2021年9月26日日曜日

神様はじめました9-13

(49話)ミカゲ様と話して、自分は人間で必ず巴衛より先に死ぬのに巴衛に求愛するのは無責任じゃないんだろうか、それなのにどうしてミカゲさんは巴衛に私を選ばせたいといったんだろうと自問する奈々生。大国神に「人と妖怪は結ばれてもいいんでしょうか」と尋ねると「ならぬと私が言って止まる恋なら心配せずともすぐに消えよう 全ては本人次第だ」。

瑞希や巴衛とわかれて京都の香夜子に会いに行った奈々生、香夜子は、奈々生をゲームセンターに誘って笑顔にさせたあと、妖怪との恋は「つまり絶対浮気しいひんってことやろ ええことやん」と言う。奈々生は黄泉国で霧仁と会ったことを報告する。香夜子が電話をすると霧仁は帰ってから人が変わったと霧仁の母に言われる。香夜子は霧仁にもう用ないと言われていて役に立てないかもしれないけど追いかけるのはうちの自由と迷いはない。うちを変えたのはあんたやと。

(50話)合コンにいくことになった奈々生、そっとついていって隣でようすを伺う巴衛とKURAMAと瑞希、男の子に連れ出されて口説かれている姿を見て思わず割り込んで連れて帰ってしまう。「お前の言う通りだ イライラしているよ 俺は 大人気なく」と

(51話)霧仁のもとに突然現れた夜鳥という妖怪、黄泉に眠る悪羅王を復活させようとしていると聞いて助けたいという。実は霧仁は魂は悪羅王なのだが気づいていなさそうだと、霧仁は思う。夜鳥は実は気づいているのだが。夜鳥は忠義の証として悪羅王に鞍馬山の天狗を掌握して献上するという。

奈々生と巴衛の前には鞍馬山の牡丹丸という飛べない天狗がやってきて、17年前に下界に出奔した三代目僧正坊の息子真寿郎を探しているという。三代目が病に倒れてから御山は瘴気の雲に覆われて、四代目に選ばれた二郎の人選に不満を持つものもいて山は不穏な空気に包まれているという。その真寿郎は鞍馬だった。山に帰るのは気が進まない鞍馬だったが、下界の毒を吸い過ぎて具合が悪くなった牡丹丸に鞭の跡があるのに気がついて、鞍馬山に帰ることにした。

(52話)真寿郎は僧正坊の子どもなのに5つになっても自力で飛ぶことができず皆にバカにされている。そんな中親切にしてくれたのが翠郎だった。翠郎は御山一速い翼を持ち、笛も上手だ。しかし翠郎は厳しい二郎に雷獣のねぐらに放り込まれた真寿郎を助けるために雷に打たれて翼を失ってしまった。

そして今回飛べない牡丹丸に、真寿郎を迎えに行くために鴉を貸してくれたのが翠郎だという。

(53話)鞍馬の天狗里で翠郎は本家ではなく離れに住んでいる。なぜか奈々生に冷たい。

一方乱暴者の二郎は四代目を継承するためにピリピリしている。そこになぜか夜鳥がつきまとっている。

奈々生は天狗の子どもたちの前で枯れた万年桜を開花させる。子どもたちが帰ったあとで二郎がやってきて、奈々生を天女と思って一目惚れする。

(54話)女人禁制の聖なる山に誰の許しを得て入山したかと問う相手が、牡丹丸にケガをさせた二郎だと知って、振り切って帰る。翠郎が冷たかったのは女人禁制の山で過ごしてきたのでどう扱ったらいいか慣れてないのだという。

霊薬桃丹を三代目僧正坊にのませたいのだが、僧正坊は2ヶ月前に倒れていらい道場敷地内のどこかの宮に隠れていて、公務は二郎が取り仕切っていて場内の警備は厳重で、山を出た真寿郎も道場を出された翠郎も部外者で、立ち入ることができないという。

