2021年4月7日水曜日

コレットは死ぬことにした8

 (45話)マリー姉ちゃんのお使いで海辺の診療所に届け物にいったコレットは人生初の海に興奮。海辺で子どもたちにいじめられているイタチのような動物を助けるが、動物はどこかへ逃げてしまった。夜冥府に行く前に海辺を探すが見つからない。「冥府行こう」とひとりごとをいうと、「めいふのはですしゃま ポセイドンしゃまのおにーしゃまって、聞きまし あなたも神さまの家来ですか」と舌足らずな声と共にあらわれたカワウソ。望み通り冥府に連れてハデス様と会わせると、一匹だけ小さく生まれて食べるのも泳ぐのもへたで川に流されたときに「あの子は淘汰されて死んでしまうね 仕方のないことね」と家族は誰も助けてくれなかった。海までながされてポセイドン様から言葉をもらって家来になれと言われて嬉しかったけど、あいかわらずドジばかりで、昨日ポセイドン様の奥様にお酒をこぼしてとうとう宮殿を追い出されてしまったという。「みんながあたりまえにできることがどうしてぼくはできないんですか」というコツメ君に、かつて診療所で一番チビでドジだった自分の過去を思い出すコレット。ポセイドン様の家来に戻りたいというコツメ君に、人生には逆転のチャンスがあるって信じてるというコレット。話を聞いていたガイコツは、同業者として情けないが、碌に育てずに放置した先住どもも情けない ここは我らの出番じゃといってコツメ君の訓練を引き受ける。ハデス様は「家来を捨てた主に一泡吹かせてやれ」と。

野生生物を見ていると残酷だけどこの淘汰されるというのがよくわかる。動物はだいたいちょっと余分に子どもを産む。それも成長に差が付くように生んだり育てることが多い。環境が厳しければ、小さかったりトロかったりした子どもは死ぬ。親は成長の遅い子が死んでいくのに手をかさない(というかそんな余裕がない)ことも多い。運良く餌が豊富なときは全員成長して生き延びることもあるけど。ただそういった成長の遅い子って、単純に成長が遅いだけで、劣っているわけじゃない事も多いんだよね。

(46話)仕事が早めに終わったコレットが冥府にコツメ君のようすを見にいくと、ドジばかりでガイコツに怒られ続けて疲れ果てたコツメ君が砂時計が落ちるまで休憩といってのびていた。でもじっといていれば直るからガイコツ先輩にはいわないでというコツメ君をハリーの部屋に連れて行って、ハリーには隠れてもらって休ませる。自分も見習いのときは一杯失敗して叱られたんだよ、ベテランも新人も患者さんにとっては同じ薬師 薬師の現場であたり前のことはできなくちゃいけない、と話しながら。仕事によるかと思うけど、かつて教師だったとき、採用されたその日から生徒の前に立つので、生徒にとっては先生。でも失敗ばかりだった。初心者としての失敗はいつの間にかしなくなったけど何十年たっても新たな別の失敗をしていた。どんな職業でもあるんだろうな。この場面もやっぱりこれはお仕事漫画。

(47話)コツメ君の夢の中でポセイドン様との出会いの思い出。ポセイドン様には「お前それ親に捨てられたんだよ」と容赦なく言われたけれど、言われなかったらぼくは今も捨てられたことを認められないまま宙ぶらりんで苦しかったかもと。一寝入りして元気になったコツメ君はコレットを前に配膳の特訓。無事終了したが、これからが本題で、ハデス様がおつとめからお帰りになったときに食前酒を運んでもらうというガイコツ。コツメ君が決定的に首になった原因で克服せねばならないという。落ち込むコツメ君だが実はハデス様からの命だという。

そして本番、お酒を置こうとして思わずグラスをひっくり返してハデス様にワインをこぼしてしまう。ハデス様が「コツメ」と言いかけた途端、ガイコツ全員とコレットが「責めは我らに」「ハデス様待って」と口を挟む。が、ハデス様が言ったのは「コツメ もう一度持って来い」「私がコツメを追い出すとでも思ったか 心外だ」「お前達が一斉にコツメを庇った それだけでもうコツメを知るには充分だ」と。

