2022年1月28日金曜日

スキップ・ビート!9

2005年2月18日
(ACT.49 禁断の告白)「やっぱきまぐれロック」の撮影に来たTBMの前でキョーコは飛鷹君に絡まれる。「どうして琴南さんボクにケガさせちゃったの」とキョーコが聞いたのが、子供扱いでカンに障ったのだ。

「やっぱきまぐれロック」の今日のゲストは先ほどキョーコが素であった上杉飛鷹、番組でブリッジロックから著名な母親について聞かれてご機嫌斜めな上、その頭の包帯どうしたのといわれて「今撮影中のドラマで共演してるペーペー女優の琴○○江って女が」と言いかけたところに乱入する坊。もう一度奏江の名前を連呼しようとしたところに更に割って入って、次のコーナーへ行けという合図をする。

他のコーナー撮影中に「お前、もしかしてさっき会った琴南奏江の仲間じゃないのか」と飛鷹くん。「この後の残りの収録をオレはフける。誰が見てもお前が悪いと判断できるような手紙を残してな そしたらオレの家族が黙ってない」といってから「お前が今すぐ消えたらオレが残ってやる 有名人のオレの代わりはいねーけどお前の代わりはいっくらでもいるからな!」と。切れたキョーコは「そうやって琴南さんも追いつめたのね」「消えないわ、これは私の仕事よ何があったって全うして見せる」「君みたいに親に甘えきった子供を見ると人生には『苦渋』というものがあるんだと教えてあげたくなるの」とブラックキョーコを出してにっこりする。このキョーコの気持ちよくわかる。ブラックキョーコに乾杯!親の力をふかして威張る奴はぶっとばせ。

キョーコが気になってTBM前まで来てしまった奏江。いろいろな思いが交錯して、だから私は他人と群れるなんて嫌だったのよと、ビルに入れず悶々としているところに飛鷹くんが出てきて、「あの黒い悪魔にテレパシーで呼ばれたんだな」という。

「飛鷹くんケガの具合どう?」「まだ毎日ズキズキ痛むぜ あんまり痛むからこの間病院で検査してもらったら頭蓋骨にヒビが入ってた!!」といったところで現れたキョーコが「ちょとたんこぶができてるだけのくせに!」と。マネージャーの松田さんからいろいろ聞いたらしい。奏江に「ドラマのリハ中にあの子を投げ飛ばしたって本当なの?」と。「でも私、子供ってそうすれば喜ぶものだとずっと思ってたの まさか投げたくらいでケガするなんて夢にも思わなかったのよ」奏江。LMEのオーディション会場でマリアちゃんを投げ飛ばしていたことを思い出して、奏江はどういう環境に育ったのか、いろいろ想像してわくわくするキョーコ。キョーコにあんな傷ついた顔をされるくらいならいいかとプライドを捨て、奏江は「知りたい人だけついて来て」という。

モー子さんに欲しいものを訊いたら「仕事」と言われて、結局モー子さんの喜びそうなプレゼントが思いつかないこぼれ話も楽しい。

(ACT.50 驚愕暴風)コンビニで撒き餌を買ったモー子さんと一緒に、キョーコと飛鷹君は奏江の実家へ。うれしさダダ漏れの飛鷹君をキョーコはからかいながら。飛鷹君の、好きだからこそモー子さんを困らせるって、キョーコちゃんに対する敦賀さんと同じなんだけど、キョーコちゃん飛鷹君に関しては気がつくのに、自分のことは気づいてない。

生意気な口をきく飛鷹君にキョーコはゲンコツを落として「芸能界だけじゃなくこの世は専ら縦社会なのよ!礼儀が大切なの!先輩には敬語で話す!!」というと、モー子さんがそっとつつき、飛鷹君は「芸能生活9年目のベテラン 私達よりうんと大先輩。」と教える。「産まれたときから芸能人やってるんだぁ」と言うと「いえ 飛鷹君のデビューはたしか2歳ですが」マリアちゃんくらいの歳と思っていたキョーコは青くなる。「オレを一目見て、見た目通りの子供扱いしなかったのも、実年齢聞いて驚かなかったのも、オレが出会った人間達の中じゃたった一人しかいない」はっとする奏江。「まぁそれも始めのうちだけだったけどな」

そこにあらわれた女性とカナエ姉ちゃーんと呼びかける子供2人、奏江は撒き餌を投げ、キョーコを引っ張って走らせる。家に着くとさらにたくさんの子供達が駆け寄ってくるがお菓子の撒き餌を投げながら、結界すなわち奏江の部屋に飛び込む。しかし奏江の部屋では、勝手に合鍵をつくった兄とそのお嫁さんが入り込んでトランプをしている。なかなかのダメダメ家族で奏江にたかりにくるようだ。更にたくさんの甥姪たちにしがみつかれて次々投げ飛ばす奏江に、甥姪は遊んでもらってると思って大喜び。

演技って一から作っていくだけじゃなくて私生活でやってることが無意識に出ちゃったりするものなのねと、瑠璃子ちゃんとの演技対決を、昔の旅館での女将さん修行の経験で演ったことを思い出すキョーコ。

モー子さん家ではこの状態で、絵梨花にも邪魔されて、よくぞ自分の夢を諦めなかった。

飛鷹君は、モー子さんが飛鷹君を投げ飛ばした理由は理解したが「オレはこいつに初めから見た目通りの子供扱いされてたって事がわかった」という。モー子さんに小学生のうちから働くなんてあなた偉いわねと言われて、生まれて初めて自分を受け入れてもらえたと思ったのに。モー子は両手に子供を捕まえて、この二人、飛鷹君と同じ11歳なのよという。

モー子さんは飛鷹君を投げ飛ばす前のお昼ご飯の時に、好き嫌いの多い飛鷹君に、鼻をつまんでちょっとずつオレンジジュースと一緒に飲んじゃってごらんと食べさせたのだが、「普段弟妹共にしていることを、あの時お前はオレにしたんだ」という。そんな飛鷹君に兄やその嫁が「あいつは人一倍家族愛の薄いヤツなんだよ だからあなたにした事を、奏江が普段から家でやってるなんてそれはとんだ誤解」だという。奏江はあの時はお芝居が終わっても役の気持ちが抜け切れてなかったという。女優である母親が同じ様なことをいってたことを飛鷹君は思い出す。「肉や魚を食べやすくほぐしてやるなんて一体どこで覚えたの 弟妹の世話もろくにやいた事のない奏江が」という兄たちの質問には答えなかったが、キョーコには思い当たる節があった。あの秘密のアルバイトで、キョーコのバイト先だるまやに来た時の娘役だ。

(ACT.51 闇路の後)社さんに壊された携帯の代わりを社長から受け取る蓮、壊れた原因について歯切れの悪い蓮に、色気のある話かといったん聞くが、んな訳ねーかと完結する社長。女性関係のゴシップがなさ過ぎて、浅すぎるつき合い方を少し改めろ そんなんじゃ他人のいいところもわかんねーだろうとお説教。「日本中をごまかせても俺だけはごまかされねーぞ お前の『愛』の演技は嘘くせえ」と。演技の未熟さを指摘されるなんてと蓮はショック。

しかしモー子さんあのバイト、将来有名になったときにまずくないの?

突然大量の洗濯物を干しに来たモー子さん。家では洗濯係だったという。その手際の良さにキョーコは「モー子さんだって十分所帯くさい」と。だからキョーコを見たら自分と重なって腹立ったそうだ。でも昨日の怒り顔の飛鷹君を思い出して、自分はもう芸能界にいられないかもしれないという。キョーコは、飛鷹君のこれ見よがしの怒り顔は、だらしなく顔がゆるんじゃいそうなのを、必死で引き締めてたからだという。→ということは飛鷹君が怒っていたのは、モー子さんにケガさせられたことよりも、子供扱いされてた事に激しく怒っていたのだ→ということは飛鷹君はモー子さんが好きなのだ、と思い当たるキョーコ。そこに奏江の名を呼びながら現れる飛鷹君。「迎えに来た 仕事に行くぞ」と。

飛鷹君成長したらきっといい男になるよ。しかしキョーコは飛鷹君の気持ちはすぐ気が付くのに自分は・・・

(ACT.52 驚天動地)キョーコに20年前に大ヒットしたドラマの復刻版に出演依頼がきた。尚のPVを担当した麻生春樹プロデューサーが、そのドラマの監督緒方氏と昔からの知り合いで、尚のPVを見せて緒方氏がキョーコの演技に惚れたという。

問題はそのドラマの主演は敦賀蓮だということだ。奏江に「私には『秘密』全部は吐かせておいて自分は『秘密』を隠し通すつもり?!」と奏江に迫られ、不破とのことをカラオケボックスで告白する。モー子さんはキョーコが「お芝居に取り組む時純粋に芝居を楽しんでくれさえすればそれでいい(私と同じ気持ちで)」と不破に復讐するために芸能界に入ったことを責めなかった。これは蓮より偉い!!「やっぱりあんたそのドラマに出て一気に業界での地位を確立すべきよ」敦賀さんに不破尚のPVは復讐のために受けたんじゃないっていったのに怒った話には「それまで必ず『復讐』を掲げてたのにさぁ急にその大義名分もなく昔心底惚れていた男にのこのこ合いに行ったのが気に入らないって感じにも取れる 嫉妬っぽくない?もしかして敦賀さんってさぁ あんたの事好きなんじゃない?」と。

一方蓮はなぜか最近深刻な顔をしている。気が付いた社さんがキョーコちゃんに何か言われたのかと。社さんキョーコちゃん呼びなのね。なぜ浮かない顔だとキョーコちゃんが絡んでいると思うのかというと「昔日本中を湧かせたドラマの復刻へのオファーがあって、お前が主演ってだけで当時のドラマより上を行くのは確実だし、そのドラマはお前も初めての超濃い~~~い恋愛ドラマだから少なくとも日本中の女性の7割が全体お前に魂抜かれて熱に浮かされる様が目に浮かぶし。と。だから結局思いあたるのはキョーコちゃんの事くらいしか。」
しかしダークムーンは超濃い恋愛ドラマだろうか。それほどでもないような、
「まるで俺があの子を恋愛対象として見てるみたいじゃないですか。」『『みたい』だって、キョーコちゃんと不破の関係教えてくれないクセに。何もお前が携帯犠牲にしてまで秘密を守ってあげるスジ合いないだろ。なんとも思ってない子なら。」「20歳の男が高校生に手ェ出したらいけないでしょう」
ってのは蓮さん恋愛対象にしてることを認めてるのかな
「代マネしてもらった時『あの子は俺よりしっかりしている』とか言ってたのに」「よそ見してるとそのうちどこかの馬の骨に横から攫って行かれるぞ」と。
社さん完全い見抜いている。

(ACT.53 一見、順風満帆)「敦賀さんってさぁ あんたの事好きなんじゃない?」呆然と固まり、自分は温和と言われるあの敦賀さんにどれだけ嫌われているといるかを説明すると「じゃあ敦賀さんあんたのウソに気づいているのかも 本当は不破尚のPV復讐のために受けたのに復讐のためじゃないなんてウソついた事 敦賀さんを謀ろうとした事自体敦賀さんは怒ってるのかもしれない」と、あとからラブミー部の仕事でTV局で行ったとき、奏江の言ったことを反芻するキョーコ。

だったら謝らなくちゃと思ったところでエレベーターが開いたら目の前に本人と社さんがいて、思わず悲鳴を上げてドアを閉めてしまったキョーコ。敦賀さんはこのエレベーターに乗ろうと思っていたはずと気が付いて、思わず逃げ出しかけるが、今度会うのが仕事の時だったらと思い直す。

