2023年1月28日土曜日

スキップ・ビート!45

(2020年5月20日)
(ACT.272 番狂わせ-当日-)
 キョーコがモー子さんの英語の練習相手になる話を椹主任や松島主任も立ち会う場で決まる。この映画には有名な俳優の名前が出ていて、彼の名前がでたら主役に決まっているという。いわゆる芸能一家で、両親とも俳優で、祖父がビッグな芸能プロモーターミスターデュリスすなわちグレイトフルパーティで出会った「トラおじ様」だという。Mr.デュリスに育てられた人間は必ず大成するので「勝利者の父」と言われているときいて、天宮さんがいっていた人だと気がつく。くだんの俳優の名前はセドリック・D・ベネットと聞いて森住さんの想い人だと、終了後キョーコはモー子さんにいう。敦賀さんの想い人が森住仁子だというのは間違いというか、もう終わった話だというのは、モー子さんも理解していて、思わず「でも(未成年で学生で歳の差が4つあることに)頑なにこだわってて自分の気持ちを抑える努力とかしてたのに、あんな」といいかけてやめたキョーコに「あんな妖艶とはこうだと体現した様な大人の女性に流れるなんて、所詮あんたも下半身が本体のただの雄猿だった訳!!だまされたわ!!」と続けるモー子さん。「あやふやにぼかしておいた醜い気持ちを的確に形にしないで」と耳を塞ぐキョーコ。

そこにあらわれた蓮と社さん。

「最上さん、ちょっといいかな、話があるんだけど。」という蓮に、「私今とても忙しいので」と走って逃げる。追いかけようとする蓮を壁に脚を出して遮るモー子さん」

モー子さん格好いい!!敦賀さんにこんなことできるのはモー子さんしかいないだろうね。モー子さんもある程度キョーコの気持ちに気が付いてる??キョーコがまあ蓮を神聖化しているのはわかっているだろうけど。

セドリックの両親も俳優なのか。となると、ずっと後で出てくるけど蓮の母のジュリエナが、一族とうまくいってないわけをますます知りたくなる。久遠がアメリカ芸能界で辛い思いをしたのもそれが一因かも。

(ACT.273 DISASTER-広がる水紋-)
モー子さんは蓮に、自分はキョーコの家庭環境も芸能界に入った経緯も知っていて、キョーコはこれまで必要以上に他人に感情を振り回されてきた。あなたまであの子を裏切るような行為だけは辞めてもらえます?と。裏切るという意味を聞き返す蓮に、あの子あなたを無駄に神格化しているので。ファンの期待に応えるのも芸能人としての務めでしょう?誰と恋愛してくれても結構ですけど、もっとスマートにバレない様にやってもらえますか。みっともない敦賀蓮なんてあの子は見たくないと思うので。「肝に銘じとくよ」と困った顔をして答える蓮。
モー子さんすごく格好いいけど、蓮はこのモー子さんの言うことを今後二人の気持ちが通じてもわかっていると思えないけどな。モー子さんはキョーコが傷つくのが許せないんだよね。カインだったときにいった「もう二度と今夜みたいに、らしくないことをしてお前を失望させる様な真似はしない。俺のこの人生を終えるまで”お前の俺”で生きてやる」(33巻ACT.196)といったのを忘れたのか!!!まあこれは「この先もお前がずっと俺を見ていてくれるなら」という条件つきで、その点に不安を感じた蓮があの朝の喧嘩になったわけだけど。

社長は蓮がプロジェクトを承知したことを電話でミスターデュリスに伝える。蓮のこれまでの努力が全部水の泡になるから、蓮の手助けになるような真似はするなと釘をさして。マリアを例に出して、「『グランパ』」と呼んでもらえない切なさを知ってるからな」とデュリス。要はミスターデュリスは久遠の祖父。ということはセドリックと久遠は従姉妹。どちら側の祖父かはわからないけど(外見からするとジュリエナの父か?)「蓮がそっちでデビューするまでの辛抱だ。その後は存分に本領を発揮して蓮を一流役者だけが昇る事を許される高みに押し上げてやってくれ。得意だろう?勝利者の父」「もちろん。今度こそあの子を守ってみせる。この私が。あの子を誰にも傷つけさせない」

敦賀さんがキョーコのことを好きなのはほぼ確信していた奏江だが、誤解を解くことも言い訳もしない蓮は不可解で、蓮の言い方からするとこれからはヘタを打たない様、綺麗に異性交遊しますということだけど、それにしては訳ありなんですみたいな表情が気になると思う。キョーコに「例の報道の件、否定しなかった」とメールする。

肯定もしてないよ!ホントに敦賀さんめんどくさい。

自分は敦賀さんの相手が、森住さんなんかじゃなくても誰だろうと納得できないんだ。あの場にいた全員が「彼女なら仕方ない」と認めざるを得ない完璧な女性でも。それを思い知ったキョーコ。敦賀さんが”大切な女性”を得て”幸せ”になる事に、どんなに臆病になってるか知ってるくせに。

(ACT.274 DISASTER-轟く渦動-)
深い事情は知らないけれど確実に敦賀さんの心の奥には誰にも癒やせない深い傷があって、「俺には幸せになる資格なんて無いんだ」と思っている。その”自分の幸せ”に後ろ向きだった敦賀さんが”大切な女性”を作った。つまりそれは敦賀さんが”自責”という生き地獄から解放されたという事に他ならない。とキョーコの想い。

翌日キョーコは坊の撮影を済ませた後、そのままのかっこうでTBMのロビーを歩いていると、敦賀さんとばったり出会う。思わず逃げようとするキョーコを捕まえて「君も例の報道の事で俺を軽蔑してるんだろうけど、君まで逃げるように拒絶しないでくれないか」自分が坊の着ぐるみのままであることを思い出すキョーコ。「俺などイヤミをぶつけ様にも地上の人間には目視できないスペースデブリ、宇宙のゴミ屑に値するとでも?」

坊を相手にすると本当に表情豊かになるのね。今まで落ち込んだ姿も見せられなかったのに。だけど、着ぐるみの中の人が同じだということを敦賀さん前提にしてるだけど・・まあ思わず逃げようとしたから、自分が坊にかつて告白したことと報道で言われていることが全く一致してないから軽蔑されたと思ったのかな。しかしキョーコは思い切り引き留められないのに、坊は肩を思いっきりギギュームと擬音がでるくらい掴んで引き留めるのね。

しかし本来はキョーコと話をすべきなのに、敦賀さん本当に面倒な男。
「敦賀君は嘘つきだし最低だと思うけど、そこまで蔑んでないよ!!前に言ってた話と違うじゃん。何?クチ先ペラ男かよ。見損なったぞ敦賀蓮って思った程度で」
キョーコちゃんも、これ、蓮にぶつけたら。蓮が好きなことは置いといても、自分と尚がキスしたらあんなことを言われたのに、自分は何さ!!って。

まわりの注目を集めていることに気が付いて、いつもの倉庫にいく二人。

社さんの「蓮くんの心が鋼仕掛で本当に良かったぁ」というのは、蓮の気持ちを理解してない。それがうわべだけだって今までも見てきたはず。

「日本男子が選ぶ理想の嫁と結婚を前提におつき合いしてて何をそんなにへコんでるのさ。美男美女大人同士のカップルでお似合いじゃないか!!君しっかりしてる様でメンタルソフティーな部分あるからさ。歳上の女性にしっかり支えてもらってすっぽり包み込んでもらうの!!良いと思うよ!!日本国民全員が同じ事思ってるよ。君達ベストパートナーだって」キョーコは大切な人は作れないと言っていた蓮のことを思い出して、決死の思いで出した言葉だったが、蓮はちっとも喜ばなかった。「三歩歩いたら物事全部忘れるんだよな?」と念を押す蓮に「まぁご希望とあれば・・」と。「正直男として恥ずかしい内容だからこの事は墓まで持って行くつもりでいたんだけど、恋愛劇の優秀な捨て駒として女性に利用されたって聞いたらさすがに情けない男のレッテルを貼られないか。つまり意中の人物とうまくまとまりたい楠香凪さんに俺は恋のスパイスとして利用された。一般的に平たく言うと要は『当て馬』?」
まあキョーコちゃんの気持ちをしらないからしょうがないけど、恋のスパイスとして利用されたのは、それだけ”優秀な”捨て駒だからで、そんなに不名誉でもないのでは?それよりキョーコにこのことを言えばいいのに。蓮はいい顔をしすぎ。どうでも良さそうな風をしていて『ゴージャスター』とか『抱かれたい男No.1』とかに、実はプライドを持ち過ぎじゃん。

香凪さんの相手はどう思っているのか知らないけれど、当て馬とキスしているところを報道されたら、私だったらいやだな。

あと香凪さんは、蓮にも相手がいるかもしれないとは考えなかったのかな。それとも、もしいるなら、自分の相手は女性だけだって事を蓮は知ってるから言い訳できると思っている?まあ知られているからとはいえ、香凪さん、蓮のことをあまりにも軽く見てないか。

しかしキョーコ、「君の口から出て来る話は漏れなく恥ずかしい内容だったろ。何だい今更」とか坊の時の蓮との素直なつっこみをキョーコでもやれるといいのだけど。これは蓮もだけど。

(ACT.275 DISASTER-災異迫近-)
「彼女にとったら俺は最高に好物件だったんだと思うよ。うっかり俺に本気になられる心配も無いからね。」???な坊に、楠香凪が女性にキスする場面に行き会わせたことがあって、彼女の恋愛対象は女性であることを知っているし、楠にも知っていることを知られていて、その後パーティとかで虫除けに使われたという。「正直今回の報道で少なからず俺の方にも実害が出てるから、こうなってくると香凪さんにはなんとしても想い人と纏まってもらわないと納得がいかない」?の坊に「以前話した例の彼女だ。ちょっと色々あって避けられる要因は一つじゃないんだけど」そうだ香凪さんが相手じゃないなら、やっぱり敦賀さんの想い人は(森住さん)だということで果てるキョーコ坊。「君が相手だとあけすけにモノが言えてしまうから大分スッキリするよ」ってキョーコちゃんは、後輩で役者としても格が違うし性格からいっても、たとえ思いが通じても蓮にあけすけには言えないから、蓮はもう少し自分の本音を見せる努力をしないと。しかし敦賀さん、坊の中身は人だって忘れてないか。だって、坊の中の人がマスコミにリークしないという保証はどこにあるんだろう。そこまで信用しているというか、本当に人じゃないものに話しているようで、敦賀さんの人格が変わってる。まあこれが21歳の久遠の本当の姿かなとは思うけど。だいたいキョーコちゃんでなかったら、ここまであの敦賀蓮の内面を話されたら、ストレスになりそうだし。としたらキョーコの演技力すごい。
やっと”香凪さんなら仕方ない”張り合おうなんておこがましい程できた女性。香凪さんなら敦賀さんを幸せにしてくれそうだって思ったから無理矢理納得してたのに結局森住さんが相手・・・もしかしたら敦賀さんの前でだけは可愛いのかもしれない。もし敦賀さんが諦めてしまっていたものにもう一度向き合う勇気を持てるというのなら私の気持ちなんてどうだっていい。それがたとえ森住さんが相手でも。とまた悲しげな蓮の顔を思い出して勇気をふるいおこすキョーコ。
「彼女が楠香凪さんとの仲を鵜呑みにしていて、爛れた大人の関係が思春期の彼女には受け入れ難くまるで害虫でも見る様な険しい目と態度で逃げ隠れされる日々に心を折られた君は・・」「いや・・日々じゃないし、逃げられたのは昨日だけだし」「さながら『この人痴漢です』とあらぬ濡れ衣を着せられた被害者みたいな気分になって正直こたえている・・・という感じの事で相違無いか」「敦賀君、その問題早期解決できる方法あるんだけど」「告っちゃえよ」

(ACT.276 DISASTER-災異上陸-)
「彼女に何もかもぶちまけちまえ」うんキョーコ坊あたり前のこと言ってる。ただ、自分に告れといっていることになってるのが最高の展開だけど。
暗い顔で「無理だ。そういうのは。俺には」「わかってるよ君は彼女とどうこうなるつもりは無いんだよな。相手が未成年っていうのもあるけど、それだけじゃなくて事情があるんだろうなって事は察してるよ。だからそういうんじゃなくてさ。君の本当の気持ちを伝えるだけ」
その子についてあれこれ聞く坊。

口はかなり堅い方→蓮も(ヒール兄弟で?)世話になったし隠密任務を他でもこなしてるみたいだし(って坊だけど)→森住仁子と思っているキョーコは『いいね♡』もらうためならギリギリのミスリードで速攻バラしそうと。

女子高生ってお喋り好きで噂好きで三度の飯よりスイーツと恋話に喜ぶ生き物→君の言うその女子高生の定義彼女には全く当てはまらないと蓮→森住さんスイーツ、恋話、ゴシップトーク好きそうだけどとキョーコ

どちらかというと彼女は恋話より三度の食事を重視する。最悪昼や夜は抜いても良いが朝食だけは必ず食べるべしと以前鬼の様な形相で説教されたと蓮→「いいね♡」かせいだらもういらな~いと捨てるトコまで浮かびそうで考えるのをやめるキョーコ坊

それがピチピチ10代女子の口から出たのかと思うと枯れてないか、発言がお母さんみたいだとキョーコ→以前に社さんに「よかったじゃないか 蓮。当分誰のモノにもなる心配が無さそうで!!まあお前のモノにもならんだろうが」それが・・・とあの朝見た尚との気安い掛け合いを思い出す蓮。

「まあ彼女の口が相当堅いというのなら事情を打ち明けてみたら良いんじゃないのかな」(大丈夫。どんな結果になっても見守れる。と自分に言い聞かせるキョーコ坊)「言ってみるよ」という蓮は、香凪さんとの事情と彼女への想いを告げるという。正直香凪さんとの事は時間が解決すると思うから耐えられない訳じゃないんだけど(いやキョーコが蓮に想いを寄せていることを後ほど知ったらもっと事情を打ち明けて安心させて欲しい)、こっちが距離を空けている間に、あっちの距離が着々と詰まって行ってるのかと思うと耐え難い。あっちとはと思いつつ、蓮と別れたキョーコ坊。

敦賀さんが森住さんに告白して、案外うまく行っちゃったら自分はどうするんだろう。最重要なのは「敦賀さんの幸せ」だからどんな結果になろうと温かく見守る覚悟ではあるけれど、覚悟はあっても「実行」できるかどうかは別の話と思いながら、キョーコの姿に戻ってTBMのロビーにでてきたキョーコが出会ったのは電話をかけている蓮。

(ACT.277 災異掩襲-ノアの方舟滑り込んだら-)
蓮は坊の中身は知らないとはいえ、気まずくて逃げるキョーコを「最上さん!!話がある!!」と追いかける蓮。かつて、母親と会うという決意を後戻りできないように己が使った敦賀袋小路計画を、蓮も森住さん告白するのに使おうと思っているのかとキョーコ。それはあまりにも飛躍しすぎ。もしホントにそうなら、先日朝喧嘩して気まずいままのキョーコではなくて、社さんに宣言するでしょう。逃げながら自分で言っているように。

閉まる直前のエレベーターに飛び込んで逃げるキョーコに「あ、こらっ」と叫ぶ蓮。閉まったドアにチッShit!と思わず毒づく蓮。ここ、Shitとでてくるのがいいね~。聞こえるほど近くに誰もいなかったというのもあるけど、感情的になったときに思わずでてくる感嘆詞はやっぱり母国語だものね。作者さん素晴らしい!そして完全に久遠がでている敦賀さん。この後も含めてすごいスキャンダル、ニュースになりそうだけど。
エレベーターが下に向かっているのをみて、階段を手摺りを超えて飛び越える蓮。それって安全上お勧めしません。まあ村雨を掴んだまま空中で方向を変えられる蓮だから、下に人がいても避けてくれるかもしれないけど。
改めて敦賀さんは何を言いたかったのだろう。昨日も話があるって言われたけど、昨日は香凪さんと結婚前提にお付き合いしますって宣言されるのかと思ってて。ってなんでそんなことをキョーコに宣言するの?
森住さんに告白する事はさっき決心したんだから決意表明じゃないのよね?
やっと気づいた!
地下駐車場についたエレベーター。ここから直接外へ出てしまえば(蓮と会わずに済む)と思ったところで、閉まりかけたエレベーターの扉をこじ開ける両手が。そ、それはホラー。入って来た蓮の迫力に思わず一番奥まで下がるキョーコ。キョーコ以外に人がいるかもしれないというのは考えないのだろうか。
あまりにもベタな壁ドンだけど、蓮がやると迫力がある。しかしキョーコはハイヒールブーツにミニスカートなのに逃げ足ものすごく速くて蓮でも追いつけないし、蓮の階段手摺り越えで下りるのも迫力ある。二人とも運動神経、能力ありすぎ。二人で将来アクション映画で共演して!

