2022年6月30日木曜日

スキップ・ビート!32

2013年3月19日発売
(ACT.189 黒の息吹)
七倉美森からの連絡で、校門で堂々と顔をさらしてキョーコを待ち伏せしていた尚、キョーコは裏門から逃げようと思ったが、美森の策略で捕まり、尚の車に乗せられる。尚に「俺よりビッグネームになって俺をギャフンと言わせるために芸能業界に入ったんじゃないのか。男が女に服くれてやんのはその服引き剝いてセックスしてぇって意思表示だぞ。」と怒る。敦賀さんに怒られたこととデジャビュが重なる。「男に現を抜かしながら俺より大物になろうなんて自信、俺がそのうち木っ端微塵にして散らしてやるよ」という思わせな言葉で締めくくったところで、話が終わったのだが、尚もTBMに向かっている事に気が付く。
余計なお世話なんだけどな。と、尚にいわないところがキョーコちゃんだけど、これではますます敦賀さんの怒りのツボ。

しかし尚は未成年。祥子さんと同棲していいの?それなら敦賀さんも手を出してもいいのでは?

(ACT.190 黒の息吹)
予定が変わって打ち合わせのためにTBMに向かう社さんと蓮。社さんだけはキョーコちゃんとひょっとして会えるかもと気が付くが、今は貴島へのデコメの事で、キョーコちゃんの名前は出さない方がいいかもと思い直した。

そこへ貴島が現れてキョーコちゃんの誕生日を教えて欲しいという。あっさり12月25日と応える蓮。「わりと親しくしてるから」という蓮に「親しいのは知ってるけど、でも先輩・後輩枠でだろ?デコメもらわないいだし」と。「本当言うとね,俺あの娘にはデコメどころかメールそのものをもらった事が一度も無い。そもそもメールアドレスの交換すらしてもいないし。」「だってむなしいじゃないか。折角携帯電話ってアイテム使ってるのに文字で用事を済ませるなんて。どうせなら声が聞きたいだろう?」とあからさまな牽制をする蓮。おーい本人に言え。蓮の闇が見えたのでイジって遊ぶ気になれない社さんに、「ああ見えて貴島君はもめ事が苦手な人だから、俺と争ってまであの娘をどうこうしようと思わないだろうし、逆に言うとその程度の気持ちならあの娘には手を出さないでもらいたい。過去に負った深い傷がまだ癒えていないはずだと思うから」これは本気になったのではなく、B.Jを演る上で何かあって精神的に不安定になって、『敦賀蓮』を保てなりそうなのを固定しているのだと社さんは思う。
珍しく敦賀さん正攻法でマウントを取ってる。本気が溢れていて感心。格好いい!!ただどうせなら正攻法でキョーコを攻めたら?凍ってる社さんが笑える。

そして尚と一緒にほくほく食堂で定食を食べて、相乗りでTBMの駐車場に着いたところで、車から降りた蓮と目が合う。いや~~キョーコちゃんまあ幼馴染みなのでついのってしまうのはわかるし、蓮とつき合ってるわけじゃないので、蓮にしろ尚にしろ何か言われる筋合いはないのだけど・・・しかし貴島君なんて目じゃないラスボス。

(ACT.191 黒の息吹)
無表情で社さんとTBMに入っていく敦賀さんを見送るキョーコに「俺とお前が一緒に居たからって野郎の機嫌が悪うなるとでも思ってんのかよ。お前いつからそんな自惚れた女になった訳?」
機嫌悪くなるのを知ってて言う尚は最低。機嫌が悪くなる理由も、そしてその理由にキョーコが気づいてないのも知っていていってる。
尚を振り切っていこうとすると「敦賀蓮なんてなんとも思ってねぇっていえよ」と迫る。そんな尚に「もしも何かの間違いでもう一度私が愚者に戻る事があったとしても,相手に敦賀さんだけは有り得ないわ!」とキョーコ。

結局きまぐれロックの坊のコーナーの撮影に遅刻して監督に嫌みを言われて涙ぐむキョーコに、スタッフが頭を軽くたたいて慰めると、カインに『よくできました』って頭をなでなでされたことを思い出す。『よくできました』ってほめられて嬉しくて敦賀さんに嫌われていたという過去ですら誇らしくて宝物の様に愛しいと思った。少しでもこんな私が自分の気持ちに負けてしまったら、ショータロー、アンタの時より愚者になる自信があるからよ。と思うキョーコ。

しかし祥子さん未成年のマネージャーなのに尚の手綱をちゃんと保ってて。

キョーコを遅刻させる尚、最低。キョーコがここまで恋心に拒否感を持つのは誰のせいだというの!

(ACT.192 黒の息吹)
渕藤ディレクターとの打ち合わせが終わり、駐車場に蓮が降りると待ち伏せしていた尚は、蓮に「(キョーコは)間違ってもアンタに惚れる様なバカな真似だけはしないってさ」という。

敦賀さんの留守録に入れておいたメッセージにも返事がないので、翌日BOX"R"の現場で落ち込むキョーコ。今夜からまたカインとセッカなのに。

昨夜のTBMでの渕藤ディレクターとの打ち合わせでは、敦賀さんは人が殺せそうなくらい鋭い目つきしていてビックリしたけど、今日は戻っててよかったというスタッフは、「敦賀君って本当はすごく性格キツくて昔ヤンチャしてたんじゃないか」と社さんに言う。内心自分もそう思う社さん。

聞いていた蓮に「少しは否定してくれても良いんじゃないですか?やる事やりつくしたから今穏やか説」と。だって実際に社さんは過去の蓮を知らないから否定も肯定もしないのが当然と思うけど。まあゴージャスターのイメージに合わないのかな。

「昔ヤンチャだったのは本当だろ?初めて会った時どんな人生歩んだらこんな風になるんだろうって一目で思ったのは確かだな。華やかな容姿をしてるクセに微笑んでても瞳は暗く翳ってて、まるで何かに絶望してるように見えた。それなのにその瞳の奥には形容し難い強い光が揺らめいていて、正直ちょっと怖かった。ただ生温かい湯につかってぬくぬく生きてきた17歳じゃあんな空気はまとえないよ。」「俺の見た目が老けてるのは血筋だし、言動が老成してるのも家庭の事情でわりと大人社会で育ってので」

17歳の闇の表情をする敦賀さんも格好いい。

社さんも17歳の時からずっと蓮の傍に居れば、ある程度は気が付くだろうね。それも含めての社長さんの人選。キョーコをカインにつけたことといい、社長さん人を見る目を持っている。生まれたときから知っている久遠を思うがゆえ。

(ACT.193 黒の息吹)
キョーコは尚に思わず「敦賀さんにもし躓いたら一生アンタ実家で仲居勤めしてあげるわよ」と言ってしまう。あれだけはっきりと宣言すりゃ守るだろう。何かの間違いで敦賀蓮に傾くようなことがあったとしても俺に損は無いって事だ。と回想しながら、駐車場で蓮に「失せろ」と言われたときの迫力を思い出す。

キョーコちゃんもっと上手く尚を躱して!!言質取られてるよ。まあいざとなったら、あんなのアンタがしつこいからとりあえず嘘ついただけよ。おかげで撮影に遅刻しちゃったじゃ無いと、しれっと言って欲しい。

カインとセツとして暮らすホテルのドアの前で、躊躇うキョーコ。
本当は嫌なことを先に綺麗に片付けてスッキリした気分で仕事がしたい。だけどセツにその気持ちを持ち込んではいけない。かつて敦賀さんに「どんなに辛い事があっても仕事になれば笑ってふざけて楽しそうにしなければならない時がある。それを一瞬で気持ちを切り替え乗り切るのがプロ、他人に死ぬまで晒さないのが一流だ。」と言われたし。

気持ちを切り替えてドアを開けるとカインはソファーで寝ていたようだ。セッカになってら会話をしているところに突然携帯の音が。敦賀さんから連絡あったときのために、バイブも着信音も最大にしておいたことを忘れていた。電話は非通知の相手から、絶対ショータローからだ。切っても、再度しつこく電話がかかる。パニックになるキョーコを見て携帯電話を取り上げ、非通知なのを確認すると電源を切って放り投げる敦賀さん。

