2024年3月13日水曜日

暁のヨナ43

2024/2/20刊行

(第247話)おぼろげな光
ジェハは消えてしまった。キジャの手が巨大化した龍の手になる。必死でキジャの心を鎮めようとするハク。怯えた村人たちはキジャも攻撃しようとする。そこにソノンさんが、ハクたちの私物を乗せた馬を二頭放ち、村人を蹴散らしてやってきた。ソノンさんヨナとキジャを抱いたハクは乗って逃げる。ソノンさんほんとうにいい人。高華国と将来和睦が成立したら、高華国にもきて欲しい。

そして3人が荒野で目覚めるとキジャは元に戻っていた。高華国に戻って休んだほうがいいというヨナとハクに、「誰かから四龍は短命だと聞いたか?」と問う。そしてキジャはヨナに、「それは歴代三龍の宿命なので皆覚悟しておりました。ただ私は死ぬ時まであなたをお守りしたい。どうかお側にいさせて下さい。」と。「キジャたちの短命がいいわけないよ」というヨナに、「そのお言葉だけで私は生まれてきて良かった」と思う。「前にキョウガ達はジェハと思われる龍に矢が当たり消えたのを見た。それでもジェハは私達の前に帰ってきた。だから今回も、きっと」とキジャ。

ヨナ姫様は四龍様と合流できたでしょうか。と野営地点でスウォンに語り掛けるミンスに「もう戻らないかもしれませんよ」とつぶやく。と、ミンスの手伝いでお使いに来たユンを見て「あなた・・・行かなかったのですか?ヨナと共に」と驚くスウォン「はい、仕事があるので」そんなわけないじゃん。ヨナはこの戦いが終わるまではスウォンに協力するといったのだから。

夢の中でゼノに会うヨナ。

(第248話)青い影を追って

夢の中でゼノに、ジェハがいなくなっちゃったというヨナに、ゼノは「言ったろ?寿命がきたって」と。「始まったんだ」とも

風の部族の野営地点に現れたのは、龍に半ば心をのっとられた青龍シンヤ。ハクの名前を耳にするが、それはテウだった。テウを守ろうとノブが矢を放つと青龍は暴れ、集まってきた兵士を目の力で倒す。テウもジュドもケイシュク参謀も青龍であることに気がつき、殺さないで止めようとする。

(第249話)繋ぎ止めて

やっと青龍は縄で縛られたが、そこへやってきたスウォンの肩にケガさせてしまった青龍。青龍を殺せと命を下すケイシュク参謀。なぜここにスウォンはやってきたの?本気になれば自分の身は守れるだろうに、なんで青龍に噛みつかれるままでぼーっとしていたの?

そこに騒ぎを聞きつけてユンが現れる。

(第250話)悲しみが終わる場所へ

ユンの顔をおぼろげながら思い出す青龍。青龍の矢を抜かなきゃ、とういユンに「あれが人であれ龍であれ陛下に重傷を負わせた。我々はあれを殺さねばならない」とカン・キョウガ将軍。「待ってスウォン陛下もきっと助けるから」とお願いするユンを、部下に連れて行かせようとするキョウガを青龍が襲う。そんな青龍に「逃げて。これ以上人を傷つけないで」という。青龍を切ろうとするジュドを必至に止めるユン。矢で傷つき去って行く青龍。ヨナや仲間たちの幻を思い浮かべながら。四龍が高華国とこんな関係になってしまったとは。

シンヤは、荒野をかけるヨナ、ハク、キジャとやっとであう。ゼノがヨナの夢の中で持っていた血の盃があれば傷が回復するかもしれぬと聞いて、ゼノを求める青龍。千里眼でゼノを見つけてゼノの元に。

(第251話)分断

スウォン陛下の傷を手当てするミンスに「スウォン陛下、死なないよね・・。シンアの傷で死なないよね・・!?」と必至で問いかけるユンに、ミンスは「助けます」というが、会話を盗み聞きしていた側近のソガは納得いかないようだ。

ソガと側近達は、ラパもつれて青龍に天誅をくだしにいく。「あの怪我では何もせずとも命はないかと」いうケイシュクに、「ぬるい事を言うようになったなケイシュク。ヨナ姫の影響か。我々はユホン様がご逝去されたあの日スウォン様を王とし御守りすると誓った。あの化物は重罪だ。しかしこの野営地には龍殺しを躊躇う者もいるだろう。ここからは我々『影』の役目」とでかける。

荒野からゼノが突然現れる。気がついたら一人で荒野に放り出されてたからあんま覚えてない。ジェハとシンアの気配は感じないという。血の盃について知らないかと、自分の見た夢を話すヨナに、「持ってない」という。

そこに現れたスウォン護衛の影たち。青龍を知らないかというソガ。落ちていた縄を「青龍を縛った縄です」というラパ。「シンアはここにはいない」という。「隠してはいない。知っていたとしても渡せない」というヨナ。「ならばそこにいる二体(キジャとゼノ)も引き渡して頂きます」とソガ。割って入るハクに「我らスウォン陛下の旧知の側近。我らの意志は陛下の意志」というが、「あいつを昔から知ってんのはこっちも一緒だ。四龍を今すぐ捕らえて処分しろってあいつの意志とは思えないんですがね。だいたいあんたら寄ってたかって側近だ護衛だ名乗っていながら、その場にいたのに主に重傷を負わせたのか?うん、ハク鋭い。スウォンは四龍を探しに行けと言った。その辺、主との意思疎通きっちりしてから話し合いをしましょうや。」「探せと仰っていた事は知っている。お前だけにお伝えになったお言葉も」というソガに、ハクとスウォンの二人だけの深夜の会話「私が死んだあと次期高華国王にヨナを」というのを聞いていたことを、ハクは知る。「我我はそれを認めない」

要は皆ユホンに忠実なのであって、スウォンに忠実なのとちょっと違う。まあ主が暴走しようとしたら止めるのが側近の役目ではあるけれど、スウォンはユホンよりすぐれたリーダーだと思うのに、これはスウォンの意志をまったく尊重していない。

(第252話)たとえ元には戻れなくても

「消えて頂く。ここで。」と。「下知もなくキジャ達を捕らえ私を暗殺など、スウォンに対しても不敬でしょう」というヨナに「我らはユホン様に忠誠を誓う者。憎きイルの子である貴女が高華国の王になることを決して許す事は出来ない」と。スウォンが自分が死んだ後聞き国王はヨナだと言ったことを初めて聞くヨナ。「本当に勝手な人ね」とヨナ。「スウォン陛下はご聡明で理想的な王であられるが間違った選択をなさる事もある。特にあなた方の前ではご判断が鈍っておられるようだ。それを断ち切るのが我らの役目」止めようとするラパに、お前は青龍を探せといって、ラパはハクに共感を持っているのをわかっていて配慮したのか・・ソガたちは、ヨナやキジャを攻撃する。ヒューリ並に強い。ヨナをかばって怪我をしたキジャは、幻夢の中で歴代白龍たちとであう。「お前はよく闘った。もう休め」という先祖達に、「つまりそちらにジェハとシンアはいないのですね。あやつらが天に昇ったのなら私や姫様を案じて魂となってきているはずです。でもここにはあなた方しか来ていない。つありあの二人はまだ地上にいる。私はまだ白龍を全うしてないので見ていて下さいね。今少しだけ力を貸して下さい。」と龍になるキジャ。これ、生真面目でヨナ姫一途なキジャらしい。ユーモアもあるし。龍になり、あっという間に側近達を倒し、ラパも殺そうとするキジャに呼びかけるヨナ。暴走が止まったキジャを、ゼノは盃に入れる。

これであとはゼノだけ残った。でも龍神さまの意図はどこにあるのだろう。主を待って、龍の力を使う機会もないまま、村人から隠れ住んだり迫害され、短い寿命を受け入れて2000年も待ったあげく、ヨナを守って消えるの?

緋龍王の子孫にしても、緋龍王の遺志を次ぐ機会もなくひたすら隠れ住んで、緋の病で苦しんで若くして死ぬだけの2000年だし。見ているだけで何も出来ないゼノにとっても苦しい2000年だったはず。

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2024年2月16日金曜日

暁のヨナ42

 2023.10.20発売
(第241話 生まれた場所が違ったら)
ヨナ姫とハクに致命傷を負わされた瀕死のチャゴルを連れて、荒野に逃げるラーン。チャゴルに目を潰され腕を折られても、主君への忠誠は変わらないという。ただ今一度チャゴルに認めてもらいたいといいかけて、ラーンは事切れる。ラーンも背中に矢を何本も受けて瀕死だったのだ。

チャゴルは北の皇帝の血筋でないことでたぶんいろいろあって誰も信じないようになったのね。チャゴルは北(戒)を超えるために高華国に手をだしたと・・・そして龍の血の盃が戦利品。「生まれ変われるのなら次はもう静かなところへ行きたい」と事切れる。

四龍の血の盃がチャゴルに渡ったことを知っているキジャは、ジェハの怪我が悪化してないかシンアやゼノがどうしているのか、いてもたってもいられない。ジェハ達を迎えに行くというハクに、ヨナが自分も行くといいかけると、ケイシュク参謀が現れ、チャゴルは援軍が来るといっていた(のでこれからも戦が続く)。ヨナ姫には軍を導く役目があり、ハクは空の部隊軍護衛部隊隊長だという。「陛下を守って下さり感謝致します」とも。

ヨナ姫は龍の声を聞く。

その頃チャゴルと四龍を探索にいったキョウガ将軍は南戒の援軍を襲う龍を見る。

(第242話 消えた龍)
キジャも、ジェハ達の気配を感じる。緑龍と黄龍と青龍を呼びながら龍達に近づくキョウガ将軍に、青龍らしき龍が近づく。キョウガ将軍が止めるのも間に合わず、青龍に部下が矢を放つ。眩しい光りに気を失っているうちに、南戒の援軍は退却して、龍達は消えていた。高華国軍に戻り報告するキョウガ。一方チャゴルとその配下の者を発見して死亡を確認したという知らせも入る。盃はなかったという。キジャは今では他の龍達の気配が薄くてわからなくなっったという。

スウォンはこの機を逃さず高華国軍は南戒の都、酉京を制圧するため西に進軍するという。

しかし地の部族軍のグンテ将軍は、地の部族軍も、高華国軍も長い戦で疲弊していて、空都では緋龍城も焼け落ちて王不在で混乱が生じているはずなので、一度都に戻って態勢を整えたいと進言する。

スウォンは「長きに亘る戦に決着をつけるのは今です」と。一方ヨナ姫は「酉京まで我々を導いてください」と兵士達に大人気だ。スウォンには「この戦が終わるまで私があなたを支えるって」約束したので責任があるけれど、ヨナはジェハとシンアとゼノを迎えに行きたいと、ハクに語る。

夜ヨナが寝た後独り外に出たハクは、蹲っているスウォンと出逢う。

(第243話 別れを告げる夜)
人目のない小屋に移動した二人、スウォンは、千樹草のおかげでしばらくは発作が起きずに済んだとハクに感謝する。ただこの病が治ることはないと。スウォンはハクに「ヨナ姫と共にゼノさん達を探しに行って欲しい」という。スウォンにとってここでまっ先に出てくる四龍はゼノなのね。「ケイシュク参謀の捜索隊よりも『四龍』に関してはヨナ姫の方が良いでしょう。皆にあなた方は四龍と共に後ほど合流すると言っておきます」と。「それは王としての命令か」というハクに「あなたの『王』が私でないことはよく分かっています」と。

どうして俺に復讐されてもわからない場所で、ヨナではなく俺にいうのかと思うハク。いやハクはヨナ姫に忠実だから、たとえチャンスがあってもスウォンを殺したりはしないし、スウォンもそれを解っている。それにハクはもともとスウォンを信じていたし。

スウォンは「私はもうあまり長くはありません」と緋の病と自分が緋龍王の血筋であることを話す。ゼノを除く三龍の短命も説明する。自分の子をもうけてもその子は緋の病にかかる可能性があるし、病を免れても王の教育を施す時間はないので、「私が死んだ後、次期高華国国王にヨナを」と。

つくづく思うのだけど、緋龍王の血筋って、短命なだけで何の意味も無いし、そういう意味で、スウォンは王としての素質は素晴らしいのに可哀想。

「イル陛下を殺し姫さんをも殺そうとして玉座を奪っておいて次の王になれだと?だったら最初からお前が姫さんと婚姻を結んでいればそのまま権力を姫さんに渡せた、誰も傷つけずに済んだんじゃないのか?」と切れるハクに、「城にいた頃のヨナでは無理です。それにイル王は決して私をヨナの側には置きたがらなかったでしょう」とスウォン。

「てめえに見る目がなかっただけだろ。それを勝手に追い出しておいて戻ってきたら使えそうだから王になれって!?どこまであの人を振りまわせば気が済むんだ!?」イル王は決してヨナとスウォンの婚姻を認めないだろうから、この点はスウォンの言ってることは意味が通っている。ただこれは両親の兄弟確執なのだよね。もとはといえばユホンがカシ様を殺さなければ、イル国王もユホンを殺さなかったのに。ユホンは自分は国王にならなくてもよくてイル国王を立てるという意志はあったのになぜ・・・カシ様もその予知能力やイル国王に対する影響力をもっと隠しておいた方が良かったのに。そしてスウォンにヨナの潜在能力を見る目がなかったのは確か。

後ほどでてくるけれど、スウォンにはいつも子ども時代からの最側近の武官が影の護衛としてついているので(第251話のソガほか)、ここでハクがスウォンを壁ドンしたときに思わず飛び出しそうになったのでは。

「全くあなたの言うとおりです。酷く勝手な事を言っている。私も彼女を選びたくはなかった。彼女だけは選ぶまいといくつも他を考えました。ゼノもその一人だったね。だけどその度に彼女は揺るぎない信念と求心力を見せつけ判断力・統率力・知力・人望・・・どれを取っても彼女以外考えられなくなってしまった。彼女と四龍さんそしてあなたがいれば私がいなくなってもこの国を守れます」

漸くこいつは姫さんをちゃんと対等に見た。どうしてまた最悪な形で俺の願いを叶えるんだ。と心の中で思うハク。

ゼノさん達を探しに行くなら夜明け前です。他の人に見つかる前にここを出て下さい。ヨナを連れて。といって去って行くスウォン。で、最側近達はこのあとシンアがスウォンに重傷を負わせたので四龍を殺しにいくわけだけど、この時からスウォンの意見には反対だったわけだよね。この時点ではハクが気が付かないのは無理ないけど、スウォンは気が付かなかったのだろうか。

この先もずっと肩を並べて歩けるように・・そう誓った日はいつだったか。だがもう忘れる。もう・・・思い出すこともない と幼い日のスウォンに憧れていた自身を思い出すハク。

(第244話 静かな出発)添い寝してと甘えるメイニャンに照れて逃げようとするヴァル。そう簡単に距離感変えられるかというヴァルに、人間いつ死ぬかわかんないんだよとメイニャン。

ボロボロになったカジが薬草を持って現れる。敵国だったここで、これからどうやって生きていけばいいのだというカジに「ヨナ姫と共に行動してたんなら高華国は悪いようにしないよ。」とメイニャン。

ヒッタン将軍に面会してラーン将軍のことを伝えに3人はヨナ姫を探すが、今休んでいるとハクに遮られる。メイニャンが緑龍達をおびき寄せられて捕まったことを謝るメイニャンに、「誰もアンタを恨んじゃいねえよ」とハク。風の部族のテウ将軍がきっと力を貸してくれると、ハクに言われたというと、テウ将軍は、ヒッタンの面会に立ち会ってくれる。

「俺も国と家族を守りたかった。そのためにヴァルをも殺そうとした」とヒッタン将軍。「俺も迷わなかった訳じゃない。でもこいつ(メイニャン)が殿下の側室になったとき暴力を受けていた事をなんとなく気付いていながら俺はどうする事も出来なかった。それがずっと心に刺さったままで、だから今度はもう見捨てたくなかったんです」とヴァル。

面会後「ヴァルやカジやホーちゃんに生きてまた会えるなんて。ここに来るまで三度くらい死んだっておかしくなかったし、いろんな人に迷惑かけて不謹慎かもしれないけど、私は今幸せだよ」といいながらメイニャンは頭が痛み出す。メイニャンが「私たぶんもうすぐ死ぬ」と言ったことを思いだして、メイニャンの体を心配するヴァル。ユンの所につれていくとお姫様だっこするヴァルに「死んでもいいって思ってたのに生きたい。もう少し。これからもこの顔を見てたい。」そういえばあいつも今痛いのかなとスウォンを思い出すメイニャン。やっと幸せになってメイニャン良かったけど、先は長く無さそうなのは切ないね。

ユンは薬草を煮ながら泣いていた。ヨナ姫やハクや白龍は、ジェハとシンアとゼノを探しに行っちゃったという。私のせいでユンが残ったのなら一緒に行くというメイニャンに、ここにはまだたくさんの怪我人がいるし、俺はミンスの助手って事になってるから本来自由に動かないのが約束なんだ。(国で最も重要な秘密を命懸けで守らなければならないし、)自分で選んだ事だから。と。

ユンは、ヨナがスウォンによって父のイル王を殺されて城を追い出され、ユン達と一緒に旅に出た日々を、ヴァルとメイニャンに話す。ずっとこのままではいられないってどこかで気付いていたけど・・もし二度とみんなに会えなくなったら俺耐えられるのかなぁと。

(第245話 始まった)

荒野をいくキジャとハクとヨナ。もはやキジャには三人の龍の気配がわからない。ヨナはハクの態度からスウォンと何の話をしたか気になるが、ハクはゼノ以外の四龍が短命であることやスウォンがヨナ姫を次期国王にといっていたことは言えない。

偶然三人はソノンとランラン親子の集落へ行く。高華国の人間かと警戒されるがランランはハクをお帰りなさいお父さんと呼ぶ。ソノンも集落の人から、この人はあんたの旦那かと言われてまぁそうですねと答える。彼等の村は野営地に使われ兵士がどっと押し寄せてきたのでここまで逃げてきたという。

誤解して「いつの間に知らぬ女と所帯を持っていたのだ!?しかもこんな子供まで !!!姫様への気持は嘘だったのか!?」とハクをぶっとばすキジャに「敵国の人を助けたりお話しするのは周りに怪しまれます。だから咄嗟に家族だとごまかしたんですよ」とソノン。悲しくて心臓が潰れるかと思ってたのが安心して思わず倒れるヨナ。それは嫉妬?ハクが水攻めで死にかけた所を助けて貰ったときいてキジャとヨナはお礼をいう。

盃を持ったゼノが「来るから逃がすなよ」とヨナにいう夢を見ていたヨナは、ハクに起こされる。キジャが外に出て行って様子がおかしいという。キジャは幻のように現れたジェハと対峙していた。

(第246話 この先はもう行けない)

ジェハは南戒軍の馬車から逃げようとしたときにやってきた援軍を見て身を守るためにシンアは龍になり、それっきりシンアとゼノとははぐれてたという。

一緒に帰ろうというヨナにジェハは「いやここでお別れだ」体が溶けながら「ぼくはもうひとではない」という。「僕はいずれほんとうの化け物になる。君らのこともわすれるからかえらない」と。そしてキジャに向かって「君ははやく国へもどれ、ぼくはそろそろ寿命らしい」と。棺に入ったジェハやシンアやキジャの夢を思い出したヨナ。「きみはまだいきられるヨナちゃんをたのむ」という。

そこに誰何にきた村人たちに顔を見せろと迫られて手を取られて、龍の姿になるジェハ。思わず駆け寄ろうとするヨナに、「あんたに怪我なんか負わせてしまったら、もうあいつは俺らに合わす顔がねぇよ。俺と白蛇で絶対止めるから」とハクが止める。松明をもって集まってきた村人。止めるヨナに村人が松明を投げつけると、龍になったジェハが割って入る。「娘さん逃がすなよ」という夢の中のゼノの声が思い出されるが、ジェハは「ごめんね ありがとう ほんとは少しその手に触れたいけど」と消えてしまった。

だんだん切ない方向に行く。でもまだ南戒との講和もなりたってないし、北戒の態度もわからないし、ここで四龍終わっちゃうの?

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2024年2月13日火曜日

スキップ・ビート!49

 (ACT.303 エラー・リンク)
敦賀さんに告白された後も、キョーコにとっては『紅葉』は分身で敦賀さんは『志津摩様』の化身で、紅葉の最期を演じて喪失感を感じるキョーコ。生きてもう二度と敦賀さんに会えないのかと半地縛霊化した気持ちで敦賀さんに深夜逢いに行ったことをカラオケルームで奏江に話すキョーコ。

話の中で「あんたたちつき合ってないの!?」と驚く奏江。告白されたんだからキョーコの勘違いだと言おうとすると「敦賀さんのっぴきならない事情があるみたいで、そういうの今は保留にしておこうって二人で話して決めたから」というキョーコに「縛られたくない遊び人の常套句じゃない」とは思ったものの「不破尚の時みたいにこの子をいい様に利用してどうこうしようってのでも無さそうだし。なんならむしろ未成年相手に本能にまかせて即猿化しない所は評価すべき所で、『今は保留』が、この子が成人するまでって意味ならと思う奏江。奏江らしい表現!

何の装備もないピクニック気分のお気楽なハイカーが突如豪雪のエベレストに放り出され登頂しろって言われる状況にたとえるキョーコ。「私はまず備えるべきものを備えたい。エベレストに挑む資格のある者となるために」「最高峰に臨むなら準備と装備はどれだけしておいても物足りない!!なんぜ一瞬の気のゆるみが周りを巻き込んでの大惨事に」というキョーコに、奏江は先日映画の総合責任者的な人から正式オファーをもらった話をするが、奏江は浮かない顔。

 (ACT.304 フェアリーテール・プロローグ)
総指揮と呉崎プロデューサーの前での非公式オーディション(?)で、今作品の前身とされるものの一部というラフを見せられる奏江。最後のシーンにはセリフがない。奏江に入れて欲しいと呉崎プロデューサーにいわれて頭が真っ白になったという。結局That's so funnyと入れてOKをもらえたものの、もっと違うことを表現したくて情けなかったという。

役の気持に添った沿った形で演技した訳じゃないのに認められてしまった。虎徹さんが、昔海外から映画出演の話があったけれど、失敗を恐れて断ったというのがよく解ると。自分の下手な演技で、鑑賞者を物語の中から現実に引きずり戻してしまうんじゃないかというのが恐いという。そんなモー子さんに願い事を3つだけ叶えてくれる魔神を呼び出す方法を知ってるといって、キョーコはデイジョウェイランドでお揃いで買ったチャームを示して「モー子さんの自信が確かなものになる様にもっと装備を固めよう。その山私も一緒に登るから。」という。これは私自身の英語に対する自信と不安とプレッシャーでよくわかる。

 (ACT.305 フェアリーテール・ダイアローグ)
ラブミー部部室で洋画トレースで練習していた奏江とキョーコに、英語で芝居する事に慣れておきたいとルート・プロジェクトのチームメンバー全員が参加。敦賀さんまで参加することになって、呉崎プロデューサーの協力で英究が稽古場も宿泊施設も提供することになり、ローリィ社長が稽古も兼ねて米国式の模擬撮影して、人材なら用意するという本格的なものとなった。

その英語劇の練習ではディーパーの敦賀さんとロルフの古賀さんとツゥルーの奏江の撮影が続く。英語の発音の欠点を指摘されてアッパーさんの英語レッスンに走り去る奏江。そこにお弁当を持ってラブミーつなぎで現れたキョーコ。

 (ACT.306 フェアリーテール・ダイアローグ)
銃を持つ古賀さんのロルフとディーパー敦賀さんの剣の闘いの場面を見ていた村雨は、敦賀君って今までヒーロー属性の役ばっかりだったかったからヒール役新鮮なのに、「陽」のオーラをカケラも漏らさずこなしちゃうの、さすが。という。そのヒールと村雨さんは映画で対決しているのだけど。そういえばBJはどうなったんだろう。もうそろそろ劇場リリースされるのかな。

村雨さんには初顔合わせで早々に、クーの話の飛び入りして、キョーコはクーのファンだと知られてしまった。クーの「ジェネラル」の話と同じ瞳で、敦賀君のディーパーも見ていたという。「実は日蓮女子」だろうと言われて、古賀さんも加わってきて、更に加わった敦賀さんには古賀さんが「京子ちゃんが敦賀君のファンやめたって話してたんだよ」と、香凪さんとの関係に言及する。「俺軽蔑されてるの?」という敦賀さんに、敦賀さんなら通じるだろうと同意する。大笑いする古賀さんを見て「俺って古賀君に嫌われてる?」とキョーコに聞くと「まぁそうですね。」しかし敦賀さん、泥中の蓮で古賀さんと親しいとは知っているとは言え、なんでキョーコに聞く?