でもって追いかけっこだけで一話が終わるのすごい。

(ACT.278 災異猛襲-ノアの方舟滑り込んだら-)
どうも話が噛み合わない。「意中の女の子に告白しようと意気込んでいるのでは?」ってそれは坊でないと知らない情報「私森住さんじゃないですよ」「誰?本気で誰の事かわからないんだけど」まあ蓮からしたらわからないよね。共演!したでしょう!?パープルダウンⅡで!!森住礼二プロデューサーの娘さん!!といってやっと記憶のフタが開いた蓮。「重ね重ねヒドイですね。指輪まで贈っておいて何ですかっその言い草!!」というキョーコに「それ彼女から聞いた?本当に言った?俺から『もらった』って。そう思わせる様な別の言い方してなかった?」ここの二人の身長さいいね~~~「お守りにって蓮さんがこれをそっと指にはめてくれたんです」という言葉を再現するキョーコ。「だろうと思った。うまいんだよあの娘。そういう誤解招く様な言い方するのが」高価なものだけどバレンタインのお返しを兼ねているから気にしなくていいと彼女が言ったのも、靴が欲しいってリクエストされてオーダーメイドで彼女用に靴をつくってあげたことだという。フィッティングに付き合って欲しいと言われたけど断ったという。「相手はまだ子供だからそこまで警戒しなくていいかと思ったんだけど、彼女が俺に好意を持ってくれてるのはわかってたし、迂闊な事はしない方がいいと思って」蓮はこういうのすごく敏感だから今までスキャンダルにならないようにかわしてきたんだし、香凪さんはそういう男女の仲になりたいという好意がないから油断してんだろうけど、キョーコちゃんの気持ちだけは鈍感なのね。
ピンキーリングを指にはめてくれたという件は・・・そのまんま右手のピンキーにはこういう意味があるんだよと教えたら、「蓮さんに念を込めてもらったらもっとご利益ありそう。お願いします!!念注入!!」って無邪気に請われたと。その日15歳の誕生日にもらったというプレゼントの私物だったと。
すばらしい。「森住さんは言葉足らず」とキョーコちゃん言ってるけど、意図的に思わせぶりな文脈になるように言葉を省略してるんだよ。何一つ嘘じゃないところがもう天才としかいいようがない。息をするように嘘をつく人っているけど、これはそれを上回っている。だってバレても嘘はついてないから勝手に受け取る方が誤解しただけだものね。
そして、突然蓮は思い出した、先日タンポポの花のピンキーリングをキョーコに嵌めたとき、傷ついたような顔をして「最低ですね」というキョーコの反応を。

いっぽうキョーコは、敦賀さんの想い人って森住さんじゃなかったって事で・・・と過去の坊として聞いた蓮の言動をあれこれ思い出すと、「高校生だ」「逃げられたのは昨日だけだし」「口はかなり堅い方だと思うけど」「どちらかといえば彼女は恋話より三度の食事を重視する」「朝食だけは必ず食べるべしと以前鬼の様な形相で説教された事がある」
やっとお互い気づいたの?だけど、キョーコの方が坊じゃないと知らない情報ばかりだ。

(ACT.279 災異猛襲-ノアの方舟滑り込んだら-)
キョーコを見てこの反応は俺の思い違いじゃなければと思いつつ「同じピンキーリングでも私は野っ原のたんぽぽでまんぞくしてたなんて!!恥ずかしい」とななめひねりな結論の可能性を考える蓮。
「今君が何に対して動揺しているのか確認したいんだけど」と冷静に問う蓮。「すみません私ったらなんて図々しい勘違いを」「私ったら愚かにも『アレ?敦賀さんの想い人ってもしや私!?』などと的外れな妄想を」というキョーコ。
「間違ってないから!!!合ってるから!!!勘違いでも的外れな妄想でも高難度のアメリカンジョークでもないから!!君が最初に思ったとおり俺の想い人は君だから!!!」偉い!よくストレートに言った敦賀さん。
赤面したまま言葉が出ないキョーコに「大体間違ってもその手のジョークは絶対言わない。君にだけは。通じないだろ?冗談だって」「いまなにかすごく失礼なこといわれた?」いや敦賀さんやっと学習した。実際にストレートでなければキョーコには通じない。

「君を困らせるだろうなってわかってはいたんだけど、どうしても俺の気持ちが本当は誰に向いているのか知っていて欲しくて。香凪さんとの事を誤解されてる可能性を考えると落ちつかなくて」と言ってから、「いやそうじゃなくて、落ちつかないのは、君があの朝不破とひどく親密そうに見えたから、焦って余裕を無くして君に酷い言葉をぶつけてしまった。君を傷つけた事に変わりはないから言い訳にしかならないけど、アレは決して心から言った言葉じゃない。信じてもらえないかもしれないけど、全部ヤキモチだったって。」やっとヤキモチを認めた敦賀さん。

反応のないキョーコに「ヤキモチを焼いてしまいました。初めて焼いたから不様で、不細工で、丸こげでとてもほめられたものではないけれ・・」と繰り返す敦賀さん。いやヤキモチを妬いたのは初めてじゃないよ!!尚のPVの頃からでしょうが。敦賀さんいつか過去の自分を振り返ってキョーコに謝って欲しいな。自覚してなかったからと言ってそのままにするのはズーズーしいよね。

エレベーターの隅に座り込むキョーコに「最上さんもそうだった?ピンキーリングの話をしたとき俺に言ったよな。『最低ですね』って」キョーコの手を取りながら「あの時もしかして同じだった?俺の気持ちと」といいながらキョーコの左手を取って小指をスリッとする敦賀さん!

社長に言った言葉「必ず罰を受けるから、地獄に行けばいいですよね。不実の罪の償いはこの魂でしますから、この胸の中では堂々とあの男を想う事赦して下さい」を思い出すキョーコ。でもそれは敦賀さんが別の女性を想ってるって前提だから・・・当然無効だってキョーコ。敦賀さんの好きな人が他の女性だったら、キョーコは敦賀さんがその人と上手くいかないことを願ってしまうのは罪だけどそうじゃないんだから。

「最上さん難しく考えないで欲しい。最上さんが困るならこの箱の中で見た夢だと思うことにするから。格好悪いと思うけど、相手の気持ちがわからなくて不安になるのは女の子だけじゃないんだよ」っていいながらキョーコの手をいじってる敦賀さん。「YesかNoで聞かせてもらっても?」という敦賀さんの手を握り返すキョーコ。敦賀さん、表情も言葉も不安そうでキョーコの気持ちを確かめようと珍しくストレートに言葉をつくして丁寧なのに、手つきだけちょっとセクシーというかいかがわしいというか・・・

2023年1月21日土曜日

スキップ・ビート!44

(2019年9月20日)
(ACT.264 番狂わせ-2日前-)
扉絵のキョーコと敦賀さんの結婚式、いつかこういう場面が拝めるかなあ。
森住譲二監督は、森住仁子が芸能界を引退すると昨夜遅く電話してきたと、呉崎プロデューサーに話す。呉崎は仁子のオーディション辞退の理由の一つは自分の才能に限界を感じた気になって弱気になったといっていたというが、森住監督には自分が『紅葉』を獲れなかったのは、森住監督が便宜を図ってくれなかったからだと、散々罵詈雑言で殴りつけて来たという(意外と叔父さまに本音をだしたのね。まあもう引退するからどうでもよくなったのかな)、無邪気な仔猫の様なイメージだったのに、アメリカ行って性格変わったのかあるいは元々そういう性格だったのか。元々そうだったというのならとんでもなく「恐い女優だ」と監督と呉崎プロデューサーの意見が一致する。
仁子は身内でも猫をかぶっていたのか?マネージャーの従姉妹は知っていて協力していたようだけど。身内でも役に立ちそうな男の前では猫をかぶるのかな?
「俺が身内心で仁子推してもどうせお前が叩き落としたろ」と監督。「わたしとて他人事ではない『こいつと組んでも面白い作品は作れない』そう思ったらお前はわたしでも切り捨てる。」二人とも映画作りに真摯でよかったね、キョーコ。
控え室ではキョーコが両手で刀を回す紅葉の演技を見せて盛り上がっている。刀は上杉虎徹さんが作らせたものだという。「魅せる殺陣を追求するあまり改良に改良を重ね、元々ご自身で使う用にと、その分野の職人さんに作ってもらったけれど、残念ながらこの刀を使える理想の役には出逢えなかったらしく」ってキョーコ、虎徹さんはキョーコへのあたりは強いけれど、虎徹さんがやりたくでできなかった夢を託されたのでは。

呉崎プロデューサーは、虎徹さんの大ファンで、その教えを受けた琴南さんを切ってしまったことを悔しがる。

琴南さんは虎徹さんに、千鳥のオーディションを落ちたこと、呉崎プロデューサーからの新たな申し出を受けることを報告していた。昔同じ様に儂にも出演依頼が来たことがあったけれど、当時の無駄に高いプライドが失敗を恐れさせて断ってしまったと虎徹さんはいう。今では後悔していると。失敗しても成し得た事に残らない結果などない。失敗も成長の糧だ。恐れるな、と。しかし奏江がアメリカへいってしまうと飛鷹君は淋しがるだろうなと思う虎徹さん。でもアメリカったって映画一本撮る間だから年単位ではないよね。大作だとけっこうかかるみたいだけど。

(ACT.265 番狂わせ-2日前-)
古賀さんが他の出演者に、オーディションでは刀を回して凄かったとか話をしていて、預けておいたキョーコの刀がすぐ出てくるように準備してくれて、皆にすぐ馴染むことができたので、お礼を言うと。「失敗すれば面白いのになあって思って用意しといただけだから。いちいちやる事にソツが無くてイヤミッぽいよねェ敦賀一味って」という。古賀さんと敦賀さんの間には過去に何があった?それにしてもキョーコへのこの嫌味ぶり、出会ったばかりの敦賀さんみたい。
敦賀さんに作ってもらったタンポポのピンキーリングから森住仁子が言った事を思い出して、キョーコは敦賀さんの思い人は森住仁子決定と断じる。本命に言った言葉を他の女性にもいうなんて、ほんとうに恋愛経験の無いよちよち歩き。しかし昔の久遠は軽い恋愛サーファーだよ。と思いながらも、敦賀さんにもらったタンポポを、レンジでチンしたシリカゲルに入れて、ドライフラワーにして残そうとしているキョーコ。

キョーコの顔を見ながら、何かを思い出そうとして一生懸命な大将。敦賀さんにも関係したことらしい。

だるまやに昼の間に尚から電話があって、キョーコに「明日朝7時に行くから起きて待ってろ」という伝言。仕事でしばらく日本を離れるのでだるまやの瓢箪漬けが食べたくなるから明日取りに来るらしい。

社さんが明日は7時半に迎えにくるという。蓮もちょっと早いけれど一緒に行くという。せっかく社さんのマネージャー兼任で、キョーコちゃんと一緒にいる口実ができたから、一緒に行きたいものね。

(ACT.266 番狂わせ-前日-)
翌朝、母親のことでキョーコがどんなに傷ついていたかを知っている蓮は、キョーコと尚のキスシーンを思い出していやな予感をしていた。あの子と不破の関係でしか築けない何かがそうさせているのではないか。それは俺が何より許容し難い・・・と思う蓮の前で見たのは、早朝、変装した尚とキョーコがふざけ合う姿。
まあこうなるよね。キョーコと尚は気安い中だから。敦賀さんは関係を進める気がないなら、キョーコちゃんが幸せになっていくのを見守る覚悟が必要なのに、なんで許容し難いなどといってるの?めんどくさい男だ。
尚がすぐ分かるとは言え変装してきたのは、キョーコとのキス写真を撮られたことをアカトキの社長から聞いたからだろうな。一応キョーコの為を思った?

あれは不破じゃないと一生懸命否定する社さん。キョーコが来た時に、後部座席にはどんよりとした雰囲気の蓮がいた。蓮も来るとは思ってもいなかったキョーコは焦る。そこにおかみさんが、指輪を持ってきて、「これ尚君の指輪じゃないのかい?さっき帰り際手洗い貸してくれって」
せっかく蓮も社さんも半信半疑だろうけど、あれは尚ではないと無理矢理納得しているのに、それを無にする女将さん最高!女将さん起きてたんなら、尚君に渡して欲しかった。気を利かせたつもりなのかもしれないけど。どうせなら、尚は泊まったわけじゃないと説明して欲しい。

(ACT.267 番狂わせ-前日-)
尚は泊まっていないと弁解するキョーコに「君は不破とどうなってるんだ。元鞘に収まったのか。」と蓮。グアムから蓮が一時帰国して夜中に傷ついたキョーコに会いに来た夜、その前に尚が来てキョーコとキスをしていた写真が撮られていると。ただの先輩のクセして余計なお世話なんだけど。まあ嫉妬でぶち切れたおかげで、気になってたキスが持ち出せた。でもあの写真が撮られた時間を知っているなら、尚がキスしてもキョーコは癒やされなかったのに、そのあと蓮に(コーンと間違えているとは言え)しがみついて号泣して立ち直ったのだから、自信持っていいところなんだけどな。

「揺れるよな。昔はなかった思いやりや、包容力を見せられてしまったら、焼け木杭に火が付いても仕方ない。誰も非難したりはしないと思うよ。たとえ復讐すると誓ったはずの男にもう一度恋をしても。」って、そんな顔で、非難しまくりジャン。敦賀さんって、将来キョーコとお付き合いや結婚するようになっても精神的なDVしまくりそうなんだけど。これでいい男でなかったらパスしたい。つくづく思うのだけど、蓮はキョーコが一体なんと答えれば満足だったんだろう。あの状態を見られて、「あいつのことは憎んでます」といったって、満足するわけはないだろうに。まあ敦賀さん、完璧な紳士を演じているのに、キョーコに関しては問題ありまくり、矛盾ありまくりで、21歳の若造丸出しなのが萌える。キョーコは蓮への思いをとうに自覚していて、自分の好きな人からこんないわれのない疑われ方をしたら、可哀想だけど、ここで反撃するのがキョーコらしい。しかしこの時蓮が知っているかどうか不明だけど、キョーコが森住仁子にテラスから落とされそうな命の危機に、自分は香凪さんにキスされてたんだよね。人のこと言ってる場合じゃないだろうに。
「なんにも知らないくせに、敦賀さんなんて。今でもアイツにアリの子程だって存在しないのは包容力だけで、思いやりなら昔からちゃんとありました。表現するのが下手なだけで、アイツには優しい所があるんです!!昔はなかったとか、見た事もないクセに勝手に決めつけないで下さい!!」この返し、キョーコ最高!!いやこれは言っていいとおもう。私は尚は嫌いだし、キョーコは尚の自分勝手さを許さなくていいと思うけど、表現するのが下手だけど優しい所も確かにある。だからといって、キョーコへの仕打ちが相殺されるわけではないけど。でもって、”自分と尚のことを知らないくせに”というのは、キョーコは気づいてないだろうけど、敦賀さんにとって、一番打撃を受ける返しだし、理不尽な怒りをぶつける敦賀さんにはびしっといってやっていいと思う。

(ACT.268 番狂わせ-前日-)
ほんとうは惨めなあの同居時代に、アイツとそういう関係を持ってたと思われて、元鞘などといわれたのは理不尽だといいたかったのだけど。泥中の蓮の控え室で一人で号泣していると、古賀さんのスマホの音。自分の方が先にいたという。そのみっともない顔を整えてから来るように。でないと俺が泣かしたと思われる、と古賀さん。「残すなよ」と一言キョーコに。
古賀さんの気遣いなかなかいい。古賀さんのクッションかわいい。ドリンクホルダーも付いてるの?
化粧を直し、社さんに「しばらくお車での送迎ご遠慮させて下さい」とメールを送る。社さんお疲れ様です。

(ACT.269 番狂わせ-当日-)
キョーコちゃんのメールを見せた社さんに「さっきの事は全面的に俺が悪いので、少し時間を空けて俺の方から謝っておきます」「同じ男として俺でも『何それどうなっちゃってんの?』って思ったもん。あんな風に仲良さそうにジャレ合ったりしてるの見せられると、『あれ?怨みは?ソレ、憎い相手では?』って問い質したもなるかなって」「心にもない事言いすぎたよね。本当は一ミリだって思ってないだろ。復讐すると誓ったはずの男にもう一度恋をしてもいいなんて」「以前のキョーコちゃんなら有り得ないよな。控えめに見ても確実に不破への態度は軟化してる」
社さんも歳(25歳)より老成してるよね。図星を指されて返事をしない蓮に「お返事!」という社さん好き。まさにお兄ちゃん。

キョーコが休憩室で耳にしてたエピソード、夜中に元カレが「ごきぶりがでた」というから家に行ったら、今カレは怒ったって怒るのが当然と思うけどな。

その夜敦賀さんから不在着信があったけれど、明日メールしようと思う。

そして、翌朝のBOOSTという週刊誌に、大々的に蓮と香凪さんのキスの写真が載り「恋人発覚!!」と報道される。

敦賀さん、自分がキスされたことは全く意識にないのね。まあ香凪さんのキスに恋愛的なアタック要素は全くないことを知っているせいもあるけど。それなら嵌められたと察して、キョーコに先手を打って何か言っておけばよかったのに、それどころでない状況に自分で追い込んでしまった。

(ACT.270 番狂わせ-当日-)
朝からBOOSTの記事のニュースに社さんびっくり。社さんの寝耳に水の絵、わかりにくかった。しかし水が勢いありすぎ。洗面器でドバッと・・蓮には社長と松島俳優部主任から連絡があったという。社長はあからさまにニヤニヤしてるってわかる勘に障る声で笑ってましたという蓮に、社さんは吹き出しそうになって口を押さえる。この吹き出しそうになった理由がわかるのはずっと後のACT.310(花とゆめ2022年24号11月18日発売)で出てくる。いずれにせよ、DARK MOONの頃から蓮の気持ちを知っている社長が蓮が本当に香凪さんと熱愛関係にあるなんて塵ほどもおもわないだろうし、社さんは社長が蓮の気持ちに気づいていることを知ってるから(37巻ACT.224)、完璧な紳士の蓮に隙があって巻き込まれてキョーコちゃんとの関係がどう変わるか面白がっているんだろうとは想像できる。

「今回に関しては真実でもないしともすればLMEの看板俳優としてのステータスが世間で下がるかもしれないのに、何かすぐ手を講じようとする姿勢が伺えないんですよね。俺!!『ゴージャスター』なんですよ!!?