敦賀さん人前でこんな恐れられたことないだろうけど、まあ仕方ないでしょう。キョーコちゃんが、共演するのも躊躇うほど脅かしたんだから。

次のエレベーターで乗って地下一階で降りた敦賀さんと社さんの前には、土下座号泣するキョーコが。

敦賀さんに平謝りして社さんにも尚との今までのことを説明したキョーコ。LMEに行くところだった敦賀さんの車で送ってもらう。車の中で敦賀さんは沈黙したまま。黙殺されたのかと思ったところで「なんで俺に知られたくなかった訳?俺は君の事情を知ってる今さらだろ?」「敦賀さんが、私の言った演技を勉強してる理由を信じてくれたから、敦賀さんの信用を失いたくなくて」「私本当にアイツへの復讐心いっぱいの汚れた気持ちで演技はしてなかったんです。信じてもらえないかもしれませんけど」突然「信じてるよ」と蓮が。「君の目的通り不破のPVで不破と対等に君が目立っていれば不破側とPVの制作側が黙ってないだろ?だから君が不破のPVの仕事を無事終えてきてるって事は誰から見てもいい仕事を君はしてきたはずだ」と微笑んでくれてキョーコは嬉しくなる。

あのねぇ・・・それがわかってるならなんでキョーコちゃんが本音が言えなくなるほど脅かすの

(ACT.54 月の誘い)キョーコの用事は椹さんに月籠りの原作を借りに来たことだが、その後どこからともなく弱々しいすすり泣きが聞こえる。

緒方監督と呼ばれる色白の清楚で儚げな男の人が泣いている。そこに社さんが飲み物を持って話しかける。「大丈夫ですよ監督 蓮本人はこの仕事受けるって言ってるんですから」「でも敦賀君がどんなに出る気になってくれてても宝田社長に反対されてるんじゃ・・・」という会話が耳に入って、立ち聞きはまずいので、目の前に正座して堂々と拝聴しにいくキョーコ。思わず爆笑する社さん。「私にも全然関係の無い話ではありませんから」というのと、目の前に置いた月籠りの原作と社さんにキョーコちゃんと呼ばれているのを聞いて、『『京子』さん?」と緒方監督。

緒方監督は不破尚のPVを見てキョーコをオファーしたので素の京子を見たことがないのね。
立ち聞きはまずいから堂々と聞きに行くって、キョーコちゃんの発想がキョーコちゃんらしくぶっ飛んでる。

一方蓮は、社長に「緒方君と同じでどうせお前も20年前の『月籠り』を越えたいとか思ってるんだろ? 無駄だな どうせお前の愛の演技なんぞ縦にも横にも奥行きがねーうすっぺら~いもんに決まってる 他人で本気で惚れたことないお前にはしょーがねーことだけどな」と言われて、12歳の時から付き合った女性の数を数える蓮「俺はつき合ってきた子は 皆好きだったし それぞれ大事にしてきたつもりです」「それがその両手一杯の彼女たちに悉くフラれた原因だって気付いてないだろう」とその娘達が何て言って去って行ったか図星を指す。

相手が嫉妬で引き留めてくれるのを期待して別れを匂わせるって、すごい賭けだし、めんどくさい女性たちだ。

「恋愛ってのは本気になればなるほど余裕が無くなるんだ 格好悪く取り乱すわなりふり構わずジタバタもがくわ。別れ際に笑って軽く相手を手放してやれる様なお前はまだ『本気で惚れた』なんて言わねーんだよ。そんなお前に表現できるのか?彼女の事が愛しくて愛しくてそれでもそれを必死で自分の中で押し殺す男の気持ちが」「お前は必ず演技に行き詰まる。そうなればオリジナルの真似をするしか道が失くなる。真似じゃオリジナルは超えられねーぞ」

蓮が廊下を歩いているとキョーコちゃんの「嫌あぁぁぁ」という大声が。お金持ちのお嬢様と聞いていた役、未緒が、原作を読むと根暗で陰湿で主人公の嘉月と美月にネチネチとイヤガラセをすると知っての叫びだった。「こんな嫌なお嬢様あって分かってればお仕事受けなかったのに」という京子に「未緒は主役2人にとって重要な人物なんです。20年前の『未緒』を超える『未緒』が演れるのは君だけなんです」と必死の緒方監督。

降りてきた蓮は「最上さん『月籠り』に出演するの?」緒方監督は「尚君のPVの中で天使を演じる京子さんを見て直感したんでえす。この子なら20年前の『未緒』を超えられる。この悪魔よりも邪悪にして闇よりも闇色のオーラを持った彼女なら」一体どんな天使だと京子を見つめる蓮と社さん。「私やっぱり出演考えさせてもらいます」という京子に「敦賀君にフラれるかもしれないのに君にまで降りられてしまったらボクはどうしたらいいんですか」という必死の緒方監督に「俺出ますよ監督」と蓮。宝田社長は「どうなったって俺は助けてやらんからなぁ」としぶしぶだけど許したようだ。

手を取り合う蓮と緒方監督、敦賀さんが私の目の前で『嘉月』を演る・・・見たい!!と思うキョーコは蓮から「おいで」と手を出されてふらふら歩み寄って、緒方監督と三人で手を取り合う。
この「おいで」は、初めてセリフのある役についた女優としての転換期で蓮との関係でも転換期。2022年1月のACT.302にも「おいで」がでてきたけど、今度は何の転換期かな?でもこれはタワーマンション最上階の蓮の部屋から、非常階段を1階まで歩くというぶっとんだ敦賀蓮の提案で、キョーコちゃん拒否したんだけど。


2022年1月22日土曜日

スキップ・ビート!8

2004年10月19日

(ACT.42 罪は天使のように)美森は、尚からはキョーコは敵だと説明され、キョーコからは私とアイツは貴方が思ってる様なそんな甘ったるい関係じゃないわと聞くが、尚とキョーコの間には誰も入り込めない何かがあるような気がして不安だ。

一方、尚は、麻生さんに「もしかしてあなたたちつき合ってたの」と聞かれても何も答えない。祥子になぜ以前のように「俺にとってアイツって子どもの頃から家政婦だった」といわなかったのかと問われて「なんか言えなかった なんでだろ」「さすがの尚でも感じてるんじゃない?罪悪感」と言われるが、「違う気がする だって俺 今でもアイツは俺のモンだと思ってるから」と。祥子さんは、これでもしキョーコちゃんに恋愛感情でも芽生えたとしたらこの子どうなるのかしら、と不安。

撮影は、悪魔の首を天使のキョーコが絞めて塔の上から突き落として殺すシーンに。キョーコは憤怒で力を入れすぎ殺気出し過ぎで演技にならない。尚に「こんな 仕事の支障になる奴を降ろさなかったこと 死ぬ程後悔してるよ」「頼むから今度はちゃんと綺麗な絵になる様にもっと一生懸命演ってくれよな」とイヤミを言われる。

「天使が悪魔のように変貌してしまうのは悪魔を殺してしまったからよ あなたの天使は 悪魔を殺す前から悪魔に変貌してしまってる 私が欲しいのは罪を犯す寸前まで天使の心を維持した天使なのよ」と麻生さんにいわれる。が、何度やり直しても自分をコントロールできないキョーコ。演技をする事でやっと本当の自分を見つけられたはずなのにそれさえも否定されるなんて自業自得と自己嫌悪に陥りながら、蓮様人形を使って「アイツへの復讐に演技を利用したりするからだよ」と自作自演。どうやって表現したらいい?敦賀さん、と心の中ですがりつく。

好きなように利用して捨てた女性を自分のモンだとは、何という自分勝手。そういう男は絞め殺してやりたいのが当たり前。

キョーコちゃんこういうときに無意識に敦賀さんを頼りにしたいようになってきたのね。

(ACT.43 最期の儀式)モー子さんに相談に乗ってもらおうと思ったのに携帯は繋がらない。思いあまって松島主任に敦賀さんのナンバーを教わったけど敦賀さんも繋がらない。留守電に切り替わったが、不破尚のプロモと知っていて仕事をうけてるなど言えない。『アイツのプロモで、アイツと対等に目立ってみせると、アイツへの復讐のためだけに演技しようとしてた』って事を、敦賀さんならわかってしまう。せっかく演技をしていると自分を作りだしていると感じられるというのをわかってくれたのに。と、考えて躊躇し、自分の名前と聞いていただきたいことがあるとメッセージを入れたところでフリーズして、留守電録音は時間切れとなる。

蓮にお詫びのメッセージを入れようとしたところでモー子さんから電話がかかってくる。死にそうなメッセージを残したことをモー子さんにガミガミ怒られながら、留守電を聞いて、なにをさておいても即効で電話してくれるのがキョーコは嬉しい。初めての親友だものね。天使の友達をモー子さんに置き換えて説明して、自分がモー子さんを守るためにモー子さんの恋人を殺してしまったら、どう思うか聞いてみる。「あんたを殺したいくらい憎むと思うわ 命をかけるくらい好きなんでしょう? 余計なお世話よ たとえその男のために自分の命が尽きたとしても 私はそれで幸せだわ」

次の撮り直しでは、キョーコは、モー子さんの言葉を反芻して「そんなのイヤだ モー子さんがいなくなるなんて 初めてできた親友なのに」と目に涙を溜め尚の首に手をかける。

(ACT.44 PRISONER)キョーコの迫力と思いもかけない涙に度肝を抜かれた尚は、目を閉じて落ちるはずなのに、キョーコと見つめ合ったまま落下する。思い浮かべたのは母のことで泣く幼い日の辛くてたまらない時のキョーコ。そして罪の重さと大切な仲間を守れた喜びの歪みに心を狂わせる、キョーコ天使に息をのむ麻生さん。

この場面鳥肌が立つくらい迫力がある

一方着信を見てキョーコの番号だとわかる蓮。留守電メッセージを聞いているのに驚く社さん。蓮は、普段は発信元だけチェックして、メッセージを聞くのは仕事の後にまわすのに。キョーコのメッセージが、サラリーマンみたいな挨拶だなと吹き出したあと途切れたので、いそいそとかけ直す蓮に更に驚く社さん。仕事の話ならまず自分の所にかかってくるはずだし、いったい誰から、と。しかし携帯になれてないキョーコちゃんは留守電にさえなってない。

なかなか役から抜けないキョーコ。泣いた理由は、親友を天使に置き換えたという説明を聞いて、泣いた理由は母親のことを思い出した訳じゃなかったのかとホッとして、その後ホッとした自分に慌てる尚。もう何年も、何があってもあんな風に泣かなかったので忘れてしまっていたけれど、自分はキョーコに泣かれるとどうしていいかわからなくて固まることを思い出す。

後にキョーコがいってるけど、尚も優しいところがあるけど、後に言っているように表現するのが下手なんだよね。

本番で、尚がさっきほどの表情や間合いが再現できるとは思えないから、さっきのリハーサルの録画を使うことにしたという麻生さんに「私本番でも同じようにできる自信があります(モー子さんに嫌われる妄想すれば)」というが、「尚はあなたの様に演技の仕方は知らないのよ」と。自分が敦賀さん程の役者なら素人だって私が演技させてみせますって言えるのに悔しいキョーコ。「役者って役に入り込むとその役の気持ちに占領されて「自分」がどこかへ消えちゃうんだって 役の余韻が抜けきれずにまわりが見えなくなるなんて、すごくそれっぽくない?」と麻生さんにいわれてハッとする。

取り直しは尚が塔から落ちるシーン。「自分を塔から突き落とした天使から目を離せずに死の瞬間まで見つめ合ったままなんてどう考えてもおかしいでしょう。」「見つめ合いながら死んでゆくなんて、なんかヘタすりゃそっちの方が恋人同士みたいですもんね」と麻生さんとスタッフ。取り直しの尚に「不破くぅん お願いだからぁ 今度はちゃーんと言われたとおりの画になるようにィ 一生懸命演ってよね」と自分が尚にいわれた言葉をかけるキョーコ。