とキョーコは、突然呉崎プロデューサーに、「ヒロインを虐げる役 得意でしょう?」と役者に入るように言われる。

 (ACT.307 フェアリーテール・ダイアローグ)
賑やかに宝田社長登場。今回の米国人撮影クルーは息子が社長をしているスメラギ・ファインアーツ・エージェンシーから派遣されているという。会社は息子の嫁(って飛行機事故で亡くなったまりあちゃんのお母さんですよね)のエージェントとして就いたという。ご子息は宝田社長と奥様のいいところを器用に受け継がれたのですねと、宝田社長が品がないと暗にうかぽろで言ってしまって慌てる呉崎プロデューサー。

宝田社長に「俺やレオ(総指揮のヘルベルト氏)みたいな、フリーダムで他人の都合とか、わりとどうでも良くグイグイ行くタイプは、自分のペースを乱されるから苦手なんじゃないか?」と呉崎プロデューサーの気持を見抜く社長。自由人で破天荒で無神経って自覚はあるのかと、内心びっくりするプロデューサー。宝田社長は、いつの間にかあのコスプレ総指揮ヘルベルト氏と意気投合してファーストネームで呼ぶ関係になっている。

琴南さんは相変わらず必要以上に周りと親交を深める気が無さそうで、「大丈夫かな本格的に米国で仕事始まったときに孤立して病みそうだけど」と心配する社さん。「そういうメンタルケア込みの最上さんなんじゃないですかね」という蓮に、キョーコちゃんが琴南さんに付いて米国に同行することを知っていることを、にんまりからかおうとする社さん。「紅葉」のパートはここ何日かで終わるし、泥中の蓮全体も今月中には撮り終わる予定だけど、冬景色のシーンのために季節待ちで一旦止めとく(ので古賀さんもプロジェクト参加可能)。紅葉も早く公開してキョーコの人気が上がって欲しいんだけどな。

キョーコの琴南さんのサポートは、正式に「仕事」としてやってると聞いて、海外でいうP・Aだと興奮する村雨さん。俺もクーのP・Aになりたかったと。ちなみにP・Aは別名B・F・F(Best Friend Forever)日本語で言う”ズッ友”

最悪にして最強のヘルソルジャー「ライアー」の格好で現れたキョーコ。

 (ACT.308 フェアリーテール・ダイアローグ)
意外と様になっているとライアーキョーコを褒める奏江と社さん。同意を求められた蓮はなぜか、間を置いて「意外と」と同意。村雨は既視感があるようだ。「京子ちゃん、もしかしてSUTEGORO SNOW WHITEというレディースチームに居た?」という村雨に「ステキな年頃白雪姫!?」と目を輝かせるキョーコ。

撮影に入ろうとするキョーコに、「最上さん、後で少し時間もらえるかな。ちょっと話したい事があるから」という蓮。まさか敦賀さんのスキャンダルで「軽蔑している」というのを鵜呑みにしたとか・・と焦るキョーコ。

 (ACT.309 フェアリーテール・ダイアローグ)
キョーコと奏江の演技とアクションは皆を圧倒する。背景や特殊武器の画像は前以て作っておくことができるので、撮影したらすぐ合成できるけど、それもスタンドインと役者の動きがちゃんと合っていないといけない。

「貴女方のアクションは大変素晴らしい」と二人を絶賛する呉崎プロデューサー。キョーコの殺陣以外の技術も、あがっていることに気が付く。紅葉のオーディションを受けるために紹介してもらったアクションクラブにまだ通ってて、紅葉のアクションだけでなく琴南さんのトレーニングサポーターとしても一緒に行かせてもらっていたので息が合っているのだと。「心強いパーソナル・アシスタントですね」と。

呉崎プロデューサーは琴南さんにも「期待しています。今後の貴女に」と声をかけ、それを自分のことのように喜ぶキョーコ。

蓮が社長に挨拶に行くと、映究の宿泊施設を蓮も利用しているのかと言われる。してないと聞いてがっかりして帰る社長。プロジェクトメンバーズミーティングで、香凪さんとの事何も言われなかったから、今日こそ何か言われるのかと思ったのに何しに来たんだろうという蓮に「美味しいもの食べられる期待してたんじゃないのかな。だってほら社長、ラブモンだから。多分社長知ってるし。お前の本当の相手」と社さん。

そりゃそうでしょ。社長は蓮がキョーコを好きなのはダークムーンの頃から知っているし、キョーコも蓮を好きなのはBJの撮影現場に押しかけてで知ったし、蓮にはキョーコと尚のキス写真をわざわざ見せて煽ったから、蓮がなんらかの行動を起こしたことは予想していたし、香凪さんのスキャンダルがでたあと、LMEの前でキョーコが蓮をばったり出逢って嫌な顔をして逃げ出したのは目撃していたし。

 (ACT.310 フェアリーテール・ダイアローグ)
びっくりする蓮。「俺が気になってるのは社長に知られてるかどうかではなくて『社長が知っている』という事を何故社さんが知っているかですね。もしかして社長とそういう話をした事があると?」

「香凪さんとの報道が出た時、お前言ってたろ?『笑ってました あからさまにニヤニヤしてるってわかる癇に障る声で』あの時社長は全て知っていると確信した。あの報道をきっかけにお前とキョーコちゃんの間がこじれた上モダモダした切ない恋愛イベントが頻発の末、初々しく結ばれる若い二人、それらを妄想しての『ニヤニヤしてる癇に障る声』だったんだと俺は自信を持って言える!!」と社さん。「そんな両片想い又はデキたてホヤホヤカップルに『合宿』さながらの美味しいシチュエーション、なのにお前ときたらその『合宿』を利用していないという。社長のガッカリがどれ程のものだったかわかるだろう」と。

そして「俺もお前達の関係が今どうなってるのか知りたいとは思ってる。何かあったとき適切なフォローができないからな。」という社さん。社さん知っているようでやはり現状は想像の斜め上だよね。

ライアーの扮装のキョーコを見た古賀さん、いろいろあって、キョーコを「京子ちゃん」と呼ぶことに決めた。頬を染めて「ありがとうございます」というキョーコをじっと見つめる蓮。

撮影後23:15(たぶん宿泊施設のキョーコの部屋で)二人になったときに「俺は何故未だに『最上さん』呼びなのだろう」という蓮。

呼び方は正式に恋人になった時あるいは、コーンバレして過去をすべて打ち明けたときに、一足飛びに『キョーコ』になるかと思ったけど、まあ最上さんは他人行儀だよね。蓮はキョーコをデビュー前から知っているので、インタビューなど公式な会話だけ「京子さん」で、それ以外は本名でもいいとは思うけど。やはりみんなに「キョーコちゃん」と呼ばれていてもやもやと餅を焼いていたのか。

(SPイラスト)ディーパーの敦賀さんとライアーのキョーコ

洋画のトレースを、英語で演じることに慣れるために始めたはずで、本来公開する予定もないのに、これだけ長々と続けたと言うことは、何かの伏線なのだろうか。たとえば将来キョーコがアメリカでなんらかの芽をだして花開くきっかけになるとか。

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2023年9月28日木曜日

薬屋のひとりごと

『薬屋のひとりごと』日向夏著

小説版とスクウェア・エニックス(月刊ビッグガンガン連載)版のマンガと小学館(月刊サンデーGX連載)版の漫画がある。

小説版 
著者 日向夏
イラスト しのとうこ
主婦の友社 ヒーロー文庫

マンガ版
原作 日向夏
作画 ねこクラゲ
構成 七緒一綺
キャラクター原案 しのとうこ
発行 スクウェア・エニックス

マンガ版
原作 日向夏
作画 倉田三ノ路
キャラクター原案 しのとうこ
発行 小学館

アニメ版もあります。

猫猫は花街で薬師の養父と薬屋を営んでいた娘。原料の薬草を採集している最中に、人さらいに誘拐される。売られた先は皇帝のために美女が集められた後宮。そこで働くのは二千人の官女と千人の宦官。真面目に仕事をしていれば2年で年季が明けるので、洗濯係として目立たないように過ごしていた。

東宮の母の梨花妃と、公主(ひめ)の母の玉葉妃は、後宮の二大勢力だが、どちらも母子共に具合が悪い。好奇心からつい様子を見にいって、白粉に含まれる鉛中毒なのを見抜いた猫猫。花街で養父は薬師をしていたので、白粉で命を落とす妓女を見てきたのだ。太医が気が付かないので、自分の裳を切り裂き、草の汁で「白粉は毒、赤子にふれさすな」と伝える。もともと毒のある白粉を使っていない玉葉妃は、白粉を使っていた乳母を解雇して親子とも無事だったが、聞き入れなかった梨花妃は東宮を亡くし、自分の健康も害してしまう。

玉葉妃からいきさつを訊いた、宦官の壬氏は、梨花妃と玉葉妃が太医を前に争っている場面ですれ違った猫猫のしわざであることに気が付き、同じ様な容貌のそばかすのある下女たちを呼びだしたときに、策略で猫猫だけが字を読めることをつきとめ、感謝した玉葉妃の毒味兼下女となった。

年季明けまで静かに過ごしたかった猫猫は、後宮一の美男子?壬氏が策略家であるのを身に染みて知ったので会う度に、蛞蝓を見るような目でしか見られないところも壬氏は気に入っている。

美貌の壬氏は、後宮の女性達が皇帝への忠誠を計る試金石でもある。壬氏に色目を使う女性は妃に相応しくない。

壬氏に武官から送られた包子を、猫猫は匂いを嗅いだだけで催淫剤入っていることを見抜く。そんな猫猫に壬氏は媚薬をつくるよう頼む。猫猫は医局を自由に使えるようになる。

牛乳と乳酪(バター)と砂糖と蜂蜜と可可阿を混ぜた巧克力(チョコレート)を千果(ドライフルーツ)にまとわせたのが媚薬。猫猫は慣れているから媚薬は利かないので、余ったチョコレートをおやつにとパンにしみこませておいたら、3人の侍女達がつまみ食いして、バッチリ効果があらわれ、壬氏やその従者の高順(ガオシュン)や玉葉妃や侍女頭の紅娘(ホンニャン)も目にすることとなった。

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2023年8月1日火曜日

ハチミツとクローバー

マンガはほのぼの系かハッピーエンドで幸せな気分になれるのが専ら好みだけど、このハチミツとクローバーだけは、ほとんどの登場人物が失恋するけど、いかにも青春の日々が感じられて好き。私にとっても一生のうちの一番大事で、かつ葛藤していた時間を一緒に過ごした高校大学時代を思い出す。あと、主人公に(特に女性)が、才能がありかつ努力もしていて成長していくところに感情を移入できる話がいいのだけど、ハチミツとクローバーは竹本クンはどちらかというと、美大にいながら自分の才能の限界を感じて葛藤しているところに共感を持てる。

東京の美大2年19歳の竹本。実家は高崎。小学生の時父祐一を亡くして看護婦の母美津との二人暮らし。再婚した合田稼頭男、カズさんは、美津の元患者で、やさしい実父と違い、丈夫で背も声もデカくて何でも力任せで、ガサツでかっこ悪くても一生懸命コトバを尽くして直球で気持ちを伝えるけど竹本は苦手である。亡くなった父の言葉に従い母を助けるために一生懸命だった竹本は、母が再婚して自由になって、自分がからっぽであることに気が付いた。6畳+台所3畳風呂無しの大学まで徒歩10分の築25年家賃三万8千円の学生アパートに住む。

同じアパートの住人達は個性派ぞろい。

建築科4年22歳金沢出身の真山巧はバイト先の理花さんに惚れている。

しばらく行方不明になっては札束を持って帰る2回留年した大学6年生の森田忍はいつもジャージでビーサン、他人の言葉に惑わされないけど、他人の言葉に全く耳をかさない。

長野からやってきた花本教授の従姉妹の娘、花本はぐみは、創作の才能と素晴らしい集中力で絵や彫刻に取り組む。はぐみを育ててくれた祖母は老いてゆっくり視力を失いつつあり、かつての強くて明るい人ではなくなってはぐみを小さな町の古い家に縛り付ける日々だった。そして祖母は亡くなり、花本教授は高校を卒業したら自分の大学に来るように誘ったのだ。竹本は出逢った瞬間恋に落ちた。そのことにすぐ気が付く真山。同じくはぐみに一目で恋に落ちた森田忍はその愛情表現の仕方も、苛めているのと紙一重、里芋の葉を持たせてコロボックルを演じさせたり足形を取ってネットにあげたりしてはぐちゃんを困らす。でも足形から、はぐちゃんの気に入りそうなピンクのラメのミュールを買ってプレゼントするなど、超ストレートな愛情表現を示す。

はぐちゃんは、他の教授から、次回作はとか海外にでて凱旋とか展覧会の傾向と対策とかいわれてプレッシャーを感じ、同級生達は花本さんは特別といって距離を置いていて、時々はぐちゃんはストレスから倒れてしまう。花本教授だけは「大丈夫、自由に作っていいんだよ」という。はぐちゃんのつくる料理は、グレープフルーツの炊き込みご飯とかまるごとリンゴカレー煮込みなど個性的というか破壊的。

鉄人とも言われる山田あゆみさんは、女性を越える肉体的なパワーをもち、真山巧LOVE一直線。そんな山田の気持ちを気付いている真山は、アルバイト先の理花さんに片想い一直線「俺は多分変わんないよ。お前が他の男探した方がぜんぜん速いよ。もうオレを見んのやめろ。」とつれないが、それでも諦められない山田。料理ははぐみと共に破壊的。酒屋の娘で商店街のアイドル。

絶対にかなわない恋なのに真山を思い続け、わざわざ理花さんに近づいて傷つく自虐的としかいいようがない山田。なんでという気がする。ここまで可能性が無かったら、なるべく逢わないようにした方がいいと思うけど。

理花さんと亡くなった夫の原田さんと花本教授は学生時代からの友達。

花本教授は上手くないのに絵が好きで、田舎からでてきて自信ないのにプライドが高かった。学生時代に原田と庭付きの広くて安いアパートに同居。3年の終わり頃北海道から来たオソロシク絵の上手い江上理花と三人で暮らすようになり、やがて原田と理花は結婚して独立して二人で事務所に引っ越していった。教授にとって原田も理花も一生のうちの一番大事だった時間を一緒に過ごして同じ部屋で同じものを食べて同じ空気を吸って体の一部のような存在だという。

しかし手がけた店のオープニングパーティの帰り道、理花の運転する車は、雪道で積載量オーバーのトラックのスリップに巻き込まれ、理花の夫、原田は亡くなり、理花の体には無数の傷と火傷がある。

事故の後、しばらく理花は花本教授と住んでいた。花本教授によれば、理花が原田の後を追わないように見張ってたという。花本教授は仕事も事務所から通い、夜は仕事を手伝っていた。やがて二人でいるとどうしても三人でいた頃を思い出してしまうことに気が付いて、花本教授は理花から離れ、他人のわずらわしいヘビーな部分に深入りしないように上手く逃げて立ち回れるタイプに見えた真山を、バイトで紹介した。

花本教授は一度理花に真山のことを聞いてみたことがある。「彼が私を好きな事に甘えていいように使ってしまう」という。「つき離して傷つけて、なのにそのまま側に置き続けて、傷つく顔に救われてたなんて、まともな人間の関係じゃない」と。

山田は卒業制作を無事提出したが就職試験に全部落ち、あと2年研究生として作品を作りながらいろいろチャレンジすることになった。

真山はバイトをしていた藤原設計事務所に受かり、理花に、はずれない腕輪を贈り、「オレいつか戻ります。色んな事覚えて。待ってなくても戻ります。」と。

森田は9割方できあがっていた卒業制作を放り出して行方不明になり留年決定。

花本教授は昔の先生に新しい本をつくるのに誘われて調査旅行と研究で一年近くかかる日本と中国とモンゴルを行ったり来たりしながらその先生の京都の大学で授業を持ったりするプロジェクトに誘われている。先生ははぐみをかっていて、このこに色んな国を見せたらどんな得にしてくれるのかワクワクすると、連れて行く提案をしてくれた。

はぐみは友達がいるから大丈夫と、モンゴルについていかないという。

真山は卒業しても竹本と同じアパートに住み、あいかわらず頻繁にキャンパスを訪れる。竹本の大学3年の誕生パーティに来て、目黒までバイクで帰る真山は、理花さんのマンションを外から眺めてから帰る。それを察している山田は「あきらめるってどうやればいいんだろう」と自問する。物理的に遠ざかる事だと思うけどなあ。真山の方も事情はあるけど,山田の気持を知っていながら、卒業しても結果的に山田の近くをうろうろするというのは残酷。

学園祭の作品をつくるはぐみはいろいろな人からの期待が頭から離れなくて行き詰まっている。そんなはぐみに森田はブローチをつくって、はぐみが見つけるようにそっと置いていく。見つけたはぐみを見守る竹本は、森田さんがつくったのかも、もしかしたら森田さんははぐちゃんが好きなのかもと教えた方がいいのか悶々とする。はぐちゃんは気づいているようだ。

真山は2年前のはぐちゃんと竹本が出逢った頃から竹本が好きになったことに気が付いていたという。「お前はずっと彼女の側に居てさ、すげぇ仲良くなったじゃん。あのむずかしい子相手にさ。そうやって少しずつ一緒に積み上げてきた信頼とかさそーゆー一番大事なモノまで「戦うのがイヤだから」とか言って全部放り出そうとしてないか?」と。

「何だってあんなヤツ(真山)をまだスキなんだ・」と山田に言う森田。「ダメだ」っていわれたけれどそんなあっさりキライにはなれないわ。それにこういう気持ちってつき合う対象になれなかったからって、消えて無くなれる程カンタンあものじゃない」そんな山田の言葉をきいて「恥ずかしいのは僕だカッコ悪いのも」と思う竹本。

花本教授が徳大寺先生と共にモンゴルから帰国。

森田と画材を買いに行ったはぐちゃん、帰ってきて「歩くの追いつくの大変で足いたいしおトイレに行きたいのに言えなくてなかなか、ごはんだって何でだか目の前だと何も食べらんなくて何が欲しいモノ何だったかも思い出せなくてぜんぜん買えなくて、だってなんだかずっと早く帰りたくってあんなのやだ修ちゃんといる方がずっとっずっといい」と花本教授にしがみつく。つまりはぐちゃん森田を意識しすぎている。「バカだなそんなの 好きだからにきまってるじゃないか」と竹本にいう花本教授。竹本の前だと自由にふるまうはぐちゃんを思い出し、「一緒にいると胸がつまってものを飲み込むのも苦しいようなそんなキモチを恋というのなら、ほんとにオレばっかり恋してたんだな」と思う竹本。切ないけど、そうだね。

8年生になった森田、竹本は4年になったのでとうとう同級生だ。突然森田の部屋を突撃してパスポートを取りに来たのは森田の兄。森田は仕事を引き受けてロサンゼルスに半年ほどいくという。誰にも何も言わないで。

お兄さんに「帰ってきて欲しい?欲しくない?」と聞かれて答えられなかった竹本、はぐちゃんに思わず「森田さんに帰って来て欲しい?欲しくない?」と聞くと「帰ってきて欲しくない。やりたい事全部やってみれるまでがんばるのがいいと思う」と。

森田さんの指導教官曰く「ヤツは才能を積載オーバーした暴走列車のような男だからの好きに走らせとくのがいいともう悟った。お前さん(はぐちゃん)の作るモノの事だけはよく気にかけとったよ。『あんなデカイもの作るヤツなんて自分以外で初めて見た』って言ってな」という言葉にふっきれたように作品に取り組むはぐちゃんを見かける竹本。

「ずっと一緒に居たいのなら彼女のことかついで歩けるくらいの人間にならないとダメなんだって」と、理花の原田デザインにはまだ戻らないという真山。そんな真山を「まどろっこしいな。2人で成長して行くって選択肢だってあるだろうに」と花本教授。真山と理花さんは1年以上会っていない。この潔癖さ!まあ少女漫画らしいと言えばらしいけど。

第25話、携帯がアンテナ付きのガラケーだ!

真山の就職した藤原設計事務所はちょっと格好いい先輩の野宮さん、勅使河原美和子さん、美和子さんを慕う山崎さん、犬のリーダーと個性的だ。原田デザインともつきあいがある。原田さんが亡くなって4年半。理花さんのアイディアを2人でまとめて原田さんがさわやかに笑顔でゴリ押しする呼吸ピッタリの会社だったという。今は浅井さんが助けているという。

藤原設計事務所の仕事で表参道のレストランを担当したときに、山田さんの花器が評判良くてまた頼みたいから山田さんに会わせて欲しいという野宮さんに、自分から頼むからとかたくなな真山。何かあると思った野宮さんたち事務所メンバーは、真山たちと花本研究室メンバーがお祭りを楽しんでいるところに突如乱入し、直接山田さんと交渉する。真山は野宮さんが自称彼女にすぐつかまるのに、ポイ捨てするようなところが気に入らず、山田にはしあわせになって欲しいので、軽いキモチで近寄ってくるヤツなんかにひっかかって欲しくないというが、軽いかどーかなんてお前にどうやって計れるんだと花本教授に窘められる。「これからずっと毎年一生一緒にいてやれないんだったら、お前には何も口出しする権利はないんだよ」と。ホント!過保護で、かつつき合う気も無いのに山田を縛ってるよ。

三日後真山が山田と花器をつくりに大学に来ると、野宮さんと山崎さんがすでに手伝いに来ている。野宮さんが真山は理花さん狙いであることをカマをかけられ、事務所のメンバーにバレる。

そして浜美祭の準備に忙しい山田さんとはぐちゃんを、野宮さんも真山も訪れる。2人はそれぞれ用事があって立ち去るが、忘れ物を思い出した野宮は、山田が真山の忘れ物のコートを着ているのを見かけ、焦る山田をそばかうどんの食事に誘い、そばが食べたいという山田を蓼科の蕎麦屋に連れて行く。

真山は2年前仕事明けに浴室で倒れている理花さんをベッドに運んだことを思い出す。体には火傷の痕。恐い夢を見て真山の手にすがりつく理花さん。もう1年以上真山は理花さんとあってないが、先日公園ですれ違ったのは理花さんだったことを花本教授から聞く。

理花と共同で仕事をしている浅井さんが突然倒れて入院した。一年ぶりにロビーであう理花と真山。「オレをまた原田デザインで使ってもらえますか?今なら前よりは役に立てるようになったと思います。」という真山に「藤原デザインはいい会社だと思うわ。浅井さんに手だすけしてもらったおかげで原田デザイン名義の仕事は全部消化したわ。だから今度は私に浅井さんのお世話をさせてもらいたいの」という理花。持ち札が足りないまま近づいてもこんな風に距離をおかれるだけだってわかっていた。だから近づかないようにしていた。と思う真山。浅井さんの用を済ませた理花がロビーに戻ると真山がまだ待っていた。降り出した雨に、車を借りて送っていくという。家ではなく大黒埠頭の螺旋をドライブする。

浅井さんは、理花さんはあの事故以来自分を責め続けて少しでも自分が「楽しい」とか「嬉しい」と思う事があればたちまち罪悪感を覚えて自分から遠ざけてしまうという。真山もそうやって遠ざけられたのかもと。原田さんが死んだのは雪道をスリップしたトラックに巻き込まれたせいで、運転していた理花さんのせいでは全くないけれど、雪が降ってきて皆が止めるのを振り切って、原田さんを早く家で休ませたいと、帰ることにした理花さんが一生自分を責め続けるのも解らなくはないけど。

藤原設計事務所は突如兄弟2人の社長が喧嘩して兄毬男の東京の会社と弟類二の鳥取の会社に分裂。理花を思う野宮さん、美和子さん、山崎さんの策略で、鳥取に配置されることを知った真山は、藤原設計事務所を辞めて原田デザインに戻る決心をして、理花のもとに行く。

真山のことをどうやって山田に伝えようかと花本教授が悩んでいる間に、野宮が山田酒店を訪れて、伝えると山田は倒れてしまう。そんな山田に学園祭に来た商店街の二代目たち五人が一斉にプロポーズし、驚いた山田は花本教授や竹本やはぐちゃんのところに逃げてきて「スキだとか何だとかそんなコト言わないでさえくれたらこのままずっと一緒にいられるのに」というと、花本教授に「山田さんみんなの気持には気付いていたんだ一応。でずっと告白されないようにずっと細心の注意を払ってたわけなんだね?」と突っ込まれる。それって真山と同じと気が付いて、真山はこんな気持だったんだと気が付く。

「俺は多分変わらないよ。お前が他の男探した方がぜんぜん早いよ」と真山にいわれて辛かった事を今度は私がみんなに言うの?花本教授は「みんなには正直に自分の気持ちを話すしかないよ。あとは向こうの決める事だ。『努力する』か『諦める』か、彼等が選ぶんだ。」このとき3つめの答えを僕は口にしない。ってのは誰の心の声だろう?花本先生?