それに対して社さんは否定も肯定もしなくていいという。
キョーコちゃんの気持ちを知らないとは言え、社さんちょっと酷いのでは。その後事情を知ってキョーコちゃん気にしてないとは言え、世間は香凪さんがゴージャスターに釣り合う相手だと思ったわけで、ちょっとね・・・

泥中の蓮の撮影にいくと、キョーコは他の人たちから「コレは本当なの?」と、蓮と香凪さんの事を問い詰められる。敦賀さんとは同じ事務所でDARK MOONで共演しただけでなく、マネージャーが同じで、LMEの特殊部隊の仕事としてそのマネージャーさんの代理で敦賀さんに付いていた事があったことまで知られている。「敦賀さんとは、プライベートに踏みこんだそういったお話しはした事ありませんので、その記事が本当かどうか私には全くわからないんです。」というキョーコに皆は納得する。

でも坊は敦賀さんの意中の女性を知っている。思い詰めたような敦賀さんの顔を思い出しながら、なのにどういう事なのと心の中で思う。

皆と昼ご飯にでかけると、皆は「相手が香凪姐さんなら仕方ないか」という方向に進んでいる。「同い年とか年下の小娘に持って行かれるんなら、腸煮えくり返るけど、日本男子がこぞって嫁にしたい女で、実は香凪さん料理上手で家庭的で、男をスッポリ包み込む『心・技・体』敵う訳ないと」いうのを聞いてショックを受けるキョーコ。

キョーコは椹さんから事務所に呼ばれている。GPSで事務所の前にいることを知った社長は様子を見にいく。ってキョーコのガラケー(だよね、パカッとあくし)ひょっとして事務所から貸与されたもので、GPSで行動が筒抜けなの?まあ仁子に殺されかけたりと危険な目に遭うことが多いから、行動を把握されていたほうがいいには違いないけど、キョーコは知ってるのかな。ばったり蓮と社さんと出会ったところを、社長さんは見る。

(ACT.271 番狂わせ-当日-)
蓮が何か言いかけると、いやな顔をしたキョーコは荷物を掴んでダッシュで逃げていく。「何ぼんやりしてんだっ、追いかけろ」という社さんに、昨日の喧嘩のことしか思いつかない蓮は「そうですねっ、今追いかけて謝った方がいいですよね」社さんにはどっちだか判断しかねる。蓮は「仮に最上さんが今朝の報道を見てたとして、何故彼女があそこまで気分を害する必要が?何かすごい苦いものでも飲まされたみたいな表情されましたよ。しかも一歩近づいたら一歩退かれました」いやいや、キョーコが蓮を好きなのは知らなくたって、坊として蓮が大切な人はつくれないといっていたのを聞いたことも知らなくても、キョーコが尚と仲が良くてよりが戻りそうで、おまけにキスされたのを怒っていたのに、自分が香凪さんとキスしたのが週刊誌やテレビで大々的に報道されていたら不愉快でしょう。

突然「嫌いじゃなければ拒否する理由なんて無いもんね」と割り込んできた社長。「『美人のお色気女優に迫られれば、男の人はついキスの一つくらいしてしまうのね。敦賀さんもその辺の男の人と同じなんだ。』というのが最上君が今お前に抱いてる感想だよ、」と。「今のお前、仕事が恋人みたいな顔をして、その実、裏ではあぁいうセクシャルな女性相手なら平気で流される不誠実な男だと思われてるぞ」「どこかの誰かさんみたいな」
どこかの誰かさんってだれだろう。社長は尚がキョーコにキスした写真をわざわざ見せたくらいだから、最初尚のことかとおもったけど、ひょっとしてアメリカ時代の久遠?
キョーコが呼ばれたのは、琴南さんが海外の仕事を取るための手伝い。

(SP番外編)
フルールFleirという雑誌の6月号に敦賀蓮独占インタビューが載っていた。思わず購読用に一冊と保存用にもう一冊を手にしてから、またショータローの時のようにバカになっている自分に気がつくが、結局一冊買ってしまったキョーコ。
敦賀さんが、無人島に何か3つだけ持って行くとしたら何を持って行きますか?という質問に対して一つ目はサバイバルナイフ、二つ目は腕時計(って針が止まったままのじゃないよね)、三つ目は「いつでもどこでも上質な睡眠を提供してくれる安眠まくらです」(それはキョーコちゃんの膝枕では)といって、豪華な部屋でキョーコが誕生祝いに送った羊枕を読者に見せる敦賀蓮。おまけにロケバスで肩に挟んで居眠りする様子も実演して見せている。

町中での評は「何べん見てもミスマッチ」「ウッソ可愛いい~~」確かにミスマッチ。久遠ならアリだけど、まあでも敦賀蓮もたまにはこういうのもいいかも。

キョーコは『大人』で『ゴージャス』な敦賀蓮のイメージが・・と焦って社さんのところにいくが、「もっとスカした感じの人なのかと思ってたw」「可愛いやないかい」とネットの書き込みも高評価だという。社さんの想定内、予定通りで全然心配いらないと。

そして社さんが蓮と待ち合わせしているのはラブミー部部室。そこにいたのはソファーで羊枕をして居眠りする蓮。気を利かせて飲み物を買いに行く社さん。じっと見るとミスマッチだからこそ可愛い。思わず携帯で写真を撮ると、シャッター音に目覚めた蓮に慌てて隠れるキョーコ。秘密の宝物にするキョーコ。

2023年1月19日木曜日

私のことを憶えていますか

小さい頃好きだと言われた男の子と再開して、紆余曲折ありながら結局結ばれる少女漫画の王道。漢字の間違いがけっこうあるのが気になる。全138話と外伝4話。

アマゾンの書影を貼り付けておいたけれど、私が読んだのはピッコマというスマホ用の漫画サイトである。まてば0円で一日一話読み進んで、更にCMを見て5話、「\0+券」というのの対象だったので、更に一日12話と最大18話、更にCMガチャで運が良ければもう一話読むことができて、かなり早く読み進むことができ、123話から先は課金した。前半は展開がもたもたしてじれったいので、「\0+券」がなかったら途中で挫折していたかも知れない

STAR☆GOSSIPというゴシップサイトのライターとして慌ただしい日々を送る遥(はるか)。毎日仕事でボロボロでおしゃれする暇もなくて、じゃまな前髪を留めるのに頭にクリップをつけたまま外を歩いている。

端整な顔立ちをした俳優・SORA(25歳)はアイドルグループQUOでデビューし、20歳から俳優活動を始めたという。以前から遙は好きだったが、その熱愛報道で、ショックを受けた遙は、30歳の誕生日も徹夜で原稿を書いて朝帰りをしながら、自分のつき合った男性や好きになった男性は、いつも同じ様な傾向の顔であることを回想する。

ちょうど小学校の登校時間で、突然18年間忘れたままだったこうちゃんを思い出す。小学校6年の時、3つ年下の天使のように可愛い男の子こうちゃんは、遙のことを慕ってくれていた。当時小学6年生だった遙もほんとうはこうちゃんが好きだったのに、幼馴染みの同級生猫作とその仲間達にひやかされたショックで、自分の気持ちに正直になれず、遙の二歳年上の中学生であるこうちゃんのお兄ちゃんが好きだと、こうちゃんにいってしまう。

こうちゃんは、突然家族の引っ越しで転校することになった。遙の家の玄関先で、キラキラしたスーパーボールを遙に渡して「ぼくね学校にすきなひとがいるの」と遙を指差す。そしてすぐに走って行ってしまった。そして遙は、いつしかこのことを記憶の底に封じてしまう。

それ以来こうちゃんとはあってないけれど、ほんとうはこうちゃんが好きで両思いだったのに、猫作にからかわれて以来自分の気持ちに蓋をしてしまって、ちゃんと答えられてあげられなかった。三〇歳の今となっては3歳下なんてたいしたことないのに、と封じていた記憶が次々と思い出される。

もう一度こうちゃんに会えるなら「私のことを憶えていますか?」と聞いてみたい。

確かに30歳と27歳ならどうってことないけど、小学校6年と3年は、からかいの対象になるだろうな。でも18年後に思い出すというのがちょっと現実離れしている。

幼稚園から高校まで遙と一緒だった幼馴染みの同級生山田猫作は、18歳から家業のワイン作りを手伝い、前社長の父親が町長選にでるので引退して以来、山猫ワイナリーの3代目若社長になっていた。猫作のインタビューをオンラインで見ながら、お前さえいなければもしかしたら今頃こうちゃんと結婚してちょっと年下のダンナ♡みたいなステキな家庭を持ててたかもしれないのにと会社の備品のパソコンにあたる遙。

遙は休暇で清澄の実家に帰る。猫作は遙にとってアッシー君。昼食に自分のワインを置いてもらっているというしゃれたレストランに連れて行かれて、「こうちゃん」のことをあれこれ聞くと、「まさかお前探すつもりか。やめとけ何年経ってると思ってんだよ。3年生だったあの子は憶えてないだろ」と。相変わらず遙のテンションが下がることをいう。

少女漫画にこういった好きな子はいじめたくなるめんどくさい男がでてくるけど、遙にとっても猫作は遠慮は無い幼馴染みけれど、恋愛対象ではないだろうな。

遙の父母は猫作の所でぶどうの収穫を手伝っている。二人は遙が猫作と結婚することを望んでいる。猫作のワイナリーの畑はもともと二人のひいじいちゃんが開墾したものを猫作のおじいさんの猫造に売ったらぶどうを植えてワインをつくって大当たりしたのだという。(それって猫作のおじいさんが、よくものを見る目があったというだけでは)

猫作に2002年のワインを出されて、こうちゃんとブドウ畑でかくれんぼで一緒に隠れた日々を思い出して思わず涙する遙。あのときこうちゃんにチューをしたいと思ったけど、できなかったことを思い出す。帰り際に猫作は遙に自分が初めて作ったワインを渡す。やまねこワイナリー祭りの景品だと嘘を言って。猫作素直じゃない!お祭りでこうちゃんに大きいキラキラのスーパーボールをとってあげたことを思い出す猫作。

職場に戻るとトーク番組にでたときのSORAの子供の頃だという一枚の写真が見せられる。え、もしかして、あの「SORA」がこうちゃん?でも年が違う。でも元アイドルだから年はサバ呼んでるってことも・・・男性アイドルも年をサバ読むんだ葛藤する遙は、猫作にこうちゃんの写真が見たいと電話する。結局、猫作はどこまでも遠慮が無くて便利な幼馴染み集合写真の中の吉田さんちのこうちゃんを見つけた猫作は遙に送る。こうちゃん一家が引っ越すときにブドウ畑で仕事する近所の人達が「なんだか複雑みたいよあのおうち。かなりの借金があるってウワサもあるし」といっていたことも猫作は思い出す。猫作は更にいくつか写真を見つけて、遙に送る。

SORAの事務所S-productionはお兄さんが社長だと聞く。SORAにお兄さんがいると知って、昔こうちゃんのお兄さんが好きって触れ回ったのは、猫作軍団に対する防衛策だけでなく、ほんとうはこうちゃんが好きだと本人にバレたら嫌われるかも知れないから「私ヘンタイじゃないよ」って本人にアピールしてたんだと気が付く。

取材でSORAのマネージャーに名刺を渡しながら、STAR☆GOSIPPの山波遙ですと自己紹介してSORAの反応を伺うが見事なまでに無反応だ。声もこうちゃんと違う大人の男の人の声(って最後に会ったのが小学校3年生で、今27歳ならとっくに声変わりしているからあたりまえ)。でも瞳の色は似ている。この柔らかい話し方は大人になったこうちゃんっぽい。小学校の時どこに棲んでいたか聞くと、海外に住んでいましたという。映画と関係ない質問をマネージャーに窘められる。サイトを見ているファンの方へ一言を求められて「先日のパパラッチは誤解ですよって言いたいな」というSORAの最後の言葉は、鳥居マネージャーによってオフレコにされる。インタビュー後ルームサービスで運び込まれていくのは、山猫ワイン。遙はなぜと思うけれど、カメラマンとして同行した同僚のずん子さんは、メニューに国産ワインフェアと書いてあったしマネージャーが頼んだろうと。この辺の遙はすごい粘着質。

SORAが海外育ちといったことを、ずん子さんは「(出身地を)言いたくなかったんだろ」と言う。よく考えると出身地と映画の役柄を重ねるとかあるから映画と関係ない質問でもないし、海外育ちが山猫ワインを飲むだろうかと思う遙。それにSORAが海外育ちなんてトーク番組でも雑誌でも全くないし、今まで秘密にしていたとしてもなんでそこで言うんだろう。「私を遠ざけようとした?」とも思う。

バカだとは思いながら、こうちゃんの所属する会社社長であるというお兄さんについて調べたり、あの綺麗なスーパーボールの行方を捜さなければと思う遙。

2週連続で帰郷して再び猫作と会い、猫作の家で昔のアルバムを見る。この辺、遙はかなり自分中心で、ほんとうは遙をかまいたい猫作を振り回しているけど、まあ今までが今までだからしょうがないだろうね。帰りは勝手に歩いて帰るからという遙を一人にして部屋を出る猫作。遙はこっそり猫作の家にあるはずの住宅地図か全世帯のリストを探す。(山猫ワイナリーがこの町の各家にワイナリー便りというフリーペーパーをポスティングしていたからというなかなか細かい設定、でもいくら気安い関係とは言え人のうちを勝手に探すの・・)。顧客情報がないかと社長室に忍び込んでパソコンのパスワードと格闘しているときに、少し開いていたパソコンデスクの引き出しに、あのキラキラスーパーボールがあるのが目に入った。猫作に聞くと、それは遙があげたもので、ストレス解消に部屋で遊ぶために持っていたのだという。それはこうちゃんが引っ越す日に自分にくれたもので返して欲しいと遙が言うと、こうちゃんを探してどうすんの?ワンチャンあるとでも思ってんのかよ、という。無理矢理猫作からスーパーボールを取り上げて走り去る遙。

