の敦賀さんのイメージって、未だにいじめっこ敦賀さんなの?

最後の「ごめん。言い出せなくて。」というのは「コーンじゃないよと言い出せなくて」と言ったつもりだろうけど、ほんとうは「コーンだと言えなくて」だよね。言えればキョーコはもっと癒やされるのに。困り顔の敦賀さん、最高。

で、最終コマ、コーンだと思ったら敦賀さんだった事に気が付いたキョーコに叫ばれちゃうのかわいそう。

スキップ・ビート!36へ / スキップ・ビート!38へ

スキップ・ビート!目次

2022年7月26日火曜日

スキップ・ビート!36

(2015年3月20日)
(ACT.213 原色の楽園~GO AHEAD!~)
ミス・ウッズに連れて行かれたのは、先ほどまでコーンと最上階で椰子の実ジュースを飲んでいたお店。見た目は大人だけど子供みたいなコーンのことを思い出しているうちに最後のキスを思い出して挙動不審なキョーコ。そんなキョーコに「何かやましい事をかくしてるみたいな顔してる」といじる敦賀さん。キョーコは、ふと敦賀さんが今日は時計を左にしていることに気が付く。冷静に考えると二度目は無いよというのはショータローとは二度目はないといっているだけではと思い、ミスウッズが席を外している間に、コーンのことを敦賀さんに突然「実は聞いて頂きたい事があるのですが。今日私ファースト・キスを経験いたしました。相手はコーンです!!」といいだす。(黙っていれば一生俺にはわからない事だろう!!)とびっくりする敦賀さん。
いじめっこ蓮さん。しかしもしもキョーコがファーストキスをしたという話を尚にしたら(で尚とのことはアリクイに口移しで餌をあげたと思っていると)仁王になるな。
告白は唐突だけど、二度目は無いよ(尚と)であって二人目はないよではないことにやっと気が付いたのねキョーコちゃん。もっとも蓮としては自分以外なら二人目はないよと言いたいだろうけど。
動揺してむせる蓮はかわいくて幼く見える。
「今日はコーンにとったら笑顔を取り戻す事ができた記念すべき一日なんです。そんな彼にとったら素晴らしい一日を一緒に過ごした私が無かった事にはしたくないんです。(それで鶴賀さんに軽薄な子だと思われる事になったとしても)「何より私が嘘をつきたくないんです。敦賀さんには」ズダムと一撃を受ける蓮。嬉々として語り始めるキョーコ。(手枷の時計を付け替えたけど、うっかり手が出たときまっ先に目に入るように違う意味での手枷が必要な気がしてならない)明日の夜までで日本に帰るミス・ウッズに蓮は、社長に「俺の人生に光りも影も存在しない。限りなく現在この目に見える未来図は輝きに満ちていると」伝えてくれと言う。そこにキョーコちゃんがいるんだよね。そろそろ二人で山を乗り越えるという発想をしてもらいたいんだけど。キョーコのことは抑えないで欲しいんだけど。でも抑えなくて良くなったらベタベタのバカップルになりそう。でもキョーコの発想すばらしいよね。コーンにとって記念すべき日をなかったことにしたくないというのと、敦賀さんには嘘をつきたくないと。

(ACT.214 OVERHEAD FIRST STAR~彼方の夢~)
蓮のB.Jの迫力に共演の金子さんはたじたじ。おまけに、このグアムの気候であの衣装なのにカインは汗一つ掻いてない。役者として経験を積んで来ると撮影中には汗を掻かない様に自力でコントロールできる様になると、セッカに冗談をいうカイン。実際はいつのまにかこういう体質になってしまったと。それって熱中症を避ける上からは逆にまずいのでは?「発汗を抑える秘策があるから多少その効果もあるかもしれんが」というカインに、セッカ魂を忘れて女優としての好奇心満々で聞くキョーコに「まずお前が『女優』と呼べる立場になったら教えてやる」と言われ、落ち込むキョーコ。

いっぽう村雨の「ヤツの完璧なB.Jを見る度に、自分がどれだけ小物な役者か思い知らされるから。ムカつくけどやっぱり芝居は上手いんだよ」と「俺は必ず現在より高度な技術を身につける。そして奴が認めざるを得ない本物の一流の役者になってやる」という言葉に同士を感じるキョーコ。
いっぽうあいかわらずカインにじゃれまくる愛華ちゃんをキョーコ(セッカ)は投げ飛ばして「一度しか言わないからよくお聞き。そこの小娘。」(このあとACT.215)「この世に生まれ落ちたその瞬間からこの男はアタシのものよ。その薄汚い手で二度とアタシの兄さんに触らないで!!」と。
待機室でカインの膝に乗ったり甘え方がいつもよりあからさまで、試験でセツを休む前までと何か心境の変化があったとしか思えないと思うカイン。
それは蓮への気持ちを自覚したから。カインにじゃれる愛華ちゃんが気に入らないのはキョーコの本心。

日本に帰ったミス・ウッズから蓮の言葉を聞いた社長は喜びの表情を見せる。
社長さんやっぱり産まれたときから知ってる久遠が心配で愛しいんだよね。

その頃、キョーコの下宿先だるまやを訪れる尚。

(ACT.215 絶対符号)
セッカとしての役割は終わり、一足先に帰国するキョーコ。カインの部屋に挨拶に寄り、(今回は同じ部屋じゃなかったの?)朝食をしっかり食べて携帯の動画で残すようにいわれたので、証拠動画をリアルタイムで確認してもらうために最上さんのメールアドレスを教えてくれといったけど、そこまでして頂かなくて結構ですとメルアド交換を拒否される。

セッカの態度が変わったので自分に独占欲を抱くような何か心境の変化があったのかというのは幻想だったと蓮は思う。一時帰国は3日後。でも事実上恐らくヒール兄妹はここで終了だというのに名残惜しいと思うのは俺だけかと蓮の心の声。恐らくって???100%じゃないという伏線かな。
出て行くときに「約一か月間ありがとうございました」というキョーコの手に、水性ペンで∞点のラブミースタンプを描く蓮。「日本に帰ったらちゃんと本物を押させてもらうから。君には感謝してもしきれない。本当にありがとう。助かった。ソレが消えてしまう前に帰るから」
二人とも感謝の気持ちを顔や言葉にのせるようにはなってきたけど、その前のキョーコのために廊下に人が居ないか確認する敦賀さんの背中を見つめるキョーコの表情を敦賀さんに教えてあげたい。

∞ならたとえ-10点でも∞のままだよね。ああいう姑息なことはもうしないで、蓮。
看病を自分への好意でやってるんじゃないって、代マネとしてあたりまえのことに-10点する蓮も、まだキョーコちゃんへの気持ちを自覚してないのにストレート過ぎて面白かったけど。


