2021年4月19日月曜日

暁のヨナ35

通常版
現パロ番外編+スケッチ集付き特装版

199話 2020/11/05発売花とゆめ23号11/20)高華国が取り返した金州で小競り合いが耐えないことに不満を述べる南戒の使者に、戒高公法を持ち出すヨナ。相手は理解していないので反論できない。ケイシュクは、このような複雑な法をヨナが知っていたことに舌を巻く。ヨナは3日間スウォンの執務室で籠もっていた間に本を読みまくっていたのだ。四龍の噂を持ち出した使者に、ケイシュクが「四龍は高華国の王が所有する勝利の象徴」というのも、使者が戒にも神の力を授かるという伝説の池があるというのも、ユーモアを交えてかわすヨナ。今まで黙っていたランタンという使者の具合が悪いのに気がついたヨナは、休ませるために会談の延期をする。ランタンが休む部屋にジュドとケイシュクを伴って見舞いに訪れたヨナに、ランタンは自分の国の皇族や貴族がいかに腐敗していて、自由に発言することもできないかを吐露する。更に恋人入るのかと問われて、ヨナはハクを思い浮かべる。会談後ケイシュクはヨナの態度が完璧だったことを評価する。

ケイシュクのヨナへの見方が少しは変わったようだ。ヨナは貫禄があって格好いい。

翌朝ランタンは死んでいた。戒の使者達はヨナ姫が毒を盛ったと騒ぎ立てる。ケイシュクやジュドは遅効性の毒で会談で城に入る前から既に盛ってあったと読む。戦を始めるきっかけを作ることと、皇帝に批判的なランタンを消すこと。

騒ぎは緋龍城中に伝わり、図書室にいこうとしたユンや、文官のふりをしたジェハにも。そして35番部隊にいるハクにも。

具合の悪いランタンにどんぐりをあげようとするアオ、ランタンの死を告げに来たジュドの肩にも乗っている。28巻161話でイグニの屋敷に匿ってもらうとき、アオが警戒しない相手はいい人だと以前シンアはいっていたけど、ジュドは既にヨナの見方になっている。いずれケイシュクやスウォンの肩にも乗るようになるといいな。しかし四龍と会うのを禁じられているヨナのもとにいつの間にかアオがいるのに誰も突っ込まないのかい!

(200話 2020/12/4発売花とゆめ1号1/10)ヨナがスウォンの代理で使者と会談したという所にひっかかるハク。ヨナ姫はいずれスウォンと結婚するからと想像で解説する同僚に「百万歩譲って 譲らなくて 王はなぜ共に出席しない?」とハク。(面白い表現だ!けどいっていることはまとも。最初からヨナ一人で大役を任せるのはあまりにも不自然)ハクは城内に入り込み文官の姿をしたジェハとそれを呆然と見つめるユンの問答に加わる。ジェハだけはスウォンが緋の病で倒れたのでヨナが代理をしていることを察する。ハクに問い詰められて、ヨナが「来られると困る」とジェハに言ったこと、ハクには「専属護衛はいらないって伝えて」と言ったことを白状する。ハクは「殺しの容疑をかけられているなら傍観ってわけにはいかない。」また来られると困るっていわれたら「遠くからでも護る方法を探す」という。

目覚めたスウォンに報告に行くジュドとケイシュクとヨナとミンス。戦をしかけてきた今なら五部族全てが一丸となって南戒を制圧できるとスウォン。万が一スウォンが出陣できないときはケイシュク参謀が総指揮に?とのジュドの言葉にスウォン以外にスウォンと並び立つ求心力のある人間はと考えたケイシュクの頭に浮かんだのはヨナの姿。あわてて頭の中で打ち消す。

使節団に自分が会って話をするというスウォンにヨナも同行する。外廊下を進むスウォン、ヨナ、ケイシュク、ジュドの一行を、ようすを見に来たハクとジェハが外から見つめる。「ランタンの葬儀を行うので列席して下さい。南戒の皇帝チャゴル殿下にはお伝えしておきます」と烟に巻くスウォン。言葉も挟めず呆然とする使者達。無事会見は終わったが、宮殿の階段を降りるスウォンは、衆人の前で具合が悪くなってよろけヨナにぶつかる。はずみでころげ落ちそうになったヨナをとっさに支えたのはスウォンと衛兵の姿をしたハク。ヨナはハクに気がつくが、スウォンの意識が飛びそうなことに気がついてスウォンを支える。ハクはスウォンの不調に気がついた。

(201話 2020/12/19発売花とゆめ2号1/20)事情を話すわけにいかないジェハは、ハクと別れる。そこへヒューリがハクに襲いかかる。「あのとき(階段でヨナを支えたときスウォンに近づきすぎた)殺らなかったのは俺が王の不調に気づいたからか?」とのハクの言葉にヒューリは顔色を変え、ハクに深手を負わせる。ハクが気づいたのは城の牢の中、ヒューリとケイシュクが見つめていた。ハクは「じっとしていても拉致が明かない」のでわざと捕まったという。「これがスウォンの命令なわけないか。俺に気づかないくらい弱ってたもんな」というハクにケイシュクも顔色を変える。ヨナが王の代理をしている理由にはケイシュクは答えないが、不治の病であることを理解する。立ち去ろうとするケイシュクの後ろ姿に「姫さんと四龍とユンを自由に会わせてやってくれ 四龍やユンはたとえ秘密を知っても言いふらしたりはしない 城を出て姫さんはあいつらのお陰で明るく笑えるようになったんだ」と投げかけるが、ケイシュクは応えずヒューリに後の処理をといって扉の外にでると、目の前にヨナが怒りを込めて立っていた。ミンスが共にいるのを気がついてヨナ姫に状況を伝えたことを知る。「通しなさい」とケイシュクに命令してハクのいる部屋に入ると、ヒューリにも「下がって」と命じる。ケイシュクもあのヒューリも逆らえない迫力のヨナ、ますます格好よくなる!でもって早速ハクにどんぐりを渡そうとするアオ!戦を前にして私と四龍を敵に回したいのかというヨナに無言のケイシュク、ハクが「俺を戦の最前線に置け ここでただ殺すより無駄じゃねえだろ 俺も高華国は守りたい それだけは同じ方向を向いているはずだ」というと。やっと「わかりましたと」返事をするケイシュク。ミンスにハクの手当てを命じて立ち去る。ハクが殺される前に間に合って安心したヨナはその場にへなへなと座り込む。スウォンの父ユホンがイル陛下から殺害されたのは本当だったとハクはここで初めて知る。大切なものは皆守ろうとするハクとは物事の捕らえかたが全く違うスウォンの考えをどう説明しようかとヨナは思い悩む。説明できないまま、ヨナは牢からハクに引き寄せられて檻越しにキス。専属護衛はいらないという理由が理解できたハクは「そんなに俺を守ろうとしなくていいよ」

ミンスはかつてイル国王の小姓だったし、ヨンヒ様の医務官だった母スイメイの功績で子どもの頃からスウォンの屋敷で世話になっていたので、ジュドもケイシュクもミンスには命令口調で、軽く見ているけれど、実は暗殺の夜ヨナを逃がしても(1巻2話)、真国の戦を止めるために走り回るヨナを助けても(24巻137話でヨナの手助けをするとミンスやミンスの母に危険が及ぶかもしれないとヨナが躊躇っても大丈夫ですというのは、文字通りスウォン達は自分を切り捨てることができないと踏んでいたのではと思う)、今回のようにハクが殺されそうになったことをヨナに知らせに走っても罰を受けない最強の存在。なんと言っても緋の病を直せはしないけど緩和できる唯一の存在だから、誰も手をだせないよね。実は緋龍城で最強の立場にいるミンス。

(202話 2021/1/4発売花とゆめ3号1/20)ヒューリも見張っていることだし、そろそろ帰った方がいいとヨナに言うハク。ハクの手当てをしに戻ってきたミンスを待たせて、戻りたくないしもっと近くへ行きたいという二人のやりとり。(オギさんのところで二人が別行動する前に別れのキスを思わずヨナがハクにする場面(24巻137話)とか、ミンスはどうも二人のいちゃいちゃに居合わせることになる)部屋に帰るヨナに護衛というか見張るためについてくるヒューリに、「昔ユホン伯父上の命で母上を殺したのはあなたでしょう?あなたが私を殺意を持った目で見ていたのはその時一緒に殺すはずだった私を取り逃したから ハクの命を奪わないで もう憎みたくないの」というが、ヒューリは無言で無表情。この人喋れるのかしら。ヒューリの背景についてもどこかで描いてくれるといいな。

ランタンの葬儀が始まる。そこにランタンの身内だというリスを連れた美人が崩れ落ちているのに気がついたヨナが話しかけると、その女性はヨナを強引に引っ張ってランタンの棺に土下座して謝れという。あなたは何者?ランタンの親族ではないと見抜いたヨナに生意気だと手をあげたところで、突然現れたジェハに手を抑えられる。龍の手をかざしてキジャがヨナを守る。ヨナから離れてとシンアも加わる。ゼノが二人の女性を引き離す。神官を呼べという戒の使者達の要求で、ケイシュクが神官のかわりをしてくれるように四龍に頼んだのだ。本物より御利益ありそうでしょうと、ジュドに説明するケイシュクは少しキャラが変わったのでは。それにしても四龍とヨナはやっと再会!部屋までこっそり飛んできたジェハをのぞけば、ヨナと会うのは33巻179話以来。空の部族軍も戒の使者も四龍に釘付け。やはり四龍はヨナ姫に仕えていると知る。更に雷獣の噂も、メイニャンと呼ばれるこの女性は知っていて、雷獣は誰のもの問うと、四龍達はヨナを指し示す。王でもないのに与えられすぎではないかしら ずるいわね。とヨナに。

(203話 2021/2/5発売花とゆめ5号2/20)葬儀にスウォン登場。すり寄ったメイニャン。戒の使者達の態度から皇帝チャゴル殿下の寵姫と気づいたスウォンは自分に近づきすぎないようにという。ジュドとケイシュクも引き離そうとする(ふたりともキャラが変わったみたいだけど、このあとの深刻さを考えると、ここでユーモアキャラになるのは合わないと思うが)が、メイニャンが何事かスウォンに囁くと、スウォンが顔色を変える。
翌日無事四龍達と自分の部屋で会うことは許されたヨナは、メイニャンがケイシュクと歩いて行くのを見る。昨日のメイニャンに何か囁かれたときに動揺していたスウォンが気になるヨナは、ジェハと一緒に部屋を抜けだし、庭園でのスウォンとの話を盗み聞きをする。メイニャンはスウォンに葬儀で「緋の病に侵されているな」と言ったのだが、自分も一族で緋の病に侵されているという。四龍と雷獣が欲しい。くれるなら自分は戒帝国に勝つための情報を持っているので協力する。緋龍王末裔の二人ですべてを手にいれようというが、「緋龍王嫌いなんで」とスウォンはあっさり断る。戒帝国に勝つための情報ってなんだろう。今後の展開の鍵になりそうな予感。

(204話 2021/2/20発売花とゆめ6号3/5)血筋にあるのは病だけで、四龍はヨナ姫のもの。お前の痛みがわかるのは私だけだろとメイニャンは言うが、スウォンは緋龍王の生まれ変わりも四龍もいらないという。「あなたが理不尽と感じていることと私がおかしいと感じていることは全く違う」と拒否。そこへヒューリを伴ってケイシュクが現れる。逃げ出すメイニャンを斬ろうとするヒューリに、ジェハが立ち塞がる。ヨナも駆けつけ、スウォンを促すが、「あなたには関わりのないことです」とすげなく言われる。だが、「この人の痛みはヨンヒ様のようで」というヨナにスウォンの表情が変わる。その隙に逃げようとしたメイニャンの肩から、リスのホーが庭園の枝にひっかかって転げ落ちる。メイニャンは牢に閉じ込められる。アオがホーをヨナ達の所へ連れてくる。

緋龍王はなぜ今ヨナとして蘇ったのだろう。ヨナも言っているけど、なぜこんな話をややこしくする形で生まれてきたのだろう。たとえばかなりの賢王になる素質をもっているスウォンに現れたのなら、この話が成り立たなくなるけど、少なくともこれほど複雑な関係にならなかったものを。緋龍王の目指した戦のない世界を、ヨナなら実現すると龍神あるいは緋龍王の魂が思ったのか。まあ血筋は濃く残されているようだから、血筋に蘇ると短命で志を果たせないことも引き継いでしまうけれど。

牢でメイニャンは世話に来た兵を色仕掛けで攻略して脱獄する。通り道に居たハクの警備をしていた兵4人も殺して、牢をのぞいてみると、そこには6544回目の腹筋をするハクが。

(現代版パロディ 番外編 2020/4/27ザ花とゆめ6/1増刊号)

(現代版パロディ あかつきのよなさん 2021/3/5花とゆめ7号)
本編はシリアスなので、ヨナが女子高生になってジェハがマスターをしている喫茶店に来るこのコメディ楽しく笑える。店のオーナーはクムジ、ジェハの家主はギガン船長、小さい頃は親戚のガロウおじさんに絡まれたとはジェハも苦労しているなあ。久しくでてないリリとアユラとテトラも登場したし。ゼノさんの彼女ってカヤさん?

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2021年4月17日土曜日

コレットは死ぬことにした18

通常版

(105話 11/5花とゆめ22号 2020/10/20発売)冥府に戻った翌日コレットは熱を出した。天界にはハデス様が連絡してくれて冥府で休むことにした。前にも書いたけれど天界との連絡っていったい何だろう。email?fax?電話?念力?「何かあったらすぐに呼んでくれ」いってコツメ君と針子にあとを頼んで裁判に行くハデス様。コレットはクロノス様とプリンを食べてハリーと話をしてお昼を食べて、夢の中へ。子どもの頃先生の家でもたまに熱を出して故郷の夢を見た。あの頃は故郷の夢を見ては泣いたけれど、今は怖い夢を見なくなって夢の中でお父さんとお母さんに、お墓参りをして薬師になったし、先生の診療所の楽しい夢を見る話をする。でも兄ちゃん姉ちゃんには、両親のようにぎゅーってしてって言えなかった でもね・・・と思ったところで目が覚めると、ハデス様がベッド際で本を読んでいた。兄ちゃん姉ちゃんには言えなかったけれどハデスさまにぎゅーってしてという。


この場面も、告白シーンと同じくらい好き。無条件に甘えられるコレットは、子どもでいられる時間が少なかったんだよね。

(106話 11/20花とゆめ23号 2020/11/5発売)冥府のメンバーが皆心配して部屋の入口から覗く中でコレットは夕食を取る。ハデス様は傍らに、クロノス様もなぜかコレットのベッドに。

クロノス様達の冥府の部屋が完成したということで、皆で見にいく。エリュシオンのツリーハウスに負けないくらいかわいい部屋だった。

閨に戻るコレットはハデス様の手にしがみついて甘え、ガイコツは薄めでしかみられない。

閨でハデス様に、「どうして寂しいなんて気持ちがあるのかな」とハデス様に問うと「お前が地上に行ってしまう度に寂しくなる自分の方がいい」「そう思いたい もう知ってしまっているから どうにか意味を乱して寂しさを正当化させて溜飲を下げたいのかもしれん」ってここは溜飲を下げるではないと思う。”せめて納得したい”とか”理由づけたい”あたりが妥当では。

(107話 12/5花とゆめ24号)
ディオニソス様とヘルメス様が、アポロン様と一緒に飾り立てた馬車でコレットを迎えに来て旅の続き。超ホワイト会社を経営するヘルメス様の馬は、プロ意識が高く、二時間半走ったら道の真ん中だろうが豪雨だろうが33分休憩する。絶対に残業をしないので日没と共に冥府に戻って、ヘルメス様は業務で天界にもどってガイコツ達が馬の世話をする。こんな旅はもうできない。村に着いたらこんな風に冥府に泊まることもなくなるのかな、ハデス様にも皆にもあんまり会えないと思うコレット。


途中で16巻95-98話のトーヤン先生(たぶん)と再会してしばらく同行したり、冥府でハデス様にギターを弾いてもらったり(18巻番外編1)、4巻24-25話のリューさん(たぶん)が幸せそうに女性と歩いているのを見かけたりしながらとうとう村に帰ってきたコレット。

(108話 1/1花とゆめ1号 2020/12/4発売)村に帰ってきて皆と再会。早々に診療所に馴染むヘルメス様とディオニュソス様。昼間ダッシュで冥府まで行って、シェフガイコツとコツメ君に「無事に村に着いたって伝えて下さい」とハデス様に伝言を頼むコレット。夜タン兄ちゃんに、マリー姉ちゃんとの結婚の話を聞いたあと「コレットは?誰かいるのか?」と聞かれて、一度は「いやー私はそんな」と否定するも、「もしコレットを傷つける奴がいたら俺に言えよ そいつぶん殴りに行くから 俺とランとユリヤもマリーも許さないぞ」と薬師なのに過激な発言。コレットがいない間いろいろとコレットのことを知って、普段の働きぶりとかなんでここに棲むことになったのか セラとポーラが来る前と来てからと 「その歳でここまでやってる奴はそうはいない 同じ青服として尊敬する だからこそ俺はお前をずっと気にするからな どこにいてもいつまで経ってもコレットはうちの大事な末っ子なんだよ」と。セラとポーラが来る前って井戸に飛び込んでしばらく姿を消したそもそものハデス様との巡り会いのアレ?(一巻1話)。
そんなタン兄ちゃんにやっぱり知ってほしくて「大切にしてもらっているから大丈夫だよ タン兄みたいに優しい人だか心配いらないよ それだけ言っとくね」と。
何か事情があると察してタン兄ちゃんはそれ以上きかなかった。

(109話 2021/2/5花とゆめ4号 1月20日発売)村に馴染んでチビッコを集めてかくれんぼするディオニュソス様。ヘルメス様はコレットに頼まれた人探しがすんだら帰るという。

いつの間にか一人で往診に行けるようになったセラ、患者さんに素早く包帯を巻くポーラにびっくりするコレット。イタン先生の教え方が上手だからですよというポーラに「=コレットさんの教え方は下手」と脳内変換して落ち込むコレットに、イタンさんがポーラを困らせるなよと助け船。「俺とお前が同レベルだったらそれはそれで俺がまずいだろ」と。往診に行ったセラはこけたといってすぐ戻ってくる。慌てて手当てをしようとしたポーラもこける。「コレットが帰ったときにいいとこ見せたいって頑張ってきたんだよ」とイタン兄ちゃん。

コレットが留守の間にトルカちゃんが診療所に見学に来るようにもなった。薬師にちょと興味を持ったけど、弟子入りを検討しているわけじゃないと。同い年のボーイフレンドのニイロ(6巻8話)がコドモっぽいとの愚痴も出る。