そしてコツメ君とうとう成功。入口で見ていたガイコツは感激で大泣き。
と・・・突然ハデス様が・・・

(48話)気を失って倒れてしまう。ガイコツとコレットで閨に運ぶ。熱はなく脈も異常ないけれど、どこかが悪いのを、無理してコツメ君の修行につきあってくれた。冥府の薬師なのに気づけなかった自分を責めるコレット。気がついて、少し疲れていただけだというハデス様。外で夕食していることになっているのでそのまま泊まることになったとかにしてもいいというコレットにもお前も帰っていいぞという。お茶を入れて戻ってきたコレットはハデス様が冷たいのに気がつく。自分は何か見落としてるんじゃと不安に思ったところで、閨の外からカロンに呼ばれる。仕事中に死者とトラブってハデス様に加護を使わせちゃったという。カロンには加護が2つついていてひとつは毎日使っているので(獣に食われた体を繋ぎ止めて自由に動かすためのものね3巻19話)自分は存在するだけでハデス様のハンデなんだとひたすら謝るカロンに、ハデス様にはカロンが必要だというコレット。二人には二人だけの大切なものがあるから自分はそこに踏み込まずに治すと。目が覚めたハデス様にカロンから理由をきいたことを話す。一人で無理をしないで元気になるまで自分を優先して下さい わがまま言って下さいというコレットに照れながら「帰ってほしくない」という。
加護の反動で倒れてハデス様、心が弱っているときは「ここにいてほしい・・・本当は」と本音にキュン。ちょっと照れて流し目になっているハデス様セクシー。

コツメ君が伝書鳩ならぬ伝書カワウソとなって、コレットがお使いで来ている海辺の診療所に今日は泊まることになりましたとお手紙を運ぶ。

(49話)翌朝コレットはいったん診療所に顔を出して、マリー姉ちゃんのところに帰ると告げて再び冥府へ。お風呂から帰ってきたハデス様は思わずコレットを「なんとなく」といってギュッと抱きしめる。「なんとなく」ではなくてそこは愛の告白しなくては!それでも裁判にいかねばというハデス様に、行ってまた倒れたらカロンが悲しみますと説得。朝起きたらコレットがいて驚いたけれどそれが・・・と照れて言葉にならないハデス様、そこは告白するところ!時々嫌な夢にうなされながら寝たり起きたりを繰り返すハデス様と閨で二人きりのコレット。ハリーにお風呂に呼ばれてコツメ君と一緒に入浴(ってそれぞれの湯船だけど 冥府のユニットバス!)。ハデス様が起きる前にと、髪が乾く前にダッシュで戻る。タオルを持って追いかけてきたコツメ君から、急いでお風呂入ったから湯冷めするってハリー先輩が心配していると聞いて、コレットの髪を拭きながら風呂のときくらい私を忘れろといいながらコレットを抱きしめて、「目が覚める度にお前がいた うれしかった」と。

(50話)スープを食べられるようになり元気になってきたハデス様、隠れ兜をかぶってコレットとコツメ君の訓練のようすを見にいく。隠れ兜って、ゼウス様率いるオリンポスの神々と、クロノス様率いる巨神族との戦いで、姿を隠して巨神族と戦ったというやつだそうだけど、かつて戦士だった?ハデス様も描いて欲しいかも。しかしゼウス様の雷霆とポセイドン様の三叉の鉾と比べて、覗きに使えるとはなんとユーモラスな便利な国宝!後ほどコレットに会いに地上に来るときにも使っているし(花とゆめ2021年9号113話)、愛の隠れ兜!風呂場ではガイコツがコツメ君に着るスポンジを試させたりモップを改良した方が実用的だと喧々ガクガク。癒やしのコツメ君登場。冥府ってみんな家族のように真剣に考えてくれて暖かいんだね。隠れ兜でコツメ君訓練の様子を見る二人はお茶目。しかしご飯を食べにいく途中で立ち寄ったケルベロスは姿が見えなくてもハデス様に気がついてじゃれてくる。そのようすに、誰かいることを察したガイコツが武器をもって追いかけてきた。弓を持って迎え撃つハリー、フォークを持ってあとから息を切らせて走ってくるコツメ君。挟み撃ちになって、コレットを抱いて飛んで脱出、閨に二人で無事着地。家来には申し訳ないけれど楽しい冒険となった。これはもうベッドの恋人同士!


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