2021年4月6日火曜日

コレットは死ぬことにした7

 (39話)ヘラクレスに再会、かつて冥府にケルベロスを連れて行こうと侵入した頃の荒れていた面影は全くなく(一巻3話4話)、気は優しくて力持ちな勇者となってコレットを馬に乗せてくれた。が、道に迷い財布をなくし、思いっきりドジ。宿で勇者ヘラクレスの話がでて、本人だと気がつかれて大人気になったけれど、自分はドジだ、勇者ヘラクレスは物語の中でしか生きられないという。コレットが迷子になったときあのまま一晩過ごすことになっていたらとどうするつもりだったのと問うと「そりゃもちろん火を焚いて朝まで番をしたよ コレットを無事に送るために俺はいるんだ お前はこの腕にかけて守る それくらいの力はあるから」といって喝采を浴びる。そんな話を夜冥府にいってハデス様に蕩々と話すが、ハデス様はなにやらつまらなそう。「お前が地上に行ってしまうととたんに私はお前の中からいなくなる 昨日はあんなに私のそばにいたのに あんなに私の名前だけを呼んでいたのに」ってのは6巻37話の寝ぼけたハデス様がコレットを抱きしめて寝てしまったこと。


「あんなことわたしハデス様とだけだったもん 今日眠れなくなっちゃったらハデス様のせいなんだから」「よく聞こえなかったもう一回」
って、既に気分は恋人。・・・なのにここから先、恋人になるまでまだ長いのよね。まあでも周りのみんなが気がつくくらい惹かれ合ってもなかなか進展しないことが、障害のある恋の場合現実的で、そこらへんが私がこの漫画が好きな理由だけど。

(40話)アンノ先生の診療所でコレットが暮らしたのは8年。6歳で故郷が全滅してアンノ先生に連れられて診療所で暮らすようになったのだから、14歳で薬師として独り立ちした訳か。その診療所にヘラクレスに送ってもらって3年ぶりに帰る。独立しているもう一人の姉弟子ユリアも泊まりに来る。故アンノ先生の部屋は先生と過ごしたみんなの思い出の品の置き場になっていた。

(41話)実家の診療所は大きな街にあって、弟子もたくさんいる。中にはマリー姉ちゃんに反抗的な弟子もいて、陰口をきいてコレットはマリー姉ちゃんの代わりに怒る。イタン兄ちゃんは診察と運営担当、マリー姉ちゃんが見習い全員の教育係で仕事の割り振りも決めると役割分担していると言うけれど、マリー姉ちゃんが憎まれ役を一手に引き受けているようで納得いかない。冥府に行って不満をぶちまけたコレットを連れて、ハデス様は空から街を見せながら「ここを背負っている義兄は呑気なだけの男ではないはずだ そしてそれを義姉は誰より知っているはず その二人が決めたことならば きっと信じていい」と

コレットを膝抱っこしながら空に浮かぶハデス様はまさに神様。部下が陰口という発想が存在しない冥府のガイコツたちの反応も楽しい。

(42話)過去の回想、アンノ先生のあとを次いで二代目になったイタン。ランもコレットも独立して、ユリアも隣町の診療所にいくことになって、修行中の弟子はいるものの診療所を支えるのはイタンとマリーだけになった。街の人たちは、ベテランの先生を知っているから診療所は大丈夫かという人もいる。イタンは人前には見せないようにしてるものの食事も出来ないくらい胃が痛い。そんなイタンに気がついたマリーは「私はずっとイタンのそばにいる だから 一緒にやっていこう」と。
マリーの機転で、近所の女性が、洗濯物を褒めて、「あなたたちの仕事が私の日々の楽しみ」という話を反抗的な弟子二人聞かせたり、いい子のもう一人が実は料理の味付けは苦手ということもわかって、ちょっと心境がかわりつつある。
コレットがイタン兄ちゃんから託された手紙には「マリーへ 結婚しよう」と書いてあった。マリーは一人でそれを噛みしめる。

コレットは「どこかわからんけど村に住むことになった~~」と診療所に手紙を出したそうだ。まあ道に迷って今の村に滞在することになったわけで、どこにいるかわからないのかもしれない。この漫画地名がほとんど出てこないのがちょっと不自然。

(43話)女神様の呪いで内臓がほとんどないカロンの体は百年に一度のアポロン様の定期メンテナンスの時期だ。メンテナンスは気持ち悪くて嫌い、天界も嫌い。行ってみるとアポロン様はオリンポス十二神の会議に招集されて留守だった。アポロン様のガラクタを整理中の柊ちゃんにつきあうカロン。ウクレレをもらってご機嫌。ギターを見つけて、ハデス様に似合いそうだと「弾けます?」と呼ぶと、昔(天界時代)は弾いたといって、演奏を始めた。妙なる楽の音に聞き惚れるカロンを見て、柊ちゃんはハデス様に受け取って頂けませんかという。カロンは自分が天界を苦手なのは、自分の主人が冥府の神ということだけでオリンポス十二神から外されているのが気にいらないのだと気がつく。ハデス様の兄弟は全員十二神に入っているのに。ちょうどその頃十二神の会議でゼウス様が、ハデスをオリンポス十三神目に迎え入れることを提案していた。

(44話)もどってきたアポロン様はカロンのメンテナンスをしながら、動揺するカロンの手を握っているハデス様に、「どうなったと思う」と笑いながらいう。ハデス様が長年のこの疎外をどう思っているのか興味があるという。ちょっと意地悪な笑いを浮かべているアポロン様に腹の中身がこぼれる事も構わず「おれの主を茶化さないでもらいたい」と食ってかかるカロン。「ときに神々は人間の戦争にそれぞれ味方をし敵対することがある 私は裁判官 死者をすべからく裁く者 どちらにも味方をしない単独の存在でありたい」「さらに個人的な感情としてそもそも面倒臭い 統率も何もなさそうな連中の会議など御免被る そっちで勝手にやってくれ」アテナも同じ事をいったと笑って、ハデス様とカロンに失礼なことをいったことを謝る。

ギリシア神話のオリンポス12神に確かにハデスは入ってない。いや十三番目として入っているバージョンもあるようだけど。やはり死は忌み嫌うものだからかな。でもカロンはほんとうにハデス様が好きなんだね。ディオニソス様は確かにヘスティア様に変わって十二神に入っているバージョンのギリシア神話もあるようだ。この漫画で、ゼウス様はかつてハデス様にはひどいことをしてしまったけどずっと負い目に感じていたようだし、ほんとうは尊敬しているんだろうな。カロンはコレットが来るとハデス様が喜ぶのもちゃんとわかっている。

(番外編)いつもながらガイコツのハデス様愛は喜劇。今回はカロンもハリーも入っている。
番外の番外ハデス様にラブリーわんわん♡フリスビーを注文してあげるガイコツの気配り、楽しすぎる


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