2022年4月23日土曜日

スキップ・ビート!21

2009年2月19日発売
(ACT.121 幸福注意報)
 夢のようなパーティが終わった12月26日、まだ幸福感に浸っていたキョーコは仕事にいくのを忘れて、10時集合のBox"R"台本読み合わせ初日にいきなり1時間1分23秒遅刻する。

 15:50蓮と社さんがDARK MOONのスタジオ入りしてみると、キョーコは落ち込んで、珍しく未緒にもなかなか気持ちが入れなくて、緒方監督に少し休んでいるように言われて、さらに沈んでいるところだった。そっと十八茶を差し出す敦賀さん。

敦賀さん最初の頃とは別人のようにキョーコちゃんに優しい。

 新しいドラマの読み合わせに遅刻して共演者を一時間は待たせたときいて、「それで?他には?」と蓮。「今はその事忘れて早いところ気分を切り替えた方がいいな。今から5分待ってあげるからその間になんとかするように。はい、じゃあ、よーいスタート」絶対遅刻しない敦賀さんならもっと怒るかと思っていて、すがりつくキョーコに「俺が怒るとすれば先の現場でのその失敗を次の現場へ持ち込んでそのうえ悪影響を及ぼしているという事だな。正直迷惑だ。」と。

昨日蓮立ち会いの下、社長さんにデュリスさんを紹介され「この芸能界で、未来の自分が何を手にいれていたら嬉しいと思う?」と聞かれて、「これが私ですって他人に誇れる自分自身です。最終的にはどんな役でもこなせてしまう最高で最強の一流俳優になれればなって思ってます」といったことを、蓮は思い出させる。

「芸能業界は厳しい。親が死んでも仕事に穴は空けるなと言われる程。どんな辛い事があっても仕事になれば笑ってふざけて楽しそうにしなければならない時がある。それを一瞬で気持ちを切り替え乗り切るのがプロ。他人に死ぬまで晒さないのが一流だ」「気持ちも切り替えられず、『未緒』も演れないなら今日はもう帰らせてもらうんだな。芝居のできない役者は現場にいらない」といって離れていく蓮。

「甘やかすだけじゃ才能のある人間は育たないんです。それに俺だって無茶を言ったりしませんよ。わざわざできもしない人間相手に」社さんが振り返ってみると、確かにキョーコの中で何か変わったようで、表情が変わっている。

 蓮は松内瑠璃子のときそうだったけど、共演者のわがままややる気のなさに皮肉はいっても寛容だものね。この場合、愛の鞭をあげるキョーコちゃんは特別。

 キョーコが落ち込むのは役者としては甘えだけど、生まれて初めてバースディを大勢の人に祝ってもらって舞い上がるのは無理がない。今後は気持ちをすばやく切り替えられるといいね。こういう浮かれた後、気持ちを引きずって周りに迷惑をかけてしまうってありがちだから、気をつけよう。

 やっぱり京子さんは敦賀君には何でも話せるんだねと、様子をうかがう緒方監督。

(ACT.122 無敵のローザ)
 蓮に叱られたおかげで気持ちを切り替えて仕事に戻れたとお礼をいうキョーコ。引きずったのはあっちの監督にスゴイ凹むような叱られ方をしたからなんだろ?という社さんに、「全く叱られなかったからむしろスゴク凹んだんです」と。安南監督がナツについて熱く語っているうちに他の人は帰ってしまったのでまともに謝罪することもできなかったと。

 緒方監督じゃ優しすぎて無理だから、敦賀さんに一刀両断にバッサリ斬って欲しかった。斬って生かせるなんて盆栽か植木職人のようですね!!というキョーコにどこから突っ込んでいいかわからない社さんだが、蓮はまんざらでもなくて、盆栽の剪定トークをする二人。

 花瓶を買いたいというキョーコにつき合う二人。あのバラは「クィーン・ローザ」という名前で、イギリス王家にまつわる伝説があって、娘のプリンセス・ローザの夭逝を嘆いたクィーン・ローザの亡くなった場所で咲いたバラで、開ききった中心から王女の面差しによく似た小さな女の子が出てきたという。

