2021年4月4日日曜日

コレットは死ぬことにした5


(26話)酒神ディオニュソス様は神様なのに人間界が好き。酔っ払って風邪引いて診療所の井戸に落ちるのを目撃したコレットは、慌ててあとを追って冥府へ。昼も夜もない暗い冥府、変なガイコツと冥府の悪口を言うディオニュソス様に腹を立てるハデス様に、ディオニソュス様が冥府を好きになったらここで看病してもいいかとコレットは頼む。初めて来たときのゼウス様と同じで、知らないから怖いだけと思う。ガイコツお手製の美食で、美食家のディオニュソス様の冥府の印象を変える。仲良く話すコレットとハデス様のようすに何か思うディオニュソス様。

(27話)人間が好きで地上をあちこち放浪しているディオニュソス様は気に入った街に数年滞在すると不老不死の神様なことがバレないように去って行く。一緒に暮らしたコルネ君に「”と”から始まって”あ”で終わる16文字は」となぞなぞを残して。風邪が治らないのに暇を持て余したディオニュソス様「”と”から始まって”あ”で終わる16文字は」となぞなぞを出す。だだをこねるディオニュソス様を置いてコレットが帰ったあと、ディオニュソス様はハデス様に「ハデス様ってコレットに惚れてんですか?」と問いかける。「でもハデス様 人間に入れ込むならゼウス様くらい割り切ってつきあわないと辛くなりますよ」「・・・俺はツライ」というディオニュソス様に、リューさんとのことを(4巻25話)思い出すハデス様。
コレットの兄弟子イタンさんがコレットのようすを見に訪れた。患者さんともうまくやってるのか?といわれてディオニュソス様が頭に浮かんだコレットは、手強いのがいて急になぞなぞを出されたりするというと「”と”から始まって”あ”で終わる16文字は」かとい。途中の街で子供から聞いたことを話す。冥府でディオニュソス様の看病中なことはコレットは伏せておく。その夜冥府を訪れて、ディオニュソス様に人間界での名前「イオさん」と呼びかける。コルネ君から「イオのバカ なにがなぞなぞだ時間を返せ!答えなんか最初っからなかったくせに なぞなぞなんかなくたってぼくはイオのこと忘れないのに」と伝言を伝える。「答えのないなぞなぞは自分を覚えていてくほしいって願いだったんですね」とコレット。「人を好きになればなる程一緒に生きてゆけないことが辛くなる」と。外で立ち聞きしていたハデス様は中に入らず引き返す。「割り切ってつきあわないと一緒に生きてゆけないことが辛くなる」という昨夜のディオニュソス様の言葉を反芻しながら。ハデス様もよく立ち聞きしますねぇ 同じ時間の流れを生きている人間同士でも、先に逝くもの、あとに残された者、一緒は永遠でないことが辛くなる。人間よりずっと時間の流れが速いネコとの別れはいつも辛い。

(28話)往診に行くイタンさんにセラがついていきたいという。コレットさん毎日30軒も往診していたの・・・往診先で頑固な患者を説得しようとするセラを、うまくカバーするイタンさん。そのあいだに診療所では、家で倒れていたアドナさんという年配の女性が運ばれてくる。かたくなにコレットの世話を拒みながら倒れて診療所に入院することになる。3年前故郷を目指して道を間違えてこの村に立ち寄ったときに、アドナおばばの夫トニさんを診たけれど、トニさんは既に手遅れだった。何日ぶりかで一言アドナと呼んでアドナおばばは喜んだけど、結局亡くなった。覚悟はすべきというべきだったかなどとコレットは後悔する。アドナさんは夫を直せなかった自分が嫌なようだから、イタン兄ちゃんが帰ってきたらまかせようと弱気になっていると、ポーラに「いつものコレットさんなら今考えてなんか色々やって最後には”またよろしくね”っていい感じにしちゃうでしょ。」と活を入れられる。

(29話)イタンさんに同行して往診に行ったセラは、すっかりイタンファンになって、一人前の薬師になりたいと燃えている。イタン兄ちゃんにお前がこの村にいなかったら、セラとポーラは薬師になってなかったと言われる。そうするとハデス様にも出会えてない。そんな未来は想像できない。おばばと会ったあの日が始まりだったんだと、ちゃんと話をしようと思う。しかしコレットもイタンさんも往診に行っている間におばばは診療所を抜け出す。野で倒れているおばばを見つけた背負って診療所に連れて帰る途中に、おばばが気にしているのは、この村に薬師が欲しいと、故郷へ行く途中だったコレットを自分が引き留めたせいでコレットは故郷をあきらめてこの村を背負っていくことになった。せめて自分はコレットの手をわずらわせないように世話になるまいと思ったという。コレットは「薬師のいない村に薬師ほしいって当然じゃないですか 故郷にも常駐の薬師がいたらあんなにあっさり全滅しなかったかも」と、故郷にはもう誰もいないし、あと何年かしたらこの村初の一人前の薬師が誕生する。そしたら今度は彼らが弟子をとって次が育つかもしれない。その方がずっと夢があると思いません?という。後ほど改めてコレットが自覚した自分の夢、「薬師を繋ぐ(12巻72話)」の原型ね。