猫作の悪友よっちゃんのお兄さんが、こうちゃんのお兄さんと同じ学年であることを思いだして、卒業アルバムをみせてもらいにいく。こっそり猫作に電話するよっちゃん。吉田裕司という男で演劇部にいたことがわかった。更によっちゃんから、お兄さんが中学生なのに道で女の子にキスしようとしてビンタされていたのを目撃した話を聞く。こうちゃんちは夜逃げしたという噂も聞く。昔遙が、こうちゃんのお兄さんが好きだといってまわっていたのは、「オレらがヘンタイってからかったからだよな。」とよっちゃんに謝られ、猫作のことを「ガキの時って好きな子のことついついいじめちゃうから」といいかけるが、「私あいつ嫌いなんだ。っていうか信用してない。」と遮る。それをまた「ナイスアシスト決めるつもりがやっちまったかも」と猫作に電話するよっちゃん。

今度はSORAの事務所の社長の顔を確認しなくてはと事務所前で出待ちをする。待っているのは10代の娘ばかり。中にSORAのアイドル時代のうちわを持っている遙より年上の(34歳)古参ファンがいた。QUOというアイドルグループはアルバム一枚だけ出してちょっと売れたところでSORAが役者になって独立したので解散してしまった。車でSORAが出て行った後、その人が「写真撮れました?」と話しかけてきた。年齢的にQUOのファンかと思って声をかけたという。

ふと思いついて遙はその女性を喫茶店に誘う。彼女、真田さんは社長を何回も見たという。真田さんがタクシーでSORAのマンションまでいくのに強引に連れて行かれる。社長はSORAとスキャンダルになったけど、本当は社長のセフレの一人であるグラビアアイドルの秋山萌香たちの飲み会にいき、SORAは一人で歩いて帰ってきた。

SORAは、興奮してSORAに映画の感想をしゃべる真田さんには、写真を撮らせたり彼女のことを憶えているよと握手してあげたのに、遙が「私のこと憶えて・」といいかけると「よく憶えてます。あなたはSTAR GOSSIPの記者さんですよね。先日のインタビューでお会いした。そんな大きいカメラぶら下げて自宅まで来られても何も撮れませんよ。先日のインタビュー記事は無しにしてください。不愉快です。」とつれない。

家に帰って落ち込む遙。目の色は同じでもこうちゃんがあんな冷たい目をするわけがない。と乙女チックな夢を見た自分を呪う。

一方社長が女の子達と呑んでいると、お酒を運びながらのぞきにきたのはドレッドヘアを派手に染めた若い男。

両親からお見合いを勧められる猫作。相手は月影リゾートという、総合リゾート会社の社長の娘さん(で広報部の森川麗子さん)だという。

STAR GOSSIPにいくと先日のSORAのインタビューはSORAの事務所からNGが出たという。メールは「インタビュー記事がこちらの意図するものと違うため掲載を許可できない」というだけで遙のことはまったく触れていない。SORAがチクらずに内緒にしてくれたことに戸惑うう遙。

昨日の社長と女の子の飲み会で、未成年にテキーラを強要する場面をスマホの動画で撮ったドレッドヘアの男は、STAR GOSSIPに売りつけに来て遙に声をかける。

遙は東京の大学の文系の学部を出て憧れの雑誌をだしている出版社を8社受けて全部落ちた。山猫ワイナリーで働くかと両親にいわれた。猫作にも「ワイナリー便り」の編集やってくれといわれて断ったときに、「うちのフリーペーパーだって立派な情報誌だぞ!!そういうとこバカにしてるお前のそのマインド出版社の偉いさんたちも見抜いたんだろ!」といわれたことを思い出す。そしてネット記事のライターをやっている友達の紹介でスポンサーの商品を一個人の感想風に仕上げたタイアップ記事をバイトでやっているうちに、やがて似たようなサイトが増えて芸能ニュースを転載するまとめ記事を書くようになり、そっちがメインになってゴシップライターになっていた。

もし動画を見てSORAの事務所の社長がこうちゃんのお兄ちゃんだったら、SORAはこうちゃんで、同時に自分はこうちゃんの敵になるので見たくないと思う遙。だがやはり社長はこうちゃんのお兄さん、すなわちSORAはこうちゃんだった。誰にも言えなかったけれど本当に大好きだった男の子、私の初恋。また会えたけれど、私はあなたとはあまりにも釣り合わない人間になってしまった。スターになってしまったあなたとは関わってはいけない人間だ。私のことを憶えてないといい。

ところが突然SORAはSTAR GOSSIPの事務所に来て、遙との面談を指定する。兄は芸能人ではないので、未成年飲酒強要のゴシップ記事を取り下げて欲しいというSORAに、「すいません私にはそれを決める権限がありませんので」というと、「変わったね。遙ちゃん。僕にはあんなに優しかったのに。」といって呆然とする遙を残して出て行く。でもこれはSORAさん仕方ないよ。遙は自分で言っているようにただの記者だからそんな決定権はないもの。それに、遙に、自分があの遙ちゃんであることに気が付いていることを知らせた上で、あなたは敵だというのはあまり残酷。編集長にも「今後一切そちらからの取材は受けません。あとはマネージャーに連絡を取らせます」と。

編集長はSORAに何て言われたか知らんが俺は乗せる、と。自ら記事を書き、アップする。アクセル数は爆発し、大衆は、SORAもいたのではないかとかSORAが女の子達を集めたのではと噂する。かつてこうちゃんを猫作たちの悪戯から庇って、「正義の味方」とこうちゃんに言われた自分はもういなくて、ネットの中傷が悪だとしたら、自分は悪の組織の手先だと思う遙。

ちょうどその日はSORAの映画の初日舞台のあいさつで取材陣が殺到している。遙とずん子は編集長の命令で行く。たくさんの取材陣をずん子さんがかき分けて突進していくので必死でついて行く遙に、脚立に乗ったカメラマンが倒れかかる。マネージャーを押しのけて飛び出し、目の前の記者達に「どいて」と叫んで道を開けさせ、咄嗟に遙を庇ったのはSORA。周囲の記者がびっくりして一斉にカメラを向けると、SORAは遙の手を取って走り出し、突然現れたお兄さんの乗る。

ネットの記事で見た猫作は、このSORAのお兄さんのスキャンダル記事のせいで遙が変なことに巻き込まれているのではと心配して電話するが、遙はお兄さんとSORAで挟まれて車の中。「今取り込み中で」といって切る。

遙がSTAR GOSSIPの記者と知ったお兄さんは遙を脅そうとするが、SORAはSTAR GOSSIPの事務所前で車を止めて遙を降ろす。

マルオは「幼少期のイヤな記憶って絶体だよ。大人になっても抜けないんだ。」と。マルオは小5の時にワイナリー祭りで女の子に「よく食べるね。だからそんなにまんまるなんだ」マルオという名前を聞いてその娘は更に「うける。まんまじゃん」と言われたことを思い出す。この子が猫作の見合い相手の月影リゾートのお嬢さん麗子さんなのだけど・・・このとき猫作の所に案内してもらえなくて不機嫌だったとは言え、嫌な性格。「だから遙ちゃんも猫作のことこれから好きになんてならないよ。」この漫画のエンディングを示唆した含みのある言葉。

SNSでは大騒ぎ。遙は「こうちゃん私を守ってくれたの?私はあなたを守れなかったのにどうして?」

そこにSNSを見ていた、例のドレッドヘアの若者が現れて「お姉さんってSORAと知り合いなんすか?」「びっくりだなあ、SORAがこんなことするなんて。あの大人しい奴が」とSORAを知っている口ぶりに「君って何者なの?」「お姉さんは何者なんですか?もしかしてSORAの過去を知ってる?僕と組みません?僕、あの兄弟に復讐したいんですよ。」

QUOの時代からのSORAのファン真田さんはネットで見て羨ましくて悶絶。ドレッドヘアの若者に連れられてアイドルグッズのお店に来た遙と遭遇。真田さんにいろいろ聞かれている間にドレッドヘアは消えていた。そこに再び猫作から電話。ヤバい世界に巻き込まれていないでそんな仕事は辞めてこっちに戻ってこい。明日そっちに行くからという。猫作って遙の仕事も東京での生活も全く認めて無くて自分の価値観を押しつけている。こういう男とは結婚したくないものだ。

SORAの行為は、体を張って記者を助けた「神対応」ということでネットは大盛り上がり、お兄さんの未成年飲酒強要の事件でCMの契約打ち切りを申し出ていたお酒のスポンサーも、考え直すという。SORAは「ケガ人が出たらまた叩かれると思って、それで助けただけですよ」という。マネージャーは「今回はこの子がこういう感じの子で助かったわね。これが美女だったらネットで叩かれててたってこと!」「え、あの人って美女じゃないの?」というSORAに兄もマネージャーも呆然。

翌日、遙に編集長が、SORAの映画試写会挨拶に行って、助けてもらったお礼とかなんとかこじつけてこないだ聞きそこねた飲酒事件の言い訳インタビュー取ってこいとの命令。会場の外でSORAの映画の宣伝の大広告を見ながら、悶々としている遙の手を、突然掴んでずんずん歩いていくSORA。人気の無いところで「なんでここにいるんですか?STAR GOSSIPは断ってるはずなのに。ただでさえこないだの一件で顔がネットに出ちゃってるのにまた来られたら・・・前も言ったけど迷惑です。僕の周りをうろつかないでください」と冷たい目。「あれはケガ人が出たら、また僕らが叩かれると思って助けただけ。あの場に留まったらまた写真を撮られてしまうから逃げただけ。」「はるかちゃんは僕の敵?味方?」「私の名前よく憶えてたね。あんなに小さかったのに。こうちゃん。憶えてる?」「憶えてるよ。でも昔のことだから」といって背を向けて去る。そして舞台挨拶を他の記者の後ろから取材する遙。自分とこうちゃんは別世界にいることを改めて思い知らされる。

よっちゃんとマルオとともに猫作は東京へ。遙を喜ばせるために高級レストランで待つ猫作に、猫作の父から森川麗子さんとの見合いの日取りが決まったと電話が来る「俺見合いはしない。嫁さんは自分で見つけるよ」。

遙はSTAR GOSSIP編集部で落ち込んでいるところだった。SORAの試写会挨拶は、動揺してどの写真もピントが合ってない。ずん子さんが自分の古巣の「週刊スキャンダル」の元カレからボツ写真をもらってくれるという。

一時間遅刻して普段着で駆けつけ、食べたらまた会社に戻らなくてはならないかもという遙に、「もう辞めちまえよそんな会社!」「そんな仕事はお前に合わないし生活も荒れてて・・・」と文句たらたらのあとに「清澄戻ってオレと結婚して一緒にワイナリーの仕事手伝うってどうだ」と突然のプロポーズ。いやいったいいつの時代よ。こんな相手の生活も仕事も価値観も人生観を尊重しない上から目線のプロポーズ。ハラスメントもいいところ。相手の心を掴むのが先でしょう。話を聞いたよっちゃんとマルオが言うとおり男尊女卑、人権侵害、職権乱用、職業差別。昔からずっと好きだったよといえないなら最初から可能性0。

ぶち切れてデザートを断って会社に戻った遙に、よっちゃんとマルオはかわりに説明して後押ししてあげようと遙の会社に駆けつける。「オレやっぱアイツの怒った顔好きだわ」て猫作、これでは反省0

SORAがネットで注文した山猫ワインを飲んでいるのを見て「こいつのせいで父さんはあんなことになったんだぞ」と流しに捨てる兄さん。「お前はあの町が好きだったもんな」ふとSORAの顔を見た兄は「幸司、お前芸能人やってて辛くないか?兄弟二人食っていくために始めたことがここまで大きくなっちゃってさ」(兄が生活のために中華料理店で配達をしていたときのお得意さんの芸能事務所に、代わりに配達に行ったこうちゃんがスカウトされた)という「アイドル時代は大変だったけど俳優の仕事は楽しいよ」

STAR GOSSIP編集部見学といって押しかけたよっちゃんとマルオ。活気のある編集部を見て、「猫作もこれ見るべきだったよな。」「遙ちゃんこの仕事好きなんだよ。」猫作に、根本的に進め方間違ってんだよな、と報告するよっちゃんとマルオ。「結婚してもらいたいのは猫作のほうなのに遙ちゃんに仕事辞めろとか言って、どっ外し」とお説教する。

月影リゾートから大きな仕事がSORAに来た。破格の値段でのCMだ。月影リゾートの本社の住所が清澄の隣町であることに気が付いたSORA。本社に通うわけでもないしいいだろうという兄。おまえはもうSORAなんだしと。

SORAが月影リゾートのCM撮影で清澄に来た。猫作のぶどう畑に立っている。それを山猫ワイナリーのHPと役所のHPに載せるレポートの仕事を猫作からもらう。遙がナメられようにオレがビシッと言ってやると。

この仕事を受けたときにわかってるはずなのに、あんな去り方をした町に仕事とは言え戻ってきたくなんかなさそうだけど。「昔のことだから」といったSORAを遙は思い出す。社長の猫作にこうちゃんが「お久しぶりです。私のことを憶えてますか?」と挨拶しても思い出せない猫作。「こちらのワイナリーに遊びに来たことがあるんです。まだ・・その・・今みたいに・・・芸能のお仕事させていただく前に」というSORAに、猫作は遙を自分の幼なじみで婚約者と紹介する。

かつてこうちゃんの家があった別荘地に遙が行くと月影リゾート建設予定地となっていた。そこにやってきたこうちゃん。思わずシャッターを切ると走って行ってしまったが、小学校の時のお別れを思い出して「待って!!」という遙の声に一瞬止まったが更に走って行く。自分のマフラーを踏んで倒れてカメラを壊し、足を捻った遙に、戻ってくるSORA。「僕らが子供の時貧乏だったって記事でも書くつもり?何が目的でそんなことするの?人の私生活や過去を掘り返してネットに晒して」というSORA。「いつ(その仕事を)辞めるの?猫作くんと結婚するんでしょう?」猫作を憶えていてくれたことにこうちゃんだという実感が湧いて「こんなこと言うの迷惑だとわかってるけど・・私はずっと」といいかけた遙に、「兄さんに会いたかった?なのに猫作くんと結婚するの?」と去って行くSORA。

SORAは夜逃げする時の記憶が断片的にしかない。その日遙に会いに行ったことも。そしてその後事故に会って父も母も死んだことも。

SORAと兄とマネージャーは月影リゾートに泊まる。遙のことが気になるSORAのマネージャーは世話をしてくれる麗子さんに、遙が山猫ワイナリーの若社長の婚約者だと言う事を、若社長本人から聞いたことを話に出す。すると公式には自分が婚約者だと麗子は言う。片想いだけど外堀から埋めてってると。そういうのは公式とはいわないのでは?いずれにせよ外堀をうめてってると他人にまで宣言するこの人恐いよ。

よっちゃんとマルオが連絡したおかげで、猫作が足を捻った遙を迎えに来てしまった。別れ際に遙は、自分は今の仕事をやりがい持ってやってるし結婚願望なんて今のところ全然ないし、よっちゃんもマルオも遙の両親も自分と猫作をくっつけようとしているのがイヤだという。猫作がそれに乗って変なことを言うのも。順番を間違えたのを改めて思い知らされて、猫作は「オレお前のこと好きだ。子供の頃からずっと。これからも一緒にいれたらいいと思ってる」と。「お前誰かいるのか好きなやつ。こうちゃんはもういないだろ。」という猫作に「いるよ。顔見てわからなかった?」やっと昼間会ったSORAのことだと気がつく猫作。

翌日、麗子さんの差し金で、遙は、雨で室内が人数オーバーなので来ないでいいといわれる。レポートは昨日までの取材でまとめていただければと。それを聞いた猫作は、昨日あいつ足ねんざして痛そうだったので逆に良かったかもと。その話を聞いて、オレの気を引きたいのかなというSORAの兄を、SORAが今はここの社長の婚約者なんだから変なこと言わないでと窘めると、マネージャーは婚約者だってのもどうだかわかりませんよと、もう一人婚約者がいる話を伝える。

やってきたSORAに猫作は「なんで最初っから言わなかったんだよ」「(SORAがこうちゃんだと)誰にもいいませんよ。オレと遙で止めときます。遙にはちゃんと言い聞かせときますんで!」という猫作に「(遙を)まるで自分のもののように言いますね」とSORA.

