2023年1月19日木曜日

私のことを憶えていますか

小さい頃好きだと言われた男の子と再開して、紆余曲折ありながら結局結ばれる少女漫画の王道。漢字の間違いがけっこうあるのが気になる。全138話と外伝4話。

アマゾンの書影を貼り付けておいたけれど、私が読んだのはピッコマというスマホ用の漫画サイトである。まてば0円で一日一話読み進んで、更にCMを見て5話、「\0+券」というのの対象だったので、更に一日12話と最大18話、更にCMガチャで運が良ければもう一話読むことができて、かなり早く読み進むことができ、123話から先は課金した。前半は展開がもたもたしてじれったいので、「\0+券」がなかったら途中で挫折していたかも知れない

STAR☆GOSSIPというゴシップサイトのライターとして慌ただしい日々を送る遥(はるか)。毎日仕事でボロボロでおしゃれする暇もなくて、じゃまな前髪を留めるのに頭にクリップをつけたまま外を歩いている。

端整な顔立ちをした俳優・SORA(25歳)はアイドルグループQUOでデビューし、20歳から俳優活動を始めたという。以前から遙は好きだったが、その熱愛報道で、ショックを受けた遙は、30歳の誕生日も徹夜で原稿を書いて朝帰りをしながら、自分のつき合った男性や好きになった男性は、いつも同じ様な傾向の顔であることを回想する。

ちょうど小学校の登校時間で、突然18年間忘れたままだったこうちゃんを思い出す。小学校6年の時、3つ年下の天使のように可愛い男の子こうちゃんは、遙のことを慕ってくれていた。当時小学6年生だった遙もほんとうはこうちゃんが好きだったのに、幼馴染みの同級生猫作とその仲間達にひやかされたショックで、自分の気持ちに正直になれず、遙の二歳年上の中学生であるこうちゃんのお兄ちゃんが好きだと、こうちゃんにいってしまう。

こうちゃんは、突然家族の引っ越しで転校することになった。遙の家の玄関先で、キラキラしたスーパーボールを遙に渡して「ぼくね学校にすきなひとがいるの」と遙を指差す。そしてすぐに走って行ってしまった。そして遙は、いつしかこのことを記憶の底に封じてしまう。

それ以来こうちゃんとはあってないけれど、ほんとうはこうちゃんが好きで両思いだったのに、猫作にからかわれて以来自分の気持ちに蓋をしてしまって、ちゃんと答えられてあげられなかった。三〇歳の今となっては3歳下なんてたいしたことないのに、と封じていた記憶が次々と思い出される。

もう一度こうちゃんに会えるなら「私のことを憶えていますか?」と聞いてみたい。

確かに30歳と27歳ならどうってことないけど、小学校6年と3年は、からかいの対象になるだろうな。でも18年後に思い出すというのがちょっと現実離れしている。

幼稚園から高校まで遙と一緒だった幼馴染みの同級生山田猫作は、18歳から家業のワイン作りを手伝い、前社長の父親が町長選にでるので引退して以来、山猫ワイナリーの3代目若社長になっていた。猫作のインタビューをオンラインで見ながら、お前さえいなければもしかしたら今頃こうちゃんと結婚してちょっと年下のダンナ♡みたいなステキな家庭を持ててたかもしれないのにと会社の備品のパソコンにあたる遙。

遙は休暇で清澄の実家に帰る。猫作は遙にとってアッシー君。昼食に自分のワインを置いてもらっているというしゃれたレストランに連れて行かれて、「こうちゃん」のことをあれこれ聞くと、「まさかお前探すつもりか。やめとけ何年経ってると思ってんだよ。3年生だったあの子は憶えてないだろ」と。相変わらず遙のテンションが下がることをいう。

少女漫画にこういった好きな子はいじめたくなるめんどくさい男がでてくるけど、遙にとっても猫作は遠慮は無い幼馴染みけれど、恋愛対象ではないだろうな。

遙の父母は猫作の所でぶどうの収穫を手伝っている。二人は遙が猫作と結婚することを望んでいる。猫作のワイナリーの畑はもともと二人のひいじいちゃんが開墾したものを猫作のおじいさんの猫造に売ったらぶどうを植えてワインをつくって大当たりしたのだという。(それって猫作のおじいさんが、よくものを見る目があったというだけでは)