コレットは往診の道すがらセラとポーラの次の薬師を考える。トルカちゃんが字を読めないし書けないというのを聞いて、ポーラとセラは特別で、読み書きできる村の人はほとんんどいないことを思い出す。トルカちゃんにトルカという字を教えたけど、「ふうん」といなされてしまうコレット。実は帰り道に空でトルカと書いているトルカちゃん。トルカちゃんって感情をストレートに出さないので、自分でもいっているけど反応がわかりにくくてまるで私みたい。夜ハデス様にその話をする。あとはハデス様はクロノス様がいつも通り煩わしかったとの愚痴。クロノス様ほんとうにハデス様が好きなんだ。なんと屈折した愛!ちゃんと相手をするハデス様もまんざらでもないのでは。

冥府で熱を出したコレットの甘えっぷりと、ハデス様とのラブラブが見られて嬉しい。全編に漂う死による別れの切なさが、今回もかなり色濃く感じられる。コレットの村での生活が再開して、そろそろ終盤だそうだけど、コレットには薬師を繋ぐ夢を実現しながら、同時にハデス様の伴侶として幸せになって欲しい。どう結末をつけるのかなあ。

(番外1 2020/12/1号ザ花とゆめファンタジー)旅の途中冥府に遊びに来たコレットが、ハデス様のギターに合わせて歌を歌う「ザ・少女漫画」な話

天界時代には思いつきでギターを弾いて歌を歌ったって、デメテル様やヘスティア様とかな。

(番外編2)オリンポスにある私立オリンポス学園夜間高等学校に転入した調剤薬局併設の診療所で働くコレットは優秀な生徒。担任はゼウス様、同級生は通販会社と出版とツアコン業の仕事をしているヘルメスくん、酒蔵で働き授業中でも水筒からお酒を飲むディオ君、昼間は医者や占いをするアポロンさま、ハンターのアルテミスさま。


地学のハデス先生はしょっちゅう授業を無視して保健室で寝ているというのは、ちょっと意外。う~ん、ハチャメチャな学園で一人だけ真面目に授業やってる方がハデス様には合っているような。不眠症だし。あとコレットのリケジョ設定がちょっと月並みすぎ。






2021年4月16日金曜日

コレットは死ぬことにした17

 (99話)突然ハデス様がガイコツ達に名前があった方がいいだろうかといいだした。好きな名前を申せと言われてパニックになるガイコツ達。ハデス様が冥府に降臨した日のことを思い出す。降臨したハデス様 神々しい ハデス様長髪の方が神様っぽい

「天界通信」の人間の流行の名前を参考にそれぞれ考えてみた。が、ハデス様にその名前で呼ばれることを想像すると・・・強烈すぎて日常に支障をきたしそうだ。結局「ハデス様は我らをすでに個として識別し認めて下さっている ハデス様がご不便でなければ今しばらくは我らは名の無い家来でいたいという結論に相成りました」と。

いやその論理破綻しています。個として認めているからこそ別々の名前で呼べるのだけど。ただ、シェフとか秘書とか言うのがidentityすなわち冥府での名前と考えればいいのでは。それぞれの役職は冥府に一人ずつしかいないし。

ガイコツの面倒なハデス様愛は、ひたすら楽しい。一線を越えた妄想に抱腹絶倒。それにしても妄想の中のハデス様セクシー。ガイコツがコレットに失礼なことをしてもハデス様に怒られないし、コレットも別に嫌がってないのも、何百年もハデス様一筋だったのが共感できるからだろうな。ハデス様もずいぶん性格がやわらかくなった。

(100話)更にハデス様は、何か自分にして欲しい望があれば叶えるという。カロンは釣りにつきあってもらうという。コツメ君はハデス様とまたお風呂に入りたいという。ガイコツたちはまたパニック。ご入浴はかわうそアドバンテージ、魚がいない冥府での釣りという究極の不毛も許される。悩みながら「天界通信」の「イケメンにして欲しい仕草トップ5」を読むと「壁ドン」「耳元でおやすみ♡」「見つめ合い」「ギュッ」などという一線を越えた妄想しかしていなくて、心頭滅却したらなにも残らず、結局「我々からは望みはございませんでした」と。ハリーのお願いはハデス様にまたおでかけしてほしいと。
ラダマンテュス様達三人のお願いは3つの頭を持つ大犬のときのケルベロスと遊ぶ。”偉大なる父”と呼べという要望を却下されたクロノス様もしかたなくケルベロス乗馬につきあう。踏まれそうになったコレットは、お願いを叶えてもらっている皆の邪魔をしないよう、ハデス様の部屋へで待っているうちに眠りこける。戻ってきたハデス様に「コレットは何かあるか?」と聞かれるが保留にする。

(101話)リニさんもトーヤン先生も村を去る。そこへやってきたのは髪を男性のように短く切り男性用の青服を着た女性遍歴医ベレーさん。この方が自分らしいという。コレットも「先生」と呼ばれるのは自分らしくないので「コレットさん」がいいという。村人は男のような姿のベレー先生にびっくりするものの受け入れてくれる。村が大事にしてきたお祭りの、取っ組み合いが嫌いだという村の男の子に、男になりたいわけではないけど毎日髪を結うのが苦痛だった自分を理解してくれなかった、薬師の師でもある自分の親の話をするベレー先生。男の子が祭りが嫌なのではないことをひきだし、コレットも作戦参謀や大将になるという選択肢を示して、父親との間を取り持つ。

(102話)ベレー先生は、コレットが薬師として独立したときに故郷を見にいこうとしたときに道を間違えて今の村に住むことになった話をきいて、道を間違えたのはこの村ではないか、この先の山の中に過去には集落がいくつかあったと、コレットの故郷の場所を示唆する。ヘルメス様が探してくれるという。夜ハデス様にその話と、父と母のことを話す。ハデス様はちょっと心配そう。

翌日午前中にヘルメス様が見つけてきてくれて3人で村を出発。あとはベレー先生が引き継ぐことになる。ヘルメス様の道で飛んでいくと、草だらけの廃屋が並ぶ山間の小さな集落跡、すなわちコレットの故郷があった。

ヘルメス様とディオニュソス様に、コレットは何が起こったかを話す。滅多に外から人が来ないこの村に、或日旅人が来た。具合が悪いようで村長さんのうちで世話をすることになった。

(103話)旅人は結局死んでしまって村長さんのうちで埋葬した。その後村長さんは熱をだした。次の日には、村長さんの家族もお世話したご近所さんも、風邪になった。うつった人達は皆熱が出てご飯を吐いてしまう。お世話しに行った人達は次々に風邪を引いてその家族にもうつっていく。やがて村長さんが死んだ。他の人達も次々死んでいった。お父さんは埋葬の手伝いから帰ると毎日お風呂に入った。コレットの友達も次々死んでいった。体に痣か発疹ができるようだ。そしてコレットの両親はまだ感染していないけれど、家の中でカーテンを引いてコレットとは家の中で分けて生活するようになった。これは風邪ではないと気づいていても何なのかはわからない。助け合いの精神が更に感染を後押しした。

一息ついたコレットはディオニュソス様と皆のお墓に花を添える。花探しに手こずって日が暮れてきたところで、ヘルメス様が冥府に話を伝えてハデス様を呼んできた。

両親がとうとう発病し、両親の言いつけでコレットが一人で籠もっていた裏山の窯(お父さんは陶芸をする)にいく。窯に火をつけて煙を上げて、コレットが生きていることを旅の薬師様か行商の方に知らせるようにと言われて。

コレットが流行病で全滅した村の唯一の生き残りであることは1巻の3話で既に明かされている(ということは多分2014年)けど、その詳細をCOVID-19の蔓延している2020年の今、聞くのは、なんという絶妙なタイミングだろうか。でも日本だって戦争中には八重山でマラリアで全滅した集落とかあるようだし、近年になってもお医者さんがいなくて感染予防の正しい知識がない地域では、こういったことは世界中でけっこうあったのだろう。

コレットが一人だけ生き延びたのは、両親とコレット自身が賢く自制心があって強かったから。早いうちから家の中をカーテンで仕切ってうつさないようにコレットを隔離して、発病してからは一人で裏山の小屋へ行かせた両親も、賢明だけど、6歳の一人っ子に向かってやらせるというのは、なかなかできることではない。コロナの家庭内感染を防ぐために個室に隔離できない場合はカーテンで仕切ってとどこかで読んだことがあるけど、まさにその通りだし。

(104話)両親の言いつけで6歳のコレットは、裏山の小屋で一人で10日間過ごす。途中から竈の火は付いてないけれど。奇跡的に通りかかったアンノ先生が、何が起こったかを察して、コレットを見つけてくれたときは脱水症状で気を失って記憶も朧気だった。

奇跡のようにコレットを見つけて、うつるかもしれないのになくなったままのコレットの両親他の埋葬をして更に7日間の隔離につきあってくれて自分の診療所で育ててくれたアンノ先生だからこそ、コレットが一回だけハデス様の領域に踏み込んでまで手を出して、納得して天国に行って欲しかったんだよね。ハデス様もアスポデロスにいるアンノ先生の影を思い出している。

自分のことを、薬師になってあのとき何が起こっていたかを理解できた日に一区切りついた。自分には人運がある、出会った人(アンノ先生、兄弟子、姉弟子、ポーラとセラと村の人達、ハデス様、冥府の皆、ディオニュソス様とヘルメス様、父と母と友達、故郷の村の人達、知り合ったいろんな人達)に恵まれているというコレットは賢くて強い。


そしてディオニソス様もハデス様も、途中でこっそりハデス様を呼びに行くヘルメス様もみんなコレットへの気遣いが感じられる。

最期にコレットがハデス様と冥府に帰った後、「俺コレットがいなうなったら嫌だな コルネも」というディオニュソス様にヘルメス様が「仕方がないだろ そういうもんなんだから」と冷たく突き放したような発言の後に「親友がいなくなったら寂しいなんて 当然すぎて言う気もしないね」というのはなかなか意味深だけど、なにか伏線かな。



2021年4月15日木曜日

コレットは死ぬことにした16

コツメ君日記2小冊子付き特装版/通常版

(93話)クロノス様の城はツリーハウス。室中は可愛いもので満たされている。コレット達が楽しく過ごした後、他の冥府勢もエリュシオンに来て歓迎会。アイアコスがヘルメス様の決算書を見てアドヴァイスしているのを見て、人は見かけによらないとコレットはびっくりする。お腹が空いて子犬になったケルベロスをなでる犬派のミノスに、ハデス様の親近感と好感度が爆上がり。水鏡の件のこだわりも解けたとみんな喜ぶ。宴たけなわにアフロディーテ様の夫であるヘファイストス様が来て、そのオタクぶりにコレットは退く。ヘファイストス様ってギリシア神話では足が不自由とか醜いとかの設定だけど、これを現代に解釈するとおタクになるの?あとアレスとの浮気を吊されて晒された後、アフロディーテとヘファイストスは離婚したという説があるけど?

歓迎会といっても食べられる体なのはコレットとハデス様とあとはクロノス様が少しだけって、ちょっと寂しいうない?シェフガイコツ。

(94話)更に旅を続けるコレットとヘルメス様とディオニュソス様。昔、一日だけ滞在したことがある遍歴医の村に着いた。この村の出身で、強すぎる母親に反発して飛び出して、隊商として暮らしているリニさんと、病気を患ってめっきり弱ったお母さんスズリさんとの仲を仲介する。

(95話)遍歴医の村のルールは次の遍歴医が来るまで滞在することなのだが、トーヤン先生は、元気だった頃から知っているスズリさんを見送るまでここにいるという。スズリさんは不治の病で、もう治療から緩和に切り替わっている。長らく留守にしていて母親とも兄の家族ともギクシャクするリニさんとスズリさんを、コレットは再度仲立ちする。明日は宵祭り明後日は本祭り、かつてスズリさんは本祭りの合戦に、通常女性は観戦か後方支援なのにかつて走者になって爆走したという。

(96話)夜少しだけ冥府に行ってハデス様に村の話。明日は宵祭りで来られないかもとハデス様に伝える。翌日の夜、村では天灯が幻想的に並び、みんなお揃いの衣装で宴会が始まる。コレット達もお揃いの衣装をもらって参加。さっそく宴席に馴染むディオニュソス様。ひとり天灯を見にいったコレットは、診療所前でコレットに会いに来たハデス様と出会う。目一杯おしゃれした村の女性を思い出し、いつも通りの三つ編みの自分に、もっと気合いを入れておしゃれすればよかったというコレットに、「私は好きだぞ お前の三つ編み コレットらしくて」と。「気合いを入れるのはいいが他の男の目にとまったらお前は上手くあしらえるのか?」「止まりませんよ私なんて」というコレットに「お前のそういうところが心配なのだ」
まあコレットは神様キラーでもあるし、リユーさんの件もあるし(4巻24-25話)ハデス様のいうことはもっともかも

(97話)本祭り。東軍はリニさんのお兄さんであるタキさんが大将。リニさんは自軍の宝刀を守る係で大奮闘。酒の席で騙されて誤情報を流したディオニュソス様のせいで最初劣勢になった東軍だが、ディオニュソス様の大奮闘で敵軍の宝刀を取って、途中からスズリさんも座ったまま参加した女性陣のフェイク宝刀を使った頭脳戦で撹乱し、最期はコレットの猪のような走りでゴール。最初宝刀を受け取ったヘルメス様の、「ぼくが走ると2秒で着いちゃう」って、ヘルメス様は天を駆ける神だしね。

(98話)そしてその夜中に、スズリさんは逝った。翌日は埋葬。もやもやとした気持ちを抱えたまま夜冥府に行くと、おしゃれな天灯を囲んでみんな盛り上がっていた。カロンとお祭りの話をして、一瞬言葉に詰まるコレットを見て、「疲れているなら無理に笑わんでもよい」と、お茶を入れてくれるハデス様。シェフガイコツの作ったクッキーは、コレットに対抗するかのように、コレットがあえてつくらなかったハデス様の顔とハデスさま♡という文字クッキー。自然と笑顔になるコレット。ハデス様に寄りかかって癒やされるひととき。
スズリさんは死後裁判にいっただろうからハデス様は何があったのかもう知っているかも。もっとも裁判が立て込んでいればすぐ行くわけじゃないのかな。薬師は人の生死にかかわるわけで、自分の行く末を考えて複雑になることも多いわけだけど、だんだんそういった場面が多くなって切なくなる。まあ冥王様とつきあっていればそういう自体に会うことはこれからもあるだろうけど。

最後は今までの流れから行っても、絶対にハッピーエンドだと予想しているけど、どう着地するのかなあ。

(コツメ君日記2)コツメ君最高。癒やされる。ハデス様が自分の影を操るのは、今までヘラクレスを撃退するときとか、牢屋の影を脅かすときとかだったけど、ここではカロンとコツメ君の遊びにつきあってくれてお茶目。
クロノス様、コツメ君とけっこう気があうみたい。
天界にいっちゃったコツメ君、ハデス様のお姉さんヘスティア様のクッションに落ちてよかったね。いつヘスティア様のところに遊びに行く約束を果たせるのかな。


2021年4月14日水曜日

コレットは死ぬことにした15

(87話)ゼウス様全力の雷落としで地上は大雨続き。避難所の診療所で助っ人をするコレット。避難所のご飯作りを手伝うディオニュソス様。そこになにやらキラキラした女性が避難。ディオニュソス様をぶどうちゃん♡と呼ぶその人は愛の女神アフロディーテ様。ナンパしてくる男を軽くいなす。冥府行ってハデス様とデートしたいというアフロディーテ様を引き留める為に、コレットは自分とデートしませんかと誘う。

冥府の裁判休業中のため舟も止まって溜まった死者の影を鎮めるカロン。言うことを聞かない横柄な影を、ケルベロスに鎮めさせるハデス様。

(88話)アフロディーティ様はコレットにマッサージしてもらってご機嫌。

冥府では2日間寝ていたミノスが目覚める。ラダマンテュスとミノスとアイアコスを冥府の裁判官に任じて、ハデス様は水鏡なしに裁判を再開するという。「お前達は私に生き様を見せつけて見せろ」と。って3人とも死んでいるわけだけど、生きている間地上の裁判官だったからその判断力を使って見ろということかな。

数を600数えるあいだ舟を接岸せずに待たせると、死者の性格がカロンに見えてくる。それと統計と(これよくわからないけど、こういう話にはこういう裏があることが多いという経験か?)嘘を嗅ぎつけるケルベロスの能力と、総力で裁判を進める。

(89話)ルンルンと名乗って避難所で恋愛相談を始めたアフロディーテ様は大人気。そこに丘の上の貿易商のお屋敷の奥様が避難所へ。偶然途中で出会って奥様を連れてきた旅人の男性が、奥様にピアスを落としたのではというと顔色が変わる。男性とコレットも雨の中を飛び出して無事見つけるが、よく見ると男性の指輪もピアスと似ている。同じ工房の作品で同じ飾りは2つとないという。ピアスを返しながら「旦那さんからのメッセージなんですかね?」というコレットに、顔が険しくなる奥様。更に右腕をかばい気味で半袖を出したら拒まれたという診療所の先生に、違和感を感じるコレット。昔こういう事があってユリア姉ちゃんが(DVを)気がついたと。ところがアフロディーテ様は女性を強引に女性部屋に連れて行って、コレットに「旅人さんを入口のカーテンの裏にでも立たせて頂戴♡助けたいんでしょう?」と。まあ愛のもつれには詳しいよね、愛の女神様。アフロディーテ様は自分が浮気したときに、オタクな夫の策略で真っ裸で木に吊された話から、これは自分の浮気が原因だから別にいいけれど、彼の一方的な暴力だったら私は断固抵抗する、と。奥様に、そのピアスはあなたを逃がさないための暴力ではと、突然切り込む。ぶたれたことはある?と。暴力の跡に同情する避難所の女性陣。でも奥様は夫の家がお金を負担してくれて自分の家は助かったから自分は感謝しなければならない、子どもが出来ないのは自分のせいだと言われる、これもきっと夫婦の形なんだと。女性陣は反対するが、その家より立場の強い家がなくて躊躇う。そこにコレットと一緒にカーテン越しに話を聞いていた旅人さんが「そんな悲しいことのために私達はそのピアスを作ったわけじゃない」という。実は旅人さんはピアスをつくった工房の人間で、奥様の夫や親族に「負担した金を払ってやるからあなたを自由にしろ」という。落ち合った旅人さんの父親一行も、賛成して、金の心配はいい。なんならうちで働くかということで一件落着。