そこに四代目を二郎にしたくないものたちがやってくる。真寿郎を四代目にすると。しかし真寿郎はなりたくない。が、道場に潜入して親父に薬を渡すために巴衛と奈々生に協力して欲しいという。

(55話)潜入したら奈々生と牡丹丸は二人で僧正坊を探すので、真寿郎と巴衛は二郎の気を引いといてくれと言う。真寿丸(KURAMA)は里を出て土地神になって帰ってきたという設定で巴衛がその神使である。

(56話)真寿郎は酒で二郎の気をそらすつもりが逆に酔い潰されそうになる。奈々生に化けた巴衛が杓をするというと動揺して結界が晴れて、僧正坊の寝所奥の院魔王殿に侵入する。

二郎が奈々生に惚れているのに気がついた巴衛は「男だ強者だと言うのなら取り繕わず奈々生が好きだと認めたらどうだ 貴様を見ていると鏡を見ているようでイライラする」と。そこへやってきた夜鳥が場内に天狗2羽と猿が一匹忍び込んでいたが地下に捕獲しておいたという。

(57話)巴衛と真寿郎はともに捕まる。

僧正坊を見つけた奈々生と牡丹丸だが、僧正坊は魂を抜かれているという。魂を体に戻さない限り目を覚まさないと。そこを夜鳥に捕まる。

夜鳥が鞍馬山の天狗たちを従順にして霧仁に渡すために僧正坊の魂を抜いたのだが、奈々生は退魔結界で夜鳥を消し去る。

(58話)二郎の結界のために僧正坊の魂が探せない奈々生は、道場内を走って自分の退魔結界を張る。牡丹丸は巴衛と真寿郎にたどり着く。奈々生が退魔結界を張り終えると二郎の結界が消えて巴衛と真寿郎の結界牢も消える。

僧正坊の魂を夜鳥が抜いたと牡丹丸が巴衛と真寿郎に報告しているのを聞いた二郎は、17年封鎖していた地下への扉を破って入る。奈々生も続く。地下は雷獣の穴に続いていて、翠郎が真寿郎を助けるために翼を失って以来封鎖されていたのだ。待っていろと言われたのについていった奈々生は雷獣と近距離で出くわし電の攻撃を受けるが、死んでしまうと思った二郎は思わず奈々生を助け雷に打たれる。「惚れた女に目の前で死なれてはたまらなかった それだけだ」と。

(59話)土地神の代理札に「僧正坊の御魂」と書いて追いかける巴衛も地下への扉をくぐるが、そこが雷獣の穴に続くことを知っている真寿郎は入口で躊躇うが、続くことにする。

雷獣は更に奈々生を襲おうとしていたが、間一髪たどり着いた巴衛が雷獣を攻撃すると、弱った雷獣は僧正坊の御魂を吐き出す。俺には御山の頂上に立つ羽も三代目に合わせる顔もなくなったからお前が持って行けと、二郎は真寿郎にいう。

僧正坊に魂がもどり目覚め御山も少しずつ息を吹き返す。僧正坊は夜鳥から、黒い羽を真寿郎の羽と騙さている間に、魂を抜かれたよう。一方奈々生を助けて羽が傷つき気を失った二郎は、夢の中で夜鳥に騙された自分を僧正坊に嘆くと「間違いなど誰もする」と諭される。

(60話)奈々生の持ってきた桃丹で二郎は回復した。桜の花の下で、二郎の四代目継承の儀式用に発注した膳で、二郎の回復と御山の復活を祝する宴。二郎が奈々生に告白したのを知って巴衛は面白くない。

二郎は突如奈々生を連れて飛翔し、桜の枝に連れて行く。「鞍馬の里が気に入ったか ではずっとここにいればいい」という。KURAMAに「奈々生が心配なら俺が上まで連れていってやろうか」と言われて巴衛は「あの男は奈々生に無理強いする度胸はない 人の命は短いからな 生きたいように生きた方がいい あいつがここに残りたいと言うなら俺は止めないよ」と。KURAMAは「人の命は短いから伝えたいことは伝えておかないと永遠に機会を逃すハメになる」と。