猫作に2002年のワインを出されて、こうちゃんとブドウ畑でかくれんぼで一緒に隠れた日々を思い出して思わず涙する遙。あのときこうちゃんにチューをしたいと思ったけど、できなかったことを思い出す。帰り際に猫作は遙に自分が初めて作ったワインを渡す。やまねこワイナリー祭りの景品だと嘘を言って。猫作素直じゃない!お祭りでこうちゃんに大きいキラキラのスーパーボールをとってあげたことを思い出す猫作。

職場に戻るとトーク番組にでたときのSORAの子供の頃だという一枚の写真が見せられる。え、もしかして、あの「SORA」がこうちゃん?でも年が違う。でも元アイドルだから年はサバ呼んでるってことも・・・男性アイドルも年をサバ読むんだ葛藤する遙は、猫作にこうちゃんの写真が見たいと電話する。結局、猫作はどこまでも遠慮が無くて便利な幼馴染み集合写真の中の吉田さんちのこうちゃんを見つけた猫作は遙に送る。こうちゃん一家が引っ越すときにブドウ畑で仕事する近所の人達が「なんだか複雑みたいよあのおうち。かなりの借金があるってウワサもあるし」といっていたことも猫作は思い出す。猫作は更にいくつか写真を見つけて、遙に送る。

SORAの事務所S-productionはお兄さんが社長だと聞く。SORAにお兄さんがいると知って、昔こうちゃんのお兄さんが好きって触れ回ったのは、猫作軍団に対する防衛策だけでなく、ほんとうはこうちゃんが好きだと本人にバレたら嫌われるかも知れないから「私ヘンタイじゃないよ」って本人にアピールしてたんだと気が付く。

取材でSORAのマネージャーに名刺を渡しながら、STAR☆GOSIPPの山波遙ですと自己紹介してSORAの反応を伺うが見事なまでに無反応だ。声もこうちゃんと違う大人の男の人の声(って最後に会ったのが小学校3年生で、今27歳ならとっくに声変わりしているからあたりまえ)。でも瞳の色は似ている。この柔らかい話し方は大人になったこうちゃんっぽい。小学校の時どこに棲んでいたか聞くと、海外に住んでいましたという。映画と関係ない質問をマネージャーに窘められる。サイトを見ているファンの方へ一言を求められて「先日のパパラッチは誤解ですよって言いたいな」というSORAの最後の言葉は、鳥居マネージャーによってオフレコにされる。インタビュー後ルームサービスで運び込まれていくのは、山猫ワイン。遙はなぜと思うけれど、カメラマンとして同行した同僚のずん子さんは、メニューに国産ワインフェアと書いてあったしマネージャーが頼んだろうと。この辺の遙はすごい粘着質。

SORAが海外育ちといったことを、ずん子さんは「(出身地を)言いたくなかったんだろ」と言う。よく考えると出身地と映画の役柄を重ねるとかあるから映画と関係ない質問でもないし、海外育ちが山猫ワインを飲むだろうかと思う遙。それにSORAが海外育ちなんてトーク番組でも雑誌でも全くないし、今まで秘密にしていたとしてもなんでそこで言うんだろう。「私を遠ざけようとした?」とも思う。

