2024年2月16日金曜日

暁のヨナ42

 2023.10.20発売
(第241話 生まれた場所が違ったら)
ヨナ姫とハクに致命傷を負わされた瀕死のチャゴルを連れて、荒野に逃げるラーン。チャゴルに目を潰され腕を折られても、主君への忠誠は変わらないという。ただ今一度チャゴルに認めてもらいたいといいかけて、ラーンは事切れる。ラーンも背中に矢を何本も受けて瀕死だったのだ。

チャゴルは北の皇帝の血筋でないことでたぶんいろいろあって誰も信じないようになったのね。チャゴルは北(戒)を超えるために高華国に手をだしたと・・・そして龍の血の盃が戦利品。「生まれ変われるのなら次はもう静かなところへ行きたい」と事切れる。

四龍の血の盃がチャゴルに渡ったことを知っているキジャは、ジェハの怪我が悪化してないかシンアやゼノがどうしているのか、いてもたってもいられない。ジェハ達を迎えに行くというハクに、ヨナが自分も行くといいかけると、ケイシュク参謀が現れ、チャゴルは援軍が来るといっていた(のでこれからも戦が続く)。ヨナ姫には軍を導く役目があり、ハクは空の部隊軍護衛部隊隊長だという。「陛下を守って下さり感謝致します」とも。

ヨナ姫は龍の声を聞く。

その頃チャゴルと四龍を探索にいったキョウガ将軍は南戒の援軍を襲う龍を見る。

(第242話 消えた龍)
キジャも、ジェハ達の気配を感じる。緑龍と黄龍と青龍を呼びながら龍達に近づくキョウガ将軍に、青龍らしき龍が近づく。キョウガ将軍が止めるのも間に合わず、青龍に部下が矢を放つ。眩しい光りに気を失っているうちに、南戒の援軍は退却して、龍達は消えていた。高華国軍に戻り報告するキョウガ。一方チャゴルとその配下の者を発見して死亡を確認したという知らせも入る。盃はなかったという。キジャは今では他の龍達の気配が薄くてわからなくなっったという。

スウォンはこの機を逃さず高華国軍は南戒の都、酉京を制圧するため西に進軍するという。

しかし地の部族軍のグンテ将軍は、地の部族軍も、高華国軍も長い戦で疲弊していて、空都では緋龍城も焼け落ちて王不在で混乱が生じているはずなので、一度都に戻って態勢を整えたいと進言する。

スウォンは「長きに亘る戦に決着をつけるのは今です」と。一方ヨナ姫は「酉京まで我々を導いてください」と兵士達に大人気だ。スウォンには「この戦が終わるまで私があなたを支えるって」約束したので責任があるけれど、ヨナはジェハとシンアとゼノを迎えに行きたいと、ハクに語る。

夜ヨナが寝た後独り外に出たハクは、蹲っているスウォンと出逢う。

(第243話 別れを告げる夜)
人目のない小屋に移動した二人、スウォンは、千樹草のおかげでしばらくは発作が起きずに済んだとハクに感謝する。ただこの病が治ることはないと。スウォンはハクに「ヨナ姫と共にゼノさん達を探しに行って欲しい」という。スウォンにとってここでまっ先に出てくる四龍はゼノなのね。「ケイシュク参謀の捜索隊よりも『四龍』に関してはヨナ姫の方が良いでしょう。皆にあなた方は四龍と共に後ほど合流すると言っておきます」と。「それは王としての命令か」というハクに「あなたの『王』が私でないことはよく分かっています」と。

どうして俺に復讐されてもわからない場所で、ヨナではなく俺にいうのかと思うハク。いやハクはヨナ姫に忠実だから、たとえチャンスがあってもスウォンを殺したりはしないし、スウォンもそれを解っている。それにハクはもともとスウォンを信じていたし。

スウォンは「私はもうあまり長くはありません」と緋の病と自分が緋龍王の血筋であることを話す。ゼノを除く三龍の短命も説明する。自分の子をもうけてもその子は緋の病にかかる可能性があるし、病を免れても王の教育を施す時間はないので、「私が死んだ後、次期高華国国王にヨナを」と。