グアム空港への送迎バスでのお客さんの会話から、「敦賀蓮」は芸名であることを思い出したキョーコ。グアムに一日早く来た時にホテルの部屋の電話番号をフロントで聞いても無駄だったのかもと思い、敦賀さんの本名ってなんていうんだろうとふと思う。敦賀さんの芸名を命名したであろうはずの社長さんなら知っているはずだけどと思ったところで「そら何も知らん訳じゃないがね。ただ君に事情を話すには蓮の許可が必要だ」という電話での言葉を思い出す。坊のときにみた、自責の念に落ちる蓮の顔を思い出す。

水森都シリーズ次期の台本を手にした琴南さん。犯人が狡猾で凄腕の弁護士のために、弁護士が監修に聞き、監修者の名前「最上冴菜(片桐憲一とともに)」を見た琴南さんはフリーズする。

(ACT.216 タイニーモンスーン)
機内で爆睡して機内食を食べ損ねたので、日本に帰って成田空港でたこ焼きを楽しむキョーコ。空港には社さんが迎えに来ていた。ミッション中はキョーコとも蓮とも連絡できないので、社長から社さんが派遣されてきたということで、内容が機密事項なので社長の車が待っていた。社長さんは仕事でいなかったが。蓮に押してもらった∞のラブミースタンプをキョーコが見せるとほっこりする社さん。

「カインヒールなんて謎だらけな男を演ってる蓮自身が既に謎だらけなんだけどな」という社さんになにかいいかけたキョーコだが「マネージャーをやってても担当してる役者さんの事全部知ってる訳じゃないんですね」と。
「特殊な事情を抱えてて極力そこは明かさずに仕事してる人間少なくないんじゃないかと思うよ。」(時々モデルの仕事で海外に出た事あるけど行きも帰りもいつも別々だったし、そもそも俺を蓮に引き合わせたのが社長直々な事から、蓮の謎部分には深く足を踏み入れ過ぎてはいけないと、マネ感が言っている)やっぱり敦賀さんの世間に知らされていない部分に興味を持つのはやめよう。本名すごく気になるけどいつか敦賀さんが自分から話してくれるまでは誰にも何にも聞かない。と思うキョーコ。まあそんな瞬間一生待っても来ないかもしれないけどね。と二人とも思う。
今回は乙女社さんじゃなくて、社さんのイケメン度高い。

昨日初回のBOX"R"の感想を社さんに言われるが全く興味が無かったキョーコ。初回の視聴率が最悪で天宮さんは落ち込んでいた。BOX"R"はスロースターターなはず「大丈夫!!私達とてもえげつない悪役!!演れてますから!!」とキョーコの励ましにますます落ち込む天宮さん。

撮影が終わってだるまやに帰るとキョーコにお客さんだという。パスポートをとる際に、保護者承諾の署名を母親からもらったことを思いだし、母親かと思ったら、尚が居間でご飯を食べながら待っていた。冴菜さんから尚の実家に連絡があったので、尚は実家からキョーコの様子を見にいくように言われたという。
松太郎、正座がきれいなのはさすが老舗旅館の息子。

(ACT.217 タイニーモンスーン)
尚の母親が、そのうち自ら会いに来るけど、お前を京都に連れ戻すためかもしれねーんだぞ。と。パスポートの署名もらうときに冴菜さんとは直接あったのかという尚に「阿呆が過ぎると死ぬ病気が今すぐ発症すればいいのに。もし直接会ってれば、あんたのご両親が私の様子を見て来いなんてあんたに頼む訳ないでしょう」「今更な現実を説明させる?だって同じ東京にいるのにあのヒト(冴菜さん)は会いには来ない。」と。「スマン」という尚に気持ち悪いというキョーコ。いや尚はキョーコのことを心配してるんだよ。普段オレ様の態度と独占欲と混じってわかりにくいけど。そこら辺をわかった上でうまく躱してってのはキョーコには無理そうだなあ。
「アンタ、スキあらば私を京都で一生仲居勤めさせようとしてんだし」「それはお前が敦賀蓮に躓いたらだろう」キョーコの態度に「お前早速間抜けにもあのデカい石ころにけつまづいたんじゃねーだろうな」あわてて否定するキョーコ。いやあんな約束のその場限りに決まってるでしょと尚をあしらって欲しかった。でも尚のいうことをそのまま受け取るんなら、躓いて挫折せずに尚も認める(認めるかどうか知らないけど)日本を代表する女優になったら、京都で一生仲居を勤めなくていいということでいいのかな。「私には目指すものがあるっていったでしょ。日本でトップクラスの役者になってみせる。そのためにはもっと自分を高めなくてはいけない。他人に誇れる自分になれなくてはいけない。愛だの恋だのそんな良識も感情も乱す魔物を一瞬でも最優先になんかしていられないのよ」と。「ならそうやってはっきり言ってやれよ。ウチの親がたとえ何言って来ても余計な事は一切考えるな。お前はお前の決めた未来だけを貫き通せ」行方知れずだった娘の居場所がわかっていくら冴菜さんでももしかしたらと思った尚だけど、あれだけ俺に罵詈雑言浴びせかけられんなら大丈夫だろう。帰りの車で思う尚。

尚は自分勝手で、冴菜さんと並んで、キョーコの誰にも愛したくない愛されたくないトラウマを作った元凶だから嫌いだけど、時々こうやって思いやりを見せてくれる。うまく蓮、尚、キョーコが穏やかな関係になるといいけど、蓮が認めそうもないか。キョーコと尚の関係は兄妹みたいになりつつあるんだけど、ここで蓮が絡むとまた蓮も尚も嫉妬と独占欲の塊になるからなあ。

グアムでコーンに合った話をコーンの石にしながら、コーンが去った後森を一人で泣きながらさ迷った子供時代を思い出すキョーコ。

夜、バラエティに出演した天宮さんの恨みつらみを描いたノートに毒気にあたる。翌朝BOX"R"の撮影現場に行くと、天宮さんが交通事故に会って病院に搬送されたという。

(ACT.218 CRYSTAL STREAM)
病院に駆けつけると、天宮さんの怪我は首を捻った程度だが、マネージャーの吉本さんが脚を複合骨折してて手術室にいったという。かけつけた安南監督は、吉本さんが京子を呼んだという。天宮さんの芸の事務所ソフトハットの社長曰くBOX"R"の撮影はだいぶ前倒しで撮っているから今日は休ませてもらえるという。天宮さん曰くきょうだけじゃなくて明日も無理だという。今日ロケを中止にすると、次はいつ借りられるか電話をしている安南監督を止めて、天宮さんと話すキョーコ。明日のマジスカの収録を休むなら今日の仕事も休まないと説得力がないからでしょうと指摘するキョーコ。後々自分が許せなくて後悔する事になるという。「明日の仕事がバラエティではなくドラマだったら貴女はやっぱり同じ事を言いますか?」かつて蓮がいったプライベートで何が起きてもそれを仕事へ持ち込まないルールを思い出すキョーコ。

安南監督に天宮さんの気持ちを変えられなかったと謝りにいくと、後ろから来た天宮さんが撮影に行くという(そう書いてないけどたぶん)。「役者とは己の身に何が起ころうと演じる人生が宿命なのだから」と天宮さん。本当は私が尊敬するある人の言葉だという。それは敦賀さんかとキョーコは思ったけど、『勝利者の父』Mr.Dだという。