浜田山美術大学学園祭最終日に就職試験にもう一つ落ちて戻ってきた竹本。自分には目的が無いことに気が付き、出品作を自分で壊す。

年明けても卒業制作ができない竹本は胃潰瘍で倒れて入院する。一週間くらい入院することになって卒業制作どうしようと悩む。駆けつけた母とその再婚相手カズさんは、学費ならあるから、ゆっくり休んでもう一年勉強する道もあるといわれる。カズさんは「お父さんが残してくれたお金があります。」という母も含めて、「『迷惑をかけるわけには・・』と言われるたびにほっといてくれと言われてるよーな気持になっちまってよ。オレは貸しを作りたいんでも恩を売りたいんでもない。縁あって一緒になったんだ。だからちゃんとあんたらの人生にかかわらせて欲しいだけなんだ。」という。「カズさんオレもう1年勉強させてください。おねがいします。」カズさん、思いを言葉にちゃんとできてすごく格好いい。結婚したのにこういう人生の分岐点で応援させてくれないなんてもやもやするものね。連れ子だから普通言葉を呑んでしまいがちだけど。

1年間行方不明の森田さんは、ハリウッドでピーター・ルーカス監督の「スペースタイタニック」という映画のモカデミー視覚効果賞を授賞していた。竹本の病室でTV中継を見て驚く皆。森田さんが戻ってきたら・・・と複雑な気分の竹本。と突然病室に現れた森田。花本教授に拉致されて大学に連れて行かれるが、卒業制作提出まであと4時間。真山と2人で帰る山田さんは真山に「今の会社はどう?このまま2人だけなの?」と聞いてしまい「とりあえず2人でできる範囲でかな しばらくは」という返事に傷つく。またまた自虐的なことを・・

彫刻科森田の卒業制作の森田が彫った純金のモカデミー賞像を見て倒れる丹下教授。8年かかったけれど平成14年度にしてとうとう森田卒業。

原田デザインが藤原設計事務所と仕事をするので、古巣に久しぶりに顔を出した真山は、野宮さんと話している山田を見つける。週一で山田の陶器を納めることになったという野宮に、「山田のことどー思ってるんすか?本気ですか?」と迫る真山に野宮は「本命の居る男はフッた女の世話なんかやかず本命にかまけてろよ」と言われる。ホント!山田の気持に答えるつもりがないならちょっかい出すなって!かつて野宮が女性からの電話を「今仕事忙しいんで」と携帯電話ごと女性も捨てる執着のなさを見ているので口を出したくなるのだが。

お花見で藤原設計事務所の面々から理花さんのことで絡まれている真山を見て、帰ろうとする山田。「山田さん大丈夫?送ってこか。それともどっか行く?」という野宮さんに「行きます。連れてってください。」と縋る山田。野宮さんは山田を連れて走り真山をまいてくれたが「気分悪いんだよね。こーゆーコトに使われるのって こーゆー風にすれば真山が追って来てくれるかもって?」帰るという山田に「山田さんはさぁ、こうやってゴネたりスネたりしながらあっちがダメになるの待ってるの?」「バレちゃってる片想いって不毛だけどラクだもんね。罪悪感で相手は優しいし、もうこれ以上ヒドイ事はおきないし」いやこれからどんどん山田が傷つくんだけどな。

山田を追いかけようとする真山を森田は止める。「もし何かあったら」という真山に「お前過保護」という。真山は森田と藤原設計事務所の美和子さん山崎さんと飲みながら、野宮さんのことを「そつがなさすぎるんです。何を考えてるか見せなさすぎるし」というと、美和子さん山崎さんは真山と似ているという。「野宮の本心はアンタが心配する程そう極悪でもないかもよ?」と。

野宮と山田は、ケーキとカプチーノを持って、観覧車の見える部屋へ。この観覧車は野宮が内装を担当したという。前の会社に居たときに初めてやった大きな仕事だという。山田は観覧車を見ると、みんなの策略で真山と2人で乗るハメになったことを思い出す。「さっき(野宮が言ったように)二人がこわれちゃうといいとずっと・・・」泣きながら眠って起きたら朝の9:03

翌朝、藤原設計事務所を野宮を訪れて、勅使河原美和子さんに頼んで、山田を家に連れて行くのにつき合ってもらう。昨夜お花見で山田が飲み過ぎてと勅使河原美和子さんがいうと、山田の父も安心した。真山は山田さんを送っていくから一枚噛んでとの野宮さんの電話を聞いて帰った。真山は、野宮さんがその観覧車をよく見ているのを知っていた。「乗ってみますか」と声をかけても「いやいいよ。あれは外から眺めるもんだ」と。今度会ったら初めて観覧車に乗った感想をきいてみよう。と。

自分の幸せを願うということは自分じゃない誰かの不幸を願うこととオモテウラのセットになっている時があって・・と物思いにふけっている山田に、森田さんは「ずーとお前ことばっか考えてたんだぞ(森田さんと真山は)。だからなげやりなことはしてくれるな。たのむから。」という。「自分は急にどっか行っちゃっていちねんも連絡ひとつよこさなかったクセに」と泣く山田に「ごめんな」と手を繋いで二人で帰る。ホント森田は人の事言えるか~

竹本は、はぐちゃんが、卒業したら「はぐはいなかに帰る。そこでここにくる前みたく、畑とニワトリの世話をしながら毎日絵を描く。絵は修ちゃんの知りあいの画廊さんのとこに時々おいてもらう。ずっと描いていられればそれでいい。ホントはみんなと一緒にずっとこっちにいたいけど、東京はお家賃高いし、はぐは修ちゃんに迷惑かけたくない」といっていたことを花本教授に話す。「はぐはそう言ってた」か」と花本教授。

善意のアドバイスに従って作品を描き分けているはぐちゃんに、これは○○展用、○○賞用と指摘した森田は、花本教授の元に走り、「何でアイツはあんな絵描いてる?」「日本の中でそこそこ描いていくには悪くない」「なんでやめさせない」「はぐが決める事だ」「アイツはもっとデカイ場所で生きてくべき人間だ。100年たっても300年たっても自分が死んでもずっと生き続けられるモノを作れんだぞ」「かもしれん。だがそれ以外何も残らん人生になる。美術史に名前の残ってる女性の作家がどんだけいる?その中で幸せな人生を送れた人間がどんだけいる?どんだけ描いても何も残らんかもしらん。それでも手を休めるコトはできん。一生心が休まるコトがなくなるかもしれん。それを果たして幸せって呼べるんだろうか」「それをケアすんのがアンタの役目だろう」(「オレの役目だ」とは言ってくれるタイプじゃないよなぁ・・・お前の王子さんは)と心の中で森田のことを思う花本教授。はぐは天才型、森田さんも天才型、理花さんとだんなさんは天才型同士のカップルでうまくいっていたけど、森田さんはすごく鋭くて創作の天分溢れる人の気持がよくわかるけれど、破天荒過ぎるような気がする。花本教授のような創作の天分はないけど、芸術をよく理解している人がプロデューサーとしてパートナーになるのが上手くいきそうな気がする。でも花本教授には自分には果たせなかった夢をはぐを使って果たそうとしているのではという負い目がある。

教授の部屋を片付けていた竹本は、泣いているはぐちゃんを見る。やりたいことがあって泣くはぐ、やりたいことが見つからない自分。自分にははぐちゃんの涙は止められない。

相変わらず難航している竹本の就職、浜美卒の仲間でつくった小さい会社に教授の縁で決まったと思った途端、その就職祝いの席で会社が倒産したことを知らされる。竹本の中でなにかが折れた。

藤原設計事務所の鳥取の会社を放り出してきた類二社長の後始末で、半年鳥取にいくことになった野宮と山崎さん、山田はそうとは知らずに外で言葉を二人と交わした後、事務所で美和子さんから聞く。

一方竹本は雨の中、財布だけを持って一人で自転車で走り出す。

携帯も持たずにいってしまったので、美大の皆は、誰も行方を知らず連絡もできない。竹本の就職活動全滅とか、浜美祭で作った青春の塔が崩壊したこととか、せっかく研究室のコネで内定した会社が直後に倒産したこととか思い当たることがありすぎて心配する。捜しに行こうとか警察に行こうという人たちに「自分を探しに行った人を本人より先に見つけちゃったら帰って来れなくなっちゃうでしょ!?」と花本教授。教授も自分捜しに7回もでかけて、その度に同居していた理花さんと原田さんに探し当てられて連れ戻され、ひけなくなってしまうという黒過去を徳大寺先生にばらされる。

竹本は通帳を置いていったので、記帳した森田と真山と花本先生は、竹本が生きていることを確認。花本教授は今月のバイト代といって入金する(入金は通帳だけでもできるんだよね)。森田も一瞬大金を入金したけれど、「こんなに援助したら『自分探し』の意味がなくなっちゃう」と言われて降ろす。暗証番号を森田の誕生日にさせたので、降ろすこともできることから、かつて結構金を借りていたことがバレて、皆に非難されその分入金して返す。ちょうどキャッシュカードでお金を下ろそうとしていた竹本は残額が一瞬変わったような気がするが,ご利用明細しか見られないので、残高が微妙に増えた気がするだけだった。

森田は兄に自分探しだと騙されて、新しい仕事を入れられてまたカナダに。わけのわからないピーター・ルーカス監督に映画のイマジネーションを搾り取られ、自分の出した5千羽のカラス天狗をのアイデアをフルCGで作るハメになる。撮影場で小さな女の子のために梁の上の猫を助けてやってはぐちゃんを思い出して、5日目にして脱走して帰国。

賞も留学も断って卒業したら田舎に帰るというはぐみに幸田先生は「やれば全てかなえられるだけの力を持ってるくせにずるい」という。花本教授は幸田先生を窘めたのち「はぐは『自分がどれだけ進めたか』を自分で見極めたいんだよ。でも『どれだけ進めたかどうか』は自分以外の世界にぶつけてその反響で計る方法もある」という。幸田先生は画家志望で単身パリで何年も勉強を続けて身体をこわすまでがんばったのではぐを見ると自分を重ねてしまうんだろう。どっちも正しいんだ。大事なのはどっちの道を選んでもそれを『言い訳』にしない事だよ」と。

松島で自転車のチェーンが切れ、更に空腹でお寺の境内に倒れている竹本を、拾ってお弁当をわけてくれたのは、お寺や神社を修復する修復士グループの一人しんさん。そこにやってきた棟梁が納期の迫っている他の寺院の応援に二人行けといって、人手が足りなくなったのを見て、竹本は自転車の修理代を稼ぎたいので働かせてくれと頼む。実働16時間強で日当4200円だが、自分で作るとは言え三食たっぷり食べられ、蒲団で寝られる。朝は男七人の朝食とお弁当を一気につくり、現場ではクズ石を運んだり皆の準備をするくらいしかできないが。竹本のママチャリは、がたがきてもうダメかもしれないと言われる。ママチャリは長時間漕ぐとお尻に来るので、しんさんが見つくろってくれた自転車は4万3千円。10日と少しで貯まる金額だ。

苦戦しているはぐちゃんに、花本教授は夏の浜美の子供絵画教室の先生をやることを提案する。突然カナダから帰ってきた森田が乱入、森田がカナダに行っていたこと自体を知らないで、花本教授の言葉で初めて知るはぐちゃんと山田に落ち込む森田。

作品を藤原設計事務所に届けに行った山田は、理花さんと鉢合わせをする。真山がここにいて二人が一緒の所を目にしなくてよかったと思う山田。理花さんも山田の名前は知っているようだ。杖をつかなければいけないのに細いヒールのハイヒールを履いていて、ヒールが壊れたのを山田は治してあげる。花本教授の元に戻って、理花さんがガリガリに痩せて自分を大切にしてないように見えると酔ってくだをまく山田。死んだダンナが買った靴であることを山田に教える花本教授。

修復士グループでのアルバイトは、竹本にとって居心地が良いが、いつも敵意を見せる六太郎という若者は、「オレをみろ、16から働いてんだぜ!?悩んだり迷ったりオレにゃあそんなヨユーもなかったよ。お前みてーなのはただの甘ったれだ」といって棟梁に「不幸自慢禁止」と言われるが、棟梁は竹本に「お前さん明日ここをたちなさい。答えなんざどーでもいい。ハナからそんなものはねーんだ。『自分でほんとうに気のすむまでやってみたか』どーかしかないんだよ。」と。

山田に会ったという理花さんは、器を頼みたいから真山から頼んで欲しいという。が、真山に「山田さんは忙しいから」と仕事の仲介を断わる。理花さんは、藤原設計事務所で山田さんがタイミングよく逢えて仕事を直接頼む。森田と一緒に花本教授の手伝いをしていた真山は、美和子さん電話報告を受ける。「いっそもうアンタとリカさんが一緒にいる所を隠さずちゃんと見せてやった方がアキラめがつくのかもよ」というが森田は「逆効果じゃないか?だってお前まだリカさんには男として何とも思われてないんだぜ!?」と真実の斧を切りつける。でも美和子さんは「もういっそ見せつけてやるがいいわ。真実を!!ありのままに!!リカさんの気をひきたくてぐるぐると1人でまわってワケわかんなくなっているカッコ悪い姿をたーーーんとね」そこにやってきた山田は「リカさんと仕事をする事に決めたから」という。「心配してくれてリカさんに先に断ってくれたんだよね。私がっリカさんに何かすると思った?」といいつのる山田を止めようとして屋上から放り出すはずが逆に投げ飛ばされて大怪我をする森田。しかしここまで妄想がつのると山田、やっぱりリカさんとは離れてる方がいいのでは。

かつて自分が日本一周をした長距離用の自転車をしんさんは貸してくれた。かつてしんさんも修復中の寺の竹林に倒れていたという。自分の使った日本地図と予備のチューブまでくれて、8月いっぱいここにいるから自転車を返しに帰りに寄ってという。

子供絵画教室の生徒、倉持一樹君は、私立の中学校に入るためのアピールとして賞を取りたいからどこを直したらいいかとはぐちゃんに聞く。夏休みの思い出というお城の絵を一目見てはぐちゃんは写真見て描いた?という。母親は忙しくてどっか連れてってくれ何て言えない。勉強はすごくできるのだが、運動は苦手で病欠も多かったので入試を有利にするにはあとはもう絵の賞関係くらいしかないのだ。

『好きに描け』って具体的にどーゆー事なのさ。担任は『子供らしくないって』「子供らしい絵ってどんなんだ?『無邪気な』ってことか!?どーすりゃ無邪気なものが描けるんだ?いやーまてよ?『どーすれば『無邪気なもの』が!?と言っている時点でオレにはもう『無邪気』ではないじゃんか。とぐるぐるはまっている。「何でそんなに賞にこだわるの?」「オレは志望校に絶対受かんなきゃなんないの」「お母さんがとれっていったの?志望校絶対受かれって?」「母さんはそんなコト言わない。志望校だってオレが自分で決めたんだ。オレやりたい事があるからそこから逆算するとそこ入っておかないとマズイんだよ。で母さんは『がんばれ』って応援してくれてたんだ。なのに親戚のおばさん達が無責任に『リコンして片親だと私立は不利だ』とか言ったのを真に受けて『どうしよう母さん一樹の足をひっぱっちゃったの?』オレはだからぜったい受かんないとダメなの。でいいかげんな事言った叔母さんたちにも『楽勝でしたよ』って言ってやんないと気がすまないの。母さんのためにもオレのためにも」

まわりから賞をとることを期待されている自分、そのために描いていることを森田に指摘されたこと、好きに描いてごらんと花本教授にいわれたことなど自分と重なって涙を流すはぐに、あわてる倉持君。

2人で泣き疲れたところで手を繋いで花火を見にいく。後ほどもう一度倉持君が持ってきたのは、天の河というタイトルで、ナイアガラの花火をみる2人だった。

そして竹本の旅は続く。フェリーに乗って北海道へ。サイロに干し草を詰めるアルバイトをしたりしながら、辿り着いた最北端稚内。帰りに修復士たちの現場によって、しんさんに「自転車はあげるよ。」と言われてそのまま乗って帰ることになった。「ウチへくる気があるなら学生のうちに普通免許取っとくといい」と。そして8月30日。作品を前に眠っているはぐちゃんの元に竹本は帰ってきた。

大宮八幡の秋祭りにみなで繰り出して、はぐちゃんと2人になった竹本は、はぐちゃんに「地の果てってどんな所だった?」と聞かれて「何もなかった。でも明るかった。空がすごくきれいだった。君に会いたいなぁと思った。だから帰ろうと思った。はぐちゃんオレは君が好きだよ」「うん。竹本くんもどってきてくれてありがとう」と答えるはぐちゃんに微笑む竹本。

はぐちゃんはなんとなく竹本のそばに来なくなった。気にしなくていいのに。彼女の答えはわかっていた。いわなきゃよかったかな。でもぜんぜん後悔とかない。

理花さんと理花さんの事務所で仕事をする山田。つい目の前の理花さんと真山のことを想像してしまう。そして真山が帰ってきて2人のやりとりに1人で心の中で葛藤する。2人が大した話もせず4年も一緒に仕事していることにももやもやする。花本教授に聞いてみると「原田となんかほとんどしゃべってなかったよ。すごい仲良かったけど。リカはさ、すきなヤツといる時程しゃべんなくなるんだよ。」

次の機会にも2人の仕事場を訪れる。森田には「わざわざあいつらの一緒にいる所を目に焼きつけにいくんだからな。でもそうでもしなきゃ思いしれないんなら行くがいいさ」と言われるが。話の途中でしゃっくりが止まらなくなって台所に行く理花さんに、「うちのいなかじゃこーやって止めるんです。」と砂糖水を出す真山。やけになって夜の11時半に夜食のカツ丼大盛りを3人分注文する。

この山田の心理は理解できない。真山が理花さんをどれだけ大事にしているかわざわざ見にいくの??

鳥取に行って以来野宮は山田さんと連絡を取っていない。山田さんが携帯をもっていなくて実家の父親はおっかないというのもあるが、「まだ子供を傷つけたコトないから『『気にはなるけどおっくう』」だという。山崎さんは「何でお前の恋愛ってさキズつけるのが前提なの?オレは好きなコができたらうんと大事にしよう・・ってずっと思ってきたぜ?普通ソーじゃないのか?」そーじゃないの???目からウロコが。

美和子さんに電話をして様子を聞くと、山田は週末は原田デザインにいるという。自分をミンチにする機械に自分から飛び込まないといけないくらい真山のことが大きかったのかい?と思う野宮。

バレンシア美術館の増築部コンペに優勝したのは、理花さんが原田さんと取り組んだ最後の仕事だ。しばらく話がとまっていたのが動き出した。完成まで活動をスペインに移すと突然聞いて「ここはどうする気ですか。オレには何の相談も無しですか」と、山田が聞いている前で理花さんに迫る真山。「あなたも行くのよ。仕事なんだから当然でしょ」と理花さん。理花さんが立ち去った後、パソコンの履歴から理花さんが故郷の小樽の天気予報のライブカメラを頻繁に見ていることを山田に話す真山。その横顔はやさしい顔をしていた。「連れてってあげるといいよ。彼女のこと」と思わず口にする山田。

そこに野宮から電話がかかってくる。山田は今リカさんの仕事で原田デザインにいて、真山もいると聞いて「山田さん大丈夫???」という野宮に山田はハイテンションであれこれ話す。電話を切った野宮は車で深夜に東京へ向かう。お~い野宮さん、鳥取から東京へ行くなら、朝まで待って飛行機で飛んだ方が早いよ。

東京に着いて藤原設計事務所に顔を出すと、なんと気を利かせた美和子さんが、山田に鳥取の野宮まで届け物を頼んでいた。折り返し鳥取に戻る野宮。美和子さんから連絡を受けた山崎さんは、荷物を届けてすぐ帰ろうとする山田を、一日鳥取観光に誘う。やっと戻ってきた野宮は、山田の手を握り、「帰んないで。起きてから話すからここにいて」と倒れて寝込む。山崎さんが隣に運んだエアマットで眠る山田。目が覚めた野宮は、頭隠して足隠さず寝る山田を目にする。朝ご飯後二人で砂丘を見にいく。昨日はどこにいってたんですかという山田に「君に会いに行ったんだよ(東京へ)」山田が電話切ってからめそめそしてたのがわかると。

東京に帰る山田を駅まで送る野宮と山崎さん。山崎さんは野宮に「告れ」というけれど、「暴れ馬はガンガン走らせた後疲れ切った所をつかまえるのが定石です。」と野宮。野宮さん意地が悪いね。でもまあ山田があまりにも自虐的すぎるんだけど。君の大好きなあの男は他の女と遠くに行ってしまうよ。そしたらあとは簡単だ。君がぺちゃんこになった頃に現れてもっともらしい顔で君のハナシをきいてやさしいコト言ったりちょっと叱ったりするだけでいい。簡単な事だ。だから何も言わなくていい。と心の中でつぶやきながらもこれ以上泣くであろう山田を想像して胸が痛む野宮は「どうしようもなくなったらオレを呼びな」「は・・・はい・・でも何でですか?」「何でっ---って・・・君が好きだからだよ」と思わず言ってしまった野宮を、売店の陰から山崎さんがしっかりみているのに気がつく。いいねえ。恋愛百戦錬磨の野宮が、山田は何もしなくてもそのうち簡単におちてくるはずなのに思わず告ってしまう。

そしてまた浜美祭の季節が来る。ベルジェール教授からの留学のお誘いメールもきているのに、はぐちゃんは卒業したら長野に帰るという。幸田先生は「あなたもホントにそれでいいの?彼女あなたに悪いと思って気をつかってるだけなんじゃないの?」花本教授に愚痴る。

はぐちゃんにムンクの絵を紹介して、昔、原田さんとリカさんと3人でムンク展にいったことを思い出す花本先生。その夜見たのは原田がリカさんを呼んでいる夢。事故で焼けてしまった原田の遺体を集めて葬儀に出したのは花本先生。重傷の理花さんは見ることも叶わなかった。「自分で死んじゃ駄目だ。原田の所へ行けなくなる。」という花本先生の言葉に、原田の後を追うこともできなくなり吐いては食べて生きようとし、痛むカラダで原田の残した仕事にのめり込む理花さんに耐えられなくなった花本先生。そんな日々に理花さんの方から私たち離れましょうといったのだ。

夜中に起き出すとはぐちゃんが図書館で借りたムンクの画集を見ていた。幸せになりたいと思う度生きているのが苦しくなる。自分には大それた願いな気がして。そんな日が自分にはもう来ない気がするから。だから今出来る事なんてただじっとこの夜をやり過ごすことだけだけど・・・このこがオレをここまで歩かせてくれたように今お前の隣にいるその男がどうかお前を明日へ運んでくれますように。

故郷からの知人を上野で見送る理花さんと真山。札幌行きのカシオペアを見守る理花さんの表情と、パソコンでしばしば故郷の天気を見ていた理花さんを思い出して、真山は理花さんと二人で発車間際のカシオペアに乗る。

上野発16:20、札幌着朝の9時。車で理花さんの故郷、小樽に行く。父が死んでから初めて訪れるという。ここを去るときは家を壊していく。誰もいなくなった家はそのままにしておいたら雪でつぶされて春には野ざらしになってしまうから。理花さんは見届けることができず原田が残って壊してくれて「自分を泣かせてたヤツ(父親)のために泣くな ここは俺があとかたもなくぶっこわしてやるから もうお前には俺がいるんだから帰る場所なんてもう他にはいらないんだから」

その夜二人は結ばれた。明け方理花さんが1人で出て行こうとすると真山がバッグにつけた警報が鳴る。「アンタがこういう事オレに許すのは自分を傷つけたい時か何かものすごい勢いで別の事考えている時だけだ。言えよ。何考えてる?」「『一緒に行こう』なんて嘘をついてチケットは1人分だけ、1人で住むアパートを向こうで探して」真山は理花さんのメールもFAXも郵便も書類もぜんぶチェックしたという。すごい執着だね。まあこうなる危険を真山は感じてたんだろうけど。「原田さんが残した仕事を全部片付けたら全部終わりにしようとか考えてんだろ!?」スペインでの仕事が最後だ。「オレに関わったのが間違いだったな。どこまででもつきまとってやる。カンタンに死ねると思うなよ!?頼むよちゃんと生きようとしてくれよ」と涙する真山を思わず抱きしめる理花さん。

その翌々日真山に見送られて理花さんは成田からスペインに向けて飛び立った。真山が事務所に戻ってメールをのぞいてみたら彼女が探していたアパートメントの条件が2ベッドルームの2人用に変わっていた。

スペインに行く前に2人の間には何かあったのを山田は感じている。そんな山田を美和子さんはプールとマッサージとお風呂とアカすりとビールと食事の健康ランドフルコースに誘う。飲み潰れた山田さんの隣にいるときにタイミング良く野宮から美和子に電話がかかってくる。理花さんと真山に何かあったらしく泣いていることを伝える。自分に電話をしてこない山田に腹を立てる野宮。後少しで帰れるから1人で泣いててくれよと。だからそれまで他のヤツ(男)の前で泣かないでくれよ?と。

将来に備えて教習所に通う竹本は金がない。植え込みの葉ボタンを見て食べれるかと考えているところを真山に見つかって奢ってもらう。真山こそ就職したのになぜこの安学生アパートにいるのかと竹本が聞くと、まだくるかどーかもわからないイザって時のためだという。大人になってイザそのチャンスが来たときに「飛び込めるか」「飛び込めないか」って単純にお金の「ある」「なし」にかかってくる事がほとんどな気がするんだよね。」それはある!世の中お金で解決すること、お金がないとできないことはいろいろある。「それにさ、もし好きな女に何かあった時にさ『何も考えないでしばらく休め』って言えるくらいはなんかさ持ってたいんだよ」と。