いっぽう奈々生の表情を見ていた二郎は桃丹の残りを返して「それがなければ俺も翠郎のように羽を落とさねばならなかったろう」と「これはいつか巴衛が私から離れて一人でどこかへ行く時が来たらこれを渡さないといけない」「彼は強いから彼を守ってくれる人は誰もいないの」と。

酒まんじゅうで酔っ払った奈々生は巴衛におんぶされて鞍馬の山を下りる。「ともえだいすき」と寝てしまう奈々生に「俺も好きだよ」とつぶやきながら。

(61話)沼皇女(ぬまのひめみこ)が小太郎と式を挙げるときは是非奈々生の社でという。巴衛は異種間の婚姻など半人前のお前につとまる仕事でないと。奈々生が結婚するのかと早とちりした瑞希に「私は結婚なんかしないわよ 絶対。」という。

巴衛と瑞希と奈々生は次の年神の札を頂きに年神さまのところにいく。年神の社に入るには十二鳥居を通って各々の12年を振り返らなくてはならない。面白そうと入っていった奈々生を見て、巴衛は「奈々生は脳天気だからな」というが瑞希は「彼女は巴衛君のこと好きとは言っても結婚できる相手じゃないと割りきっている 賢いよ」という。

なかなか出てこない奈々生を見にいくと、12年前に戻った保育園帰りの奈々生はパチンコで取ったチョコレートを父に貰って大喜びするが、家では家賃の取り立てに頭を下げる母が。見守る巴衛は奈々生から親の話を聞いたことがないけどなるほどと納得する。やがて父親は夜逃げ、母親は病で死別することを察する巴衛。

(62話)手作りの笹餅を楽しむ子どもの奈々生、冷蔵庫の下にしまって置いた今月の光熱費が父親に持って行かれてなくなっていることに気がつく。「昔々ご先祖様が神様から美人になる薬をもらって飲んだ それから代々 うちは可愛い元気な女の子が一人だけ生まれることになった」と奈々生に話す母。「ただし残念なことにうちの家系は代々何故か男運が悪い 男で苦労する家だと。だから男を当てにしちゃだめ お母さんみたいに身を崩さないようにひとりでも太く長く生きるのよと」と。そして母は亡くなり戻ってきた父はタバコの不始末から火事を起こして奈々生とアパートをでる。一年生になった奈々生に巴衛は好きなものをあれこれ食べさせる。が「ななみお家に帰りたくないな だってお家にはだれもいないんだもん」というのを聞いて「今だけだ お前はその内嫌になるくらい賑やかな社の主になる」という「やだっ ななみけっこんしない ななみ男運が悪いんだもん ななみはだんなさんをアテにしないの」「男運ではない 見る目が悪いのだ たとえば俺ならお前を幸せにしてやれるぞ」と。「おにいちゃんはちゃんとななみのことが好きなの?」と可愛く聞かれて「好きだとも お嫁に来てくれるかい」「いいよ」

(63話)十二鳥居を抜けた奈々生は何も覚えていない。母親も火事で写真も一枚もなくなって覚えてないという。十二年前の奈々生にあげた思い出のアイスクリームを巴衛が出すとそこにかぶりついたのは年神様龍の子「たつのこ」。家出して社の入口も閉めてきたという。年神様の悪口をいう奈々生に怒るたつのこに、じゃあ会いたいなという。

行ってみると、ぼろぼろの社にいたのは前の辰年神が隠退して新人で不安な年神をなぐさめるとお礼だと行って、十二鳥居でみた思いでを写した奈々生のお母さんの写真をくれる。巴衛は 「あの子供も母親もそこに在った想いはいなくなりはしないのだ たとえ覚えていなくても奈々生の中に在り続けるのだな」と思う。

(64話)