遙が自宅でうたた寝しているとSORAがやってきた。行きたいところがあると。タクシーが待たせてあった。先にお花屋さんに行きたかったようだが山の方にはない。今日のSORAは前髪を下ろして、大人になったこうちゃんだ。「もう敬語はやめませんか」とため口になる。

遙がSORAと出かけたあとで遙の自宅に来た猫作は、遙の父にお見合いのことを聞かれて「オレ、遙を嫁さんにしたいんです。子供の時からずっと僕が一方的に好きなだけです。なのでお二人にご協力してもらえるとありがたいんですが」という。

SORAは突然道でタクシーを止め、彼女は元来た所に戻りますのでといってお金を払って下りる。彼の心の中のドアが開いたと思っても、それはほんの少しの隙間でしかなくて、あっという間に閉められてしまう。自分はただの道案内で、二人でどこかに行きたいわけじゃなかった。足のねんざをお見舞いに来たわけでもなかったと思う遙。

こうちゃんに電話をしたお兄さんは、雨の音からどこにいるか察して「父さんと母さんはそこにはいないんだよ」という。「思い出したいんだ。僕のために」とこうちゃん。

よっちゃんとマルオは、SORAのお兄さんを見かけて、こうちゃんのお兄さんだと気が付く。タクシーで戻る途中の遙に、よっちゃんは電話で、こうちゃんたちのお父さんとお母さんは交通事故で亡くなったことを伝える。夜逃げした日に軽トラが横転したという。やっぱり戻ってもらうことにする。「子供の時の想い人ってのはずーっとだからね。こんなおじさんになってもね。不思議なもんでね」とお互いバツイチになってから幼なじみと再会して結婚した話をしていた運転手は、同意する。運転手さん察しがいいね。

やっとこうちゃんがなぜ自分を警戒していたか、SORAのプロフィールが謎めいているのかが理解できた遙。

事故のあったカーブで、封印していた思い出をすべて思い出すSORA。インタビューで山波遙の名前を聞いた瞬間からすこしずつ思い出してきて、不思議とそれは悲しい色ではなくて色とりどりのキラキラしたかけらであった。

こうちゃんに声をかけ「私知らなかったの。何も知らなくて怖がらせてごめん。こうちゃんが一番辛い時に一緒にいてあげられなくてごめん。私はこうちゃんのスーパーマンだったのに。」そして雨は雪になった。「猫作くん呼んだら?婚約者なんでしょ?」「誰に聞いたの?猫作が言ったの?やめてよそれじゃまるでうちの記事だよ・・」という遙に吹き出すSORA。記憶の中ではいつも淋しそうだったこうちゃんが笑っている。遙は幸せだった。

「この上にペンションがあるからとりあえずそこに避難しよう」とSORAにおんぶされていく。昔、遙はこうちゃんをおんぶしたことがあるのだが、遙は朧気にしか思い出せない。「それぞれ憶えていること憶えてないことが違うのか。」とSORA。

ペンションでは恋人同士と誤解されてダブルベッドの部屋へ案内される。

よっちゃんとマルオは「子供の時の気持ちって大人になっても続くじゃん。そもそもお前がそうなわけじゃん」というのに「奪られねえよ」と猫作。遙のお父さんお母さんに話をつけたという猫作に、サイテーという二人。強力なライバル登場でなりふりかまわないとはいえ、卑怯。そこにスノータイヤの車を借りたいとSORAのお兄さん。思わずこうちゃんのお兄さんですかといいかける二人に「私のこと憶えてますか」と。

「SORAがこの町に住んでたことをネットに書いたりしないでほしいんだ。もちろんお礼はするよ」というSORAの兄に猫作は「口止め料ってか。年商10億の会社やってるオレにいくらくれるって言うんですか?」「君はあのゴシップ記者の女の子と結婚するんだってね。僕らにとっては、あの娘はひどいゴシップ記者でSORAに近づけるわけにはいかないわけ」「人に道案内頼んでおいてなんなんですかそれ」道は通行止めになっていて行けなかった。

「昔から下の山道が事故多くてね、この下なんて魔の急カーブなんて言われててさ」というペンションのオーナーは18年前の事故を憶えていた。急カーブが曲がれなくてガードレールにぶつかった。軽トラに大荷物を積んでいてバランスを崩したのかも知れない。田舎だから救急車が来るのも遅かった。小さい男の子が泣きもせず呆然としていたと。

部屋に戻ってみるとこうちゃんは寝ていた。せっかく話せたんだから私は昔の幼なじみのお姉さんのままでいてあげたい。こうちゃんも私と二人でいる時だけは昔に戻れるのかもしれない。と蒲団をかけてあげる。突然おきあがったこうちゃんは遙を抱きしめて再び夢の中へ。「はるかちゃん。ありがとう。」といいながら。

遙が目が覚ますとこうちゃんはいなかった。「帰りは猫作を呼んで下さい」とメモを残して。遙はペンションの花を一輪摘んで、ペットボトルに挿して事故現場のガードレールに縛り付け、こうちゃんの両親に「こうちゃんを見守っててください」と祈る遙。

SORAが帰りに、ホテルの花屋で買った花を持って事故現場に行くと、遙の供えた花があった。「ゆうべ夢の中で君はあの頃の姿で、泣いている僕を抱きしめてくれた。幸せな夢だった。それで十分だ。あの頃の記憶だけで僕は生きていける」うーん、途中記憶を封印していたとはいえ、18年間立っても消えなかった気持ちを、そんなに簡単に諦めないで。

猫作が帰る遙を送りながら、昨夜こうちゃんのお兄さんが口止めにきたことを話す。遙は、こうちゃんと話して昔のままだったこと、自分がこうちゃんのお兄さんが好きだと昔言いふらしていたのはカムフラージュだったことを喋る。「オレだってお前のこと好きだからからかってたんだよ」と猫作。「私あんたのこと恨んでる」という遙に「オレにしとけよ遙」「これから仲良くなれるよう努力する!お前に対する口のききかたも改める!だからオレにしろ!!」猫作はどこかでこうちゃんと遙が会って話してると知って嫉妬したのだろうけど、それでもまだ命令じゃん。「改まってないよ。命令してんじゃん。こわい。」と。当然こうなるよね。

走って駅に入っていった遙。落ち込む猫作。猫作の車の窓を叩いたのは麗子さん。一緒に帰りながら、お見合いの話を持ち出される。「乗り気じゃないんですね。でも清澄ワインリゾート構想の話は聞いてらっしゃるでしょう?」そのために麗子の父は猫作の父を町長に推したという。このあたりの土地の買い占めも20年かけて進めてやっと地盤が整ったという。過疎化にしているこの町にテーマパークを作って全国的に有名にしたいのが二人の夢で、それは自分の夢でもあるという。山猫ワイナリーのお祭りを、となり町に住んでたけど必ず行っていたと。あのお祭りを夏の間毎日開催して、全国の人を呼ぶのが自分の夢だったという。そこで猫作と麗子を結婚させようと両方の親がいっていた話をする。「よろしければお見合い飛ばして近々食事でも。ちなみに私、留学してたので英語とフランス語話せますし経理の資格とMBAも持ってます。去年やっとソムリエの資格を取りました。」とアピールしていく。両方の親が2人をくっつけようと画策していたとはいえ、いつ再会するかわからないのに、山猫ワイナリーの社長の妻および優秀なビジネスパートナーとして着々と十何年も準備している麗子さんの思い入れっぷりも、恐い。

SORAのインスタグラムに、あの事故のカーブに備えた自分の花の写真があった。「綺麗な花#Thank you」というコメントとともに。

同じサイトを見たドレッドヘアは、どこだろう、誰にThank youといっているのだろうと興味を持つ。昔SORAが「僕の親?いないんだ。子供の頃に交通事故で亡くなって。事務所には内緒にしろって言われてるんだけど」といったことを思い出す。

現場の花をインスタグラムにアップしたことを気にするSORAの兄。雑誌の撮影で今日のSORAは表情が別人みたいに生き生きしていると編集長は言う。SORA彼女できたんじゃないの?と。「あの歳で初めての恋愛だったらホントに気をつけないとまずいわよっ もちろん恋愛して人間的に成長するのは役者としてはいいことよ。今まで以上に表現の幅が広がって、ただの顔がいいイケメン俳優の殻を破れるかもしれない。でもファンは恋愛を許さないわ。特にSORAみたいなタイプは。今の子たちはみんなすぐ気がつくわよ。SNSでの匂わせとかでね!!それが一番ダメ!!恋してもいいけど徹底的に隠すのがプロ!!上り調子の今ファンにそっぽ向かれたら人気は一気にガタ落ちよ。」

SORAの兄がSORAを問い詰めると、あっさり遙が好きと認める。「子供の時好きだったんだよ。」と。「私こうちゃんのお兄さんが好き」とも言われたと。「雪で帰れなくてそのホテルに避難したってだけで何もないよ。それに遙ちゃんは猫作くんと結婚するんだから。遙ちゃんは3つも年下の僕が遙ちゃんのこと好きだったって知らないから、僕はいつまでも彼女に追いつけない。でもそれでいいんだ。どうせこの仕事だし恋愛なんてしちゃダメだしね。」「月影リゾートのお嬢様とは?(猫作くんは)二股?」「そうだったら僕は猫作くんを許さないけど」

再びSTAR GOSSIPにネタを売り込みにきたドレッドヘア。いつの間にかみんなと友達になっている。そこにSORAのSプロダクションの社長が、遙を電話で高級ホテルのカフェに呼びだす。「あの社長女好きで有名でしょ。僕がボディガードでついてってあげますよ♡」ドレッドヘアは「僕は怪しい奴かもしんないけど悪人じゃないっすよ。昔SORAの友達だったんです。でもあの兄弟に裏切られた。そのせいで仕事クビになって今じゃ小遣い稼ぎでこんなことやってる。あの社長は金のためならなんでもやる男ですよ。」といって近くの席から見守ってくれる。

「君はさぁ、あんなお金持ちとの結婚が決まってるってのにさぁ、幸司と一緒にホテルに泊まったってどういうこと?上のバーでゆっくり聞こうか。」と社長が迫っているところに、ドレッドヘアが「センパーイ!!編集長からすぐ戻ってこいって電話でーす。」ということであやうく難を逃れる。

「君はいつ友達だったの?SORAと。」という遙に、「僕のこと憶えてますか?何十回も会ったことあると思うんですけどね。みんなすぐ忘れちゃうんですね。悲しいな。」と、遙にスマホで音楽を流してもらって踊り出すドレッドヘア。誰だか思い出した遙はQUOの曲で一緒に踊る。「コンサートでダンスが一番上手いって思ったの。君がQUOのアランだったなんて。」こっそり伺っていたSORA兄はスマホで二人が踊ったりねんざした遙が転けそうになったところを支えるアランの写真を撮る。「いったに何人の男を転がして弄ぶつもりなんだい?」と憤りながら。

QUOがちょうど新曲を出そうと言うタイミングで、SORAが心の不調と会社から聞かされたアラン。なんでオレらSORAのその不調に気づけなかったんだろってすごく自分を責めて後悔して泣いて、うちの事務所は小さくてオレらしかいなかったから活動休止になって、SORAが帰ってくるところがないなんて可哀想過ぎると思ったのに、SORAは映画デビューしていた。兄が全部水面下で動いて準備していて騙されたと。だからオレは悪人でもなんでもない。ただのクズだよ、と遙に語るアラン。

社長が戻ると、鳥居マネージャーが「SORAのファンが集まる掲示板が、最近やたら過激なファンが書き込むようになって、昨日その過激なファンが例の彼女(遙)の写真を貼り始めて、清澄での彼女の写真も見つけ出されて・・・」とSORAの正体や過去貧しかったことがばれる心配をする鳥居マネージャー。「結婚するってのにまた別の男とあんなことするかね」とポツンともらす兄。「会ってたんですか?彼女と」と鳥居マネージャー。「彼女とは距離を置きましょう。彼女の身が危険です」と。

遙は、QUOの時代からSORAファンだったという真田さんが、上から下までアランの色であるピンクで決めていたことを思い出す。遙は真田さんから自分がネットで話題になっていてSTAR GOSSIPの記者であることもバレていることを知らされる。SORAのファンはSTAR GOSSIPを目の敵にしているから気をつけるようにと忠告される。「あの記事を書いたのはお姉さんですかい。お姉さんはQUOのファンだと思ってたのに。でも仕事ですもんな。それは仕方ないす。代わりにひとつお願い聞いてください。ワタシの初恋の推しを探してください。」といわれて「アラン?」と答える遙。真田さんが送ったTシャツをアランが何回も着てくれたので、「これ憶えてますか?って聞いてみたい。ワタシのこと憶えてなくてもいいんで。」

「僕の体型ってそんなに目立ちますか」とスタイリストさんに衣装合わせ中にいうSORA。「帽子とサングラスでもファンにはすぐバレちゃうかもよ」と。「じゃあ体型がわからない服だったら」「顔が小さいからアゴのラインとか見えるとイケメンってバレるし。かぶりもん被るしかないわね」と。

真田さんの教えてくれた掲示板を見て遙はゾッとする。いつも自分が人のプライバシーをネットに晒してお金をもらってる側なのに、自分がやられてみて、いかに人を傷つけてきたか、夜も眠れないくらいに不安にさせてきたか。初めて気が付く。SORAもアランもずっとこの恐怖と戦ってきたんだ。

アランを呼び出すが、「オレじゃないっスよ。オレはプロのクズなんでお金もらえないのにそんなことしません♡」と。「こんな書き込みいちいち気にしてたら病んじゃいますよ」「相当しんどかったでしょう。アイドルやってた時」「オレはまだメンタル強いからアレだけど、SORAなんてそういうの一番弱かったよね」「おねーさんさ、夜遅いときとかさ、一人で会社から帰るでしょ。しばらくは一人で帰んないほうがいいよ。今夜からオレが一緒に帰ったげる」と。

アランはほんとに遙を迎えに来た。建物の陰に隠れるようにたたずんでいる人間を、ずん子さんを待ち伏せしている元彼と思い込んだ遙は声をかけるが、それは女だった。遙の写真をいきなりスマホで撮る。そのスマホを後ろから取り上げるウサギのかぶり物を被ったSORA。「消して」といいながら遙を守るように抱きついたアランを見たSORA。「こうちゃん」と思わず口にする遙。スマホを女に返して走って去るこうちゃん。

深夜にゴシップサイトを見ていた鳥居マネージャーは、後ろからSORAに声をかけられてあわててパソコンを強制終了させる。「やっぱり鳥居さんだったんですね。ハシゴが倒れた時に撮られた彼女の写真、あれ撮ったの鳥居さんですよね。あれ僕たちが立ってる場所からじゃないと撮れないでしょう。彼女がSTAR GOSSIPの記者だって書き込みもですか?」「アランがいました。声でわかりました。アランは僕らのこと恨んでるんです。アランだけじゃなく他のメンバーもきっと。鳥居さんもそうなんですか?僕の味方じゃないんですか?」「味方だからあの子からあなたを守りたいのよ。ファンという監視が必要なの。彼女が怯えてあなたの周りをうろつかなくなることが大事なの」と。「それでもし彼女に何かあったら?」「それは私の仕事じゃない」「僕は彼女を守りたい。でも僕じゃダメなんだ」鳥居さんも恐い女だなあ。芸能人のSORAを守っているようで、SORAの気持ちは無視している。

SORAは猫作に電話をかける。「遙ちゃんを守ってあげて」と。猫作の話から、ワイナリーのお祭りで猫作に綺麗なスーパーボールを取ってもらったこと、別れの日に遙に渡しにいったことを思い出す。なんといったか、遙が何と答えたかは思い出せない。

翌日から猫作が遙のボディガードについてくる。猫作は遙が働いている間近くの喫茶店で時間を潰しながら、ネットでSORAのファンが遙の身元を捜しているのを見つける。アランが隣に座って、一瞬だけ充電させて欲しいという。その後、遙が退社するのを猫作が待っているとアランも来て会釈する。猫作が遙を婚約者と紹介すると、「お気をつけて」とアランは去って行く。

帰ってから盗聴していたSORAの兄と遙の会話を再生するアラン。遙と結婚するはずのワイナリーの社長が先ほどの猫作であること、遙とSORAすなわち幸司がホテルに泊まったこと、あのインスタグラムの花の場所はたぶん清澄であること、SORAも清澄に子供の頃住んでいたことを察する。遙が幸司とできていたら、もとQUOのメンバーの自分に対する態度も変わるだろうから、それはなさそうだと思う。凄い洞察力の名探偵アラン。