なぜか美和子さんのいない事務所に届け物に来た山田。真山と理花さんを思い浮かべ痛む心に「どうしようもなくなったらオレを呼びな」という野宮の言葉を思い出す。そこにドアが開いて、思いもかけず野宮さんが入ってくる。犬のリーダーに挨拶した後、「山田さんにもただいま」と頭に手をかけたところでまわし蹴りを食う野宮さん。ホントは電話をかけたかった。来て欲しいコト聞きたいコトもたくさんあった。そんなコト考えたら真山をずっと好きだった気持がみんなウソになっちゃう、と自分がいやだった。どうしてそんなに頑ななの。真山が山田さんを振り向いてくれる可能性はもう0だよ!!とそこにリーダーがリードを持って追いつく。そこに「いいねえリーダー山田さんとお散歩かい?」とやってくる野宮さん。恋がこんなにつらいなら二度としたくないと本気で思った。野宮さんが帰ってきてくれてとても嬉しくてとても苦しい。

はぐちゃんも竹本も浜美祭に向けて作品作成中。悩んでいるはぐちゃんの様子を伺いながら何も言わずに森田はまた別の仕事に行ってしまった。「今話をしないとこのまま道は離れていくよ」という花田教授に「仕方ない。離れるもなにも、もともと近くもなかったさ」と。

スペインで一緒に仕事中の建設デザイナーマック☆カルロスから熱烈アタックを受けて憔悴している理花さんは番犬代わりに真山を呼び寄せる。そんな真山にアドバイスをする山田。思い出しながら外を歩く山田を、リーダーの散歩を口実に追いかけてくる野宮さん。

森田忍の父は小さいけれど活気のある会社、森田技研の社長、森田司。物作り大好きで次々と新しい機器を新発明。しっかりもので常識人、幼なじみで親友の根岸達也と経営をしている。入社試験はこの部屋にある材料を使って、3時間で飛行機を作って一番遠くまで飛ばせたヤツを雇うと、破天荒。それに嬉々として参加する小学生の森田。森田のつくった飛行機が軽々と宙を舞うのを誇らしげに見つめる父に、憧れの熱を父にぶつける応募者の若者達と、飛ばない飛行機を抱えて立ち尽くす根岸達也を見つめる兄のカオル。セメント工場跡地の穴に落ちた忍を自転車に乗せて医者に連れて行く父、実は自分も父に知らせるために神社の石段からおちて足が痛むのだが、心も痛む。そんなカオルをおんぶして連れ帰ってくれたのは根岸達也さん。忍はお父さんにそっくりで、お父さんも好き放題に生きているけれどみんなに愛されていたという。この痛み解るな~~天然でかつ才能があって皆に愛される人、その影に霞む人。

全てを任されている根岸は特許の名義を全て法人に書き換え、株の増資の準備を整え、そして決行の日。森田技研はフロイド・エレクトリック社が経営権を乗っ取った。森田司は技術者として新会社に迎えられ、社員も今まで以上に研究に専心できるように充分な資金と報酬を約束するという。根岸は現場は何も変わらず森田はもっと大きな資本の元で自由に研究に専念できるという。しかし森田は「オレは金が大好きだが、他人の金で動かされんのはキライなんだ。みんなを頼む」といってでていく。不治の病にかかっていた根岸は倒れる。

フロイド・エレクトリック社は根岸がなくなった場合の権利は、全て会社に移行されるという。森田司は「オレは許さねえぞ.死ぬまで恨む。っつ-か100ぺん生まれ変わっても恨む!!だからお前らは恨むな。お前らは前へ進め」と子供達にいうが、兄カオルは納得できない。カオルは根岸のおじさんの気持がわかるのだ。自分にも自分にしかできない事がきっとあると思いたかった。

カオルの傍で夢から覚める森田。

浜美祭初日。無事作品が出来てはぐちゃんから褒められた竹本は、卒業後修復士になることを話す。長野に帰るというはぐに竹本は「はぐちゃん君はどうして本当の気持ちを言わないの?」と問うが「大好きなひとの大事な人生を変えてまで選ばなければいけない道って何???私はそれとひきかえに修ちゃんに一体何をあげられるんだろう」

森田忍とカオルの準備が出来た。かつて父親の会社を乗っ取ったシカゴの会社に、城山さんと共に乗り込み、「今日からオレたちが新役員だ」と宣言する。会社の株35%はルーカス・デジタルアーツが持っているのだが、だからこそ忍はハリウッドでピーター・ルーカス監督の元で働いていたのだ。社長の豪邸は会社名義、これから賠償の訴訟も起こすという。大声で勝利の笑い声をあげならが、カオルは心の中で「父さんごめんなさい(こいつを呪うのも恨むのもオレの役目だという)約束を守れなくて。大切なものを守れなくて」と。

復讐は終わった。そしてカオルは姿を消した。城山さんはカオルは中途半端に優しいからという。カオルには想像力があるから松田さん(乗っ取られた会社でいつかカオルと忍が乗り込んでくることを信じて耐えていた)の今までの長いシカゴでの苦労と、我々部下全員の積み重ねた努力とか、ずっと慕って側を離れなかったあなた様の事が今頃ぐるぐる頭の中をよぎりまくって自分を粗末にすることすらできずにいらっしゃるはずだと。

スペインで理花さんにアタックするマック☆カルロスに、真山は毎晩飲みながら牽制しまくって理花さんの安眠を確保する。ただし理花さんと部屋は別々。

浜美祭初日に、搬入中のガラスパネルがはぐちゃんの上に倒れかかって大怪我をする。はぐちゃんは花本先生が付き添って救急車で運ばれる。山田と竹本は大学で連絡をまつ。

はぐちゃんのケガは頭を10針、右手を13針。はぐちゃんに「聞かない方が余計こわい」といわれてはぐちゃんの現状を話し始めた花本教授。傷は指のつけねから手のひらまでで、腱が切れてしまっていた。ゆ着や二次障害を防ぐには2ヶ月以上の入院と根気強いリハビリが必要だという。山田さんと竹本もベッドの外で花本教授の話を聞く。

はぐちゃんは痛み止めを拒否した。もし右手に痛みが感じられなかったら「神経がつながってない」という事で再手術は一刻も早い方がいい。だったら今はどっちなのかを早く知らないと、という。そして痛みで気を失う。

リハビリを続けても指先までの感覚が戻らない事もあり、筆を持って以前と同じように描けるようになるかは不明。しびれ・感覚障害はこのままずっとつき合っていかなければならないかもしれない。努力だけではどうにもならないかもしれない。しかし努力をしなければ確実にこのままただ失うんだ。と花本教授。

「私なんかに彼女に何かしてあげられる事なんてあるんでしょうか」「彼女を見ててふっとすごく遠く感じたんです。背負ってるものが違いすぎる。覚悟っていうか、ありきたりなコトバなんだけどほんとうに世界が違うんだって」野宮に話す山田に「みんな多分そう思ってるよ。で全員で彼女を遠まきにするんだ『私には何もしてあげられそうにないから』って。多分彼女がひどく苦しむのはここから始まるリハビリだよ。山田さん。君は残りなさい。残んなきゃダメだ。友だちなんだろ?」と。「ありがとう」といって帰って行く山田。

リハビリを始めたけれど、指先に触ったものがタオルか紙やすりなのかさえもわからずにショックをうけるはぐちゃん。土手の花を摘んで持っていった山田と竹本もショックを受けるが、「焦らないこと、諦めないこと、それはオレたちもなんだよ」と花本教授。

はぐちゃんのお父さんが面会に来た。父には妻と春に産まれる予定の赤ちゃんがいた。かつて「はぐは(卒業したら)いなかに帰る。でそこでここにくる前みたく畑とニワトリの世話をしながら毎日絵を描く」といったこともダメになった。

はぐちゃんの左腕はストレスで噛んでしまうので痣がたくさんできた。しばらくするとその痣は先生の腕に移った。はぐちゃんのために先生は絶対に揺るがないと決めたのだろう。

しんさんから新しい現場盛岡に三月の中旬には合流して欲しいといわれて、竹本は迷っていた。はぐちゃんを置いていく?でもこのまま東京にいてはぐちゃんをはげましてリハビリを手伝って、シフトを自由に出来るビルの清掃とか道路工事とか深夜のコンビニとかで東京で1人でやっていけるくらい目一杯バイトを入れたら、結局はぐちゃんのケアなんてできない。そして彼女が治ったとしてその後自分は美大を卒業したのに就職もできてなくて手に職もついてなくて三十歳を超えていて、今度は自分の存在自体が彼女の重荷に変わる。真山の「好きな女に何かあったとき『何も考えないでしばらく休め』って言えるくらいは持ってたいんだよね」という言葉の意味を思いしる。先生の腕の赤い染みが自分に移ることはない。

「このまま治らなかったら?描けなくなったら?」と花本先生にしがみつくはぐちゃん。「絵を描く」ということだけが「私」を「守り」「生きさせて」くれてたんだと、ひとりぼっちだった子供の頃を思い出す。

突然帰ってきた森田。山田が真山を通じて必死で探して連絡をしたのだ。花本先生がちょっと離れたところに現れる。花本先生がはぐちゃんを探しているところに竹本がやってきて「森田さんが帰って来たんです」と告げる。

兄と住んでいたアジトにはぐちゃんを連れて行った森田。「生きててくれればいい。一緒にいられればいい」と森田ははぐちゃんを抱きしめる。

はぐちゃんが森田といることを悟った花本先生。大学の部屋はすでに片付けの真っ最中だ。「はぐには言うなよ。こんなコト知らんで決めて欲しいと」と竹本にいう先生。とりあえず全部の時間をはぐのリハビリにぶち込もうと思って、浜美を3年休職ということにしたという。まさかこんなギリギリで王子さまが帰還しちまうとはな。もしはぐちゃんが森田を選んだら・・旅にでも出るという。「何ではぐちゃんに『オレを選べ』って言わないんですかという竹本。「オレは言いましたよ。希望なんてカケラもなかったけど、全然ダメってわかってたけどちゃんと言いましたよ」という竹本に、先生は「病院に行くよ。はぐが戻ってくるかもしれん」と。そのころ森田の部屋にいたはぐは、手が腫れてて動かないから病院に、修ちゃんのもとにもどらなきゃという。もどらないと手が死んじゃう。それだけはいや。絶対にだめ。描けなくなったら私も死ぬというはぐちゃんに「わかった」と送っていく森田。

森田は、先生に殴られたという。「ごめんね」というはぐに、「そっか、お前決めたんだな」と。「見てて。ぜったいに治すから。治らなくても何も残せなかったとしてもいいの。わかったの。描きたいの。これ以外の人生は私にはないの。ゆうべ言ってくれたことほんとに嬉しかった。私もずっとあなたの事見てる。お兄さん見つかったらつかまえてちゃんと言うんだよ???ゆうべ私に言ってくれた事。今度こそ大きな声で」

竹本は森田を、大学の花本先生の部屋に森田を連れて行く。花本先生ははぐちゃんに「『知らせるな』『自分で決めて欲しい』」と言ったことも。「ついに本気出して来やがったな。勝てねーじゃねーか。」

病室に戻ってきた花本先生にはぐちゃんは「修ちゃんの人生を私にください。私描きたいの。ずっと。だから一緒にいて。最後の最後まで」と。

森田と竹本は男2人で寝た翌朝、「どー考えたって彼女を幸せにできんのはオレでもアンタでも無い!!先生なんすよ!!」と竹本。才能があるといってみんな自分を好いたり憎んだり恨んだりあげくに黙って離れていく。虚しくてはぐちゃんを道連れにしようとしたことを森田はわかっていた。カオルは天然で才能のある森田に嫉妬していたけれど、森田は森田で葛藤していた。「あのおっさんの方がアイツを幸せにできるだって!?そんな事オレだって解ってたんだよ最初っから」となぐりあう2人。森田ははぐちゃんと両思いだけど、はぐちゃんを幸せにはできないような気がしていた。

森田から「ぜったいに治してやってくれ」と札束の詰まった段ボールが大学の花本先生の部屋の前に置かれた。一束だけ借りてまだ窓の下にいる森田の残りを投げる。「ゼッタイに耳を揃えて返す!!金は返すがはぐは返さん。絶対に治すよ。で絶対にまた描けるようになるから安心しろ」と。「お前さアイツの事好きなのか!?」と大声で聞かれて「ああ、好きさ。大好きさ!!」と、山田も丹下教授も学生も聞いていることを忘れて叫ぶ花本先生。

花本先生がはぐちゃんの事をそういう目で見ているとは思わなくて動揺する山田。そこにスペインからやってきた真山。丹下先生からすでに事情は聞いたという真山と2人で話す山田。はぐちゃんは山田の思ってたとおり森田さんが好きなんだと思うという真山。生きる意味が何にかかってるかだと思う。それが『恋愛』の人間もいれば好むと好まざるとにかかわらず何か『やりとげねばならないモノ』を持って生まれてしまった人間もいる。みんなその瞬間はもう本能にジャッジをゆだねるしかないんだろうな。と。

空の部屋にたたずむ花本先生の元に理花さんもやってきた。

山田から事情を聞いた野宮は「これが『真山が君を好きになるスイッチ』だとする。押したらそのかわりリーダーが『一生暗い部屋に閉じ込められて二度と誰にも会えない』としたら?」なんという例え!「押せないなら君は『真山がキライ』って事になるねぇでも違うでしょ?そゆコトじゃないの?」泣き出す山田。またまた野宮さんはマゾでサド!

影で聞いてる美和子さんと山崎さんは「あれ言いながら自分で傷ついてるわよねぇ」「『もう真山の事考えンのやめろ』って言えればいいんだけどね」と。

カオルは城山に電話をして会社に戻ることにした。森田はピーターの会社にいくという。はぐちゃんに「オレが何もかも投げ出そうとしてた事見抜かれた」ともいう。「逃げないで一緒にあがこう」と言われたと。

野宮は「ここまで来たら正直に行こう?計算とか全部無しでさ。オレはアンタが好きだ。かといって何もかもをガマンするのは無理。正直真山のこといつまでも引っぱられるのはツライ。でもそれって離れてて解決するもんでもないとオレは思う。一緒にいよう。ケンカしてもいいじゃない。ちゃんと話をしよう?」えらい!!

最後の夜、竹本の自転車に2人乗りで買い出しに行くはぐちゃん。「きっと治す。治さないと修ちゃんに何も返せなくなってしまう」というはぐちゃんに「それは違うよ。何も返したりしなくていいんじゃないかな。それは先生が自分で見つけるべきモノであってはぐちゃんがあげるものではないんじゃないかな。そして先生はそれをちゃんと見つけられる人だとオレは思う」うん、返さなくていいと思う。

翌朝、おみやげの買い出しにいくときにはぐちゃんを見かけた。さよならはゆうべすませたからもう話しかけるべきではないと思った。きっと今話しかけたら言わなくていい言葉を言ってしまう。君を困らせてしまう。そんな別れ方をしたら二度と会えなくなるから。と見送る。

東京駅にてやまびこ55号盛岡行きが発車するときに、はぐちゃんが窓の外を人を探して走って行く。思わず呼びかける竹本。食パン一斤まるまるのサンドイッチには、はちみつと四つ葉のクローバーがめくる度にそれぞれ挟まっていた。「ありったけの幸せをあなたに」という気持を込めて。

まくいかなかった恋にも意味はあると。

結局ハッピーエンドではなくて、主人公の竹本クンを始めとして好きな人と結ばれない登場人物も多くてちょっとほろ苦いけれど、いかにも青春、大学時代。

ただ山田さんは真山にまったく脈がないし、理花さんと仲良くなっていくのを目の前で見ていても諦めきれない自虐的なところが、切ないけど共感はできない。これは自分の気持ちに酔ってしまっているのかな。そして野宮さんの気持ちも弄ぶことになってしまってるし。

この2人は作者も気になるのか、「君は僕のたからもの」には野宮さんと山田さんのその後がでてくる

野宮さんと半ばおつきあい状態になりながら真山のことも忘れられない山田さん。心の声が「全部カオにでちゃう」ので野宮に副音声付きで指摘される。そんな全部カオに出ちゃうトコが好きだと飲みながら山崎に惚気る野宮。真山はむかしのダメダメだったガキの頃のオレにそっくりで、苦労して脱いだのに、真山はその青くさいまま山田に愛されてるのだと気付いたときに「この娘だったらあの頃のまんまのオレでも受け入れてくれたのかなぁって」思ったという。

はぐちゃんがリハビリでつくった鳩が飾られている、アシスタントをやっている大学の部屋で野宮とゆったりする山田さん。はぐちゃんと先生は駅からちょっと遠いけれど古くて天井の高い一軒家に引っ越して、はぐちゃんは筆を手に固定した形で肩とひじから動かして大きな絵を描いていると。

山田にウチの田舎来ればという野宮。実家の裏がじーちゃんのやあだから斜面に登り窯とか作れるし、いい土が取れるみたいで陶芸家のヒトもポツポツ住んでいる。長野だけど中央自動車道使って3時間かからないから週末だけってのもいいし、はぐちゃんも花本先生も長野だから遊びに来てもらえていいと。実家に自分の部屋も残ってるけど、どうせなら建てちゃった方がいいか。君と僕の家を。という野宮に「ホンッとにカオに出るなぁ君は。一生あきないな」それはプロポーズですか。

「3月のライオン」14巻Chapter150-152秋の風景③-⑤に、その後のハチミツとクローバーのメンバーが特別出演。主人公の桐山零くんが通ってる駒橋高校の先生達が出場する第110回職業団体対抗将棋大会で、野宮さん、真山さん、花本先生ほかの藤原デザインのチームと対戦、藤原チームは負けたものの、ハチミツとクローバー女性陣のその後が語られる。野宮さんは山田さんを口説くために実家の斜面に登り窯をつくり、無事結婚して新婚さん。そこに 真山さんの彼女の理花さんがテントを張って住み込み女子友ができてウッキウキ、野宮さんが焼きの時間待ちのために山田さんのためにつくった小屋にははぐちゃんが転げ込み、山田さんも一緒に住み着いて新婚の夫の野宮さんのなかなか帰ってくれない、花本先生は「自然が多い場所だと精神が解放されて創作意欲が湧くのかなあ」と嬉しそう。懐かしの山崎さんは、相変わらず美和子さんにいじられて、古着屋でみつけたという中学生ジャージででてくる。

3月のライオンの後日談まで含めると山田さんと野宮さんは結婚したし、真山さんの理花さんとつきあっているようだし、はぐちゃんも創作できるようになったようだし、結局ハッピーエンド!

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2023年7月1日土曜日

スキップ・ビート!48

(ACT. 295 Route Kingdom)
蓮とレナード・ヘルベルト監督の面談はルトが密かに様子を録画して指向性マイクを使って会話も録音し、ローリィ社長に様子を報告する。もののけ王子との戦いのパフォーマンスの後、「それでは後日他の皆さんと顔合わせする日に改めて」と呉崎さんがいっただけで終わった。時にはスパイダーマンやダースベイダーのコスプレでも現れるという監督をうらやましがるローリィ社長。これは同類とみた。

週刊誌の敦賀蓮と楠香凪のLOVE LOVE表紙を見て照れるキョーコ。その様子を「孫を愛でるお婆みたいに見守る姿勢」といって、「私に何か隠してるわね」とキョーコを脅かす奏江。英語で早口で説明するキョーコ。答え合わせは今夜といって社さんの車に乗る2人。奏江が後学のために英会話レッスンに通ってキョーコとも練習していると聞いて、やっぱり琴南さんも『プロジェクト』に呼ばれてる?」と思う社さん。今日スタジオ映究に行くのはプロジェクト絡みかもと密かに想像を展開する。
この時点までルートプロジェクトは極秘で誰がでるかも互いに知らないのね。本誌はアメリカへみんな向かうところだけど(2023年5月)この時点で互いには知っているけど、マスコミ公開はされたのだろうか。

サラから帰国の飛行機に乗るというメールを受信した奏江とキョーコ。社さんはそれも訊きたくてしょうがなかったのだけど、蓮とキョーコが写真付きメールのやりとりをする仲だと琴南さんは知っているのか確証がないので、慎重に動かねばと悶々とする社さん。

キョーコは紅葉のクライマックスシーンの撮影。季節の関係で、DMの時のように途中をすっとばして撮るといと聞いて「そりゃ私だって演れって言われたら演れるけど、物語の中で生きてる実感は話の進行通り撮ってもらえた方が断然あるし、楽しいのよね。今までは比較的進行通りに撮る作品に恵まれて来ただけなのかもね、私」という奏江が気になり、元気づけようとするキョーコ。

思うように奏江に言えなくて、落ち込んでいるキョーコは、突然外人にぶつかる。この絶好のタイミングで絶好の人間にぶつかるのが、いかにも少女漫画。初期には蓮ともぶつかってたよね(1巻ACT.2)。

(ACT. 296 Route Kingdom)
あわててサングラスをする外人。そこに呉崎プロデューサーが声をかける。「ここで彼に会ったことは内密にお願いできますか。直接的な関係者にはゲリラで対面したいと望んでの来日なので」「そこで口止めしたら意味が無くないか」という外人に、「彼女はミス・コトナミの親友ですよ。どうせ早くて今日中にはあなたの正体などバレてしまいます」「俺の事も『レオ』と(呼ぶな)・・・」といいかけたのを聞いて「『レオ』は『レナード』の愛称ですね」とポロッと出るキョーコ。「やっぱり知ってたでしょう?限られた立場の物しか知らないはずの仕事事情を」「私が知ってるのは琴南さんの英語力を上げるために協力して欲しいと事務所で頼まれたからで」と失言してあわてるキョーコに「事務所からの依頼を差し引いてもオーディションの結果を考えると、話しているだろうなと想定していただけです」と呉崎プロデューサー。

改めて呉崎さんから、レナード・ヘルベルトは日米合作映画『ROUTE』プロジェクトの総指揮・監督です。と紹介され、京子のことはわたしがもう一方で携わっている作品で『女忍者』を演じてくれています。とレナードに紹介すると興味を持ったようだ。呉崎プロデューサーは「ここで彼の素顔を見た事はたとえ琴南さんにであっても口外しないで下さい。彼は本来仕事でもあまり素顔を晒さないので」更に「京子さんあなた今日千載一遇のラッキー体験をしましたよ」と。ならなぜ今素顔丸出しで居たの???と心で思うキョーコ。
バラの花束を持っていた呉崎プロデューサーを思い出し、あれがモー子さんのための花束なら”面接”なんて形だけと思うキョーコ。
素顔のレナード・ヘルベルトは、トラおじさま一族の顔に見えなくもないけれど、それだとローリィ社長がたぶん知っているはず。こいったい何者?緒方監督のようにエリート芸能一族の出であるに縛られたくないのなら、レナート・ヘルベルトも偽名というか芸名?素顔のレナード監督に出逢えたのは、「千載一遇のラッキー体験」と呉崎プロデューサーはキョーコに言ったけどどういう意味だろう。

(ACT. 297 Route Kingdom)
「男として生きる事を定められ闘ってきたのに、国のために女に戻って嫁げという。笑える。」という奏江の『ヘイゼンベルク』の演技はレナード監督の目に叶い、Project route membersという招待状をもらうけど、浮かない顔の奏江。

キョーコの紅葉の最期のシーンの撮影に、呉崎プロデューサーとレナード監督が現れる。なぜか『総指揮だ』と、びっくりする古賀さん。古賀さんもRoute Projectに参加するのは後ほどでてくるけれど、ここでレナード監督が京子の演技を見に来たことをどう思っているのだろう。

(ACT. 298 Route Kingdom)
リアル紅葉なキョーコの演技は大人気で他の役者も見に来る。呉崎プロデューサーとレナード監督と森住監督はゴザに張りめぐらせた中でモニターで撮影を見る。最初辛く当たる人がいても、いつもキョーコは演技で共演者達を魅了していくのが好き。

紅葉v.s夜の頡つきの場面だ。数を誇る敵方に囲まれた紅葉。次々に敵を切っていく姿にしびれる共演者達。古賀さんも見とれている。呉崎プロデューサーがふと気が付くと、レナード監督もモニター画面に引き込まれている。「貸しませんよ?貴方のところはもう定員オーバーです。」という呉崎プロデューサーに「今回はな」というレナード監督。これは将来アメリカでキョーコを起用するつもりだと見た。
撮影場面では相手方ボスはピストルを紅葉に向け発射する。

(ACT. 299 Route Kingdom)
致命傷にならずに虫の息の紅葉は「守りたいもののため汚い事で手を汚すのは忍びの宿命。恥じる必要はない」と。「できるならもっと違う形で出逢いたかった」というボスに、「意味がない。出生がどう変わろうと、どの様な生い立ちを辿ろうとわたしの運命はあの方に出逢った瞬間走り出す。あの方の元へ」と思い浮かべるのは蓮の後ろ姿。「最期までつれねぇ女」と言ってとどめを刺すボス。このキョーコちゃん演じる紅葉が、近くにいても自分の手の届かない志津摩様を蓮と重ねる場面心が詰まる。蓮とは両思いなのを確認したけれど、まだ先は長いんだろうなあと。

「志津摩様どうか枯れてしまわれませんように泥中に咲く華のごとく」つまらない突っ込みだけど、この絵は蓮では無く睡蓮に見える。

OKがでたとたん顔が崩壊するキョーコに笑いを堪えきれないレナード監督。キョーコちゃんの魅力を余すこと無く見たのね。レナード監督、キョーコの演技を見ているときは表情豊か。まあ演技テストじゃないというのもあるけれど、奏江を見ているときとは大分違う。それを見て「ふむ」と呉崎プロデューサー。これはどういう意味?

