2021年4月11日日曜日

コレットは死ぬことにした12

通常版

(69話)死後裁判をしながらコレットがいつかここへ来る日を思うハデス様。「何者でもないくせに側に置いているのか 案外ずるいな」というポセイドン様の皮肉を思い出す。って、ポセイドン様は愛人一杯いたでしょう!メドゥーサとか!!人のことをいえないと思うが。これ以上進んでコレットと愛し合うと、いずれくるコレットの死とそのあとアスポデロスで自分のことを忘れていくのを見ていなければならないのが辛い。

地上ではコレットとイオさん(ディオニュソス様)とエルさん(ヘルメス様)は、薬師が一人しかいなくて手が回っていない村に来る。ヨノト先生は青服のコレットを見るなり「あとはよろしく」といって倒れる。ササラちゃんという柊ちゃん似の美少女が家からご飯を運んでヨノト先生の世話をしている。コレットがヨノト先生に代わって診察しているのを見て「薬師って女の子もいるんだね」と。隊商と一緒に明日の朝旅立つはずだったけれど、コレットはしばらく滞在して、この診療所を立て直すことにする。イオさんとエルさんも協力してくれる。冥府にはしばらくいけないかもしれない。ハデス様のことどうしたらいいかまだわからないけれど好きな人に胸を張れる仕事をする。そういう薬師でありたいから、目の前の仕事を頑張ると心に誓うコレット。

(70話)失敗作を多産しながら包帯をつくるイオさん、棚の整理をするエルさん。「薬師じゃなきゃ作れないわけじゃないし 手伝いたいから手伝ってんの」というイオさんになにか考え込むササラ。男の子は家業、女の子は家事を覚えて嫁ぐのがあたりまえの集落で、往診に行くと女の子の薬師は驚かれるし、いつお嫁に行くの?女の子が体冷やしちゃ大変よと心配されながらも、受け入れてもらえるコレット。ヨノト先生自身は他所から住み着いた遍歴医で息子は亡くなっている。「”昔から皆がそうしてきたこと”って中々変わらないんだ」という。自分の故郷が健在だったらきっと自分もこの村の人達と同じように生きてきたとコレットは思う。そう思うと薬師になりたいといってきたセラとポーラとそれを許したご両親もチャレンジャーでありがたいとも改めて思う。包帯の作り置きが欲しいと話していると「私が作る」というササラちゃん。ササラを気負わせてしまったのなら自分は望まないというヨノト先生に、「イオさん達を見て手伝ったらいいんだって コレットさんみたいに女の子もいるんだって 初めて知った 先生もみんなもなんかかっこういいなって思った」と。

しかしササラちゃんはご機嫌の悪い患者さんに自分で作ったポプリを渡したら「手伝い?はあ?ままごとかよ」と言われて落ち込む。その後コレットに言われて診療所でぐずり始めた子どもにもポプリを渡すと、お母さんと一緒に翌日子どもがお礼を言いに来る。気を取り直したササラちゃんはヨノト先生とコレットさんに「私は薬師になれますか?」と「嬉しかったからそして悔しかったから目指してみようかなって。」更にコレットはささらちゃんに「私もコレットさんみたいになれるかな 雨の中を青空のスカートでまっすく前を見て歩くコレットさんみたいに私きっとあのときもう憧れていたのかもしれない だから私コレットさんみたいな薬師になりたい 青空みたいな薬師になるね」言われる。

あなたみたいになりたいと最高の褒め言葉をもらったコレット!以前ハデス様がくれた「病に伏す者にとって彼女とその青い服は晴れ空のようだ(4巻25話)」と並ぶ褒め言葉。