明日の仕事で自分を鼓舞するためにラブミー部として明日『マジスカ(マジでスカッとする番組)』の収録で傍に居て見ていてもらいたいという。

冴菜さんが見てるキョーコの評価がちらっと見えるけど、DARK MOONとBOX"R"は事前の期待度も違うし、未緒とナツはいじめ役と言っても、立場も全然違うから、同じ迫力があったらおかしいのに、くだらない批評だ。

スキップ・ビート!35へ / スキップ・ビート!37へ

スキップ・ビート!目次

2022年7月24日日曜日

スキップ・ビート!35

2014年9月19日発売
(ACT.207 原色の楽園~HOT LIMIT~)
身体のサイズのすべてが敦賀さんと同じコーンに疑問を持つキョーコに、基本的に俺達は見たままを素直に受け入れられる幼い子ども以外には本当の姿が見られないようになってるから、キョーコちゃんの記憶の中で一番鮮明に残ってた男性「敦賀さん」に見えていないとおかしいんだよ。とコーン。よくまあ咄嗟にぺらぺらと・・
「子供の頃に会ったコーンは本当の姿のコーン?」とキョーコ。「100%天然嘘偽りの無い俺」今の私中途半端にコーンの本当の姿が見えていると思うキョーコだけど本当はこれが100%天然コーン=敦賀さんだよ~~一方キョーコは「私はもう子供の頃の様な純粋無垢じゃなくなったの!他人のことを妬むし嫉むし羨むし疑り深くもなってしまった!あげく他人を憎む事だってできるんだから!!」というと「こんな事があったんじゃさすがのキョーコちゃんだって魂を歪ませるよね」と過去が見える(ふりをする)コーンは、自己中で暴君なショーちゃんがキョーコちゃんをだまして放置したことやキョーコちゃんが無理矢理ショーちゃんにキスされたことや敦賀さんに頬キスされたのが見えることを喋る。コーン、調子に乗りすぎ・・キョーコで無ければとっくにバレていた。しかしメルヘンキョーコに、アドリブで、立て板に水のごとくメルヘンで返せる敦賀さん、21歳よりずっと心は若い。というか10歳ならともかく21歳で妖精を演じられる敦賀さん、すごい現実離れした美青年なんだね。

一方、相変わらず蓮と連絡がつかなくて焦るミス・ウッズは、ローリィ社長と電話で話す。「今のアイツ(久遠)が『敦賀蓮』だとバレることがまずいんだ。だから最上君(絶対視感のある)とさえ接触しなきゃそれでいい。仮に何かの間違いで接触したとしてもシラをキリ通せば大丈夫だ。カイン・ヒールの時とは事の重大さが違うんでアイツとて己の人生がかかってるつもりで他人を貫き通すだろう・・・・と信じている」最後に不安がにじむのはさすが社長さん、キョーコに惚れている久遠をわかっている。だけど、ここまでキョーコちゃんに久遠をまかせたのだら、久遠がバラしてもしょうがないという覚悟はないのね。

キョーコの過去を許可なく見て不機嫌なキョーコに、敦賀さんの顔と声で「許して?」と眉毛を下げて頼むコーンに、仔犬のカイン兄さん×100の破壊力。「その敦賀さんの顔と声で、それ以上敦賀さんのイメージが壊れる様な事しないで!!」と。(敦賀さんがもしあんな風にプライベートで甘えを見せることがあったとしたらそれは相手は私じゃない。だって敦賀さんには好きな女性が)ってなんでそれが自分だとは全く思ってないの、坊として話してたときもう少し突っ込んでおけばよかったのに。

昔はよくキラキラした眩しい笑顔見せてくれたのに、今日再会してからのコーン、そういう絵蛾をしてるの一度も見てない」「再会できて嬉しいの本当は私だけなのかなって」「そんな事無い。絶対」キョーコと過ごす何げない時間を『幸せ』だと久遠が感じてしまわないように、無意識に抑え込んでいたと気づく久遠。当然訪れるはずだった『幸福』な時間を他人からは奪っておいてと深刻になる久遠。

「(かつて貴方がそうしてくれた様に)今度こそ私が貴方の『救いの場所』になりたいの」と。
相変わらずキョーコ、人の心の機微にはいい勘をしている。コーンにも御守りとなろうとしている。恋愛に関しては死んでるけど。でもコーン相手だと手を握ったりスキンシップも平気なのね。

(ACT.208 原色の楽園~HOT SPELL~)
コーンは、自分の存在そのものが周りの人間を不幸にする、自分と関わって人生を狂わせた人がいる。どんな事をしてももう元には戻らない。神にも手の施しようのない惨劇だ。という。
そんなコーンの手を、自分の両手で包み、「だから呪いをかけられたの?笑えない様に?」というキョーコに、「俺が呪われてるのは生まれつき。笑えないのは俺が自分を許せないからだ。俺さえ存在しなければ誰も悲しませる事も不幸にする事も無かったのにって。自分でも自分を呪ってるって言った方が適切かも知れないな」コーン自分のことをよくわかっている。だったら前に進もうよ。やはりどこかで前に進んでいるティナに会わないと難しいだろうな。

「私はコーンと関わり合ったけど不幸になってなってないよ?!私はコーンと出逢ってなかったらこんな諦めの悪い打たれ強い子に育ってなかったって断言できるよ?コーンとコーンがくれた石にだけ胸に詰まって弱音や悩みを打ち明けられた。私はどんなに貴方に助けられたかわからない。だから貴方が関わったまわりの人を自分が不幸にするなんて決めてしまわないで」と。
「キョーコちゃんだけだ俺と関わって無傷なの」「そんなこと無いよっ絶対っ」コーンの表情を見ているうちに、かつてレイノに言われた「ソイツがそんな感情からその後もずっと逃れられない人生を余儀なくされていたのだとしたら、ソイツは今頃壊れるか・・・」という言葉を思い出してキョーコは「ごめん。私これまでコーンがどんな経験をしてどんな思いをして来たかも知らないくせにいかにも『他人だから言える綺麗事」みたいな事言って」そこに気づくキョーコちゃんは本当に大切な御守り。自己嫌悪に陥って涙ぐむキョーコと風鈴の音に、あの夜の涙をためていたセッカを思い出すコーンいや敦賀さん。
ここら辺のコーンの顔の百変化が楽しい。泣かせてあわてるその気持ちを大切にね。

呪いの話をしているうちに、メルヘンにはまって元気になるキョーコ。(久遠がこの娘と居て感じる『幸せ』に否定的でもこの娘を悲しませたかった訳じゃない」
そんなコーンに「諦めるの?コーンだって今の自分のままでいいなんて本気で思ってないでしょう」コーンの頭に動かないリックを抱きしめて久遠を責めるティナが思い浮かぶ。
キョーコに「呪いを無効にする伝統的な方法、知ってるはずだよね?キョーコちゃん」と自分の唇に指を当てるコーン。どさくさに紛れてずるいコーン!お姫さまじゃないんだから。キョーコちゃんにキスしてもらいたいだけでしょ。でもこうやって本音がでるところもいいね。

(ACT.209 原色の楽園~HOT SPELL~)
この表紙絵、背景が凝っているしすごい。キョーコに実際お姫さまを演じさせて使って欲しい。
「呪いを解く口づけというのは『清く深い愛』がなくてはいけないのよ。」私もう清くないし、コーンのことは好きだけど呪いを解くにはlikeではなくてloveでなきゃ。「それなら大丈夫。俺がキョーコちゃんを愛してるから」と敦賀さんの顔と声で破壊力がありすぎる。敦賀さんの時にちゃんと言え!!!