メイク直しをしながらタキシードナイト様の扮装をしたレナード監督を見て、独特の身長・体格からレナード監督だと気が付くキョーコ。さすが絶対視感!

レナード監督が何か言う前に「先程『くの一』を演じていた彼女のプロフィールを所属事務所の紹介を英訳して(レナードの)PCに送っておいた」という。そのあとの呉崎プロデューサーの心遣いを「リョーサイケンボ」「ナイジョのコウ」「ヤマトナデシコ」と褒めるレナード監督とのやりとりは、コント。呉崎プロデューサー、いじられキャラだったのね。レナード監督も。

(ACT. 300 ミッドナイト・トラッパー)
撮影が終わったキョーコが廊下でボロボロ泣いているところに通りかかった古賀さん。「うっとおしい。」といいながら「俺だって役者なんだから君のそれがどういう現象かくらいわかる。気持ちが切れないんだろう。役が抜けないっていうのとはまた違うんだ。」「ズキズキと痛む胸、なのにポッカリと大きな穴が開いてしまっている様なひどい虚無感。なんたって紅葉はもう二度と志津摩に会えないんだからさ」といわれてどっと涙が溢れるキョーコ。

「幸い君の場合、まだ志津摩とのシーン残ってるから埋まるよ。そのうち虚しく開いたその大きな穴は」「今のは経験者としてアドバイスしただけで優しくしたんじゃないからな(やめてくれよ俺に惚れるとか。敦賀君からの受け皿にされるなんて屈辱で死ねるわ)」と。古賀さん口は悪いけどいい人。『受け皿』というのは、敦賀さんが香凪さんとつきあってて、キョーコは振られたと思ってるのね。

社さんは事務所から、キョーコが今日の自分の上がりを訊かれたと電話で知らされる。以前深夜に上がる時間だけ聞かれたと思ったら蓮のマンションの前に居たことを思い出す。

「あの時は俺に直電して来たのに何で今日は事務所経由?」と思いながらキョーコに電話して、蓮に朝ご飯をつくる番組の話が来ていることを伝え、「比較的簡単に作れてかつ敦賀蓮のイメージを損なわない朝食って何だと思う?」と聞く。

そして仕事が終わった蓮に「敦賀君 君 明日の朝 エッグベネディクトを食べたいだろう?」「いいえ全く。」という。普通吹き出しには句読点がないのだけど、ここだけ○がちゃんとある。「では食べなくて良いから今夜食材を買って帰りなさい。たしかマンション併設の高級スーパー深夜3時まで開いてたでしょ。」何故ですかと聞く蓮に「いいから行っといで。いい事あるから。」と社さん。社さん、蓮とキョーコの関係をどのくらいわかっているのだろう。蓮のマンションにはマスコミは張りついてないのね。

社さんに、最上さんが自分のマンションでこんな時間に張り込みしているといわれて、スーパーでキョロキョロする蓮。イングリッシュマフィンとゴールデンクランペットを両方手に取って、クランペットの方をかごに入れる蓮に思わず「ああ!!違います!!そっちじゃありません!!敦賀さーん!!」と思わず叫ぶキョーコ。敦賀さんこれはわざと間違えてキョーコをおびき出そうとした?普通ネットでエッグベネディクトの材料くらい検索するでしょう。

(ACT. 301 ミッドナイト・トラッパー)
蓮が朝食をつくる番組のため、キョーコが指導して蓮はエッグベネディクトをつくる。試食まで面倒見て欲しいとあれこれ理屈をこねる蓮に「さてはわたしに消費させたいだけですね。」というキョーコに、(恐るべしラブミー部脳。察してくれは通用しないか)と、「取り繕わず君にもわかりやすくはっきり言おう。もう少し一緒に居たい」鳩が豆鉄砲を喰らったような顔で赤面するキョーコ。男女交際をしている仲では無いのだし、どこまで踏み込んでいいのか距離感を測りかねるキョーコ。
敦賀さん、「君との関係を大きく変えたいとは思っていない(46巻ACT.282)」と言いながら、押してきている。大きくは変えないけれど、少しずつ少しずつ押していって、結果的に大きく変わる方針と見た。

香凪さんとエレベーターで手を繋いでいた報道が出たときも、蓮から電話で「香凪さんとのあれは”戦友”的な意味で握手した所をタイミング良く見られただけだから。誤解とかしてないかな。」という蓮に「別ルートで、私、香凪さんの事情を知ってますので、大丈夫です。この期にに及んで、敦賀さんが不誠実な人だとか、そういう類いの誤解を気遣って下さってるならしませんから」「老婆心かなとは思ったけど念のため万一にも君を不安にさせたくなかったから」
蓮はだんだんちゃんと言葉に出していうようになってきたのが好感を持てる。キョーコがどこまで知っているかを知らないわけだから、香凪さんとの熱愛報道はもちろん、これからも何かあったらキョーコにちゃんと説明して欲しい。キョーコと一緒に居たいのも、結局ストレートに口にだしたように。

お茶を入れる蓮に見とれるキョーコ。ふと蓮の胸のペンダントに気が付いてじっと見つめる。「違うよ。スペアじゃない。」と。「これはスペアというかレプリカみたいなもの
君の安全上の事を全く考えてないって迂闊さを叱られてね。俺も知らないうちに用意してくれてたんだよ。社さんが。」スペアには違いないけど・・・まあスペアって言葉にすると代えがいくらでもあるように聞こえてone and only感がなくなるか。「社さんにバレちゃってるみたい。俺達の事」と。

(ACT. 302 ミッドナイト・トラッパー)  
社さんの言ったことを聞き、「恐らく社さんは俺と君が交際している仲だと思っている。」いや交際はしてると思うけど。深夜にマンションで二人きりで食事して何をいっているんですか!
「社さんの予想の大分斜め下だと思うから腰抜けと一生イジられそうな気がする」まあ腰抜けには違いない。キョーコのDWLの実況報告で、彼がキョーコのメールアドレスをゲットしている事を突っ込まなかったので、これはもう『付き合ってるなら当たり前』とスルーされたとしか。だからつきあい方の問題で、付き合ってるには違いないでしょう。

そこからサラについて聞かれて、DWLで伊達監督に会って、サラの王国通ぶりと胃袋の包容力をハイテンションで説明するキョーコに、DARK MOON撮影の場でクーの話をしたときや、グアムでコーンとの再会を嬉々として話すキョーコを思い出す蓮。サラの食べっぷりからMr.ヒズリを連想したというところで、蓮の顔が幸せに溢れてエンジェルラダーを放出していることに気が付いてかたまるキョーコ。知らないとは言え、キョーコちゃん、クーさんとサラさん、蓮の父母を絶賛している。蓮が表したくても表せない両親への気持を代弁してくれている。

あの話のどこが敦賀さんの幸福スイッチを押してしまったのか理解できないまま、蓮に送ってもらうために部屋をでる。送って頂く事になって申し訳ありませんというキョーコに「何より君は社さんに頼まれて来てくれたんだろうし。エッグベネディクトの材料をちゃんと俺が買って帰れるか監督して欲しいって言われたんじゃ?」という蓮に嘘がつけなくて謝るキョーコ。でも理由を説明しかねていると、突如「ちょっといけない事して帰ろうか。2人だけの秘密で」と言って非常階段に連れてこられる。他のフロアの扉は非常時以外決して開けられないので、「今この階段を降り始めたら最後ロビーまで降り続けなければこの建物から出られない。楽にエレベーターで降りるルートを選ぶならさっきの俺の質問に答えるという条件がついて来るんだけど。大丈夫もし君の歩調が一瞬でも乱れたと判断したら、俺がお姫様抱っこで降りてあげるから」と耳元でささやいて「おいで」と手を差し出す蓮に、即行で口を割る。
蓮は真面目な顔をしてはっちゃけてない?どちらに転んでも蓮に都合が良い二択じゃない。キョーコがどんな説明をしたのか聞きたいけど2023年6月現在まだ明かされていない。その後の2人の様子から、少なくとそのままお泊まりに雪崩込んだりしなかったのは確か。ローリィ社長じゃないけどつまらん!

2023年6月23日金曜日

暁のヨナ41

2023.5.19
(第235話 苦楽を共にした仲間)
南戒軍の野営地に忍び込むハクとヨナとヴァル将軍。ラーン将軍と対峙して、ヴァルはかつての仲間と苦楽を共にしてきた日々を思い出し、メイニャンを一刻も早く助け出したい決心が鈍る。ヨナはヴァル将軍を庇って前に出る。

3人は見張りをすりぬけてシンヤが見た大きな天幕へと急ぐ。

一方四龍はドロモスと闘っていた。ゼノはドロモスに捕まると、我を忘れて龍の力で攻撃する。4人とも回復が早すぎるのに不信感を持ったゼノは、「緋龍城の地下に入って何か持ち出したか?」とドロモスに聞くが、仲間のドロモスに攻撃され、騒ぎに気が付いた南戒軍の兵士が集まってくる。

ヴァルは1人でメイニャンの救出にいくというので、ハクが兵士全部蹴散らすという。ハクは南戒軍を相手に暴れて兵士の目を惹きつけるがヒッタン将軍がやってきたのを見て、ヴァルは戻ってきた。

(第256話 遺物)
「裏切ったなんて誤解ですよね」という南戒軍にヴァルは「オレはチャゴルに刃を向けた。それはメイニャンの身が危険だと判断したからだ。鳳凰宮に帰すわけにはいかない.メイニャンを連れて南戒帝国を去ります。」とヒッタン将軍にいう。「チャゴル殿下はお前が生きていたら処刑しろと仰った。俺は都に家族がいる。お前程身軽ではない」というヒッタン将軍はヴァルと対峙する。

兵士が皆ヴァルとヒッタンの戦いに集まっていって手薄になったのを見て、気になる小屋をのぞいたヨナは、ぶら下げられたカジを見つける。「ヴァル将軍生きてた?」と聞かれて「ええ」と答える。「じゃあ早くメイニャン様にお伝えしてあげて」というカジに「あなたはメイニャンやヴァルの味方?私はヴァルと共にメイニャンを助けに来たの」

そこに戻ってきた兵士を、ヨナに拘束を解かれていたカジは縛り上げる。ヨナという名を聞いて「(高華国の)姫の名にあやかって?」というカジは、ヨナの肩の上に乗ったホーちゃんに気が付く。「君一緒に来てよ。ちょっと手伝って欲しいんだ。全部ここで捨ててもそれでもメイニャン様を助けたいんだよ。チャゴルの傍は地獄だ」という。

四龍を待っているはずだったヨナだがジェハ達はここに来ない気もして協力する。

ゼノには緋龍城を焼いたドロモスが、緋龍城の地下から四龍の身体を造ったモノ、龍神から賜った四龍の血の盃を持ち出したことがわかっていた。

(第237話 呼ばれる方へ)
キジャもドロモスが現れた時、何故だが追わねばと強く思ったといい「四龍のものは四龍で取り戻そうではないか」という。

盃はチャゴルに渡るだろうからメイニャンもその近くにいるかもしれない。まずはヨナと合流だといって、上空から探すジェハを招くメイニャン。降り立ったジェハを、待ち構えていた南戒軍の矢が射貫く。他の四龍も集まってきたがドロモスに捕まってしまう。メイニャンがカジを解放してもらうために、四龍の特性をチャゴルに伝え協力したのだ。

メイニャンとの約束で、「カジを解放しよう」とチャゴルがいったところに、ドロモスが「カジ将軍が脱走した」と伝えに来る。気が変わり「我のもとから逃げる者は許さん。殺せ」と命じる。もともとチャゴルを信用するのが無理な気がするよメイニャン。

ハクは南戒兵士を全て倒し、ヒッタン将軍とヴァル将軍の闘いは口を挟まないことにして、ヨナ姫のところへ戻ると矢が地面に。何らかの事情でここを離れたという伝言と受け取る。

出発前にケイシュク参謀が「ヨナ姫を必ず守り抜いて下さい」とわざわざ言いに来たことを思い出す。ハクはもう三十五番隊ではなくて空の部族護衛部隊隊長だという。金州の地を守ってなくなったハク隊員の栄誉を称えて昇進させたと。この作戦で貴方の働き如何では更なる昇進も考えましょう、と。またケイシュクもずいぶん変わり身の早い。まあスウォンの先が長くないのは見てもわかるから現実的になったのかもしれないけど。

そこにぼろぼろになって戻ってきたキジャ。ジェハ達は捕まったという。

(第238話 場の支配者)
ヨナ姫と行動を共にするカジ将軍に襲いかかるドロモス。ドロモスに「何故ヨナ姫と共に行動を?」と問われて、一緒にいるのが本物のヨナ姫であることを知るカジ将軍。四龍の内3人はチャゴル殿下の手に落ちたことを伝えて、チャゴルの元に2人とも行くようにいうドロモス。

後ほど239話で種明かしされるが、ここでアルギラとヴォルドが2人を助け、アルギラとヴォルトはドロモスのふりを、カジ将軍は兵士のふりをしてチャゴルの懐に入る。

白龍を逃がした後の、3人の龍の元に現れたチャゴル殿下。身体が熱くなった3人。ゼノは「お前持っているな、あれを。」と。「貴様らは高華国の信仰の化身だ。神を奪って殺せば高華国の民の心は死ぬ。戦をするよりずっと効率が良いだろう」とチャゴル。しかし神様の力ってこういう物質的なものに依存するの???

そこにドロモスがヨナ姫を捕らえて現れる。「ヨナ姫が奪われ死ねば高華国の民は、国王は折れると思うか?」というチャゴル。スウォンが折れるわけはない・・けどスウォンの性格やヨナ姫との関係を知らないからしょうがないか。

さらにヨナ姫はメイニャンの所に連れて行かれる。メイニャンにヴァルが生きていることを伝えようとすると「余計な事を喋るな。喉を潰すぞ」とチャゴルに言われる。メイニャンに緋の病の発作が起きたのを見て、「メイニャンは頭痛に苦しんでいるの。薬を持っているからお願い飲ませる許可を頂戴。彼女と口をきかないから。」とヨナ。「死なせて」というメイニャンにユンの思いを込めて千樹草を飲ませる。

「何故高華国の姫が野営地まで来た?貴様は戦でも国王の隣に立つような女だ。我を出し抜けると思ったか?」というチャゴルに「薬を届けに来たのよ。私は貴方と闘ったりするのは無理。でも人質になる事は出来る。お願いします。どうかジェハ達の命だけは助けて」と。

高華国軍に見えるよう処刑台に縛られたヨナ。ヨナ姫処刑の声をハクとキジャも聞く。高華国への要求は、兵を引くこと及びスウォンが1人でヨナ姫を取りに来ること。

高華国軍が引いていく。チャゴルの命令で兵が弓をつがえたのを見たメイニャンは、ドロモスを振り切って飛び出し、「ヨナ姫は殺さないで。ユンが悲しむ!」とヨナを庇う。「私は何度も迷惑かけたし高華国の人にたくさん世話になった。もう嫌なの!やるなら私にしてよ。ここで死ぬから。私なんて生きてる意味ないの。おもちゃにしたいなら、的にでも何でもすればいいよ。でも来世で殺してやるから。チャゴルのクソッタレが!!」と。そんなメイニャンに「ありがとう私は大丈夫」と縄がほどけたヨナが抱きしめる。メイニャンを連れ戻しに処刑台に上がったドロモス2人は、実はアルギラとヴォルドだった。まだ種明かしがされてないのでこの2人どこにいったかと思った。

(第239話)戦う意志 闘う意味
メイニャンにヴァルが生きていることを伝えるヨナ姫。そして「猫(メイニャン)以外を殺れ」という命令に弓をつがえた南戒の兵士達を射ったのはヨナ姫の処刑人に扮したカジ将軍。

とうとうチャゴルが自ら刀を手にした。すごい武力にアルギラもヴォルドもカジも倒れる。ヨナは「そんな力があるのに側にいる人を傷つける為にしか使ってこなかったのね」と矢をつがえる。「あなたがいる限り戦は終わらない」「ユホンなどは捕虜の首を刎ねまくったものだ」「あれを繰り返してはいけない。私はこれを最後の戦にしたいの。私のような王家の人間は民がいなくては存在しない。難しくても未来に争わなくても良い世を創るよう考えること働くことではじめて生きている申し訳が立つのよ」

ヨナ姫に飛びかかって抑えるチャゴル。「貴様が何の役に立ったというのだ」というチャゴルに「たとえば王家の血筋赤い髪というだけであなたの注意を少しだけ引くことが出来た」というヨナの言葉に気を取られているうちに後ろからハクが攻撃する。

「ハク様」というヴォルドの声に、これこそラーン将軍のいう、クラウを殺した高華国の要となる最強の武人ハクであることを知る。援護する南戒軍の矢を避けるためヨナをかばうハク、その後ろから攻撃しようとするチャゴルの胸をヨナの矢が貫く。しかしチャゴルは倒れず「狼狽えるな南戒の者共、勝機は我々にある。高華国の人間兵器四龍のうち三匹は既に我が手に落ちた。鳳凰宮に向かっている」

(第240話 「否」)
ヨタカもドロモスに扮して四龍を救い出しに潜入中。ドロモスだと思ったキジャに攻撃されるが、あやうくキジャは間違いに気付く。キジャにはジェハ達の気配が先ほどまであったのに消えたのがわかる。2人はヴァルとヒッタン将軍が対峙しているところに行き逢う。ヴァルはヒッタン将軍ならメイニャンを逃がす協力をしてくれるかもと少し期待していたという。そこに助太刀してヒッタン将軍を気絶させるキジャとヨタカ。

一方ハクは「メイニャンを連れて高華国軍に向かって走れ。敵は任せろ」というが、ヨナは「傍にいさせて。私闘えるから。お願い」と。闘うお姫様カッコイイ!

「帰ったらもうちょい色気のある場所で聞かせて下さいよ」とハクがいったところで、スウォンの鷹が空を飛ぶ。風の部族がや火の部族がいつの間にか野営地背後に回り込み侵入して攻撃してきたのだ。

これは最初からスウォンとケイシュクとヨナの間で合意していた作戦だった。松明軍で攪乱させて高華国軍が正面から侵入する作戦だと思わせておいて、ヨナ達が潜入してメイニャンを奪還し、夜明け過ぎまでに風と火の部族軍が野営地背後に回り込む。

キジャもヨタカもヴァルもやってきた。そして鷹と共にスウォンとケイシュクとジュドと高華国軍本体。「ヨナ姫の処刑に来いとのお話しだったので伺ったのですが、これはあなたの処刑場でしたか?」と。スウォンらしいお言葉!ヨナ姫の餌でおびき出されたのは自分だと気が付いたチャゴル。刀を抜いてスウォンに斬りかかるチャゴルに、スウォンを制するジュドの更に前に立ち、チャゴルを斬ったのはハク。重傷を負ったチャゴルと抱えて馬で逃げるラーン将軍。

カジ将軍とヨナ姫は、メイニャンが連れて行かれないようにあらかじめ全ての馬車に細工をしておいたから、四龍は馬車で運ばれただろうから途中で壊れて鳳凰宮には辿り着けないはずだという。

キジャとヨタカ、作者さんも後書きで書いているけど、似たタイプで楽しいコンビ。

2023年3月5日日曜日

スキップ・ビート!47

(2021年9月17日発売)
表紙は46巻と同じ状況だけど、蓮の目線が斜め上を向いている。監視カメラを牽制してるのかな。
この日警備室担当で、「あれ、こっちのエレベーターはメンテナンスに入ったはずなのにおかしいな」と思って、画像に顔を近づけて、よくよく見たところで、蓮と画面越しに目が合って瞬殺される警備員になりたい😅

(ACT.287 Route Kingdom)
蓮が送ったワンデーチケットで琴南さんとディジョウェイランドにウキウキとでかけるキョーコ。敦賀さんとのデートだと思って機嫌が悪かっただるまやのご主人は、おかみさんに説明されてうきうき。これは敦賀さん、将来キョーコと付き合うようになっても前途多難。でもご主人、可愛い。キョーコが琴南さんを待っていると見覚えのある人がいる。DARK MOONの緒方監督かと思って声をかけて自己紹介してよくよく見ると、その父の伊達大尊監督だった。「DARK MOONでお世話になりました!!京子です!!」という自己紹介に、誰だかわかったようだ。
伊達監督年齢不詳だけど、いくらなんでも親子は年齢差がかなりあるでしょう。間違える?

(ACT.288 Route Kingdom)
遅れて辿り着いた奏江を伊達監督に紹介すると、スマホを検索した伊達監督は奏江がゆきちゃん(りっぱな大人男性をゆきちゃんというのも凄い呼び方だけど呉崎雪之丞っていうのも凄い名前)の『千鳥』のオーディションで最終選考まで残っていた子だということを知る。呉崎さんとはLINEグループで一緒の友人以上マブ友未満だという。マブダチって死語では?画期的な造語とLINEグループと死語が混じるのがスキップ・ビート!の魅力だけど。

伊達監督からの、自分の連れを同行させてもらえないかという申し入れを、人嫌いな奏江は躊躇うが、その友達はアメリカ人で、英語の上達には本物に触れるのが一番の近道と説得するキョーコ。シベリアンハスキーの様にフレンドリーな性格で、安くて美味いB級グルメが大好きだというだという伊達監督。シベリアンハスキーって動物のお医者さんのチョビだよね。確かに強面だけど弱気で忍耐強い・・・のは同居するヒヨちゃんやミケのせいかな。ハスキーって蓮好き愛護団体(ハスキーあいごだんたい)?を連想するんだけど。伊達監督は木陰から様子を伺う大柄な女性サラ・スミスを連れてきた。キョーコと奏江が自己紹介すると目が輝く。サラ・スミスを『巣穴から様子を窺う仔リスのような女性』とキョーコちゃん表現しているけれど、蓮の齧歯類好きはサラ(ジュリエナ)の存在から来ている?