(72話)ササラちゃんが薬師に弟子入りするにあたって、「彼女だけに村を背負わせたくはありません ササラには将来家族を持ったり他所の街や村へ行く自由もある この村のことは皆で考えねばならんのです」と村人を説得するヨノト先生。ヨノト先生が具合悪かったり、女の子でも薬師になれることも村人の心に響いた。もう一人薬師希望の男の子も現れて、この村はもう大丈夫だからと、コレット達は出発することにした。自分にとっての先生がササラちゃんにとっての自分で、いつかササラちゃんにも誰かが続いて薬師が繋がったら・・と以前マリー姉ちゃんに聞かれたとき答えられなかった自分の野望(11巻67話)を見つけたコレット。診療所が当たり前にあって次を任せる人が当たり前にいる。どんな場所でもそれが普通になるようにしたい。どんな場所でもというところまでコレットがやりたいなら、人の一生では足りないかも。

ヘルメス様の鷹が伝言に来て、ヘルメス様とディオニュソス様は天界に呼ばれてしまう。コレットは、ヘルメス様が冥府に連れて行ってガイコツにしばらく泊めてあげるように頼んでくれる。ヘルメス様、異世界への道もつくれるのね。ならばいずれコレットに冥府と地上をもっと簡単に行き来できるようにしてあげたら?結婚祝いとかで。ガイコツにお風呂に放り込まれてベッドの掛け布団の上で寝てしまったコレット。ハデス様が来た気配を夢の中で感じて、無言のまま抱きしめられる。抱きしめられたのはハデス様が掛け布団の代わりに自分の布をコレットにかけたからだと思うけど、頬に手の感触があったのはハデス様が触ったからよね。昔からけっこうハデス様コレットの頬や髪を触るから。目が覚めるとハデス様の布がかかっていてベッドで一人。ガイコツがご飯をおいていてくれた。誰もいない台所で後片付けしてハデス様の閨をのぞくとカーテン越しに読書中のハデス様が見える。邪魔になるから帰ろうかと思ったところで気配を感じたハデス様に「誰かいるのか」と。カーテンを開けたハデス様がコレットに気が付き「おいで」


(73話)ハデス様にヨノト先生の村やササラちゃんのこと、薬師を繋ぐ野望など話す。ハデス様はコツメ君と風呂に入った話(特装版のコツメ君日記)をする。夢の中でハデス様が現れてほっぺに手があたった感覚とかすごくあってというと、どうやら夢では無かったらしい。じゃあその後のあれ(ハデス様に抱きしめられたのは)とつい言うがそれは夢で、恥ずかしくなったコレットは帰ろうとするが、閨にきた目的の、ハデス様がかけてくれた布を返しに戻る。が、ハデス様の匂いのする布を返すのが惜しくなって「やっぱりこれ借りててもいいですか」と布に顔を寄せるコレットに「内心喜んでいる自分がまぬけだ 一線を越える勇気もないくせに」と心の中で思うハデス様。コレットがハデス様の身につけていた物を抱きしめて返したくないというのを喜ぶのはまぬけなんかいな・・素直に嬉しいと思わないのか。”執事黒星は傅かない”の黒星なら悶えていそうなのに。更に「青服を青空みたいって 最初に言ってくれたのはハデス様ですよね だから余計に嬉しかったんです 薬師への最高の褒め言葉」「夢で言わなくてよかった ほんとのハデス様がいいもん」とのことばにハートを打ち抜かれたようにコレットを見つめるハデス様。脳裏にリューさんのプロポーズからコレットを助け出したときに思ったこと(4巻25話)、ディオニュソス様の「コレットに惚れてんですか?」という言葉(5巻27話)とディオニュソス様の宴会の後、水仙の咲く断崖で「おまえが好きだ」とつぶやいたこと(5巻32話)、「何者でもないくせに側に置いているのか」というポセイドン様の言葉(9巻56話)、裁判中にいつかはお前もと思ったこと(12巻69話)などが次々に浮かぶ。そしてもう一度「ハデス様がいいもん」というコレットの言葉を反芻してとうとうハデス様の愛の告白。「私はお前が好きだ いつかお前が私を忘れる日が来ても構わない やっと腹をくくった」と「愛しているコレット」
そしてコレットも「わたしもハデス様が好きです 大好きです」とずっといいたかったことをやっと告げる。


