(69話)死後裁判をしながらコレットがいつかここへ来る日を思うハデス様。「何者でもないくせに側に置いているのか 案外ずるいな」というポセイドン様の皮肉を思い出す。って、ポセイドン様は愛人一杯いたでしょう!メドゥーサとか!!人のことをいえないと思うが。これ以上進んでコレットと愛し合うと、いずれくるコレットの死とそのあとアスポデロスで自分のことを忘れていくのを見ていなければならないのが辛い。
地上ではコレットとイオさん(ディオニュソス様)とエルさん(ヘルメス様)は、薬師が一人しかいなくて手が回っていない村に来る。ヨノト先生は青服のコレットを見るなり「あとはよろしく」といって倒れる。ササラちゃんという柊ちゃん似の美少女が家からご飯を運んでヨノト先生の世話をしている。コレットがヨノト先生に代わって診察しているのを見て「薬師って女の子もいるんだね」と。隊商と一緒に明日の朝旅立つはずだったけれど、コレットはしばらく滞在して、この診療所を立て直すことにする。イオさんとエルさんも協力してくれる。冥府にはしばらくいけないかもしれない。ハデス様のことどうしたらいいかまだわからないけれど好きな人に胸を張れる仕事をする。そういう薬師でありたいから、目の前の仕事を頑張ると心に誓うコレット。
(70話)失敗作を多産しながら包帯をつくるイオさん、棚の整理をするエルさん。「薬師じゃなきゃ作れないわけじゃないし 手伝いたいから手伝ってんの」というイオさんになにか考え込むササラ。男の子は家業、女の子は家事を覚えて嫁ぐのがあたりまえの集落で、往診に行くと女の子の薬師は驚かれるし、いつお嫁に行くの?女の子が体冷やしちゃ大変よと心配されながらも、受け入れてもらえるコレット。ヨノト先生自身は他所から住み着いた遍歴医で息子は亡くなっている。「”昔から皆がそうしてきたこと”って中々変わらないんだ」という。自分の故郷が健在だったらきっと自分もこの村の人達と同じように生きてきたとコレットは思う。そう思うと薬師になりたいといってきたセラとポーラとそれを許したご両親もチャレンジャーでありがたいとも改めて思う。包帯の作り置きが欲しいと話していると「私が作る」というササラちゃん。ササラを気負わせてしまったのなら自分は望まないというヨノト先生に、「イオさん達を見て手伝ったらいいんだって コレットさんみたいに女の子もいるんだって 初めて知った 先生もみんなもなんかかっこういいなって思った」と。
しかしササラちゃんはご機嫌の悪い患者さんに自分で作ったポプリを渡したら「手伝い?はあ?ままごとかよ」と言われて落ち込む。その後コレットに言われて診療所でぐずり始めた子どもにもポプリを渡すと、お母さんと一緒に翌日子どもがお礼を言いに来る。気を取り直したササラちゃんはヨノト先生とコレットさんに「私は薬師になれますか?」と「嬉しかったからそして悔しかったから目指してみようかなって。」更にコレットはささらちゃんに「私もコレットさんみたいになれるかな 雨の中を青空のスカートでまっすく前を見て歩くコレットさんみたいに私きっとあのときもう憧れていたのかもしれない だから私コレットさんみたいな薬師になりたい 青空みたいな薬師になるね」言われる。
あなたみたいになりたいと最高の褒め言葉をもらったコレット!以前ハデス様がくれた「病に伏す者にとって彼女とその青い服は晴れ空のようだ(4巻25話)」と並ぶ褒め言葉。
(72話)ササラちゃんが薬師に弟子入りするにあたって、「彼女だけに村を背負わせたくはありません ササラには将来家族を持ったり他所の街や村へ行く自由もある この村のことは皆で考えねばならんのです」と村人を説得するヨノト先生。ヨノト先生が具合悪かったり、女の子でも薬師になれることも村人の心に響いた。もう一人薬師希望の男の子も現れて、この村はもう大丈夫だからと、コレット達は出発することにした。自分にとっての先生がササラちゃんにとっての自分で、いつかササラちゃんにも誰かが続いて薬師が繋がったら・・と以前マリー姉ちゃんに聞かれたとき答えられなかった自分の野望(11巻67話)を見つけたコレット。診療所が当たり前にあって次を任せる人が当たり前にいる。どんな場所でもそれが普通になるようにしたい。どんな場所でもというところまでコレットがやりたいなら、人の一生では足りないかも。
ヘルメス様の鷹が伝言に来て、ヘルメス様とディオニュソス様は天界に呼ばれてしまう。コレットは、ヘルメス様が冥府に連れて行ってガイコツにしばらく泊めてあげるように頼んでくれる。ヘルメス様、異世界への道もつくれるのね。ならばいずれコレットに冥府と地上をもっと簡単に行き来できるようにしてあげたら?結婚祝いとかで。ガイコツにお風呂に放り込まれてベッドの掛け布団の上で寝てしまったコレット。ハデス様が来た気配を夢の中で感じて、無言のまま抱きしめられる。抱きしめられたのはハデス様が掛け布団の代わりに自分の布をコレットにかけたからだと思うけど、頬に手の感触があったのはハデス様が触ったからよね。昔からけっこうハデス様コレットの頬や髪を触るから。目が覚めるとハデス様の布がかかっていてベッドで一人。ガイコツがご飯をおいていてくれた。誰もいない台所で後片付けしてハデス様の閨をのぞくとカーテン越しに読書中のハデス様が見える。邪魔になるから帰ろうかと思ったところで気配を感じたハデス様に「誰かいるのか」と。カーテンを開けたハデス様がコレットに気が付き「おいで」
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