「私の生い立ちを知ってくれてるコーンならわかってくれると思うけど、私もう誰かに置いて行かれるのは嫌なのよ」「それに敦賀さんと約束してるのよ。この身の純血を命にかえて守り抜くって」「なんてそんな約束してるの?恋人でもないくせに。敦賀さんってすごくズーズーしいね」
このセリフをコーン=敦賀さんがいう、このシチュエーション最高!同じ人に2度目はないなんて、ほんとうは理不尽なトンデモ理論なんだけど、キョーコちゃんに教えてあげたい。でも本人が言うと突っ込むとこしかない。しかし恋人でもないくせに敦賀さんってすごくズーズーしいって自覚はあったのね。

そこでバレンタインデーの流れを思い起こす混乱するキョーコ。「敦賀さんの真意がどうであれ、つまりはバレなきゃいいんじゃない?」ここまで自分に都合良い解釈を持ってくるコーン、最高!でも将来コーン=敦賀さんと知ったときにキョーコはどう思うかな。ウソつきだね俺のためにできる事なら何でもしてくれるなんて言葉だけだったんだ」敦賀さんの時に、このわがまま言ってみたら。要はキスしてくれないの?ってことでしょう。

「キョーコちゃんは俺より敦賀さんの方が大切なんだ。無理だよね?キョーコちゃんには敦賀さんを裏切れない。」もはや絶句。うつむいてしまったキョーコに自己嫌悪のコーン。この娘は敦賀蓮との約束を健気に守ろうとしてくれてるんだろう。何が気に入らない。」)「最上さんも早く実践でできる様になるといいよ。俺達芝居に生きる人間が身につける心の法則」という敦賀さんの言葉を思い出して「貴方のお役に立てましょう」と。
でもそれだと演技だよ。キョーコちゃんなかなかいい返しだけど。

(ACT.210 原色の楽園~HOT SPELL~)
事あるごとに「敦賀蓮」を彼女が気にかける度小さく芽生えてきたイラ立ち。『敦賀蓮』は『久遠(自分)』なのにどうして『敦賀蓮』ばかり優遇するんだ。別人を装ってきたのは自分のくせに。いざ彼女に個別扱いされ、敦賀蓮を引き合いに出されると腹が立つなんて。これは久遠の姿でキョーコの前に現れることを決めたときから、もうコーンバレするっきゃ無いんじゃ無い。

「けれど違った。彼女は『敦賀蓮』だけを特別視していた訳じゃない。カテゴリーは違うかもしれない。だけど並列に考えてくれている。久遠も『敦賀蓮』も、”唯一無二の存在”として」「でもそれって大丈夫なの?バレたら怒られない?」自分で言っといて何をいうとるねん。

キョーコは、母に捨てられたことやショータローに裏切られた自分の過去のことを、あのお方にお逢いできるきっかけを作ってくれたのだと思うだけでわたくしは彼の者には感謝すらしてます」「それって君はもう許してるって事?ソイツ(不破)の事を?!」一瞬不破っていいかけたよね。キョーコが気が付かなくて良かった。コーンならショーちゃんって言わなくっちゃ。「わたくしに『許せない』などという負の情は端から備わっておりません。わたくしがここまで来るなかで何度悲しい思いをして心が塞ぎ込んでも、唯一わたくしの話を聞きいつもはげましてくれたのは貴方がくれた思い出と魔法石だけだという事実。立ち上がる力をくれた貴方に何かをお返ししたいと思うのは人間の理でございましょう」

「再生のキスをもらっても」とキョーコの前に跪いて目を閉じるコーンに一瞬だけキスをするキョーコ。

「もの足りない」といいながらキョーコの言葉を反芻するコーン「それら総ての経験は現在のわたくしになるためにはいずれも必要な事であったのだと」アメリカでのさまざまな過去の場面、幼いキョーコとで会った時、LMEで初めて会ったときのことが走馬灯のように思い浮かぶ。(今の俺にならわかる。人生で起こる全ての出来事は偶然では無く必然なのだと)キョーコの手を握り返して微笑むコーン。
これでいいの?まあ恋人キスはまだまだ先の話だろうけど。それよりはキョーコが過去のことも蓮に逢うきっかけだったと思えると言ってくれてよかったね。
久遠の最後の笑顔は最高。久遠は実際はこれからも過去のことは現在の自分を作るのに必要だったと思えない場面がでてくると思うけど、一瞬でもそう思った気持ちを忘れないで。

(ACT.211 原色の楽園~MELT HEART~)
椰子の実ジュースを二人で飲み、マウイ!と笑いあう二人。この冒頭の無邪気な場面も好き。いつかこんな風に二人で。

「わからない事もあるんだよね。キョーコちゃんが本当はもう『ショーちゃん』許してるのかなとか。」「確かに感謝をしてるのは事実だけど(アイツが一人で上京してたら高校進学を捨ててまで追いかける勇気は無かったと思うし)でもアイツに目に物見せてやりたい気持ちは消えやしないわ」「それを聞いて安心した。実は俺昔から『ショーちゃん』の事は気に入らなかったから。キョーコちゃんは盲目的に『ショーちゃん』が正義だったし、それに対して俺なんてうっかり呼び捨てにしようものなんらコーンはダメっていちいち拒否されたくらいの存在なんだから」

実際に呼び捨てにしようとしたら、「今声が敦賀さんだから、おしおきの一種なのかと心臓が縮み上がるから」と拒否される。そこで黙ってしまったコーンにかつて「もう会えない」といった子供のコーンとの別れを思い出す。心の中で(今度この娘に会った時俺はまだ妖精『コーン』を演じていられるだろうか。状況がもしもそれを許さなかったとしたらその時は、総てを話そう。つつみ隠さず現在この胸がこんなにも温かい理由も)とキョーコにキスをして、「キョーコちゃん。俺生まれてきて良かった。キョーコちゃんと出逢えただけで俺は俺で生まれて来た事を感謝する」とカフェのテラスの手すりを超えて「また逢おう」と消えてしまった。最高の去り方、最高の演技!敦賀さんにしかできない。これはやはりもっとアクション映画にでないと。しかし下がどうなってるか久遠、事前に見ていたの?あ、そうだ、キョーコちゃんが椰子の実ジュース買いに行っていた間手すりからそとを見ていたか(34巻ACT.206)運動能力が優れているのはわかるけど。きっと久遠の姿で又会って、今度はすべてをキョーコちゃんに話すんだよね。これは伏線だと信じている。しかし久遠はキョーコの唇にキスするんだね。敦賀さんは頬チューだったのに。