演技力で圧倒するキョーコちゃん、今後も何度も出てくるけどいつも格好いい。

(ACT.45 ハッピーブレイク)今回は大人しくしてようかなそりゃアイツをギャフンと言わせたい気持ちは山々だけどせっかくのこんな素敵な気持ちアイツへの復讐で汚したくないものと思うキョーコ。

美森は、せっかく挨拶したのにそっけない尚の態度に「ほんとうはキョーコのこと・・」と落ち込む。「めんどくせぇなぁ これだからつき合う女は大人に限んだよ」と心中思いながらも、美森を抱きしめてなだめているところへ通りかかったキョーコの、軽蔑の目が。「あんたのなぐさめって有料だったのはどうやら私だけの様ね」「いつも泣いてる私を前にしてただ眺めてただけの役立たずの頃の話よ」『あれはどうしたらいいかわからなかったんだ お前が母親にどう思われてるのかなんとなくでもわかってたのに 両親が揃ってて過保護なくらい愛情を受けてぬくぬく生きてる俺が お前に何言ってやってもウソくさくて』と心の中で叫ぶ尚。「わかってるわよ だから私は自然とあんたの居ない所で泣く様になったのよ あんたを困らせたくなかったから」とキョーコ。(だから一人で泣ける場所を探して、そこで私はコーンと出会えた)と思い出すキョーコ。

後にキョーコが敦賀さんと喧嘩した際に、尚には「思いやりなら昔からちゃんとありました 表現するのが下手なだけで あれでもアイツには優しい所があるんです!(44巻ACT.267)というのがよくわかる。でも表さなければ伝わらないよ。幼いキョーコが一方的に察しているだけというのが切ない。まあそれがキョーコとコーンが出会うきっかけとなったのだから、すべては今に繋がるのだけど。

そんなコーンとの思い出に浸るキョーコに、尚があれこれいって、喧嘩になる二人を見て祥子さんも麻生さんも、誰が見てもバカップルのじゃれ合いと思う。そこに、中途半端なメッセージが気になる敦賀さんからの電話が。「今日仕事ですごくいい事があったんです それ敦賀さんに聞いて欲しくて」といいかけたところで突然割り込んだ尚が「また知名度が上がる事間違いねー仕事できたのが嬉しいんだよ 俺のPVに出たからな」と一方的に言って電話を切ってしまった。あの電話の声と口調は不破尚だと思い出す蓮。

(ACT.46 まさかの寒冷前線)ラブミー部の書類仕事をしながらため息をつくキョーコにマリアちゃんが「この世では一つため息をつくと一つ幸せが逃げていくのよ」という。不破のPVから何日もたつのに、敦賀さんの電話中に勝手に尚がしゃしゃり出た恨みは消えない。電話に出たのは尚だと気づかないかもしれないと思って、蓮の留守電には謝罪のメッセージだけ残したけど、応答はない。

モー子さんはドラマの撮影が始まって夢の女優デビューのはずなのに、嬉しそうな声も現場での話も聞かないのも気になる。マリアちゃんの発案でモー子さんのデビューお祝いをしてプレゼントをしようというのにモー子さんの好きなものを何も知らないことに気が付く。誕生日すら知らなかった。血液型も家族構成も。

LME内をマリアちゃんと移動中に蓮と社さんを見かける。蓮に挨拶をすると妙に冷たい空気を感じる。電話のせいだと思い出して、蓮に謝るが、「君は何も気にしなくていいんだよ 悪いのは君の言うイキがった子供で君じゃないんだ 怒ってないから」と似非紳士笑顔で「そのイキがった悪ガキとの仕事はうまくいった訳?それともぶち壊してきたのか 復讐のつもりで」と言われて驚く。隣の社さんは話が見えなくて復讐???と。蓮は「PVに出演したんだろう?不破尚の」

尚が以前TV局で蓮に喧嘩を売っていたと知らなかったのでまあキョーコちゃんしょうがないけどね。蓮さんすでにやきもちが入ってる。

(ACT.47 謎男。謎少女)どうして敦賀さんが、と問うキョーコに「電話で言ってただろ 不破尚(本人)が」「どうしてわかるんです」「会った事あるから。」と。「いやあ業界唯一 蓮にケンカ売ってきた彼は勇者だった」と社さん。「それで結局復讐は果たしてきたのか」と蓮に言われて「アイツとの仕事は私 別に 復讐のために受けた訳じゃ」「演技」を復讐の武器にしようとしてた事知られたくなくていうキョーコ「今回は私 楽しそうな仕事だなあって思ってつい受けちゃったというか」蓮のトーンが険しくなったのを社さんもマリアちゃんも感じる。「まぁ『いい事報告」しようとしてくれてた訳だし余程うまくいってたんだろうね 良かったじゃないか 楽しかったみたいで」と険しい目になる。

まあ復讐のために受けたわけじゃない 楽しいそうな仕事だなあっていうのは、尚との関係を知っている蓮様にはあまりにもあからさまな嘘過ぎるけど。受けたのは復讐のためだけど、演技中にそんなことは考えてなくて、役に入れて嬉しかったとちゃんと言えばよかったのに。後に、演技中は復讐なんて考えてなかったというのはちゃんと理解してたんだから(9巻ACT53)、脅かしてほんとのことを返って言えなくしてしまう蓮様も面倒な性格。こんなあからさまに嫉妬しているのに自覚がないしキョーコちゃんもまったく気づいてないから今後も何度もこういうことが起こるんだよね。

そこに落ち込んだ奏江が通りかかる。キョーコのショッキングピンクのラブミー部つなぎにも気が付かず、マリアちゃんにも気がつかないが、「何か悩み事があるでしょう」というキョーコに「私は自分に起きた出来事は自分だけで処理して生きるタイプなの!!」と拒否する。松島主任と何か深刻そうに話していたのに自分には言ってくれない。

キョーコとマリアは変装して奏江の後をつけて探ることにした。

一方打ち合わせで華厳の滝のツララのような目つきをして、打ち合わせの相手をビビらせた蓮を、社さんは連れだし、「お前が不機嫌になった原因ははっきりしてるよ キョーコちゃんが不破尚の仕事を受けた理由を言ってからだ 『復讐のためじゃない』ってね」「お前をそこまで不機嫌にさせるキョーコちゃんと不破の関係って何なんだ」

蓮様21巻ACT.121でキョーコちゃんに仕事に私情を持ち込むなとお説教しているけど、・・・まあ既にこれだけ心乱されるほどキョーコちゃんに惹かれているのとあからさまな嘘にショックだったんだよね。

(ACT.48 天変地異との遭遇)素手で携帯を障ると10秒で壊す特技を持つ社さん、あらゆるサイトから見つけた便利辞書の登録されている蓮の貴重な携帯を借りておいて(おお、懐かしの折りたたみ式携帯!)「お前をそこまで不機嫌にさせるキョーコちゃんと不破の関係って何なんだ」と蓮を脅迫。20年の人生で生まれて初めて他人に脅かされるが、それでも蓮は口を割らない。

一方、悩みをうち明けてくれない奏江を、変装して尾行するキョーコとマリアちゃん。奏江は別人のような服装、歩き方、乙女笑顔で若い男性とデートしているかと思ったら、その彼氏と別れて5分もしないうちに今度は中年の違う男と高級車で去る。たぶんお父さんでモー子さんはお嬢様だったんだと自分を納得させるキョーコ。ところがその晩キョーコの働くだるまやに、「花摘」という名前で父親らしい中年男性と呑みに現れた奏江はちょとはすっぱな娘姿だった。キョーコの下宿先を詳しく聞いてなかった奏江は驚愕。

翌日養成所で出会っても二人とも悶々としてなかなか聞けない。意を決したキョーコは、尾行していたことは言えないので、だるまやでの遭遇のことだけ、「モー子さんってお父さんの前だと普段あんな風に喋るの?」と明るく話しかけたが、「あんたに関係ないでしょう!?」と冷たく拒絶される。端で見ていた社員が「ラブミー・コンビ仲間割れ?」「ありゃしょうがないわよね」「私はいつか2号(奏江)は1号(キョーコ)に愛想つかされると思ってたよ」「1号は人間的にまだかわいげがあるけどさ 2号はダメよ 演技の才能はあるけど人づきあいの才能皆無だもん」「とり澄ましちゃってて感じ悪い」と。更にドラマの撮影があるはずなのに、この間も養成所来てたという声も出て、振り返って奏江を見ると落ち込んだ様子。やっぱり仕事で何かあったんじゃ・・・と思うキョーコ。

ラブミーつなぎのキョーコは、テレビ局TBMで思い出して一人怨キョを飛ばしていると、突如芸能一家の子、上杉飛鷹の怒鳴り声が。「お前、琴南奏江の仲間だな!!あまりな悪業を働くとお前も泣き寝入りさせるぞっ お前や琴南奏江みたいなかけ出しのヒヨッコを潰すなんて朝飯前だぜ!!それがオレに暴力ふるってケガさせたとあっちゃ尚更な!」


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2022年1月18日火曜日

スキップ・ビート!7

2004年7月16日発売

(ACT. 36 魅惑のサクセスロード)「短期間のうちにずいぶん演技上手くなったね セリフはもちろんだけど ふとした表情だけでもね」と蓮。養成所で役柄を言葉に頼らずに表現するという課題があって 難しかったけどでも楽しかったというキョーコに「君 演技の勉強は 不破への復讐のためにやってたんじゃないのか?」という蓮に(きっかけは蓮を自分の演技でオロオロさせたいという不純な動機ではあったけど)「『最上キョーコ』を作るため 子どもの頃から自分が何かをやりたいと思ってやったことって何一つなかったんです」ショーちゃんが笑ってくれるからお母さんがいつか笑ってくれるからショーちゃんのお母さんが喜んでくれるからと思いだすキョーコ。「演技の勉強をしてると 自分の力で新しい自分を生み出して育てていけるって思えるんです」説得力ないから信じてもらえないよねと見上げたの顔には、神々スマイルの蓮が「よく わかった」と。どんなに熱でフラフラになっても自分の好きな事に目一杯打ち込める敦賀さんを見ていつか私もあんな風になりたいって憧れた。だから今朝「君はそんなに俺が嫌いか?」といわれて言葉に困った。私敦賀さんのこと嫌いじゃないかも と密かにキョーコも思う。

いやもう二人とも惹かれ合ってる。

もう一晩看病のために蓮のマンションに泊まって、勉強しかけて眠り込んでしまったキョーコに、夜中に起きてきた蓮は「どうしてそこまで必死になって勉強しなきゃならないんだ?今の君を見ていると まるで全教科100点でも取らなきゃいけないみたいだ」と言われて、これは母のご機嫌を取るための受験じゃないから、100点取らなきゃいけない訳じゃなかったんだと、強迫観念に駆られている自分に気が付いたキョーコ。蓮のゲストルームで安眠する。翌日仕事にいく車は大渋滞、このままでは蓮の無遅刻キングの輝かしい記録に黒星がつく。地下鉄使った方が早いのかなとつぶやく蓮に、ファンにつかまって動けなくなる様子を想像するキョーコ。通りかかったキョーコの怨キョが見える霊感少年を脅かして、自転車を借りたキョーコは、蓮を乗せて、ファンを振り切り走る。「本当に間に合ったら出さなきゃしょうがないよな 100点だ」と思う蓮。

今だったらTwitterやらInstagamやらで大変なことになりそう。しかし自転車でニケツいやタンデムの敦賀蓮ってイメージから想像がつかないんだけど、久遠になったらやってくれるかも。