しかし事情は知らないとは言え、敦賀さんは今、久遠の闇に飲み込まれそうな危機にいるのに、それに輪をかける尚。社長さんも予想してない展開だろうな。

(ACT.194 黒の息吹)
突然電源が切れて、キョーコに何かあったのかとあわてる尚。駆けつけるつもりが祥子さんに窘められてやめるが、心の声はダダ漏れ。しかしこの時だるまやに駆けつけたとしてもキョーコは居ないわけだけど、敦賀さんとホテルにいることを知ったら更に尚は壊れたかも。

さっきの電話は不破じゃないのか、こんな時間に何の用でと迫る蓮。ヒール兄妹をやっているはずなのにカインが抜けた蓮に驚くキョーコ。ベッドまで後退して倒れ込んだキョーコの肩を押さえつける蓮。「まだ連絡を取り合ってるんじゃないのか。だから来られた訳か。昨日も学校に行ってるはずの君が不破と一緒にテレビ局に。ずいぶんと仲が良さそうに見えたよな。」カインを演じている際にも時々感じたけれど、カインでも敦賀さんでもない知らない誰かが、敦賀さんの身体を乗っ取っているのを感じるキョーコ。
更にキョーコの胸に手をかけたところで、蓮を引っ張りベッドの上で逆転させて馬乗りになり妖艶に微笑むキョーコ。

このセクシーキョーコ是非演技で見たい。

このまま止まらなかったら、蓮はキョーコをものにするつもりだったのかな。でもキョーコの力で逆転できるのは、予想外だったとは言え全力では押さえていない。キョーコが来る前に蓮は時計をしているし、なんとかコントロールしたいとは思っていただろうなあ。このときのキョーコが逆転しなかったバージョンを妄想・・・しかしこの状況でキョーコをものにしてしまったら蓮は更に落ち込むだろうな。

尚はモラルハラスメント。そして敦賀さんもDV一歩手前のモラハラ。
 

2022年6月26日日曜日

スキップ・ビート!31

2012年9月20日発売
(ACT.183 黒の息吹)
キョーコは電話で社長に、敦賀さんが、不安そうで一人でいると空気みたいに消えそうな表情をすると相談する。社長は事情を話すには蓮の許可が必要でできないけれど、アイツは今恐らく自分自身と闘っていて、勝とうとしている。アイツは納得しないだろうか必ず勝つ必要は無いんだ、引き分けでもいい、ただ負けるのはまずい。だからアイツが自分自身に潰されてしまわないように君が支えてやってくれ。君が思ったことをセツの言葉と行動で示してやってくれれば、それでいい。それでアイツが勝手に壁を乗り越えるから。蓮のためを思うならそれ以上の事は何もしてやるなと。

引き分けな状態というのは、今までのように完全に久遠の闇の部分も抑え込んでしまっているのではなく、それも久遠の性格の一部分なんだから、暴走して暴力的にならないようコントロールできる状態にするということでいいのかな。それにはストレスをためすぎない必要があるけど。

他に何か困ってることはないか?蓮の問題行動でと言われて、昨夜一晩中ベッドですがりつかれたことを思い出すが、気を取り直して敦賀さんの髪のハネがそこはかとなくゆるくなっている気がすると話をそらす。「最上君への荒療治計画がちっともうまく働かんじゃないか」と電話をきってから文句をつぶやく社長さん。

要は一石二鳥、二人を結びつけようとしていると考えていいのね社長さん。まあ久遠(蓮)は生まれたときから知ってるから、久遠のためではあるだろうけど。

B.Jの特殊メイクをしたカインは、共演者やスタッフを震撼させる。

一方社長さんと電話して安心したセッカは控え室で眠ってしまい、ふと気が付くと12時前、敦賀さんと別れて3時間は経過している。特殊メイクに1,2時間はかかるけど、今は撮影中のはず。昨日のDスタジオにいくと、村雨を締め上げたカインがセットの上にいて、怪我したスタッフもいる。

(スキップ・ビート!31-彼が非通知をやめた理由-)
非通知の電話にでて「プリン買ってこい」という尚とやりあうキョーコを見かけた蓮と社さん。(巻末へ)

(ACT.184 黒の息吹)
回想の中、アメリカ、ロシア、そして日本人?もはや人間ですらもないよな。そこに居るだけで僕達人間を不快にさせるしかできないお前は醜い奇形生物(ミュータント)だ、と久遠に投げつける(セドリックの?)言葉。

もはやスタジオの高台から落ちそうな、村雨さんは、カインを道連れに飛び降りる。下でマットを広げるスタッフは2人は無理と焦るが、直前に叫ぶセッカの声を聞いたカインは、村雨をマットに突き飛ばして、その反動でマットの外に身体を捻って脚から着地する。

カインの目の前にきたセッカは「大丈夫?」とはいったものの、カインの特殊メイクを「スッゴイ格好良い」といって携帯のカメラで撮り始める。そののんきな撮影風景に共演者もスタッフも呆然とする。

村雨は、今まではまだカインは本気じゃなかったんだと納得する。

控え室でお茶を入れるセツにカインは「訊かないのか」というが、「別にアタシ興味ないし」と。

「殺しちゃダメ-!!!」というセツの声があの阿鼻叫喚の中、カインの耳に届いたという。「おかげで命拾いした。ありがとう」と。

命拾いって・・・セツの声に我に返らなかったら、村雨を道連れにそのまま床にたたきつけられるつもりだったのかな。
敦賀さん、セツへの感謝の気持ちは素直に伝えたけど、もっとセツに心を開いて!でないとまた潰れてしまう。

(ACT.185 黒の息吹)
DARK MOON打ち上げの、大人美人キョーコの映像を見つけてしまった尚。思わず見惚れてしまって我に返り、美女の生き血をすすって美貌を保つ女吸血鬼みたいと思い直す。敦賀さんとのツーショットのインタビューに、まさかこの男の魂も性懲りもなくすすったんじゃないだろうなと、キョーコの留守電に「この妖怪魂ススリが-お前の名前は今日から妖怪七変化『魂ススリ』だ」と吽の仁王顔で入れるのを見つけた祥子さん。「キョーコならキョーコらしく地味にしてりゃいいものを」って、地味な女は興味ないくせに。

カインと同棲するホテルで、カインがお風呂に入っているところで、うっかり尚の留守電を訊いてしまったキョーコ。敦賀さんの携帯を発信者番号通知するように変えさせてしまったし、事務所の電話もナンバー通知するようにしてくれるって話なのにと慌てるが、今の敦賀さんはこの部屋でも役から離れたプライベートは話は一切しなくなったし、おしおきなんて今の敦賀さんにはそんな元気無いかもしれない。

しかし尚は何様のつもり。いずれにせよ敦賀さんはとっくに京子に魂をすすられているよ。いや嫉妬に狂う尚もすすられている。

今は夜中の0時22分。近衛監督が突然二人の部屋を訪問する。今日の事でちょっと話がしたいという。

村雨が言った「イギリス人が紳士だなんて一体誰が言ったんだ!!それともアンタは生粋のイギリス人じゃないからそんな風にクソなのか!?俺達日本人をそこまでバカにしてんならその身体に日本の血が混じってる事も当然アンタは否定してんだろ!!イギリス人にもなりきれねー日本人にもなりきれねーアンタは何様になってるつもりなんだ!!そこに居るだけで俺達全員を脅えさせる事しかできないアンタの存在はさながら本物の死神B.J、心を持たない冷たい殺人鬼た!!」カインの脳裏にまたセドリック?が蘇る。

昨日も今日も俺がマトモじゃないのは気付いてるはずだ。だけどあの娘は理由を訊かない。理由を訊かれたくない俺の気持ちを察してくれているのもあるんだろう。でも今日のあの娘は違う。兄さえ無事なら『理由』なんてとりわけどうでもいいセツの役に徹底したんだ。恥ずかしくないのかクオン。役を途中で放り出して暴走するなんて失態をそんなあの娘に見せつけて。思い出せよ。ただひたむきに演じることが好きだったときの事。やっぱり自分は芝居が好きだと改めて強く思ったときの事。父に褒められたこと、そして子供のキョーコに喜んでもらえたことなど走馬灯のように思い浮かべる。

まあカインの態度も悪いけど、飲みに行くかどうかは本人の勝手で強制するもんじゃないし、ここは村雨さんが悪い。

久遠が子供のキョーコちゃんの前で妖精を演じたのは、その頃まわりの悪意につぶれかけていた芝居への情熱を思い出すきっかけだったのね。でもその後は結局あまりにも周囲の悪意が大きすぎてつぶれてしまったけど。