(ACT.212 原色の楽園~TIME SHIFT~)
下の階のテラスに飛び移ったコーンは、時計を出し、すまないリック一つだけお前に聞いてもらいたい願いがある。と。

一方ミューズ様から着信が何度もあったことに気が付いたキョーコは、かけ直して外に出ていたことを伝える。「キョーコちゃんはずっと一人だったの?」との質問にはいと答え、ホテルに戻る。実はカフェの時計は狂っていて午後5時半ではなくて、7時半。久遠がミスウッズと約束した時間はとっくに過ぎているが、ミスウッズは意外とあっさり小言をひっこめる。社長から「詳しいことは話せないがアイツが素の姿に戻ってそのまま外をフラフラする事自体、実はちょっといい傾向なんだ。だから今日アイツに会ってもあまり起こらないでいてやってくれるか」と言われていたのだ。
キョーコが久遠とあった時間は不明だけど、朝成田をでると4時間弱でグアムにつくから、お昼頃?海に行ったのは午後早い時間のはず。ずいぶん長く久遠といたんだ。

ミスウッズは蓮に「実は今日既にキョーコちゃんがグアムに来てるのよ!!」というが、さっきまで一緒だった久遠は一瞬反応が遅れる。8時に3人で食事をする約束が1時間は遅れるという。ふと蓮がいつも右につけている時計が今日は左なのに気が付く。

待ち合わせの駐車場に現れたキョーコを見ながら蓮は心の中でリックに(お前の彼女との未来を奪っておいてこんな事を入れる立場じゃないのはわかっている。それでもどうか一つだけお前にこの願いを聞いてもらいたい。決して俺の事を赦さないでくれ。何度この世に生まれ変わっても)
34巻ACT.205からこの35巻最後のACT.212までずっと思っていたのだけど、キョーコちゃんと海辺で出会ったときに久遠は海に潜っていて、着替えるひまはないから、ずぶ濡れなのでは。それも海水だとかなりベタベタしそう。そのままキョーコちゃんとカフェに行って、更にミス・ウッズの美容室もそのまま行った?服装を見ると着替えてないようだけど。

キョーコも赦されなくて地獄へ行ってもいいから敦賀さんを愛する気持ちを認めたし、蓮もリックに赦されなくていいからキョーコを愛する気持ちを認めたし、前進!

(番外編 あの時の彼等)怨キョの陰の声では、キョーコがキスした後のコーンの神々スマイルと駐車場でキョーコと再会した蓮の神々スマイルは同じ。でもキョーコの発想は、「敦賀さんのご先祖様のどなたかに妖精のDNAを持つ人が存在するんじゃ。」

2022年7月5日火曜日

スキップ・ビート!34

(2014年3月20日)
(ACT.201 絶望シーソー)
カインに抱きしめられて素で赤面した撮影の後、ミューズ様の車で社長とともに下宿先に送られたキョーコは、翌日社長室に呼ばれている。社長が愛の伝道師として盛り上がって、敦賀さんに「失望した」と言われると恐れるキョーコ。
なんでそういう発想になるかな~~

社長室に行くと、敦賀さんと社さんも来ていたので、フリーズして青ざめるキョーコ。そいうえばあの夜以来素で会うの初めてだと気が付いた蓮は、デッドブルーに染まったキョーコを見て、がっかりする。むむ敦賀さんも斜め下の解釈。今はこれ以上構ってあげない方が良さそうだと背を向け先に奥へいく蓮。キョーコに声をかけた社さんが、乙女社になってなくていつも通りなので、社長さんはまだ曝露してないのかとキョーコは思う。

社長の話は、最上君にイギリスに帰るという設定にして、『お守』役を暫く休ませるということだ。「暫く最上君が離れてお前一人でも大丈夫だろう?」いきなり潤い奪われる俺の身にもなってくれませんかね、と思ってそうだと社長さんと社さん。「最上君の学校がそろそろ進級テスト期間が始まるから」という理由でホッとするキョーコ。キョーコに即行で目線外されてやっぱりちょっと冷却期間が必要かと思う蓮。

そして蓮と社さんが立ち去ったあと、社長さんは君とはじっくり話したいとキョーコは残される。

(ACT.202 幕間)
今日がホワイトデーだと気が付いてなかったキョーコは、「君はさっき何のドキドキもワクワクも無かった訳だな蓮に会っても」「惚れた男から何かお返しもらえるかもとか思ったら(ドキドキ)しねー方がおかしいだろう。」と蓮の話をふられる。
「俺は蓮に何も言ったりせんよ」と「そもそも愛とは、多難を乗り越え手にいれ育み自力で花を咲かせるから甘く美しいんじゃないか。自分の描いたシナリオ通りに結ばれる恋人達を見てもトキメキが半減されてしまう。ちなみに最上君の恋愛劇は俺的になかなか良い萌え要素を含んでいる」「今後も展開させる気なんか無いんだろう?蓮にもバレない様に努力しまくるんだろう?もし蓮に恋人ができて結婚なんかしちまっても君は笑顔で祝福するんだろう?」」「もちろん”役者”のプライドにかけて最高の笑顔で祝福し・・・」そこで突然蓮がかつて坊に言った言葉を思い出す。「敦賀さんここで大切な人は作れないって・・どこに居ても あんなまるで自分には幸せになる資格なんて無いんだと思ってる様な思い詰めた表情で。どんな気持ちであの時そのセリフを言ったのかあの表情を思い出せば少しは想像できたのに。なのに”大丈夫””だから大丈夫””まだ敦賀さんは誰かのものになったりしたい”って一瞬思った私なんてひどい事を」この言葉をキョーコがどこで聞いたか、その後の社長さんを見ていても気がついてないみたい。

ルトに鏡を持ってこさせて「最上君。君はやっぱり良質の恋愛劇の幕に手をかけていると俺は思うぞ。まぁたとえどんな良質だろうが幕が開かなきゃ意味ないんだがな。幕を開けるもそのまま持った幕を手放すも君次第だ。どうするかね?」とキョーコに自分の顔を見つめさせる。
社長さん、もどかしいようだけど、これがベストな押し方かも。キョーコが今敦賀さんにそのまま気持ちを伝える気は無いし、敦賀さんもキョーコとつきあう気も無いし。

(ACT.203 贖罪への一歩)
「幕を開けると言うことは敦賀さんへのこの気持ちを育てて行くって事。それって敦賀さんが苦しんでるのをわかってて、その状況が少しでも長く続いて欲しいなんて、一瞬でも思うこの醜い気持ちも育つってこと。」

しかし社長さんは「目を逸らすな。他人の不幸の上に成り立つ自分の『安息』をそうと悟っていても望んでしまうその気持ちも、そんな自分を『醜い』と絶望するその表情も今しっかりと見て覚えておきなさい。それは必ずいつか君に演技の役に立つ」という「君が一流の役者を目指す以上君の人生には何一つ無駄になるものは無いんだ。たとえそれが決して他人が羨む様な経験じゃなくても」。