3日間の国際映画祭の取材に行くように遙は編集長から言われる。SORAも来るらしい。

猫作も今年の仕込みは大体終わってるし、映画祭でセレブに営業すると、一緒に行くことになる。

場所取りに負けた遙は、猫作に抱っこしてもらう。望遠レンズつきカメラ越しのSORAの手つきから、自分を認識したことがわかった。遙には、SORAに見つけて欲しいけど、SORAのファンに見つかるのは恐いという矛盾した気持ちがあって、つい変装が甘くなっている。でも見つけてくれて嬉しい。「僕はすぐに君を見つけてしまう。たとえ君がもう誰かのものでも。こうやって君を遠くから見てるくらいなら、昔と同じだからいいよね。」一方SORAは階段で共演女優をエスコートせずに、ただ先を歩いていたことをネットで突っ込まれる。

人混みの中で麗子さんと会う猫作。取材で派遣されてきたという遙に、「今夜のパーティご一緒しませんか?入れるようにすぐ手配します。」で、パーティに参加するのに猫作はホテルの貸衣装でスーツを借りられるけれど、女性のドレスは用意が無いとのことで遙は普段着のまま。ワイン好きな俳優や著名なホテルの社長が来ているから紹介する、山猫ワインも用意してあると、麗子は仕事のできる女アピール。麗子は遙を会場にいれるが、プレスなんてどこにも居なくて、芸能人やモデルばかりでものすごい場違いなところに来てしまったことを悟る。猫作も遙も気づいてないけどあまりにも露骨すぎる麗子の嫌がらせ。

抽選のプレゼンターとしてSORAが舞台に現れた。惨めな自分を見られたくなくて退場しようとした遙は飲み物を持ったボーイとぶつかってしまう。それを見ていたSORAは、遙に衣装を貸すようこっそり指示する。ヘアからメイクからすべていじられて別人に変身する遙を見て「一緒に乾杯しましょう」とSORA。「別人だから大丈夫」と肩を抱かれる。ムービー上映中に暗くなった会場を抜け出す二人を見かけた秋山萌香(未成年飲酒の件で事務所をクビになったグラビアアイドル)は、こっそり後をつける。屋上で別人のようにリラックスしていろいろ話すSORA。手配したのは変装が甘かったからと。「綺麗だよ、遙ちゃん、すごく綺麗」といわれて勇気を出して、あの日のことを思い出したと告げる。こうちゃんも思い出したと「あのスーパーボールまだ持ってる?」と。「思い出したんだ。僕はあの日遙ちゃんにふられちゃったってことを」。遙は出版社の入社試験にすべて落ちてネットマガジンやってる今の会社に拾ってもらったこと、時代の流れでゴシップ記事もやるようになっていつのまにかSTAR GOSSIPの記者になったこと。お兄さんの記事の時に初めて確信したけれど、記事は止められなかったこと。「私もこうちゃんのこと好きだった」と勇気をだしていう。「小学生の時ってその3歳の差がすごく大きくて私、言えなかったんだよ。」「でもどのみちもう大昔の話だよね。だってもう遙ちゃんは猫作くんのものだから」「戻らなきゃ」と帰ろうとするSORAに、あの別れの日のこうちゃんが重なり「待って!!私結婚なんてしない。猫作のことなんて好きじゃない!!」と告げる。柱の陰で聞いている猫作。「私は猫作のことを好きだったことなんて一度もないし、私はずっとこうちゃんのことが」といいかける遙に「今の僕じゃ遙ちゃんを守れないから。猫作くんが遙ちゃんを守ってくれるはずだよ。遙ちゃんもう僕に近づかないで」といって走っていってしまう。

萌香は「あんたSTAR GOSSIPの記者なの!?」「SORAと君で私をハメたの!?こっちはあの記事のせいで事務所クビになってんのよ!!」「全部録ったから」「これが世の中に出たらSORAとSTAR GOSSIPの記者がデキてて、飲酒のニュースも私とのお泊まりもやらせだってわかたら・・」「そしたらみんな私が悪者じゃないってわかってくれるはず。これネットに流してやる」という。萌香を追おうとして慣れないハイヒールで脚を捻って階段を落ちようとした遙を庇って、怪我をして気を失う猫作。

SORAは兄に「僕って恋愛とかしたらお仕事もらえなくなるのかな」「もうアイドルじゃないんだし彼女できたってだけで干されるとかそんなことはないけどさ!ただそれは徹底的に隠すべき、というかもっと大事なのはバレた時考えてこう世間的にイメージのいい女を」「じゃあ世間的なイメージが悪かったとしても、完璧に隠せば大丈夫だってこと?」SORAさんさっきはびっくりしたとは言え、遅いよ。

猫作は頭から落ちたせいで頸椎の関節がずれている。手足に麻痺やしびれの後遺症は残るという。あとは私がやるという麗子に、「私が全て悪いです。私がやります。幼なじみですから子供の頃からずっと一緒でしたから。猫作も私のほうが気楽だと思います。あなただといろいろとしんどいと思います。それにまだ映画界のお仕事もあるでしょうし。私はもう辞めることになると思います。」あの動画が出たら私はもうこの業界にはいられなくなるだろう。私の仕事のせいでSORAに迷惑をかけて、猫作まで巻き込んだ。しかもこんな最悪の巻き込み方で。

目が覚めても遙が怪我をしてないか気遣う猫作。猫作はこうちゃんとの会話を聞いていて、遙が猫作を好きじゃないといったことを聞いていたのに。私がいてあげなきゃと思う遙。今はまあそう思うのは無理もないけど、それと恋人や妻としての愛情は違うような・・・私が生きる世界にSORAは下りて来ないと思い知らされた遙。

SORAの事務所は、ネットに流された萌香の撮った動画には、二人の関係を迷惑な突撃取材を繰り返す記者とそれを注意するSORAという形で声明を出す。

遙はSTAR GOSSIPにメールで辞表を出す。猫作が転院できるくらい回復したら、猫作と一緒に故郷に帰ってネット断ちSNS断ちをして暮らそうと決心する。

アップされた動画をアランも見ていた。STAR GOSSIPに顔をだして遙が辞めて故郷の清澄に帰ると聞く。ワイナリーの若社長と結婚するつもりなのかもと。ずん子はアランに「お前連れ戻して来いよ。仕事ほっぽっていきなりいなくなって。プロとしてダメだろそれじゃ。オレらはよ、こんな仕事でもプライド持ってやってんだから、何があったか知らんがその何かを記事にするくらいの根性を見せろって、ずんこがそう言ってたっつって連れ戻してこい」と。

マネージャーがあれこれ後始末に連絡をしているところで、遙はSTAR GOSSIPを辞めたと知る。「責任取って辞めたのかしら」という鳥居マネージャーに兄は「クビじゃねえの 田舎帰って結婚コースかな」と。「いやそれはないと思う。だって好きでもない人と結婚する人なんている?」とSORA。「たまにゃいるよ」うんいると思う。「そんなのおかしいと思わない?」とムキになるSORAに「まさかお前ら付き合うつもりか?」と小声で聞く。「ダメ?」「ゴシップ記者を辞めたんなら彼女が僕のファンに追い回されることもない。今はもう普通の人でしょ?」マネージャーに「あなたはあの子のことが好きなの?」「そうですよ?子供の頃からずっとです。」

「遙が一緒に帰ってきてくれたから、もう死んでもいいよ」と二人の世界に浸る遙と猫作に、「あのクソ遠い病院からこちらへの移送を段取ったのは私ですよ!なのにあなたまでついて来るとは思わなかったわっ」「いやここ私の実家ですから」「結婚もしてないのに嫁気取りやめてっ」「いやすぐそこが私の実家なんで」「じゃここじゃなくそこって言ってよ」「森川さんってそんなキャラだったんですね。もっとお上品な人かと思ってました」麗子さんだんだんキャラが変わってきてけっこう好感が持てるようになってきた。

猫作の両親にあやまる遙の両親に、猫作の母は「私は遙ちゃんが猫作のお嫁さんになってくれたらいいなってずっと思ってたんですよ。小さい時からよく知ってるし私にとっても娘みたいなもんですよ。」突然両方の両親の間で話が進む。

田舎に帰って一週間。猫作との穏やかな日々の中で猫作が「ずっと一緒にいてくれないか」とプロポーズすると「どうしたら猫作のこと好きになれるかな。やっぱりまだ全然好きじゃない」という遙に、まずは抱っこからと猫作。遙はSORAのことを思い浮かべるが、「きっと本当にあの人を好きだったってことではない。ノスタルジックな気持ちに振り回されたんだ。」と自分を納得させる。

清澄の山猫ワイナリーに来たアランは、遙の父の案内でワイナリーを見学する。SORAの出ているコマーシャルを見せてもらい、撮影した時に大雪があったことを知る。男の2人兄弟の子供が残された交通事故の話を聞いてみると、ああ、吉田さん夫婦の事故のことかい?と返される。SORAの本名を知っているアランは、下の子は吉田幸司君ですか?と聞く。遙とよく遊んでたことも、夜逃げしたことも。こうちゃんの知り合いだとアランはいう。あの家族は山猫ワイナリーのせいであんなことになっちゃったようなもんだからと、社長が吉田の父にワインの運搬を委託するといって運送会社を作ったけど直前で月影リゾートの系列会社にすると手のひら返しして、山猫ワイナリーの土地も月影に売ってしまい、たぶんあの一家は追い出されたという。兄はもう大きかったからもしかしたらその話聞いたのかもと。

夜、遙の父は遙に、こうちゃんの知り合いという子がワイナリーに来たことを話す。容貌からアランだとわかる。考えないようしていたのにこうちゃんのことを心配してしまう。

図書館で事故が載っている新聞を探すアラン。場所は入山峠と書いてあった。タクシーでいってみると、ドライフラワーになってしまっていたが、確かにあのペットボトルの花があった。タクシーを返してしまったので、近くのペンションにいったアランは、ドライフラワーになった花がこの植え込みにあることに気が付く。ゲストブックをそっとのぞくと、インスタに花がアップされた前日に遙の名前があった。遙はこの町に実家があるのになぜだろう。オーナーにさりげなく、このあいだ友達がここに泊まったといってみると、「カップルで来た東京の子らかな」という。ちょうど月影リゾートのCMをやっていたが、この俳優さんみたいな男前の男の子だったという。事故現場にはこのあいだ花一本と大きな花束が置いてあったともいう。

SORAの雰囲気が変わったけど彼女ができたんじゃないかという声にマネージャー曰く「付き合いたそうにしてますね」と。SORAにはアカデミー賞受賞者の監督の次回作に名前が挙がっているけど、もっと演技力を上げないと厳しいと思っているという。アイドル俳優から脱却させるためにももう一度しっかり基礎から演技のメソッドを勉強させないと。それなら今は絶対恋愛させちゃダメと。

仕事が終わった後ジムに行くとマネージャーには偽って、SORAはSTAR GOSSIPへ。「遙さんと話がしたくて来ました。」という。「辞めたよ。」とずん子。「知らんということは君は遙と交際してはいないんだな。じゃ何なんだよ。」と切れるずん子。「君にとってみれば我々はゲスなことやって小金稼いでいるチンピラみたいなもんかもしれんが、こっちはこっちで毎日頑張って働いてるんだよ。君のせいでうちの大事な後輩が会社を辞めた。」と。ずん子さんかっこいい。「遙の連絡先が知りたいなら教えてやるからこっちにも教えてくれ。君は遙のなんなんだ。」と。「大丈夫秘密は守る。」ほかの同僚も「遙ちゃんは映画祭の時なんであんなドレスでなんでそのパーティに入れてもらえたの?私達はSORAさんがそうしてくれたのかなって」「だとしたらSORAさんは遙ちゃんに優しくしてくれたってことでしょう?なのにあの動画がネットに流出して、いつの間にかSORAさんがパーティに潜り込んだゴシップ記者を追い出したって話になっちゃってて、それでまた遙ちゃんがうちがあなたのファンの怒りを買ってネットで叩かれてそれで遙ちゃんは責任を取って会社を辞めたのかなって」

ずん子たちは遙の携帯電話やSNSを教えるが禁止されているという。メモもできないという。今電話をかければ履歴が残ると教えるがまだ躊躇っているSORAに、「SORAさんそれくらいはいいでしょ!!」「わかりました。してみます電話。それで確かめます。気持ちを」なんと義理にがんじがらめな人だろう。ちゃんと仕事はするからプライベートに踏みこむなとマネージャーや兄を一喝すればいいのに。ところが遙はちょうどお茶を入れに病室をでたところで、電話に出たのは猫作だった。人の携帯に出るな!!こうちゃんに「遙こっちに帰ってきたんだよ。今毎日オレと一緒にいる。うちの親も遙のお父さんとお母さんも結婚向けて色々準備してくれてる。春には結婚式挙げられると思う。色々ありがとなこうちゃん遙のこと心配してくれて。仕事頑張ってな、二人でTV見て応援してるよ。じゃ。」と切られてしまう。猫作はそのまま履歴を削除する。お~い、遙の携帯だよ。

運転手さんに清澄まで高速をつかうと3時間くらいといわれて「今行かないと一生後悔する気がして」と向かうことにする。俳優は感情を殺す仕事だからいつの間にか心が硬く冷たくなってたのかな。君を突き放したのは君があんなこと言うからびっくりして・・僕は頑張るよ遙ちゃん。と心で思うSORA。遅い!!

突然右手がしびれる猫作。今夜病室に泊まり込みしてもらいたいと医者は言う。「彼ショック受けてる様子でしたし、昔後遺症でて窓から飛び下りちゃった人いて」と。

実家に今日は病院に泊まると連絡して両親が二人の進展を喜んでいるところにSORAが来る。SORAは自己紹介をして、自分が吉田幸司であることも告げる。両親は猫作がパーティの日に遙を助けようとして怪我をして遙は病院に付き添っていることを伝える。二人の結婚式では一曲歌ってくれと言われて、「結婚式はまだ決まってないんですよね?」「決まったら教えるわ!!」

その頃遙は病院で猫作にプロポーズされて承諾したところだった。

SORAはちょうど遙が猫作の病室からでてきたところに出会う。病院の入口で一本抜き取った花瓶のフリージアを差し出して、「また花屋さんに行きそこねたよ」中から猫作が「先生にちょっと来てもらってくれ。手がちょっとまた・・・」という。「これじゃダメかな。あの時みたいに。」ってSORAも空気読まなさすぎ。「遙ちゃん逃げよう」と手をとるSORAに(「遅い」)と思う。(「屋上で勇気を出して言った時にこうしてくれてたら。いやその前でも言ってくれてたら。2人で話す時間なんて何回もあったじゃない。」)ポットが落ちた音に猫作が立ち上がって廊下をのぞく。

SORAは車を待たしてあるから一緒に東京に帰ろうという。「あれから自分で考えて決めたんだ。僕みたいな仕事でも遙ちゃんを傷つけないで一緒にいるにはどうしたらいいのかなって。遙ちゃんは昔も今も僕の憧れの人だよ。いつも大変な仕事を頑張ってて会社の先輩たちにも大事にされてて大人になった遙ちゃんはかっこいいよ。かっこよくて綺麗だ。僕は今の遙ちゃんが好きだ。」こうちゃんは遙の両親に会ってじぶんが吉田幸司であることをいったという。猫作の怪我の話も聞いたと。遙の手を引いてエレベーターに。でも猫作がケガしてるから今はここから離れられない。僕は子供の時の遠い記憶と今の自分と整理するのに時間がかかったんだ。僕には時間も自由もないし恋愛しちゃダメだと思ってた。でも決めた。思い出したから。隣のエレベーターが空いて猫作が出てきたので遙はあわてて自分たちのエレベーターのドアを閉める。閉めたエレベーターの中でこうちゃんと遙は何回もキスをする。でも猫作や家族を裏切ることはできなかった。「もう僕のこと好きじゃない?」というこうちゃんにあの時のこうちゃんの言葉を思い出して「もう昔のことだから」と返す。そして猫作の部屋へ戻る。「あの手を取っても、きらびやかな世界で自分は恥をかき彼に恥をかかせ、彼の仕事を壊す。彼の回りは毎日美女だらけ。私なんてすぐ捨てられる」と自分に言い聞かせる遙。

アランは町で月影リゾートの娘と山猫ワイナリーの跡取り息子の縁談があるという噂を聞く。SORA一家は山猫ワイナリーのご主人がワインの配達の子会社をやるはずだったのに突然その話がなしになって、SORA家族のすんでた土地も山猫ワイナリーが月影リゾートに売ると言う事で町を追い出されたので、あの事故は心中じゃないかという噂も。