(ACT.186 黒の息吹)
撮影現場での騒ぎの発端は、自分の歓迎会の飲み会へのお誘いを無視したことを村雨に咎められ、こんな片手で捻り潰せそうな小さな国の役者・スタッフ共と馴れ合って俺に一体どんなメリットが。と答えたことをセッカに説明する近衛監督。あの時のカイン・ヒールは本当に敦賀君だったのかと監督は疑問に思ったらしい。なぜならカイン・ヒールが混血というのは、イメージとしてつくったものだから。

セッカは、役作りは脚本に描かれていない背景まで掘り下げてやるものだと敦賀さんから教わったことを伝える。セッカが騒ぎの理由を訊かなかったのも『セツ』の役作りだからという。「たとえソレが誰が訊いても『兄』が悪いと言われる内容だったのだとしても、どうせアタシは端から兄さんの味方なんだから」と。

セッカ格好いい!このまま裏方なんてもったいない。撮影してもらいたい。2022年の「ライアー」で是非セッカ並みのクールな強い女の復活を。

そろそろ1時間になるので、バスルームからでてこない兄さんの様子を見てくるセッカ。ノックもせず風呂場のドアを開けるセッカに近衛監督はあわてる。バスルームで泡リョーシカをつくっているカインに、今日のアノ事で話がしたいって監督が部屋に来ていることを伝える。

泡風呂とはいえ立ち上がると・・・見えるはず。今回もキョーコは顔に視線を貼り付けてるように見える。視姦をする絶好のチャンスだったのに。

インスタントとコンビニ飯とファーストフードばかり思い浮かべている、社さんの食生活も、キョーコちゃんに少し指導をさせたい。

敦賀さんから京子はDARK MOONの未緒で、今度BOX"R"にも出ると聞いて驚く近衛監督。監督にはカイン・ヒールの役を作り込みすぎたと笑顔で説明する敦賀さん。

セッカは村雨の発言のうち”混血”は地雷ではなく「お前は本物の冷たい殺人鬼だ」のはずだと思う。
いや、キョーコちゃんは知らないけれど、久遠は混血で、それがかつてアメリカでの演劇仲間から冷たい扱いを受けた一因だから、これもまた地雷のはず。

(ACT.187 黒の息吹)
朝、テンさんの移動美容院まで迎えに来た社さんだが、学校に遅刻しそうなキョーコは食パンくわえたまま走って行ってしまう。「やはりそろそろ最上君にもマネージャーをつけてやるかなあ?すげェ男前の」と社長さん。ニコニコしながら「今の彼女の活躍ぶりと今後の事を考えてもマネージャーは必要でしょう」と敦賀さん。「イケメンで敏腕なら言う事無いじゃないですか。俺が社さんに担当してもらってこんなに幸せ者なんだから」と不自然に軽いトークをする蓮に、「悩んでるなら話くらい聞いてやる。その気になったらウチに来い」というサインを出すが、自分からは来ないだろうなとも思う。

学校に着くとなぜか七倉美森が敵意を向けてくる。キョーコの頭の中は、敦賀さんが昨夜監督と話してから不自然に機嫌がよく、似非紳士スマイルと似てる笑顔が溢れているのが気にかかって授業に集中できない。七倉美森が不破の話をしているのを耳にして、PVのとき憎しみに駆られて我を失って自分の感情が制御できなくて絶望感に打ちひしがれた自分を思い出し、もしかして敦賀さんも、自分の意識さえ乗っ取る程の強烈な負のエネルギーから生まれたもう一人の自分を心の中に飼っているんじゃないのかなと思う。”坊”内防諜した「俺はここで大切な存在は作れない」といっていたことも思い出す。

久々の七倉美森登場。それで尚のPVの時憎しみで我を失って絶望した自分を思い出して、蓮の現状を当てはめたのだから、この作者さんの構成力すごい。

しかしキョーコちゃん、学校に友達居ないのね。

社長さんの手も拒否、社さんにも心の内は見せない、キョーコは御守りなのは自覚してるけど、心を開いたわけじゃ無い、これでは敦賀さんまた壊れる。

しかし蓮の笑顔が作り笑顔だとわかるように描かれている作者さんの画力すごいな。

社さんを口説く敦賀さん楽しい。

(ACT.188 黒の息吹)
ここというのは「どこに居ても」という事だという。ということは自分には幸せになる資格が無いと言ってるようにも聞こえる。あの時の敦賀さんからは「自責」が感じられる。もしかして誰かが敦賀さんのせいで亡くなった?

社さんも蓮が無駄にさわやか笑顔で他人に悟られたくない感情をかくしていると感じる。俺から聞いた所で素顔に話してはしないんだろうなと。

休憩時間に同じCMで共演している貴島さんが、甘喜廊の抹茶小豆クリームあんの鯛焼きを味わって京子ちゃんにメールするという。打ち上げの二次会が終わった後、大原さんや逸美ちゃんとも既に交換してるって話したらメールアドレスを教えてくれたという。自分を口説いてきた男に、無防備すぎると一人悶絶する社さん。いやキョーコちゃんが応えなきゃ済む話だと安心したところで、貴島さんのキラキラメールを見て即帰ってきた返信はデコメールだった。見せてもらうと「大好き(抹茶と小豆のコラボが)」というところだけキラキラしている。もはや笑ってない蓮。

キョーコちゃんに助けられているとは自覚しても、前に進めない蓮を進ませるのは(この時はいい方向とは言いがたいけど)やはり嫉妬。

敦賀さんもキョーコちゃんかのメアド知らないのに「あの娘からデコメールなんてもらった事ないから興味あるなぁ」って、ダークムーンの打ち合わせの時の「社長から面倒を見るようにいわれている」とかよくいうよ。ナチュラルホラリストって、社さんの心中の突っ込みと葛藤面白すぎ。

突然メールを見て学校に行くという尚。

(スキップ・ビート!31-彼が非通知をやめた理由-)続き
「もしかし不破への恨みが消えていってるんじゃないのか」って、演技を復讐の道具に使うことに怒っていたのだからそれは喜ぶことでは、敦賀さん?
キョーコは、そんなことはないと必死で否定して、ナンバーは教えてないのにストーカーの如く調べ上げて非通知でかけてくるんですという。非通知電話に出ないと必然的に敦賀さんからの電話も無視することになるし事務所の電話にも出られないというキョーコ。

敦賀さんは自分の携帯の非通知をやめて、事務所もナンバー通知するように社長に進言する。28巻ACT.168で、カーアクションで意識を乗っ取られた後の敦賀さんに夜電話を折り返しもらっったときは既に通知がでてるんだけど、この前後関係は??

2022年6月23日木曜日

スキップ・ビート!30

2012年3月19日発売

(ACT.177 黒の息吹)
 3年前まで暴走族でケンカは慣れていた村雨だが、カイン・ヒールの瞳を思い出してビビる。

 セッカにさっき村雨を脅したとき楽しんでた?と聞かれてカインは「この野郎をどうやって生かさず殺さずこづき回して遊び尽くせる狩玩具(子ウサギ)にしてやろうかと考えてた」と。セッカはもっと自分も『常識』を取っ払わなきゃと思うが、腕時計のない右手首を押さえるカインに違和感を感じる。しかしカインはセッカに右手手袋をはずさせるとセッカの頬や頭をなでる。「意味も無く急にお前に触りたくなるのはいつでもどこでもお前が無駄に可愛・・」といいかけるカインを遮るセッカ。

 御守りを愛でる敦賀さん。キョーコを見つめる目が頼りなさげ。

 コンタクトを入れにお手洗いへいくカイン。部屋は「この撮影所で唯一お前と二人きりになれる貴重な密室。仕事を持ち込みたくない。」と歯の浮くセリフ。実際は常につけているコンタクトを外すと碧の瞳が現れるからだが。

 敦賀さんセッカと同棲して24時間コンタクトを入れっぱなしって、考えただけで目が痛くなる。

 2人の思いが通じてでも恋人づきあいはお預けの現在2022年、キョーコの存在が、過去を乗り越えるのにどれくらい助けになったかが通じれば、そこらのお色気や美人女優などに心惑わされる心配も杞憂だし、キョーコが「なんで自分なんだろう」と卑下する必要などないほど2人の絆が深まるのに。詳細は今は言えないと言えばキョーコちゃんは聞かないと思う。