確かにギリシア神話でアフロディーテ様はヘファイストス様とは結婚したくないのに結婚させられて、アレス様と浮気したら真っ裸で吊されてさらし者になる。

(90話)冥府ではハデス様とミノス、ラダマンテュス、アイアコスの4人で順調に死後裁判をこなしていく。悪人ではないけれど、市井の人達のごくありふれた無自覚な悪意に心を削られる新任裁判官3人。言葉も話せないくらい幼い子どもが死後裁判に来て、疲労感マックス。ハデス様は休廷にしてアスポデロスへ。3人もついていく。アスポデロスの影達と話したりハデス様が影達に声をかけている様子を見て、自分たちはちゃんと冥府の裁判官をできてるのかなあと自問する。そこに完成した水鏡をヘルメス様が届けにきたので、裁判所に運びこんだと。ところが設置したら水面が消えて真っ黒に。次の瞬間、自分たちの壊してしまったのではと心配するガイコツや、ゼウス様がちゃんとつくれたのかと疑うカロンや、自分たちは冥府の裁判官っていえるのかなどと自問する3人の裁判官の心の声が聞こえてくる。ハデス様の心の声は「もし冥府に家来が増えたなら大事にしてやりたいと思ったことを否定したくない」そして再び鏡は静まりかえった。「死者に嘆き傷つき労るるお前達は私が求める裁判官である」というハデス様に、これからもずっと冥府の神についていくと決意する3人。

実際ギリシア神話の冥府にはハデス以外にミノス、ラダマンテュス、アイアコスの裁判官がいた、というかどちらかというと3人で大部分の裁判をこなしていたようだけど、こういう事件にしたてあげてくれた作者の想像力に感服。

ハデス様の人間の人生への考え方がわかってなかなか興味深かった。悪人ではないけど善意の迷惑をかけっぱなしの人間ってかなりいるから、このいいわけを聞きつづけるのは、それはそれですごくくたびれそう。仏教の閻魔大王にしてもそうだけど、生きている間にやったことの罰や褒美としての死後の生活なので、再び魂が地上に戻っていた後どうなるかとはかかわりがないのだろうなあ。まあまっさらになったらよりよい人間になる可能性もあるからいいのか。あとギリシア神話で天国行きではないけど、罪を犯したわけでもない人達がいくところは「牢屋」ではないと思う。広い平地で他にも大勢いるとハデス様も言っているがこの「牢屋」という名称がおかしいと思う。

(91話)ゼウス様の仕事が終わって地上も晴れ。アフロディーテ様は帰る前コレットに「コレットが私をデートに誘ったのって私を黒髪ちゃんに会わせたくなかったからでしょう」と図星を。「好きな男を取られたくないなんて当然よう そーゆー本能私好きよ♡」とも。勇気を出して好きな人に何をしたら喜んでもらえますか?と恋愛相談を持ちかけたコレットに過激なアドヴァイスを次々だすアフロディーテ様。過激すぎてとてもできないけれど最期のオプションは・・・アフロディーテ様ってどちらかというと性愛の神様。コレットには過激すぎたのでは。ディオニュソス様はアフロディーテ様を天界に送っていく羽目になったのでコレットは一人で冥府へ。

くたびれて帰ってきたハデス様、エリュシオンと冥府を繋ぐ道をヘルメスに作ってもらうのと宮殿に3人の裁判官とクロノス様の部屋もつくるという。ということはクロノス様と同居することになる。嫌そうな顔のハデス様。食後お風呂の後コレットが閨に行ってみると、珍しくハデス様は寝ている。アフロディーテ様からの課題、「自分からキスする」は、寝ていると効果ないかなと思いながらハデス様にキスするコレット。ところが起きてしまったハデス様、大喜びでコレットにキスの雨が止まらなくなって・・・

(92話)コレットに「だめ」と言われて朝まで一緒に過ごすことで満足するハデス様。翌朝コレットが目が覚めるとハデス様はもう裁判に行った後。ハデス様に「コレットが中で寝ているからそのままにしておいてくれ」といわれて、頭が落ちた秘書ガイコツ。今日はディオニュソス様は天界に用事があって来られないとの伝言がきたということで、冥府で一日休暇になったコレットは、クロノス様のお供でコツメ君と一緒にエリュシオンへ。ラダマンテュス様達との出会いや花冠のいきさつを聞いて親しくなる。

アフロディーテ様は美少年アドニスをペルセポネと争って奪うけど、スピンオフで描いてもらえないかな。コレットに今度出張マッサージに来てというのは再会の伏線かな。でもアフロディーテ様の語る愛、いってることよくわからない。


2021年4月13日火曜日

コレットは死ぬことにした14

 (81話)冥府でのお泊まり休暇も終わって、ヘルメス様は何やら用事があるらしいのでディオニュソス様と二人で旅を再会したコレット。やっと恋人になったばかりなのに地上に戻るコレットにハデス様は寂しそう。ヘラクレスと泊まった町までくるとお祭りをやっている。なにやら人が集まっているところに言ってみると、なんと黒髪くせ毛のハデス様似のあかちゃんが。かわいいけど何で似てるのか、まさか隠し子・・・と複雑な気分のコレット。おりしも昔話語りが始まり、神々の最初の王ウラノスがその子どもクロノスに討たれたが、クロノスは次はお前が子に討たれるだろうという予言をうけたためヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドンを呑み込んだが、免れたゼウスが兄弟を救い出し、兄弟力を合わせてクロノスら巨人族と戦い倒したと。後半は知っている神様が次々出てきてコレットもディオニュソス様も不思議な気分。ふと気がつくと赤ちゃんがいない。探し回るとなんと路地で空に浮かんでいた。自分が話に出てきたクロノスだという。一方クロノス様が追放された流浪する浮島エリュシオンでは、ヘルメス様が呼ばれてラダマンテュスからクロノス様の脱走を相談されて、探しに地上に赴く。
(82話)地上で人間の前で空を飛ぶと大事件になるので、ディオニュソス様につかまったクロノス様が大騒ぎをしているところへ、ヘルメス様到着。とりあえず自分が町の人をごまかすから(何しろゼウス様の尻拭いのプロ)ひとまず冥府へ行っててということで、コレットとディオニュソス様はクロノス様を連れて井戸に飛び込み冥府へ。ちっちゃなハデス様ならぬクロノス様を見たシェフガイコツと掃除ガイコツたちは感激してプリンでもてなす。ハリーはよだれかけを汚したクロノス様のために超特急で新しいよだれかけをつくりあげる。
 裁判から呼ばれて戻ってきたハデス様とクロノス様の間には、数百年ぶり?に会うのに冷たい会話が。「わしの子らの中でお前が一番わしに似ている。となるともしや本性も?」そこにヘルメス様がエリュシオンからラダマンテュスを連れて、秘書ガイコツに案内されてやってきて、ラダマンテュスが花冠をあげると素直に帰って行く。その夜はディオニュソス様も冥府に泊まっていく。

巨神族のはずのクロノス様、こんな愛らしい姿ででてくるとは何という設定!複雑な気分のハデス様を慰めるコレットの「神様は大体皆偉そうだし無茶苦茶です!」ってこの漫画に限らずギリシア神話を聞くとほんとうにそう思う。今回は冥府の危機で、動揺するハデス様を見守るコレット。「私もハデス様も出会った頃の自分とちょっと違うでしょう」ってほんとうに二人とも14巻の間にずいぶん変わった。


(83話)一人だけ(コツメ君もだけど)クロノス様に会えなかったことを嘆く風呂ガイコツ。ところが翌日もプリンを食べにクロノス様が冥府に来る。ハデス様は無視して裁判に、コレットとディオニュソス様は旅の続き。
ディオニュソス様、冥府ともハデス様とも普通に馴染んでいる。
クロノス様に、ハデス様や冥府に好印象をもってもらおうと必死のシェフと風呂ガイコツ。冥府を案内中にアポロン様の種に水をやるコツメ君とも遭遇。農耕神のクロノス様に種は死んでいると言われる。アスポデロスのザクロのみ芽がでたという話を聞いて、見たいというクロノス様を止める。お昼寝中のクロノス様を置いてラダマンテュスを案内している間にクロノス様は行方不明に。昼休憩に戻ってきたハデス様と一行はアスポデロスへ探しに行く。ザクロの木の元気がないとハデス様に報告する影達。クロノス様は気合いで復活させたあと、「家来は王の宝 王の鏡 お前は家来に恵まれたなハデス どうやらお前はそこそこできる男のようじゃ それでこそわしの息子よ」とハデス様にいう。「父があんな風に言うとは思わなかった 丁重にもてなしてくれ」とガイコツにいうハデス様。

さてザクロは元気になったようだし、いつ働いてくれるのかな。いやその前にいつ実をつけてくれるのかな。

(84話)今日の旅を終えてコレットとヘルメス様とディオニュソス様が冥府に戻るとガイコツやラダマンテュスを相手に大演説中のクロノス様。コツメ君からザクロの木と親子関係の進展の話を聞いて喜ぶコレット。ヘルメス様から「ハデス様、ラダマンテュス達を部下にしてみては?裁判官として」との提案。現在エリュシオンにいるミノス、ラダマンテュス、アイアコスの3人は人間だった時代に法律を作っていたし適役だという。ヘルメス様が、クロノス様とラダマンテュスを送っていった後、考え込むハデス様。翌朝コレットとディオニュソス様が本日の旅にでかけるときに、会ってみることにしたという。かつて偉大な王であったミノスはちょっと不遜、アイギナ島の王であったアイアコスは緊張気味。ラダマンテュスと3人で死後裁判を見学する。殺人犯が自分の国の出身で、冥府に来ても不遜なようすをみて激高したミノスは、影を殴った弾みで、真実を映し出す冥府の水鏡を壊す。

(85話)地上にいたコレットとヘルメス様とディオニュソス様は、突然の雨と大きな雷に驚く。新しい水鏡をつくってもらうために、一つ目の巨人キュクロプスのアドヴァイスに従い、地上の深い森にあるすべての素がたゆたっているガイア様の泉から雷の力で形にするために、ゼウス様に雷霆で雷を落としてもらっているところだった。何日かかかるが、ゼウス様はハデス様が頼み事なんて初めてだし、冥府を守るためにがんばるという。キュクロプロスたちはものを作り続けて、今では小さくなって力を失ったので、もう一度作れるかどうかは保証はできないという。作れない場合は、今後は自身の目で嘘を見抜かねばならない。死者の言葉に惑わされず騙されず永遠に。その覚悟をするようにとハデス様にいう。

(86話)ヘルメス様はコレットとディオニュソス様を街におくった後、事情を調べにゼウス様のところへ。二人は避難する街の人達の手伝いをしたのち、冥府でヘルメス様を待つつもりが、あの雷は冥府がらみだったとハリーから聞く。そこにミノス様が倒れてしまったから来てくれとガイコツが。薬師としてのコレットはみんな評価してる!ミノスは人間だったときに熱湯を浴びせられて死んだので、今の姿になってからも水はダメで、お風呂やお茶で暖まることはできない。ミノスがいかに偉大な王であったかをラダマンテュスは延べ、今回のことは愚行で申し訳ないと、ラダマンテュスとアイアコスが冥府のメンバーに謝る。今のこの状況は心理的なものだというので、コレットはポプリを渡す。ミノスは少し気分が落ち着いたのか眠りにつく。鏡がもしうまくできなかったら冥府はどうなるのだろうと心配するハリーに、後ろで聞いていたハデス様は「冥府は何も変わらん そのときは私の目で裁くだけだ」と腹を括って見せる。しかしコレットはその後二人になったときのハデス様の様子を見て、不安であることを察して「閨では全部吐き出して下さい 私はあなたの薬師ですから ハデス様の嘘だけは見破って見せますから」


From #80 epilogue
13巻80話天界の思い出の水仙の崖で御膳ディナーの後冥府に帰ってきて、ベッドで寝る前にいちゃいちゃする二人。
二人の初夜にしか見えないけれど、手を出さないで閨に帰っていくハデス様、コレットと結ばれるのはいつ?で翌朝は81話冒頭でほとんど裸でコレットの部屋に来て「地上で宿のあてがあっても来てほしい」となっては、ディオニュソス様に「真顔のハデス様が口説いている姿とか想像つかねー」と言われて、思い出して赤くなるのもわかる。

2021年4月12日月曜日

コレットは死ぬことにした13

 (75話)夜遅くハデス様もコレットも寝た後、宮殿から離れたところでガイコツ4人が「ついにこの日が来てしまった ハデス様とコレットが いつかはそうなるかもと思ってはいたけども」と嘆く。ハデス様の嫌がることは一切しないのが忠誠の証と何百年も尽くしてきたガイコツには、強引に閨に入って治療するコレットが衝撃的だったものね。でもハデス様の為にクッキーを焼くコレットを手伝ってくれて「お嬢さんが作ったものならハデス様は何でもお喜びになる 心配は無用じゃ」、ガイコツ、いい人だよね。辛辣なことをいってもコレットを貶しても、実はコレットのことを認めているし、コレットもわかっている。お仕事から帰ってきたハデス様をお迎えするコレットを、ガイコツに見つからない隙間に引っ張っていってキスするハデス様、まさに新婚夫婦。壁ドンはガイコツがみたらまた骨が分解しそう


突然現れたお邪魔虫ならぬヘルメス様

(76話)ヘルメス様によれば、ディオニュソス様の酒蔵の天井になにやら飛来物が穴を開けて、酒蔵の老朽化を放置していたこともあって、ワインが半分ほどだめになったので急遽増産する必要があって、コレットにはブドウ踏みの手伝いに来て欲しいという。「夜には迎えに行く」というハデス様とコレットのようすをじ~~と見つめるヘルメス様。自分がコレットを冥府にお泊まりさせた結果に満足!?

昔ワイン作りではブドウを人力で踏んでいたというのは国立科学博物館の「ワイン展」で見たことがある。疑似ふどう踏み体験コーナーは、偽物のブドウだけど、足の下の感覚が妙にリアルだった。
美しい乙女がやるものらしいけど。古代ギリシア時代はワインを水で割って飲むのが普通だったというけど、ディオニュソス様なら濃いまま飲みそう。

ワイン蔵を壊したのは、軍神アテナ様と2678回目の戦いをして2678敗して吹っ飛ばされた軍神アレス様だという。怒るディオニュソス様の気持ちもわかるけれどアレス様の手当てをするコレット。アテネ様は知恵の神でもあるからどうやったって勝てないというディオニュソス様に、それでも俺は軍神だやめるわけにはいかないというアレス様。コレットは150年仕事が無くても自分の存在意義としてデザイン画を描き続けていたハリーを思い出して話す。

ふと思ったのは,ハデス様お出かけのときは、毎回新たにハリーが作る凝った衣装を身につけるけれど、普段着って肩の出た黒い服とガウンみたいな黒い服しかみない。裁判服は制服みたいなものだから同じデザインなのはわかるけれど、普段着ももう少し凝ってもいいのでは。(いやマンガで描くのが大変だけど)

「冥王さんは俺のことをバカだといわない数少ないひとりだから一目置いている その冥王さんのお気に入りに免じてぶどう踏んでやる」とアレス様。冥王さんのお気に入りということは結構いい女と、コレットに「俺の愛人になりな!」と突然手を取るアレス様。ディオニュソス様に絞められている最中にワインをとりに来たアテナ様が登場。

(77話)アテナ様は、ニケの相談に乗ってくれた(3巻13話)お礼ということで、マーガレットの会という独身を貫く女神様だけのお茶会にコレットを招待する。ハデス様の姉ヘスティア様は優しい神様で、ハデス様の恋人に会えて大歓迎。アポロン様のふたごの姉アルテミス様は、ちょっとツンとしてコレットを会にふさわしくないと思っているようす。会はアテナ様が好きでアテナ様に会いに来た女神様ばかりで、アテナ様も皆を大切にしているようすに冥府に似ていると思うコレット。アテナ様にお菓子を口に入れてもらってドキドキ。そこへ軍神アレス様からの果たし状が。

(78話)戦場でのアテネの強さは勝利の女神のニケの力であってアテナの力ではないから、アテネ様と運試しの勝負をしたいという。ヘルメス様も登場してコレットを助手に運試し大会開催。最初のコイントスで勝って大喜びのアレス様。2戦目はコレットが「箱の中身あて」に挑戦して当てられるか否かを賭ける。"当てる"に賭けるアレス様。箱の中身はぬくい。さんざん触って悩んで手を出すと、箱の中から声が・・・「ゼウス様」で、あたりではあったが、コレットはゼウス様の声で気づいたので女神様陣から抗議が。「全てをひっくるめて私に運がなかっただけ」とアテネ様の一声でアテネ様2敗。

(79話)3戦目のお宝探しは一発で当てたアテネ様の勝ち(ってゼウス様お宝を隠した正解の箱を押さえたままですよ)4戦目は二人がカーテンの向こうに隠れてコレットがどちらを選ぶか「選ばれたのは○○」。コレットが選んだのはアテナ様。悔しがるアレス様は5戦目も同じ勝負を選ぶ。しかしこれもコレットはアテナ様を選んでしまう。もう一回というリクエストでもまたアテナ様。ということでアテナ様の勝利が決定。落ち込むコレットに、「久しぶりに面白い戦いだった 二勝はしたし大収穫だろ」というアレス様。アテナ様も「お前は私が認める唯一のライバルだからな」と。アテナ様に「願わくばまたいつか会えるといいけれど」と言われて、お別れして、ディオニュソス様の島に戻る。

ハデス様のお迎えがくる。ヘルメス様にもディオニュソス様も目に入らないハデス様は、来て40秒で出発。二人きりになれるところへ寄り道するという。残されたヘルメス様、「たぶん進展したよね」と二人が恋人になったことをディオニュソス様に伝える。

神様の女子会、かわいい。アテナ様は確かに知恵のある女性の軍神で、すごくかっこいい。美しくて、りりしくて、女が憧れる女。男に媚びない凜としたところも素敵。

(80話)シェフガイコツが用意したお弁当ならぬ御膳仕様の夕食を、思い出の黄色い水仙の島で食べる二人。今日の出来事をハデス様に話す。ハデス様によればアテナ様は見る度に貫禄が増していた気がすると。ハデス様はコレットが寝ている間に今回も加護をくれたと知って、「ハデス様は自分を惜しまなすぎです」というコレットに、薬師として呼ばれたわけではないのに薬箱を持っていったコレットに、「惜しまないのはお前も同じだ」、と。「コレットだから加護を与えるのだ」と。ハデス様の膝抱っこで、「ハデス様大好き」と言われて、とうとう安心できる寝床ではなく(5巻32話)男としてみてもらえるようになったと感慨深いハデス様。