猫作の様子は思わしくないので、東京の専門の先生に見てもらうことになった。遙もついて行って、ついでに東京のアパートを引き上げるという。

猫作の父である町長は、麗子に、猫作に後遺症が残ってしまって治療も長引くので縁談は白紙に戻していただくという。「あの幼なじみとやらに山猫ワイナリーの嫁はつとまりませんわ」と麗子。あの2人はもう一緒になる気持ちを固めたという町長に「そんなの猫作さんが大ケガしたことで一時的にそういう気分が盛り上がってるだけです。だってあのひと猫作さんのこと好きじゃないでしょう。きっとあの人は都会に疲れてこっちに逃げ込みたいだけですよ。でもね、都会も田舎も同じですよ。あの大きな山猫ワイナリーを経営していくのにのんびりもクソもありませんし、あんな世の中ナメ腐ったブスに負けるわけにはいきませんわ。ということでこの縁談の破談はお断りします」やっぱこの人の執着ぶりは恐い。清々しいけど。

あの日マネージャーとの約束に遅れて東京に戻ったSORAに、マネージャーは著名な映画監督の時期作の2番手の話が来ているという。撮影も海外が中心だという。撮影までに徹底的に演技の勉強をして準備すれば私は不可能ではないと思うし、無謀なチャレンジだと言われてもやってみる価値はあると。この映画に出るならあの子と会うのはもうやめてもらうわ。当分恋愛は禁止よ、と。了承するSORA。僕たちの仕事はお互いを見つけるためには良かったけれど、恋愛をするには障害でしかなかったと思う。

マルオとよっちゃんに手伝ってもらいながらアパートを引き上げる遙。あのスーパーボールも捨てるものの方に入れる。そこにずん子さんが会社にあった荷物を持って来てくれる。ずん子さんにときめくマルオ。処分する荷物からスーパーボールを見つけてずん子はそっと懐に入れる。

萌香にあうアラン。SORAと遙の密会動画をアップしたのは萌香だとわかって、手を組もうという。

猫作の手術は上手くいった。そして4ヶ月、遙は31歳になった。猫作のぶどう園を手伝っている。月影リゾートが新しく作る式場の結婚式第一号となることに決まった。実家のリビングにはSORAのサインがあるが見ないようにして暮らしている。

シンガポールでSORAの撮影は順調、監督もスタッフも今回のSORAの演技絶賛している。マネージャーは遙が結婚する話を兄にする。「SORAはなぜかあの子のことが好きだったみたいだけどもし付き合っていたとしても住む世界の違う2人が上手くいくわけがない」兄は「あの子の初恋はオレだったんだよ。そしてSORAはそれをずっと気にしてた」という。「なんであの娘そんなウソをついたんでしょうね」と鳥居マネージャー。

ウェディングドレスの試着を奇跡的にファスナーが閉まって気恥ずかしくない一着だけでいいという遙に、麗子は「一生に一度女がお姫さまになれる日のドレスを」といってスタッフをでていかせ、「遙さん。この度はうちのホテルの結婚式場で式を挙げて下さるそうでありがとうございます。うちも全力でお手伝いしていんですが、遙さんがあんまり幸せそうに見えなくて心配です。私個人として仕事も立場も関係なくただの森川麗子として言わせていただきます。遙さんやめるなら今ですよ」「あなたのせいで起きた猫作さんの事故で変な責任感しょっちゃったみたいだけど、猫作さんの手術、上手くいって後遺症も出なくなったって聞きました。じゃあもういいじゃないですか。猫作さんのこと男として好きじゃないんでしょう?あなたは猫作さんを愛していない」

そのあと猫作の声を電話で聞いて、麗子のいったことを思い出して「愛」とかそういう仰々しい言葉はやめてほしいと思う。愛がなくても結婚する人だってたくさんいるじゃん。と考えてあれ私はそれをやろうとしてるのかと思う。自分は病める時は猫作のこと愛せてた。側にいて支えなきゃって思った。あれを愛と呼んでいいのか分からないけど、家族愛だって愛でしょう?じゃあ「健やかなる時も」は?一緒にいればいつか愛せるって思ってたけど、今それを誓うのはウソだと分かってしまった遙。だったら麗子さんの言うとおり引き返せ!!麗子さんなんとか結婚の邪魔をしようと思ってはいるけど、言っていることはあたってるよ。遙の気持ちも本人以上にわかっている。

そこへ麗子が飛び込んできて、SORAがN県の有名なワイナリーの若社長の婚約者とN県のホテルに一泊したこと、実はSORAの両親がワイナリーのせいで亡くなっているという情報がテレビにでたという。SORAはワイナリーを恨んでいて復讐のような形でこの婚約者の女性を略奪したのではという。それがSORAが倒れるハシゴから守ったりパーティを抜け出して屋上で密会していたゴシップ記者だという。おまけにこの屋上から下の階に続く階段から若社長は転落して大怪我をしていると。

このタイミングでSORAはシンポールから一時帰国。兄はマスコミをみて逃げる。突撃したずん子をSORAは車に乗せる。このままうちの会社に来て反撃のインタビューをさせてもらいたいという。マネージャーは反対するがSORAはスターゴシップに行くという。インタビューを受けるかどうかは行ってから考えると。編集部に来たSORAはずん子の机上の瓶に入ったスーパーボールを見つける。「これもしかして遙さんが置いてったものなんじゃないですか?」と。「遙の引っ越しの時に捨ててあったから貰った」というずん子。懐かしいから拾ったというずん子に「懐かしいってなんですかね」とSORA。ずん子の川西順子という名前を同僚も初めて聞く。SORAはそのスーパーボールをゆずってもらいたいという。「インタビューやらせてくれたら譲りますよ」とずん子。「やります」とSORA。

実家で頭を抱える遙に、猫作は突然キャンプに行くという。「一緒にペンションに泊まって何があったか聞かないのか」という遙に「いつかは聞くかもしんないけど今はいいよ。そもそも俺と付き合う前の話だろ。一番大打撃なのは芸能人の向こうのほうだろ。もしSORAのファンが怒ってお前に危害を加えに来たらオレが全力で守るからだからオレの側にいろ。オレはこんなことじゃびくともしない」猫作は強いけれどこうちゃんはそうじゃない。誰かが火を消さなきゃ。誰かがこうちゃんを守らなきゃ。

彼女は何も悪くない。今回の記事は全くのデタラメで困惑していると。自分と彼女がお付き合いしているなんてことはない。幼なじみっていうほどではない。子供の頃に近所に住んでいたお姉さんです。上級生の先輩だから友達でもなかった。山猫ワイナリーの社長さんも近所の上級生のお兄さん。学年が違ったから一緒に遊ぶってことはなかったと思うけどそもそも昔のことすぎてあんまり憶えてない。アイドルデビューしたときに2歳サバ読んだという。このインタビューをマネージャーと兄がNGにしたとしても、お二人が本当のこと知ってくれたらそれでいいと。自分は両親が不幸な亡くなり方をしてずっと貧しい暮らしをしていたのが、アイドルとしてそういう暗いイメージはじゃまだということで、事務所の方針で名前と歳を変えて過去のことバレないようにしたと。でもこうやって両親の事故のことが書かれてしまって、しかもそれがまるで山猫ワイナリーと関係があるような書き方があるような書かれ方だけど、あれは単なる交通事故で自分もその場にいたという。自分は今は俳優なのでどんな過去があったって仕事には関係ないと。貧乏で苦労した子供時代だって今となってはいい経験だったと思えるし、と。遙の婚約者のケガは知らなかったという。映画祭の時は顔も合わせてないしケガをしたってことも全く知らなかった。

STAR GOSSIPのビルの外にマスコミが集まってきた。アランもその様子をマスコミの群れの外側から眺めている。SORAがマネージャーが止めるのも聞かずにSTAR GOSSIPでインタビューを受けていると聞いてタクシーで駆けつけるお兄さん。そこにタクシーに乗った兄が到着したが、すぐにUターンさせて逃げようとするのをアランは止めて、「お久しぶりです」と。「SORA君の未来を左右する大事なお話があります」と。やっとアランと気が付いたお兄さん。

お兄さんを静かな公園に連れて行って『僕テレビに出ようかと思って。SORAのスキャンダルの二の矢ですよ僕が。第二段は『俳優になるために仲間を切って捨てたSORA』かな。ニュースバリューはありますよ。腐っても元アイドルなんでね。まだどこかに残ってるQUOのファンも僕の味方してくれると思いますし」アランが週刊誌にタレ込んだことを気が付くお兄さん。「止めたかったらお金下さいよ。あんたらは俺の人生を台無しにした。その慰謝料を払ってくれれば二の矢は使わずこれで終わりにしてあげますよ」

インタビューは終わってSORAをどうやってマスコミに捕まらずに返すかという段で、変装して囮になるのに「オレの元カレ呼ぼうか」とずん子。185cmほどあってやせてるという。現れたのは芸能人もびっくりのハンサムな男。SORAを見て「わぁ・・芸能人だ」という。突然鳥居マネージャーが「あなたいくつ?どこか事務所入ってる?」と興味をもつ。この元カレはマスクとサングラスで顔を隠して頭はフードで覆って、STAR GOSSIPの同僚と車に乗ってとりあえず2時間くらいドライブをする。

テントで猫作とキスをすると、こうちゃんとのキスを思い出して「私は最低の女だ」と思う遙。そこに現れたのがマルオ。「ずんこさんが遙ちゃんにど-しても今連絡取りたいって」猫作は遙に「無視しろ」というが何が緊急なのかと聞くとずん子からのメッセージを見せる。「SORAが来てる。」と。お前が出てってもまた火に油をそそぐだけだ。やめとけという猫作。「私にできることないのかな」という遙に「あるよ、嘘だって言いなよ」とマルオ。「SORAとは何もないし私は猫作と結婚しますってちゃんと言いなよ遙ちゃん。じゃないと猫作がかわいそうだよ」というが遙の沈黙を見て、「え嘘じゃないの?」

結局遙は、止める猫作を振り切ってマルオに電波の繋がるところまで連れて行ってもらってずん子に電話をする。SORAが来てインタビューして今帰るとこ。今ならマネージャーは外で車を呼んでていないけど話すか?とずん子。電話を代わったSORAは「もう大丈夫だから遙ちゃんは何も心配しないで」という。「僕は大丈夫。自分の言葉でちゃんと説明できたから。僕と遙ちゃんはただの幼なじみで子供の時のご近所さんで、あとは予定通り遙ちゃんと猫作くんが結婚すれば世間はもうこのニュースに興味なくなるよ」と。「結婚式はいつ?」と聞かれて「来月の1日」と答えたところでマネージャーに呼ばれるSORA。「遙ちゃん あの日のことはもう忘れて」と最後にSORA。「それから子供のときのこともさ、もう全部忘れよう。さよなら遙ちゃん。幸せになって。」遙のスーパーボールを捨てようとして、身代わりで変装したずん子の元カレが着ていったコートに入れっぱなしであることに気が付く。「あのコート、あの素敵な彼氏さんにあげますよ」自分と猫作が結婚することが自分にできる唯一の火消しと遙も理解する。それがSORAを助けることになるし、みんなを幸せにできる方法、と。火消しは時間経って進展しなければうやむやのまま消えると思うけどな。まあその場合疑惑は残るけれど。

兄はアランに150万渡す。100万は口止め料50万は俺からの謝罪の気持ちだと。「どこまで話持ってるんだ、うちの両親の事故まで掘り返して結びつけやがって」という兄に」もしかして知らないんすか?そもそもおたくらのご両親は山猫の前の社長を頼ってあの町に行ったんすよ。だから山猫の持ってる物件に住んでた。」SORAたちのお母さんは昔清澄で山猫の前の社長と幼なじみだったと。

SORAたちのお母さんまり子ちゃんは転校生で、ワイナリーの前社長山田君と仲良しだったけれどほんの1年間の付き合いで、まり子ちゃんはお父さんの仕事の都合で引っ越して行ってしまった。

そして山田君は社長になった。そこに「私のこと憶えてますか」と23年ぶりに現れたのが結婚して子供が2人いるまり子ちゃん。まり子の夫は都会で商売始めて失敗してたちはお金がなくて都会からこちらに来たという。夫に仕事を斡旋して欲しいという。

運送会社を紹介したが、2年弱で会社の給料だけでは東京で作った借金が返せないと、清澄に来てスナックで知り合った友達の口車に乗って、独立して新しく商売を始めるという。まり子の夫は町のスナックに入り浸ってると評判になってる。「なんでそんなのと結婚したの、君みたいな素敵な人が」。更にまり子の夫は、新しく立ち上げる自分の会社に山猫ワイナリーの配送の仕事をもらえないか、まり子から話せという。。「奥さんの同級生をあてにして商売やろうなんて甘すぎる」と怒る社長に「だったらまり子をこのワイナリーで雇ってくれたら良かったじゃないですか。」「もしかしてうちのとデキてるんですか?やましいことがあるからここで働かせるのはまういってことですか」「浮気してんのはあんたのほうだろう噂は流れてるぞ」と。

結局その立ち上げた会社は上手くいかなくて、おたくらの父親はまた借金増えて山猫の社長とも仲悪くなったんでしょうね。それで町を出て行くことになったんすよ。とアラン。借金して買ったトラックは売り払ったから引っ越しのトラックは山猫が貸したという。あとは直接本人(町長)に聞かないと分かんないっすよね、と。アランに「ありがとな」と兄。

どうせこのゴタゴタの中ムリやり結婚式挙げたって幸せになんてなれないわよ。長期戦で行くわ。今やこの国の離婚率は35%よ。と部下の前で口走る麗子。ここまで恐い女だといっそすがすがしい。

遙をショッピングにいこうといって散歩に誘った母は、こうちゃんのことを「あの人は芸能人なんだから私達とはもう住む世界が違うのよね。遙はずっとSORAさんのファンでいればいいじゃない。お母さんもこの町に出張に出てたエリートのハンサムにも告白されたけど子供の時から仲良しだったお父さんと結婚して今となっては本当に良かったと思ってる」と。

STAR GOSSIPのもと同僚達は結婚式に呼ばれていないけど、ずん子は「遙がちゃんと結婚したってのがあのニュースの火消しになるんなら、俺らとしては行って写真のひとつでも撮って記事にしてやるべきだろう」と。編集長も「おめでとうだけでも言いにいくか」「いいだろ勝手に行ったって。オレらパパラッチだぞ」

兄はSORAに山猫の社長とお母さんの話をして、「なんで父さんと母さんがあんな死にかたをしなきゃならなかったのか息子の俺達は知っておかなきゃいけないと思う」普通に会いたいっていっても断られるだけだから、奴が現れる場にすなわち息子の結婚式に直接無理やり会いに行くという。「たまには兄ちゃんの命令を聞いてくれ」と。行くけれど結婚式は見ずに帰るとSORA。「僕が行ったら騒ぎになってしまうから神聖な式の邪魔にならないようにしたい。それだけは約束して」「これはオレたち兄弟の問題だから鳥居にはだまっておけよ」と。結局この最終狂言回しのきっかけをつくったのは常にSORAをコントロールしてきたお兄さん。

式は12時からなので朝7時に出発するSTAR GOSSIPメンバーズ。ワイナリーだからお酒を飲みたいから運転要員としてずん子の元カレも乗っている。途中で追い越していくSORAと兄の車。

実は猫作の手のしびれは治っていないのだが、親と遙には完璧に治ったということにしてある。よっちゃんとマルオは知っているが。

麗子はマスコミが紛れ込まないように万全の手配をしながら「私ってほんとに偉い。プロだわ。初恋は実らないって言うけどここまで激しく玉砕する女っているのかしら。神様今日の結婚式は無事終わらせて、それからなるべく早くあの2人が離婚しますように」とインカムのイッチがはいったまま大きな声で独り言をいう。

結婚式場に入れないので外で様子を探るアラン。

車で来た町長を待ち伏せするお兄さんとSORA「僕達のこと憶えてますか」「来ると思ってたよ」と町長。「あの記事を読んだときに気がついた。君達が吉田さんとこの息子さんだと」「今日はこれから息子の結婚式なんだ。申し訳ないが今ここで立ち話をしている時間はないよ」という町長に「あれからオレらがどうやって生きてきたか分かるか。あんたんとこの苦労知らずのボンボン息子とは訳が違うんだよ。また週刊誌にあることないこと書かれて困るのはあんただぞ。今ここで本当のことを話してくれ。じゃねーと大事な息子の結婚式をぶっ壊すぞ!」とヒートアップする兄。2人を車に乗せて別室に案内する町長。