(30話)魚のいない冥府の川で釣りをするカロン。(この設定最高!コレットが来なくてつまらなそうなハデス様を察して、カロンの「ハデス様も釣りをすればコレットがきたりして」っていうキャラも最高。おばばの件も片付いてコレットが冥府に来るとディオニュソス様はすっかり元気になって、シェフガイコツにレシピを伝授して美食を楽しんでいる。しかしディオニュソス様、最初冥界の悪口言いまくりにしては、変わり身が早いのでは。よっぽど冥府の食事がおいしかった?仲良く話すコレットとハデス様を診て、3人で天界の自分の家で快気祝いに飲もうと招待するが、忙しいハデス様もコレットもにべもなく断る。二人だってゆっくり話すチャンスなのにというディオニュソス様にコレットは心が動くが、カロンにトラブルがあったようでハデス様は呼ばれていってしまう。ハデス様何か言いたげだったけど。

帰ってからイタン兄ちゃんに夜だけ休みがほしいと申し出てみたら、お前が休まなすぎだからセラやポーラが休めないのだと怒られる。とはいってもハデス様は今日も忙しくてあまり話せなかったし無理、と気持ちを押し込めたコレットに、アドナおばばが話しかける。「その人は忙しくて代わりがきかない人だから ちょっとしか会えなくてもそのちょっとで充分なんです ほんとは」とうつむくコレットに、じゃあそれをその人の目を見てぜひ言ってごらんなさいとアドナおばばはアドヴァイス。もう一度井戸に飛び込んでやっと仕事の終わったハデス様に伝えに行くコレット。「ハデス様 私ねっ ここに来れることが ハデス様に会えることが それだけでとても幸せです」との言葉にハデス様は「月夜にお前を一人占めする」

それ、二人とも愛の告白だけど、そう自覚してないところが何とも。ディオニュソス様、快気祝いと称して、なかなかじっくり二人だけの時間を持てないコレットとハデス様を応援しているのが心温まる。カロンも普段我慢してしまうハデス様が思いもよらず自分の感情のままに動いているので嬉しそう。
でもってハデス様が天界の宴会に来る!とディオニュソス様が自分の島で叫ぶと、通りすがりの女神が聞きつけ、あっというまに天界に広まる。女神様って暇なんだなあ。

(31話)コレットがハデス様と天界の宴会にお出かけだと聞いて大喜びのハリーはコレットの服をつくる。ハデス様の肩掛け止めとお揃いのコレットの髪止めは「「アスポデロスの白(ハデス様)と水仙の白(コレット)そして他の神々は決して身につけられない黄色い水仙」って水仙は白と黄色という意味かな?行ってみると久しぶりのハデス様が見たくて、大宴会となっていた。でも二人だけのコーナーで仲睦まじいコレットとハデス様を見て、ディオニュソス様は満足。とはいえこのコーナーにも押しかけてくるハデスファンの女神様たち。なにやら曰くありげに親しくする女神様もいて、「あの人は私の知らないハデス様を知っているのかしら」と不安になる。ビンゴがあたったものの席を離れると絶対のその女神様にハデス様の隣をとられるとハデス様にしがみつくコレットを見て、コレットを抱き上げてイチャイチャはじめるハデス様。やっと邪魔者と悟って退却する女神様たち。「お前が知らない私はある けれど お前しか知らない私もある」と。これはハデス様にも言えるけど気がついているのかな。地上で仕事をしているときのコレットはハデス様の知らないコレット(想像はできるだろうけど)。でもハデス様にしか見せないコレットがあることは、このあとの水仙の絶壁でもハデス様思いを寄せているけれど。で、外で働いているあるいは何らかの活動をしているすべてのカップルについても言えるはず。思わず自分からハデス様の胸に飛び込んで赤くなって「イカン血圧が」というコレットに声を出して笑うハデス様。神話ではハデス様は笑わない神様だったと思うけど、ここでも微笑むことはあっても声を出して笑うことは滅多にない、常に真面目顔だよね。
こういところでも勝利の女神ニケ様強い、というかビンゴに勝利の女神様が入るのは不公平では。ハデス様はやはりくじ運がないのね。いや冥府を引き当てたのが大当たりでくじ運を使い果たしたか。冥府はハズレくじじゃないものね。

(32話)思わずこっち向いてとハデス様に頬に手をあてるコレットの手にキスするハデス様。しっかりとコレットを抱きしめたまま。
会場はカラオケ大会が始まる。ハデス様の提案で柊に会いにアポロン様の宮殿に移動。ハデス様とアポロン様がサシで飲んでいる間に柊ちゃんと散歩するコレット。その後更に思い出の水仙を見にいくコレットとハデス様。また真面目顔に戻ったハデス様に、先ほどの声を出して笑っていたのがウソ見たいとじーと見つめるコレットに「誘っているのか?さっきの続き」とコレットを抱きしめるハデス様。コレットの「ハデス様と出会わなかった未来は想像できない。」思わずキュンとする台詞だけど、二人の未来はまだまだこの時点では予想も付かないだろうから、この台詞「ハデス様とで会わなかったら今どうしているか想像できない」だと思う。月並みではあるけど。まあこのまま尊敬する友達として仲良くと思っているかもしれないけど。

ハデス様、酔っ払った勢いで、コレットを抱きしめたのに、安心してぐーすか寝られては、自分は男として見られてないと思うよね。コレットにとって現在のハデス様は、いつも全力の自分が疲れて素の自分をだして甘えられる存在。コレットはまだ恋だと自覚してなくてハデス様の方がだんだん気持ちを隠せなくっていくのもわくわくする。ディオニュソス様の「コレットに惚れてんですか?」という言葉を思い出して、「私こそ お前と出会わなかった未来など想像できない」

いやいや、コレットと出会ったけど、未来はまだ想像できないでしょ。だからこの台詞も「お前とで会わなかったら現在どうしているか想像できない」でしょと突っ込みたいけど。

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