マンガParkでポイントを貯めて無料で読んでいて、どうしても手元に置きたくなってRENTA!で電子本を借りたいと思ったのが、この12巻!もっと先まで無料で読み進めていたけれど、まずはこの12巻から借りてしまった。ハデス様とコレットのLOVEがなかなか進展しないけれど、真面目なもの同士が、障害のある恋を進める過程としてはその方が現実的だと思う。だからとうとうハデス様が告白する73話はシリーズ中最高!この歳になって感動しても一緒に分かち合える同胞がいないのが残念。美しい絵で何度も読み返してしまう。ハデス様は5巻の32話で、酔いに任せてコレットを抱きしめたときに寝ているコレットに「おまえが好きだ」と既に自覚してるし、その他にも寝ぼけたときとか(6巻37話)加護の反動で弱っているとき(8巻48話)とか思わずコレットを抱きしめたり、海辺で口づけ未遂したり(9巻55-56話)、コレットも10巻59話で「いつのまにか私はあなたに恋していたのね」と気がついてからも、メンテちゃんにハデス様を占領されたり(10巻62話)、告白し損ねたり(11巻66話)、やっと12巻で晴れて恋人になるまで長い道のりだった。腹をくくって吹っ切れてからのハデス様は積極的だから、これからもいろいろあるけどコレットには薬師を継ぐ夢を果たしながら、冥府の妃としてハッピーエンドになるといいなあ。ハデス様告白したばかりなのに「一緒に寝るか?」ってなんという天然。あと、ハデス様、ストレートな告白ではあるけど、それじゃ独り言です。まあここまできたら絶対コレットは拒否しないと確信はあっただろうけど。

ヘルメス様は、告白のきっかけになった今回のコレットの冥府へのお泊まりや、以前ギクシャクしていたときにハデス様似のネコの人形を届けてくれたり(10巻58話)と、けっこう重要な後押し。

(74話)ハデス様はディオニュソス様の宴会からずっと、コレットはマリー姉ちゃんとこでハデス様が手紙を届けに来てくれたあの夜から、好きだったと。「そろそろ寝ないと」(何しろハデス様は夜明けに起きて仕事にいく)というコレットに「ん 一緒に寝るか」と天然なハデス様。確かにこの流れなら単純に離したくないからとは思うけど。ハデス様に好きって言ってもらえて頭を掻きむしるコレット。翌朝起きたらアフロヘアになっていた。コレットは超ロングヘアだから髪の自重でこうならないと思うが・・起きたらハデス様はもう裁判に行った後で、お風呂ガイコツが朝食の世話をしてくれる。ハリーとお風呂掃除を手伝うコレットは、掃除終了後、ハデス様に告白を勧めたり相談に乗ってくれてたハリーに昨夜のことを話す。喜びのあまり頭がはずれて落ちるハリー。騒ぎを聞きつけてきたお風呂ガイコツにハリーが話すが、スゥーと大きな息をしただけで反応が無かった。ハリーはコレットをお風呂に入れてアフロヘアを直して「今夜はハデス様とキッス♡」とキスしたくなるような服選びをあれこれ考える。意識してしまったコレットはハデス様の前でどきどきして浮かれて落ち着かないがハデス様はいつもと変わらないようにみえる。でも閨ではお風呂上がりに裸のままコレットを抱きしめて「許せ 私は浮かれているのだ」と「全然見えない」「こういう顔だからな」(クールなハンサムは浮かれていてもクールにしか見えないと言うことか ハデス様前にもコツメ君訓練中に王様として一線を引いて威厳のある厳しい顔をしているのをコレットに「損な役回りですね」といわれて「構わんもともとこういう顔だ」と返していたっけ。9巻52話)コレットにキスするハデス様。嬉しかったコレットだけど、ハデス様はそのまま止まらなくなってコレットを押し倒してディープキスを。思わずコレットは「もうだめーっ」

「コツメ君日記」
コツメ君とハデス様が一緒にお風呂に入る話が特に好き

そういえば73話の告白の夜の会話で、コレットも前に冥府に泊まった時コツメ君とお風呂に入ったと言ったとき、ハデス様、妙に無表情だったけど、どういう状況を想像したのだろう。


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