(188話)ヨナがハクには会わないと言ったこと、ジェハにも来られると困るといった話から、何かがあったことを察するが、どうしていいかわからない四龍達。
ヨナはミンスに、スウォンとの会見を取り計らってもらうよう頼むが、スウォンは忙しいからと断る。会う気がないことを悟って、夜窓から抜け出してスウォンの執務室にいくが、ドアの前で、護衛に首を捕まれ殺されそうになる。イル国王殺害の前に、夜緋龍城でヨナを追いかけてきた男だ(一巻1話)。室内から出てきたスウォンが、彼女とは今同盟関係にあるし武器も持ってないと割って入る。護衛のヒューリは暗闇に姿を消す。スウォンと執務室で二人きりになり、何かを言おうとしても口から言葉がでてこないが、ここで言えなかったらたぶんもう二度と部屋から出られないと必死になって、「秘密を守らせるなら私が把握できる距離に居た方が都合がいい筈だし、イルの子としてあなたの生き様を見届ける権利があるから、執務室に出入りする許可をちょうだい」と、言う。部屋に戻る途中ハクが第35番隊の仲間といるのを見かける。ハクが稽古をつけているようすに見とれていると、突然ハクがこちらを見て、近づいてきた。そのときヒューリが自分を見張っているのに気がついて、自分と一緒に居たら秘密を喋らなくてもハクを死罪にする口実を与えてしまうと、ヨナは逃げる。ヨナであると気がついて追いかけるハクだが、ヨナは城内に逃げ込む。
(189話)ヨナが近くまで来ていて、他の者の気配もないのに顔を出せない理由がある。ジェハもその後来ない。何が起こっているのか。ハクが兵達の宿舎で考えていると、戒帝国に攻め入るのではないかと兵士達が噂している。ハクは昔叶わないと思った、スウォンの剣の師のヒューリのことを不意に思い浮かべる。
ヨナは情報共有のためにスウォンの執務室に行く。戒帝国との戦は避けられないという話を聞いていると、ケイシュクが、今日の軍事演習には四龍も参加すると言いに来る。ゼノも参加するときいて了承するスウォン。スウォンはゼノに対して他の龍とは違う特別な感情をもっているようだ。これは何の伏線だろうか。四龍達が無理をしたら「千樹草がいくつあっても足りない」とヨナがつぶやくと、ミンスが耳にとめる。一人スウォンの執務室に取り残されて、王家の死には不審な影が付き纏うとぼんやり考えているうちに、母カシの言葉を思い出す。ほんとうに母は賊に襲われて亡くなったのだろうかと疑問が湧いてくる。
キジャは演習で兵士達の士気を鼓舞するために四龍の力をお貸し頂きたいとケイシュクに言われて承知する。他の四龍やスウォン、ジュド、ケイシュク、ハクを含む兵達が見守る中、攻撃してくるラパの剣をよけようとしない。ラパは直前で寸止めする。「我々の主は緋龍王即ちヨナ姫様只一人 どうしても我らの力を使うのならここに姫様をお連れしろ われわれから緋龍王を奪えると思うな」と凜と宣言するキジャ。
こういところキジャはほんとうに真っ直ぐで好感が持てる。
スウォンは緊張が走るのを感じ取って、なだめて兵達を感動させる。尚も話があると募るキジャはそのままにして退出しようとするが、すれ違ったゼノはスウォンの顔色が悪いのに気がつく。ゼノがもう少し王様とお話しするからとなごませて、一緒に他から見えないところまで連れ出す。他の龍達もついていく。ゼノはスウォンに、「隠しても無駄だ。お前の母親を知っている。発病したんだな 緋龍王の血筋だけがかかる緋の病に」と迫る。スウォンは緋龍王の末裔だという。他の龍達はびっくりする。
(190話)龍達はヨナに初めて出会ったとき雷に打たれたような衝撃を受けたが、スウォンからは感じないという。ゼノ曰く、ヨナは緋龍王の生まれ変わりで龍達は緋龍王の魂に共鳴しているのだという。緋龍王には5人の子どもが居たけど四龍が仕えたのは緋龍王だけだからとも。(ゼノは他の初代龍達が城を去った後2代目のヤクシ陛下にも神官としてしばらく仕えたと思うけど18巻103話)再び殺害する前のイル国王の言葉がスウォンの頭をよぎる。「あの子は緋龍王の化身なんだよ」そんなのどうやって証明するんだろうと思ってたけど魂の共鳴・・四龍達が言った方がすとんと落ちる。緋龍王か この夜で最もいらない存在だ。とも思う。
執務室に取り残されたヨナは積み上げられた本をひっくり返してしまい、なんとかもとに戻そうとしている最中にヨンヒの手記を見つける。ヨンヒが、ひいてはスウォンが緋龍王の血筋で、一族は緋の病にかかって若くして死ぬ人が多いことを知る。