新たな黄泉への入口を模索する霧仁、黄泉国から持ち帰った土でつくった石版鏡が開き、霧仁と夜鳥は黄泉国へ。生半可な妖怪は黄泉の空気に触れると塵化するのに無事な夜鳥を見て、「何者だお前 どうして悪羅王に関わる」と問い詰めると昔悪羅王に仕えていたという。

500年以上前、巴衛は悪羅王とつるんで悪さを繰り返していた。巴衛は人間の女性・雪路(過去に行った奈々生)と恋に落ち人間になると言い出して仲違いした。巴衛は行方をくらまし悪羅王の体は黄泉へいったと、悪羅王こと霧仁はいう。

(65話)
夜巴衛がひとりで出かけるのを見て、パジャマのまま裸足でついていくと、異界の往来で異形に踏まれそうになって巴衛に助けられる。二人で向かったのは、妖の年の瀬市場、闇の市、ミカゲ社の木札をつくるためのトクトクという木を買いに来た。高いけれどミカゲ社が迎える20年ぶりの新年だからいいという巴衛を見て、巴衛は真面目で凝り性で社をとても大事に思っていて、自分も巴衛にとって大切な社の「神様」だということを改めて奈々生が思っているところで茶屋の女性に出会って、巴衛に「ただの連れだ」と紹介されて、落ち込んだところで巴衛は奈々生を待たせてどこかへいってしまう。実は巴衛は裸足でついてきて巴衛の草履で歩きづらそうにしている奈々生のために草履を買いに行ったのだ。「その娘さん一体どんなのが似合うんです?」と聞かれて「清らかで可愛らしい凜とした花だ」と答える。一方巴衛にこれをかぶって待っていろと言われた傘と交換でウサギの易者からくじを引く奈々生。引いたのはつぼみの花。まだまだだけど少しは期待してくれるってことなのかと思う。しかし巴衛が渡した傘は妖怪から身を隠すための邪念避けだったので、妖怪に追われる。一方ウサギの易者が奈々生に渡した傘を差しているのを見つけた巴衛は助けにいこうとするが「行かなくても大丈夫 あのお嬢ちゃんは土地神なのだもの それにあなたが思っているよりあの子は強いわ 長年こういう商売をしているとね・・・器でなくものの本質がみえるのよ」と。しかし「あいつは俺がいないとダメなのだ」と走り去る。妖怪が誘拐した子供に危害をくわえようとしているのを見て奈々生は「この土地神の肉を食べた者は寿命が1000年延びるのよ」といって自分に惹きつける。往来の白線の向こうへ逃げ込もうとして草履があわなくて躓いた奈々生だが、幸い追ってきた妖怪は往来で踏み潰される。

(66話)
妖怪に誘拐されていたのは狐の子供。お母さん所にお帰りという奈々生を見て、「荘厳の百合、山百合の花を連想する」

さまざまな訪問客とともに年は暮れる。

(67話)多々良沼皇女と小太郎が神前婚の下見でミカゲ社にくるのを待っている。巴衛は妖と人の婚姻などもってのほかという。奈々生は「自分だって昔人間の女の子とどうこうなったくせに・・」とつぶやくが、巴衛にはミカゲに記憶を封じられている。怒った奈々生に巴衛と瑞希はおつかいに追い出される。その間にミカゲ社ごとは沼皇女と犬鳴沼の皇子錦の婚礼までと沼に連れて行かれる。

一方小太郎が自動販売機に行ったあいまに錦がやってくるが、沼皇女は人の姿をしているので、錦にはわからず、多々良の魚に馳走して沼皇女を喜ばせるという。妖術を使うと妖の姿に戻ってしまうと巴衛に言われているが、戻ってきた小太郎と共に捕まり、小太郎が怪我をしてしまう。そこに奥に頼まれてようすを見に来た龍王。