つくづく思うのだけど、緋龍王の血筋って、短命なだけで何の意味も無いし、そういう意味で、スウォンは王としての素質は素晴らしいのに可哀想。

「イル陛下を殺し姫さんをも殺そうとして玉座を奪っておいて次の王になれだと?だったら最初からお前が姫さんと婚姻を結んでいればそのまま権力を姫さんに渡せた、誰も傷つけずに済んだんじゃないのか?」と切れるハクに、「城にいた頃のヨナでは無理です。それにイル王は決して私をヨナの側には置きたがらなかったでしょう」とスウォン。

「てめえに見る目がなかっただけだろ。それを勝手に追い出しておいて戻ってきたら使えそうだから王になれって!?どこまであの人を振りまわせば気が済むんだ!?」イル王は決してヨナとスウォンの婚姻を認めないだろうから、この点はスウォンの言ってることは意味が通っている。ただこれは両親の兄弟確執なのだよね。もとはといえばユホンがカシ様を殺さなければ、イル国王もユホンを殺さなかったのに。ユホンは自分は国王にならなくてもよくてイル国王を立てるという意志はあったのになぜ・・・カシ様もその予知能力やイル国王に対する影響力をもっと隠しておいた方が良かったのに。そしてスウォンにヨナの潜在能力を見る目がなかったのは確か。

後ほどでてくるけれど、スウォンにはいつも子ども時代からの最側近の武官が影の護衛としてついているので(第251話のソガほか)、ここでハクがスウォンを壁ドンしたときに思わず飛び出しそうになったのでは。

「全くあなたの言うとおりです。酷く勝手な事を言っている。私も彼女を選びたくはなかった。彼女だけは選ぶまいといくつも他を考えました。ゼノもその一人だったね。だけどその度に彼女は揺るぎない信念と求心力を見せつけ判断力・統率力・知力・人望・・・どれを取っても彼女以外考えられなくなってしまった。彼女と四龍さんそしてあなたがいれば私がいなくなってもこの国を守れます」

漸くこいつは姫さんをちゃんと対等に見た。どうしてまた最悪な形で俺の願いを叶えるんだ。と心の中で思うハク。

ゼノさん達を探しに行くなら夜明け前です。他の人に見つかる前にここを出て下さい。ヨナを連れて。といって去って行くスウォン。で、最側近達はこのあとシンアがスウォンに重傷を負わせたので四龍を殺しにいくわけだけど、この時からスウォンの意見には反対だったわけだよね。この時点ではハクが気が付かないのは無理ないけど、スウォンは気が付かなかったのだろうか。

この先もずっと肩を並べて歩けるように・・そう誓った日はいつだったか。だがもう忘れる。もう・・・思い出すこともない と幼い日のスウォンに憧れていた自身を思い出すハク。

(第244話 静かな出発)添い寝してと甘えるメイニャンに照れて逃げようとするヴァル。そう簡単に距離感変えられるかというヴァルに、人間いつ死ぬかわかんないんだよとメイニャン。

ボロボロになったカジが薬草を持って現れる。敵国だったここで、これからどうやって生きていけばいいのだというカジに「ヨナ姫と共に行動してたんなら高華国は悪いようにしないよ。」とメイニャン。

ヒッタン将軍に面会してラーン将軍のことを伝えに3人はヨナ姫を探すが、今休んでいるとハクに遮られる。メイニャンが緑龍達をおびき寄せられて捕まったことを謝るメイニャンに、「誰もアンタを恨んじゃいねえよ」とハク。風の部族のテウ将軍がきっと力を貸してくれると、ハクに言われたというと、テウ将軍は、ヒッタンの面会に立ち会ってくれる。

「俺も国と家族を守りたかった。そのためにヴァルをも殺そうとした」とヒッタン将軍。「俺も迷わなかった訳じゃない。でもこいつ(メイニャン)が殿下の側室になったとき暴力を受けていた事をなんとなく気付いていながら俺はどうする事も出来なかった。それがずっと心に刺さったままで、だから今度はもう見捨てたくなかったんです」とヴァル。