思い出の水仙の咲く絶壁で、コレットとデートするハデス様、ロマンチック。「男の私」と嬉しそうな割には、その後もなかなか手を出さないんだ。

その頃エリュシオンがオリンポスに近づきつつあった。


2021年4月11日日曜日

コレットは死ぬことにした12

通常版

(69話)死後裁判をしながらコレットがいつかここへ来る日を思うハデス様。「何者でもないくせに側に置いているのか 案外ずるいな」というポセイドン様の皮肉を思い出す。って、ポセイドン様は愛人一杯いたでしょう!メドゥーサとか!!人のことをいえないと思うが。これ以上進んでコレットと愛し合うと、いずれくるコレットの死とそのあとアスポデロスで自分のことを忘れていくのを見ていなければならないのが辛い。

地上ではコレットとイオさん(ディオニュソス様)とエルさん(ヘルメス様)は、薬師が一人しかいなくて手が回っていない村に来る。ヨノト先生は青服のコレットを見るなり「あとはよろしく」といって倒れる。ササラちゃんという柊ちゃん似の美少女が家からご飯を運んでヨノト先生の世話をしている。コレットがヨノト先生に代わって診察しているのを見て「薬師って女の子もいるんだね」と。隊商と一緒に明日の朝旅立つはずだったけれど、コレットはしばらく滞在して、この診療所を立て直すことにする。イオさんとエルさんも協力してくれる。冥府にはしばらくいけないかもしれない。ハデス様のことどうしたらいいかまだわからないけれど好きな人に胸を張れる仕事をする。そういう薬師でありたいから、目の前の仕事を頑張ると心に誓うコレット。

(70話)失敗作を多産しながら包帯をつくるイオさん、棚の整理をするエルさん。「薬師じゃなきゃ作れないわけじゃないし 手伝いたいから手伝ってんの」というイオさんになにか考え込むササラ。男の子は家業、女の子は家事を覚えて嫁ぐのがあたりまえの集落で、往診に行くと女の子の薬師は驚かれるし、いつお嫁に行くの?女の子が体冷やしちゃ大変よと心配されながらも、受け入れてもらえるコレット。ヨノト先生自身は他所から住み着いた遍歴医で息子は亡くなっている。「”昔から皆がそうしてきたこと”って中々変わらないんだ」という。自分の故郷が健在だったらきっと自分もこの村の人達と同じように生きてきたとコレットは思う。そう思うと薬師になりたいといってきたセラとポーラとそれを許したご両親もチャレンジャーでありがたいとも改めて思う。包帯の作り置きが欲しいと話していると「私が作る」というササラちゃん。ササラを気負わせてしまったのなら自分は望まないというヨノト先生に、「イオさん達を見て手伝ったらいいんだって コレットさんみたいに女の子もいるんだって 初めて知った 先生もみんなもなんかかっこういいなって思った」と。

しかしササラちゃんはご機嫌の悪い患者さんに自分で作ったポプリを渡したら「手伝い?はあ?ままごとかよ」と言われて落ち込む。その後コレットに言われて診療所でぐずり始めた子どもにもポプリを渡すと、お母さんと一緒に翌日子どもがお礼を言いに来る。気を取り直したササラちゃんはヨノト先生とコレットさんに「私は薬師になれますか?」と「嬉しかったからそして悔しかったから目指してみようかなって。」更にコレットはささらちゃんに「私もコレットさんみたいになれるかな 雨の中を青空のスカートでまっすく前を見て歩くコレットさんみたいに私きっとあのときもう憧れていたのかもしれない だから私コレットさんみたいな薬師になりたい 青空みたいな薬師になるね」言われる。

あなたみたいになりたいと最高の褒め言葉をもらったコレット!以前ハデス様がくれた「病に伏す者にとって彼女とその青い服は晴れ空のようだ(4巻25話)」と並ぶ褒め言葉。

(72話)ササラちゃんが薬師に弟子入りするにあたって、「彼女だけに村を背負わせたくはありません ササラには将来家族を持ったり他所の街や村へ行く自由もある この村のことは皆で考えねばならんのです」と村人を説得するヨノト先生。ヨノト先生が具合悪かったり、女の子でも薬師になれることも村人の心に響いた。もう一人薬師希望の男の子も現れて、この村はもう大丈夫だからと、コレット達は出発することにした。自分にとっての先生がササラちゃんにとっての自分で、いつかササラちゃんにも誰かが続いて薬師が繋がったら・・と以前マリー姉ちゃんに聞かれたとき答えられなかった自分の野望(11巻67話)を見つけたコレット。診療所が当たり前にあって次を任せる人が当たり前にいる。どんな場所でもそれが普通になるようにしたい。どんな場所でもというところまでコレットがやりたいなら、人の一生では足りないかも。

ヘルメス様の鷹が伝言に来て、ヘルメス様とディオニュソス様は天界に呼ばれてしまう。コレットは、ヘルメス様が冥府に連れて行ってガイコツにしばらく泊めてあげるように頼んでくれる。ヘルメス様、異世界への道もつくれるのね。ならばいずれコレットに冥府と地上をもっと簡単に行き来できるようにしてあげたら?結婚祝いとかで。ガイコツにお風呂に放り込まれてベッドの掛け布団の上で寝てしまったコレット。ハデス様が来た気配を夢の中で感じて、無言のまま抱きしめられる。抱きしめられたのはハデス様が掛け布団の代わりに自分の布をコレットにかけたからだと思うけど、頬に手の感触があったのはハデス様が触ったからよね。昔からけっこうハデス様コレットの頬や髪を触るから。目が覚めるとハデス様の布がかかっていてベッドで一人。ガイコツがご飯をおいていてくれた。誰もいない台所で後片付けしてハデス様の閨をのぞくとカーテン越しに読書中のハデス様が見える。邪魔になるから帰ろうかと思ったところで気配を感じたハデス様に「誰かいるのか」と。カーテンを開けたハデス様がコレットに気が付き「おいで」


(73話)ハデス様にヨノト先生の村やササラちゃんのこと、薬師を繋ぐ野望など話す。ハデス様はコツメ君と風呂に入った話(特装版のコツメ君日記)をする。夢の中でハデス様が現れてほっぺに手があたった感覚とかすごくあってというと、どうやら夢では無かったらしい。じゃあその後のあれ(ハデス様に抱きしめられたのは)とつい言うがそれは夢で、恥ずかしくなったコレットは帰ろうとするが、閨にきた目的の、ハデス様がかけてくれた布を返しに戻る。が、ハデス様の匂いのする布を返すのが惜しくなって「やっぱりこれ借りててもいいですか」と布に顔を寄せるコレットに「内心喜んでいる自分がまぬけだ 一線を越える勇気もないくせに」と心の中で思うハデス様。コレットがハデス様の身につけていた物を抱きしめて返したくないというのを喜ぶのはまぬけなんかいな・・素直に嬉しいと思わないのか。”執事黒星は傅かない”の黒星なら悶えていそうなのに。更に「青服を青空みたいって 最初に言ってくれたのはハデス様ですよね だから余計に嬉しかったんです 薬師への最高の褒め言葉」「夢で言わなくてよかった ほんとのハデス様がいいもん」とのことばにハートを打ち抜かれたようにコレットを見つめるハデス様。脳裏にリューさんのプロポーズからコレットを助け出したときに思ったこと(4巻25話)、ディオニュソス様の「コレットに惚れてんですか?」という言葉(5巻27話)とディオニュソス様の宴会の後、水仙の咲く断崖で「おまえが好きだ」とつぶやいたこと(5巻32話)、「何者でもないくせに側に置いているのか」というポセイドン様の言葉(9巻56話)、裁判中にいつかはお前もと思ったこと(12巻69話)などが次々に浮かぶ。そしてもう一度「ハデス様がいいもん」というコレットの言葉を反芻してとうとうハデス様の愛の告白。「私はお前が好きだ いつかお前が私を忘れる日が来ても構わない やっと腹をくくった」と「愛しているコレット」
そしてコレットも「わたしもハデス様が好きです 大好きです」とずっといいたかったことをやっと告げる。


マンガParkでポイントを貯めて無料で読んでいて、どうしても手元に置きたくなってRENTA!で電子本を借りたいと思ったのが、この12巻!もっと先まで無料で読み進めていたけれど、まずはこの12巻から借りてしまった。ハデス様とコレットのLOVEがなかなか進展しないけれど、真面目なもの同士が、障害のある恋を進める過程としてはその方が現実的だと思う。だからとうとうハデス様が告白する73話はシリーズ中最高!この歳になって感動しても一緒に分かち合える同胞がいないのが残念。美しい絵で何度も読み返してしまう。ハデス様は5巻の32話で、酔いに任せてコレットを抱きしめたときに寝ているコレットに「おまえが好きだ」と既に自覚してるし、その他にも寝ぼけたときとか(6巻37話)加護の反動で弱っているとき(8巻48話)とか思わずコレットを抱きしめたり、海辺で口づけ未遂したり(9巻55-56話)、コレットも10巻59話で「いつのまにか私はあなたに恋していたのね」と気がついてからも、メンテちゃんにハデス様を占領されたり(10巻62話)、告白し損ねたり(11巻66話)、やっと12巻で晴れて恋人になるまで長い道のりだった。腹をくくって吹っ切れてからのハデス様は積極的だから、これからもいろいろあるけどコレットには薬師を継ぐ夢を果たしながら、冥府の妃としてハッピーエンドになるといいなあ。ハデス様告白したばかりなのに「一緒に寝るか?」ってなんという天然。あと、ハデス様、ストレートな告白ではあるけど、それじゃ独り言です。まあここまできたら絶対コレットは拒否しないと確信はあっただろうけど。

ヘルメス様は、告白のきっかけになった今回のコレットの冥府へのお泊まりや、以前ギクシャクしていたときにハデス様似のネコの人形を届けてくれたり(10巻58話)と、けっこう重要な後押し。

(74話)ハデス様はディオニュソス様の宴会からずっと、コレットはマリー姉ちゃんとこでハデス様が手紙を届けに来てくれたあの夜から、好きだったと。「そろそろ寝ないと」(何しろハデス様は夜明けに起きて仕事にいく)というコレットに「ん 一緒に寝るか」と天然なハデス様。確かにこの流れなら単純に離したくないからとは思うけど。ハデス様に好きって言ってもらえて頭を掻きむしるコレット。翌朝起きたらアフロヘアになっていた。コレットは超ロングヘアだから髪の自重でこうならないと思うが・・起きたらハデス様はもう裁判に行った後で、お風呂ガイコツが朝食の世話をしてくれる。ハリーとお風呂掃除を手伝うコレットは、掃除終了後、ハデス様に告白を勧めたり相談に乗ってくれてたハリーに昨夜のことを話す。喜びのあまり頭がはずれて落ちるハリー。騒ぎを聞きつけてきたお風呂ガイコツにハリーが話すが、スゥーと大きな息をしただけで反応が無かった。ハリーはコレットをお風呂に入れてアフロヘアを直して「今夜はハデス様とキッス♡」とキスしたくなるような服選びをあれこれ考える。意識してしまったコレットはハデス様の前でどきどきして浮かれて落ち着かないがハデス様はいつもと変わらないようにみえる。でも閨ではお風呂上がりに裸のままコレットを抱きしめて「許せ 私は浮かれているのだ」と「全然見えない」「こういう顔だからな」(クールなハンサムは浮かれていてもクールにしか見えないと言うことか ハデス様前にもコツメ君訓練中に王様として一線を引いて威厳のある厳しい顔をしているのをコレットに「損な役回りですね」といわれて「構わんもともとこういう顔だ」と返していたっけ。9巻52話)コレットにキスするハデス様。嬉しかったコレットだけど、ハデス様はそのまま止まらなくなってコレットを押し倒してディープキスを。思わずコレットは「もうだめーっ」

「コツメ君日記」
コツメ君とハデス様が一緒にお風呂に入る話が特に好き

そういえば73話の告白の夜の会話で、コレットも前に冥府に泊まった時コツメ君とお風呂に入ったと言ったとき、ハデス様、妙に無表情だったけど、どういう状況を想像したのだろう。


2021年4月10日土曜日

コレットは死ぬことにした11

(63話)具合の悪いメンテちゃんを、そもそもの制作元アポロン様に見てもらいにコレットとハデス様は天界へ。びっくりするアポロン様は、柊ちゃんにも怒られる。柊ちゃんと話すコレットの所へ来て「わたちもちゃんとニンフになりたかったなーそしたらコレットさんみたいにはですちゃまとずーっといっしょにいられるのに いーなあ」といって倒れる。追加の栄養剤は効かなかったようで、鉢のミントも茎がちぎれている。アポロン様「ごめんよ力になれなくて」と。ミントちゃんが自分の鉢はアスポデロスにおいて欲しいというので、ガイコツやカロンやコツメ君も一緒にアスポデロスへいくと、メンテちゃんは「めいふに生まれてよかった」と言葉を残して消える。ミントには新芽が出ている。

コレットはハデス様に「いずれ埋め合わせする 凍土探検」という言葉は嬉しいけれど、メンテちゃんの言葉を思い出して「”ずっと”は私にもないんだよね」と思う。

ギリシア神話の神様にしては珍しく真面目なハデス様唯一の浮気相手メンテちゃん登場、儚い存在としてさらっと扱ってくれたところが、ザ少女漫画!

(64話)冥府にてガイコツ2人が休憩中に会話。ハデス様が冥府に降臨したときはすでに今の姿だったけれど、針子作のハデス様ぬいぐるみを手に幼少時から青年に成長するまでのハデス様の妄想をする。コレットが往診にやってきて、認めたくはないがハデス様がコレットを気にいっていらっしゃるのはもうおそらく事実と思う。しかしメンテちゃんが消えてハデス様は気落ちしてないって・・・ではコレットを妬かせるほどのあの執着はなんだったの。新芽が出たからいいの??

(65話)アスポデロスにザクロの木の芽が出た。昨日アポロン様を問いつめて、他の種は綿毛がアザミで球根がガランサスだと言われたという。ミントも元気に育っている。アスポデロスでコレットの姿を見て知っているような気がするという二人の影が。お話ししたら思い出せるかもと行こうとする二人を止めるアンノ先生の影。「私達はここの住人であのこはそうじゃない だから知り合ってはいけないのです あのこのことは遠くからそっと見て遠くからしあわせを願うくらいがきっといいのです」という。二人ともがっかりするがハデス様と嬉しそうに話すコレットを見て「思い出せないあのこが幸せになりますように 笑顔がとっても可愛かった小さなあのこがずっと笑っていられますように」と去って行く。コツメ君にここにきっといるおとうさんとおかあさんに会いたくならないのかなって言われたコレット、「会いたいとは思わないな ここで二人でゆっくり休んでくれたらいいなって そう願うくらいがきっといいんだと思う だから(お父さんもお母さんも先生も)探さないし会わないよ」と。聞いていたハデス様は「そう思えているのならよかった」と心の中で思う。「凍土探検に今から行くか」とコレットにいう。楽しそうなコレットに、よかったねと見守るコレットのお父さんとお母さんの影。

縁があって冥府に出入りするようになったコレットのけじめがすがすがしい。そうでないとハデス様を困らせてしまうしね。師のアンノさんは、唯一の例外だけど、コレットにとっては父や母よりも大きな存在だったのでしょうね。暮らした時期もアンノさんの診療所の方が故郷の集落よりも長かったわけだし。ただ、いずれ全て忘れていくこの死生観、天国があっても諸行無常ですか。悲しいなあ。

(66話)再びカロンに送ってもらって凍土探検の続き。ハリーはこの間とは違う新しい上着もつくってくれた。今度は鍾乳石のように氷が連なる森へ。二人でお茶をするのが楽しいコレットに見とれるハデス様。コレットの視線に気が付き「みているだけ」と。これは告白して恋人同士になった後でないと返事に困るよ~~ハデス様


お茶セットと共に「ハデス様に告白なぞしてみては?」とのハリーのメモを見つけたコレットは動揺。ハリーそれはやはりハデス様からでないと・・・まあハリーとしては主に向かってアドヴァイスなどできないか。行きにコレットに実況中継をしてくれと言われてネタバレしそうになって非難されたハデス様「帰路につく我々は新たな野望を胸にする 次はどこへ行こうかと」その言葉に嬉しくなったコレットは思わず告白しようとするが、そこに迎えのカロンの声。でも失敗したことにちょっとほっとしているコレット。まあ男女どちらからでもいいけど、神様と人間という立場を考えるとハデス様から言われないとコレットの立場が・・・

(67話)イタン兄ちゃんがいつ帰ってきてもいいという覚悟が出来たマリー姉ちゃん、コレットを引き留めるのも終わりという。つきまとうヘルメス様のいないうちにと、ディオニュソス様に急かされてすぐ出発。マリー姉ちゃんの野望はのれん分け。コレットはセラとポーラが一人前になったらどうしようとぼんやり考える。

一緒に行動している隊商の立ち寄り先はコルネくん(5巻27話)の街。もう去ってから5,6年になるというディオニュソス様が、コルネが元気か見てきて欲しいというので、コレットは一人で街に入る。聞いたとおりの場所でコルネくんに出会えて、イオさんから聞いて・・・と話し始めると一家総出で話を聞きに集まる。イオさんは大人気だったらしい。イオさんとは治療したきり会ってないとコレットは嘘をつく。なんとかディオニュソス様にも成長したコルネくんを見せてあげたいと、、入口まで送ってくれたコルネくんを街の外にまで連れ出し、空を指差して大きな声を出して近くで隠れているディオニュソス様が気がつくようにする。喜んでくれたディオニュソス様だけど、自分とハデス様にも、ディオニュソス様とコルネくんのような見えない壁があるのだと改めて思う。だから告白失敗したことをほっとしたのかなと。

(68話)置いて行かれたヘルメス様は、ディオニュソス様の居場所を補足したものの、コルネくんを見て泣いているディオニュソス様を見て、アポロン様のところへとりあえず宅配の配達の仕事に戻って、アポロン様と柊ちゃんに昔の話をする。ゼウス様と人間の間の子どもであるディオニュソス様はヘラ様の怒りをかって、小さい頃から幾度も瀕死の目に遭ってきたが、ヘルメス様が世話をしてアポロン様が治してきた。ヘルメス様がコレット達と合流するため去った後、アポロン様は「あれは究極の過保護」だとつぶやく。

巻末に時々ついてくるハデス様とフリスビー編のハデス様おちゃめ。大きな1mの特注フリスビー(9巻巻末で注文して10巻巻末で届いたのになかなか使えない)で、大犬のときの3つの頭を持つケルベロスと遊べば地響きが冥府に響き、お腹が空いて3匹の子犬になったときのケル・ベロ・スーとはラブリーわんわん♡フリスビー(7巻巻末)で更に遊ぶ。