習慣で100点取らなきゃって思ってしまうの、毒親育ちの私にはよくわかる。私も蓮さんのように魔法の呪文をいってくれる人が欲しかった。

(ACT.37 軋む歯車)無事自転車で蓮を送って、午後からきまぐれロックの収録があったので社さんと交代した数日後、キョーコは無事高校編入試験を、全教科100点でクリアして高校生となった。幾月かたったが(ってスキビの時間軸合わない)芸能クラスでクラスメートはツアーやロケでしょっちゅう抜けていて友達はできてないが。その中で只一人七倉美森という売り出し中の新人アイドルだけ、「今日も何のお仕事も入ってないの?私だったら耐えられなくて 普通科クラスに変えてもらえるわよ!!そのくらいじゃなきゃ平気でいられないわよね 事務所で獲ってもらった仕事をさも実力で手にいれた様な顔をしてさあ」と中途半端にヤな感じ。

キョーコが自転車で仕事に向かうと、キュララのCMが町中の大画面に。見ている人たちの評判は「髪の長い子はなかなか綺麗 短髪の子は普通で芸能人としての華は無い」世間のコメントはだいたいそうなのだが、それはショータローを思い出してむかつく。と怨キョをだしているところで、蓮からの電話が携帯に。

あの自転車、ちゃんと返したのだろうか。

つまんない学校だなあ。キョーコちゃん憧れの高校生活楽しい?もっとも養成所もレッスンは楽しいようだけど、友達がいて楽しいってわけじゃないからいいのか。特に養成所の方は既にLMEに入っているキョーコに他の生徒はよく思ってないのはしょうがないか。

「一応仮にもテレビに顔が出るようになった『芸能人』がそんな怖い形相であるくもんじゃないよ」とどこかで見ているような蓮の言葉に、周りを見回すと、歩道橋の上から蓮と社さんが見下ろしていた。携帯の番号はだいぶ前に椹さんから聞いたという。今日ここで会えそうだという情報も椹さんから聞いたという。椹さんには口止めしたのに自分が『坊』だということを聞いたのかと青ざめるキョーコだったがラブミー部の仕事だと聞いただけだった。君の制服姿を一度は見ておきたかったという。よく似合ってると。編入試験オール満点でクリアしたのも蓮は社長から聞いて知っていた。そのことで敦賀さんがプレッシャーから解放してくれて余計な力が抜けて、今までどんなに努力しても届かなかった100点が手に届くようになったとキョーコはお礼をいう。

スポーツとか演技とか演奏ならわかるけど、100点はある程度努力すればプレッシャーにかかわらずとれる様な気がするけど。もっとも緊張しているとケアレスミスをするということもある。

頭を下げてお礼をいうキョーコを見つめる蓮の顔に驚く社さん。社さんここで何か感じているよう。宣言通り無遅刻の記録を守ってくれたお礼にラブミースタンプを押すという。一旦100点のスタンプを押した蓮だが、キョーコの お仕事休まずに風邪治せるようにバックアップするって宣言したのに 敦賀さんが休んじゃったら、私の仕事に落ち度があった事になるじゃないですか 私そういうのすっごく嫌なんですよね 私は自分のやるべき仕事を全うしただけなんですという発言に「すごく自己満足なんじゃ」と社も思ったところで蓮が渡したラブミースタンプ帳には100点スタンプに加えて-10点スタンプが押されていた。90点スタンプあるのに気づかなくて押し間違えちゃったんだとしれっという蓮。仕事をする上で、宣言したことをやり遂げられなかったら嫌だからがんばったって、当たり前でなんだから100点でしょ!これでは社さんも「仕事を全うした」が気に入らなかったとピンとくるのが当たり前。しかしここで蓮は初めてキョーコのことを「最上さん」と呼んだ!今までずっと「君」だったのに。って今までがあまりにも失礼じゃ・・

その頃LMEではキュララのCMを見たクィーンレコードの麻美さんが不破尚の新曲のプロモーションに使いたいという申し出が来ていた。

(ACT.38 運命のDATE)椹さんから、尚のプロモーションビデオに出演の依頼が自分と琴南さんにあったと聞いて、人をモノみたいにと、いったんはキョーコは断る。アイツと同じ位置か上位に上り詰めてからアイツの目の前に出て行きたいのだ。一方琴南奏江はドラマの仕事をもらったという。キュララのCMを見た脚本家の一存で、元々決まってた子を降ろして決めたという。その子も新人でたぶん小さい事務所に所属しているので、何も言えなかったんだろうと聞いてLMEにしておいてよかったとキョーコは思う。

私はお芝居がしたい お芝居だけで暮らしていけるすごい女優になりたい だからそのためには誰かを踏み台にする事だって厭わないという奏江。それを聞いてキョーコは今度は私がアイツを踏み台にしてやるべきだと燃える。ショータローを引き立てる花なんか絶対にならない アイツのプロモでアイツと対等に目立ってやると。幸い二人セットでなくてもいいということで喜ぶキョーコを見て、意地張って最上さん、やっぱり不破のおっかけなんだ、と誤解する椹さん。まあ無理も無いけど、その後もずっと椹さん誤解してるのかなあ。クィーンレコード本社でキュララのCMの京子を見る尚。キョーコに似てなくもない気がするが髪型と色だけで女ってこんなに変わるもんなのか?と。『復讐』なら面白い。何が出来るかやってみろと。

実はプロデューサーは奏江の方に興味があったのだが、こっちからオファー出しといて断る勇気が無かったと思う。クィーンレコードにとってLMEはアカトキに並ぶ怒らせると怖い取引先であの二人は宝田社長の秘蔵っ子だっていうから。ブミー部員は宝田社長の秘蔵っ子!?

キョーコは勝負服ラブミー部ピンクつなぎで撮影に臨む。

羽田空港で地方ロケに向かう社と蓮。キュララのCMのキョーコを見て、「地方ロケで一週間ほど東京を離れるとキョーコちゃんに連絡したか」と社さんに言われて、「何故俺が?」と蓮。だってお前達この間ずいぶん仲良くなってたじゃないか 明らかにお前のキョーコちゃんを見る目が優しくなった」といわれて驚く蓮。確かにあの子への誤解が解けてあの子の見方が変わったけど、自分は思っていた以上に、あの子の演技の勉強と不破が関係なかった事に安堵してたらしい。やっぱり『復讐』なんて目的のために芝居をされたくないんだよな 一度しかめぐって来ない貴重な人生の一部を いっそ会えなければいいんだ 会わずにいるうちにいつか忘れてしまえるまで もうずっと不破なんかと、と。

それはもう嫉妬といいます。全く自覚の無い蓮さん。

社さんは蓮にもう一つ聞きたいことがあるらしい。

一方キョーコは10時半に来いといわれて10時に入ったのに、もう11時でイライラしていた。そこに入ってきた尚。

(ACT.39 自己幻影)どうやらキョーコは間違った部屋へ案内されていたらしい。呼びに来た尚はじっと京子を見つめる。京子が最上キョーコだとショータローにばれると踏み台計画が阻止される恐れがあるので、コギャルを装う。コギャルって1990年代だからスキップビートの連載は始まったときには既に廃れていたのでは

総合プロデューサーの麻生春樹は尚のデビュー曲のプロモから名前は知っていたけれど、キョーコは男性だと思っていたのでFカップの女性であることを知って驚く。尚はミルキちゃんと呼んでベタベタする。改めて自分は家政婦以外の何者でもなかったと思い知るキョーコ。そこに現れたのは共演者の七倉美森、高校の同級生でもある。自分の素性を明かされないように、はじめましてと、美森のファンのふりをして演技する。

今回のプロモは、清らかな心やさしい二人の天使のうちの一人と、これまで誰も愛したことがなかった冷酷な悪魔がある日出会って一目で惹かれ合い、二人は相容れない種族なのでお互いの身を滅ぼすとわかってて止められない。それを悟ったもう一人の天使がその手で悪魔を殺してしまうと。キョーコは悪魔殺しの天使をやりたいと申し出る。

美森が敦賀さんの悪口を尚にいっているのを聞いて、ウソつきだけどイヂワルだけどショータローなんか比較にならない尊敬できる人なのにとキョーコは身もだえする。それ敦賀さんを褒めてるのだろうか。美森は「キョーコと同じ学校で、去年高校は入れなくてダブってるからキョーコは年上らしいけど、編入テスト メチャ成績良かったみたいだから入試で失敗したって事はなさそうなのに」と尚に話している。尚が美森に、キョーコの名字を聞くところまで盗み聞きしていたキョーコは、怨キョをだし口を封じる。

先にお弁当の時間となる。尚は美森のつくったお弁当を食べることになるが、尚にお弁当をつくっていた、かつての健気な自分を悪夢のように思い出す。美森のお弁当には尚の苦手な甘い卵焼きがあって、こっそり捨てようとしているのをみたキョーコは思わず自分の仕出し弁当のゆで卵用の塩の袋を尚の前に滑らせる。

私のオリジナル感想じゃないけど「敵に塩を送る」キョーコちゃん(まんがParkより)。しかし東京では誰にもいってないし京都でも親しか知らない様な卵焼きの好みを知ってたら身バレするの当然なのにキョーコちゃん優しい。

(ACT.40 天地決戦)京子ちゃんはキョーコちゃんかもしれないとなんとなく思い始めた祥子さん。尚も誰も知らない自分の卵焼きの秘密を知っていることから、キョーコかもと思い始める。ふと目についた、去年欲しそうにしていたオデットの化粧品をみて化けの皮を剥がしてやると思いつく。キョーコもまずったとは思っている。

七倉美森のEカップバストを見て、この子は絶対私と同じ道なんか辿りはしない(尚の好みだから)と、過去の自分のしてきたことがますますムダに思えるキョーコ。悪魔の扮装の尚に一瞬見とれるキョーコ、めざとく「俺に見惚れてたろ」という尚。「好きなくせに 妖精だの王子だのお姫様だのの話」尚が自分の正体に確信を得ていることを感じるキョーコ。「ちゃんといつも通りショーちゃん♡って呼んでくれよ」と迫ったところで妬いた美森が間に入って尚を引き離す。白鳥型の化粧品を見せて、なんて名前だったっけと、しらっと皆に聞く尚に、自分が名付けた「オデット」という言葉を発するキョーコ(製品名としてはロイヤル・スノーだけど)。

逆にキョーコだと最初から見抜けないことに驚く。まあそれだけキョーコの変身ぶりがすごいということだけど。

一方社さんは、蓮がラブミースタンプを押し間違えるなんて信じられないと食い下がっている。「間違えたからって 何も律儀にマイナスを押さなくても 100点のままあげたって良さそうなものを キョーコちゃん灰になるほどお前のために頑張ったのに」というのを聞いた蓮は急に冷たい表情になり「あの子が頑張ったのは俺のためじゃないじゃないですか あの子は自分の仕事に汚点を残したくなかっただけなんです」(ってラブミー部の仕事で代理マネージャーしてるんだから当たり前なのに、これでは自分のために尽くして欲しいといってることになる)というと、スッキリした顔の社さん、「気持ちはわかるよ 自分のためにやってくれると思っていた『一生懸命』が 実は義務だったってわかったら 誰だってショックだからね それが好きな女の子だったら なおさらだよ」と爆弾を落とす。キョーコちゃん相手に他の人には向けたことがないような神々スマイルを向けたのをみたことがある社さんは、こいつ・・・!!こんな恋愛百戦錬磨な顔をしていて とてつもなく恋愛音痴なんじゃ!!」(この後2022年連載現在まで永遠に社さんにいじられる敦賀さんの始まり)

