2021年3月11日木曜日

暁のヨナ16

 (89話)仙水駐屯隊入口で、スウォンがリリが、水の部族長の娘であり、速やかに隊長に取り次ぐよう伝える。兵の派遣も前例がないと乗り気でないラマル隊長に、リリは水の金印を見せ、私の言葉は水の部族長の言葉という。平伏しながらもこの人数ではと戸惑う隊長に、策はあるとスウォン。それに向こうには雷獣がいるから何が来ても負けないと。
 スウォンの奇策は、海女を一緒に乗せて、南戒の商船に爆弾をつけること。兵を動かしたとなると戦争になるので、海賊を装って追い返すこと。ハクはリリの用心棒の案と聞いてどういうやつなのか不審に思うがジェハが命令し馴れて無駄が無く、自分の感では信頼できるという。
 沖の南戒の貴族カザックは、やってきたのは3隻だけとのんびりしていると、ジェハとジェハにおんぶされたキジャが飛び移ってきた。ハクと龍達の総力戦と海女による爆破で、わずかな人数で船を沈めてしまう。水の部族兵隊長が、リリの用心棒はあちらには雷獣がいるので負けないと言われたと聞いてきたというのに、ハクはハッとする。

(90話)リリは、ヨナはヒヨウに背中を切られて傷がまだ治ってないことをスウォンに喋る。目のいいゼノはヒヨウの手下達が弓でヨナを狙っていることに気がつき、皆に警告して、ヨナの前に立ち塞がる。その前には更にスウォンとジュドが立ち塞がり、矢を斬り落とす。矢は毒矢で、拾って反撃しようとしたヨナはスウォンに止められる。むっとしたヨナに、ゼノはあの兄ちゃんといると娘さんはちょっと冷静じゃない。弓を止めたのは娘さんの背中の傷を気にしたんだよという。今娘さんの敵はひとりだと諭されて、スウォンを弓で狙う手下を射るヨナに、スウォンもジュドも驚く。そんなヨナを見て、ジュドは「あなたの死を望んだことなど一度もない。どこか遠く俺の目の届かぬ場所で生きのびていてくれたらと思っていた」と心の中でつぶやく。

そういえばジュドはずっと先にヨナが緋龍城に戻ってからも一番丁寧に扱い、ヨナの無事を気にしていた。

そこにヒヨウが刀をかざしてヨナに突進してくる。ゼノがヨナの盾になって守っているが更に前に、飛び出して腕で刀を止めたのは、ハクだった。

(91話)一撃でヒヨウを倒したハクの視線はスウォンに向いていた。まっすぐスウォンに向かっていくハクは、ムアもギョクも一撃で倒し、ジュド斬られたものの一蹴し、スウォンを掴もうとしたところで、追いかけてきたジェハに止められる。ジェハとキジャが渾身の力で止めているところを、部下達に急かされてスウォンは去って行った。ヨナはハクの前に立って、「大丈夫 私は大丈夫だから」とハクに語りかける。

しかし一巻2話で城を追われてからハクはこの16巻91話までスウォンと対峙する機会がなかったのよね。ヨナは地の部族の地、阿波(7巻38-9話)で視察に来たスウォンとばったり会っているけど。

(92話)帰り際にジュドがウォンを「陛下」と呼んでいるのを聞いて、リリは、ウォン、そしてヨナの正体も察した。キジャは次はハクを止めないとジェハにいう。城に戻ったジュドはああいうときは剣を抜いてくださいとスウォンを責める。次は斬りますとスウォンはいう。

(93話)リリが仙水にいると聞いてテトラ、アユラが駐屯隊に駆けつける。三人でヨナ達の野営地に差し入れにいって、送別会をする。アユラはハク達の正体を思い出したことをほのめかすが、同時にあなた方は水の部族の恩人という。

(94話)兵舎に戻ったリリは、アン・ジュンギ将軍と対面する。水の部族長の象徴である水の金印を持ち出してそれを使って権力を振るうのは本来なら極刑をも免れぬ大罪、水呼城からの追放を命じるという。リリは覚悟が出来ているという。追放先は仙水で、どこにも鍵などかかっていない。ジュンギ将「軍は5部族会議に向かう前に兵の増強やナダイ中毒患者の施設の指示を出していったという。おまえが決めた道だ。この地で最後までやり通せといっている」ように思えるとアユラはいう。

 緋龍城でスウォンはイル陛下の時代に奪われた高華国の領土の返還を求めて南戒に向けて出陣すると宣言。ケイシュク参謀に南戒の船隊の攻撃を迎え撃ったことを軽率と言われたアン・ジュンギ将軍は、今まで抑圧され虐げられてきた民の怒りの分まで南戒の影響を取り除くべく尽力するという。

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