エレベーターで偽恋人成立と握手する敦賀さんと香凪さんが、目撃される。敦賀さん隙がありすぎ!キョーコは事情を知っているから気にしないと思うけど、キョーコがどの程度事情を知っているか敦賀さんは知らない筈。だったら、あいまいな関係だからこそ、自分が逆の立場だったらいやだと思うことはしないというのを徹底して欲しい。まああとで電話でフォローしたのはずっと先の方にでてくるけど(49巻ACT.301)。

(ACT.289 Route Kingdom)
蓮が地下駐車場からエレベーターに乗ろうとしたら偶然香凪さんがいた。何かいいたげに降りない香凪さんに「意中の方とはうまくいったんですね。幸せオーラがあふれ出している。『鍋から吹きこぼれる煮汁の様に』と、マネージャーに指摘されたもので。俺が。」「今回の騒動のおかげで俺の方にもちょっといい事ありまして。」と嬉しそうな蓮。

「私達みたいな人間には当たりが厳しいから。外界の風は特に。」という香凪さんに「風よけに使ってくれていいですよ」う~~ん解らなくはないけし、キョーコは真に受けてゴネたりしないとけど、だからといってこの発言はちょっとね。キョーコは「なんで私なんだろう」と卑下しているのに、これ以上香凪さんと理想のカップルみたいな報道ネタをつくらないで欲しい。私はキョーコ推しなので、キョーコを傷つけるようなら蓮でも許さない。あの子はある意味大人ですという、蓮。「あの子は芸能業界をズル賢く泳いでいけるタイプではないので外界の注意があの子に向かない様にはしたいな」と。「偽装恋人引き受けるわ。大事な子を守るため。私とあなたの」と。握手したところでエレベーターが開いて待っていた人に見られる。敦賀さん、自分はえらい重いヤキモチを妬くクセに。それにキョーコを傷つけたくないのにヤキモチ妬かれるのは嬉しいの?いちいち真に受けてすねたりゴネたりヤケ食いしたりして欲しいの?でものもうキョーコがどんな子か知ってるでしょう。森住仁子のときもそうだけどキョーコちゃんはヤキモチを妬いた場合、隠して密かに傷つくよ。

プリンセス城に入れなくてがっかりするキョーコに、「今度アメリカへいらっしゃいよ。あっちのDWLに招待するわ。それで2人でキラキラのドレス着て仮面舞踏会へ行きましょう。」とサラ。これは近い将来アメリカにキョーコが行くから、サラと再会してDWLの仮面舞踏会に本当に行くんだよね。

Lの発音が苦手な奏江に、サラはI Love Youって5万回言ったら「L」に舌が慣れるんじゃない?」という。「『Library』を5万回言った方が実がありそうだわ」という奏江に、「LとRが共存してるしね」というキョーコに、何か言いたげな奏江。奏江は何を言いたかったのだろう。

カフェで山ほど食べ物を持ってきて、上品にかつ高速で一瞬に平らげるサラ。私似た人知ってると、ホールケーキを食べるクーを思い出すキョーコ。アメリカ時代の久遠が苦労したのはサラが一族とうまくいってないことと繋がっていると思うので(だからエルトラは久遠にグランパと呼んでもらえない)、クーとサラ(ジュリエナ)の出会いも将来でてくるようなきがするけど、これは痩せの大食い同士で惹かれ合ったと言うことでいいのかな?しかし燃費の悪い両親だ。

(ACT.290 Route Kingdom)
敦賀さんに、DWLにいくとメールすると、君が写ってる写真が見てみたいな[ニッコリ]と帰ってきて、パニックになるキョーコ。自撮りの仕方なんて奏江にきいて「誰に送るの?」と訊かれたら困る。自撮りってハードルが高いよね。って私はやったことが無いけど。奏江が席をたったところでサラが、何か困ってるの?さっきカナエが困った顔してるって・・・」相談しようとしたところで、奏江とは日本語で会話したことを思い出す。「日本語で話さない方がキョーコ達は喜ぶかもしれないってヒロタカに言われたから。カナエの近い将来のためになるって。」とサラ。伊達監督、サラにカナエが日米合作映画に行く話をしたのね。ということは当然クオン(やセドリック)とも共演になることを知っているんだ。

マーメイドプリンセス人間バージョンというめったに遭遇できないレアプリンセスに気が付いたキョーコは、サラも含めてプリンセスのお付きの人に、3人でプリンセスを囲んでお付きの人に撮ってもらう。

蓮に写真を送信したところで「誰に送ったの?」」とサラに突っ込まれる。「彼氏?」「違うの!!そういうんじゃっ お付き合いとかしてないし」「でも好きな人」と言われてうなずくキョーコ。「その人と素敵な関係になれるといいね」気のせいかサラに声に残念そうな色が混じってたとのはなんでだろうと思うキョーコ。サラはキョーコのことをクーから聞いていたのかな。だからお付き合いしてなくて残念だったのか。

サラと3人でプリンセスを囲んだメールの写真を見て驚愕する蓮。しかし蓮のびっくり顔って初めて見たような。嫉妬している時をのぞいてこんな感情でまくりの顔って珍しいのでは。まあ状況を考えたら無理はないけど。

(ACT.291 Route Kingdom)
なんでサラ?が最上さんと一緒に居るのかと驚愕する蓮。サラの姿をしているジュリエナは蓮にとってお馴染みだったのね。ジュリエナさんって、前に後ろ姿で出てきたとき(19巻ACT.114)の雰囲気と大分違うけど、化けるタイプの女優&モデルなのか。それってキョーコちゃんみたい。

運転中の社さんが、「DWLで何故かキョーコちゃんがねずみマスターの中身を演らなきゃいけなくなったとか?」社さんは坊のことを知らないよね。何故ゆえにねずみマスターの中身という発想になったんだろう。あとキョーコと蓮の関係を、社さんどこまで知ってるの。キョーコがDWLに行く事になったいきさつは、蓮は社さんに話してないみたいだけど。46巻ACT.240でホワイトデーのお返しの話を社さんにしたときに話した?」

写真を社さんに見せてプリンセスの説明をする蓮。「お前がそんなDWL情報通だとは知らなかったよ」という社さんに「母がDWLオタクなもので」「それはなんというかすごく気が合いそうだなぁキョーコちゃんとっ」と浮かれる社さん。嬉しそうな蓮。「目に浮かぶ様ですよ。二人がプリンセスに同じテンションではじけちゃってるのが」って目に浮かぶんじゃなくてメールの写真がそのものなんだけど。一緒に写ってる長身の外国人女性は「『ひょんな事から知り合った』らしい」と蓮。琴南さんは知らない人は苦手そうだけど「後学のためとか言うのなら琴南さん、むしろ積極的に向き合いそうかなぁ(知らない外人と英会話)」蓮も「『泥中の蓮』で琴南さんが落とされたと聞いてもしかして呉崎プロデューサーは彼女を他作で起用してみたいと思ったんじゃないかって」「じゃあ琴南さんも呼ばれてる可能性があるって事か『ROUTE』プロジェクトに。今のところ誰が招集されてるのかは箝口令が敷かれているけれど、既に独りだけ秘密に出来てない人が居るけどな」とプリンスの事を示唆する社さん。プリンスは少し前に日系のカレンに夢中だったといいかけて、「琴南さんってカレンに似てない?」という社さん。(「踊らされてるなぁ」と聞こえないように独り言する蓮)。プリンスは蓮と過去の曰くがある従姉妹で、アメリカで対決することになるはずだよね。ということはプリンスの好みの女性奏江も共演するから、バトルの予感。

一方奏江が送ってきた写真を見てローリィ社長も驚愕する。ジュリエナが日本に来てるなんて聞いてないと。

(ACT.292 Route Kingdom)
ローリィ社長からの電話に自分が日本にいることがバレたことを知るサラ。「敦賀蓮」に会うつもりはなくて、陰からこっそり直に顔を見て、素の顔を見て安心したかったという。あの子が例の仕事の事で内心心穏やかじゃなかったとしたら顔を見たらわかるはず母親だもの、と。でも穏やかじゃなかったらどうするつもりだったの?

サラは蓮が明日午後4時に港区の鷲の門ヒルズに行って例の映画関係の人と会うことを、伊達監督から聞いて知っていた。伊達監督には「蓮」の事情を全部は話してないが、久遠がアメリカでは自分たち夫婦の存在で息も出来なくなってしまったから、自分の実力で自分の足場を作るために名前を変えて日本で活動してるということだけを話してあるという。それは伊達監督と緒方監督の親子の関係そのもの。

明日蓮と会うのはまさかと思うがプリンスじゃないよな?とローリィ。いやプリンスは役者でスターでしょ。わざわざ日本まで来ないと思う。

(ACT.293 Route Kingdom)
結局サラはクオンの偵察に行かないという。次に会うときはあの子が自力で私達の所へ帰って来た時。そうクウとも約束してるから。
クオンに恋人発覚問題については「あの子が選んだ相手ならきっと私も気に入るわ」

伊達監督はジュリエナが自分の一族とはあまりいい関係ではなく、それ故に業界での立場の確立には苦労したとかいうことを耳にしていた。

サラは、クオンが今日会う相手はセドリックではあり得ないという。あの人たちは王族なの。下々の者に会うためにわざわざ自ら足を運ぶなんて真似、死んでもする訳がないという。今回はクオンが近い未来請ける仕事に対して精神的に不安定になってないか確認したかっただけだと。

それだってセドリックが絡んでいるわけだけど、今回は違う。昨日確信したとジュリエナ。あの子はもう私が米国で最後に見た子供の頃のあの子じゃないって。今あの子の心にはあの頃にはなかった余裕がある。会ってないのにどうしてわかるかは内緒だという。一体何がジュリさんをそんなに確信させたのだろう。キョーコ携帯で写真を撮ったときに、羊枕した蓮とか見たのかな。それとも蓮のメールを見た?羊枕の方に一票。

蓮はROUTEプロジェクト関係者に会いに来て、突然、棒を振り回して攻撃してきた、もののけ王子(暁のヨナとのコラボでシンア)の怪しげな扮装をした男に襲われていた。特別出演のぷっきゅーも登場。呉崎プロデューサーが突然「敦賀君」と呼びかけ、棒を渡してactionという。心配する社さんに呉崎さんは「彼が今日敦賀君に会って欲しかった相手『Route』プロジェクト監督、総指揮レナード・ヘルベルトその人です」という。

(ACT.294 Route Kingdom)
撮影の合間に思わず笑みがこぼれる古賀さんを見とがめ、何か嬉しいことがあったのではとキョーコはいう。現場最高責任者にあって夢物語に実感が湧いて逸る気持ちが溢れ出てしまったと、どんぐりを手に思う古賀。

一方敦賀さんもシンアに扮装したレナード監督のリスぷっきゅーからどんぐりを受け取っていた。
ということは古賀さんもこのシンア攻撃洗礼を受けてぷっきゅーからどんぐりを受け取ったのだろうか。

(あとがき)
暁のヨナとのコラボでレナード監督のコスプレがシンアだった話。学園物パロディ4コマ漫画で、LEM学園の学園祭で暁のヨナを演じる話。配役はヨナがキョーコ、ハクが蓮う~ん・・・ちょっと違うような、ユンが社さんユンとハクの関係は、社さんと蓮の関係に似てるかも、そして奏江のジェハがすごくかっこいい!

伊達監督、久遠の母と久遠の予約済み彼女を会わせたとは夢にも思わなかっただろうな。

2023年2月28日火曜日

スキップ・ビート!ファンブック―Love me! (花とゆめCOMICSスペシャル)

(2009/3/19発売)
冒頭で仲村先生は連載前に「8巻くらいでおわるやろ」とタカをくくっていたと言ってるけど、そうすると尚に復讐するためにLMEに入ったキョーコが演技に目覚めて尚のPVもこなせるようになって自信が付いて、DARK MOONに抜擢されて蓮に刺激されながら女優への道をすすむあたりで終了だった???

21巻がでたあたりでの発売なので、でてくる登場人物もそこまでです。

Maincast&Quest
あらすじも交えたキョーコ(だるまや大将おかみさんも囲みで紹介)、蓮、尚、モー子さんのプロフィールや本編の紹介やインタビュー。

Subcast&Showbiz
社長(お付きの人も囲みで登場)、マリアちゃん(マリアちゃんのパパ宝田皇貴得るトラ・デ・デュリスもちょっとだけ登場)、社さんのほか、松内瑠璃子、ブリッジ・ロック、坊、上尾君子、坊もまとめて紹介。椹さんも囲みで一言。そしてクー・ヒズリ。

その他LME以外の芸能人として、尚(安芸祥子さんも囲みで)、七倉美森、丸山留美、薪野穂奈美、須藤友加、天宮千織、百瀬逸美、飯塚寛子、上杉飛鷹、大友ほのか、貴島秀人、由美子、高園寺絵梨花とお付きの人(今後の展開から目が離せなくなる事間違いナシとなってるけど、高園寺絵梨花が再び登場するのは、40巻ACT.238の最後からだから、連載時間でもまだまだだいぶ先では)、VIE GHOUL、黒崎潮監督、緒方啓文監督、新開誠士監督、安南寿豊監督。そして音楽プロデューサーの麻生春樹さん、JELLY WOODS 

Playlist&Guideは劇中劇 プリズナー、DARK MOON、BOX" R"、螺旋の森、天使のことだま、RINGDOHのキャストやあらすじ。奏江のデビュー作や蓮客演のトラジックマーカー(まだ21巻では詳細はでてないはず)も少し載っている。

20巻ACT.120 LUCKY NUMBER“25”の続き「スウィート ビター」
蓮からのマリアちゃんへのバースデイプレゼントはマリアちゃんのためだけにデザインしてもらったジャンヌダルクのリボン。感激するマリアちゃんに手を伸ばしたのは、キョーコからのプレゼント超リアル敦賀連特大規格人形。おすまし仮面とすやすや仮面の着せかえフェイスツータイプつき。「あれだけ精巧な俺の人形を作れるって事は俺は知らないうちによほど君に視姦されていたんだね。」と。
あまりリアルな人形って気味悪い・・・

アニメ「スキップ・ビート!」紹介、声優のインタビュー

原作者Q&A

読者が選んだキャラやエピソードのランキングほか

2023年現在、蓮もキョーコもアメリカ行きが決まって目前に迫っているけれど、アメリカではまた新たなキャラがでてくると思う。出そろったあたりでもう一度ファンブックを作って欲しい。

スキップ・ビート!目次へ


2023年2月24日金曜日

小説 スキップ・ビート! キョーコの全力フルコース!

(2016年9月20日)

2014年4月10日発売の花とゆめ 文系少女、その後『ザ花とゆめ』で2015年4月25日から2016年1月25日まで連載の計5編と、書き下ろし1編も加えた「小説 スキップ・ビート! キョーコの全力フルコース!」

#1 きっちん☆うぉ~ず!?
有名人に料理を食べてもらうTVプログラム『IT!』に、宝田社長に仕組まれてキョーコ出演。シークレットゲストに三ツ星をもらえれば三ツ星ホテルの食事つき宿泊券がもらえると張り切って望む。20代の男性とだけ聞いたシークレットゲストからのオーダー『いろいろな栄養が摂れる料理』に、がっつり食べたい系だと信じて大量の料理をこしらえる。現れたのは敦賀さん。蓮も相手がキョーコだとは知らされていなかったらしい。社さんは『いろいろな栄養が摂れる料理ってのは、栄養が摂れる料理をいろいろって意味じゃなくて、いろんな栄養が一度に摂れる料理ってつもりでオーダーしたんだよ」とハラハラ。

最後まで爽やか笑顔のまま食べきった蓮は、その夜、マンションで撃沈し、キョーコの気遣いミントティーで浮上する。ADたちがスタジオで「余ったら俺たちが食べていいんだよな?」といっていたので蓮は無理矢理完食したのである。

#2 メルヘン♥ライド
テーマパークのエンターテイメント・ショーのキャストに、ラブミー部の仕事として宝田社長に送り込まれたキョーコと奏江。キョーコは着ぐるみを着るワルワル怪人を演じる。キョーコは動きにくい着ぐるみでステージから落ちて敵の戦隊に引っ張り上げてもらって落ち込む。そこにロケの休憩でやってきた蓮がキョーコだと見破って、頭の被り物を脱がせて事情を聞き「失敗したとわかっているなら挽回すればいい。最上さんなら、きっとできると思うよ。負けたままでいるつもりはないだろう。少し肩の力を抜いて観客の子どもたちと一緒に楽しむぐらいのつもりにならないと。」社長が仕組んだことを知っている社さんは、蓮がキョーコと出逢ったことを感じる。最初のステージでは魔女をリアルに演じすぎて子供を泣かせた奏江も、次のステージからはキョーコとのアドリブでショーは大成功に終わる。

本編で坊の中のヒトがキョーコちゃんであることに蓮が何度会っても気がついてないことを考えると、すぐに見破るのはちょっとあり得なくて嘘くさい。

#3 あの世から愛をこめて
BOX-Rのロケで心霊スポットの廃墟となっている私立の総合病院を訪れたキョーコ。突然暗闇に閃光が走り、キョーコの意識が一瞬飛ぶ。帰宅後キョーコは妙な夢を見たり徘徊するようになる。テレビ局で会ったレイノは「華子というおまえと年齢が変わらなそうな女が憑いている」という。好きな男に会いたくて成仏できずさまよっているらしい。お嬢さまが私に憑いたと喜んでレイノのお祓いを拒否するキョーコ。お嬢様が会いたい人を探して地下駐車場への通路を歩くキョーコを霊を拘束できるチェーンを持って待ち構えるレイノ。レイノの苦手な敦賀さんを召喚すると本当にキョーコの後ろの関係者用扉を開けて現れる。レイノが引き上げた後、お嬢様の霊が取り憑いたキョーコは「抱きしめてくれませんか」と蓮に頼む。実は蓮は華子がファンとして応援し続けた憧れの人だったのだ。キョーコがいつもと違うのに蓮は気がついて、なにかの役に入っているのか?と思った蓮は「かしこまりました、お嬢様」といってそっとキョーコを抱きしめる。思う残すことがなくなった霊はキョーコに感謝しながら抜けていく。気が付くとキョーコは蓮の控え室のソファーで蓮に膝枕をされて横たわっている。キョーコは華子の話をキラキラとした瞳で話す。抱きしめて欲しいというのが、最上さん本人の願いだったら良かったんだけどなとがっかりする蓮。

私の個人的感想だけど、本編のレイノが超能力者である設定がスキップビートの雰囲気を壊すと思っているので、それを更に下回るスキップビートの雰囲気を壊す設定だと思う。

#4 社倖一の闘病日記
風邪をひいて高熱の社さん。心配した蓮が訪れて世話をしスケジュールの確認をした後仕事にでかける。スペアキーは事務所に預けておくと。

社さんはローリィ宝田に蓮のマネージャーを首にされ、安芸祥子が新しいマネージャーになり、毒林檎を食べさせられそうになる夢を見る。

気が付くと夕方の5時。ラブミーつなぎのキョーコが社の世話をしてくれる。こんなところを蓮に見られたらと焦る社さん。

そこに訪れた蓮。「社さんは優秀ですよ。今日だって、そばにはいなかったかもしれないけど、ずいぶん助けられていましたよ」と言われて思わず感涙でむせぶ社さん。

その後快気祝いにキョーコがくれたのはお医者さんに扮した敦賀さん人形だった。今度倒れたときは、枕元に置いて敦賀さんが見守ってくれていると思えば心強いですよ、と。

キョーコが風邪をひいているとはいえ社さんのアパートを訪れて世話をしたら、蓮の怒りをかいそうだけど・・・。

#5 目指せ!ゆるキャラの星★
全国ゆるキャラグランプリに出場することになった坊。場所は山奥のゲレンデ。ひときわ目立つのは、スパンコールを散りばめた派手な羽の孔雀の『クージャック』なんか妙な威圧感があり、坊と目が合うと火花が散る。二回戦のダンス対決で、一位通過は踊りながら雪像をつくるという早業で審査員の度肝を抜いたクージャックで、人気のあった坊は2位。その様子を、近くの雪原でCM撮影があった蓮が、マフラーをぐるぐる巻にしてゴーグルをかけて会場の隅で見ていた。決勝はスキー対決。キョーコはスキーは先ほど軽くボーゲンですべっただけの初体験だ。最後まで見ていくという蓮に、キョーコちゃん以外に業界内に気になる存在がいたなんて!と思う社さん。

スキー対決がはじまり華麗な滑りを見せるクージャックに対して、ボディの重さと頭部の大きいアンバランスさでよたよたとしか滑れない坊。クージャックのフォームをみてスピードアップして追いつき追い越されをくりかえすうちに、坊はジャンプしてコースアウト。雪の中で苦闘している坊を助けに現れたのは蓮。「君のプロ根性は嫌いじゃないが、その着ぐるみを脱いだほうがいい」といわれて拒否しているところへ、クージャックが助けに来る。蓮の耳元で「ここは我々にまかせて、君は早く行きたまえ。君がここにいることがもしバレれば、大騒ぎになる・・・わよ?」といって。それで蓮はその場を離れたのだが、クージャックが自分を知っているのを不思議に思う。

翌日LMEの社長室に呼ばれたキョーコは、社長を待っている間に社長席の椅子の後ろに全国ゆるキャラグランプリの優勝カップが飾られているのに気が付く。もしかして・・・と。

社さんの机には下手くそな字で「ありがとう」と書かれたスケッチブックを掲げる坊の写真があった。蓮に見せ「俺は、おまえの交友関係が不思議だよ」と。

これはけっこう楽しかった。社長は坊がキョーコだって知ってると思うけど、坊と蓮があっていろいろ恥ずかしい話をしているのは知らない筈だよね。坊バレどんな形で本編では行われるのかな。キョーコちゃんが隠していられなくなって自分で打ち明ける?社長か尚がバラす?

#6 きっちん☆りた~んず!!
『ダンダン!お悩み解決団』でスウィーツ店の改革を企画するゲスト芸能人として宝田社長に送り込まれたキョーコと天宮千織は、『スウィートマウジー』に潜入する。おいしいけれど椅子の座り心地が悪く、雰囲気がおとなしくて地味でインテリアも微妙で、ショーケースの中がほとんど白と茶色で華やかさが無いし食べ物屋の名前に鼠(マウジー)とは。おまけに店員の接客態度がだらけている。

強面の料理人パティシエ兼オーナー早乙女とキョーコは、目玉商品を作ろうと奮闘するがどうしても地味になる。いっそのこと白一色にケーキにしたらという天宮。真っ白なクリームに粉砂糖を散らして白くて小さいマカロンをアクセントにし、ホワイトチョコを削った天使のケーキは大評判となった。千織の担当した内装リメイクと接客レッスンも功を奏した。

学校帰りにキョーコがスウィートマウジーを訪れると行列ができていて、店員のひとりに手伝って下さいと強引に厨房に放り込まれ働く羽目となる。早乙女に接客を頼まれてお店に出ると奏江が来て喜ぶ。閉店準備をしている頃に来たのは敦賀さん。実はたまたま近くを通った社さんからの情報である。一つ残った天使のケーキを蓮の自宅で一口ずつ食べることになった。

巻末 デザート☆コーナー
あとがき

スキップ・ビート!が好きならうなずける創作ライトノベル6編。作者さん公認だけに、原作の設定を逸脱せず安心して読める。全体にスピンオフならもっと面白い創作が出来そうで今一つだったけど、表紙イラストといい、キョーコや蓮の描き下ろし挿絵があるので、買った価値はあったけど。

スキップ・ビート!目次

2023年2月7日火曜日

スキップ・ビート!46

(ACT.280 災異猛襲-ノアの方舟滑り込んだら-)むむ告白編なのにこのタイトルですか
敦賀さんみたいな大人の男性でも不安になるの?とキョーコは思う。「YesかNoで聞かせてもらっても?」という蓮の手を握り返す。「俺は自惚れてもいいのかな?」という蓮にうなずく。この時の蓮の顔好き。おでことおでこをコツンと会わせてキョーコの指に口づけて「よかった」と声を絞り出す蓮。この時の愛しむような蓮の顔も好き。

突然エレベーターがガラッと開く。警備員が、「このエレベーター午後1時半からメンテナンスで止まるから使わないでって、表にはり紙あったでしょう?」この時の警備員さん何を思ったかな。敦賀蓮だということは気が付いただろうに。まあ口が堅いということで。

外に出て蓮がなにか言おうとしたときに社さんから電話がかかってくる。どきどきするキョーコだが、坊として聞いた「大事な人は作れない。どこに居ても」といった時の蓮の顔を思い出して、冷静になる。

電話の後、「もう少し聞いておいて欲しい事があるんだけど」という蓮に冷静に同意するキョーコにびっくりする蓮。蓮の控え室にいこうとするとロビーの大画面にはセドリックDベネットが。

(ACT.281 落ちて来た林檎)
昨年から音楽活動を始めたプリンス・セディのニュースに思わずガン見して「あの男性・・役者さんじゃなかったんですか」というキョーコに、「いや役者が本業だったはずだけど、役者だけじゃもの足りなくなったんじゃないかな。彼は派手な生き方が好きだから」と蓮。セドリックが音楽活動を始めたなら、海外にいってるはずの尚と絡む可能性もあるのかな。
彼のことをよく知っているのかというキョーコに、「彼、一瞬モデルもやってた事があったから。一瞬ね」一瞬モデルというのはどういう状態だろうか。蓮がここを2回繰り返しているところを見ると、何か蓮とあったのだろうな。「一緒にお仕事したことが」というキョーコに「無かったな。そうなる前に彼がやめたから」と。ますます思わせぶり。セドリックは王子様っぽくて最上さん好きそうかなっていう蓮に無言でいやな顔をしたキョーコ。蓮は「ごめん。これもヤキモチ」と。

そんな蓮に、セドリックは森住さんが好きな人だというと「彼女の今の意中の人物を知っていながら、君は俺と彼女の関係を疑ったのか」これに対しては「彼女が敦賀さんから指輪もらったって言ってたので、敦賀さんが軽い気持ちで女の子に指輪をあげる人には到底思えなくて」「そこは正しく俺を理解してくれて嬉しいよ。」ならばキョーコちゃんに指輪を贈ろう。とりあえずはピンキーリング。「となると、そんな俺が一方で楠香凪さんと噂になってる今この状況に対し、君から一言もツッコミが入らないのは何故だろう?今の俺の状況で君に告白するというのは不誠実な行為ではないのだろうか?」まあそうだけど、蓮こそまっ先に弁解しても良いのでは。「更に『意中の女の子に告白しようと意気込んでいるのでは?』って事を何故君が知っていたのだろう?意中の女の子に告白しようと腹を決めたのは君に会うほんの数分前の事なんだけど」坊バレは、今までのことを思い出して無理と思うキョーコ。でも敦賀さんこそこれは坊がキョーコだからってピンとこないのかな。

蓮の控え室で、「楠香凪さんのとある秘密を知ってるからです。極秘ですから詳細をお話しする事はできません。なので今回の騒動がフェイクである可能性の方が高いと感じていて」「その極秘情報ってもしかしてラブミー部の任務か何かで?」と勝手に納得してしまう蓮。

森住さんの件は、「オーディション会場で『メアド交換しよ♡』と可愛らしく誘われて。私が敦賀さんを慕っていること森住さんに知られていたので面白がって彼女にいい様に踊らされていたとしか思えません」すぐに何と言って情報操作したか想像がついてしまう蓮は、「即刻消去しなさい。縁を絶ち切るんだ。早急に」と納得してしまう。ということはやっぱり蓮は、オーディションの後での森住とマネージャーの犯罪は知らないのね。まあマネージャーが一緒とは言っても軽々しく口にすることじゃないけど、社長には報告して、トラブル体質のキョーコちゃんの安全にもっと気を遣ってもらいたい。あと、永遠に秘密ではないだろうから、森住仁子のしたことを知った時の蓮が恐ろしい。

