(60話)(61話)回想 過保護で緋龍城からでたことのなかったヨナが6歳のとき一度だけハクとスウォンに連れられて城下町に遊びに行く。人さらいにさらわれ、スウォンとハクの活躍で無事助けられる。後ほど城を追われてからハクとヨナが再会する裏町の顔オギさん(24巻135-137話)、若き日のわがままで傲慢なカン・テジュン、悪党を一蹴りするハクの力量に感心するグンテ、近衛一番隊隊長の若いジュドはこの頃から二刀流でガミガミと小言屋。裏町の影の実力者達と友達で、彼らを操るスウォンへのハクの崇拝はこの頃からだった。
ヨナの母が賊(実際はユホンが送った刺客ヒューリ34巻35巻)に襲われて亡くなったばかりで、ほんとうはヨナも殺されるはずだったことをイル国王はわかっていただろうから、ヨナを城から一歩も出さずに育てていたのは、後から見れば納得できる、ただ同時にイル国王はヨナが緋龍王の再来として国を治めることはわかっていたはずで、城の外のことを何も教えなかったのは、2021年2月現在まで読み進めてもやはり共感できない。
(62話)ヨナはハクから剣の稽古をつけてもらう。ハクの夢の中でヨナは「スウォンを殺しに行きましょう」とハクに言う。そのヨナの後ろには剣を振りかざすスウォンが。目を覚ましたハクは、スウォンに刃を突き立てるのは俺の役目だと誓う。そのようすを見ていた黄龍ゼノは「あんまり思いつめんなよ 命縮めんぞ 兄ちゃんはすこし死の臭いがする」「四龍は死んでもまた生まれるから でも兄ちゃんには代わりはいないから大事にしなきゃ」と。ハクは「お前らにだって代わりはいねーよ」と返す。
ゼノが不老不死で緋龍王の時代からたぶん数百年のあいだずっと高華国を見てきて、ヨナ達も子どもの頃から知っていて、さらにはその親の世代の確執も知っているのは、ずっと先の話(18巻)。あとから読み返すと、このゼノの言葉はヨナとハクとそしてスウォンも暖かく見守っている仙人のように感じられる。ハクがすこし死の臭いがするというのは、たぶん忠告で、予言ではないと思うけれど。
追いかけてきたヨナに、ハクはもっと好きなことをやっていいのよといわれて、ヨナの額に口づけをする。戸惑うヨナ。
(63話)火の土地より寒い戒帝国には、火の土地でも育つ作物があるかもしれないというユンの提案。国境には不思議と火の部族や戒帝国の兵があまりいない。戒帝国はかつては広大な領地と高い軍事力を誇っていたが、現在は南北に分かれ、北戒は遊牧民族の攻撃を度々受け、帝国軍は手が回らずに、各地では豪族が実質的に支配している。南戒は気候が安定して豊かで貴族や官僚商人が多く移り住んでいて、皇帝のいとこが仮初めの玉座に座っている。ヨナ達の行き先は、北戒の千州という豪族リ・ハザラが支配する土地だ。天幕がもう一つできたので、ヨナは熊に襲われないようにハクと小さい方の天幕で寝ることになったが、先日の口づけ以来落ち着かない。
(64話)千州ではイザという寒さ乾燥にも強い作物を育てていた。種はあげられないが、今夜のお祭りで団子汁を振る舞うので食べられるという。ヨナ達は旅芸人のふりをして参加する。お祭りは先々代のジュナム皇帝の時代に戒帝国と高華国が領土争いをした際に死んだ人達の魂を鎮めるのと、戦火の炎と土地を奪われた火の部族の怒りを鎮めて再び争いが起こらないよう祈る、火鎮めの祭りだ。かつて姫だった頃に習っていた踊りをハクにからかわれて、スウォンに見せるために一生懸命練習したんだと思わず言ってハッとするヨナ。スウォンから送られた簪をユンが見つけてさしたらと勧められてあわてるヨナに、「それをどうしようとあんたの勝手だ」後ろを向いて去るハク。ヨナがまだスウォンを忘れられないでいるのを知っている。
(65話)いい男揃いのハク一行の話で盛り上がる元気な村の女の人達に混ざってガールズトーク。好きな人はと聞かれてスウォンを思い出して言葉に詰まるヨナ。昔の戦争で使った剣を手に、花嫁の剣の舞を踊る。切なげに見つめるハク。終了後一人で簪を見つめるヨナの手を抑えて、何か言いたげな態度を見せながら、言葉も行動も呑み込むハク。
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