コーンが妖精だと今でも信じているキョーコちゃんならまあ信じるのもわかるけど、このおとぎ話を考えている敦賀さんが、吹き出したくなるほど可愛い!久遠ならキョーコのメルヘン癖に徹底してつき合ってくれたんだろうなと彷彿させる。ほんとうは前日のキョーコの誕生日にローザ様を贈ったときに言おうと思っていたのだけど、モー子さんに邪魔されたから(20巻ACT.120)ここで披露できてよかったね。

 そして家に帰ったキョーコを待っていたのは、貧弱な一輪挿しでは絶えきれずにひっくりかえったクィーン・ローザ様からでてきたバラ色に近いピンク色下涙型の宝石。

 無敵の気分で報告するキョーコちゃん。社さんは「仕込んだな」と蓮にぽつり。

高いものを渡して受け取ってくれないからとその努力はかうけど、もう少し正攻法に使ったら・・・というのはまだ早いか。しかしいくらなんだろう。ネットで探した感じだとパパラチアサファイヤかと。ということは、意味は「シンハラ語(スリランカの言語)で『蓮の花』『蓮の花の蕾』」うんそれっぽいかも。

(ACT.123 Wake me up!)
BOX"R"の撮影が始まった。
『未緒』っぽくしてくれと安南監督に言われて、その通りすれば一発OKで絶賛される夢を見て、蓮様人形に「図々しいにも程があるよね」と叱られる一人芝居をLEMのラブミー部部室でしているところを、当の蓮に見られてしまうキョーコ。人形が見られなかったのは幸だけど「最上さんの中で俺ってずいぶんイヤミキャラなんだな」と。「敦賀さんの言う事はいつも正しくてダメなことはダメってはっきり叱ってくれるし、今の暴走気味な私をもし敦賀さんが見たら今回も窘めてくれるかなって」

BOX"R"の撮影1月15日が近づいてきて、未緒とは違う演技がしたいのにいじめるシーンはどうしても未緒になっちゃうし、いじめるシーン以外では平凡以上普通以下で私の演技は全然つまらないんですというキョーコに、台本を読んだ蓮は「そのまま演ってみれば?」と笑顔でいう。「答えって意外と自分のすぐ近くにあるものだよ」と。椹さんに呼ばれているキョーコだが、「すぐ済みます」といっても蓮は「待っててあげようか?」とは言ってくれなかったのにもちょっとショック。

敦賀さんはキョーコちゃんの実力を信じてるんだ。少々時間がかかっても自分のナツを作れるって。ただもう一言あってもいいかな。

蓮は、次の映画で殺し屋B.J.を演じる謎の俳優Xの役柄確認にきた。撮影は去年の暮れか今年の頭という話だったけれど、20日にクランクイン(1月の?)で蓮は来月末(2月末?)まで入らなくていいと監督に言われている。Xは主役だけど謎の人物だから。

ラブミー部部室で蓮が休憩するのは、キョーコは不思議に思わないんだ。キョーコちゃんのスケジュールまで管理しつつある社さんご苦労様。

ナツは優しいお父さんとお母さんがいて何でもすぐにこなせてしまう程、器用で頭も良くて、そんなだから常にリーダー的存在で人気者で・・・久遠少年とかぶるトコ一杯あるのになぁと思いながらクーさんの「成長と共にあの子の顔から笑顔が消えていったのはわたしのせいではあるんだが」という言葉を思い出す。でも笑顔が消えても久遠少年はナツみたいに自分の人生を退屈でつまらないものだと思ったりなんかしてなかったはず。ナツは人前ではいい子ぶって笑顔をとりつくろってるから反動で一人の時無表情になる。

敦賀さんの「そのまま演ってみれば?」という言葉を思い出す。クーさんの言った「演じるんじゃなくてお芝居の中で生きるんだ」という言葉も思い出す。

いや久遠も心がこわれていくのに、表をつくろって一人の時は無表情になっていったと思う。ナツとは状況が違うけど。

(ACT.124 見えない残像)
ナツになるためにモー子さんからのプレゼントの高い化粧品セットを前にしたが、決心がつかずもののいつものドラッグストアのコスメでメイクをする。足元だけは誕生日にだるまや夫婦からもらった靴を履いて。しかし撮影はNGの連続。こういう普通のシーンは未緒でなくて言いと安南監督は言うが、キョーコには未緒を演じている自覚はない。