「俺はお前が何しようが痛くもかゆくもねーんだぜ?俺に復讐とやらをしに来たんだろう?チャンスをやるよ お前が一体どれだけ俺を脅かせるか」と言い放つ尚。しかし天使に扮したキョーコを見て、尚も美森も麻生さんも祥子さんも他のスタッフも呆然とする。 

(ACT.41 悪魔殺し)呆然とする尚にケリを入れたキョーコは「痛い?でもね私のココ(心)が壊れた痛みはそんなもんじゃないのよ。あんたが格好つけで良かったわ 私をこの仕事から降ろさなかった事死ぬ程後悔させてあげる」と笑う。麻生さんは、尚にキョーコが幼なじみであることを確認する。一度だけ会ったことがある(1巻ACT.1)祥子さんも、「ほんの数ヶ月前ただの一般人だったのに ほんとうに尚のところまで来てしまった」と呆然。

しかしキョーコの目つきだけで自分を呼んでるってわかるのか・・・尚ちゃん一筋だったときにこんな呼び出し方したことないだろうに。

キョーコが嫌いで仲の良い演技が出来ないで泣き出す美森を、尚に「なんとかしなさいよ」というキョーコ。「お前本当に女には嫌われる奴だな」と尚。「あんたが 子供の頃から私にだけ慣れ慣れしかったせいで あんたを好きなバカ女共から 私は迫害を受けてたのよ!!」

まあキョーコのこの性格のおかげで敦賀さんとも親しくなれたし、敦賀さんになびかない奏江とはうまくいってるわけだし。

尚はあいつは最上キョーコという名の知らねー女だからと美森に言い聞かせる。しかし美森は「あの子が天使の姿で出てきた時尚ちゃんあの子に看惚れていた」と。

結局キョーコの演技力で、美森もついキョーコと仲の良い演技をして乗り切る。一方麻生さんは「京子ちゃん あの子・・予想外なのはビジュアルだけじゃないわ 演技もよ 尚あなた京子ちゃんとのシーンは気を引きしめてないと 美森ちゃんみたいに引っぱられるわよ」尚はキョーコが自分を演技で喰い殺すつもりなのがわかった。

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2022年1月12日水曜日

スキップ・ビート!6

>2004年2月19日発売

(ACT.30 秘密の押印帳)「CM撮りが終わるまでは病気するなケガするな 「身体」の自己管理ができない奴は プロ意識が足りないものと見なす」と黒崎監督に言われている二人を、またもやドアの外から盗み聞きする高園寺絵梨花と3人のお世話係。琴南奏江に病気又はケガを負わせて繰り上げで絵梨花様がCM出演決定となるようにお世話係にいう。

ずっと後に絵梨花は「泥中の蓮」の紅葉のオーディションを通ったのに森住仁子に道路に突き飛ばされてケガさせられて紅葉ができなくなる(40巻ACT.239)とは、なんという巡り合わせ。もっとも森住仁子が繰り上げで紅葉をやるのは、高園寺財閥が阻止して、再オーディションをやらせたけれど。

黒崎監督は琴南奏江も綺麗で演技力抜群だが、有力だった高園寺絵梨花を影も無く吹き飛ばしてしまったキョーコの方が目が離せないと思う。

お世話係達はわざと奏江にぶつかろうとするが、会話の流れで絶妙のタイミングでキョーコは奏江をひっぱるので空振りばかり。しびれを切らした絵梨花が自分でなぐろうとすると、キョーコが絶妙のタイミングでモー子さんを押したので、空振りした絵梨花は噴水池に飛び込む。とうとう怒り心頭に発した絵梨花は、お世話係に押さえさせた奏江に、指輪をした手で顔を殴るという。そんな絵梨花に「あなたはいざという時 自分の財力に頼る事を前提に生きてる これまで自分で自分の限界がわかった時でも本当にもう打つ手がないと思うほどジタバタした事がある? 私に勝ちたいと思うならそこから降りてきなさいよ」と、キョーコから言われたことを返す。「そうしたら私はあなたを強敵だと認めるわ」「私にそんな偉そうな事言って絶対後悔させてやる」「待ってるわ」

実際に絵梨花はこれ以来、高園寺財閥の力を使わないでオーディションに臨むようになるのだけど、ここはちょっと二昔前の少女漫画風で、小学校の時からしつこく邪魔してきた人がそんなにコロッと変わらないと思う。

自分の言葉を引用してくれたことに、「親友っぽい」と喜んでハイになったままバスの中で寝てしまったキョーコに、奏江はこの子がいなければ私は闘おうとはしなかったかもと思い、ラブミースタンプ100点を押して、ありがとうとつぶやく。

(ACT.31 地雷原と一緒)敦賀蓮のドラマロケ現場に、顔を出したマリアちゃん、ラブミー部コンビの初めての仕事、キュララのCM撮影が今日終わるので、内緒で打ち上げを計画して、その途中に寄ったという。進軍ラッパ部隊の行進曲と共に馬に乗って登場する保護者のおじいさま、社長つきで。ちょうどロケは昼休みで、社長の車で様子を見にいく蓮と社さん。マリアちゃんはお姉様(キョーコちゃん)の養成所での逸話も嬉々として話す。LMEの俳優養成所にキョーコが通っていることを知って、複雑な顔をする蓮。蓮と社さんはすぐロケに戻ったものの、キョーコはマリアちゃんから蓮が来ていたことを聞いて、CMの仕事獲れたって報告しなくても良くなったんだと、逢う必要がなくなって少しがっかりして、そんな気分をあわてて否定する。

撮影が終わってもなかなか着替えたくないキョーコ、なんで制服が好きなんだろうと不思議がるマリアちゃんに、キョーコはなんでかはいいたがらないけど高校に行ってなくて、あなたのように至極ありきたりな学園生活を送りたいのかもと答える奏江。それを聞いて何か事情があるに違いないと思う社長さん。

LME事務所で風邪が流行っていて、社さんもうつったようだ。無理に仕事を続けてとうとうダウンする。代わりに俳優セクションの松島主任はキョーコを代理マネージャーとして送る。蓮は不機嫌で、「君もう帰っていいよ」という。「マネージャーとして君にできる仕事なんて何一つ無いと思うよ」とつれない。「失礼なマネージャーの仕事くらい私だってできるわよ」というキョーコに似非紳士笑顔で「せっかくだからお世話になってみようかな ぜひ俺が思わず感謝するような仕事ぶりを見せてもらおうか」と。

毎回ローリィ社長の登場のさせ方のアイディアや背景他を描くの大変そう。

黒崎監督はいつかキョーコがもっと成長したときに再登場してもらいたい。キョーコを世の中に出した監督だから。

あいかわらず敦賀さん、イヤミが辛辣すぎる。まあ「マネージャーの仕事くらい」などと言われたら怒るだろうけど。

(ACT.32 失われた青春)マリアちゃんが以前オーディション会場でウロウロしていた(1巻ACT.3)は、蓮様目的で来る人を呪いの蜘蛛玩具で撃退するため。

社長はラブミー部コンビがCMデビューするってわかった時はあからさまにふてくされていたらしい。デビューは愛の使者として期が熟したらもっとゴージャスに自分がプロデュースしようと思っていたらしい(それは戦慄のデビュー!)

初日は、敦賀さんについてスケジュールをこなすのに必死でマネージャーの仕事らしきものは全く出来なかったキョーコ。2日目は今日こそはと思うものの何の役にも立たないどころかヘマをして敦賀さんに謝罪させて立場がない。二人っきりの車内では全く会話が無いし、昨日から怒っているように感じられて息がつまる。思わず「私が敦賀さんのマネージャーなんかしたばっかりに余計なご迷惑を」と2度目だが謝ると「二度も謝らせる程怒ってないんだけどな」というが、キョーコには他人から放たれる怨・恨・怒周波を感じるアンテナがある。

キョーコのお腹が鳴り、二人はファミレスで目玉焼きが乗ったハンバーグライスを食べる。10年前の石をハンバーグに見立ててご機嫌な6歳のキョーコを思い出して笑いを堪える蓮。

その頃松島主任は「食事に関しては大雑把な短所があいつの気性なら 他人を気づかう長所も根っからの気性だ 女の子一人で食事させるのなんてデリカシーのない真似ができる奴じゃないのはわかってるからな あの子くっつけとけば必ずつきあって多少なりとも何か食うはずだよ」と。つまりキョーコはマネージャーの仕事なんか端から期待してされていなくて、蓮がちゃんとご飯を食べるためのだしだったのだ。

しかしすぐレストランにいた女子高生グループに見つかる蓮。ハンバーグを食べて、ダサい奇天烈なつなぎを着た女の子といるから蓮じゃないんじゃという声も聞こえる。「でも昼間はしっかり女子高生であれが彼女なりのアフター5のおしゃれなのかも」「今しか持てない『女子高生』という名のブランドを・・・」という声に、キョーコは尚にだまされて女子高生になれなかった自分を呪って怨念で周りが見えなくなる。

蓮に「今まで聞いたことなかったけど 君 高校には行ってないよな 原因は不破尚か」と言われて、尚に誘われて高校をやめて東京についてきて踏み台にされたことを語る。10年前「ショーちゃんはねェ わたしの王子さまなの 大きくなったらガラスのクツを持っていつかわたしをむかえに来るのぉ だからわたしはお姫さまになって しょうらいはショーちゃんのお嫁さんになるんだ」というノロケ話を思い出して、あのショーちゃんは不破のことだったのかと思う。「絶対アイツを越えるスターになってアイツを見返してやるんです」と聞いて、「やっぱり演技を勉強しているのはそのためか 君にもいろいろ事情はあるみたいだが そんな動機で俳優になりたいと思っているなら同じ俳優としては不愉快だな」と突然今までと雰囲気が変わって怒りの波動がでてピリピリした雰囲気になる蓮。

またまだでてきたけど、尚に人生を狂わされたのに踏み台にされて捨てられたから見返してやりたいとうのは、スターになりたい理由としてしごく全うだと思う。要はそれで演技がめちゃくちゃだったりしなければいいだけの話で、このころの敦賀さんなんでこんなにキョーコを嫌うのだろうか。

演技の勉強は復讐のためではないのだけど、キョーコが説明する前に社長からの電話が携帯電話にかかってくる。社長の知人が理事長を務める高校で、途中編入OK芸能活動もちろんOKの芸能クラスに行きたくないかと。

(ACT.33 非常事態)編入試験は軽い一般教養と中学のおさらいみたいなものだと言われたけれど、蓮の現場に付き添いながら必死で勉強に励むキョーコ。その姿に塾のテストが88点で母に怒られて泣いていた6歳のキョーコを思い出す蓮。

実際にその事を思い出していたキョーコは、ふと、常に80点以下をとらない人間のことを世間では決してバカとは言わないと気づく。物心ついた時から頭ごなしにお前はバカだと母から言われてきたから洗脳されていたと。認めてもらえるのは100点だけだった。母の望む結果が出せなければそれだけで自分は落ちこぼれなんだと。

毒親に育てられて、否定的な言葉でしか評価されたことがない私にはこの回想、すごく心に刺さる。トップ高では無いけど進学校に進んで、それなりの国立大学の理学部に現役で合格した人を世間ではバカと言わない。でも旧帝大出の母は『駅弁大』』といった。同じく旧帝大出の父は、もっと頭の柔らかい人だけど、それでも自分ももっと低いところからあがってきたから気にすることがないといっていた。

撮影の合間に咳払いをする蓮に気が付くキョーコ。自動販売機で砂糖ミルク入り紅茶を買う蓮に、「何か喉にひっかかってる感じがするんですよね 唾液をのみ込むだけで喉の奥がむずがゆい様な」「世間ではそういう症状を『風邪』と言うのです」というのに、この歳になるまで風邪引いたことないのが自慢だと頑なに否定して薬も飲まない。