(68話)錦は龍王に殴られる寸前に現れたもり役の不知火に連れられて沼に戻る。

ミカゲ社の担当蒼依は、錦の姿を見たのは一度だけ、言葉も交わしたことがないが、恋い焦がれている。直談判のために錦の屋敷に乗り込む奈々生の前に姿を現した錦。

(69話)奈々生は錦に、「皇女は人間に恋をしている」と告げるが、錦にでていくように命じられ、蒼依に連れ出される。夜中に復讐に訪れた錦に頭をはたくが、ろうそくの火が衣に移った錦を助ける。錦の書いた皇女へのラブレターを拾って読んでしまった奈々生は、錦が自分をたたえる内容に破り捨てる。私は錦が嫌いだという。人を労れない男はただの嫌な奴、あんたの恋文に足りないのは相手への愛情と思いやりだと。とりあえずごめんなさいとかありがとうとか言えるようになりなさいよと。人神のくせにと思いながら宮殿に戻った錦はお茶をもってきた下女に思わず「ありがとう」と言ってしまう。呆然としながら喜びの表情を浮かべる下女たち。

(70話)龍王と皇女に連れられて足の怪我のために病院に来た小太郎。皇女ちゃんはなにか隠してるんじゃないだろうかと思う。小太郎のルービックキューブを取りに戻るといってでていく皇女。昼間の者は犬鳴沼の竜鯉錦のものだという。多々良沼の妖を集めて戦をするという。

帰ってみると社が消えていて呆然とする巴衛と瑞希とマモルくん。

龍王は皇女が部下と会って戦の指示をしているあいだに、小太郎に皇女は妖怪ナマズ女だと告げる。

(71話)戻ってきた皇女は、「わらわが妖であっても小太はわらわが好きであったか」と尋ねるが、小太郎は「君のこと受け入れるなんてできるわけないじゃないか!」「もうそなたの前には現れまいぞ ひとときでも心を通わせることができたのじゃ わらわはそれだけで生きてゆけよう」と去る。龍王は「一時でも好き合った同士だったんだろ このまま別れるんなら恐らくもう二度と会えねぇ 最後の言葉 あれでいいのか?」うじうじする小太郎に龍王は「信用されたかったら信用に足る男になれ」と。

小太郎は龍王に「まだ伝えてないんだ 僕は姫美子ちゃんが妖怪でもナマズでも大好きだ!!」と、多々良沼へいくことにする。

(72話)ミカゲ社を持ち去ったのは皇女の仕業かと多々良沼へ行った巴衛たちは、奈々生と社は犬鳴沼にいるといわれてそちらに向かう。錦は奈々生に沼皇女へのラブレターを添削して貰っていた。錦は意外と純粋でラーメンが食べたいという奈々生を地上に連れて行く。奈々生と錦は街で亡くなった妻を思う焼き芋屋のおじさんの気持ちを知って「錦も自分の伴侶をここまで愛したい」と。沼皇女が巴衛たちとともに犬鳴沼へ到着する。

(73話)巴衛と皇女は犬鳴沼で、奈々生と錦の帰りを待っていた。一方、奈々生は錦に、「皇女は人間に恋をしている」と話すが、愛しい男と会うために陸に上がる女に興味を持つ錦。

そこへ突然不知火が現れて、錦を犬鳴沼へ連れ戻し、沼皇女は不知火が厳選した最良のお相手で自分の言うとおりになさることが最善の道と諭す。

奈々生は瓦魔子に体を乗っ取られ、代わりにカエルの姿に変えられてしまう。皇女を初めて見た錦は、数日前に手荒なまねをした相手が皇女だったと気づき、謝罪する。巴衛は「奈々生はどこだ」と息巻くと、中身が瓦魔子の奈々生が現れる。瓦魔子は不知火に命じられ、錦と皇女の結婚がうまくいくよう誘導する。なぜかあっさりと結婚を承諾する皇女。「錦と二人で話がしたい」と庭に出る。皇女は突然、「小太郎の仇だ」と言って刃物を取り出す。この機会を得る為、結婚をあっさり承諾したのだった。錦は皇女の小太郎への気持ちを理解した上で、「嫁に来い」と言う。

