2021年4月14日水曜日

コレットは死ぬことにした15

(87話)ゼウス様全力の雷落としで地上は大雨続き。避難所の診療所で助っ人をするコレット。避難所のご飯作りを手伝うディオニュソス様。そこになにやらキラキラした女性が避難。ディオニュソス様をぶどうちゃん♡と呼ぶその人は愛の女神アフロディーテ様。ナンパしてくる男を軽くいなす。冥府行ってハデス様とデートしたいというアフロディーテ様を引き留める為に、コレットは自分とデートしませんかと誘う。

冥府の裁判休業中のため舟も止まって溜まった死者の影を鎮めるカロン。言うことを聞かない横柄な影を、ケルベロスに鎮めさせるハデス様。

(88話)アフロディーティ様はコレットにマッサージしてもらってご機嫌。

冥府では2日間寝ていたミノスが目覚める。ラダマンテュスとミノスとアイアコスを冥府の裁判官に任じて、ハデス様は水鏡なしに裁判を再開するという。「お前達は私に生き様を見せつけて見せろ」と。って3人とも死んでいるわけだけど、生きている間地上の裁判官だったからその判断力を使って見ろということかな。

数を600数えるあいだ舟を接岸せずに待たせると、死者の性格がカロンに見えてくる。それと統計と(これよくわからないけど、こういう話にはこういう裏があることが多いという経験か?)嘘を嗅ぎつけるケルベロスの能力と、総力で裁判を進める。

(89話)ルンルンと名乗って避難所で恋愛相談を始めたアフロディーテ様は大人気。そこに丘の上の貿易商のお屋敷の奥様が避難所へ。偶然途中で出会って奥様を連れてきた旅人の男性が、奥様にピアスを落としたのではというと顔色が変わる。男性とコレットも雨の中を飛び出して無事見つけるが、よく見ると男性の指輪もピアスと似ている。同じ工房の作品で同じ飾りは2つとないという。ピアスを返しながら「旦那さんからのメッセージなんですかね?」というコレットに、顔が険しくなる奥様。更に右腕をかばい気味で半袖を出したら拒まれたという診療所の先生に、違和感を感じるコレット。昔こういう事があってユリア姉ちゃんが(DVを)気がついたと。ところがアフロディーテ様は女性を強引に女性部屋に連れて行って、コレットに「旅人さんを入口のカーテンの裏にでも立たせて頂戴♡助けたいんでしょう?」と。まあ愛のもつれには詳しいよね、愛の女神様。アフロディーテ様は自分が浮気したときに、オタクな夫の策略で真っ裸で木に吊された話から、これは自分の浮気が原因だから別にいいけれど、彼の一方的な暴力だったら私は断固抵抗する、と。奥様に、そのピアスはあなたを逃がさないための暴力ではと、突然切り込む。ぶたれたことはある?と。暴力の跡に同情する避難所の女性陣。でも奥様は夫の家がお金を負担してくれて自分の家は助かったから自分は感謝しなければならない、子どもが出来ないのは自分のせいだと言われる、これもきっと夫婦の形なんだと。女性陣は反対するが、その家より立場の強い家がなくて躊躇う。そこにコレットと一緒にカーテン越しに話を聞いていた旅人さんが「そんな悲しいことのために私達はそのピアスを作ったわけじゃない」という。実は旅人さんはピアスをつくった工房の人間で、奥様の夫や親族に「負担した金を払ってやるからあなたを自由にしろ」という。落ち合った旅人さんの父親一行も、賛成して、金の心配はいい。なんならうちで働くかということで一件落着。