STAR GOSSIPメンバーも外で止められたが、ずん子はマルオを携帯で呼び出して入れて貰う。元カレとマルオが一瞬険悪な雰囲気になったが。

町長は「私が君達に謝らなければならないことがあるとすればそれはあの事故の日に私が貸したトラックのことだ」急だったのと、2人の父が自分の紹介した仕事を辞めて奥さんに苦労をかけてることに腹を立てていたこともあってワイン配送用の大きいトラックではなく、ぶどう畑で使ってた小さくて古い軽トラックを貸した。そのトラックで彼が一人で家財道具を運ぶんだろうと思った。二人しか乗れない軽トラだからまり子さんと子供たちは電車で東京に向かうと思っていた。小さな荷台に家財道具を積んでバランスが悪くなっていたのか雨が強かったせいなのかそれとも事故の多かったあの急カーブのせいなのか、とにかく色んなことが重なってあの事故が起きた。「なんで父にそんな意地悪したんですか?」と突然SORAが口を出す「私は子供の頃まり子さんのことが好きだったんだよ。こんな年寄りが何を言ってるんだと思うかもしれないが彼女は私の初恋の人だったんだよ」「君達が乗っていたほうの車は、君達のお父さんが一緒に会社を立ち上げようとしていた男が運転していた。」SORAが「大人になって結婚して子供が産まれても忘れられなかったんですか?母のこと」と突然言う。「そういうものだよ。子供の頃の初恋の人っていうのは」「母はどうだったんですか?」と、兄に止められても食い下がるSORA。「君はお母さんによく似てるよ。目元も表情も性格も似てる気がする。いつも本当の気持ちを隠して周りのために自分が我慢すればいいと」「私は後悔しているよ。彼女を救えなかったことを。それは今の幸せや家族とは全く別の所にある感情だ」町長は式が始まると呼ばれる。「君も出なくていいのかい?幸司くん」えっと聞き返すSORAにいやなんでもないと町長は出て行く。町長さんも、息子の結婚式を壊すきっかけをSORAの中に植え付けてしまった。

外に出たSORAは教会に入っていく遙を見る。(「歳を取ればいつか忘れるだろうと思っていた。今は無理でも10年後20年後ならきっと忘れられる」)いや18年経って忘れられなかった人が無理でしょう。(「でもどうやらそれは難しいらしい」「僕にはなんとなく分かる。きっと母さんも子供の頃彼のことを好きだったんだろう。だから彼を頼ってこの町に来たんだろう。母さんも忘れてなかったんだろう。」)と考えているSORAに「いっそのこと式見てくか?そのほうがスッキリ吹っ切れるだろ。どーせ失恋するなら中途半端は良くないしな」と兄。突然歩き出すSORA「大丈夫、中には入らないよ。チャペルを近くで見てみたいだけ」

マルオのおかげでSTAR GOSSIPメンバーズはずん子の元カレ以外は教会に参列できた。外でうろうろする元カレがコンビニでバイトしているときいて、麗子は「その顔でもったいないわね。うちで働きなさいよ。あなたをコンシェルジュデスクに座らせとくだけでお客が増えそうだわ」といって2階から見学させてくれる。

ずん子の元カレと2階から進行を見ていた麗子は、外にたたずむSORAに気が付く。誰かに見られたらまずいとSORAの手を引いて2階に入れる。SORAは今日は二人をお祝いにきただけです、二人の幼なじみとして、という。

外にいる兄に鳥居マネージャーから電話で、SORAの映画「白翼の蝙蝠」がカンヌ映画祭の外国語映画賞にノミネートされたと連絡がある。すぐ事務所に来て欲しいと。そのためにも今回のゴシップを全力で押さえ込まないと。SORAの行動を今まで以上に管理しないと、と。

誓いの言葉が始まる。ずん子の元カレはSORAの身代わりをした時にコートを着ている。「これポケットに入ってたんですけど」と、あのスーパーボールをSORAに渡す。

猫作が誓いを済ましたところで遙の番だ。神父の言葉にこたえようとしたまさにその時、スーパーボールが遙の足元に飛んでくる(130話)。見上げると2階のテラスにSORA(と麗子さんとずん子の元カレ)が。青ざめる麗子に「すいません僕下りますね」

131話-引っ越しの時にすてたはずのスーパーボールに嘘だと思う遙。捨てたよね。全部捨てた。彼との思いでも記憶も。と思ううちにSORAが教会の入口から入って来た。バージンロードをまっすぐ遙の元に歩いてきて、スーパーボールを拾い、「遙ちゃん、間に合ったよね?」

132話-「行こう遙ちゃん。」と猫作の隣にいる遙にスーパーボールを乗せた手をのばすSORA。遙の手がスーパーボールに伸びる。その瞬間右手にしびれが走る猫作。SORAが「猫作くんごめん」といって遙の手首を握り二人が走って去るのを猫作は見送る。上から見ていた麗子さんは「嘘でしょ?」教会の外にいた兄も「嘘でしょ?」そんな兄に「兄さん!!車出して!!」と。兄が遙に「これは相手を傷つけてみんなをがっかりさせて全部壊して捨てるってことだぞ」「ハイそうですよね。でももうあの日みたいになりたくないから。私も好きって言えば良かったって。今度こそ私こうちゃんを幸せにしたいって思っちゃったんです。私はずっと憶えてると思うんです。何年経っても忘れようと思っても忘れられるわけがない」「このまま結婚してもどのみちムリがあるっつーか結局君はこいつのこと忘れられないから、破綻するっってんだな!?」「ってことは今も100%まずいけど結婚してからこうなっちゃうとそれはさらに200%まずい!!!」「よし社長としてオレは今ちゃんとリスクヘッジした!!」いやいやSORAの生活を管理するというマネージャーとの話はどうなのよ。要するにお兄さんも、SORAは他の人の幸せのために自分を殺しているとわかっているのね。

教会からみんなが出てくる。スターゴシップメンバーズを見て、写真撮られる前に逃げろ。ここはオレが止めるから。と兄は車のキーを渡し「行け」と。お兄さん初めて面倒ごとから逃げなかったね。格好いい!

133話-逃げる二人を止めようとする皆に、ずん子は「もういいだろ。二人を自由にしてやってくれ」ずん子さん格好いいし、二人の状況をよく分かってる。「大騒ぎしてこれがまたニュースになったら損をするのはSORAをCMに起用してるあんたらだぞ」「私は遅かれ早かれこうなると思ってました。遙さんは今もSORAさんのことが好きなんですよ。それはもう仕方ないじゃないですか。だからむしろ今日こうなって良かったと思いますよ。結婚生活が始まる前で」と麗子さん。「猫作はどうなるんだよ、猫作のご両親は、遙ちゃんのご両親だって」と言いつのるよっちゃんに、ふっと笑った麗子は「あなた本当の恋をしたことがないのね。本気の恋をしたら周りのことなんて考えてられないわよ。親が泣こうが怒ろうが知ったこっちゃないわ」と。麗子さんの本気の恋は親は泣かせないけれど、なりふりかまわないこわ~い女になるのね。

祭壇に立ち尽くす猫作に、猫作のお父さんは「お前は悪くない。私が彼を焚きつけた。」理解していない猫作に、お前にも話さないといけないなといい、「遙さんを恨んではだめだ。」と。「恨んでないよ。オレだって分かってたよ。子供の頃から遙はオレのことずっと嫌ってた。でも遙は優しいから、俺のケガのせいで俺と一緒になるって決めて、俺のためにこっちに帰ってきてくれた。俺も変わろうって頑張ったけどやっぱり駄目だったわ。もし時間を巻き戻せたら子供の頃に戻って、そしたら俺あんなバカみたいな意地悪なんてせずに、遙にうんと優しくしてあげるのに」と涙をこぼす「そしたら俺を選んでくれたかな」。「私もそう思うことがあるよ。時間を巻き戻せたらと。でもそれは無理な話だ。後悔を抱えたまま人生は先に進む。その後悔を次に生かせばいい。今日辛い目にあったおかげで次に出会う人にはうんと優しくしてあげられるだろう?」「次に出会う人・・・遙みたいに気の強い女がいるかな」そこに麗子さんが入ってくる。テキパキと式の中止の決断をお父さんに迫り、ホテルでの食事は希望する人だけ参加していただいていいかと。どこまでも仕事のできる女、麗子さん。こういうところは尊敬するなあ。

駐車場までは結構遠い。「遙ちゃん僕おんぶしてあげるよ」とSORA。おんぶしてふらふらと歩くSORAに「何やってんの君たち」と突然アラン「そこはお姫様抱っこでお願いしますよ。結婚式から花嫁かっさらって来たんだろ?お前がそんなことするなんてびっくりだよ」SORAは撮影以外で運転したことなく、遙は免許を持ってないので、結局アランが運転する。「全部撮ってますからね。これが世に出たらもうSORAはほんとに終わり。例の新作の映画のキャンペーンもぶっ飛ぶくらいの。なのになんで笑ってるの二人とも。SORAお前兄貴に聞いてないのかよオレは敵なんだぞ」「やっと分かったよ。アラン君が黒幕だったってことか。」とのんきに笑うSORA。「アランに久しぶりに会えたのが嬉しくて。敵でもいいよアランとこうして話せるなら」と。「オレはお前のせいでこんなに落ちぶれ・・」「ごめんね。だから今日借りを返すよ。僕をいくらでも撮ってワイドショーに売っていいよアラン。それで僕も仕事がなくなったらさもう一回アランにダンスを習って一緒に踊ろうかな」

SORAの両親の事故現場で「僕達とんでもないことをしちゃったよね。猫作くんを傷つけてみんなを傷つけて。でも僕の気持ちは結局子供の時のままだったみたいだ。あのスーパーボールを渡されて、気がついたら遙ちゃんに向けて放り投げてた。でも2回目の今日、遙ちゃんは僕と一緒に来てくれた。父さん母さん僕今幸せだよ」「私もです」と遙。お互いを幸せにすると誓う様子を動画で撮るアラン。

アランはSORAに、お前のファンの恐ろしさ忘れたかと、SORAがウサギかぶって助けに来たことを思い出させる。あの時いた変な頭の子がアランかといってるけど、あの時声でアランだと分かったと兄さんにいってたのでは?

QUOから独立して俳優になったとき、SORAにはレッスンのために夜中まで働く兄さんしかいなくて、それにまたQUOに戻れると思ってたから、僕が俳優で上手くいって知名度が上がったらQUOももっと人気が出ると説得されて、でもそのあとすぐに事務所が資金難で潰れちゃったと聞いて、ずっとみんなに謝らなきゃって思ってたと、SORA。

遙は動画を「どこが一番高く買ってくれるかな-」というアランに、そのスキャンダル、STAR GOSSIPが買ったという。みんなも今日のこと見てたわけだし、なんとか猫作が恥をかかずに済むような形で記事にしてもらうには、STAR GOSSIPのみんなの力を借りるしかない。「そうだ他の媒体じゃダメだ。またネットやワイドショーで面白おかしく取りあげられてしまう。」と。アランは200万という。編集長は逃げた後の動画は欲しいけど、200万は出せないという。SORA自分が出すというが、アランはお前に売ったら事務所にもみ消されて終わりだろ。今までだって兄貴がお前に隠れてそういうことしてきてんだよ。お前は昔から大人しくて大人の言いなりで、ずっとあの兄貴のために自分を殺してきた。でも今日それを全部ひっくり返したんだろ?隠したってどうせバレるぜこんな世の中だ。そもそもオレの目的はオレを裏切ったお前を潰すことだったからな。この記事が出ればそれが叶うってわけだ。というアランに「もうそんなこと言うのやめなよアラン」「自分がめちゃくちゃなことをしたのはよく分かってるけどそれでも今僕は何も不安じゃない。こうやって今日奇跡を起こせたから。僕には今世界が輝いて見えるよ。」

そして遙はこうちゃんのマンションに居候することになった。スターゴシップが二人が幼なじみで子供の頃からの初恋どうしで二人を応援して欲しいと記事を書いてくれ、事務所も二人の交際を公に認めて、SNSは、二人の初恋物語に憧れを持つ人が多く、スターだって恋したっていいじゃんといった声で溢れている。200万は実は猫作がだしてくれた。猫作がSTAR GOSSIPに提供してくれた子供の頃の写真も、SNSで好意的に受け止めて貰うのに役だった。猫作は遙には言わないでくれという。これは子供の時にあいつをいじめてた罪滅ぼしなんで。猫作、いい男だし、自分の為でもあるんだけど、この優しさ、もっと小さい頃からみせてたら・・

SNSは#山猫の社長かわいそう #どんな男でもSORAには勝てへんで というハッシュタグでバズってワインの注文が特に男性から増えた。

真田さんもお祝いに山猫ワインを10本買って遙に会う約束をしたところだった。ふと町で踊っている男性に気が付く。ドレッドヘアを切ったアランだ。その動画を遙に送る。

アランに「私のこと憶えてますか?」という真田さんに、アランは「もちろん。ハイタッチ会にいつも来てくれてましたよね」と。アランはカムバックするという。

ずん子さんの元カレは鳥居マネージャーにスカウトされてモデルになった。

清澄では、月影リゾートの開発に伴った国道の整備で、町長の懸念だった、事故が多かったカーブに陸橋を通して安全に峠を越せるように話が進んでいる。「やっと私の人生の宿題が片付きそうだ」と。月影リゾートの社長も買収した住宅地を整備して自然公園をつくって町の人や都会から来た観光客が一緒に集えるようにするという。ワイナリー祭りをそこで開催するのに完璧に仕切れそうな子は一人思い当たるが・・・やはりあの子はうちに必要だな・・良かったよあそこの兄弟が結婚式をブチ壊してくれて、いや元は私のせいか、いやいや彼の意志だよ。

麗子さん自身も猫作やその悪友たちとけっこう仲良く楽しく過ごしている。

ということで絵に描いたようなハッピーエンド。このあと後日談的な外伝が続きます。

外伝1-3 ずん子さんとマルオはつきあい始める。SORAは遙と結婚して休業中、星が浦海岸の別荘で二人で過ごす。遙はアランのインタビューと再デビューに向けたプロジェクトの手伝いをオンラインでやっている。ずん子さんの元カレJUNは映画に出てブレイク。これから3年間は恋愛禁止という鳥居マネージャーに、今つきあっている人はいないけど、もと付き合っていた人が忘れられなくて、もう一度会って気持ちを伝えたいと。そうしたら気持ちの整理が付いて仕事に集中できるというJUNIに承諾する鳥居マネージャー。鳥居マネージャーSORAの時より柔軟性になった。あまり頭ごなしに禁止すると帰って反動がでると学習したとか。対決するJUNとマルオに「不安がってる相手を落ち着かせるために吐く甘い言葉に男はみんな依存していく。私は誰のことも好きにならない」ずん子さん格好いい。

外伝4 山猫ワイナリーは#山猫の社長かわいそう のハッシュタグのおかげでユーチューバーなどが出入りするようになり猫作は落ち込んでいる。でもおかげで売り上げは伸びているので注意できない。そこに麗子さんが「見学は自由ですけど事前に許可を取ってない撮影はお断りしてます!」とビシッと注意し、データを消す。今年は子供むけのお祭りではなく、ワインフェスティバルを行うという麗子さんの企画プレゼンテーション。猫作も新作ワインの試飲に麗子さんを誘い、まんざらでもないようす。

最近大塚博堂の名前をネットで聞いたので、「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」という曲を思い出した。ダスティン・ホフマンの「卒業」は1967年の映画だ。このタイトルの意味が通じる人がどのくらいいるのだろうか。私も見たことはないけど、ラストシーンはあまりにも有名なので知っている。恋した女性が他の男性と教会で結婚しようとしている場面に駆けつけたベンジャミン、彼への愛に気づいたエレーンはそれに答えて、二人は手に手を取って教会を飛び出す。

ちなみに大塚博堂の方は、このように好きな女性を奪うことができなくて、教会で結婚するのをただ見ていて、今ではもう彼女には2人も子供がいると歌っている。たぶんこの方が現実的。ちなみに「卒業」の原作には続編があって、ベンジャミンとエレーンには子供が2人いてなんとかその後も結婚生活をやっているようだ。

でもって、この漫画のラスト近く(131話)で、猫作との教会での結婚式で遙が誓いのことばをいおうとしたまさにその場面で、こうちゃんは遙を連れて逃げる。これは卒業のラストシーンを拝借かな。大塚博堂は「(花嫁を奪えなかった)僕のまわりだけ時の流れが遅すぎる」と歌ったけれど、そういう後悔を残さずによかった。ラストは脇役もそれぞれけっこうハッピーエンドに向かってる。