(ACT.178 黒の息吹)
 かつて(たぶんセドリックとそれに追従する一味から)アメリカの演劇界から追い出されたことを思い出し、村雨をそれに重ねる蓮。

 撮影現場に現れたカイン・ヒールの迫力に、スタッフも共演者も恐怖を感じる。監督とプロデューサーの前川さん立ち会いでB.Jと光嗣との中盤の初対決を演じる。あいかわらずセッカに通訳させているカイン・ヒールに「本当は日本語喋れるクセに」という村雨。「気の毒にな」とぼそりといって立ち去るカイン・ヒールに、「いちいち聞かなければそんな答えもはじき出せないのか。お前の脳はエメンタールチーズよ良さそうだ良さそうだ。」と補足するセッカ。「すごいな・・・なんでなんでわかった、あんな一言一句違えずに」とカイン。それは誰に対しても温和な敦賀蓮に時にちくちく時にズバリと私がイヤミを言われてきた経験があるから。その体験を元にカイン・ヒールの思考と言葉におきかえてみただけ。つまりは私が特別敦賀さんに嫌われてたって証拠だもんねと思うキョーコのあたまをなでなでするカインにほっこりする。
1年前はあんなに嫌われてたのに。
光嗣vsB.Jの初対決はスタートがかかっても打ち合わせと違いカインは動かない。それに切れた村雨が棒を投げつけ、なぐりかかる。

(ACT.179 黒の息吹)
予想外の展開になりそうでドキドキするキョーコ。村雨の棒もパンチも華麗に避け、空中でナイフをだすB.J。村雨と対峙するとき微笑みが浮かんでいるのをキョーコも村雨も見る。そして村雨に向かってくる。村雨がナイフをもっていたはずのB.Jの右腕を押さえると、いつの間にかナイフは左手にもちかえられて首につきつけられている。そこに監督のストップが。

アイツはケンカ慣れした人間が何をされれば隙を作るか熟知していると思う村雨。

一方セツはB.Jは感情なんか存在しないのにあのとき笑ったことに違和感を感じる。敦賀さんもカイン・ヒールも芝居にはひたむきだから肩慣らしとは言え芝居を忘れるわけがないのに。

改めて思うけど、キョーコは本当に敦賀さんのことをよく見ている。

(ACT.180 黒の息吹)
 夢の中の回想では、今までいたぶってきた相手に切れて暴力を振るう久遠。相手が謝っても、もう相手に意識がなくなってもとまらない。そこにかけつけて止めようとするリックとティナ。

 真夜中の1:40に目が覚めた敦賀さんは、昼間セッカに「兄さんとB.Jって絶対的に相性が良いんだわ。魂がリンクするっていうの?」という言葉を思い出す。自分がB.Jを楽しんでるって「ムラサメに襲いかかる時笑ってたから」わかるという。

 闇を開放して,芝居を忘れ久遠だった自分に落ち込む。芝居が出来ない久遠なんてただの人殺しだと、ティナの罵りを思い出す。ふとカーチェイスの時に闇に陥った自分をすくい上げてくれたキョーコを思い出して振り返ると、ベッドにキョーコが居ない。

 午前2時、キョーコはいつも眠れないが、今日は敦賀さんの村雨に襲いかかるときの笑いが気になり、その後"魂"がリンクしているという指摘に呆然とする敦賀さんも気になり考え事をしながら40分も買い物にでていたキョーコが、ホテルの12階に戻ると廊下にシーツにくるまれてたちつくす敦賀さん。

う~む敦賀さんのマンションと違って、ワンフロアワンルームじゃないよね。真夜中の2時に外に出るのはキョーコちゃんくらいだろうけど、丑三つ時に頭からシーツかぶった男性が佇んでいて、万が一誰かドアを開けたりエレベーターからでてきたら、怖すぎる。

回想は時系列でないので、今一わかりにくいけど、鶏にブライアンと名付けて餌をやっていた久遠、キョーコと妖精ごっこをしていた久遠がこうなる。ブラックな久遠、演技なら格好いいんだけど、これは我慢のしすぎ。でも悪いのはティナを突き飛ばして逃げた奴であり、リックをひき逃げした奴だよ。

昨今のスマホ連載用の漫画は、縦スクロールで,見開きにレイアウトするようなコマ割りはない。それはそれで楽しんでるけど、やっぱりスキップ・ビート!のような迫力あるコマ割り大好き。セツに、村雨と対峙するとき笑っていたといわれて呆然とするカインとか、回想の荒んだ久遠のアップとか(格好いいけど怖いよ~)。

(ACT.181 黒の息吹)
空気みたいに消えてしまいそうな、震えて顔色の悪い冷えた身体の敦賀さんに「来い」と言われる。カインとセツになってから,ホテルで二人きりでもいつも英語で話していたのに、日本語で。抱きしめられ、ベッドで一晩中一睡も出来ないキョーコ。

敦賀さんに「来い」と言われたら、喜んですっ飛んでいきたいけど。♡

しかし敦賀さん「1人になるな」ではなくて「自分を一人にするな」でしょう。しかし純情乙女のキョーコちゃん、セッカ魂は抜けてるように見えるけど、こういうときに素直に敦賀さんの腕の中に行ってあげる気遣いが、素晴らしい。やっぱり最強の御守り。ACT.180-181の敦賀さんのさまざまな表情の描き方がすごい。茫然自失しているようだったり悲しそうだったり不安そうだったり。

(ACT.182 黒の息吹)
朝起きるとカイン・ヒールに戻った敦賀さん。

B.Jの特殊メークをする間、「俺なら大丈夫だから」とカインに言われて、控え室に戻ったセツは、気になって社さんに電話するが、お風呂からあわてて出てきて素手で電話に出た社さんは10秒で、クラッシュさせる。ためらいながら社長さんに「困ったときにはかけていいと」言われたことを反芻し、電話をする。

風呂上がりの社さんなかなかいい男!

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スキップ・ビート!目次

2022年6月14日火曜日

スキップ・ビート!29

2011年11月18日発売
(ACT.171 サイケデリック コーション)
実は素で敦賀さんに会うのが怖いキョーコ。誰にも侵入されないように心の深くに埋めた人を恋する気持ちを入れた箱の鍵は、バレンタインデーに頬チューをされたときから吹き飛ばされていた。ってキョーコちゃん人を愛する気持ちを取り戻すためのラブミー部では?素直に人を愛する気持ちを表現して、敦賀さんの心の壁をぶっ飛ばしていいんだけど、そうできないのは尚との傷のせいだろうね。かつて尚ちゃんに心底惚れていた真面目なキョーコの心の傷がわかる。
会場のホテル入口で高校の制服のまま佇むキョーコに声をかける貴島さん。役に入ってしまえばDARK MOONの最後の撮りの最後の招集でも、何度か『セツ』として会ったときも平気だったけど(ってB.Jの顔合わせはこのあとなんだけど、既にセツとして同居の練習をしてたの?)、仕事以外で敦賀さんとうっかり会って、自分が敦賀さんにうにゃにゃら仕掛けてるんじゃないかと敦賀さんに感付かれたらとても嫌。何が何でも慣れてしまわないと。
地震・雷・火事・敦賀・・・

キョーコが上の空でいるうちに、貴島さん費用持ちで、美人度大人度2倍増しで美容院でいじられて、服を調達して貰うことになってしまった。DARK MOONのロケ先で言われていた『2倍増しの大人美人』のキョーコちゃんを、蓮が神業で連れて行ってしまったので見られなかった好奇心を満たしたかったのだ。

できあがったキョーコちゃんは思わず貴島さんがCGと言ってしまったほどのできばえだった。「普段の京子ちゃんとも『未緒』とも全然違う。本当にすごく綺麗だ」と言われて、敦賀さんが「綺麗だ」といいかけたときに自分の鼓動を聞いてしまって、本能的に悟って予防線を引いたあの時とは全然違うと思うキョーコ。
ナツの容姿で会ったときに、敦賀さんが「綺麗だ」までいわないように意図的に遮った訳ね。キョーコちゃん、天然でスルーするようで居て、実は敦賀さんのこと、既に敏感に気が付いている。一方で光さんの気持ちや、貴島さんの下心にはまったく鈍感。キョーコちゃんって、ショータローもレイノも執着してるし、実はモテモテ。もっと自信を持ってといいたい。面倒な男ばかりだけど。