キョーコの頭に、背中を向ける母への記憶が養成所に入学するときに演劇に役に立ったこと、ショータローの実家でのおかみさん修行が瑠璃子ちゃんとの演劇対決の茶道の場面に役に立ったことが浮かぶ。そしてLMEに入ったきっかけ、尚に一緒に来てくれと言われて上京した捨てられて復讐するために入ったこと、そのため蓮に嫌われたこと、蓮に嫌われてたから自分も蓮を嫌いになったけどいつの間にか惹かれていったこと。自分は子どもの頃から敦賀さんへのまっすぐ延びた布石の上に乗っていた。「地獄へ行けばいいですよね。誰かと紡ぐ敦賀さんの幸せを永遠に望んであげられなくても」と。

キョーコが去った後、蓮に惚れたのは、自分がヒール兄妹を仕組んで最上君への荒療治が成功したんだと思っていたのに、DARK MOONの嘉月の演技テストの直後だと聞いて、見抜けなかった。そうでなくても蓮の現場に行って3日目にやっと、赤面するキョーコを見て気が付いたことにプライドが若干傷ついていたのに(だから33巻ACT.200の最後で、社長さんらしからぬ真面目な顔をしていたのね)そんな比じゃなく、愛の伝道師として自信喪失してしまった。

「乙女の機微に疎い蓮は絶対あの娘の気持ちに気づかんだろうよ。今の蓮には気づかせてやらん方がいいからな。OKサインが出たのに食事にありつけないワンコ程可哀想なものはない」自分をも騙したキョーコの演技に「みてェなぁ 磨いて世界に通用する役者に」だがその前にとグアムに地球儀を止める社長さん。
OKサインが出たのに食事にありつけないワンコって・・・まあ蓮にとってもキョーコちゃんへの気持ちを認めて前に進むにはまだ機が熟してないし。

(ドリームコンタクト)もしもセッカの演技中のキョーコが、エレベーターで尚と出逢ったら(末尾へ)

(ACT.204 現色の楽園~HOT SPOT)「人生で起こる全ての出来事は偶然ではなく必然なのだと、以前世間では有名らしいスピリチュアルカウンセラーが言っていた。それは頷ける部分もあるしどうしても認めたくない部分もある。けれど以前よりアイツを嫌悪していない自分に気づく瞬間ふと思う。もしかしたら本当に来るのかもしれない。いつかアイツの存在を許してもいいと思ってしまう日が」ってモノローグは、コマに人間が誰も出てこないけど、誰のもの?キョーコの尚に対する気持ちでも在るし、蓮の久遠に対する気持ちでもあるのかな。

試験が終わって、予定より一日早くミューズ様と一緒にTRAGIC MARKER最終野外撮影の地グアムに着いたキョーコ。蓮は出入国のため久遠の姿に戻っているし、ホテルも本名でとっていることを知っているミューズ様は、気が気では無い。肝心の蓮は電話に出ないので、社長さんに連絡を取り、その入れ知恵で、キョーコに蓮とはあとで三人で一緒に食事をするから、それまで友達の別荘にいるようなので連絡が取れないと思い込ませる。
蓮がどうしてここで、本来の姿に戻っているのか理解するのに、2回くらい読み直したとき初めて思いついた。蓮はアメリカ国籍のままだろうから、当然、パスポートはアメリカのもので、本名で本来の姿の写真が写ってるから、出入国のときにその姿に戻さなければならないし、事情をしっている人以外とは一緒に行動できない。2022年にルートプロジェクトでアメリカに行くと思うけど、その時も仕事を口実に一人かな。そろそろキョーコちゃんに身バレして一緒に行ってもいいと思う。

ところでどうしてジェリー・ウッズ様は「テンさん」なんだろう。どこかで由来が聞けるのかな。触れられたくないということは、恥ずかしい本名とか。

ミューズ様にはホテルの部屋でおとなしくしていると言ったけど,外に出て映画関係者とたとえ会っても、自分がセッカだとは絶対気づかれないと思い至ったキョーコは海辺に行くと、海の中から現れたのは金髪碧眼の美青年。
本来の姿の久遠で「ドリアン・グレイの肖像」のドリアンを演じさせたいなと妄想。ドリアンは美青年だけど性格はブラックになっていくのだけど。あと「ベニスに死す」のタッジオは10代の美少年だけど、これも久遠に合いそう。

(ACT.205 原色の楽園~HOT SPOT)
冒頭、逆ナンパされてロシア語で応えて相手を烟に巻く久遠、ロシア語もできるんだ。

グアムの海を見ると小さい頃遊んだ海を思い出して、洋服のまま石を持って水中に入る久遠。
水中メガネしてないと、あまりクリアに見えないと思うけど。あと常にコンタクト入れてると角膜が傷ついていて痛むかも。
ミス・ウッズから連絡を受けた社長さんは、あの娘が思いも寄らない行動に出ることを忘れていた。海外撮影のために苦手なはずの母親にも手紙を出して現在の所在も明かして承諾の署名を頼んだくらいだからと。自分の所か下宿先の人に頼むと思っていたのに。まあ仮に何かあったとしても、不幸中の幸いは最上君が蓮の本名も本当の姿も知らんことだ。うっかりはち合わせても蓮さえ知らん顔を決め込めば大きな問題にならんはずだと思う。
社長さん、二人をくっつけるように画策したのに蓮が久遠バレするのは望んでないの・・・それって、久遠のためではあるけどキョーコちゃんの立場は無視してる。東京クレイジーパラダイスの鴨さんが最初の頃は、竜二のためではあるけど、司や朝来の気持ちは考えてないと思ったのに似てる。まあ久遠バレは今ではないとは思うけど。

そして海面にでて立ち上がった久遠の前に浜辺に立つキョーコが。見た瞬間に大人になったコーンだと理解して「コーン」と呼びかけようとしたキョーコを無視する。更に話しかけようとするキョーコを「下賤な人間の分際で気安く俺に話しかけるな」という顔で見下ろし歩き去る。
キョーコ、渋谷ではカインを骨レベルで、一目で敦賀さんと見破ったのに、今回はコーンとの再会でその三次元顔認証システムは鈍ってる。
ちらっと久遠が振り返ると、海岸に蹲って落ち込んだキョーコが見えて、自分も落ち込む久遠。(ここで落ち込むところがキョーコに弱い蓮らしい)
コーンは、ダイヤの粒子を含んだみたいにキラキラ輝くシルクのようにやわらかい金髪、綺麗なグリーンの瞳が光りに透けると赤茶色に一瞬変わるあの神秘的な瞳も昔通りなのに、自分は見た目も中身も子どもの頃と大違い。髪ショートで茶髪だし、テストは最悪70点取れればいいやとか思う様になっちゃったし、憎しみを人にぶつけられ様になってしまった。今の私はあの頃持ってた総てのものを自ら進んで手放してしまった。なぜか微笑む敦賀さんが一瞬浮かぶ。