面会後「ヴァルやカジやホーちゃんに生きてまた会えるなんて。ここに来るまで三度くらい死んだっておかしくなかったし、いろんな人に迷惑かけて不謹慎かもしれないけど、私は今幸せだよ」といいながらメイニャンは頭が痛み出す。メイニャンが「私たぶんもうすぐ死ぬ」と言ったことを思いだして、メイニャンの体を心配するヴァル。ユンの所につれていくとお姫様だっこするヴァルに「死んでもいいって思ってたのに生きたい。もう少し。これからもこの顔を見てたい。」そういえばあいつも今痛いのかなとスウォンを思い出すメイニャン。やっと幸せになってメイニャン良かったけど、先は長く無さそうなのは切ないね。

ユンは薬草を煮ながら泣いていた。ヨナ姫やハクや白龍は、ジェハとシンアとゼノを探しに行っちゃったという。私のせいでユンが残ったのなら一緒に行くというメイニャンに、ここにはまだたくさんの怪我人がいるし、俺はミンスの助手って事になってるから本来自由に動かないのが約束なんだ。(国で最も重要な秘密を命懸けで守らなければならないし、)自分で選んだ事だから。と。

ユンは、ヨナがスウォンによって父のイル王を殺されて城を追い出され、ユン達と一緒に旅に出た日々を、ヴァルとメイニャンに話す。ずっとこのままではいられないってどこかで気付いていたけど・・もし二度とみんなに会えなくなったら俺耐えられるのかなぁと。

(第245話 始まった)

荒野をいくキジャとハクとヨナ。もはやキジャには三人の龍の気配がわからない。ヨナはハクの態度からスウォンと何の話をしたか気になるが、ハクはゼノ以外の四龍が短命であることやスウォンがヨナ姫を次期国王にといっていたことは言えない。

偶然三人はソノンとランラン親子の集落へ行く。高華国の人間かと警戒されるがランランはハクをお帰りなさいお父さんと呼ぶ。ソノンも集落の人から、この人はあんたの旦那かと言われてまぁそうですねと答える。彼等の村は野営地に使われ兵士がどっと押し寄せてきたのでここまで逃げてきたという。

誤解して「いつの間に知らぬ女と所帯を持っていたのだ!?しかもこんな子供まで !!!姫様への気持は嘘だったのか!?」とハクをぶっとばすキジャに「敵国の人を助けたりお話しするのは周りに怪しまれます。だから咄嗟に家族だとごまかしたんですよ」とソノン。悲しくて心臓が潰れるかと思ってたのが安心して思わず倒れるヨナ。それは嫉妬?ハクが水攻めで死にかけた所を助けて貰ったときいてキジャとヨナはお礼をいう。

盃を持ったゼノが「来るから逃がすなよ」とヨナにいう夢を見ていたヨナは、ハクに起こされる。キジャが外に出て行って様子がおかしいという。キジャは幻のように現れたジェハと対峙していた。

(第246話 この先はもう行けない)

ジェハは南戒軍の馬車から逃げようとしたときにやってきた援軍を見て身を守るためにシンアは龍になり、それっきりシンアとゼノとははぐれてたという。

一緒に帰ろうというヨナにジェハは「いやここでお別れだ」体が溶けながら「ぼくはもうひとではない」という。「僕はいずれほんとうの化け物になる。君らのこともわすれるからかえらない」と。そしてキジャに向かって「君ははやく国へもどれ、ぼくはそろそろ寿命らしい」と。棺に入ったジェハやシンアやキジャの夢を思い出したヨナ。「きみはまだいきられるヨナちゃんをたのむ」という。

そこに誰何にきた村人たちに顔を見せろと迫られて手を取られて、龍の姿になるジェハ。思わず駆け寄ろうとするヨナに、「あんたに怪我なんか負わせてしまったら、もうあいつは俺らに合わす顔がねぇよ。俺と白蛇で絶対止めるから」とハクが止める。松明をもって集まってきた村人。止めるヨナに村人が松明を投げつけると、龍になったジェハが割って入る。「娘さん逃がすなよ」という夢の中のゼノの声が思い出されるが、ジェハは「ごめんね ありがとう ほんとは少しその手に触れたいけど」と消えてしまった。

だんだん切ない方向に行く。でもまだ南戒との講和もなりたってないし、北戒の態度もわからないし、ここで四龍終わっちゃうの?

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