改めて、大人になったキョーコちゃんはほんとうに美人になると思う。いつになるかわからないけど、最終回とかで蓮とキョーコの美男美女カップルを見たい。

敦賀さんに頬チューされたときに「俺だって日本人相手なら誰にでもする訳じゃないんだから」の意味(=キョーコだから)もしっかりわかっていたのね。認めたくないだけで。

(ACT.172 サイケデリック コーション)
貴島さんと腕を組んでパーティ会場で出逢った蓮はなぜかキラキラ笑顔で怒っている。
インタビューの順番は、百瀬さん、大原さん、飯塚さん、そしてなぜか敦賀さんは自身の希望で4番目だという。

調子に乗った貴島さんからお付き合いを申し込まれて、あっさり受けるキョーコちゃん。実は真剣に受け止めてなかっただけだが。笑顔で他の女性軍と話をしている蓮だが、聞こえているはずなのにと青ざめる社さん。そしてなぜかつき合うことになってしまったことに今更ながらあわてるキョーコ。「私おつき合いとかできないんです。誓いを立ててしまっているので。生涯この純潔を命にかえて守り抜くって(二度目は無いって敦賀さんに言われてるのに誓いを破ったらどんなイジワルされるか)」

そこに蓮が声をかける。「インタビュー呼ばれてるって」と。なぜか今は怒っている空気を蓮から感じない。なぜ敦賀さんは自分と一緒に待機するのだろうかという気持ちが顔に出ているキョーコ。「俺も君と一緒にインタビュー受けることになってるんだよ。こういうの初めての君が何か粗相すると事務所の恥だからね。面倒見るように社長から仰せつかって来てるんだ」と。「そんな格好でのこのこ男と腕組んでやって来るなんて」「男が女性に洋服を贈るのはその女性をどうにかしたいという下心の表れでもあると言われてるんだから」「肩や腰も無防備に男に抱かせるものじゃない。もしかしたら押せばいけるかもとか相手に思わせてしまうだろ。そんなだからつき合ってくれとか言われて困ったことになるんだよ。最初の時も冗談だと思ってヘラヘラOKする君が悪い。」微妙に関係ないことで怒られていると疑問が湧いてきたキョーコ。「今後今回みたいな事でまた困るようなら誰に言うより真っ先に俺に言うんだよ?」敦賀さんがいきなり不機嫌だったおかげで、心配してた程無駄に意識しなくて済んでると思うキョーコは気を取り直して。「敦賀さん、それってつまり私をどうにかしたいって言ってます?」と切り返す。
いや敦賀さん、よくこんなホラをペラペラと吹ける。で、この時エジプト風像の中で社長さんがニヤニヤ聞いているはずなのが面白い。だから敦賀さん、社長さんに遊ばれるんだ。

(ACT.173 ワンダー・エモーション)
「俺は男らしく自分の口から出た言葉に責任を持たなきゃいけないよな。」といって夜の帝王のまなざしになって「今すぐどうにかしてあげようか」という。大慌てで「結構です 遠慮します、と下がって後ろのエジプト風置物を倒しそうになるキョーコ。「バカだな冗談に決まってるだろ。そんな真剣に狼狽えなくても歩く純情さんだってわかってるのに。君には何もしないよ。泣かれると困るからね」それは柔軟な精神を持った大人の女性なら『どうにかする』のも吝かでないと、それはそれで落ち込むキョーコ。こういうときだけどうしてキョーコちゃん言葉を素直に受け取るの!!それより蓮様、今すぐどうにかしてあげて!

敦賀さんにとっては私なんて子供過ぎて恋愛対象外なんだと、ガッカリいやホッとするキョーコ。

大人美人のキョーコと蓮が一緒にインタビューを受けているのをテレビで見て、その見た目の変化に驚く祥子さん。尚には見せられないと思う。
大人美人のキョーコと蓮様、本当にお似合いの2人。

翌日TBM前でキョーコと出逢った百瀬さん、妙に敦賀さんのことを棘のある言葉で表現するので「敦賀さんとのツーショット、すごくお似合いだったよ」とは言えなくて言葉を飲み込む。

(ACT.174 ダイアモンド・エモーション)
ローリィ社長に「俺は最上君にお前の面倒を見る様に頼む事はあっても、お前に最上君の面倒を見ろと命じた事など一度も無いぞ」と言われて、社長が、昨夜のキョーコが倒すところだったエジプト風置物の中に潜んで、キョーコとの会話を聞いていたのかと気が付いた蓮。

昨夜のキョーコの反応からして、まだ自分の思惑通りには進んでない。余程の男じゃ無い限りそうは落とせまい。なんたって相手は全身全霊で愛を拒絶し否定する難易度MAXのラスボス、ラブミー部員一号なんだからと思う社長さん。「ヒール兄妹の設定が設定だから欲望に負けてうっかり撫でる位に手をだすくらいなら俺は一行に構わんと思うぞ。ただし!!絶対一線は越えん様にな!」と。
ラブモンスター社長さんもずっと気づかないくらいの、キョーコちゃんの自分の恋心を隠す演技すばらしい。

あの時にリックではなくあの娘を選んだ。何があってもカインの心は守ってみせる。と心で思う蓮。いやカインの心だからこそ・・・この二人役が入るとけっこう突き進むのでは。

今朝の報道番組の京子ちゃん凄く綺麗だった、といいたいのに言えなかったシャイなブリッジロックのリーダー石橋光さん、『ナツ』の役作りの時も最近京子ちゃん綺麗だなって思ってたのにやっぱり言わなかったし・・・光さんなんという恥ずかしがりや。残念ながら脈はありそうにない。

(ACT.175 ヒール・シック)
撮影に初めてカイン・ヒールが加わる。主役の村雨さん曰く、かなり外国の映画は観てるけどカイン・ヒールなんて名前覚えてもいないし、どうせ超端役だろうね。と。

現れたカイン・ヒールは、人の一人や二人殺してそうな、まるでリアルB.J。通訳する傍らの女性は、パッと見はイカれた外見だが、よく見るとすごく可愛い、と村雨さんが思ったところでカイン・ヒールにガンを飛ばされる。

村雨さんも中2から17の夏あたりまで、ヤンチャしてて近畿では名の知れたそのスジの顔だったのに、素でビビる。

休憩時間に自動販売機前で彼女を見つけた村雨、最初ナンパしようかと思ったが、監督に「午後の撮影前に少しB.Jと絡んでもらいますね。」と言われたことを思い出し、「カイン・ヒールって一体どこの大道芸人だったったっけ?」とケンカをふっかける。

(ACT.176 ヒーローズ・ハイ)
「兄さんは二流なんかじゃない」とセツはペットボトルで村雨にビンタを浴びせる。「兄妹ってよりはどっちかっていうと似た者カップルなのかと思ってた」と言われて頬を染めるセツ。そこにカインが現れ「気やすく懐くとブチ殺すぞ」と日本語でガンを飛ばされる。

一方カイン・ヒールが日本語が出来ない設定は、通訳が必要というセッカの存在意義にもなると敦賀さんからの提案だったのにいいのかというキョーコには無言だが、キョーコに興味を持っている村雨に確実に『脅し』をかけておくなら日本語で言うのが得策だと思ったというのが真相。要はキョーコちゃんが絡めばいつでも暴露しちゃう敦賀さん。

アタシの英語っておかしくない?というキョーコ。別におかしい事はないが、おかしくない事もない(セツとしてなら)。元々丁寧な喋り方で耳ざわりはいいんだが、ふいに言いまわしが丁寧すぎる時がある。一流ホテルの従業員が客を相手に話してる様な。そのクソ丁寧な英語をどこで習ったんだと。もちろんお世話になった京都の一流旅館での接客英語だよね。ということは尚との過去に絡んでいる。敦賀さん見当がついてるでしょうに。でもキョーコちゃんが英語話せるのを、敦賀さんどの段階で知ったの?

そこに時間だと、けんか腰で呼びに来る村雨。

カイン・ヒールの正体を知ったときの皆の反応が見たい!