2021年4月9日金曜日

コレットは死ぬことにした10

通常版/ドラマCD付き初回限定版 この表紙好きなんだけど、さすがに電子版にはない

(57話)ハデス様のキス寸止めに戸惑うコレット。飲み会は楽しかったけれどハデス様とは気まずいままだった。翌朝なんと滞在している診療所にデュオニュソス様とヘルメス様が来ていて、コレットの旅が面白そうだからついていくという。ヘルメス様は旅人の神なので、一緒にいると絶対に危ないことがないらしい。3人でマリー姉ちゃんの診療所に向けて旅をする。喧嘩しながら仲の良い二人を見て、ハデス様にも友達的な神様はいるのかなと思ったところで、コレットの頭に昨夜のキス寸止めが蘇る。森の中でヘルメス様が水を汲みに行ったのも気がつかない上の空のコレットに「ハデス様も罪作りだね あんな寸止めしてコレットを悩ますなんてさ」というディュオニュソス様に飛び上がるコレット。ハデス様と解決してなかったら何か役に立てるかなって来てみたという。ディオニュソス様はハデス様がコレットがほんとうに好きなために進めないことを理解する。コレットもまだひよっこ過ぎてハデス様への想いを自覚してないことも。デュオニュソス様相談に乗るために来てくれてやさしい。ハデス様とキス未遂だったけどキスするのはいやじゃないとわかっただけ少しコレットも自分の気持ちを見つめられるようになった。

(58話)一方ハデス様も今までの(コレットとの関係の)全てを壊してしまっただろうかと冥府で仕事の合間に思う。コレットはキスは嫌じゃなかったってわかったけど、わかったらわかったで恥ずかしいくてハデス様とフツーに話せる気がしないと思う。昨日のように顔をそらすといよいよ気まずいし。無事マリー姉ちゃんのところに帰ると、マリー姉ちゃんが、先日コレットが届けてくれたイタン兄ちゃんからの手紙に「結婚しよう」と書いてあったと告げる。照れくさいという姉ちゃんに、自分のハデス様への気持ちを重ねて、手紙だったら書けるかなというコレット。街に出たときにハデス様似の黒猫の置物を買って、冥府に宅配の配達に行くというヘルメス様に、手紙と共にハデス様に届けてもらう。この猫も好き。

やはり今日は来なかったけれど、壊してしまってはいないと思っていいだろうかと思うハデス様。

ヘルメス様もハデス様へのプレゼントと手紙を届けてくれてやさしい。

(59話)コレットに友達が出来てよかったというマリー姉ちゃん。そういえばここにいたときには、無力さや理不尽に泣かないように、自分の力で生きていけるように、早く一人前の薬師になる以外眼中になくて、街に友達もいなかった。コレットの頭にあるのは6歳の時流行病で全滅してすべてを失った故郷。「でも雰囲気変わった 私が知らない間にたくさんいい出会いがあったのね。」とマリー姉ちゃんは言う。夜一人縁側でハデス様との出会いを思い返すコレット。そこにコツメ君がハデス様からの手紙を持ってくる。「コレットへ 黒猫の人形受け取った」事実しか書いてない1行手紙だったけどコツメ君からハデス様がお人形大事にしていると聞いて喜ぶ。寝室でハデス様に会いたいと思いが募ったところでふと感じた気配にもう一度縁側を開けてみると、ハデス様が。コツメ君が手紙の2枚目を忘れていったと、届けに来ていた。ハデス様いつのまにかわたしはあなたに恋してたのね と自覚するコレット。手紙の2枚目を忘れる、ちょっと抜けたコツメ君かわいい。

(60話)手紙の2枚は「家来達に見せたら似ていると言われた 大事にする」と。アポロンからバイオ研究で特殊培養した種が送られてきたという。ハデス様も家来も植物には疎いというので、翌日コレットは冥府に行く約束をする。アポロン様からは種と共に特殊栄養剤も送られてきた。コレットが種を植えたあとの鉢をじーっと見つめるハデス様。余った種はアスポデロスにも植える。

ハデス様に恋していたとコレットは59話でやっと自覚。とはいえ、ハデス様がどうして突然キスしようとして、ギリギリで思いとどまったかは考えないのね。ガイコツもカロンもずっと前からハデス様の気持ちに気がついているのに。人間を好きになって辛い思いをしているディオニュソス様はその点、察しがいい。

(61話)翌日冥府に行くと今夜もハデス様は鉢を見つめている。水仙はないのだろうかというハデス様に、前に白い水仙を摘んできて熱のあるハデス様にあげたこと(4巻20話)を思い出す。冥府には凍土があって凍らせてあるのでまだ咲いているという。見にいきたいというコレットに、寒冷地仕様の衣装を着せるハリー。ポセイドン様との飲み会で新しい服をつくる暇がなくて悔しかったハリー(9巻56話)は、コレットの洋服を全シーズンつくったという。カロンの舟で出発。カロンも嬉しそう。ハデス様と手をつないで凍土探検するコレット。「お前がその花を持ってきた日私は少し熱を出して拗ねていた あの日の私はお前とこの花のおかげで自分を嫌にならずに済んだ 冥府の土の上にも咲いてくれたらいいのにな」と。素手で凍った水仙に触って手がかじかんだコレットの手をそっとつつむハデス様。そこに息急き切ってカロンが呼びに来る。

(62話)土に混じっていたミントの芽が出た鉢に、メンテというニンフが現れた。アポロン様の特殊栄養剤ででてきたらしい。赤ちゃんの姿をして大泣きをし、ガイコツもコツメ君も振り回すメンテちゃんだが、ハデス様をひたすら慕ってしがみつく。アポロン様にひきとって頂きましょうかというガイコツに「メンテは冥府におく メンテは冥府で初めて新たに出た芽 私はメンテをなかったものにはしたくない」という。メンテは自分が芽を出すまでいちばん見てくれたハデス様に会いたかったという。コレットには「あなたは全然こなかった」というメンテ。「私も種まきしたんだよ」と心の中で思うコレット。「部屋や服を用意しなくては、ここが冥府ということも教えねば 私に会いたかったと生まれてきたのなら後悔しない暮らしをさせてやりたい」というハデス様に、まじめで芽が出たことが嬉しいのだなとは思いながら、ハデス様とメンテを見るのがつらくなるコレット。「これからずっとハデス様の手はメンテちゃんのものなんだな」と。さっきまで凍土でハデス様の手はコレットの手を握っていたのに、ちょっとちょっとハデス様・・・

やきもちをやいていることをハリーに話す。ハリーはコレットがハデス様を好きなことを喜ぶ。「ワタシの好き同士が結ばれたらヨロコビじゃ!!わたし応援するん」と「ハデス様はコレットのこと大事に思っていなさるん コレットと過ごす日々を大事に大事にしてるん 不安になったら思い出してみろ?ハデス様と話したこと 見たもの」と言われて先ほど凍土でコレットからもらった水仙を「これは枯らしてしまいたくなかった」といっていたことを思い出す。中庭に戻る元気が出たコレット。ハデス様とメンテちゃんのもとに戻ると、具合が悪くなったメンテちゃんが「わたちもうすこしで消えちゃうの」という。

凍土探検で順調に恋が進むかと思いきや、突然ライバル登場。女たらしの多いギリシア神話には珍しくハデス様にはメンテくらいしか浮気はないけど、ファンタジーの雰囲気を壊さずにどう進むかと思ったら、ほんの一日いや数時間のはかない存在にしてしまったのね。複雑な気分のコレットの相談に乗ってくれて応援してくれるハリーは素敵。他のガイコツとの立ち位置の違いが際立つ。

そういえばサラッと読んでしまったけど、アポロン様バイオ研究が趣味ですか。確かに現代に生きるならバイオ研究やってそうだけど、後から思い出して笑いました。



2021年4月8日木曜日

コレットは死ぬことにした9

(51話) 神様の情報誌「天界通信」を読みながら、ハデス様のお妃候補をあれこれ挙げるガイコツたち。美しくて気品もあり理知的なニケ様が一推し。ニケ様は勝利の女神様だから、そういった意味でもくじ運のないハデス様と相補の関係にあるかも。そういえばアポロン様が主宰する9人組の女神様のグループ、ムーサってほんとうにギリシア神話にいるのよね。今の乃木坂46とかAKB48とか欅坂46とかその昔のおニャン子クラブとかの発想は古代ギリシアからあった?ハデス様の妃に望ましい条件は、ハデス様のおつとめに理解があって経済観念もあって美しいあるいはチャーミングあるいは笑顔がすてきな方でガイコツを恐れない方で誰よりもハデス様を愛して、ハデス様のお体や心を思いやって下さる方。「そりってコレットしゃんのことでしか?(原文まま)」と無邪気に言葉を挟むコツメ。コツメくん新入りだけど、本質をよくついている。わかっていて認めたくないガイコツよりも素直だしね。そして天界通信になんとポセイドン様の家来一匹の募集が。明後日に面接だという。

(52話)一芸持ちは優遇と言うことで、突如ウクレレの特訓もするコツメ君。泳ぎの練習はハデス様が入浴している浴場で泳ぐ。ハデス様とコツメ君の入浴シーンは、この後もでてくるけど大好き。詰め込み特訓でくたびれたコツメ君はコレットの手の中で眠りに落ちながら、「ぼくは今まで捨てらりたり拾わりたりしてきたけど どこにいるかもわかりないぼくを探してくりたのはコレットしゃんだけですた はじめてぼくをあきらみないでくりたのはコレットしゃんでしよ(原文まま)」外で聞いていたガイコツも涙を流す。

(53話)ポセイドン様の採用試験で、ラッコの弟と競ったコツメ君。ガイコツと訓練した日々を思い出しながらがんばって、ポセイドン様も認めてくれた。

(54話)が、面接は不採用。一人海辺で泣くコツメ君のところにやってきたポセイドン様は、「お前も一緒に採ってやれなくてごめんな」と言いに来た。立派になったというのは本当に思ったけれど、コツメ君がワインをこぼした奥様のアンピトリテ様の服は親からもらった嫁入りの選別のひとつだったという。本人には世界に一つのもので、奥様もコツメ君が立派になったのはわかったけれど受け入れられないと、ポセイドン様にはわかったからという。奥様のあの服は、冥府でハリーが一針一針刺繍してくれた風呂敷と同じ、宝物であることが今ならわかるコツメ君。ポセイドン様にお詫びと感謝を述べて、自分から別れを告げる。冥府のみんなの親切もむだにした自分はもう冥府にも帰れない。ほんとうは会いたいけれどひとりで生きていくのがぼくのけじめなんだとつぶやいたところでハデス様見開きで登場。「我が冥府の家来に欲しい」と。コレットもコツメ君に突進して抱きしめる。

そしてコツメ君は晴れて冥府の家来。成長が遅くて小柄な上でのハンディというのは時間がたてば解決するものなのよね。「はじめてぼくをあきらみないでくりたのはコレットしゃんでしよ」が泣けます。野生では確かに淘汰されてしまうだろうけど。ポセイドン様からも、認めてもらえたし。

(55話)翌日夜、コレットが冥府に行くと、コツメ君の家が出来ていた。コレットが帰った後みんなであれこれ話していたという。みんな一緒にいられていいなあと話題の蚊帳の外で寂しくなったコレットは、昼間患者さんから聞いた海の男の願掛けの話を思い出す。

そして夜の海辺に行って「ハデス様と会えますように」という願掛けを聞いたハデス様、思わず我を忘れそうになる。

(56話)思わずコレットにキスをしようとして、はっと思いとどまり寸止め。いやどうせならそこで我を取り戻さずにキスしてよといいたくなる。そこに突然現れたディオニュソス様、すっかりできあがって見てないようだけど、近くで飲み会をやっているからと、コレットとハデス様を誘う。ヘルメス様も現れる。ゼウス様がハデス様のお気に入りの人間の女性が誰であるかを調べたときに(2巻10-11話)実際の調査は、当然人捜しが得意だというヘルメス様の仕事だったのね。珍しくハデス様が「行くか」とコレットに聞いたのは、コレットはディオニュソス様に会えて嬉しかったのをハデス様が汲んでいくれたのかしらと思っていたけど、キス未遂で気まずかったせいでは。行ってみるとなんとポセイドン様も一緒。コツメ君は冥府でハデス様の家来になったことを知り「コツメをよろしく」という。コレットとの関係を聞かれて妃ではない愛人でもない何者でもないと答えるハデス様。「何者でもないくせに側に置いているのか お前の物を身につけさせて 案外ずるいな」とポセイドン様。まあこれで二人の両片思いは延々と続くことになるわけだ。


2021年4月7日水曜日

コレットは死ぬことにした8

 (45話)マリー姉ちゃんのお使いで海辺の診療所に届け物にいったコレットは人生初の海に興奮。海辺で子どもたちにいじめられているイタチのような動物を助けるが、動物はどこかへ逃げてしまった。夜冥府に行く前に海辺を探すが見つからない。「冥府行こう」とひとりごとをいうと、「めいふのはですしゃま ポセイドンしゃまのおにーしゃまって、聞きまし あなたも神さまの家来ですか」と舌足らずな声と共にあらわれたカワウソ。望み通り冥府に連れてハデス様と会わせると、一匹だけ小さく生まれて食べるのも泳ぐのもへたで川に流されたときに「あの子は淘汰されて死んでしまうね 仕方のないことね」と家族は誰も助けてくれなかった。海までながされてポセイドン様から言葉をもらって家来になれと言われて嬉しかったけど、あいかわらずドジばかりで、昨日ポセイドン様の奥様にお酒をこぼしてとうとう宮殿を追い出されてしまったという。「みんながあたりまえにできることがどうしてぼくはできないんですか」というコツメ君に、かつて診療所で一番チビでドジだった自分の過去を思い出すコレット。ポセイドン様の家来に戻りたいというコツメ君に、人生には逆転のチャンスがあるって信じてるというコレット。話を聞いていたガイコツは、同業者として情けないが、碌に育てずに放置した先住どもも情けない ここは我らの出番じゃといってコツメ君の訓練を引き受ける。ハデス様は「家来を捨てた主に一泡吹かせてやれ」と。

野生生物を見ていると残酷だけどこの淘汰されるというのがよくわかる。動物はだいたいちょっと余分に子どもを産む。それも成長に差が付くように生んだり育てることが多い。環境が厳しければ、小さかったりトロかったりした子どもは死ぬ。親は成長の遅い子が死んでいくのに手をかさない(というかそんな余裕がない)ことも多い。運良く餌が豊富なときは全員成長して生き延びることもあるけど。ただそういった成長の遅い子って、単純に成長が遅いだけで、劣っているわけじゃない事も多いんだよね。

(46話)仕事が早めに終わったコレットが冥府にコツメ君のようすを見にいくと、ドジばかりでガイコツに怒られ続けて疲れ果てたコツメ君が砂時計が落ちるまで休憩といってのびていた。でもじっといていれば直るからガイコツ先輩にはいわないでというコツメ君をハリーの部屋に連れて行って、ハリーには隠れてもらって休ませる。自分も見習いのときは一杯失敗して叱られたんだよ、ベテランも新人も患者さんにとっては同じ薬師 薬師の現場であたり前のことはできなくちゃいけない、と話しながら。仕事によるかと思うけど、かつて教師だったとき、採用されたその日から生徒の前に立つので、生徒にとっては先生。でも失敗ばかりだった。初心者としての失敗はいつの間にかしなくなったけど何十年たっても新たな別の失敗をしていた。どんな職業でもあるんだろうな。この場面もやっぱりこれはお仕事漫画。

(47話)コツメ君の夢の中でポセイドン様との出会いの思い出。ポセイドン様には「お前それ親に捨てられたんだよ」と容赦なく言われたけれど、言われなかったらぼくは今も捨てられたことを認められないまま宙ぶらりんで苦しかったかもと。一寝入りして元気になったコツメ君はコレットを前に配膳の特訓。無事終了したが、これからが本題で、ハデス様がおつとめからお帰りになったときに食前酒を運んでもらうというガイコツ。コツメ君が決定的に首になった原因で克服せねばならないという。落ち込むコツメ君だが実はハデス様からの命だという。

そして本番、お酒を置こうとして思わずグラスをひっくり返してハデス様にワインをこぼしてしまう。ハデス様が「コツメ」と言いかけた途端、ガイコツ全員とコレットが「責めは我らに」「ハデス様待って」と口を挟む。が、ハデス様が言ったのは「コツメ もう一度持って来い」「私がコツメを追い出すとでも思ったか 心外だ」「お前達が一斉にコツメを庇った それだけでもうコツメを知るには充分だ」と。

そしてコツメ君とうとう成功。入口で見ていたガイコツは感激で大泣き。
と・・・突然ハデス様が・・・

(48話)気を失って倒れてしまう。ガイコツとコレットで閨に運ぶ。熱はなく脈も異常ないけれど、どこかが悪いのを、無理してコツメ君の修行につきあってくれた。冥府の薬師なのに気づけなかった自分を責めるコレット。気がついて、少し疲れていただけだというハデス様。外で夕食していることになっているのでそのまま泊まることになったとかにしてもいいというコレットにもお前も帰っていいぞという。お茶を入れて戻ってきたコレットはハデス様が冷たいのに気がつく。自分は何か見落としてるんじゃと不安に思ったところで、閨の外からカロンに呼ばれる。仕事中に死者とトラブってハデス様に加護を使わせちゃったという。カロンには加護が2つついていてひとつは毎日使っているので(獣に食われた体を繋ぎ止めて自由に動かすためのものね3巻19話)自分は存在するだけでハデス様のハンデなんだとひたすら謝るカロンに、ハデス様にはカロンが必要だというコレット。二人には二人だけの大切なものがあるから自分はそこに踏み込まずに治すと。目が覚めたハデス様にカロンから理由をきいたことを話す。一人で無理をしないで元気になるまで自分を優先して下さい わがまま言って下さいというコレットに照れながら「帰ってほしくない」という。
加護の反動で倒れてハデス様、心が弱っているときは「ここにいてほしい・・・本当は」と本音にキュン。ちょっと照れて流し目になっているハデス様セクシー。

コツメ君が伝書鳩ならぬ伝書カワウソとなって、コレットがお使いで来ている海辺の診療所に今日は泊まることになりましたとお手紙を運ぶ。

(49話)翌朝コレットはいったん診療所に顔を出して、マリー姉ちゃんのところに帰ると告げて再び冥府へ。お風呂から帰ってきたハデス様は思わずコレットを「なんとなく」といってギュッと抱きしめる。「なんとなく」ではなくてそこは愛の告白しなくては!それでも裁判にいかねばというハデス様に、行ってまた倒れたらカロンが悲しみますと説得。朝起きたらコレットがいて驚いたけれどそれが・・・と照れて言葉にならないハデス様、そこは告白するところ!時々嫌な夢にうなされながら寝たり起きたりを繰り返すハデス様と閨で二人きりのコレット。ハリーにお風呂に呼ばれてコツメ君と一緒に入浴(ってそれぞれの湯船だけど 冥府のユニットバス!)。ハデス様が起きる前にと、髪が乾く前にダッシュで戻る。タオルを持って追いかけてきたコツメ君から、急いでお風呂入ったから湯冷めするってハリー先輩が心配していると聞いて、コレットの髪を拭きながら風呂のときくらい私を忘れろといいながらコレットを抱きしめて、「目が覚める度にお前がいた うれしかった」と。

(50話)スープを食べられるようになり元気になってきたハデス様、隠れ兜をかぶってコレットとコツメ君の訓練のようすを見にいく。隠れ兜って、ゼウス様率いるオリンポスの神々と、クロノス様率いる巨神族との戦いで、姿を隠して巨神族と戦ったというやつだそうだけど、かつて戦士だった?ハデス様も描いて欲しいかも。しかしゼウス様の雷霆とポセイドン様の三叉の鉾と比べて、覗きに使えるとはなんとユーモラスな便利な国宝!後ほどコレットに会いに地上に来るときにも使っているし(花とゆめ2021年9号113話)、愛の隠れ兜!風呂場ではガイコツがコツメ君に着るスポンジを試させたりモップを改良した方が実用的だと喧々ガクガク。癒やしのコツメ君登場。冥府ってみんな家族のように真剣に考えてくれて暖かいんだね。隠れ兜でコツメ君訓練の様子を見る二人はお茶目。しかしご飯を食べにいく途中で立ち寄ったケルベロスは姿が見えなくてもハデス様に気がついてじゃれてくる。そのようすに、誰かいることを察したガイコツが武器をもって追いかけてきた。弓を持って迎え撃つハリー、フォークを持ってあとから息を切らせて走ってくるコツメ君。挟み撃ちになって、コレットを抱いて飛んで脱出、閨に二人で無事着地。家来には申し訳ないけれど楽しい冒険となった。これはもうベッドの恋人同士!