いずれにせよキョーコは普通の女子高生じゃないから、敦賀さんの言う『そのまま』ではダメだと思う。やっぱ敦賀さん指導的配慮と言うより、単にスルーするスキルだけでは。

(ACT.125 Black or White)
とうとう休憩を取らされたキョーコ達。共演者がキョーコのことを所詮タレント女優じゃないと聞こえる様にいう。

未緒の演技しているつもり無いんです。これで普通に、普段通りにしてるだけなんですというキョーコに、突然「よろしくお願いします」って言ってみてというスタッフ。この丁寧で美しいお辞儀、今時の10代の子が普通にできることじゃないでしょ。この子立ち姿が、もう素で現代っ子のものじゃないいです。という。とりあえずもっと楽に立ってみてといわれてもキョーコにはできない。

気分を変えるために教室のシーンにかえるという安南監督に、主役より扱いがいいと不満たらたらの共演者達。「当たりクジ一回引いただけなのに自分才能ある人だから~~みたいに」。初顔合わせに遅刻したことを謝っても、更にうっとおしがられるだけ。

いろいろ理由はあると思うけど、やっぱりキョーコちゃん最初の顔合わせで遅刻して反発をかったのはまずかったかも。しかし謝ってるのに虫扱いとは他のJK役もちょっとねえ。

かつて小学校時代に同級生から虫扱いされたことを突然思い出して、自分のことをいわれていたことを自覚するキョーコ。ショータローのおかげで同級生の女の子から嫌われていた自分の歴史であるが、小学生レベルのいじめじゃナツの演技にもつかえないと思うキョーコ。

教室シーンで安南監督からイジメシーンはもっと未緒っぽっくと要求されて、未緒が美月を憎んでるみたいにナツはちとせを憎んでる訳ではないので違う気が、と思わず口にするキョーコに「俺が未緒でいいって言ってんだから黙って未緒で演ればいいんだよ。ただでさえ普通の演技がまともに出来ないんだから、こういう得意分野の演技くらい一発でキメてくれないか」と頭ごなしの監督に、誰も助けをだしてくれない。

まあ監督のイメージにも未緒以外ないからこうなったら実践するしかないキョーコちゃん。

(ACT.126 ナツへダッシュ!)
未緒の演技にかえてから一発OKのキョーコ。今最も怖い悪役NO1という声に複雑な気分のキョーコ。「やっぱり『敦賀蓮の後輩』は伊達じゃないかもな!」という声。

でも共演JKたちは「『ナツ』って確かあたしらのリーダー的存在じゃんね。すべてにおいて常に頭一つ出ている『ナツ』に、あたしら親しみの中に憧れすら抱いてなくちゃいけないのよ」と納得できない様子。

その中で天宮千織だけは「気にしないで」と優しい。「それに私はあなたの意見に賛成よ。憎悪を露にして『ちとせ』に接するのは『ナツ』としては異質な気がするわ」と。「もしあなたが役にこだわりを持っているのなら諦めないで」と励ます。

しかし千織は監督にこっそり「京子さん、監督の求める『ナツ』にどうしても納得できないらしくて、もしかしてまた自分なりの『ナツ』にかえてくるかも知れません」と告げ口をすると、監督は「次また俺に刃向かう様ならもっと無駄なプライド叩き潰しとくか。」と。

『敦賀蓮の後輩』は伊達じゃないかもなという声をきいたときに、もしかしたら敦賀さんなら闘ったかもしれないと思ったキョーコ。かつて坊に、蓮が、新人時代はクビ三昧だったとの言葉を思い出す。役を守りたいって言う役者魂がまだ全然足りなかったんだ。とつらつらと控え室で鏡に映る自分を見て、仲居立ちしている自分に気が付く。女の子が憧れるファンションリーダーのモデルさんのようになりたいと思ったキョーコの頭に、先日の「やっぱきまぐれロック」収録で会ったファッションモデルのほのかさんのたたずまいが思い浮かぶが、どんな風にたっていたか思い出せない。何かいい案はと蓮人形に話しかけて、ふとモデルである蓮のたたずまいを思い出す。