これまで風邪にかかったことがないというのは、今の現象が風邪でないという理由に全くなってないんだけど。日頃から身体をきたえてるから大丈夫という人はけっこういるけど、それって感染症をなめている。こんな子供っぽいことを言って言い合いになるのは、逆にキョーコちゃんと合いそうだけど。ご飯の心配のことといい、お母さんみたいだけど。

翌朝8度3分の熱が出た蓮に「敦賀さん はっきり言って 貴方はプロ失格ですね」と黒崎監督にキョーコと奏江が言われた「自分の身体つまり商売道具を自己管理できない奴は プロ意識が足りない奴だって」という言葉も引用する。食事のことも含めてお説教するキョーコに「ごめん 本当に君の言う通りだ 俺は自分を過信しすぎてた なんか格好悪いな こんなことならちゃんと君の言うことを聞いておけば良かった」と突然素直に謝る蓮に、やっぱり大人だ 私なら言えないと思い、敦賀さんがショータローへの復讐のために演技の勉強してると思っている誤解を先日タイミングが悪くて解けなかったことを改めて残念に思う。

LMEのオーディションを受ける前に「根性だけでいつまでも事が運ぶと思うなよ」と言われたことも思いだし、蓮は自分がショータローに復讐するためだけに芸能界に入った事自体怒っていたと気が付く。だから最初から自分に意地悪だったのだと。

次の場面は人工雨を降らせると聞いてあわてるキョーコだが、「たとえ熱が上がろうが倒れようが最高のシーンが撮れるまで俺は演じ続けるよ 意識がなくなるその瞬間まで」と。 

格好いいけど、倒れたらその後に仕事に影響がでるから、それはそれでプロではないのでは。

(ACT.34 虚像破壊)ドツボにはまってダメ出しを連発する相手役のために、撮影は雨の中何度も取り直しになるが、熱があるにもかかわらず、優しく指導する蓮。もし自分だったらイヤミたらたらになりそうだ。自分以外の人にはそんなに優しかったんだ。純粋に自分を芸能界で生かしたくて普通に芸能界に入った人なら敦賀さんに嫌われる要素なんか皆無だもんね。きっとこの世のどこを探しても私くらい あの敦賀さんに嫌われることができる女なんて。この期に及んで誰かに好かれたいなんて一生思わない。だって私は復讐に生きる女なのよ思うキョーコ。

ドツボにはまるとどうしても正しく言えない事ってわかるわかる。

熱が上がって控え室で意識が遠のき、キョーコの上に倒れてしまった蓮。先ほどのセリフを口にすると、セリフを返してきて、はっと気が付く蓮。「この後の撮影、今日はお休みさせてもらった方がいいですよ」というキョーコだが、目で言い含められる。

余程演技するのが好きなんだなと思うキョーコは、蓮の世話をするために、冷えピタ、風邪薬、のど飴、うがい薬、氷のう、氷枕、大根とはちみつと買い物に走る。

昔からどんな小さな事にも一生懸命だったと思い出す蓮。もしかして俺は今まで復讐という動機に目を奪われて、この子の本来の姿を見過ごしてきていないかと。

(ACT.35 嫌い×嫌い)熱に浮かされた蓮は、10年前京都でキョーコが、暑くてダウンしていた蓮(久遠)のおでこに冷やした布を乗せてくれた夢を見ていた。蓮の看病をするためにマンションに泊まって氷のうの氷を替えるキョーコは、「ありがとうキョーコちゃん」と言われて、動揺する。名字でさえ呼ばれたことないのに。

そういえば、この頃『『君』だった。

朝、目が覚めて氷のうや氷枕に気が付く蓮。キョーコは台所で病人食をつくっていた。居間にはキョーコが勉強していた跡が。

キョーコ特製のスタミナジュースの殺人的な珍味「君はそんなに俺が嫌いか?」と言われて答えにつまってフリーズするキョーコ。冗談だったのだが、「まあ 今まで嫌われるような事しかして来なかったんだから嫌いで当然」と思うが、スープは旨い。「どんなに頑張っても俺が満点スタンプを押すとは思ってないだろうに 嫌いな俺のために どうしてこうまで一生懸命になるかな 本当に昔のままなんだから」

明日までに蓮が覚えなくてはならない台本を出して読むキョーコ。そのうち蓮人形を出して、「一晩中嫌いな奴の看病したり わざわざ病院食を作ったり 十分お人好しだと俺は思うね はっきり言ってバカだろう」と腹話術をしているところを蓮に見られ慌てるが、蓮人形は見られてないらしい。

蓮は台本を持ってどこかへいってしまった。飲み物を持って探しにいくと、階段で声に出して台本を読んでいる蓮を見つける。声に出して覚えるタイプじゃないし、同じ所を何度も読んでるし、手間取ってるなら、相手役のセリフがあった方が頭に入りやすいんじゃと、会談したからキョーコは相手役のセリフを口にする。怒りながらのセリフに発声もブレスも完璧なのに驚く蓮。セリフを続けながら階段を降りると、表情までよくできているのを見て、これが演技を勉強し始めて半年もたたない素人か これが『復讐』のためだけに身についた演技なのかと驚嘆する。

奏江もそうだし、後ほどでてくる飯塚さんやBox「R」のメンバーとかもそうだけど、演技で相手の自分に対する見方を見直させるキョーコちゃん凄く好き。

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2022年1月5日水曜日

スキップ・ビート!5

2003年10月17日発売

 (ACT.24 衝撃の向こう)第一回の『やっぱきまぐれロック』で、ショータローを前に暴走して、着ぐるみの坊をクビになったキョーコだったが、視聴者の評判がよくてプロデューサーは不承不承ではあったが復活して、レギュラーに。

ブリッジロックのリーダー光るさん、この頃からキョーコちゃんが気に入っていて、でも背が低いのがコンプレックスで気弱だったんだ。

坊の出演終了後にTBM局内を歩いていると、敦賀さんと社さんが向こうを歩いている。坊の姿なら「敦賀君のおかげでまた元気が出たよ」と一言言いたいのにと思ってるキョーコをなぜか皆が見ている。えっと思ってみると蓮がこちらをじっと見ていた。目が合うと恐怖の極上高級紳士スマイル。慌てて逃げるが、蓮はキョーコより優雅に歩行しているのに追いつかれて、トイレの前で壁ドンじゃなくてドアドン。「今日は中指立てないんだ」「意外と執念深い男ねって思っただろ?」否定したものの、キラキラ笑顔の恐怖に涙を流して「思いました ごめんなさ~い」こういうウソが突き通せないところが10年前と全然変わってないなと内心吹き出しそうな蓮。

もう蓮はここでキョーコちゃんにかなり心ひかれている。しかしテレビ局で周りが見ている中でキョーコちゃん追いかけ始めてるけど、そのままドアどんしてるけど、敦賀蓮のイメージが崩れすぎない?このころからキョーコちゃんが絡むとあり得ない面を見せてる。

びっくりした社さんに「あいさつ」指導だと蓮。「俺はまた、陰湿なセクハラまがいなイヂメでもしちゃってるのかと思ってドキドキしたよ」(いやこれはセクハラ、パワハラでしょう)坊にはあんなに優しい笑顔も見せてくれたのに私にはウソつき紳士な笑顔ばっかり 嫌われてるのは知ってるけどさ ねえ貴方に嫌われるような事何かした?と心の中で思うキョーコ。

ラブミー部の仕事できていたのにつなぎをなんで着ないのと、蓮と社に聞かれて「着なくていいものなら着たくない」というと「バカだな 芸能業界目立ってなんとの世界なんだから人目を引けるものはなんだって利用しないと 特にTV局なんかどこでどんな人の目にとまるかわからないんだ 自己アピールして歩いたって損はないだろ?君は「誰よりも目立ちたい」っていう欲求をもっと持つべきだな。 君はスターになりたいんだろ?と親身にアドヴァイスしてくれたように聞こえる。LMEまで送ってもらった車内で「明日はオーディションだと」と椹さんに報告しにいく話をすると「しっかり頑張っておいで」と言われてほのぼのした気分になる。

やっと蓮に好感が持てるようになってきた。

翌日オーディション会場にいくと、なにやら高慢不遜な美人がいきなり会場のドアを開けてモー子さんに「帰るなら早く帰ったら?私の実力あなたなら一番よく知ってるでしょう?小学校の頃から演劇やっても私は主役 あなた名前もない端役しかやった事ないんだもの」と。

 (ACT.25 開いた傷口)華麗な椅子やティーセットや茶菓子を持ち込み、ホストのようなたたずまいの美しいジュエルのような男達をお世話係に連れた高園寺絵梨花は、日本有数の大企業の令嬢。一方思わぬ奏江との再会なのにキョーコは「あんたは私の敵なんだから!!」と言われる。それを聞いた絵梨花のお世話係達は、キョーコのもちものなどを貧乏と貶す。更に絵梨花は奏江に、散々イヤミを言い続けるが、何も言葉を返さない奏江に「なんだか逃げてるみたい」とキョーコはぽつりという。

オーディションは手違いで監督不在のまま進められる。一番の高園寺絵梨花の華麗なバレエと高園寺グループをバックにしたアピールは審査員に印象を与えるが、刺激を受けた他の候補者もわれもわれもと自己アピールに奏江もキョーコもたじたじ。

遅れてきて第一次審査が終わった後たどり着いた黒崎潮監督が、ロビーで盗み聞きしたキョーコとモー子さんの会話。
終了後途中から元気のなくなったモー子さんに「オーディション途中から投げやりになってた?このままじゃ本当にあの女に負けちゃうよ?」とキョーコが問いかける。「二次審査にはでない」と高園寺絵梨花との確執を話し始める。小学校3年の時の劇でクラスの人気投票で絵梨花を抑えて奏江が主役になって以来、かならず絵梨花が裏で手をまわし、自分は主役、奏江は名も無い端役、中学校では演劇部に入ることさえ出来なくさせて、このオーディションも自分の邪魔をするために来たという。奏江がこの世のどこかで日の目を見ること自体許せないんだと。ここで逃げたらあの女にずっとモー子さんの夢潰されちゃうというキョーコに、「世の中お金に勝る物は無いんだものきっと監督だってすぐあの子に買収される」思わずキョーコは奏江の頬を叩く。

この絵梨花の執念すごすぎる。要するに奏江の才能がわかり過ぎているのでは。

 (ACT.26 戦闘態勢)「自分で決めつけちゃダメ」と、LMEのオーディションに落ちたときの自分のことを語るキョーコ。「モー子さんはあの人の財力と権力にはかなうわけないってわかっててもぶつかってみた事は?」「女優になりたいんでしょう?だったら闘わないと」私達一次審査ではあまりにも目立ってなかったから・・と思いつついい方法がすぐに出てこないキョーコの脳裏に、昨日の蓮の「バカだな この業界目立ってなんぼの世界なんだから 人目を引けるものはなんだって利用しないと」という言葉が思い浮かび、お揃いでラブミー部ピンクつなぎを着ていくことを約束させる。

共演者の取り直しで進まない撮影の合間に、やさしく共演者を気づかう敦賀蓮。社さんは素でキザなセリフをいう蓮を見て、昨日の蓮はキョーコちゃんにも優しかったよなと思い出して「親身にアドバイスしてあげたりしてさ どういう心境の変化なのかなと思って キョーコちゃんの『根性』は気に入ってるってわかるんだけど なんとなく空気で蓮って本当は根本的にキョーコちゃんの事良く思ってないのかなぁ~って」意識してなかったので驚く蓮に「万人に友好的な蓮がなんでキョーコちゃんにだけ例外的なのかふしぎだったんだ だってキョーコちゃんってさすごく仕事に一生懸命だろ?」「あの子は純粋に芸能業界で自分を生かしたくて一生懸命な訳じゃないんですよ」と昔の面影にほだされていた自分に気が付く。日本で芸能活動を始めると決めた時から過去は何一つ持ち込まないと心に決めた あの子との思い出も俺は引きずるべきじゃないと。