2021年4月6日火曜日

コレットは死ぬことにした7

 (39話)ヘラクレスに再会、かつて冥府にケルベロスを連れて行こうと侵入した頃の荒れていた面影は全くなく(一巻3話4話)、気は優しくて力持ちな勇者となってコレットを馬に乗せてくれた。が、道に迷い財布をなくし、思いっきりドジ。宿で勇者ヘラクレスの話がでて、本人だと気がつかれて大人気になったけれど、自分はドジだ、勇者ヘラクレスは物語の中でしか生きられないという。コレットが迷子になったときあのまま一晩過ごすことになっていたらとどうするつもりだったのと問うと「そりゃもちろん火を焚いて朝まで番をしたよ コレットを無事に送るために俺はいるんだ お前はこの腕にかけて守る それくらいの力はあるから」といって喝采を浴びる。そんな話を夜冥府にいってハデス様に蕩々と話すが、ハデス様はなにやらつまらなそう。「お前が地上に行ってしまうととたんに私はお前の中からいなくなる 昨日はあんなに私のそばにいたのに あんなに私の名前だけを呼んでいたのに」ってのは6巻37話の寝ぼけたハデス様がコレットを抱きしめて寝てしまったこと。


「あんなことわたしハデス様とだけだったもん 今日眠れなくなっちゃったらハデス様のせいなんだから」「よく聞こえなかったもう一回」
って、既に気分は恋人。・・・なのにここから先、恋人になるまでまだ長いのよね。まあでも周りのみんなが気がつくくらい惹かれ合ってもなかなか進展しないことが、障害のある恋の場合現実的で、そこらへんが私がこの漫画が好きな理由だけど。

(40話)アンノ先生の診療所でコレットが暮らしたのは8年。6歳で故郷が全滅してアンノ先生に連れられて診療所で暮らすようになったのだから、14歳で薬師として独り立ちした訳か。その診療所にヘラクレスに送ってもらって3年ぶりに帰る。独立しているもう一人の姉弟子ユリアも泊まりに来る。故アンノ先生の部屋は先生と過ごしたみんなの思い出の品の置き場になっていた。

(41話)実家の診療所は大きな街にあって、弟子もたくさんいる。中にはマリー姉ちゃんに反抗的な弟子もいて、陰口をきいてコレットはマリー姉ちゃんの代わりに怒る。イタン兄ちゃんは診察と運営担当、マリー姉ちゃんが見習い全員の教育係で仕事の割り振りも決めると役割分担していると言うけれど、マリー姉ちゃんが憎まれ役を一手に引き受けているようで納得いかない。冥府に行って不満をぶちまけたコレットを連れて、ハデス様は空から街を見せながら「ここを背負っている義兄は呑気なだけの男ではないはずだ そしてそれを義姉は誰より知っているはず その二人が決めたことならば きっと信じていい」と

コレットを膝抱っこしながら空に浮かぶハデス様はまさに神様。部下が陰口という発想が存在しない冥府のガイコツたちの反応も楽しい。

(42話)過去の回想、アンノ先生のあとを次いで二代目になったイタン。ランもコレットも独立して、ユリアも隣町の診療所にいくことになって、修行中の弟子はいるものの診療所を支えるのはイタンとマリーだけになった。街の人たちは、ベテランの先生を知っているから診療所は大丈夫かという人もいる。イタンは人前には見せないようにしてるものの食事も出来ないくらい胃が痛い。そんなイタンに気がついたマリーは「私はずっとイタンのそばにいる だから 一緒にやっていこう」と。
マリーの機転で、近所の女性が、洗濯物を褒めて、「あなたたちの仕事が私の日々の楽しみ」という話を反抗的な弟子二人聞かせたり、いい子のもう一人が実は料理の味付けは苦手ということもわかって、ちょっと心境がかわりつつある。
コレットがイタン兄ちゃんから託された手紙には「マリーへ 結婚しよう」と書いてあった。マリーは一人でそれを噛みしめる。

コレットは「どこかわからんけど村に住むことになった~~」と診療所に手紙を出したそうだ。まあ道に迷って今の村に滞在することになったわけで、どこにいるかわからないのかもしれない。この漫画地名がほとんど出てこないのがちょっと不自然。

(43話)女神様の呪いで内臓がほとんどないカロンの体は百年に一度のアポロン様の定期メンテナンスの時期だ。メンテナンスは気持ち悪くて嫌い、天界も嫌い。行ってみるとアポロン様はオリンポス十二神の会議に招集されて留守だった。アポロン様のガラクタを整理中の柊ちゃんにつきあうカロン。ウクレレをもらってご機嫌。ギターを見つけて、ハデス様に似合いそうだと「弾けます?」と呼ぶと、昔(天界時代)は弾いたといって、演奏を始めた。妙なる楽の音に聞き惚れるカロンを見て、柊ちゃんはハデス様に受け取って頂けませんかという。カロンは自分が天界を苦手なのは、自分の主人が冥府の神ということだけでオリンポス十二神から外されているのが気にいらないのだと気がつく。ハデス様の兄弟は全員十二神に入っているのに。ちょうどその頃十二神の会議でゼウス様が、ハデスをオリンポス十三神目に迎え入れることを提案していた。

(44話)もどってきたアポロン様はカロンのメンテナンスをしながら、動揺するカロンの手を握っているハデス様に、「どうなったと思う」と笑いながらいう。ハデス様が長年のこの疎外をどう思っているのか興味があるという。ちょっと意地悪な笑いを浮かべているアポロン様に腹の中身がこぼれる事も構わず「おれの主を茶化さないでもらいたい」と食ってかかるカロン。「ときに神々は人間の戦争にそれぞれ味方をし敵対することがある 私は裁判官 死者をすべからく裁く者 どちらにも味方をしない単独の存在でありたい」「さらに個人的な感情としてそもそも面倒臭い 統率も何もなさそうな連中の会議など御免被る そっちで勝手にやってくれ」アテナも同じ事をいったと笑って、ハデス様とカロンに失礼なことをいったことを謝る。

ギリシア神話のオリンポス12神に確かにハデスは入ってない。いや十三番目として入っているバージョンもあるようだけど。やはり死は忌み嫌うものだからかな。でもカロンはほんとうにハデス様が好きなんだね。ディオニソス様は確かにヘスティア様に変わって十二神に入っているバージョンのギリシア神話もあるようだ。この漫画で、ゼウス様はかつてハデス様にはひどいことをしてしまったけどずっと負い目に感じていたようだし、ほんとうは尊敬しているんだろうな。カロンはコレットが来るとハデス様が喜ぶのもちゃんとわかっている。

(番外編)いつもながらガイコツのハデス様愛は喜劇。今回はカロンもハリーも入っている。
番外の番外ハデス様にラブリーわんわん♡フリスビーを注文してあげるガイコツの気配り、楽しすぎる


2021年4月5日月曜日

コレットは死ぬことにした6


(33話)3年会ってない姉弟子マリーを思い出したコレットは、お前が帰ってくるまで俺がこっちにいってやるぞといってくれたイタンさんに甘えて、里帰りの旅に出ることにした。村総出の送別会に昨夜ハデス様と「また明日」と別れたもののとても抜け出していけない。

一人待つハデス様。ギリシア神話の神様の絵画や彫刻が裸なのは、ムキムキの筋肉美が賞賛されていたからだと聞いたけど、この漫画ではハデス様もゼウス様もアポロン様もみんな日本的な線の細い体格。その方が美神だけど。

翌日朝、荷車で出発するコレットを村総出で見送りしてくれるのを見て、いつの間にかこの村が故郷になっていたことを自覚する。

(34話)泊まる予定の街で,冬の間慰安旅行をしていて侍女とはぐれた、迷子のやんごとなきキャリアウーマンと雨宿りしながらお弁当を分けあって侍女たちが探し当ててくれるまで一緒に過ごす。実は豊穣の女神でハデス様の姉であるデメテル様なのだが、お互いに名のらずに別れる。「もしあなたが何か困ったときは助けてあげたいわ」と意味深。デメテル様とは最終クールの1921年3月現在まだ再開してないけど、当然どこかで重要な助けをくれる伏線だと思われる。わくわく。冥府に行くとガイコツから昨夜ハデス様は待っていらしたと聞く。土下座して謝るコレットに「お前を想いながら眠るのはそう悪くなかった」と。きゃーハデス様!

(35話)ハデス様裁判中に宮殿で家事をするガイコツの会話。「やはりハデス様はコレットに特別な感情をお持ちなのであろうか」「気づいとるが考えないようにしていたというのに」「ひとつだけ確かなことは我々が望むのはハデス様の幸せだということ 主の幸せは家来の幸せ」一昨夜コレットが来なくて寂しそうにしていたことだし、ハデス様本人より周りの方がよっぽど明確に気がついてる恋心。ガイコツはこの後も恋人になってからもコレットに失礼なことを言ったりするけれど、ハデス様が怒らないのは、ハデス様の幸せを心から願っているのと、何百年とハデス様にひたすら仕えてきて、動揺している気持ちがわかるからだと思う。アスポデロスでアンノ先生の影からコレットの思い出話を聞いたけれど、アンノ先生が人間だった頃の記憶を少しずつ忘れているのにもハデス様は気がつく。待っている間に寝込んでしまったコレットを見つけて、いつかはお前も忘れるのかと思うハデス様。アスポデロスで魂たちの気持ちを聞いてあげると決めたハデス様(2巻7話)、忙しいのに偉い。

(36話)夜冥府に行ったものの寝込んで翌朝まで目が覚めなかったコレット、昨日歩きの速い隊商にがんばってついていってコレットは足を痛めたようで、ハデス様のすすめもあって冥府に泊まることにする。ハリーは大喜びでコレットをお風呂に入れてシャンプーして速攻でつくった洋服に着替えさせる。「いつのまに」「今さっき♡」ってハリーは天才か。いやガイコツはみんな知能が高くて仕事は完璧なんだった。他のガイコツは「小娘のことは気に食わんがボロボロでいられると張り合いがないからの」といいながら、「ハデス様と小娘がひとつ屋根の下 何かが起こりはせんじゃろな」 と。そういえばこれが初めての冥府お泊まり。いやずっと昔1巻1話でハデス様の治療をしたときは何日か(少なくとも一晩、たぶん2日くらい?)泊まっているはずだけど、そのときはハデス様がアレルギーで熱を出してポンコツだった。ハデス様と親しいとはいえ、コレットは毎日ほんの少し話したり診察したりするだけだったのだ。お泊まりではないけどディオニュソス様の宴会は例外的に長く二人で一緒にいたほうだったことを改めて思い出す。ガイコツもカロンも食事が必要ない体なのでハデス様はいつも一人で食事と聞いて、みなで同席して食べようというコレット。嬉しそうにハデス様と語らうガイコツやケルベロスやカロンを見て「冥府は明るくていいなあ」というコレットの言葉に驚くハデス様。食後ハデス様に客間に運んでもらうコレット。

(37話)コレットをベッドに運んだ後、ベッドサイドでお話しするハデス様。家来は昔はもっと静かで針子は部屋からでなかった。今の方が皆生き生きしている。「私は嬉しかったのかもしれぬ(コレットの冥府は明るくていいなあという言葉が)というハデス様。コレットのベッドに肘をつき寝落ちするハデス様を起こそうとすると、寝ぼけたハデス様は犬の名前を呼びながらコレットを抱きしめて、一緒にベッドで寝てしまう。これ天然?それとも願望が無意識に出た?幸せそうなハデス様の寝顔に、起こすのを諦めてコレットは一緒に寝る。キャー!!ハデス様の寝顔

翌朝コレットが目覚めるとハデス様は既に自室で着替え中。なんとなく気まずそうに「よく覚えていないのだがすまん」というハデス様に、自分を犬と間違えて寝ちゃったという。でも幸せな夢だったよう。
普段は不眠気味なハデス様。やはりストレスです。恋人と寝なくっちゃ。

(38話)コレットの留守をイタンさんとセラとともに守るポーラ。10歳のおませなトルカちゃんは、幼なじみのニイロとの中を周りの友達に冷やかされて気まずくなって、トルカちゃんはイタンさんとつきあうといって診療所の片隅に居座る。振り回されながらもイタンさんと小さな恋人たちを見守るポーラは、イタンさんの惚れている女性(マリー姉ちゃん)の話を聞かされる。

(番外編1)コレットとハデス様が休日でお出かけしたあと、ハデス様愛で盛り上がるガイコツたち。ってのは4巻24-25話の街へお出かけかな。
(番外編2)猫に変身したゼウス様を抱いて撫でて嬉しそうなコレットが気にくわない不機嫌なハデス様。調子に乗ってコレットにキスするゼウス様を放り出した後「もし私が猫になったらお前は私を抱いてくれるのか?」
ってなんという台詞を。ゼウス様はギリシア神話でも女性をものにするために、白鳥になったり、雄牛になったりカッコウになったり黄金の雨や雲にまでなったりしたようだけど。コレットの空想する猫になったハデス様、最高!!このツーンとした表情が似ている野良猫を見かけて、勝手にハデス様と名付けてしまった。

「だっこします」「そうか・・ならいい だがあいつにはするな よいな」という睦言を盗み聞きするカロン。「コレットわかってないなァ ニブイ~~~」と

こういった番外も楽しいのが推しの漫画。

2021年4月4日日曜日

コレットは死ぬことにした5


(26話)酒神ディオニュソス様は神様なのに人間界が好き。酔っ払って風邪引いて診療所の井戸に落ちるのを目撃したコレットは、慌ててあとを追って冥府へ。昼も夜もない暗い冥府、変なガイコツと冥府の悪口を言うディオニュソス様に腹を立てるハデス様に、ディオニソュス様が冥府を好きになったらここで看病してもいいかとコレットは頼む。初めて来たときのゼウス様と同じで、知らないから怖いだけと思う。ガイコツお手製の美食で、美食家のディオニュソス様の冥府の印象を変える。仲良く話すコレットとハデス様のようすに何か思うディオニュソス様。

(27話)人間が好きで地上をあちこち放浪しているディオニュソス様は気に入った街に数年滞在すると不老不死の神様なことがバレないように去って行く。一緒に暮らしたコルネ君に「”と”から始まって”あ”で終わる16文字は」となぞなぞを残して。風邪が治らないのに暇を持て余したディオニュソス様「”と”から始まって”あ”で終わる16文字は」となぞなぞを出す。だだをこねるディオニュソス様を置いてコレットが帰ったあと、ディオニュソス様はハデス様に「ハデス様ってコレットに惚れてんですか?」と問いかける。「でもハデス様 人間に入れ込むならゼウス様くらい割り切ってつきあわないと辛くなりますよ」「・・・俺はツライ」というディオニュソス様に、リューさんとのことを(4巻25話)思い出すハデス様。
コレットの兄弟子イタンさんがコレットのようすを見に訪れた。患者さんともうまくやってるのか?といわれてディオニュソス様が頭に浮かんだコレットは、手強いのがいて急になぞなぞを出されたりするというと「”と”から始まって”あ”で終わる16文字は」かとい。途中の街で子供から聞いたことを話す。冥府でディオニュソス様の看病中なことはコレットは伏せておく。その夜冥府を訪れて、ディオニュソス様に人間界での名前「イオさん」と呼びかける。コルネ君から「イオのバカ なにがなぞなぞだ時間を返せ!答えなんか最初っからなかったくせに なぞなぞなんかなくたってぼくはイオのこと忘れないのに」と伝言を伝える。「答えのないなぞなぞは自分を覚えていてくほしいって願いだったんですね」とコレット。「人を好きになればなる程一緒に生きてゆけないことが辛くなる」と。外で立ち聞きしていたハデス様は中に入らず引き返す。「割り切ってつきあわないと一緒に生きてゆけないことが辛くなる」という昨夜のディオニュソス様の言葉を反芻しながら。ハデス様もよく立ち聞きしますねぇ 同じ時間の流れを生きている人間同士でも、先に逝くもの、あとに残された者、一緒は永遠でないことが辛くなる。人間よりずっと時間の流れが速いネコとの別れはいつも辛い。

(28話)往診に行くイタンさんにセラがついていきたいという。コレットさん毎日30軒も往診していたの・・・往診先で頑固な患者を説得しようとするセラを、うまくカバーするイタンさん。そのあいだに診療所では、家で倒れていたアドナさんという年配の女性が運ばれてくる。かたくなにコレットの世話を拒みながら倒れて診療所に入院することになる。3年前故郷を目指して道を間違えてこの村に立ち寄ったときに、アドナおばばの夫トニさんを診たけれど、トニさんは既に手遅れだった。何日ぶりかで一言アドナと呼んでアドナおばばは喜んだけど、結局亡くなった。覚悟はすべきというべきだったかなどとコレットは後悔する。アドナさんは夫を直せなかった自分が嫌なようだから、イタン兄ちゃんが帰ってきたらまかせようと弱気になっていると、ポーラに「いつものコレットさんなら今考えてなんか色々やって最後には”またよろしくね”っていい感じにしちゃうでしょ。」と活を入れられる。