2022年6月12日日曜日

スキップ・ビート!28

2011年6月20日発売
(ACT.164 バイオレンス ミッション フェーズ8)
横断歩道側が青信号だが、通行を止めて、スタントマンの五十嵐さん(と美月役の百瀬さん)の車を追いかけて、嘉月の蓮の車がカーチェイスする。横断歩道で、向こうに母親を見つけた子供が走って出て、一緒に居たお婆さんも追いかけて走ってくるというありえない状況に、2台とも急ブレーキをかけてスピンしながら接触もせず見事に止まる。
しかしいくらなんでももっと一般の人が入れないようにしてないの?危険すぎる。・・と思ったけど、現実に西部警察のカーアクションで見物人に怪我させて、制作中止になってるか。あの時も俳優が運転していたようだし。
キョーコちゃん自分が出てるドラマなんだから、監督にちゃんと理由を言えば納得して貰えると思うよ。

ブレーキ音と見物人の悲鳴は隣の公園にいたBOX"R"の撮影現場にも聞こえた。近くでDARK MOONがカーアクションをしていると聞いたBOX"R"の安南監督は、真っ先に現場離脱して野次馬しにいく。躊躇するキョーコに「行ってくれば。現場の最高責任者が率先して離脱してるんだもの。ここで京子さんが野次馬しに行ったからって誰も怒る人なんか居ないと思うけど。」と天宮さん、共演の薪野さんや須藤さんも同調する。
15で親元をでて日本に来た敦賀さん、たぶん親元にいた頃にそのカーアクションの練習をしたのだろうけど、アメリカの運転免許は州によるけど、仮免許で14-5歳くらいから?クーさんと同乗して教わったのかな。それともヒズリ家には広大な私有地がある?まあクーはアクション俳優だから自分のカーアクションを練習する土地くらい持っててもおかしくないか。 

(ACT.165 バイオレンス ミッション フェーズ9)
飛び出してきた子供は急ブレーキでスピンしながら回避したものの、かつてリックを失った目の前でのひき逃げと、恋人のティナの罵りが蘇り、意識喪失状態の敦賀さん。かけつけたキョーコは、路上でカインが怒りにわれをわすれたあと呆然としていたときの顔と同じ瞳をしていると気が付く。

(ACT.166 バイオレンス ミッション フェーズ9.5)
緒方監督を始めとして誰が声をかけても茫然自失していた敦賀さん。キョーコが冷たくなった敦賀さんの手を握り呼びかけると、現実に戻り、ふっと微笑んで「ちゃんと聞こえてるよ」という。
敦賀さんを闇から引き上げるキョーコちゃんのこのシーン好き。やっぱキョーコちゃんはこの漫画のヒロインだよね。まわりの人ももう二人の結びつきに気づいたのでは?

リックのひき逃げによる死は、回想として断片的にしか出てこないけど、久遠が直接死に追いやったのではないから、そこまで自分を責めなくてもいいと思うけど。ただ15歳で日本に来ているわけだからその前にこの事件が生じたんだよね。ちょっとショックが大きいかな。ただティナの言葉の呪縛は大きいかな。だから46巻ACT.285でティナも大切な人が出来て前向きに人生を進んでいるから、もう一度ティナにあえば、蓮の自責の念も少し軽くなるよ。

(ACT.167 バイオレンス ミッション フェーズ10)
念のため病院で検査を受けて待っている間に、蓮はリックの事件の時は社長が日本に連れてきてチャンスをくれて助けられたこと、今回はキョーコちゃんの声で引き戻されたことなど思い出す。

社長の「あの娘はいわば魔除けだ。お前が自力じゃ身動きできない状況に陥った時、彼女がそこからお前を連れ出してくれる。御守りだ。最強の」という言葉を思い出す。もしかしてこういう意味だったのだろうかと。B.Jを演るにはずっと封印してきた『クオン』を開放しなければいけないので、自分がクオンの感情に引きずられて敦賀蓮側に帰って来られなくなるんじゃないかと予想したのかと。

カーチェイスの撮り直しについては、緒方監督からの提案『スタントマンを使う』は明らかに蓮のポリシーに反するのに、「今夜一晩考えさせてください」と言葉を濁す蓮。社さんは、蓮があの程度のトラブルでビビるわけはないと知っているが、「どんな理由があるにせよ迷いがあるなら止めといた方がいい。失敗は必ずするものだからな」と。
この時の社さん本当に格好いい。理由は聞かないけど社さんもまた蓮がコントロールできない闇を抱えていることを察している。
マンションで一人、無自覚に覚醒したクオンを自力で制御する自身がないと悩む蓮。再び社長に言った「あの子がそばにいると忘れてしまいそうになるんです。俺が忘れては生きていけないものを」という言葉を思い出しながら2時13分(2時16分頃に見えるが・・・)で止まっている腕時計を眺め、「俺にとったら両方重大なんだ。それでもどちらか一方を選ばないといけないとしたら」
この蓮の二者択一の発想、もう少し柔軟になる日が、この話の終わるときかな。選ぶ必要はないんだけどな。
そこにキョーコちゃんからの着信。出ることが出来ずに腕時計を押さえたまま、携帯のバイブレーションを見つめる蓮。
頭に浮かんだのはリックに謝る自分の姿。「俺は自分の人生を自分のために生きられない奴が大嫌いだ。時間は無限じゃないんだよ。立ち止まって悩む暇があったらまず動け。俺に悪いと思うなら、立て、クオン」
これは蓮の頭の中の反映かな。ならば少しは前に進もうという自覚があるのか。
敦賀さんにもう一度かけようかとキョーコは悩むが、病院に付き添った社さんに様子を聞こうと、折りたたみ式携帯を開いたところで、敦賀さんからの着信が。ガラケーだ!で、ここから非通知じゃなくなったのね。非通知じゃなくなった説明は先の31巻の最後で説明されてるけど。

(ACT.168 バイオレンス ミッション フェーズ10.5)
敦賀さんのマンションと地下でつながる、隣接したセレブ向けスーパーで二人でお買い物。電話で敦賀さんが「マウイオムライスが食べたいなあ」という話だったので、てっきり自分が作るものと思っていたら、自分でワイルドに料理を始めた。できあがったのは冷凍エビ、鳥肉、ダイナミックに切った野菜、ご飯に黄砂で霞むほどかけた塩・コショウを、ほとんどスクランブルエッグの卵で包んだいや押し固めたオムライス。キョーコちゃんの役割は、敦賀さんのラッキーナンバー8をケチャップを書くということだ。

味は殺人的な、いや『おりじなりてぃに富んでいてふぁんたじっく』な大盛りオムライスを「マウイ(=まずい)」といいながらひたすら食べる二人。「最上さんは無理しなくて残していいよ」とはいわれたが、敦賀さんが何かと闘ってるみたいに食べるので、傍観できなくて一緒に攻略するキョーコ。
敦賀さん、本気で料理をすれば、何事もそつなくこなすんだから、出来ると思う。ただ、IHに見えるけど、炒め物はしにくいよね。特に大量に炒めるとひょっとして冷凍エビとか鶏肉とか生だったりして・・・だいたい鶏肉を手でちぎるの!