車を運転して自宅に向かう途中の蓮は、社さんから、キョーコちゃんから蓮のあがりの時間を聞かれたと連絡を受ける。もう夜中の2:10。切迫していて様子がおかしかったという。そんな蓮の前方の道路にたたずむキョーコが目に入る。

夜中の2:10に忙しいスター俳優を待ち伏せするって、すごく非常識だけど、キョーコは自分が拒否されないだろうと無意識のうちに思っている?ということは無意識のうちの蓮の好意を少しは感じているのでは?まあ気になることがあると、そういう事を考えられないくらいまわりが見えなくなるのもキョーコらしいか。

調べたら道路交通法が改正されて「運転中にスマートフォンなどの携帯電話などを手に持っての通話の禁止」「運転中にスマートフォンなどの携帯電話やカーナビなどの画像の注視の禁止」になったのは2019年12月1日かあ。後からこういったシーンを見るとなかなか感慨深い

しかし素のキョーコを表す素うどんって悪くはないよ。何にでも変身できるし。


2022年4月4日月曜日

スキップ・ビート!20

2008年10月17日

(ACT.115 LUCKY NUMBER"24")
今度のキョーコの役Box"R"という学園ドラマの”ナツ”はリーダー的存在で周りからも親しまれ、優しい両親に恵まれ、ちょっとの努力で成績トップな順風満帆な生活に退屈して、主人公をいじめることで憂さ晴らしをするという、到底キョーコには理解できない高校生。だってキョーコはいじめられる側だったものね。

台本を読みながらLMEを歩いていると、退屈だというマリアちゃんの声がする。蓮様人形で会話に加わるキョーコとのやりとりにあきれるモー子さん。蓮様人形が欲しいとキラキラ顔でマリアちゃんに言われるが、あげられないと聞いて落ち込むマリアちゃん。

明るくなるような話題をと思って12月24日はマリアちゃんの誕生日だし、クリスマス・イブでもあるからパーティをやるんでしょと話をふると、誕生日はママの命日だから生涯祝わないって決めてるのというどんよりした顔。しまったと思うキョーコに更に「私のバースデーパーティのために誰かに来て欲しいなんて言ったりすると良くない事が起こりそうだから」と。

マリアちゃん、大金持ちの家に生まれて、お祖父様や蓮様にも愛されているけど、深い傷はまだ残ってるんだよね。キョーコが養成所に入るときにお父さんの気持ちに気付かせてくれて(3巻ACT.16-4巻ACT18)、お父さんとはメールをやりとりするようにはなったけど。

そういえばマリアちゃんのお母様が飛行機事故で亡くなったのはマリアちゃんのお誕生日のために日本へ帰ってきてたときだったのだ。お誕生日をママと一緒に過ごしたいという生まれて初めてのマリアちゃんのお願い事を叶えるために。

クリスマスも誕生日も祝わないのはそのためかと思い、キョーコは7歳のマリアとキョーコ主催で「大切な人に『今年もあなたと関わることができて幸せでした。ありがとう』って伝えるパーティを持ちかける。「どちら様もセンキュウパーティー」という案はモー子さんにダサいと一蹴されたが。

マリアちゃんを笑顔にするために奮闘するキョーコは素敵。仏頂面して文句をいいながらも協力するモー子さん最高。

その頃蓮は、控え室でクィーン・ローザという大輪のバラが誕生したという雑誌記事を見て何かを思いついたもよう。

(ACT.116 LUCKY NUMBER"24")
12月24日午後6時半からというHAPPY GRATEFUL PARTYの招待状を蓮と社さんに渡す。

マリアちゃんのバースデープレゼントを渡しに行くくらいなら余裕で行けると蓮にいわれて、喜ぶキョーコ。「喜ぶのはマリアちゃんだけ?」というストレートなボールを「それは他の招待客の方々も」とフルスイングで空ぶるキョーコ。「じゃ最上さんは?」と更に外しようのないボールを「もちろん嬉しいですよ。敦賀さんには色々お世話になって感謝してますから!!」と笑えない凡打に冷や汗をかく社さん。