確かにギリシア神話でアフロディーテ様はヘファイストス様とは結婚したくないのに結婚させられて、アレス様と浮気したら真っ裸で吊されてさらし者になる。

(90話)冥府ではハデス様とミノス、ラダマンテュス、アイアコスの4人で順調に死後裁判をこなしていく。悪人ではないけれど、市井の人達のごくありふれた無自覚な悪意に心を削られる新任裁判官3人。言葉も話せないくらい幼い子どもが死後裁判に来て、疲労感マックス。ハデス様は休廷にしてアスポデロスへ。3人もついていく。アスポデロスの影達と話したりハデス様が影達に声をかけている様子を見て、自分たちはちゃんと冥府の裁判官をできてるのかなあと自問する。そこに完成した水鏡をヘルメス様が届けにきたので、裁判所に運びこんだと。ところが設置したら水面が消えて真っ黒に。次の瞬間、自分たちの壊してしまったのではと心配するガイコツや、ゼウス様がちゃんとつくれたのかと疑うカロンや、自分たちは冥府の裁判官っていえるのかなどと自問する3人の裁判官の心の声が聞こえてくる。ハデス様の心の声は「もし冥府に家来が増えたなら大事にしてやりたいと思ったことを否定したくない」そして再び鏡は静まりかえった。「死者に嘆き傷つき労るるお前達は私が求める裁判官である」というハデス様に、これからもずっと冥府の神についていくと決意する3人。

実際ギリシア神話の冥府にはハデス以外にミノス、ラダマンテュス、アイアコスの裁判官がいた、というかどちらかというと3人で大部分の裁判をこなしていたようだけど、こういう事件にしたてあげてくれた作者の想像力に感服。

ハデス様の人間の人生への考え方がわかってなかなか興味深かった。悪人ではないけど善意の迷惑をかけっぱなしの人間ってかなりいるから、このいいわけを聞きつづけるのは、それはそれですごくくたびれそう。仏教の閻魔大王にしてもそうだけど、生きている間にやったことの罰や褒美としての死後の生活なので、再び魂が地上に戻っていた後どうなるかとはかかわりがないのだろうなあ。まあまっさらになったらよりよい人間になる可能性もあるからいいのか。あとギリシア神話で天国行きではないけど、罪を犯したわけでもない人達がいくところは「牢屋」ではないと思う。広い平地で他にも大勢いるとハデス様も言っているがこの「牢屋」という名称がおかしいと思う。

(91話)ゼウス様の仕事が終わって地上も晴れ。アフロディーテ様は帰る前コレットに「コレットが私をデートに誘ったのって私を黒髪ちゃんに会わせたくなかったからでしょう」と図星を。「好きな男を取られたくないなんて当然よう そーゆー本能私好きよ♡」とも。勇気を出して好きな人に何をしたら喜んでもらえますか?と恋愛相談を持ちかけたコレットに過激なアドヴァイスを次々だすアフロディーテ様。過激すぎてとてもできないけれど最期のオプションは・・・アフロディーテ様ってどちらかというと性愛の神様。コレットには過激すぎたのでは。ディオニュソス様はアフロディーテ様を天界に送っていく羽目になったのでコレットは一人で冥府へ。

くたびれて帰ってきたハデス様、エリュシオンと冥府を繋ぐ道をヘルメスに作ってもらうのと宮殿に3人の裁判官とクロノス様の部屋もつくるという。ということはクロノス様と同居することになる。嫌そうな顔のハデス様。食後お風呂の後コレットが閨に行ってみると、珍しくハデス様は寝ている。アフロディーテ様からの課題、「自分からキスする」は、寝ていると効果ないかなと思いながらハデス様にキスするコレット。ところが起きてしまったハデス様、大喜びでコレットにキスの雨が止まらなくなって・・・

(92話)コレットに「だめ」と言われて朝まで一緒に過ごすことで満足するハデス様。翌朝コレットが目が覚めるとハデス様はもう裁判に行った後。ハデス様に「コレットが中で寝ているからそのままにしておいてくれ」といわれて、頭が落ちた秘書ガイコツ。今日はディオニュソス様は天界に用事があって来られないとの伝言がきたということで、冥府で一日休暇になったコレットは、クロノス様のお供でコツメ君と一緒にエリュシオンへ。ラダマンテュス様達との出会いや花冠のいきさつを聞いて親しくなる。

アフロディーテ様は美少年アドニスをペルセポネと争って奪うけど、スピンオフで描いてもらえないかな。コレットに今度出張マッサージに来てというのは再会の伏線かな。でもアフロディーテ様の語る愛、いってることよくわからない。


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