最上さんなら同情するにあまつさえ共感しそうだ「じゃなければ恋敵に譲らないよな」と蓮。「俺が森住仁子を好きなんだと思ってたから君は自分の気持ちより俺の気持ちと幸せを優先してくれたんだろう」「迷惑極まりないとんだ勘違いではあったけど。」まあ現実はともかく、キョーコはどういう性格だかわかったわけだから、今後もキョーコを不安にさせるようなことはしないでもらいたい。何かあったらキョーコは本当に蓮のために身を引いてしまうから。

「大人だよ。君は。もし俺が君と同じ立場になったとしたら、君の幸せを願うことはできるけど、見守り続けてあげられる自信はないな」「だからもう少し欲張ってみても構わないだろうか?」「君の"彼氏”を名乗れる権利がほしい」いや今までの流れだと、本来もう彼氏に決まりのはずだけど。そこを改めて聞くところがいいのだけど。このときの蓮の表情も最高だけど。ちゃんと言葉にしていうようになったのは敦賀さんすごい進歩。

(ACT.282 落ちて来た林檎)
呆然としているキョーコ。「恐らく敦賀さんの口からは出て来ないだろうなって思ってた言葉だったので驚いてしまって」と蓮が「大事な人は作れない。どこに居ても」といったときの顔を再び思い出す。そのために冷静になったのに何故とパニックなキョーコだが、蓮は「どうして俺の口からは出て来ない言葉って思った?」といわれて、坊しか知らないことを思い出してまたまた慌てるキョーコ。

ヒール兄妹の時、敦賀さんの様子が普通でない気がしててもどう対処していいかわからず、キョーコは敦賀さんには内緒で社長に相談したことを告げる。社長はキョーコに、敦賀さんの許可が必要だからと詳細は話してくれなかったけれど、敦賀さんは自分自身と闘っていて、ソレに勝とうとしてるといっていたと。自分もそういう経験があったからもしかしたら敦賀さんにも誰にも立ち入られたくない様な深い事情があるんじゃないか。それに関連して仕事以外のプライベートな事にはあえて意識を向けない様にしているんじゃないか・・・

思い切り凹む蓮。「そんなにわかり易かった?俺。自分の弱みを所構わずたれ流してたと。役者のくせになんて恥さらしな」って社さんにもなんとなく伝わっていたし、所構わずでないよ。それとそろそろ信頼出来る人には少しずつ打ち明けても良いのでは?いずれ久遠戻るのだから、その時にそばにいて欲しいと思える人には。

あわてたキョーコは「それは私が『どこにいても大事な人は作らない』(ってのは坊に言った蓮自身の言葉)もう二度と恋なんかしない、ずっとそう自分に言い聞かせてきた私だから気づけたんだと自負しています。敦賀さんの心の機微に」キョーコ偉いなあ。坊バレはあまりにも蓮のプライドを傷つけるから今はせずに、でもある程度は状況がわかっていることを匂わせて、蓮を納得させている。あれだけ何度も蓮とあっていても坊バレしてないことといいキョーコの演技力はすごい。蓮を思うがゆえに配慮する気持ちも、蓮の何倍もあることを、蓮も自覚してキョーコを大切にして欲しい。

「『なんて言ってみただけだから』そう続けるつもりだった。『彼氏を名乗れる権利が欲しい』の後」いやそれはほんとに言ったら二人で告白しあったあとにあまりにも残酷。むしろここでポロッと本音がでてしまったけど、待っていてくれと言った方が誠実だと思うけどな。
「君の見解通り俺には脇見の許されない目標がある。それを成し遂げられて初めて人生のスタート地点に立てる。それくらい俺にとっては重要な目標」うなずくキョーコ。「身勝手だと自覚はしている。君の気持ちがわかった今は尚更。こんな恵まれた状況に身を置きながら俺は君との関係を大きく変えたいとは考えていない」「承知しています。ご存じの通り私はこういった方面には不慣れなので、いきなり環境が変わってしまうのは、ソレしか考えられなくなりそうで正直困るんです。私も目指す目標の途中なので」いやソレしか考えられないって敦賀さん大喜びでは。まあ二人とも似てるよね。真面目で。でも一緒に目標に向かっても良いのに。

「俺の目標がいつ果たされるって確約はできないけれど、これだけは約束できるよ。」と常に首にかけていたペンダントをキョーコの首にかけ「いつもどこに居ても俺の心は君のものだと」この言葉素敵。蓮、格好いい。それはプロポーズ。しかし敦賀さん、自分で自分の首を締めてない。両思いなのに付き合わないって自分から言い出して。コーンで再会したときあれほどキョーコにキスしてもらおうと画策してたのがほんとの姿だと思うけど。まあでも突然自分の気持ちを受け入れてもらえて、今言える精一杯の素敵な言葉だと思う。

2人の気持ちを一歩一歩すりあわせていく展開は好感が持てる。

(ACT.283 落ちて来た林檎)
蓮がデビューするときに社長に言われて『敦賀蓮』のイメージ作りの一環として作ったペンダント、決意表明や”立ち止まるな”と自分鼓舞するためのお守りみたいな物だ。それをキョーコに預かってくれと言う。「辛い事も悲しい事も一緒に乗り越えてきた敦賀さんの半身ですよね?」といってふと自分にとっての心の支えコーンを思い出して、敦賀さんにコーンの石を預かってくれと。「俺が持っててコーンに恨まれないかなぁ」という敦賀さんにコーンは私が大切だと想う人の事は私を思ってくれるのと同じくらい大切に思ってくれるはずと思うが、敦賀さんに「本当に?」と念を押されてグアムで「なんでそんな約束してるの?」恋人でもないくせに、敦賀さんってすごくズーズーしいね」といわれたことを思い出して自信なくなってきた。蓮は吹き出しそうになりながら「大丈夫だよ。多分。すごく手に馴染むから確実に『彼』とは相性がいい」と。それって蓮の中で蓮と久遠は相性が良くなったと解釈しても良いのかな。しかしコーンの石は11年ぶり?に久遠の元に返ってきたのね。

蓮は自分の胸元を示しながら「(ペンダントは)在るべき場所で預かっといて?俺もそうするよ。」手の中のコーンを見ながら「病める時も健やかなる時も共に在る事を」と。付き合う前に結婚の誓い?蓮がスタジオに移動するとき、大画面ではプリンス・セディのライブのニュース中だった。手の中のコーンをギュッと握りしめる蓮。しかしこのとき呼びに来たスタッフ、渦中の蓮がキョーコと二人きりで親密そうにしていたなんてどこかで情報もらしたりしないのかな。

(ACT.284 SPRING SIGN-目覚めれば不測の事態-)
楠香凪さんに関してコメントと殺到するレポーターを社さんの鉄壁のガードで守られる蓮。レポーターに向かって思わず幸せそうな微笑みを見せる。エンジェルラダーの被弾を画面越しにキョーコも浴びて倒れる。

ペンダントはプラチナ950製で高級ブランドR MANDYの刻印とダイヤ付き。昨夜セキュリティケースにしまった。香凪さんとのレポートを聞きながら改めて考えてみると、敦賀さんのまわりには香凪さんレベルの女性が他にも居るのに『何で私なんだろう』自分は男性が好みそうな要素、巨乳・癒し系・長髪・セクシー系・清楚系・オシャレ女子が皆無なのにと。キョーコは蓮の過去を知らないけど、そんなありきたりの女子とはもう一通り付き合ったのでは?それで誰も蓮の心を捕らえることはできなかったと。それにキョーコは男性が好きそうな、動作が綺麗で料理上手で、相手の気持ちを読んで特に相手の傷にはこちらからは触れないようにするという気遣いができて最高だと思うけど。

ペンダントがなければ、一晩明けたらキョーコは夢だと思いそう。蓮はそれを見込んでいたのかな。

そこに深刻な顔をしただるまやのご主人がキョーコに「スマン」と言いながら封書を渡す。

収録の打ち合わせが終わった蓮と社さん。蓮は、今報道されている内容に関する恋愛方面は大事な局面を迎えているので、もうしばらく触れないでいてもらいたいという。すると敦賀さんのファンだという女性スタッフが「今日はされていらっっしゃらないんですね。いつものペンダント」という。「デビュー当初からプライベートでは必ず着けていらっしゃるペンダントは、いつも同じ時間を指している腕時計と共に、蓮さんには何かとても大切な意味があって、日本女子蓮盟(蓮の非公式な熱狂的なファンクラブ業界人も多い)の間では代えの利かないマインドアイテムものなのだと定説なのだが、その重要アイテムの片方を蓮さんが外されたというのは蓮さんの身に人生の基盤を揺るがす様な大変な何かが起きているのでは?派手に騒がれている楠香凪さんとの報道などそちらの案件を隠すためのカムフラージュだったりするのでは!?という。日本女子蓮盟っていうのはみんなこうなのかな。はっきりいって気持ち悪い。で、蓮とは仕事で打ち合わせしているだけなのにそんなことを利いてくるのもウザい。

「今日はたまたま着けていないだけですよ。」と冷や汗をかく蓮。突然携帯に出た社さんは「今日にはもういつもの蓮ですよ。メーカーさんが今届けに来てくれました。メンテナンスに出しておいたペンダント」

(ACT.285 SPRING SIGN-目覚めれば不測の事態-)
社さんは、昨日TBMで遅れて蓮と合流したときに、蓮がペンダントを着けていなくて、それについて蓮が言葉を濁すのを聞いて、ペンダントがキョーコに行ったことを察して、蓮のファンの攻撃を躱すために、ペンダントのサンプルを取り寄せてくれていた。すごい優秀なマネージャー。キョーコを守るためでもあるところはキョーコの優秀なマネージャーでもある。

蓮の非公式ファンサイトには蓮好き愛護団体(ハスキーあいごだんたい)や蓮華蜂蜜美味美味というのもあるらしい。チェックしている社さんすごい優秀マネージャー。「連日ペンダントを着けていないと日蓮で話題になるのは目に見えて、特定班が必ず動く。そうすると最悪お前の大事な子が火の粉を被って火だるまになるぞ」「お前からもちゃんと言っとけよ。絶対人前で身につけないようにって」昨日、「在るべき場所で預かっといて?」と胸元を指差しながらキョーコに言ったことを思いだして焦る蓮。

蓮が腕時計を右から左に着け換えた時も何かあったんだろうってわいたけれど、腕時計は『リラクロス』という渋めブランドで蓮にとって『大切な年上の身内(男性)から貰い受けたもの』なのでは?『お守り』的な!!という方向に落ち着いたという。「もしペンダントの消失に『女の影』がチラついてみろ。猛追及された上叩きまくられるぞ。主に相手が」「幸にも今、世間の100%がお前の恋愛相手は香凪さんだと思っている。日蓮でも概ね香凪さんには好意的だ。これはしばらく香凪さんには囮になって貰わない手はないだろう」と。社さん曰く蓮からは「鍋から吹きこぼれる煮汁の様に抑え切れない幸福オーラ。キョーコちゃんに関連してない方が不自然だろう」と。面白い表現だ。ちっともロマンチックじゃない。「お前達を護りたいからな。今はまだふざけてる気持ちの余裕が無いんだ」とも。
お前達と言うことはキョーコちゃんもね。社さんいい人でかつ優秀過ぎる。

蓮はマウイオムライス(はキョーコちゃんしか知らないけど)と言い、この時計のことと言いずいぶん元を担ぐのね。時計は身バレにつながり兼ねないのに。

その6時間程前にアメリカで。ERICの墓参りにティナは来ていた。1人じゃ今でも来られなかったと連れの男性にティナがいうと「アイツはとことん君に甘いんだから」という。「もう一人」(久遠にもとことん甘かったといいたかったのかな)「今でもまだ誰もわからないのかな。クオンの行方」ティナの時計は1時15分前だけど、敦賀さんは2時13分だったよね(27巻ACT.160)。敦賀さんクオンになって一度ティナと会ったらいいのに。ティナもリックが亡くなった頃とは随分気持ちが変わったと思うし、そんなティナと話せば少しは気持ちが軽くなるはず。

(ACT.286 LIL VENUS-紫電一閃-)
バク転3連続をできるようになりつつあるキョーコ。オーディションの時に社さんが知り合いのスタントマン、ダークムーンのカースタント五十嵐さんを紹介してくれて、その五十嵐さんの口利きで専門のトレーニングクラブで急遽オーディションでお披露目した『ロンダートからのバク転一回』を特訓してもらったという。そこでお世話になったボディアクタートレーニングコーチが、鉢巻きをつけるとキョーコの動きに合わせて時に激しく時に優美にキョーコアクションを魅力的に見せる効果があると勧めてくれた。男はヒラヒラユラユラしたものに魅かれる習性があると言われているので審査員に男性が居るなら尚ハートを射止めやすいと。それは是非蓮の前でやってもらいたい。社さんはオーディションの前からつきあってるから結構キョーコのアクションを知っているけど、蓮はその頃BJの撮影でグアムに行っていたから全く見てないんだよね。

古賀さんに「敦賀さんの報道見て泣いた?」とからかわれて、「古賀さんこれはチャンスですよ。女性は他人のものになった男性には興味を失う人が多いです。つまり今こそ、敦賀さんを抑え『抱かれたい男No.1』に躍り出るチャンスかと」「君は惚れた男の失脚を望むのか」キョーコはオーディションで、敦賀さんを尊敬していると古賀さんに言っていたと思うけど、惚れてるというのは、古賀さん見抜いてるのね。「可愛さあまって憎さ100倍でございます」と。

それを聞いていた衣装担当鈴さんの「京子さんも敦賀君のファンだったの?」という過去形に、『香凪さんなら仕方がない』大多数の女性にそう思わせてしまう香凪さんが相手でも、敦賀さんから支持者が離れる事を止められない。もし渦中の人物が自分だったら、そう思うとゾッとする。どう考えても今の私では敦賀さんには不釣り合い。誰も納得させられる自信が無い。だからうしろめたい。だけど幸い敦賀さんは私に時間をくれた」別に恋人になるのに自分たち以外の誰も納得させる必要は無いと思うし、年も芸能界に入ってからの年月も違うキョーコが蓮と同じ位置に立つ必要もないと思うんだけどね。

紅葉の衣装合わせをして現場に向かうキョーコ。「私はこの手でチャンスを掴んだ。自分独りでは到底掴めなかった大きくて生まれたばかりの小さな幼星。輝かせてみせる。金星みたいにキラッキラに」これは紅葉でキョーコがブレイクするという予告だよね。

森住監督からの電話に「急用なので自分を待たないで始めててくれと」どこかにいく呉崎プロデューサー。

ナツはファッショナブルなちょっと大人っぽい美人でモデルウォークで歩くカリスマ高校生、紅葉は強くてかっこよくてかつ切ない恋心を秘めた女性、どちらも女性受けする格好いい女性だと思うから、キョーコちゃん将来は女性が憧れる女優になるのでは。セッカさんを公開できないのが残念。あれはあれですごく格好いい女性だったのに。

最後のキョーコちゃんの独りごとはすごく格好いい。そんなに遠くないうちに敦賀さんに並ぶ大女優になるという伏線に見える。

時間を早めていきなり数年後に飛ぶというのは好きで無いし、クーとジュリはクオンが15歳の時から置いていかれてクオンの帰りを待っているのだし、二人で早くハリウッドで活躍する俳優になって、クーの元に顔を出した後に、結婚できる年齢になったら早々と結婚して、今まで抑制していた分ラブラブっぷりを示して貰いたい。

(SP番外編)
冷凍庫に荷物を出し入れして、キョーコに渡さなければならない蓮からの封書を、一ヶ月以上前に受け取ったのに、荷物と一緒に忘れてしまっていたことに気が付いて愕然とするだるまやのご主人。ちなみにだるまやの住所は〒110-0061東京都台東区浅草安西2丁目10-3 だるまやのご主人のお名前は高槻さん。そんな住所はないけれど、伝法院あたりかな。ご主人、差出人が蓮であるのを見て、無意識のうちに頭から追い払ったのでは。

キョーコは恐ろしくて職場に持っていったまま開封していない。消印が3月13日、すなわちホワイトデーの前日であることに気が付く。チョコ以外にはお返しノープロブレムが日本のバレンタインルールと無理矢理自分を納得させていたキョーコ。中身はやはり蓮からのバレンタインのワインゼリーのお返しでDayjowey Landのペアでご招待一日パス。琴南さんも誘ってみてという蓮からのメッセージにタイミング良く通りかかった奏江。で、この招待状は一ヶ月以上冷凍保存されてたのね。ホワイトデー当日って、ローリィ社長のところで蓮と社さんはキョーコと顔を合わせていて、キョーコはセッカの時のことを思い出してデッドブルーになっていたけど、ほんとうはあの後この招待状を受け取るはずだったのね。蓮は、ヒール兄妹後半戦ではキョーコは、当然受け取ったものと思っていたと。まあヒール兄妹のときは演技に徹しているから、蓮とキョーコとしての会話はしてないけれど、最後キョーコが蓮のホテルに挨拶に行ったときにくらい、キョーコなら何か言っても良さそうだと思わなかったのかな。

計画的に予約しそうなキョーコに似合わずもう終わりかけていることを指摘すると困り顔のキョーコ。自分で申し込んだものじゃないのを察する。それなのにキョーコの趣味をとらえまくったチョイスで、なぜかボイルドゥオクトパスな困り顔。「あ、敦賀さん」とあらぬ方向を向いてカマをかける奏江に異常なほど慌てるキョーコ。

前々から怪しいとは思ってたんだけど、敦賀さんはあの子の事が好きなんじゃないかって。もしかしてその現実味が増す様な・・・どころの話じゃなく確定的な出来事があったとか?と思いながらキョーコと別れて歩いていると、蓮と社さんに出会う。(「例えばこんな男性からゲリラの様に大きな爆弾を投下されたら、世の大多数の女性にとって夢の様に嬉しくて舞い上がってしまう内容だとしても、あの子は違う気がするから」)と思い、蓮に「少しお話ししたい事があるんです」と。

モー子さん5分の会話で何を話したのかなあ。2023年2月現在まだわからない。

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2023年2月4日土曜日

暁のヨナ40

(2023/1/20発売)
(第229話 我が物)
南戒の暗殺集団が緋龍城を狙っているとリリが言っても、城を守る衛兵は信じてくれない。無理矢理城に入るリリとアユラとテトラとメイニャンとヴァル。衛兵は一人一人ドロモスに殺されていく。そして城の前庭で待ち構えていた3人のドロモスはヒューリの死体を取り囲んでいる。ヒューリは一人ドロモスを殺したと。ドロモスは5人いたので、もう一人いるはずだ。たぶんユンを捕らえているので、リリとアユラとテトラはユンを捜しに行く。ヴァルとメイニャンはヒューリとの戦闘でダメージを受けて動きが鈍いドロモス3人を相手に戦う。

一方ユンを捕らえたまま5人目のドロモスは油をまいてまわる。それを急かすドロモスの姿をした6人目。火が付いた隙に6人目は消える。ドロモスに捕らえられたままユンは爆弾を投げその衝撃で自分を解放させる。アユラとテトラがそのドロモスの相手をしている間にリリはユンと応援を呼びに走る。ヴァルとメイニャンがドロモス3人に辛うじて勝利したあと、ユンを追いかけてきたドロモスとヴァルが戦っているときにメイニャンを拘束したのは6番目の男、ドロモスの装束をしたチャゴルだった。

(第230話 毒がまわる)
南戒の最高権力者チャゴルは、メイニャンを捕らえ、ヴァルの裏切りを責める。チャゴルの護衛にドロモスは更に控えていた。メイニャンはチャゴルに許しを請う。「お前が戻れば殺しはしない」チャゴル。メイニャンの任務はチャゴルの命によりランタンの暗殺であったことも、ユンたちの前でバラす。そこにヴァルは、チャゴルへのこれまでの恩の謝意をつげ南戒八大将軍の位を返すといい、メイニャンを放すよう伝える。襲いかかるドロモス達。メイニャンはチャゴルと帰るから皆を殺さないでといい、ホーちゃんをおいていく。そこに襲いかかるドロモス。チャゴルは「殺さないのはお前であってそれ以外ではない」と言い放ち、ドロモスを置いてメイニャンを連れて消える。絶体絶命の中、死んだと思われていたヒューリが立ち上がり、ドロモスを倒す。ヒューリはスウォンから、緋の病を知る者であるメイニャンとユンの護衛を頼まれていたのだ。

その頃野営場で、いやな予感に苛まされたヨナは、ケイシュク参謀に、緋龍城に帰りたいとスウォンに話を通すよう迫っていた。そこに四龍が倒れたとミンスが伝えに来る。

(第231話 燃える夢)
ゼノは、自分たち四龍が闇の中を炎に落ちていく夢を見ていた。他の3人は炎に耐えられない。やめろ!助けて!王さまと思ったところをヨナに呼びかけられる。4人とも突然目の前が真っ暗になって体が重く、炎に包まれる夢を見たという。ヨナも緋龍城が炎に包まれる夢を戦が始まる前に見たという。ケイシュクやミンスやハクがヨナや四龍から話を聞いているところに、ジュドが空都の方角より烽火が上がったという。

ヨナとケイシュクとジュドと4部族の将軍が集まってスウォン国王の前で会議。空都の襲撃の可能性が高いだろうという結論になった。すぐ戻ろうという声にスウォンは、ここから城まで軍で移動は早くて2日、急いで行った所で火は消えない。城に大軍での侵入は考えにくい。相手は少数でしょう。まだ陥落していません。しかしここで動けば地の部族領は侵略されると。こういうところスウォンは国王として頼もしい。

テウはすぐに納得して戻る。残り3人の将軍はまだ動揺している。

みな去ったあと、スウォンの体調を気遣って残ったヨナに、スウォンは「緋龍城の他に何か見ましたか。この度の戦で貴女は何度か危険を事前に察知していたようなので、カシ様の能力を継いでいるのかと」そのカシを、イル国王を惑わせて国の安泰を揺るがすとして危険視していたのはスウォンの父のユホン、スウォンも基本的にユホンと同じ考えだったと思うけど。「私には何の能力もないわ」と天幕をでるヨナを、ハクが外で待っていた。そんなハクにヨナは、自分の母カシは未来が見える能力があったと話し始める。ヨナは燃える緋龍城だけでなく棺に入れられた四龍とスウォンとメイニャンを夢で見たという。緋龍城は夢の通りになったのかもというヨナの手を取り、「俺がさせない。させてたまるか。」と。そんな会話を木陰で聞くゼノ。ゼノ以外の四龍はもともと短命だし、スウォンもメイニャンも緋の病は治らないと言うし、ハクが少しでも未来を変えてくれると良いのだけど。

天幕に戻ると、ジェハ、シンア、キジャはまだ苦しんでいる。ゼノは「城の加護は弱まってるけど消えた訳じゃない。恐らく地下の緋龍王の廟は無事なんだ」とヨナに言う。ゼノってやはりこういう時にいちばんタフなのね。見張り台にヨナとハクが様子を見にいくとキョウガが来ていた。緋龍城で数ヶ月将軍としての心得を学び、第二の故郷のようなもので気になるという。ハクは三十五番隊と再会する。そこに馬が来る。ハクが槍を持って警告し攻撃しかけると、馬の後ろに乗っていたユンが「待って」と声をかける。馬を駆っていたのは南戒の元将軍ヴァルで、メイニャンが連れて行かれたから、南戒に助けに行くという。

(第232話 正夢に近づく)
野営地に現れたチャゴルは、緋龍城を焼き落としたから、高華国軍の士気は落ち空都に戻る者もでるから、そう長く持たずにスウォンは降伏するという。さらにチャゴルはヴァル将軍は自分を裏切ったので処罰したという。ドロモスが戻って来ないので、万が一ヴァルが生きていたら、処刑せよと。
チャゴルは、クラウ将軍を殺したのは、ハクという高華国最強の武人だとラーン将軍から報告を受ける。
垣間見たメイニャンの姿が放心しているようなのが心配なカジ将軍。

馬の上で気を失ったヴァル将軍は、天幕で手当てを受けて、気が付く。ハクに刀が取られたので、素手で戦いかけたところをユンに止められる。ハクは、食べ物を勧めながら、ヴァルがユンを助けてくれたので、ヴァルを助けるという。四龍も、ユンを味方につけるということは、自分たちを味方につけたようなもの。「うちの姫さんも」とハク。

ヨナはスウォン国王とケイシュク参謀に、メイニャンを助けにヨナと雷獣とヴァルが南戒に行くと申し出る。「行かなければならない気がするの」とヨナ。四龍は今寝込んでいるし、ヨナまで不在なのはというケイシュク参謀に「四龍やハクはわかるけど、私はそこまで役に立っているの?」というヨナ。「その通りです」とスウォン。真国コウレン王の援軍一万がヨナへの恩義に報いる為に来たのだ。スウォンはヨナの参戦に反対だったけど、だいぶヨナを認めたのね。

(第233話 打って出る)
ヨナは援軍が来たので「私達を行かせて」という。

チャゴルは南戒の野営地にいるかもしれないと、スウォンもハクも考えている。なのでメイニャンも野営地にいる可能性がある。四龍達もいくという。コウレン王は五星を貸すという。アルギラ、ヴォルト、ヨタカの3人しかいないが。スウォンも許可を出す。