「24日に何で感謝パーティなのだろう。普通クリスマスパーティじゃないか?」と不思議そうな社さんに、「マリアちゃんのためかなあ」と蓮。

マリアちゃんが誕生日もクリスマスも祝いたくない事情を知っていて、マリアちゃんのためにパーティを開くキョーコの優しい気持ちを察する敦賀さん、だから思いっきり空振りされてもへこたれないよね。キョーコへの思いが更に募っただろうな。

パーティはキョーコとマリアの反対にもかかわらず、宝田社長が通りすがりの「足長おじさん」として出資し、社長の迎賓館でやるという大がかりなことになった。

ショーウィンドウにキョーコの好きそうなメルヘンな化粧品セットを見かけて、葛藤するモー子さん。

TV局からパーティの準備にキョーコが駆けつけると、足長おじさんが派遣した匠により、お菓子の家の基礎やチョコレートの滝の準備ができていた。

楽しそうなマリアとキョーコの様子をそっとのぞく社長さん。「マリア様があんな風に陰りなく笑うのを久しぶりに見ました」「もしかしたらマリア様はご自分の誕生日は決して他人を不幸にする呪われたものではないと思い直してくれるかもしれませんね。このパーティが楽しくて幸せなものに終われば」とルトさん。「なるさ。最上君は頭のいい娘だからな」と社長さん。

後に蓮の闇も乗り越える手伝いをするわけだけど、キョーコは他人を不幸な過去を克服させて幸せにする名人なんだなあ早くキョーコ自身が幸せになりますように。

(ACT.117 LUCKY NUMBER"24")
そしてHAPPY GRATEFUL PARTYが始まった。蝶ネクタイにパンツスーツで出迎える主催者のマリアちゃん。ローリィ社長の趣味でヨーロッパ王室のパレード風の出迎え。社長の友達や仕事関係の集団は多国的セレブのサロン風。マリアちゃんのお友達の集団はメルヘンガーデンin悪魔の森ゾーン。キョーコは厨房でディナーとスイーツ作成中。キョーコが一つつくってシェフとパティシェ集団があとを引き受ける形式だ。表との連絡をするのはルトさん。琴南さんに、「ごめんねぇモー子さぁ~ん!!もちょっと待ってて~~~!!」と真面目な顔でキョーコの口調を真似て伝える。

トラおじ様ことエルトラは「アルジに呼ばれたくらいじゃ、忙しい私はのこのこ日本までやって来ないよ」と。主催はマリアちゃんとキョーコという娘と聞き、更にプロが舌を巻く程の料理の腕前と「芝居の才能にも恵まれている」と既に噂を聞いて獲物を狙う獣の目になって、ローリィに紹介してくれるように頼む。

これは将来の伏線かな。わかりにくいけどトラおじさまとマリアの会話とか、ローリィとトラおじさまの会話とか、横書きの字は英語で喋ってるんだよね。ずっと先のカインとセツカの会話とかACT.296の京子とヘルベルト監督の監督の会話とか呉前プロデューサーとヘルベルト監督の会話とかACT.297のモー子さんの演技とかヘルベルト監督との会話とかを改めて見てみるとみんなそうなってる。