(ACT.169 バイオレンス ミッション フェーズ11)
<回想>
チキンには臆病者という意味がある。「コレはお前だ」とクオンに言うリック。そのチキンにブライアンという名前をつけ餌をやるクオン。「そんなチキン野郎はお前自身の手で縊り殺して叩き潰して噛み砕いて、チキンなお前と一緒にクソにかえて全部だしちまえ」と。「お前がそんな風に優し・・情けないから奴らがどんどんつけ上がるんだ。どつき合えばお前の敵じゃないだろうってのに」「お前が何か問題起こしたら親父と母親の迷惑になる。それが嫌で何に対してもお前が耐え忍んでる。このまま芝居ができなくなっても、自分の生きていける場所を奪われ続けてもいいのか」
それは・・・両親が気づいてあげなくては。クーもジュリもクオンを溺愛しているけど、そういった面は気が利かなかったのかな。まあある程度の歳になると、親よりも周囲の友達とかの影響の方が大きくなるから、いい家庭でも問題を起こすことはあるのだけど。

結局ブライアンを潰して、クーの真似をしてつくったはずの殺人的な料理「オムライス」をつくる。「凶悪チキン」料理を「強力チキン」料理に変えるには、惚れた女に「あなたはできる」「絶対勝てる」と魔法をかけてもらえばいいとリックは言う。しかし次々とつきあった女の子に振られて相手が今はいないクオン。やる事はやってて、あんまりソッチに対しては不満をぶつけられる事はないのになんでかフラれると。そこで教えてもらったのはケチャップで書いたRELUCKという文字。

殺人的オムライスを全部平らげて瀕死の敦賀さん。キョーコは消化剤を貰ったが、敦賀さんは自力で消化しないと『負ける』気がするという。

キョーコが洗い物にいって一人になった蓮は「あの子が傍に居るとリックの存在を忘れそうだと怯える自分。だけど自分の闇に翻弄されないためにはあの子が必要で、どちらも選べないと逃げる自分に勢いが欲しかった。自分の行きたいと思う道を突き進める、躊躇わない勢いと陰らない意志が欲しかった。B.Jを演り遂げたい。自分に勝たなきゃいけない」と。

キョーコが「プリンセスローザの魔法の力で、自分は『ナツ』になると大人っぽいとか美人とか奇跡の言葉をもらえるようになった」といいかけてバッサリ否定されるキョーコ(つまりナツになると魔法ではなくてほんとうにキョーコは大人っぽくて美人だと敦賀さんはいってるんだけど、スルーするキョーコちゃん)

「プリンセスローザ様が傍に居ると負ける気がしないんです。どんなに弱気になって不可能に思える事も可能にしてくれるんです。だから敦賀さんにもできるはずです。」「惚れた女に魔法をかけてもらうだけだから」というリックの言葉が頭をよぎる。「騙されたと思って一緒に居てみませんか」「そうだね居ようか」とプリンセスローザ様を差し出すキョーコの手を包む敦賀さん。
惚れた女に魔法をかけてもらうって、もう敦賀さん、ここまで自覚しているのになんでつき合わないの!!

(ACT.170 バイオレンス ミッション フェーズ12)
大ヒットしたDARK MOONの打ち上げパーティは大がかりなものとなった。ゲリラ参加しないでくださいよと椹さんに釘をさされるローリィ社長。
敦賀さんに惹かれている自分の心を封じ込めたくてパーティが憂鬱なキョーコだが、奏江には着ている服がなくて悩んでいることにする。パーティ自体に出るのが嫌だとほとんど見抜かれていたが。 
ここで蓮様、自分がキョーコちゃんにドレスをプレゼントすれば、後ほどの貴島さんとのあれこれがなくて済んだのに。
しかし普通に恋していいのに、ここまで傷を負わせた尚は酷い男だ。

2022年6月6日月曜日

スキップ・ビート! 27

2011年2月18日発売
(ACT. 157 バイオレンス ミッション フェーズ4)
雪花がちょっとふざけて悪魔の衣装一式70万円が欲しいと言えば、サラリと「一式もらう」というカイン兄さん。高いとか実用的じゃないとかいって宥め賺して説得して欲しかったのにとあわてて「兄さんを困らせてみたかっただけ」というと、思い切りほっぺたを引っ張られる。ジャレ合いはこれくらにして、と渡されたのが足首まであるパンツ。上着の下にインナーも着せられる。穿き心地も良くて動きやすい。極短スカートじゃ見られてもいいインナー着用でも動き辛いなって思ってた。
女性の服が、サイズとかデザインとかすぐにわかるの・・・敦賀さん。いやキョーコちゃんに服を贈りたいというのが願望だったからかな。
こういうのちょっと欲しかったのというと、多分そう言うだろうと思って先にもう10本ほど買っておいたと。一本18000円のパンツなのに。「俺が稼いだ金を俺がどう使おうとかってだろう」
敦賀さん、キョーコに思う存分服を買って磨き立てたかったのが実現して浮かれてる。雪花仕様の服に限られるのが残念だろうけど。ほんとうはキョーコちゃんを思うように仕立て上げたい願望があったのよね。
仕事以外で感じる事ができる楽しみをお前は俺から取り上げるのか?と捨てられた子犬のような顔でいう。さまざまな甘えた顔のカイン兄さんに悶えるセッカ。久遠を演じたときに感じた、芝居を生きる楽しさを思い出す。結局パンツは3本にして残りはお店に返してくることになった。カイン兄さんがお店に戻っている間に不良グループにからまれるセッカ。アタシと遊びたいならアタシの貸し出し許可をとってみてからにしてくれる?そこにいるアタシの大事な人にと、不穏な空気を漂わせて立つカインを示す。

(ACT.158 バイオレンス ミッション フェーズ5)
からむ不良グループを無視して、セッカに手を貸し「行くぞ」というと、いきなり後ろから殴りかかるカズ君と呼ばれた男。軽くかわして鋭い目で振り返るカイン。スイッチが入ったカズ君は両手にナックルをはめてパンチを打つが、軽くかわすカイン。セツ霊が抜けて呆然とするキョーコ。既に周囲の注目を集めている。暴力事件になったらカイン・ヒールの正体が敦賀さんだってバレて映画のプロジェクトが台無しになってしまう。今バレなくても映画公開後カイン・ヒールの総てが明らかにされた時、敦賀さんが一般人に一度でも手をあげてしまったらバッシングされる、私があんな事言わないで自分で断るなり逃げるなりしておけばと思うキョーコ。カズ君のパンチもキックもカインにすべてかわされるが、このままではカズ君が消耗すると仲間が応援に手をだそうと杖をだして寄っていく。突然ナイフを出すカズ君だが再びかわされる。近づいて杖で殴りかかる仲間たちに「兄さんうしろ!!」と叫ぶキョーコ。二人をかわしたものの、一人の男の杖をねじ伏せようとするセッカが目に入る。振り切られキョーコは地面に転げる。ナイフを持って更に追いかけて攻撃するカズ君を躱し、反動でカズ君は転げて後頭部を地面で打つ。完全にスイッチが入ったカイン。

(ACT.159 バイオレンス ミッション フェーズ5.5)
突如カインの雰囲気が変わり、殺人鬼ブラックジャックのごと杖を振り回す男に向かっていく。敦賀さんの意識が完全にB.Jに乗っ取られていると思ったキョーコは、相手を追い詰め杖を掴み杖ごと引いたところで「兄さん、殺しちゃダメ!!」と叫ぶ。その瞬間血まみれのリックを抱く「人殺し」と叫ぶティナが敦賀さんの頭に浮かび、男を殴ろうとした手を空振りさせる。その敦賀さんの腕に引っかかって投げ出されて壁に後頭部をぶつける男。呆然とする敦賀さんに声をかけるキョーコだが、ハッとしてキョーコを見た敦賀さんは「俺は誰だ」という。「今俺の中に黒の魔物が。はまだヤツに捕らわれてるか セツ」意味はわからないながら「カイン・ヒール アタシの大事な可愛いドジっ子兄さんよ」と笑うキョーコ。

(ACT.160 バイオレンス ミッション フェーズ6)
ホテルに戻り風呂に入る敦賀さん。あのあと「助かったセツ。危うくあの男の顔面を片側粉砕する所だった。どんな事情があったにせよ、俺達のような業界の人間が暴力をふるえば問題になる。もう少しで映画のプロジェクト自体をぶち壊す事になったかもしれない。我に返った途端ゾッとした。ありがとうな 止めてくれて」

シャワーを出したまま、2時13分で止まったままの右手の腕時計を押さえて茫然自失の敦賀さん。シャワーが長いので寝ちゃってるのではと心配した「兄さん!!」とドアを開け、カーテンをひく。
バスルームで寝るなんてファブルかいな。それにまず声をかけてしばらくして返事がなければドアを開け、カーテンの向こうから更に声をかけるべきでは。だいたいホントに寝てたらどうするつもりだったのだろうか。
敦賀さんがシャワーを浴びていたので思わず顔に視線を固定させるキョーコ。「なんだ一緒に入るのか?」と敦賀さん。仲居魂でにっこり笑顔をつくり「料理中じゃない時ならぜひ。どうぞごゆっくり心ゆくまでご堪能くださいませ」と。
シャワー室の外で悶えるキョーコ。チカン行為を働いてしまったことと、よく考えるとこんなハプニングでもない限り二度とみられないはずの敦賀さんの生肌を上から下まで拝見できたのに、顔に視線を固定して見てないこともにも。敦賀さん人形の身体をもっと本物にできたのに(いやどこを寸分違わぬ本物にしたかったのよ・・)