と目の前にコーンが一緒に蹲ってキョーコの顔をのぞき込んでいた。砂浜に小枝で「もしかしてキョーコちゃん?」と書く。

(ACT.206 原色の楽園~HOT LIMIT)
コーンがこんなに立派に大きくなって良かったと泣くキョーコ。軽井沢でコーンは大人になる前に亡くなってるかもと心配していたのをずっと気にしてたのかと思う蓮。「コーンったら私の泣き言ばっかりきいてくれて、自分の『泣き言』は何にも話してくれなかったから私ももっとコーンの辛い事聞き出してあげれば良かったって」いや敦賀さんとして再会してから,キョーコちゃんはずっとコーンのつらさを癒やしてあげてるよ。

つい頭をなでなでしようと手を伸ばしかけて、敦賀蓮及びカインの時に何度かやってるので既視感を抱かせる可能性があると手を引っ込め、「まほうでコエをかりようとおもって」と浜辺に書いて、キョーコちゃんの頭に手を乗せる。「キョーコちゃんありがとう」と突然喋った声はあきらかに敦賀さん。「キョーコちゃんの記憶の中で一番強く鮮明にのこってたから、多分一番最後に会ったか反芻した男性なんだと思う」というと呆然とするキョーコちゃんに、本当に自分のことを反芻したのかと思う敦賀さん。「その男性は私の尊敬する先輩で、役者志望の私にとっては俳優業界における天上人なの、そんな人の声で『キョーコちゃん』とか呼ばれたら破壊力がありすぎる。」というが一日一回しか魔法は使えないと。実は声を敦賀さんにされた途端『似てる?』じゃ流せない程顔が敦賀さんに見えてしまったのだ。そして改めて見ると骨規格はすべて敦賀さんのデータと一致する。
一時的とはいえ、キョーコちゃんと呼べて、ため口で話してもらえて良かったね。早く久遠に戻って恋人になれますように。

いっぽう、ため口のキョーコに、久遠がうらやましくなると共に、敦賀蓮は「天上人」といわれてがっかり。

そんな久遠に「コーンあなたどうして身体のデータが敦賀さんと同じなの」と聞くキョーコ。

ここで出てくるのが身体のデータ!しかし、カインとの初対面の絶対視感、ここでも重要な役割を持ってる。

(ドリームコンタクト続き)
我慢できずにエレベーターを降りるときに尚に蹴りを入れるセッカに、キョーコだと気づいて「お前はやはり何かを演じているときが一番美しい。一番好みなのは黒髪に頬に傷のあるお前だがな」といって去っていく。

いや尚はかつてキョーコが髪を切って染めただけでキョーコだと気づかなかった(2巻ACT.6とか7巻ACT.38-39) まあこのドリームコンタクト自体が妄想だけど。

2022年7月2日土曜日

スキップ・ビート!33

(2013年9月20日発売)
(ACT.195 黒の息吹)
社長さんの「アイツは今恐らく自分自身と闘っている」という言葉を思い出す。敦賀さんが自分の闇と負けてはダメ、と蓮にのしかかられたキョーコは、蓮を引っ張り、二人の位置を逆転させてベッドに仰向けになった敦賀さんの上に馬乗りになる。「なぁに?もしかしてヤキモチ焼いてるの?兄さん」と、セッカの妖艶な笑みを浮かべて演技に引き戻す。「バカね。あんな電話気にするなんて」と指でカインの唇や頬を撫でる。私と同じ底辺に堕落て来ないで、負けないでと願いながら「アタシが兄さん以外の男に興味ある訳ないじゃない。もうそのくらいわかってるでしょう。」と額にキスをする。
見開きが続くセッカとカインのベッドでの姿、キョーコが敦賀さんを思う気持ちが感じられて切ないけど、この話大好き。17歳のそれも奥手の少女にこの不安定な敦賀さんを任せるのは、社長さんも中々大胆だけど、今の敦賀さんは社長さんにも両親にも社さんにも心を開いて弱みを見せられないから闇に堕ちたわけで、キョーコの気持ちはこの時点ではまだ社長さんは知らないけど、マリアちゃんの心を開いたのを見ていたのと、蓮がキョーコに惚れているのを知っているから、託したのだろうな。

幼いキョーコが自分の爆転を喜んでくれたときの久遠の気持ちが、蓮の中に蘇る。ルージュのキスマークついちゃったというセツに「ルージュだとすぐに消えるな。長ければその間ずっと少しは心も身体も満たされる。俺がお前のものだという印だからな。」昔見たドラマの、女性が男性の洋服を脱がせる官能的なシーンを思い出しながらセッカはカインの上着を脱がせる。
敦賀さんが闇落ちしているとはいえ、キョーコ既に演技で敦賀さんを圧倒してる。『貴方(敦賀さん)を私の演技でオロオロと翻弄したい』という2巻ACT.15以来の目的はもう達してるよ。純情乙女がここまでやるとは。敦賀さん内心びっくりしすぎて、手を出せなかったと思う。しかしこれで敦賀さんの上半身はしっかり計測できた!

(ACT.196 黒の息吹)
しかしキスマークの付け方をしらないセッカは、首筋に歯形をつける。歯形が残るほど噛みつくってけっこう痛かったんじゃ・・実はセッカの中のキョーコはもう限界で自分の心音が聞こえる。「噛みつくんじゃない。吸うんだよ。きつく同じ所を何度もしつこく。独占欲を刻み込むみたいに、そうすれば一層濃く跡を残す。内出血した肌が痣になって。キスマークとはそうしてできるんだ」って、敦賀さん、これは解説しすぎ。キョーコちゃんでなくてもこのような言い方されると、昔の女と培ったテクニック?と思いたくなるよ。蓮が自分の経験談を語ってると察して、悔しくなってきたセッカは「独占欲なんて今更刻みつけなくたって兄さんはアタシのものでしょう?」といって首筋の咬み跡にキスマークをつける。「何があっても兄さんを正しく理解できるのはアタシだけ。いつもどんな時でもアタシの心が兄さんと共に在るという事忘れないで」

「もう二度と今夜みたいにらしくない事をしてお前を失望させる様な真似はしない。俺のこの人生を終えるまで”お前の俺”で生きてやる。この先もお前がずっと俺を見ていてくれるなら」思わず素のキョーコの顔で嬉しそうに「うん」というと、逆転されてセッカが抜けそうなキョーコをベッドの上に、カインが上からのぞき込む。「ここに刻んでもいいか?誓った証を。ついでに実践して教えてやる事もできる。正しいつけ方をって赤線の部分、敦賀さん一言余計!これではキョーコがムカつくのが当然。でもセッカが抜けて素のキョーコが安心して微笑んだのがわかってて、敦賀さんよく理性を保った。夜の顔になった敦賀さんに、素がでそうなキョーコよく頑張った。ローリィ社長、なでるだけとかいってたけど、それ以上のことしてますよ!手でカインの顔を押さえて止めるキョーコ。「実践して教えてやる事もできる?どこの馬の骨とも知れない女で培ったテクニックをアタシに仕込もうっての・・・ムカつく」とベッドから立ち上がりドアの外に出て行こうとする。「今のアタシじゃ兄さんの相手にはならないみたいだから修行を積んでくる。外に出れば練習台になる男なんか山程居る」キョーコちゃんいい幕引き!引き留めるカインに朝ご飯を買いに行くだけよというと、俺が行ってくると。