(74話)龍王と小太郎は沼皇女と沼皇子が婚約したと聞いて犬鳴沼に向かう。皇女と奈々生を探していた。そして、巴衛が偽物の奈々生に絡まれているうちに、奈々生を一目見て偽物だと気がついた皇女の知恵で本物の奈々生を探しにかかる瑞希とマモル。結婚式前夜、浮かない顔の皇女を元気付けようと、錦は皇女に手紙を書く。すると皇女からも返事が。何度も手紙をやりとりする。

(75話)当日の朝、錦が目にしたのは、やはり笑顔のない皇女だった。錦は龍王と小太郎が侵入したのに気がついたがそっと助ける。奈々生を捜索中の瑞希は、マモルくんのおかげでカエルの姿になった奈々生を発見する。するとそこにガマコが現われ、岩場に閉じ込められてしまう。そのようすをそっと隠れ見る下女、龍王が来た時にほんものの奈々生のところまで案内する。

結婚式が始まってしまい、誓いの杯が酌み交わされるという時、小太郎が式場に到着する。「妖怪でも なんだって、僕は 皇女ちゃんが 好きだよ!」叫ぶ小太郎。「わらわも」皇女はそう言って小太郎に抱きつく。

(76話)不知火は二人を捕らえようとするが、錦に止められる。「行かせてやれ。あの皇女の顔 曇らせたくない」そう言うのだった。更に追いかけよと命じる不知火に「錦に妖の上にたてといったいったお前がその錦を蔑ろにするか」と初めて逆らう。

社を出た皇女と小太郎は、追ってきた瓦魔子の攻撃を受けて、その途端、術が解けてしまい、妖の姿に戻ってしまう皇女だが、小太郎は、姿が違っても皇女だとちゃんとわかって「君が好きだよ」と。

一方、振袖を届けようと奈々生を探す龍王は、蒼依と共に、閉じ込められた蝦蟇の姿の奈々生と瑞希とマモルくんを発見する。蒼依から一部始終を聞いた奈々生は、元の姿に戻る為、不知火の宮に潜入する。

(77話)応援しているはずの皇女と小太郎が逃げたことを悔しがり、巴衛に社を捨てて二人でとこか遠くへ行こうという奈々生に、やっと奈々生の体が誰かに乗っ取られていることに気がついた巴衛は、「お前の言霊は効かないな なぜならお前は奈々生ではないのだから」と。

不知火様は瓦魔子の上司だからと不知火様の宮に蝦蟇の奈々生を忍び込ませた蒼依。錦様が間違わないように迷わないようにいつも手を引いて差し上げたのに、人神はそれをたったの三日で錦様を変えてしまった。だが(あの皇女の表情 曇らせたくない)というあれこそが、わたしの求めていた大主の姿。「いつ育て方を間違えたのだろうか」、と言う不知火。「錦が素直で真っ直ぐなのは、不知火のおかげなのだから、間違ってない」、奈々生はそう答えた。奈々生が不知火と話をしていると、体が引っ張られて巴衛にいたぶられている途中の自分の体に戻るのだった。

(78話)ミカゲ社と共に、地上に帰ってきた一同。庭で突然巴衛が倒れてしまう。医者は巴衛の胸にあるアザを見て、難しい病だと告げる。古い呪いの一種にかかっていて、アザの呪いが成就すれば、今度は意識が戻らないかもしれない、と言うのだった。そんな中、皇女が小太郎とミカゲ社を訪れる。人間界でデートする為、再び人の姿にしてほしいと言う皇女。想いが通じた二人を見ながら、「妖と人間でも結ばれることがわかった」と喜ぶ奈々生。「そうかもしれんな」、と巴衛が初めて同意する。突然巴衛の頭の中に、過去のシーンが映し出された。それは昔の記憶だった。「人になって添い遂げたい女がいる その女の名は雪路 この巴衛の生涯の伴侶になる女だ」


神様はじめました1-8/神様はじめました14-19

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