シャワーからでてきてそのままベッドに入った敦賀さんに、スープくらいは飲んどいてよねと言ってお風呂に入るキョーコ。冷静を装ったが、シャワー室のドアを閉めてから思わず座り込む。敦賀さんの腕時計があるのに気が付くキョーコ。芝居で私物は使わないタイプの役者なのに、まだ映画撮影じゃないからかなと考える。2時13分で止まっているのに気が付く。
敦賀さんのシーツに丸まった寝姿、自分の部屋のベッドの場面ではそういう寝方はしてないから、キョーコちゃんの下着姿とか見ないようにしてるのね。

(ACT.161 バイオレンス ミッション フェーズ6.5)
一方キョーコの言ったとおりスープを飲もうかと思って起き上がった敦賀さんは、腕時計をシャワー室に忘れてきたことに気が付く。実はキョーコがあまりにも冷静に切り返してきたことがショックだったのだ。たとえ演技の最中でもあの子ならもっと動揺すると思っていたけど、これはもう異性として意識されていないと凹む。そして腕時計の存在を忘れるのはまずいと思う。

お風呂上がりに何を着たらいいか悩むキョーコ。バスローブはどうもセツっぽくないけど、元来ていた服はくつろげないし、一番セツっぽいのはテンさんが用意したエロカワキャミとエロカワショーツだけだけど恥ずかしい。結局、敦賀さんでさえ私物の腕時計を使ってたのだから、下だけ今まで穿いていたロングパンツで出ていくことにしたが、カイン兄さんはすでにシーツにくるまっていた。

明日敦賀さんは何時から仕事なのだろうと社さんに電話すると、一週間後にはカイン・ヒールとしての極秘の二重生活が始まるので、バレるリスクは避けておきたいと妙に歯切れが悪い。「もしかして社さん、私が今敦賀さんいえカイン・ヒールの妹を演ってる事ご存じないんでしょうか」というと異様に興奮して、明日の朝8時にホテルの地下駐車場にミス・ウッズが出張美容室の準備してくれてるはずで、朝10時にDARK MOONの現場入りだと。

翌朝極悪非道ブローカ風の社長が「兄妹仲は深まったかと嬉しそうに聞く」が、妙に蓮は沈んでいる。「やはり俺には必要ありません。御守りは。」
とても不吉な予感がするという蓮の心の声は、キョーコちゃんといると手枷を忘れて久遠の闇に落ちるということ?でもそのための御守りでは?

(ACT. 162 バイオレンス ミッション フェーズ7)
社長に「バケの兄皮がはがれそうで怖いのか?お前の理性のヒモは枯れた輪ゴムか」とイジられる。「あの子がそばにいると忘れてしまいそうになるんです。俺が忘れては生きていけないものを」
この言葉がよくわからない。「俺が忘れて生きてはいけないものを」では?誤植かな???過去の過ちは忘れられたらむしろ生きやすくなるはずだけど。
要するに、自分には幸せになる資格がないという気持ちを忘れて、キョーコちゃんとの幸せを求めてしまいそうだということ?
セツとの同居を画策する社長さんは、蓮に自分の過去を消化して、前向きに生きて欲しかった??
意外にも社さんはキョーコちゃんと一緒に暮らすことをいじってこない。社長との会話を思い出して自分の中に沈む蓮に、「大丈夫か?もしかして夕べ眠れてないのかな。ホテルの狭い部屋で好きな女の子と二人っきり。同じ男として俺は同情で涙を禁じ得ないよ。映画は『ヒール兄妹』で出る訳じゃない。ラブミー部として受けた仕事らしいからキョーコちゃんにも妹としての報酬は発生してない。今ここで妹の存在がリセットされても誰にも迷惑はかからない。正直キョーコちゃんへの私的な感情は抜きにして、現在の状況を少しでもお前が精神的にキツいと思うなら、それも考えた方がいいんじゃないのか?」

再び社長さんの言ったことが頭をよぎる。「最上君へのクビ宣告はお前がしろよ。俺ぁお前にはあの娘が必要だと思ってるし。だが最後の選択権はお前にやる。気を遣った綺麗な理由並べたってあの娘は納得しないだろうからお前の本音をそのままズバリ言ってやれ。『君に俺は必要価値を感じる事が出来ない。もうお来なくていい』ってな。」
今のあの子との状況が俺は嫌なわけじゃないんだから。自信がない。次はちゃんと繋ぎ止めておけるのか。暴走する前に。手枷が外れ自由になった自分自身を。

このヒール兄妹の日々で蓮の闇もかなり見て、キョーコちゃんの蓮への理解も深まったし、二人の絆も深まったわけだけど、好意を抱いている娘をホテルの同じ部屋で暮らさせるという社長さん、なかなか大胆。

DARK MOONの撮影は公道で交通を止めて、最終回の蓮のカーチェイス。一方キョーコは隣のショッピングセンターでBOX"R"の撮影が終わって、天宮さんと次の撮影地、隣接する公園へ移動の途中「どうして京子さんは誰にも気づかれないのかしら、ダークムーンのヒットで顔も名前も売れてるはず」と言われる。「まわりの人の目には今の私って『京子』でも『未緒』ない別人に映っててそれこそまだ世に出ていない無名の新人なんだと思います。」というと「不死蝶(フェアリー)」とつぶやく天宮さん。自分のこととは思わず、血眼で探すキョーコ。彼方に人が集まっている。敦賀蓮がDARK MOON撮影中のようだ。

(ACT.163 バイオレンス ミッション フェーズ7.5)
そんなキョーコの後ろ姿に、天宮さんは心の師Mr.D(実はトラおじさま)が探しているという、『役柄』という命を吹き込まれれば何度でも姿を変え生まれ変わる『不死身の蝶』を感じる。
キャッキャいう観客女子に、なんで同じ役者相手に!冗談じゃない。とスタスタいく天宮さん。天宮さんって敦賀さんにもうにゃうにゃしない珍品女子。モー子さんと似てる。キョーコちゃんの親友はみんなこんな人でいいねえ。
交通整理待ちでロケバスに戻った敦賀さんに一言声をかけにいくキョーコちゃん。カリスマ女子高生で大人美人のナツの容姿を見て、敦賀さんも社さんも、DAKR MOONの共演者もスタッフも驚く。今まで食指を動かさなかったチャラい貴島さんが立ち上がった様子をみて即キョーコちゃんを連れて瞬間移動する敦賀さん。その危機管理能力に戦慄する社さん。

キョーコの胸元のプリンセスローザを見て似合ってるねと敦賀さん。自分が贈った宝石をキョーコが身につけているのを見て敦賀さん嬉しそう。「役に合わせてそうやって変身できるのは80%君の持って生まれた実力だと思う」と。「本当に(綺麗だ)」と言いかけたところでキョーコに言葉をぶった切られる。カーアクションを自分でするという敦賀さんに「御守り渡すって事は何か危険な目に遭うって前提みたいじゃないですか。御守りなんかいらないじゃないですか。それでも気はつけてくださいね」とキョーコ。思わず顔がゆるんで手がでそうになった敦賀さんだが、そこに天宮さんが迎えにくる。
敦賀さん、こういうところは素直にキョーコを賛辞する。遮るキョーコは既にかなり敦賀さんに傾いている。

「あの娘はな、いわば魔除けだ。お前が自力じゃ身動きできない状況に陥った時彼女がそこからお前を連れ出してくれる御守りだ。最強のな」といった社長を思い出す。食事事情やカイン・ヒールの正体を隠し通すことへの喩えとしては少し大袈裟だけど、社長には何か他『前提』があったのかと思う敦賀さん。

ロケ現場にたどり着いたキョーコのプリンセス・ローザの首飾りがはずれる。
敦賀さんプリンセス・ローザをバラの花に仕込むために生石の形にしたのだろうけど(さすがに花の中からペンダントが出てきたらおかしい)その後どうするつもりだったのだろう。「気に入っているようだから、知り合いにペンダントに加工してくれる人が居るから」ってな感じで申し出るつもりだったのかな。まさかキョーコちゃんが自分で加工するとは思ってなかっただろうから。しかし値段は知らないけどたぶんすごく高価な宝石を、自分で加工するとは、恐れ多い。