散々振り回された敦賀さんはエレベーターの中で、動揺の連続で内心激しく狼狽えたことを噛みしめる。芝居をやっててこんなに振り回されるのは久しぶりだ。日本に来てからは初めてだ。こんなに心地のいいものだったろうか。あの娘を失望させたくはないから。あの頃とは違う誰にも芝居では負けたくない、とエレベーターの鏡に映る自分の内なる久遠に話しかける。ベッドの上での敦賀さんのリアルな気持ちも解説して欲しかった。

「この先もお前がずっと俺を見ていてくれるなら」ってのは、この先の展開を暗示しているのかな。まだ先だけど、アメリカで一番の山場が来ると思うけど、キョーコはいつも蓮のそばで見ていると。

(ACT.197 ターニング・ポイント)
昨日の事を思い出しては崖っぷちの心理状態のキョーコ。シャワー中のカインに声をかけると昨日の敦賀さんの生肌を思い出してしまう。またもや必死に視線を敦賀さんの顔に固定してるキョーコ。

そしてPM12:09、予定の時間を2時間過ぎてもカインが現れないので、撮影現場から近衛監督の電話がセッカに。カインはセッカは朝食をまったりとった後お店をひやかしながら向かうところだった。「今度またゆっくりどこかへ出かけよう」とのカインの言葉に恋人ツナギしながら「うん」とセッカ。蓮とキョーコが恋人ツナギで町を歩けるのはいつかな。早いうちに来るといいね。しかし無遅刻の人がわざと遅刻するって、役を作ってるとはいえ、けっこうストレスだと思う。

いっぽう昨日蓮が、カインに戻る前からカインっぽい雰囲気だったのが気になるテンさんは、社長に電話する。「俺からもちょっと探りを入れてみる」と社長。

撮影現場ではあいかわらず村雨が地雷を踏むような言葉でカインに文句をぶつけるが、カインは冷静に受け応える。セッカは敦賀さんが、私の尊敬して止まない役者敦賀蓮でいてくれるっと約束してくれたからと安心しているのがいいね。

(ACT.198 惨劇予告(トラジックマーカー))
昨日につぎ今日もカインは大遅刻。キョーコはひたすら近衛監督に謝る。近衛監督はそれがカインだからという。

監督の関心は、昨日からカインの首筋に在る歯形ともキスマークとも取れる跡。特殊メイク班スタッフは「仕事で外国に来ててもヤる事ヤるんすね」というが、敦賀蓮はそんな浮ついたことをするはずがないと思う近衛監督。芝居に対して究極真摯で妥協は無いから、役に徹底するあまり本当に京子さんと怪しいことに。と悩みつつ結局キョーコには聞けなかった。監督の心の中で社さんのせいにされちゃったのが、ありえなさすぎて笑える。

近衛監督が言いづらそうにしていたのはそのことかとハッと気が付いてB.Jの正体が明かされたときどうしようと内心あわてるキョーコを、抱きしめて頭にキスするカイン。いやセツはここでは役者じゃ無いから、敦賀さんが適当にとぼけておけば十分。もっとも2022年7月現在、キョーコがもっと強力な印象のライアーを村雨の前で演じるとバレそうな気もするけど、今の感じだと、村雨さんは気が付いてもみんなにはいわないのじゃないかな。あと敦賀さ~ん、社長に許可されたのはなでなでまで!だけど、すりすりチューいいね~~~。

(ACT.199 死神ニ、殺サレタ)
自動販売機でみんなのドリンクを買っている愛華(まなか)ちゃんがおつりをぽろっと落とすとカインの足元へ。拾って愛華に返して、蓮の顔でふわっと微笑み、あたまをなでなでする。愛華ちゃんはクーが主演した映画の英雄、恭紫狼(きょうしろう)様に会ったと、カインになつく。

話を聞いて「なんでなでたの?それも優しく?アタシ以外の女相手に兄さんが?」」と冷たく聞くセッカ。「俺にだって動物を愛護する精神くらいあるんだが。特に俺は齧歯類には庇護欲を激しく掻き立てられる」としれっというカイン。敦賀さんそれはちょっと苦しいいいわけ。ますます恭紫狼様になつく愛華ちゃんをあわてて連れ去る村雨。
敦賀さん、またもやカインが抜けてる!

「怒ってるか」というカインに「別に怒ってない」と返してからセツならあからさまにふてくされていい所だと気が付いて焦る中のキョーコ。背を向けて立ち去るセツにしつこく「怒ってるか」とカイン。カインにキスマークの付け方を説明されていたときと同じむかつく感情が湧いてきて、見せてはいけないと必死のキョーコ。

(ACT.200 願いごとは一つ)
蓮は本当は愛華ちゃんに、過去何度も自分に脅えていたキョーコを重ねていたのだけど。

現場に突然現れて裏方の仕事をしている、ショッキングピンクのツナギの大男に既視感を感じるキョーコ。思わずカインを見ると、何も見なかったふりで別の話をする。やっぱりあれはローリィ社長!と確信するキョーコに「気にするな。今の俺達には何の関係もない人だ。」先日カインに戻るときの自分の様子がおかしいと、ミス・ウッズに聞いたのだろうと蓮は察する。

敦賀さんはもう大丈夫。でもキョーコが心配なのは直に社長さんに見られたら、キョーコが蓮に惹かれていることが、バレてしまう。キョーコの妄想の中では、蓮は「一度男で大失敗してあんな痛い目に遭っておきながら、まだそんな想いが芽生えるなんて。しかも相手は俺って。その純潔を命にかえて守り抜くって言ったのはウソだったのか。失望した」という顔まで浮かぶ。ってキョーコなんでここまで屈折しているの。蓮が自分に惚れているのは夢にも思わないとしても、蓮は女性が自分に惚れることに慣れてるでしょうに。キョーコちゃんの中の蓮は、未だに意地悪なのか。
そして社長さんに知られれば敦賀さんに筒抜けになる。さらにこのきもちがこれ以上進行しませんように。とまた愛華さんがカインに懐いていて、カインが無視してキョーコの手を取っても、まだ強引にいちゃいちゃする。すたすたと立ち去るセッカ。ところが追いかけてきたカインは、セッカを抱きしめて謝る。完全にセツが抜けて素で赤面するキョーコを、社長さんが見ているのに気が付く。
キョーコちゃん大丈夫だよ。これは社長の思惑通りだから。しかし一番最後のコマの社長さん、今までで一番真面目な顔をしている。

しかし最後から3ページ目の、空白の吹き出し二つ、カインはいったい何を言ったんだろう。思わず本音で「愛しているのはお前だけだセツ」とか。