(29話)イタンさんに同行して往診に行ったセラは、すっかりイタンファンになって、一人前の薬師になりたいと燃えている。イタン兄ちゃんにお前がこの村にいなかったら、セラとポーラは薬師になってなかったと言われる。そうするとハデス様にも出会えてない。そんな未来は想像できない。おばばと会ったあの日が始まりだったんだと、ちゃんと話をしようと思う。しかしコレットもイタンさんも往診に行っている間におばばは診療所を抜け出す。野で倒れているおばばを見つけた背負って診療所に連れて帰る途中に、おばばが気にしているのは、この村に薬師が欲しいと、故郷へ行く途中だったコレットを自分が引き留めたせいでコレットは故郷をあきらめてこの村を背負っていくことになった。せめて自分はコレットの手をわずらわせないように世話になるまいと思ったという。コレットは「薬師のいない村に薬師ほしいって当然じゃないですか 故郷にも常駐の薬師がいたらあんなにあっさり全滅しなかったかも」と、故郷にはもう誰もいないし、あと何年かしたらこの村初の一人前の薬師が誕生する。そしたら今度は彼らが弟子をとって次が育つかもしれない。その方がずっと夢があると思いません?という。後ほど改めてコレットが自覚した自分の夢、「薬師を繋ぐ(12巻72話)」の原型ね。

(30話)魚のいない冥府の川で釣りをするカロン。(この設定最高!コレットが来なくてつまらなそうなハデス様を察して、カロンの「ハデス様も釣りをすればコレットがきたりして」っていうキャラも最高。おばばの件も片付いてコレットが冥府に来るとディオニュソス様はすっかり元気になって、シェフガイコツにレシピを伝授して美食を楽しんでいる。しかしディオニュソス様、最初冥界の悪口言いまくりにしては、変わり身が早いのでは。よっぽど冥府の食事がおいしかった?仲良く話すコレットとハデス様を診て、3人で天界の自分の家で快気祝いに飲もうと招待するが、忙しいハデス様もコレットもにべもなく断る。二人だってゆっくり話すチャンスなのにというディオニュソス様にコレットは心が動くが、カロンにトラブルがあったようでハデス様は呼ばれていってしまう。ハデス様何か言いたげだったけど。

帰ってからイタン兄ちゃんに夜だけ休みがほしいと申し出てみたら、お前が休まなすぎだからセラやポーラが休めないのだと怒られる。とはいってもハデス様は今日も忙しくてあまり話せなかったし無理、と気持ちを押し込めたコレットに、アドナおばばが話しかける。「その人は忙しくて代わりがきかない人だから ちょっとしか会えなくてもそのちょっとで充分なんです ほんとは」とうつむくコレットに、じゃあそれをその人の目を見てぜひ言ってごらんなさいとアドナおばばはアドヴァイス。もう一度井戸に飛び込んでやっと仕事の終わったハデス様に伝えに行くコレット。「ハデス様 私ねっ ここに来れることが ハデス様に会えることが それだけでとても幸せです」との言葉にハデス様は「月夜にお前を一人占めする」

それ、二人とも愛の告白だけど、そう自覚してないところが何とも。ディオニュソス様、快気祝いと称して、なかなかじっくり二人だけの時間を持てないコレットとハデス様を応援しているのが心温まる。カロンも普段我慢してしまうハデス様が思いもよらず自分の感情のままに動いているので嬉しそう。
でもってハデス様が天界の宴会に来る!とディオニュソス様が自分の島で叫ぶと、通りすがりの女神が聞きつけ、あっというまに天界に広まる。女神様って暇なんだなあ。

(31話)コレットがハデス様と天界の宴会にお出かけだと聞いて大喜びのハリーはコレットの服をつくる。ハデス様の肩掛け止めとお揃いのコレットの髪止めは「「アスポデロスの白(ハデス様)と水仙の白(コレット)そして他の神々は決して身につけられない黄色い水仙」って水仙は白と黄色という意味かな?行ってみると久しぶりのハデス様が見たくて、大宴会となっていた。でも二人だけのコーナーで仲睦まじいコレットとハデス様を見て、ディオニュソス様は満足。とはいえこのコーナーにも押しかけてくるハデスファンの女神様たち。なにやら曰くありげに親しくする女神様もいて、「あの人は私の知らないハデス様を知っているのかしら」と不安になる。ビンゴがあたったものの席を離れると絶対のその女神様にハデス様の隣をとられるとハデス様にしがみつくコレットを見て、コレットを抱き上げてイチャイチャはじめるハデス様。やっと邪魔者と悟って退却する女神様たち。「お前が知らない私はある けれど お前しか知らない私もある」と。これはハデス様にも言えるけど気がついているのかな。地上で仕事をしているときのコレットはハデス様の知らないコレット(想像はできるだろうけど)。でもハデス様にしか見せないコレットがあることは、このあとの水仙の絶壁でもハデス様思いを寄せているけれど。で、外で働いているあるいは何らかの活動をしているすべてのカップルについても言えるはず。思わず自分からハデス様の胸に飛び込んで赤くなって「イカン血圧が」というコレットに声を出して笑うハデス様。神話ではハデス様は笑わない神様だったと思うけど、ここでも微笑むことはあっても声を出して笑うことは滅多にない、常に真面目顔だよね。
こういところでも勝利の女神ニケ様強い、というかビンゴに勝利の女神様が入るのは不公平では。ハデス様はやはりくじ運がないのね。いや冥府を引き当てたのが大当たりでくじ運を使い果たしたか。冥府はハズレくじじゃないものね。

(32話)思わずこっち向いてとハデス様に頬に手をあてるコレットの手にキスするハデス様。しっかりとコレットを抱きしめたまま。
会場はカラオケ大会が始まる。ハデス様の提案で柊に会いにアポロン様の宮殿に移動。ハデス様とアポロン様がサシで飲んでいる間に柊ちゃんと散歩するコレット。その後更に思い出の水仙を見にいくコレットとハデス様。また真面目顔に戻ったハデス様に、先ほどの声を出して笑っていたのがウソ見たいとじーと見つめるコレットに「誘っているのか?さっきの続き」とコレットを抱きしめるハデス様。コレットの「ハデス様と出会わなかった未来は想像できない。」思わずキュンとする台詞だけど、二人の未来はまだまだこの時点では予想も付かないだろうから、この台詞「ハデス様とで会わなかったら今どうしているか想像できない」だと思う。月並みではあるけど。まあこのまま尊敬する友達として仲良くと思っているかもしれないけど。

ハデス様、酔っ払った勢いで、コレットを抱きしめたのに、安心してぐーすか寝られては、自分は男として見られてないと思うよね。コレットにとって現在のハデス様は、いつも全力の自分が疲れて素の自分をだして甘えられる存在。コレットはまだ恋だと自覚してなくてハデス様の方がだんだん気持ちを隠せなくっていくのもわくわくする。ディオニュソス様の「コレットに惚れてんですか?」という言葉を思い出して、「私こそ お前と出会わなかった未来など想像できない」

いやいや、コレットと出会ったけど、未来はまだ想像できないでしょ。だからこの台詞も「お前とで会わなかったら現在どうしているか想像できない」でしょと突っ込みたいけど。

2021年4月3日土曜日

コレットは死ぬことにした4


(20話)往診の途中水仙の群落を見つけたコレット、摘んで冥府の往診に行く。熱を出して機嫌の悪いハデス様に気晴らしにと水仙を出すと、無言ではあるものの表情は和らぐ。「ハデス様 お花似合いますね」というコレットの顔の横に花を差し出して、お下げを愛撫しながら「お前の方が似合う」と真顔でいうハデス様に固まるコレット。雰囲気はもう恋人同士 
でも相変わらず機嫌が悪いときはプイッと殻にこもろうとするハデス様

貴重な村の助産師3人のうちの2人が骨折してしてしまう。ひと月半後のお産の介助に間に合わない。薬師は流行病の対処もするので妊婦さんが近づくのは危険という考えに基づき、薬師の仕事にお産は含まれないが、コレットとポーラは助産師を頼まれる。自分の力量を遙かに越えた仕事に、夜セラも交えて3人で話し合いながら戸惑う二人。コレットが外の空気を吸いにでると、柊ちゃんからの手紙を届けに来たハデス様が。「あなたならきっと何だって大丈夫です いつも全力で誰が相手でも手を抜かない そんなあなたを私は見てきましたから」という柊ちゃんの言葉に励まされるコレット。ここは街と違って人でも物も足りないし同じことがまた起きるかもしれない その度に言いわけするのは嫌だから」と翌日ポーラと二人で申し出て妊婦のミィナさんとも挨拶をする。にこやかに挨拶したもののあとで「私まだコレットさんもポーラちゃんも信用できない」とベテランのメリノさんにいうのを聞いてしまった二人は落ち込む。

(21話)落ち込みながらもメリノさんのもとでお産の勉強をはじめた二人。お散歩中のミィナさんとも会話が弾まない。落ち込んで冥府でガイコツ相手に愚痴ると「そんな簡単に他人を信用なぞできるものか お前がハデス様のお側を許されたのは一朝一夕の出来事だったと思っているのか?ならば傲慢じゃ」と言われる。まあコレットは最初から治療を頼まれているから、コレットは強引に治療をしているには違いないけどでもハデス様の態度が少しずつかわったのは、どうしたら微笑んでもらえるか、ずっとコレットが努力してきたから。

ミィナさんも気をつけて観察すると皆が赤ちゃんのことしか話題にしないことにちょっと表情が陰るのに気がついて、コレットとポーラは自分たちとお揃いでミィナさんの分の花冠もつくって、「”ミィナさんと赤ちゃん”ですよね 二人で頑張っている あなたも主役」との言葉にミィナさんも心を開いてくれた。別れるときのミィナさんの後ろ姿に、6歳の時亡くした葉お母さんの面影を見るコレット。

(22話)その夜お母さんとパンをつくる夢をみたコレット。何かを教えてくれたはずなのに思い出せないで目が覚めた。私が母の娘だった思い出はもう思い出せないのかな。今日もお産の勉強のあとミィナさんの家を訪れてお手伝い。人形や小箱を見て感染した村の物は何一つ持ち出せなかった。やっぱり私には何も残ってないと悲しい気持ちになるコレット。ミィナさんがお裾分けするとスープをつくってくれたときに時間を計るのに歌った歌を聴いてお母さんが夢の中で言ったのはこれだったと一緒に歌う。「それはお母様があなたに注いだ愛のしるし ちゃんとあなたの中に残っている」とミィナさん。思い出が全部帰ってきたけれどさみしくなったコレット。ギューとしてもらうのが好きだったぬくもりを感じたくて冥府でガイコツの頭を抱きしめるがぶっ飛ばされる。カロンにセンチメンタルなのというと、「ハデス様が宮殿の周りでワンコの散歩なさっている 行ってごらん」と。カロンは相変わらず優しいし、コレットを慰められるのはハデス様だとわかっている。コレットはケルを抱きしめるがしばらくすると手から逃げ出されてしまう。ハデス様に「何かあったか?迷い猫のような顔をしている」と言われて、ハデス様の胸に顔を埋めるコレットを抱きしめるハデス様。
ハデス様はコレットへの気持ちが溢れているけど、コレットの気持ちはまだ恋に至ってないことを感じてる

(23話)そしてひと月半がたち、無事あかちゃんが生まれる。往診を休む前のハデス様の「これからお前が迎えるのはいつか冥府を旅立った魂 皆の無事を祈っている」との言葉を励みに、いつ呼ばれてもいいように10日ほど冥府への往診を休んでいたコレットも再び冥府へ。

(24話)ミィナさんのお産が終わってセラとポーラが順番に休日を取って、今度はコレットの番。家来たちに日頃の礼がしたいというハデス様と街に買い物。太陽アレルギーのハデス様はフードを深くかぶり顔が見えず体はすべて覆い、名前を聞かれると「訳あって言えぬ」とド直球で怪しさ満点。コレットの青服は薬師の身分証替わりなので、自分の連れだと積極的にアピールしてまわる。ハデス様が気がついたら遠慮してお出かけ中止にしてしまいそうなので気づかれないようエスコートして。街で倒れた男性を診療所に連れて行って手当てして戻ってくるとハデス様が憲兵に職務質問されている。あわてて薬師である自分の連れて、自分の身分はそこの診療所で確認してくれというと放してくれたが、ハデス様にコレットがずっと庇っていたことを悟ってしまう。でも今日は楽しかったし、お前のことしか見てなかったと。このへんからハデス様美神度アップで、全部好き!花のピアスを見つけてコレットにプレゼントをとか考えていたのね。

と突然先ほどの手当てをした男性に唐突にプロポーズされる。

(25話)実はお金持ちの息子で、護衛だと自称するハデス様と一緒に招かれる。そのとき、コレットはどんな薬師かと聞かれて、ハデス様は、「コレットは決して患者を見捨てない薬師だと思う 病に伏す者にとって彼女とその青い服は晴れ空のようだ」と、家族皆凄くいい人たちなのはわかるけれど、「私が薬師になったのは理不尽に人が死ぬのが気に入らないから だから私はできるだけ多くの人のところへ走って行きたい そういう人生がいいの」とプロポーズを断るが、リューさんは手を放してくれない。そこへ現れたハデス様はコレットを連れて去る。ハデス様は心の中で「私よりも心を許せる男が現れるかもしれないのだな お前と同じ世界で同じ時間をいきてゆける”人間”の男が」「ああ 我慢ならない」と思う。
嫉妬は恋心を燃え立たせますね!普段冥府にやってくるコレットしか会ったことがないので、コレットに心を奪われる男性がいるかもしれないと考えたことがなかったのかも。

(番外編)ハデス様の嫌がることは絶対やらないガイコツと、受け入れてもらえるよう工夫は必要だが、患者の健康を守るのが自分の仕事で嫌われることが怖くてなにもできないのじゃ側にいる意味がないというコレット。

2021年4月2日金曜日

コレットは死ぬことにした3

 

(13話)天界の薬師アポロン様が一週間バカンス、困った女神様達にゼウスがコレットを推薦して、山間の村の診療所に女神様が殺到。村の診療所ではパニックになるので女神達はコレットを気に入ったみたいだし、いっそ天界に来てとゼウス様。ハデス様は神様は気まぐれで気に入った人間を愛人にしたり気にくわないと呪いをかけるのが普通だと思っている、やめておけと。コレットは今日喜んでもらえたし、自分を必要だという人がいるなら答えたいというのにハデス様は「好きにしろ」。聞いていたカロンは皆が帰った後で「でも本気で放っておけるほど情が薄くもない でしょハデス様 困ったもんですねフフフ」と意味深。

カロンは最初からコレットに好意的だし、ハデス様がコレットに特別な感情を抱きつつあるのを最初から見抜いていて、こうやってハデス様を後押しする、この立ち位置好き。ガイコツとは違った形でハデス様の幸せを願っているのがよくわかる。

しかしこの漫画でも、あるいはギリシア神話自体でも、神様ってほんとに自分勝手で人間を愛人にして、でも殺されるのはほったらかしで、だいたい人間を馬鹿にしているし。神様って人間の空想がつくりだしたものだけど、人間が全知全能で不老不死だったらこうも自分勝手になるのかと思う。その中でハデス様は、仕事が裁判官ということもあるけど、例外的に働き者で真面目で、浮いた噂は少なくて、好感が持てるけど、これって死後の世界があまり古代ギリシア人の関心になかったからかも。

アポロン様がバカンスにいくのは確かにギリシア神話通り。

ハデス様と気まずいまま別れてもやもやしているコレットは、もう一度会いにいこうとハデス様のためにハーブティーとポプリを持って外に出たところで、ハデス様が来ているのに気がつく。「天界で困ったら自分の名前を仕え たいていの者はそれで黙る。」(さすが三大神、ふだんはオリンポス12神にも入らずに無視されていても、ハデス様はほとんどの神様より偉いし恐れられているのを自分でもよく知っている)いつでも冥府に来ればいい 用も話もなくていい お前が思ったときに来ればいい ここにこうして来たように と。(ハデス様それ・・・愛の告白)そしてコレットの願いに応えて「頑張ってこい」と。更にお前に加護をやろうと額にキスをする。

(14話)赤くなって慌てるコレットに、加護はカロンにもついているぞという。ゼウスが迎えに来て、アポロン様の宮殿で柊の精、柊ちゃんと出会う。「アポロン様のバカンスはきまぐれで、兼任するあらゆる仕事が滞っていますとにべもない。」集まった女神様たちの不調は治療と言うよりも話を聞いてあげること。柊ちゃんは、「神は不老不死、女神様達に病気といえるようなものはないのに、なぜ主やあなたは話を聞き続けるのですか」と、相変わらずそっけない。そこに昨日髪を枝にひっかけて切らなければならなかった相談に乗ってくれたお礼にニケ様が現れる。昨日は話を聞いてくれてほっとしたと。それを聞いてコレットは、「話を聞くというのはいちばん基本の処方薬なのかもしれないね」と柊ちゃんにいう。「聞くばかりの方は割に合わないじゃないですか・・・主のバカンスは息抜きなのかもしれません」と少し口調が和らぐ柊ちゃん。そうお医者さんって、相談しやすいか、納得いくように説明してくれるかで、ずいぶん変わってくる。ドクターショッピングはしたくないけど、でも何回か見てもらったってやっぱり合わないと思う先生も多いのよね。そこへゼウスの奥さんヘラが現れて、コレットのことをゼウスが愛人を天界まで連れ込んだと勘違いして毒ヘビ攻撃をかけると、ハデス様の加護が発動して、撃退する。ハデスの加護と気がついたヘラはハデスの愛人に手は出せぬと帰って行く。冥府では加護が働いたのに気がついたハデス様。ハデス様の体を気づかうカロン。

このあたりからハデス様今の色気がでてきている。

(15話)アポロン様の宮殿の温室で食虫植物に食われそうになったコレットにハデス様の加護が再び発動。ちょうど街が火事になって苦しんで死んだたくさんの人の話を聞いていたハデス様は気分が滅入る。柊ちゃんから加護は使うたびにその神の力を吸うので心身が疲れてしまうと聞いて、仕事終了後冥府へすっとんでいくコレット。一見普通に見えたハデス様は、気分が悪くなりひとりで空き部屋に籠もってしまう。探しに行ったコレットに「個人的な理由だ お前には関係ない」と拒否するが、「すまぬ・・・今少し感傷的になっているだけだ 私に近付かない方がいい」

すぐコレットを気づかう言葉が出てくるようになったところが少しかわりつつあるかなハデス様

頭を冷やすよりお風呂に入りましょうと、ハデス様を強引にお風呂に入れるコレット。ついたてがあるとはいえ一緒に入って天界でつくった入浴剤ハーブを入れたりするコレットにハデス様唖然。「私 もっといい薬師になってハデス様の役に立ちたいです あなたの加護に負けないくらい」と。ドアの外からガイコツも心配してようすを伺う。ハデス様の心も少し温められたよう。