カジ将軍は生気の無い、髪を短くしたメイニャンが気になる。「今は待て」とヒッタン将軍とラーン将軍はいうが、チャゴル殿下の天幕に医療班のふりをして薬湯を持っていく。気が付いたメイニャンは「ここに来ちゃだめ。私のことは放っといて」という。ヴァルが裏切ったのは「ヴァルは私を守ろうとしただけ。何も悪くない。ヴァルは私のせいで死んじゃった」と。そこに現れたチャゴル。
チャゴル殿下は、人心とくに兵の士気を高めるところは悪く無いけど、味方も敵も恐怖で操るところ、ユホンにちょっと似ている。

(第234話 虎穴虎子)
カジ将軍がチャゴル殿下の天幕に侵入して捕まったとヒッタン将軍とラーン将軍は聞く。カジ将軍って男性か女性かずっと???だったけど、ここで「彼」と言われているから男性なのね

そこに高華国軍進軍の合図。一面の灯火が見える。狭い入口から出動してその篝火に照らされて丸見えの南戒軍に次々矢が飛んでくる。ヴァルから野営地の様子をきいて急な出陣に対応できなくて出入り口で渋滞するだろうと判断したスウォンの作戦だ。「私達が作戦行動中兵を動かしてくれる?出来るだけ早くこの戦を終わらせたいの」というヨナの提案をスウォンが整頓した作戦だ。「早く戦を終わらせたい、そこだけは同じ方向を見ているようなので(彼女の力を信じることにする)」と。

西の壁を、ジェハが一人ずつ皆を抱えて静かに潜入しようとしているのに、キジャや5星は派手に板壁を壊す。その様子を見ていたヴァルは(人間じゃないのか四龍)と。

そこに音を聞きつけてきた南戒の兵に、五星は自分たちが引きつけておくからメイニャンを捜しに行けという。

四龍はなぜか元気だ。シンヤが何かの気配を感じるとドロモスがいた。突然消えたかと思うとヨナ姫の髪を触る。ハクが反撃するとまた消える。そこに現れたラーン将軍。思わずヴァルを庇って前に出るヨナに、ハクが更に前に出る。

2023年1月28日土曜日

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(2020年5月20日)
(ACT.272 番狂わせ-当日-)
 キョーコがモー子さんの英語の練習相手になる話を椹主任や松島主任も立ち会う場で決まる。この映画には有名な俳優の名前が出ていて、彼の名前がでたら主役に決まっているという。いわゆる芸能一家で、両親とも俳優で、祖父がビッグな芸能プロモーターミスターデュリスすなわちグレイトフルパーティで出会った「トラおじ様」だという。Mr.デュリスに育てられた人間は必ず大成するので「勝利者の父」と言われているときいて、天宮さんがいっていた人だと気がつく。くだんの俳優の名前はセドリック・D・ベネットと聞いて森住さんの想い人だと、終了後キョーコはモー子さんにいう。敦賀さんの想い人が森住仁子だというのは間違いというか、もう終わった話だというのは、モー子さんも理解していて、思わず「でも(未成年で学生で歳の差が4つあることに)頑なにこだわってて自分の気持ちを抑える努力とかしてたのに、あんな」といいかけてやめたキョーコに「あんな妖艶とはこうだと体現した様な大人の女性に流れるなんて、所詮あんたも下半身が本体のただの雄猿だった訳!!だまされたわ!!」と続けるモー子さん。「あやふやにぼかしておいた醜い気持ちを的確に形にしないで」と耳を塞ぐキョーコ。

そこにあらわれた蓮と社さん。

「最上さん、ちょっといいかな、話があるんだけど。」という蓮に、「私今とても忙しいので」と走って逃げる。追いかけようとする蓮を壁に脚を出して遮るモー子さん」

モー子さん格好いい!!敦賀さんにこんなことできるのはモー子さんしかいないだろうね。モー子さんもある程度キョーコの気持ちに気が付いてる??キョーコがまあ蓮を神聖化しているのはわかっているだろうけど。

セドリックの両親も俳優なのか。となると、ずっと後で出てくるけど蓮の母のジュリエナが、一族とうまくいってないわけをますます知りたくなる。久遠がアメリカ芸能界で辛い思いをしたのもそれが一因かも。

(ACT.273 DISASTER-広がる水紋-)
モー子さんは蓮に、自分はキョーコの家庭環境も芸能界に入った経緯も知っていて、キョーコはこれまで必要以上に他人に感情を振り回されてきた。あなたまであの子を裏切るような行為だけは辞めてもらえます?と。裏切るという意味を聞き返す蓮に、あの子あなたを無駄に神格化しているので。ファンの期待に応えるのも芸能人としての務めでしょう?誰と恋愛してくれても結構ですけど、もっとスマートにバレない様にやってもらえますか。みっともない敦賀蓮なんてあの子は見たくないと思うので。「肝に銘じとくよ」と困った顔をして答える蓮。
モー子さんすごく格好いいけど、蓮はこのモー子さんの言うことを今後二人の気持ちが通じてもわかっていると思えないけどな。モー子さんはキョーコが傷つくのが許せないんだよね。カインだったときにいった「もう二度と今夜みたいに、らしくないことをしてお前を失望させる様な真似はしない。俺のこの人生を終えるまで”お前の俺”で生きてやる」(33巻ACT.196)といったのを忘れたのか!!!まあこれは「この先もお前がずっと俺を見ていてくれるなら」という条件つきで、その点に不安を感じた蓮があの朝の喧嘩になったわけだけど。

社長は蓮がプロジェクトを承知したことを電話でミスターデュリスに伝える。蓮のこれまでの努力が全部水の泡になるから、蓮の手助けになるような真似はするなと釘をさして。マリアを例に出して、「『グランパ』」と呼んでもらえない切なさを知ってるからな」とデュリス。要はミスターデュリスは久遠の祖父。ということはセドリックと久遠は従姉妹。どちら側の祖父かはわからないけど(外見からするとジュリエナの父か?)「蓮がそっちでデビューするまでの辛抱だ。その後は存分に本領を発揮して蓮を一流役者だけが昇る事を許される高みに押し上げてやってくれ。得意だろう?勝利者の父」「もちろん。今度こそあの子を守ってみせる。この私が。あの子を誰にも傷つけさせない」

敦賀さんがキョーコのことを好きなのはほぼ確信していた奏江だが、誤解を解くことも言い訳もしない蓮は不可解で、蓮の言い方からするとこれからはヘタを打たない様、綺麗に異性交遊しますということだけど、それにしては訳ありなんですみたいな表情が気になると思う。キョーコに「例の報道の件、否定しなかった」とメールする。

肯定もしてないよ!ホントに敦賀さんめんどくさい。

自分は敦賀さんの相手が、森住さんなんかじゃなくても誰だろうと納得できないんだ。あの場にいた全員が「彼女なら仕方ない」と認めざるを得ない完璧な女性でも。それを思い知ったキョーコ。敦賀さんが”大切な女性”を得て”幸せ”になる事に、どんなに臆病になってるか知ってるくせに。

(ACT.274 DISASTER-轟く渦動-)
深い事情は知らないけれど確実に敦賀さんの心の奥には誰にも癒やせない深い傷があって、「俺には幸せになる資格なんて無いんだ」と思っている。その”自分の幸せ”に後ろ向きだった敦賀さんが”大切な女性”を作った。つまりそれは敦賀さんが”自責”という生き地獄から解放されたという事に他ならない。とキョーコの想い。

翌日キョーコは坊の撮影を済ませた後、そのままのかっこうでTBMのロビーを歩いていると、敦賀さんとばったり出会う。思わず逃げようとするキョーコを捕まえて「君も例の報道の事で俺を軽蔑してるんだろうけど、君まで逃げるように拒絶しないでくれないか」自分が坊の着ぐるみのままであることを思い出すキョーコ。「俺などイヤミをぶつけ様にも地上の人間には目視できないスペースデブリ、宇宙のゴミ屑に値するとでも?」

坊を相手にすると本当に表情豊かになるのね。今まで落ち込んだ姿も見せられなかったのに。だけど、着ぐるみの中の人が同じだということを敦賀さん前提にしてるだけど・・まあ思わず逃げようとしたから、自分が坊にかつて告白したことと報道で言われていることが全く一致してないから軽蔑されたと思ったのかな。しかしキョーコは思い切り引き留められないのに、坊は肩を思いっきりギギュームと擬音がでるくらい掴んで引き留めるのね。

しかし本来はキョーコと話をすべきなのに、敦賀さん本当に面倒な男。
「敦賀君は嘘つきだし最低だと思うけど、そこまで蔑んでないよ!!前に言ってた話と違うじゃん。何?クチ先ペラ男かよ。見損なったぞ敦賀蓮って思った程度で」
キョーコちゃんも、これ、蓮にぶつけたら。蓮が好きなことは置いといても、自分と尚がキスしたらあんなことを言われたのに、自分は何さ!!って。

まわりの注目を集めていることに気が付いて、いつもの倉庫にいく二人。

社さんの「蓮くんの心が鋼仕掛で本当に良かったぁ」というのは、蓮の気持ちを理解してない。それがうわべだけだって今までも見てきたはず。

「日本男子が選ぶ理想の嫁と結婚を前提におつき合いしてて何をそんなにへコんでるのさ。美男美女大人同士のカップルでお似合いじゃないか!!君しっかりしてる様でメンタルソフティーな部分あるからさ。歳上の女性にしっかり支えてもらってすっぽり包み込んでもらうの!!良いと思うよ!!日本国民全員が同じ事思ってるよ。君達ベストパートナーだって」キョーコは大切な人は作れないと言っていた蓮のことを思い出して、決死の思いで出した言葉だったが、蓮はちっとも喜ばなかった。「三歩歩いたら物事全部忘れるんだよな?」と念を押す蓮に「まぁご希望とあれば・・」と。「正直男として恥ずかしい内容だからこの事は墓まで持って行くつもりでいたんだけど、恋愛劇の優秀な捨て駒として女性に利用されたって聞いたらさすがに情けない男のレッテルを貼られないか。つまり意中の人物とうまくまとまりたい楠香凪さんに俺は恋のスパイスとして利用された。一般的に平たく言うと要は『当て馬』?」
まあキョーコちゃんの気持ちをしらないからしょうがないけど、恋のスパイスとして利用されたのは、それだけ”優秀な”捨て駒だからで、そんなに不名誉でもないのでは?それよりキョーコにこのことを言えばいいのに。蓮はいい顔をしすぎ。どうでも良さそうな風をしていて『ゴージャスター』とか『抱かれたい男No.1』とかに、実はプライドを持ち過ぎじゃん。

香凪さんの相手はどう思っているのか知らないけれど、当て馬とキスしているところを報道されたら、私だったらいやだな。

あと香凪さんは、蓮にも相手がいるかもしれないとは考えなかったのかな。それとも、もしいるなら、自分の相手は女性だけだって事を蓮は知ってるから言い訳できると思っている?まあ知られているからとはいえ、香凪さん、蓮のことをあまりにも軽く見てないか。

しかしキョーコ、「君の口から出て来る話は漏れなく恥ずかしい内容だったろ。何だい今更」とか坊の時の蓮との素直なつっこみをキョーコでもやれるといいのだけど。これは蓮もだけど。

(ACT.275 DISASTER-災異迫近-)
「彼女にとったら俺は最高に好物件だったんだと思うよ。うっかり俺に本気になられる心配も無いからね。」???な坊に、楠香凪が女性にキスする場面に行き会わせたことがあって、彼女の恋愛対象は女性であることを知っているし、楠にも知っていることを知られていて、その後パーティとかで虫除けに使われたという。「正直今回の報道で少なからず俺の方にも実害が出てるから、こうなってくると香凪さんにはなんとしても想い人と纏まってもらわないと納得がいかない」?の坊に「以前話した例の彼女だ。ちょっと色々あって避けられる要因は一つじゃないんだけど」そうだ香凪さんが相手じゃないなら、やっぱり敦賀さんの想い人は(森住さん)だということで果てるキョーコ坊。「君が相手だとあけすけにモノが言えてしまうから大分スッキリするよ」ってキョーコちゃんは、後輩で役者としても格が違うし性格からいっても、たとえ思いが通じても蓮にあけすけには言えないから、蓮はもう少し自分の本音を見せる努力をしないと。しかし敦賀さん、坊の中身は人だって忘れてないか。だって、坊の中の人がマスコミにリークしないという保証はどこにあるんだろう。そこまで信用しているというか、本当に人じゃないものに話しているようで、敦賀さんの人格が変わってる。まあこれが21歳の久遠の本当の姿かなとは思うけど。だいたいキョーコちゃんでなかったら、ここまであの敦賀蓮の内面を話されたら、ストレスになりそうだし。としたらキョーコの演技力すごい。
やっと”香凪さんなら仕方ない”張り合おうなんておこがましい程できた女性。香凪さんなら敦賀さんを幸せにしてくれそうだって思ったから無理矢理納得してたのに結局森住さんが相手・・・もしかしたら敦賀さんの前でだけは可愛いのかもしれない。もし敦賀さんが諦めてしまっていたものにもう一度向き合う勇気を持てるというのなら私の気持ちなんてどうだっていい。それがたとえ森住さんが相手でも。とまた悲しげな蓮の顔を思い出して勇気をふるいおこすキョーコ。
「彼女が楠香凪さんとの仲を鵜呑みにしていて、爛れた大人の関係が思春期の彼女には受け入れ難くまるで害虫でも見る様な険しい目と態度で逃げ隠れされる日々に心を折られた君は・・」「いや・・日々じゃないし、逃げられたのは昨日だけだし」「さながら『この人痴漢です』とあらぬ濡れ衣を着せられた被害者みたいな気分になって正直こたえている・・・という感じの事で相違無いか」「敦賀君、その問題早期解決できる方法あるんだけど」「告っちゃえよ」

(ACT.276 DISASTER-災異上陸-)
「彼女に何もかもぶちまけちまえ」うんキョーコ坊あたり前のこと言ってる。ただ、自分に告れといっていることになってるのが最高の展開だけど。
暗い顔で「無理だ。そういうのは。俺には」「わかってるよ君は彼女とどうこうなるつもりは無いんだよな。相手が未成年っていうのもあるけど、それだけじゃなくて事情があるんだろうなって事は察してるよ。だからそういうんじゃなくてさ。君の本当の気持ちを伝えるだけ」
その子についてあれこれ聞く坊。

口はかなり堅い方→蓮も(ヒール兄弟で?)世話になったし隠密任務を他でもこなしてるみたいだし(って坊だけど)→森住仁子と思っているキョーコは『いいね♡』もらうためならギリギリのミスリードで速攻バラしそうと。

女子高生ってお喋り好きで噂好きで三度の飯よりスイーツと恋話に喜ぶ生き物→君の言うその女子高生の定義彼女には全く当てはまらないと蓮→森住さんスイーツ、恋話、ゴシップトーク好きそうだけどとキョーコ

どちらかというと彼女は恋話より三度の食事を重視する。最悪昼や夜は抜いても良いが朝食だけは必ず食べるべしと以前鬼の様な形相で説教されたと蓮→「いいね♡」かせいだらもういらな~いと捨てるトコまで浮かびそうで考えるのをやめるキョーコ坊

それがピチピチ10代女子の口から出たのかと思うと枯れてないか、発言がお母さんみたいだとキョーコ→以前に社さんに「よかったじゃないか 蓮。当分誰のモノにもなる心配が無さそうで!!まあお前のモノにもならんだろうが」それが・・・とあの朝見た尚との気安い掛け合いを思い出す蓮。

「まあ彼女の口が相当堅いというのなら事情を打ち明けてみたら良いんじゃないのかな」(大丈夫。どんな結果になっても見守れる。と自分に言い聞かせるキョーコ坊)「言ってみるよ」という蓮は、香凪さんとの事情と彼女への想いを告げるという。正直香凪さんとの事は時間が解決すると思うから耐えられない訳じゃないんだけど(いやキョーコが蓮に想いを寄せていることを後ほど知ったらもっと事情を打ち明けて安心させて欲しい)、こっちが距離を空けている間に、あっちの距離が着々と詰まって行ってるのかと思うと耐え難い。あっちとはと思いつつ、蓮と別れたキョーコ坊。

敦賀さんが森住さんに告白して、案外うまく行っちゃったら自分はどうするんだろう。最重要なのは「敦賀さんの幸せ」だからどんな結果になろうと温かく見守る覚悟ではあるけれど、覚悟はあっても「実行」できるかどうかは別の話と思いながら、キョーコの姿に戻ってTBMのロビーにでてきたキョーコが出会ったのは電話をかけている蓮。

(ACT.277 災異掩襲-ノアの方舟滑り込んだら-)
蓮は坊の中身は知らないとはいえ、気まずくて逃げるキョーコを「最上さん!!話がある!!」と追いかける蓮。かつて、母親と会うという決意を後戻りできないように己が使った敦賀袋小路計画を、蓮も森住さん告白するのに使おうと思っているのかとキョーコ。それはあまりにも飛躍しすぎ。もしホントにそうなら、先日朝喧嘩して気まずいままのキョーコではなくて、社さんに宣言するでしょう。逃げながら自分で言っているように。

閉まる直前のエレベーターに飛び込んで逃げるキョーコに「あ、こらっ」と叫ぶ蓮。閉まったドアにチッShit!と思わず毒づく蓮。ここ、Shitとでてくるのがいいね~。聞こえるほど近くに誰もいなかったというのもあるけど、感情的になったときに思わずでてくる感嘆詞はやっぱり母国語だものね。作者さん素晴らしい!そして完全に久遠がでている敦賀さん。この後も含めてすごいスキャンダル、ニュースになりそうだけど。
エレベーターが下に向かっているのをみて、階段を手摺りを超えて飛び越える蓮。それって安全上お勧めしません。まあ村雨を掴んだまま空中で方向を変えられる蓮だから、下に人がいても避けてくれるかもしれないけど。
改めて敦賀さんは何を言いたかったのだろう。昨日も話があるって言われたけど、昨日は香凪さんと結婚前提にお付き合いしますって宣言されるのかと思ってて。ってなんでそんなことをキョーコに宣言するの?
森住さんに告白する事はさっき決心したんだから決意表明じゃないのよね?
やっと気づいた!
地下駐車場についたエレベーター。ここから直接外へ出てしまえば(蓮と会わずに済む)と思ったところで、閉まりかけたエレベーターの扉をこじ開ける両手が。そ、それはホラー。入って来た蓮の迫力に思わず一番奥まで下がるキョーコ。キョーコ以外に人がいるかもしれないというのは考えないのだろうか。
あまりにもベタな壁ドンだけど、蓮がやると迫力がある。しかしキョーコはハイヒールブーツにミニスカートなのに逃げ足ものすごく速くて蓮でも追いつけないし、蓮の階段手摺り越えで下りるのも迫力ある。二人とも運動神経、能力ありすぎ。二人で将来アクション映画で共演して!

でもって追いかけっこだけで一話が終わるのすごい。

(ACT.278 災異猛襲-ノアの方舟滑り込んだら-)
どうも話が噛み合わない。「意中の女の子に告白しようと意気込んでいるのでは?」ってそれは坊でないと知らない情報「私森住さんじゃないですよ」「誰?本気で誰の事かわからないんだけど」まあ蓮からしたらわからないよね。共演!したでしょう!?パープルダウンⅡで!!森住礼二プロデューサーの娘さん!!といってやっと記憶のフタが開いた蓮。「重ね重ねヒドイですね。指輪まで贈っておいて何ですかっその言い草!!」というキョーコに「それ彼女から聞いた?本当に言った?俺から『もらった』って。そう思わせる様な別の言い方してなかった?」ここの二人の身長さいいね~~~「お守りにって蓮さんがこれをそっと指にはめてくれたんです」という言葉を再現するキョーコ。「だろうと思った。うまいんだよあの娘。そういう誤解招く様な言い方するのが」高価なものだけどバレンタインのお返しを兼ねているから気にしなくていいと彼女が言ったのも、靴が欲しいってリクエストされてオーダーメイドで彼女用に靴をつくってあげたことだという。フィッティングに付き合って欲しいと言われたけど断ったという。「相手はまだ子供だからそこまで警戒しなくていいかと思ったんだけど、彼女が俺に好意を持ってくれてるのはわかってたし、迂闊な事はしない方がいいと思って」蓮はこういうのすごく敏感だから今までスキャンダルにならないようにかわしてきたんだし、香凪さんはそういう男女の仲になりたいという好意がないから油断してんだろうけど、キョーコちゃんの気持ちだけは鈍感なのね。
ピンキーリングを指にはめてくれたという件は・・・そのまんま右手のピンキーにはこういう意味があるんだよと教えたら、「蓮さんに念を込めてもらったらもっとご利益ありそう。お願いします!!念注入!!」って無邪気に請われたと。その日15歳の誕生日にもらったというプレゼントの私物だったと。
すばらしい。「森住さんは言葉足らず」とキョーコちゃん言ってるけど、意図的に思わせぶりな文脈になるように言葉を省略してるんだよ。何一つ嘘じゃないところがもう天才としかいいようがない。息をするように嘘をつく人っているけど、これはそれを上回っている。だってバレても嘘はついてないから勝手に受け取る方が誤解しただけだものね。
そして、突然蓮は思い出した、先日タンポポの花のピンキーリングをキョーコに嵌めたとき、傷ついたような顔をして「最低ですね」というキョーコの反応を。

いっぽうキョーコは、敦賀さんの想い人って森住さんじゃなかったって事で・・・と過去の坊として聞いた蓮の言動をあれこれ思い出すと、「高校生だ」「逃げられたのは昨日だけだし」「口はかなり堅い方だと思うけど」「どちらかといえば彼女は恋話より三度の食事を重視する」「朝食だけは必ず食べるべしと以前鬼の様な形相で説教された事がある」
やっとお互い気づいたの?だけど、キョーコの方が坊じゃないと知らない情報ばかりだ。

(ACT.279 災異猛襲-ノアの方舟滑り込んだら-)
キョーコを見てこの反応は俺の思い違いじゃなければと思いつつ「同じピンキーリングでも私は野っ原のたんぽぽでまんぞくしてたなんて!!恥ずかしい」とななめひねりな結論の可能性を考える蓮。
「今君が何に対して動揺しているのか確認したいんだけど」と冷静に問う蓮。「すみません私ったらなんて図々しい勘違いを」「私ったら愚かにも『アレ?敦賀さんの想い人ってもしや私!?』などと的外れな妄想を」というキョーコ。
「間違ってないから!!!合ってるから!!!勘違いでも的外れな妄想でも高難度のアメリカンジョークでもないから!!君が最初に思ったとおり俺の想い人は君だから!!!」偉い!よくストレートに言った敦賀さん。
赤面したまま言葉が出ないキョーコに「大体間違ってもその手のジョークは絶対言わない。君にだけは。通じないだろ?冗談だって」「いまなにかすごく失礼なこといわれた?」いや敦賀さんやっと学習した。実際にストレートでなければキョーコには通じない。

「君を困らせるだろうなってわかってはいたんだけど、どうしても俺の気持ちが本当は誰に向いているのか知っていて欲しくて。香凪さんとの事を誤解されてる可能性を考えると落ちつかなくて」と言ってから、「いやそうじゃなくて、落ちつかないのは、君があの朝不破とひどく親密そうに見えたから、焦って余裕を無くして君に酷い言葉をぶつけてしまった。君を傷つけた事に変わりはないから言い訳にしかならないけど、アレは決して心から言った言葉じゃない。信じてもらえないかもしれないけど、全部ヤキモチだったって。」やっとヤキモチを認めた敦賀さん。

反応のないキョーコに「ヤキモチを焼いてしまいました。初めて焼いたから不様で、不細工で、丸こげでとてもほめられたものではないけれ・・」と繰り返す敦賀さん。いやヤキモチを妬いたのは初めてじゃないよ!!尚のPVの頃からでしょうが。敦賀さんいつか過去の自分を振り返ってキョーコに謝って欲しいな。自覚してなかったからと言ってそのままにするのはズーズーしいよね。

エレベーターの隅に座り込むキョーコに「最上さんもそうだった?ピンキーリングの話をしたとき俺に言ったよな。『最低ですね』って」キョーコの手を取りながら「あの時もしかして同じだった?俺の気持ちと」といいながらキョーコの左手を取って小指をスリッとする敦賀さん!

社長に言った言葉「必ず罰を受けるから、地獄に行けばいいですよね。不実の罪の償いはこの魂でしますから、この胸の中では堂々とあの男を想う事赦して下さい」を思い出すキョーコ。でもそれは敦賀さんが別の女性を想ってるって前提だから・・・当然無効だってキョーコ。敦賀さんの好きな人が他の女性だったら、キョーコは敦賀さんがその人と上手くいかないことを願ってしまうのは罪だけどそうじゃないんだから。

「最上さん難しく考えないで欲しい。最上さんが困るならこの箱の中で見た夢だと思うことにするから。格好悪いと思うけど、相手の気持ちがわからなくて不安になるのは女の子だけじゃないんだよ」っていいながらキョーコの手をいじってる敦賀さん。「YesかNoで聞かせてもらっても?」という敦賀さんの手を握り返すキョーコ。敦賀さん、表情も言葉も不安そうでキョーコの気持ちを確かめようと珍しくストレートに言葉をつくして丁寧なのに、手つきだけちょっとセクシーというかいかがわしいというか・・・