それ、全く理由になってない。何かをやるときに純粋に自分を生かしたくてやる意外の、もっと不純な気持ちが混ざっているのは普通。

オーディション第二次審査でお揃いのラブミー部ピンクつなぎを着たキョーコは奏江に「私達はしなやかで美しい豹になるのよ」と吹き込む。「『私達』って何?受かるの一人なんじゃない?」という奏江に、「2人であの女を倒すのよ!!」「(私は)力の限り闘ってモー子さんに負けるんなら悔いはないから それに今回がダメなら次にチャレンジすればいいだけの事だもん 諦めが悪い性格なのよね」というキョーコに、邪魔されても邪魔されても諦めきれなかった自分の夢を思い「やっぱり私と似てる」と奏江。

信じられないなんて恥ずかしい格好してるの!!と二人のピンクつなぎを罵倒する絵梨花をにらみ返す2人。

 (ACT.27 バトルガール)高園寺グループからの二千万の札束の山を拒否する監督。お世話係から報告を聞いて動揺する絵梨花だが、その様子を奏江に見られて、「私の実力であなたに勝ってみせるわー・・!」というが、奏江は不敵に微笑む。

なんでコマーシャルにでるのに二千万を積むの・・そうまでして奏江を潰したい高園寺絵梨花のしつこさも異常だけど、それに協力する絵梨花の父(たぶん)も異常。

ショッキングピンクのラブミーつなぎを着た2人を見た黒崎監督は吹き出す。

監督の意向で(実際は第一次審査の後キョーコと奏江をロビーで盗み聞きしてでてきたアイデア)第二次審査は、全員でくじを引いてペアをつくり、A子とB子を演じることになった。課題はA子とB子2人して想いを寄せる男がいてA子だけがその男に告ったら実はその男はB子が好きだった、ただA子とB子はお互い大切に思い合っている親友同士だという設定で60秒以内に簡潔にケンカをするという。同じ組をひいてしまったキョーコ(B子)と奏江(A子)を不公平だという絵梨花に、奏江は自分たちは打ち合わせはいらないからこのままやらせてくれと言う。超焦るキョーコに、「何も考えないで私に合わせて」という奏江。

何も言わずにキッとB子(キョーコ)を睨んだA子(奏江)の怒りがぴりぴりと伝わってくる。と、B子の頬を叩くA子、奏江の「私に合わせて」の言葉を思い出して返さなきゃとはたき返そうとすると、殴ったことを激しく後悔している奏江の表情に、思わず殴られたB子が「ごめんなさい」といってしまう。

黒崎監督も審査員も応募者も全員が魅了されている。

いいコンビ、いい演技、この2人の共演をいつか見たい。

 (ACT.28 絶体絶命)「本来なら激怒していいはずの『B子』を謝らせるなんて五分五分だった 打ち合わせしてない人間が予想通りの答えを的確に返してくれる確率なんて低かった なのにあの子なら私の演技に応えてくれるんじゃないかって確信を少なからず持っていた」と心の中で思う奏江。

「まぐれはそう何度も続かないわよ」「あなたの相棒のあの子演技なんかした事あるの?」とまたまたイヤミを言いに来た絵梨花に「言っとくけどあの子は 私やあんたとはどこかできの違う子よ」呆然とした絵梨花は「あなた自分のことは何言われてもしれっとしてるくせに どうしてあの子の事をコケにされるとそんなにムキになるのよっ」

次はB子からきっかけを出して仲直りをするのが課題。もし私だったらケンカなんかになる前に身を引いて『A子』の恋を応援するのにな だって私はもう二度と恋なんかしないって決めたんだもの とあれこれ一人芝居しながら考えるキョーコを、奏江の言葉が気になって盗み見に来た絵梨花。キョーコが女友達ができたら一度はやってみたかった同じボトルから飲み物を飲む妄想をしているのを見て、自分の出番の方が早いのでそのアイデアを拝借することにした。通りかかった黒崎監督に盗み見ているところを見られてしまうが。

二次審査二次課題の前の審査員評価は、ピンクのつなぎのコンビ、だだし推すのは高園寺絵梨花とピンクのつなぎの髪の長い方の子(奏江)。ピンクのつなぎコンビをいいといいながら高園寺絵梨花を推す審査員に皮肉をいう黒崎監督。たとえどんなに琴南奏江に演技の才能があったとしても受ける方にもそれに見合う勘の良さがなければああも綺麗にまとまらなかったハズと思う。

少なくともこの時点で高園寺絵梨花と琴南奏江を共演させたらバトルになると思う。

候補者待機室に戻った絵梨花は、自分の相棒にキュララで仲直りするアイデアを伝えて「勝負の世界じゃね なんだってやった者勝ちなのよ」と奏江を横目で見ながらこれ見よがしにいう姿に悪い予感がする奏江。

目の前でB子が口をつけて渡したペットボトルのキュララを飲んでA子が「ありがとう」というアイデアを絵梨花たちに使われたのを見て、パクられたことを知り呆然とするキョーコ。

キョーコちゃん脳内妄想はアイデアの元かもしれないけど口にだしてしまうって、ライバルが鵜の目鷹の目の中で無防備過ぎる。

 (ACT.29 微笑みの理由)アイデアが同じと知って「勝負の世界じゃね なんだってやった者勝ちなのよ」という勝ち誇った絵梨花を思い出し、パクられたことを奏江は察する。黒崎監督も気が付いて「どうした?君達 何やるか決まってないのか?決まってないんなら気の毒だが」といいかけた黒崎監督に「やります」とキョーコ。(ほんとうはパクられたことを察した監督は「決まってないんなら気の毒だが最後の組が終わるまでに考えといてくれ」というつもりだった)

キュララを借り、ペットボトルは奏江に、自分は缶を手にした。不敵に「モー子さん私に合わせて」という顔に何かを感じる奏江。

スタートは後ろを向いたB子(キョーコ)が突然缶をあけて吹き出した炭酸をA子にひっかけ「仕返し」と、緊迫した空気をつくりあげる。

絶体絶命に追い詰められたときのキョーコのアイデアと演技はすごいよね。後のカインとセツカにしても。

なんて表情をするのと呆然とする奏江(養成所のマリアちゃん事件からそんなにたってなくてまだ演技の勉強を始めたばかりだものね)

「なんてね」といたずらっぽい表情に突然変わったB子(キョーコ)。「もしかして本気にした?」と言われて仕返ししようとペットボトルを開けた奏江は、飛び出さずにシュワシュワと溢れてくる炭酸に素でうろたえる。その情けない顔に、思わず吹き出すキョーコと奏江そして監督や審査員、そして見ていた他の応募者達。

キュララで乾杯するA子とB子に、絵梨花組と同じ「ありがとう」というA子の言葉だが、ずっと強く見ていた人の心に響く。

審査員の評価は あのショートヘアの子も意外と演技うまかった 最後にグッと来させた琴南奏江には及ばないけどなかなかの実力者と。しかし黒崎監督は、キョーコがほんの一瞬で新しいネタを組み立てたのを知っているし、わざわざあのネタのために缶とペットボトル両方にして全部計算の上であることをスタッフから聞いて呆然とする。

控え室で「モー子さんは絶対受かる自信があるわ」とキョーコ。「受かるのは私一人じゃないわ あんたもね」と奏江。

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2022年1月2日日曜日

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2003年7月18日発売

(ACT. 18 天使の言霊-後編)「マリアちゃんのパパは、すぐにアメリカに帰ってしまったけど、仕事が忙しいだけでマリアちゃんを嫌ったりしてない」、と言われてきた自分を思い起こすマリア。みんなかわいそうな子供をそれ以上傷つけないように決まって同じ様なことしか言わないんだ。だから誰の言葉も嘘に聞こえる。蓮様さえ「マリアちゃんとパパは今まで一緒に遊んだり出かけたりしたことが無かったんだ それじゃあ仕方が無いかも パパはマリアちゃんとどう接していいかわからないだけなんだよ」と皆と同じ。みんなの言葉で私の心が勝手に期待しちゃうのが怖かった。

「お父様に憎まれてるの」というキョーコの台詞に涙を流しながら「でもこれは刃物のように切れ味のいい、あの人の率直で的確なセリフに感動したからよ」とマリアちゃん。

キョーコが更に「お父様の態度でわかるでしょう?お父様はねあなたなんかこれっぽっちも愛していないわ」と劇を続けると、主役のエンジェルの子はつい「ウソよ」とキョーコが期待した通りの反応を返してしまう。エンジェル役の子は本来はフローラ(キョーコが演じている姉)が言うべきセリフを返してしまったのだ。なおもエンジェルの言葉を否定して、お父様はあなたのことを愛してなどいない、というフローラ(キョーコ)のセリフに、突然「そんなことないもん」と乱入して反論を始めるマリアちゃん。一瞬びっくりしたキョーコだが、マリアちゃんにあわせて、パパの愛を否定すると、マリアちゃんはパパが自分を愛している理由を挙げ始める。それはいつも自分が言い聞かされて嘘くさいと思っていた言葉の数々なのだけど。

ここは両親に重苦しいほどの愛情をたっぷりもらって育った蓮様(まだここでは明かされていないけど)の言葉ではなく、母親から嫌われているかも、憎まれているかもと思って育ってきたキョーコちゃんの言葉の方が圧倒的に響くでしょう。マリアちゃんとパパの事情は理解しているとはいえ、突然乱入してきても動じないキョーコちゃん凄い。

そして突然フローラの台詞はフローラに戻る。「何がわかるの!?あなた『パパ』とはろくに会話もしないくせに!!」これが蓮様の言葉「パパはね マリアちゃんとどう接していいかわからないだけなんだよ」を思いださせてマリアの胸に突き刺さる。パパのメールがいつも同じ様な文なのは、私が一度も返事を返したことがないから・・・?私のことをほとんど知らないから!?そして出てきた言葉は「だってメールの最後には愛してるって入れてくれるもん!!」と。パパのメールはおじいさまに言われて送られてきてるものなんだと思っていて、嫌われるってこれ以上はっきりさせたくなくて毎日送られてくるそのメールをずっと信じてなかった自分に。パパとの間に壁を作っていたのは自分の方だと今初めて気が付く。「ほらね答えが出た」と優しい笑顔になるキョーコ。

途中の姉と妹の台詞入れかえスイッチで、エンジェル役の子が「姉」の台詞を返してくれなかったどうしてたのよ、という奏江に、「私が脚本に沿ったセリフを言えば相手も脚本通りのセリフを返してくれる自信はあったのよ だって必ずとっさに出てくるのはいつも聞き慣れてるセリフのはずでしょう?」というキョーコに呆然の奏江。

キョーコちゃん既に自分の演技でエンジェル役の相手を演技させている。蓮さんと同じ資質十分あり。

途中から社長の孫を相手にしたから失格だという生徒達の意見で、40万円は分割払いとは言え全額払うことにしたキョーコ。自分のせいだとしゅんとするマリアちゃんに、パパになんてメール返すかちゃんと決めたの?というキョーコ。

これから演技を勉強したいという初心者が、芝居を通してマリアちゃんの心のしこりをとってしまったことに、この子ひょっとして俺の想像をはるかに超えた爆弾になるかもと内心思う社長さん。