(16話)天界時代、冥府へ降臨する直前に、山のてっぺんに咲くお気に入りの花の話をデメテル様とするハデス様の回想。今日はいけないのでと温室の果物をハデス様に送るコレット。眠れなくなってコレットからもらったラベンダーのポプリを取り出す。枕の下に置いてあるのね。冥界の王として責任を果たすために、気に入っていた花が見られなくなった 休日を潰し誘いも交流もすべて断った。人間の街へも行かなくなった 不死と思えば体の不調などささいなこと
って、ハデス様の扱う範囲はどのくらいだろう。この漫画の時代は古代ギリシアには見えないけれど、かつて古代ギリシアだった範囲くらい?人はどんどん増えていくから、死ぬ人も当然ふえていって、後ほどヘルメス様が通販を運営しているように、もう少し合理化しないと無理があるのでは。とにかくものすごくハードワークで頭が固いハデス様。「休日を楽しむことも 誰かと会うことも 体を気づかうことも 弱った心を癒やすことも ぜんぶ 本当は大事なものだった。」というのはがんばっているすべての人に送りたい、ハデス様の述懐。
ところで人が増えていくと、魂も増えていくわけで、冥府で過ごしたのち魂は地上に帰るという概念も無理がある。
眠れなくて宮殿を散歩するハデス様、人見知りの針子が、コレットと話すようになってお喋りもスキになって、ハデス様とも普通に喋れるようになったと聞いて微笑む。「なんだか最近のハデス様はやわらかい雰囲気じゃ よくお出かけなさってた頃のような」と針子。別のガイコツ(シェフか?)は散歩用のお茶といってコレットが処方した不眠の時のハーブティーをハデス様に入れる。コレットが自分が手放してきたものを拾ってくれたから今の自分があるとハデス様は思う。
そしてまた一日のハードワークが始まるが、裁判から戻ると天界からコレットが来ていた。神様は人間以上に自然が好きなんですねぇというコレットに、昔のお気に入りの花を思い出す。いいかけていったんやめたハデス様の言葉を待つコレットの視線に気づいて「天界の無人の島にある花を探してくれぬか」と頼む。

(17話)柊ちゃんと調べるとハデス様のいうのは水仙らしいけれど、黄色の水仙は見たことがないという。通りかかった女神様が聞いて自分たちも協力して探すという。コレットがハデス様のお気に入りと噂になって、なんとかハデス様とお近づきになりたいらしい。って女神様ってヒマなのね。コレットもゼウス様に馬車を出してもらって探す。その夜ほかの女神様が見つけてハデス様が思い出をその女神様にうち明ける夢を見てもやもやするコレット。翌日は途中でヘラ様に呼ばれたゼウス様、コレットに馬車を貸したものの、人間だけとみた馬はいうことを聞かない。通りかかったニケ様が助けてくれて、ニケ様にもやもやをうち明けると「勝利の女神として一つだけアドバイス ハデス様への想いがいちばん強い者がきっと花を見つけるわ」ってニケ様は勝利の女神、ニケ様に親しくしてもらった時点で決まりだけど。緑の少ない寂しい岩山の島々へ進んでとうとう崖の上に咲く水仙を見つけたコレット。とりあえず上陸して崖に登ってたどり着いた。「ハデス様は先生と同じ 尊敬すべき仕事人 私もそうなりたい いつも助けてもらってばかりだから役に立ちたい たまに見せる笑顔がとてつもなく素敵だから笑わせたい」とたどり着いたコレット。

ふと見下ろすと馬車が勝手に帰って行く!

(18話)コレットは崖の上に一人取り残されたまま、夜になった。どこからか「コレット!」と呼ぶ声がして、裁判服のまま駆けつけたハデス様に抱き寄せられたコレット。帰ってこないコレットに心配した柊ちゃんがゼウス様の宮殿を訪ねてゼウス様に面会を頼み、ゼウス様が冥府に知らせに行ったとのことだ。加護の気配を辿って見つけたと。冥王になる前のハデス様は思慮の浅い未熟者だったが、風をいなし悠然と岩山に咲く花を見て気高さや美しさはそうありたい己の心ひとつなのだとわかったという。冥王様はあなたが目指した気高さそのものですね、とコレットのことばに心打たれたハデス様。天界をコレットを抱いて横断してアポロンの宮殿へ。柊とコレットは冥府を通じて文通することになる。黄色の水仙ってペルセポネが地上に略奪されたあと咲いたというけど。

(19話)冥府の舟渡カロンは、もともと特別な役職がない神様で、天界で島々の舟渡しをしていた。ということは位の低い神様?しかし神様って飛べるんだから舟渡しはいらないのでは?と突っ込みたくなる。つまんない仕事だと思いながらやっていたカロンは、或日舟を待つ冥王様を見かけて乗せ自分と同類かと思って「冥王辞めたいとか思ったりします?」と聞いてしまった。「つまらんとはおもわぬ 意義のある仕事だと思っている」現状は嫌だけどやりたいこともない俺みたいなのいないのと思うカロン。そして別の日、再びハデス様を乗せたカロン、ニンフを差し置いて割り込む女神様に腹を立てて、そのニンフをハデス様と相乗りさせてあげる。「お前向いていると思うぞ 舟渡し」といわれて嬉しくなったカロン。頑張ってみようと思った矢先に、先ほどハデス様の前で恥をかかされた女神様が追いかけてきて、そのまま地面に永遠に張りついていなさいという呪いをかけられてしまう。獣たちに腹を食われていく。他の舟渡たちの噂で冥王様は冥府の舟渡しのスカウトに来ていたことを知る。冥王さまのもとで働きたかったけれどもう二度と会えず生きながら朽ちていくのかと泣いていたところで、カロンの名前を呼びながら突然現れたハデス様。

このハデス様美しくて好き! 今家来が舟を出しているが横柄な使者に手こずっている(ってガイコツが昔は舟渡しだったのか)お前のような物怖じしない度胸のある奴が欲しい 冥府の舟渡にならなぬか」という。カロンの欠けた体には石と粘土とアポロン様の薬草が詰まっていてハデス様の加護で自由に動かせる。そして身を守るためにもう一つ加護をもらって、ハデス様の負担になっていることに申し訳ないけれどカロンは幸せ。

女神様は一体何の役割を持っているのだろう。ヒマそうでニンフや下位の神に威張り散らして。気分で相手の人生、いや神生を破壊する呪いをかけて。本家のギリシア神話にしても、人間を翻弄するのが暇つぶしかなと思うこともある。まあ神様といってしまうから、人間を導く立派なもののような気がするけれど、
ギリシア神話の神様は、妖怪みたいなものだと思った方が近いのかな。

ハデス様とカロンの出会いはガイコツもコレットも知らない二人だけの秘密

2021年4月1日木曜日

コレットは死ぬことにした2

 (5話)往診に行くとあいかわらず熱を出しているハデス様。「今考え事をしている 下がれ」とそっけないが、こんな状態では薬師は下がれませんと強引に治療する。最近考え事が頭に張りついて寝付きが悪いハデス様の気分がかわるかもと、コレットは作りかけのポプリをとりに地上に戻る。いろいろあって遅くなったけれど、全速力でハデス様に届けに行く。はずみで髪飾りが外れたコレットの髪をそっと握るハデス様。コレットが帰った後「おそらくまだコレットは知らないのだろう だがいずれ耳に入る 知るときが来る」と思う。

ここから本格連載になったというけど(2014年7月18日発売花とゆめ16号)、あいかわらず具合の悪いときは素っ気なくて、殻に閉じこもろうとするハデス様。今ならこんな不機嫌な顔をコレットに見せなかっただろうに。6歳の時に流行病で村が全滅して、先生に連れられて町に住むことになった記憶がまたでてくる。せっかく生まれてきたのなら笑っていたい 薬師になったらそれが守れるのならやってやろうじゃないかというのがコレットの原点。

(6話)傷だらけの手をガイコツに指摘されていらっとして怒鳴ったものの、やっぱり気になって「やっぱりひどいかな 傷消えないかなぁ」とつぶやくコレットに「その傷があって今のお前があるのだろう?」とハデス様にいわれて嬉しくなる。地上に戻ったコレットは師のアンノ先生が亡くなったことを知る。ということはハデス様が先生にあっていた。どんなふうに、何を話したの 私の先生だって気がつかなかった?と冥府へ向かうと、使者の舟渡しカロンがハデス様に、アンノ先生が「妻を殺した自分がどーして天国行きなんだって」と訴えてくると話しているのを聞いてしまう。コレットが立ち聞きしているのに気がついたハデス様は「お前には関係ない話だ 悔いの一つ二つあれど使者はいずれ自分が誰であったか忘れていく もはや生者とは別の世界の住人だ」「帰れ」と拒絶する。言葉を失ったコレットは「天国行きって言われても喜べないなんて その裁判には何の意味があるんですか」といって宮殿を後にするが、カロンに強引に頼んでアスポデロスへ連れて行ってもらいアンノ先生の霊と会う。妻の異変を、肺炎なのにただの風邪だと軽視して手遅れで死なせてしまった後悔を聞き、その後30年優秀な薬師のように振る舞ってきたという。コレットはこの手は本物の薬師の手 私の憧れの手だという。カロンって最初からコレットには好意的なのね。ハデス様に聞いたら絶対ダメだというだろうに、コレットを結局望み通りアスポデロスに連れて行って先生に会わせてくれている。でも実はハデス様には迷いがあることをちゃんと読み取っているのかも。ギリシア神話ではハデス様自身も含めて冥府のメンバーは、オルフェウスの伝説のように時々情に流されて、生者を入れたり死者をつれていかせたりしているようだし、けっこう情に流される人たちかも。

(7話)アンノ先生の最期を看取った兄弟子のランを速達で呼んで、アンノ先生の形見の雑記帳を読んだコレットは毎年1月12日に奥さんに送った歌が書かれているのを見る。もう一度冥府のハデス様に、アスポデロスにいる師の妻を探したいと頼みに行く。しっかりお見通しというか当然カロンからコレットをアンノ先生に会わせてしまったことを聞いているとは思う。アスポデロスでアンノ先生の奥さんの名前はノーラと聞いて、必死で探すコレット。残念ながら奥さんは30年前の記憶を持っていないようで名乗り出ない。ハデス様に「コレットが自分の雑記帳を持っていると言うことは自分を看取った弟子にあったはずで弟子達がこんなに私のことを思ってくれるなら少しだけ自分を肯定してあげられるような気がします。」とアンノ先生はいう。コレットはアンノ先生に奥さんに贈った歌を歌ってみて下さいという。その歌に反応する影が現れ、「自分が誰だか忘れたけれどわたしはあなたを待っていたんだ わたしを忘れても あなたを忘れても 愛してるって気持ちだけは忘れられないから」アンノ先生はその影とアスポデロスに留まることにした。ハデス様は「天国に来ても喜べない裁判に何の意味があるのかとお前に言われて返す言葉が見つからなかった 裁判はこれまで通り行う だがここで使者達の話を聞いてやることはできよう それで魂が静まるたすけになるのなら私がすべき仕事だ」という。

カロンは、ハデス様がコレットを気に入っているのを、既に見抜いている。ガイコツとはまた違う立ち位置のカロンが魅力的。

コレットを薬師に育てた師のために、コレットがハデス様の領域を侵したシリーズ中後にも先にも唯一の件。受け入れたハデス様、少しずつ固い頭が変わっていっている。コレットの領域とハデス様の領域とは微妙に関わっていて、コレットが救えなかった人は冥府にくるわけだけれど、その後ハデス様の領域を侵さないように気をつけているのも好感が持てるし、11巻65話ではアスポデルス(天国)に出入りしているけれども生き別れた両親とは会いたいとは思わないと後ほどいっているのも、別世界の人間としてちゃんと一線を引いている。

しかし通常天国とかの概念って、先に逝った家族や恋人と会えて永遠に幸せに過ごせるのでないと救いようがないけど、30年前に亡くなっているアンノ先生の奥様にはもうほとんど記憶がなくて、本来ならアンノ先生が天国に行ってもお互いにわからない状態で、その後の6巻35話ではまもなく奥様は眠るように消えて現生にいってしまうという輪廻転生感は、ちっとも救いがないと思う。来世でも一緒に過ごしましょうというわけではなくて、結局永遠の別れなわけなんだ。今日は別れた恋人たちが生まれ変わって巡り会わないのだもの。

(8話)冥府に今まで知らなかった屋を見つけたコレットは、そこで人見しりする恥ずかしがり屋のガイコツに会う。ハデス様の衣装を一手に引き受ける針子なのでハリーとあだ名をつける。

ハデス様は1巻1話から苦しんできた日光アレルギーからの炎症が完治。珍しく微笑むハデス様にコレットもガイコツも密かに見とれる。しかしハデス様がハリーについて言った「お前(コレット)は言ってもきかぬから無礼なのだ あれは私が言えば従うだろう ・・・だが それにはあまり意味がないように思う」ってコレットも言ってるけど「よくわかりません~~~」意味不明。デメテル様の宴会の招待が来るけどハデス様は忙しくて欠席という。ハデス様は150年天界にお出かけしてないとのこと。昔は人間が少なかったから時間があったけれど、今はそうではなく余程の理由もなく休めぬという。これって自分の働き方を制御できてないところはコレットと同じじゃん。まあ神様は不老不死だし、コレットと違って心身が破綻していないけど。ハリーは仕事が生きがいなのに150年仕事がないというのに思い当たったコレットは、150年分の気持ちを見せに行こうと説得する。カロンの協力で裁判のペース配分と体調管理についてのプレゼン付きで。ということでハデス様はハリーの用意した衣装で天界の宴会にでかけることになった。

ハデス様が1話から苦しんできた日光アレルギーの炎症から、8話でやっと完治するってなかなかリアル。アレルギーは大変だものね。ハデス様、これ以降、美神度がアップ!

(9話)デメテルにどんな心境の変化があったか聞かれて、人間のお気に入りがいることがバレた。女神ネットワークって・・・ハデス様以外の神様ってヒマなんだなあ。「あなたの寵愛が欲しくてたまらないのに死者の国が怖くて手が出せない女神が大勢いるもの」とのデメテルの言葉にコレットを思い浮かべて思わず一人笑う。地上も豊作を祝うお祭り、コレットにとってはこの村で3回目のお祭りだが、自分の育った診療所のことを思い出して、この村は好きだけど、みんなのことを昔から知っているわけじゃない 手ばなしで心を許せる場所はもうどこにもないんだと思って涙ぐんだところで、ハデス様が天界よりもお前の顔が見たくなったから来たと登場。弟子達がお祭りから戻ってきて交替しますという声がするけど、もうちょっと一緒にいたいです。とコレットはハデス様と冥府へ。コレットは時々故郷を思い出したり、診療所自体を思い出して寂しくなるけれど、これから先いつもハデス様が甘えさせてくれる。

(10話)毒キノコを食べた男性タマさんがコレットの診療所に運ばれてくる。少し元気になるとコレットの手にキスをして抱きしめたり、女性に猫なで声を掛けたりセクハラしながら居候するようになった。玉子を買いに行ったコレットは売り子にけんもほろろにされる。話を聞いたタマさんはコレットと一緒に行って、その女性の心を開かせる。「タマさんは人を楽しませるのが上手ね 考えが変わったという」とはいってもタマさんに落ちたわけではなくてデートは拒否するが「そんな君が心を許す男が兄上なのかあ 兄上のかあ まずいよなー でも落とせない子ほど欲しくなるのがぼくの悪いクセなんだ」と意味深なことをいう。一方ハデス様はデメテルから「ハーちゃんにお気に入りがいるってことばれちゃいました ゼウスに気をつけて」という知らせを受け取っていた。

(11話)セクハラで思わせぶりなタマさんに屋外で悩まされているところへ突然ハデス様が現れて、「ゼウス」と呼びかける。世界の最高神、天界と空の王ゼウス!!なら毒キノコを食べても死なないわけだ。「そいつはわざとここに来た あいかわらずずるがしこい奴だ」とのハデス様の言葉に動揺するゼウス、その顔を見て「お前を排除する」との言葉に思わず庇うコレット。きっと怒るだけの何かがあってまだ陽が出てる中を心配してきてくれたのはわかるけれど泣きそうなタマさんを追い出したらいけない気がして「大丈夫です ありがとうハデス様 この人は私にひどいことはしません だから安心して冥府で待ってて下さい」とのコレットの言葉に引き下がるハデス様。その後コレットは特にその話に触れないが、夜、井戸の前でゼウスは、昔ぼくはハデスにひどいことをしてしまったんだと語り出す。

(12話)昔ゼウスとハデスとポセイドンの3兄弟はくじを引いて天空と海と冥府の担当を決めた。ゼウスはずるをして一番文句を言わないだろうハデスがハズレの冥府を引くよう細工した。ハデスは気づいたようなそぶりを見せたが何も言わなかった。それをずっと気にいていたけどさっき兄は気づいていたことを確信したけれど、天界の誰にも言わなかったのは他の神々と馴れ合うタイプじゃないからかなとゼウスは言う。最高神がどんだ卑怯者だとばれたらぼくは天界を追い出されてしまう。ハデスが宴会に来なくなってほっとしたのに、ハデスのお気に入り君が現れたという。ハデス様が誰かと知り合うたびにジャマしに行く方がよっぽど卑怯だとコレット。兄上に許されなくても謝らなくちゃいけないね とゼウスが言うのでコレットは今から冥府に行こうと井戸に突き落とす。「思い立つ日を吉日」って「思い立ったが吉日」だけどまあこれは意味的にはおかしくないか。心の準備ができないうちに冥府にいってしまったゼウスは着いたら猫に変身してしまう。アスポデロスにいるハデス様に話をするつもりが、鬼ごっこの最中だった。いきなりハデス様に一緒にオニにされたコレットは、とりあえず言われた通り手に花をくくりつけている影を特に狙ってタッチすると、現生へ出発していく。消えていくのを自覚しないよう遊んでやるのだという。ハデス様にとっては「冥府はおわりとはじまりの国」だという。「自分が終わるというのは想像できないこわさがある。人間は本当にそれを体験するのだからもっとこわいだろう ならば善人も悪人も影が消えるそのときは等しく安らかにしてやりたい」ってアスポデロスにいるのは善人だけだけど・・「兄上は逃げなかったんだね ぼくは逃げた ズルをした ごめんなさい」とあやまるゼウス。「ズルを黙っていたのは私がどこでも構わなかったからだ ただつまらん細工をしたことに腹が立っただけ」と二人は和解する。ゼウス様はギリシア神話でも黄金の雨とか動物でないものも含めてさまざまなものに変身するけど、それは女性をものにするため。もっとも現在ならネコの方が女性に受け入れられやすいかも。


コレットは死ぬことにした1コレットは死ぬことにした3

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