緋龍王の血筋の者は自分たちだけで静かに都から離れてたところで暮らしていた。お使いに行く娘時代のヨンヒを離れて見守るゼノがいた。そこにユホン王子の鷹ジークがヨンヒの持つ猪肉に惹かれて攻撃してくる。鷹に猪肉を少しわけてあげようとするとお腹のすいたユホンまで食べてしまう。真面目に言っているのにユーモラスな会話となってしまっているヨンヒに吹き出すユホン。傷だらけて足を捻ったヨンヒを送ると言うが、隠れ住む一族の集落を教えるわけにはいかない。ユホンは自分の馬にヨンヒを乗せて緋龍城に連れて行って手当てを受けさせる。空都はこの世で一番の光りの都だと誇らしげに言うユホン。民衆がユホン様と呼びかけるのを聞いて、ヨンヒは相手がユホン王子であることを知る。
(191話)城の前庭にはイル王子とムンドクがいた。(きゃー若き日のムンドク将軍登場、ユホンやイルとも親しくしているようだから、当然この兄弟の確執をずっと知っていたのね)ユホンは、信心深く神官を尊重して神殿にお祈りに通うイルが歯がゆくて仕方が無い。「緋龍王に祈りたくば天を仰げばいいんだ」という(でもこの時点では緋龍王を否定はしない)。
城で手当てを受け美しい着物に着替えさせられて、側室候補の美しい女性達に囲まれて酒を飲むユホンのもとへいくヨンヒ。側室候補の女達はユホンをたたえるつもりでイルの悪口をいうが、ヨンヒは、イルが自分の体を気づかってくれて緊張が解けていくのを感じて この人は民に安らぎを与える力をお持ちなのだと思ったという。女達を追い払い、ユホンはヨンヒと食事をするが、話が弾まない。「俺は信頼できる女を探している お前は少し信頼できる女かもしれんな お前は弟を見下さなかった」ヨンヒはユホンはイルを鷹狩りに誘っていたし、ほんとうはユホンはイルに情があるのにうまく噛み合わなくて歯痒いのだと思う。
ヨンヒがどうしても家を教えないので、二人が出会った丘までユホンは送り、7日後に来るようにいう。その後二人は7日おきにあい、いろいろな話を交わす。「お前は信頼できる女だ 俺は信頼出来る女を嫁にするといったよな?」と思わせぶりなことをいいながら。しかし二人の逢い引きはヨンヒの母の知ることになり神聖なる血を卑しい者達に汚される訳にはいかないと、会いに行くことを禁じられてしまう。数ヶ月後お使いに出たときにユホンと出会った丘のそばを通るとジークの声がしてユホンの姿が見える。「会えなくなってから眠れなかった。こんな想いはもうさせてくれるな」と。
(192話)ヨンヒは母とユホンをあわせる。母は一族の秘密をうちあける。ヨンヒの一族は正当なる緋龍王の血筋を名乗り当時の王家に対して反乱を企て、民衆から嘘つきと刃を向けられ半数が処分された過去があり、それ以来その血を隠して静かに生きていること、一族の人間は緋の病にかかり短命となる可能性が高いこと。ヨンヒとヨンヒが産む子は緋の病にかかってしまうかもしれないことなどを話した。ユホンはその秘密がバレなければ面倒な事にはならないという考えだった。自分だっていつ死ぬかわからないし、平穏に暮らしたいのならば一族の身分には誰も介入せぬようにする。ヨンヒとお前達は必ず守ると。
ジュナム王から結婚の許しも得たが、婚礼の儀に神殿を使えという神官がユホンは目障りだった。(ヨンヒの護衛はあのヒューリ!常に影のように無言で付き添い、ここでも恐怖感満載。ヨンヒも怖がっている)子どもの頃の神官イクスと見習い巫女のカシに城の庭で出会う。カシは一目でヨンヒの血筋を見抜く。若き日のイルもやってきて誘われて神殿にいく。イルが優しい人であることを知っているしユホンもそれを理解していると知っているヨンヒは、神官を理解することで二人が歩み寄ればと行ってみたのだが、大神官も一目でヨンヒの緋龍王の血筋を見抜く。そこにヒューリとユホンがやってきて、口論となり、ユホンはイルを殴る。その後神官への弾圧が始まる。
(番外編)13歳のハクと12歳のテウとヘンデはムンドク将軍に連れられて、地の部族の阿波の港町(と思われるところ)に社会見学。ムンドクとはぐれた3人は武器屋へいくが、そこで大刀を盗んだ賊を、ハクと若き日のジェハは協力して捕まえる。5年後に出会うことになる(5巻26話)とは知らずに、お互いの力を認める。
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