坊(当然今日は中身はキョーコじゃない)とブリッジロックも招待されているのを見て、キョーコとの今までを思い返す奏江。

そういえば後ほど敦賀さん来た時に坊を見たかな。見ていればますますキョーコとは別の存在だと無意識のうちに記憶が強化されるかも。

万年ダイエット中のモー子さんがキョーコの料理がおいしすぎて食べ過ぎてしまったところへシェフスタイルのまま走ってくるキョーコ。

舞台では音楽一家がマリアちゃんの演奏に加わって盛り上がっている。マリアちゃん楽しそうでよかったとつぶやくキョーコに「責任感じてたんだ。あの子に自分の誕生日が母親の命日だと言わせて落ち込ませた事」と奏江はいうが、キョーコの返事は「マリアちゃんきっと今でも自分のせいでママが亡くなったと思ってるんだと思うから。大好きな人達と楽しく過ごせるバースデーはしたくてもママの死んだ日に自分が祝われるのは辛いんだよ。だからせめて12月24日をマリアちゃんが大好きな人達と楽しい時間を思い切り笑顔で過ごせる様に生誕祭を感謝祭にしてみたの」

舞台裏ではローリィ宝田とトラおじさまとそしてもう一人、パーティの佳境に向けて密かに打ち合わせをしていた。

スキップ・ビート!には素敵なおじさまもたくさん出てくる。

(ACT.118 LUCKY NUMBER"24")
DARK MOONの緒方監督や共演者も、だるまやご夫婦も仕事が終わった後駆けつけてくれた。

そして蓮と社さんも登場。シェフの格好で、社さんには「夜の帳」蓮には「夜明けの明星」と名付けた特別なウェルカムドリンクを持って迎えるキョーコ。

ヨーロッパ王室パレード風の入場案内のそれぞれの反応の仕方が面白い。モー子さん、DARK MOONの緒方監督や共演者、だるまやご夫婦、そして社さん。さすがに蓮は社長さんには慣れていて動じてない。

突然灯りが消え、花火と共に登場する社長。社長さんも招待客だったはずだけど、どこにいっても存在だけでその場を乗っ取るのはさすが。

そして社長さんから参加者へのプレゼントは、マントを振って幸せの花がでてくる・・・はずがトラおじさま登場。もう一度マントを振るってでてきた箱からはやはりトラおじさまが。何度やってもでてくるのはトラおじさま。

そして24日が終わるまであと15分、ラストチャンスに花と共に現れたのは宝田コウキさん、すなわちマリアちゃんのお父さん。キョーコの隣で見まもっていたマリアは呆然として「パパ」とつぶやく。

マリアの気持ちをたてながら本心がわかっていて、策をたてたトラおじさまと社長が素晴らしい!

(ACT.119 LUCKY NUMBER"24")
パパには招待状を出してないという。呆然としたまま動けないマリアちゃんにトラおじさまは「このパーティーに、直接マリアに招待してもらえなかったこと、内心コウキはショックを受けてるよ」「理由があるならちゃんとコウキに言ってお上げ(きっとマリアがどんなにコウキを愛しているか伝わるはずだから)」と。

手を組んで成り行きを見守るキョーコに目をやる蓮。

「マリアは気を遣ってくれたんだよね。招待状を出すことで僕の仕事の邪魔をするんじゃないかって。謝るのは僕の方だよ。マリアにずっと我慢ばかりをさせて来たくせにたった一度のわがままを咎めてしまった。もう我慢しなくていいからもっとわがままを言ってもらえないかな」とのお父さん(コウキ)の言葉に、無言で首を振るマリアちゃん。

「だって神様は私に意地悪なのよ。きっとまた私の大切なものを奪って行くの。私がわがまま言うと」「パパが飛行機乗るの怖かったの」と絞り出すマリアちゃん。涙がとめどなく流れるキョーコ。「僕は今日飛行機に乗ってきたんだよ。マリアに会うために。でもちゃんと生きてる。確かめてごらん」抱き合うコウキさんとマリア。「ありがとう僕の娘に生まれてくれて」

「マリアちゃんこれを機にうまく甘えられるようになるといいね。お父さんに。」とキョーコにハンカチを差し出す蓮。

20巻を読むと、事故で父を亡くした私はいつも涙が出る。崩壊家庭で父と暮らしていたのは多分4歳くらいまでで、ほとんど覚えてなくて、その後父はアメリカに職を得て人生の後ろ半分はアメリカにいた。私が高校生になる頃から手紙、後にメールを交換するようになったけど、付き合い方は常にギクシャクしていた。