(ACT. 19 てのひらブルー)琴南奏江は「今日からあんたは私の敵」と心でつぶやく。

一方マリアちゃんは、キョーコはお父様やお母様は普段どんなお話しをするのか参考に聞く。キョーコは、自分にはお父さんはいないし、お母さんはいるけど・・と話を逸らしてしまう。「どんなに歯車がかみ合っていなくてもお互いが強く想い合っていれば気持ちは結びつく 奇跡だって起こせる力が生まれる 一方通行では生まれないチカラ」と思いにふけるキョーコに、マリアを先に帰した社長は「新人発掘オーディションの時には親御さんの了承は得ていると言っていたが本当なのか?もしそうでない場合 まだ未成年の君がデビューする際には 君のお母さんに了承を得なくてはならなくなる よければ詳しい事情を聞かせてはくれないだろうか」と問うが「話さなければLMEには置いてもらえないんですか?私がどこで何をしていようが関心のない人だとわかっていても」という寂しそうな表情のキョーコに思わず「いやそんな事はないが」と思わず答えて、演技で「親だって本気で実の子を憎めるの」といったキョーコを思い出す。

うん未成年だから親の了承は必要だね。考えてなかったのもわかるけど。しかし尚も未成年で実家とは勘当同然だけど、一応了承を得ているわけね。

悲しい気持ちを事務所の階段で思い出のコーンの石に吸い取ってもらっている最中、椹さんにいきなり話しかけられて、後ろ手に隠した際に階段から落としてしまったキョーコ。社さんを待って一階にいた蓮が拾う。「コーン」と叫びながら階段を駆け下りてきたキョーコ。椹さんに「君はこの石に名前をつけてるのか?」と聞かれて「『コーン』はその石をくれた人の名前です 子どもの頃泣き虫だった私に彼がくれたんです 自分にも大事なものだったのに 私の涙の数が減る様にって」と。呆然としていた蓮は、「これ?」と石を差し出す。笑顔でお礼をいうキョーコに何か感じて「京都に住んでた?」」と聞く。

(ACT. 20 呪われた夜)「合ってますけど どうして」と聞くキョーコに、その石、京都で採れるって知ってる?といっておいてから信じたキョーコに本当なら地元の君が知らないハズないじゃないか」といつも通りからかわれて「本当に君は騙されやすいな そんなんじゃいつか悪い男に騙されて泣くことになるよっ・・てもしかしてもう騙されて泣いた後だったりして」「ひょっとしてその騙した相手って例のアイツだったりして?」と言われてキョーコの妄想の中では(まさかそれでアイツに復讐したいとか言ってたワケ 逆恨みもいいところだな 世の中はな騙す方より騙される方が悪いんだよ)と言われているような気分になって、無視することにしたキョーコに「図星・・・か。」「この業界じゃ例え真実を言い当てられたとしても『違います』と口に出して言い通さないと都合の悪いことは都合の悪い方へとことん解釈されて広められるんだよ それもデビューできなきゃ覚えても無駄だけどね」とひたすらのイヤミに、中指をたてて走って逃げるキョーコ。

いや・・そうだけど蓮さんそのいい方はないでしょう。

「人が変わったな あんな下品なこと誰に教わったんだ アイツか?」と思いながら、10年前のキョーコちゃんを思い出して微笑み、「俺ほどは変わってないのかもな」と。

養成所で、意外と琴南さんは基礎も手を抜かずに真剣に取り組んでいる。何もかもが初めてで毎回のトレーニングを必死にこなしている私とモー子さんが同じに見えるときがあるのは気のせいだろう、とキョーコは椹さんと話しながら思う。突然椹さんは、テレビの仕事してみないとキョーコにいう。琴南さんとTBMというテレビ局のスタジオを訪れると、LMEが誇る人気マルチタレントユニット、ブリッジ・ロックのバラエティ番組第一回の観客のサクラの仕事だった。そして、土壇場で急にでられなくなった番組のショートコーナー、鶏の着ぐるみ「坊」の役を頼まれる。そして引き受けたのはモー子さんなのに、私は女優よ そんな仕事するわけないじゃないっ あんた得意分野でしょ!?タレント志望なんだからと。キョーコは押しつけられる。

突然の生番組で、ぼおっとしているキョーコの耳に聞こえてきたスペシャルゲストはなんと不破尚。

モー子さんこの頃キョーコをライバル視してるのね。

(ACT. 21 ここで会ったが百年目)客がいるぶんにはブリッジもウキウキ、ファンがいる分には不破もスポンサーもホクホクで、生不破が見れる最上さんも一石三鳥かなと思って送り込んだ椹さんは、ブリッジ・ロックが不破に喰われているのを見て「すまんブリッジ おれはお前達を追い込む要員を一人送り込んでしまった」と後悔する。キョーコが不破尚のファンだと信じている椹さんは「最上さんブリッジの応援してくれとは言わないけど せめて正規の観客に徹してくれないかなあ」と。

一方千載一遇のチャンスと燃えるキョーコは、カプセルに入った番組の進行カードをすり替えて、不破の隠す恥ずかしい本名を言わせようとするが、「俺は過去を捨てた」と格好よくかわされて、かえって好感度を上げてしまう。

次は不破の苦手なバドミントン対戦に持ち込む坊だが、過去のバドミントン対戦は0勝36敗なのに、負けると3べん回って獣の体勢でアゥウーンと鳴くという屈辱的な罰ゲームなので、必死のショータローは意外とがんばり、格好よくてファンが盛り上がる。

舞台袖で見ていた奏江は、キョーコを潰すために押しつけたのに、レギュラー取りそうな盛り上がりぶりに「本当に転んでもただじゃ起きない あの子ってますます油断ならない」と。

キョーコ坊の奥の手の高く打ち上げたシャトルがライトの光に入るが、天井に引っかかって坊の負け。これがキョーコの必殺技であることを思い出した尚。

芸名で活動してるのなら本名がキラキラネームにほど遠かろうと全く構わないと思うのだけどな。それに不破松太郎ってそんなにカッコ悪い?確かにヴィジュアル系ではちょっと合わないけど。

(ACT. 22 それが法則)番組進行ネタを勝手に入れかえた事がバレて番組プロデューサーから大目玉を食うキョーコ。

坊の中身はキョーコなのではないかと疑い始めた尚は、VTRの放送中に坊の頭を取ろうとする。キョーコの手を白刃取りして「もしかして意外とあんた俺の知り合いキョーコだったりなーんかして」といいながら更に頭を取ろうとする。必死で暴れるうちに不破を押し倒してしまった坊の胸に触れて「こういう着ぐるみに入るくらいの女ったら 地味で色気のねー女なんだろうな」との言葉に切れて怨キョをだしながら尚の首を絞めようとしたキョーコはとうとうプロデューサーからTV局立ち入り禁止を言い渡され首になる。

その後のミニライブで観客を熱狂させる尚をあとに「それが芸能界の法則なの?アイツが出す曲必ず一位を飾る上級歌手で私が無名の新人だから こんな悔しい思いをしたくなければ行かなきゃダメなんだ あそこまで アイツと対等の位置に立つにはあの眩しい場所へいかなくてはならないんだ」と舞台袖から悲しく思う。

まだ早いよキョーコちゃん。がまんがまん。今は自分が惨めになるだけ。

ブリッジ・ロックの石橋さんから「その子もう『坊』はやらないと思うよ プロデューサーが今日限りだって言ってたから」と聞いた尚は「アレがキョーコだったとしても所詮あのレベルが限界 今度俺のそばへ来られるなんていつの日か いやもうねーんじゃねーかな」

一瞬不破が格好よく見えてしまったキョーコは自己嫌悪に陥りながら、坊の姿のままテレビ局を歩き回り迷子になって倉庫のような所へでる。そこでらしからぬ深刻な顔をした敦賀蓮を見かける。最後にあったときに中指を立てて怒らせただろうキョーコは、逃げようと思ったが、坊の足音はそっと歩くとかえって長い音になって注意を引いてしまう。突然話しかけてきた蓮は「力を貸してくれませんか」。

(ACT. 23 嵐の素顔)蓮の頼みは「携帯お借りできませんか」とのこと。マネージャーの携帯は原因不明の故障でメンテナンスにでていて、代替機も故障したとのこと。(出た!社さんの、素手で触ると10秒で携帯を壊す特技!)スタッフにも何人か聞いて空振りしたと聞いて、台本でわからない文字が出てきてググりたいと見抜いた坊の中のキョーコは、キラキラ笑顔で否定する蓮に「図星刺されても言い通すのが、芸能人の鉄則なんですよね」と蓮に言われたことを返す。「他人を欺こうとか毒のある本音を露呈するその瞬間、本音とはウラハラに作り物みたいに綺麗な笑顔で装うんだ」と得意げにキョーコ坊が喋ると、蓮の顔つきが変わった。恐怖に震えるキョーコは「ごめんなさい敦賀君が大嫌いなので勘でイジワル言っただけなんです」と凄い勢いで謝ると蓮は吹き出す。「面と向かって大嫌いって言われたの生まれて初めて」だと。「俺は一度でも心から非を認めた人間にそれ以上怒る必要なんて無いと思うよ 他人の目をごまかさないといけない様な性格してる俺にも非はあると思うし」といわれて考え方が大人だなとキョーコは感心する。

突如変更した台本を渡された蓮がわからなかったのは「天手古舞い」がどう大変な舞なのか全く知らないという。堪えきれずキョーコ坊は吹き出す。意味を教えた後「この20年日本で生まれ育って一度も耳にした事なかったの?」といいつつまあそういうこともあるかと思い直す。スタジオの照明が目に入り眩しくて、突然光の当たるところにいる先ほどの尚を思い出してキョーコ坊がっくりすると「その頭取った方がいいんじゃないか」と気持ち悪くなったのかと心配する蓮「ボク今日でこの仕事クビだから・・・っもうちょっと着てたいな」とこんな着ぐるみの仕事さえ、尚のことを考えると暴走してまともにこなせない自分に更に落ち込む。「そんなクビになった仕事にいつまでも執着してたんじゃいつまでたっても上へは行けないぞ 女々しい」といわれて「君に何がわかる クビになったこともないクセに」というと、なんと、業界入りしたすぐの頃は早く売れたくてだいぶから回ってて、役者として未熟なくせに監督の言うこと聞かなくてクビにされたことを数え始めると10指に余るらしい。この人でも新人時代はたくさん失敗してるんだとほっこりしながらふと「君みたいなトップスターが昔そんなリストラ俳優だったなんてどうして一度も話題にならなかったの?日本のマスコミなら絶対ほっとかなさそうなのに 君 実はその時日本で芸能活動してなかったんじゃないの」というキョーコ坊に、両手を広げてHA!という動作をして見せて「ナニシロ米国暮らしが長かったモノでクセなのデエス」と片言外人まねっこをしてみせる。馬鹿にされたと思ったキョーコは図星で隠すのなら似非紳士キラキラ笑顔になるから「アメリカ」は除外されたと思う。

立ち去るキョーコ坊を追いかけてきた蓮はあらためて「ありがとう」と礼をいう。ともあれ蓮の失敗話を聞いて「失敗したってクビになったっていちいちヘコんだりなんかしてちゃ芸能人なんか勤まらないんだ」とやる気を取り戻したキョーコだった。蓮のいろいろな面が見られたし。

石なしで復活したの初めてとキョーコは言っていたけど、キョーコはもちろん知らないけれど、蓮はキョーコに、悲しみを吸い取るコーンの石を送った本人久遠だものね(ACT.19)。

天手古舞いってそんなに使う言葉じゃないけどな。この部分、多大な時間とお金を費やして英語を身につけて、non-nativeでそんな表現できる人、初めて聞いたなどとお世辞をいってもらえるようになった私には身につまされるものがある。ナチュラルなスピードで喋られてもついていけるし、慣用句交えてぺらぺら喋っているように見えるのに、実はネイティブの80%割が知っている表現を知らないことがしばしばあって、逆に調子よく喋ってた相手をイラッとさせることがあるので。

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