あまり近い存在でははなかったので、突然の事故で逝ってしまったときに涙はでなかったけど、やはり喪失感があった。

父の人生の半分以上は内縁の妻だった方と一緒で、母がどれだけ不愉快な人間かよく知っている私は、父が幸せな半生を送れてよかったとは思う。でも父が亡くなった直後の電話でのやりとりで、彼女にそういったときに「私の母と出会ったのは若い頃の過ちだった」と言われた。私もそうは思うけど複雑な気持ちで、それまで良好だった彼女との間はその後も見かけ上は良好だし、その後2回彼女を訪問したけど、父の生前には絶対に私の母の悪口をいわなかったのが(父が悪口をいうとたしなめていた)、私に母の悪口をいうようになった。まあそれが本音だろうと思うし、父も母も彼女も全員同じ分野の人で、彼女も父も、母から非常に不愉快な目にあわされたと察するし、父が日本に居づらくなったのもたぶんそれと関係なくはないと思う。でも同意はするものの何というか心が痛かった。母は人を不愉快にする名人で、私にとっても毒親だし、父はその人と幸せに暮らせて良かったとは思うけど、若い頃の母との暮らしがなかったら私は存在しなかったはずだから。

12時の鐘が鳴る。12月25日になった。大輪のバラを一輪差し出す蓮。「17歳お誕生日おめでとう」と。

ともあれこういうときの蓮はスマート。蓮はマリアちゃんと親しかったからマリアちゃんの気持ちも知っているだろうし、この結末もある程度予想して、キョーコちゃんが感涙した最高のシチュエーションを狙ってたんだろうなあ。ちなみにバラ一輪の花言葉は「一目ぼれ」「あなたしかいない」

(ACT.120 LUCKY NUMBER"25")
帰る前にキョーコへの恥ずかしいキラキラ化粧品セットを渡そうか悩むモー子さん。やっぱり帰ろうと、キョー子に一声かけにいくと、キョーコは敦賀さんからバラを贈られているところだった。社長からバースディを聞いたと嘘をついて。(10年前コーンとして子供のキョーコと会ったときに聞いていた)

突然「あんた、今日、誕生日だったの」と二人の会話に割って入るモー子さん。視線は敦賀さんの送ったバラを睨んでいる。いそいでクラークから預けた化粧品セットをキョーコに渡す。
モー子さんって、敦賀さんになびかない数少ない女性で、むしろキョーコを争って敦賀さんに対抗意識を燃やしてるところが最高。敦賀さんといい雰囲気のキョーコに割って入るところもモー子さんなら許せるし、ツンデレでいて肝心の所ではちゃんとキョーコへの気持ちを言葉にできるところは蓮にも見習って欲しい。

「思わず買っちゃったのよね。誕生日なんて知らなかったけどあんたこういうの好きそうだし、喜ぶかな(と思って)」

大喜びのキョーコに、「(蓮に)勝った」とほくそ笑むモー子さん。「そこまで演出考えて日付変わった瞬間に一番乗りでプレゼント渡した敦賀君が、誕生日すら知らなかった駆け込み乗車客に負けるなんて」と吹き出す社さん。

蓮の脳裏に浮かんだのは「私のお誕生日は25日なの。でもお世話になってるお家が旅館で忙しいときだからお祝いは24日。クリスマスパーティ-の時一緒にしてくれるのよっ」といった10年前のキョーコ。「それはすこしかなしいね」というコーンに「どうして?クリスマスとお誕生日二つ同時にお祝いできるのに。一人お家でお留守番してるのと比べたら私ずっとずっと嬉しいし楽しいわ!!」と笑う。

「やっぱり誕生日を一人でもたくさん祝ってくれる人が居るって嬉しくないですか」と蓮。10年前からずっとそう思ってきたのならいい加減にコーンバレせい!と思う。
だるまや夫婦からもプレゼントをもらって喜ぶキョーコに、神々スマイルを浮かべる蓮。そして社長さんによるハッピーバースディのシェフコーラス隊とお菓子の家???の登場。

『今日、ずっと気付かないふりをしてきた胸にあいた小さな穴が暖かい何かで埋まった気がした』キョーコ。