バカだとは思いながら、こうちゃんの所属する会社社長であるというお兄さんについて調べたり、あの綺麗なスーパーボールの行方を捜さなければと思う遙。

2週連続で帰郷して再び猫作と会い、猫作の家で昔のアルバムを見る。この辺、遙はかなり自分中心で、ほんとうは遙をかまいたい猫作を振り回しているけど、まあ今までが今までだからしょうがないだろうね。帰りは勝手に歩いて帰るからという遙を一人にして部屋を出る猫作。遙はこっそり猫作の家にあるはずの住宅地図か全世帯のリストを探す。(山猫ワイナリーがこの町の各家にワイナリー便りというフリーペーパーをポスティングしていたからというなかなか細かい設定、でもいくら気安い関係とは言え人のうちを勝手に探すの・・)。顧客情報がないかと社長室に忍び込んでパソコンのパスワードと格闘しているときに、少し開いていたパソコンデスクの引き出しに、あのキラキラスーパーボールがあるのが目に入った。猫作に聞くと、それは遙があげたもので、ストレス解消に部屋で遊ぶために持っていたのだという。それはこうちゃんが引っ越す日に自分にくれたもので返して欲しいと遙が言うと、こうちゃんを探してどうすんの?ワンチャンあるとでも思ってんのかよ、という。無理矢理猫作からスーパーボールを取り上げて走り去る遙。

猫作の悪友よっちゃんのお兄さんが、こうちゃんのお兄さんと同じ学年であることを思いだして、卒業アルバムをみせてもらいにいく。こっそり猫作に電話するよっちゃん。吉田裕司という男で演劇部にいたことがわかった。更によっちゃんから、お兄さんが中学生なのに道で女の子にキスしようとしてビンタされていたのを目撃した話を聞く。こうちゃんちは夜逃げしたという噂も聞く。昔遙が、こうちゃんのお兄さんが好きだといってまわっていたのは、「オレらがヘンタイってからかったからだよな。」とよっちゃんに謝られ、猫作のことを「ガキの時って好きな子のことついついいじめちゃうから」といいかけるが、「私あいつ嫌いなんだ。っていうか信用してない。」と遮る。それをまた「ナイスアシスト決めるつもりがやっちまったかも」と猫作に電話するよっちゃん。

今度はSORAの事務所の社長の顔を確認しなくてはと事務所前で出待ちをする。待っているのは10代の娘ばかり。中にSORAのアイドル時代のうちわを持っている遙より年上の(34歳)古参ファンがいた。QUOというアイドルグループはアルバム一枚だけ出してちょっと売れたところでSORAが役者になって独立したので解散してしまった。車でSORAが出て行った後、その人が「写真撮れました?」と話しかけてきた。年齢的にQUOのファンかと思って声をかけたという。

ふと思いついて遙はその女性を喫茶店に誘う。彼女、真田さんは社長を何回も見たという。真田さんがタクシーでSORAのマンションまでいくのに強引に連れて行かれる。社長はSORAとスキャンダルになったけど、本当は社長のセフレの一人であるグラビアアイドルの秋山萌香たちの飲み会にいき、SORAは一人で歩いて帰ってきた。

SORAは、興奮してSORAに映画の感想をしゃべる真田さんには、写真を撮らせたり彼女のことを憶えているよと握手してあげたのに、遙が「私のこと憶えて・」といいかけると「よく憶えてます。あなたはSTAR GOSSIPの記者さんですよね。先日のインタビューでお会いした。そんな大きいカメラぶら下げて自宅まで来られても何も撮れませんよ。先日のインタビュー記事は無しにしてください。不愉快です。」とつれない。

家に帰って落ち込む遙。目の色は同じでもこうちゃんがあんな冷たい目をするわけがない。と乙女チックな夢を見た自分を呪う。

一方社長が女の子達と呑んでいると、お酒を運びながらのぞきにきたのはドレッドヘアを派手に染めた若い男。

両親からお見合いを勧められる猫作。相手は月影リゾートという、総合リゾート会社の社長の娘さん(で広報部の森川麗子さん)だという。

STAR GOSSIPにいくと先日のSORAのインタビューはSORAの事務所からNGが出たという。メールは「インタビュー記事がこちらの意図するものと違うため掲載を許可できない」というだけで遙のことはまったく触れていない。SORAがチクらずに内緒にしてくれたことに戸惑うう遙。

昨日の社長と女の子の飲み会で、未成年にテキーラを強要する場面をスマホの動画で撮ったドレッドヘアの男は、STAR GOSSIPに売りつけに来て遙に声をかける。

遙は東京の大学の文系の学部を出て憧れの雑誌をだしている出版社を8社受けて全部落ちた。山猫ワイナリーで働くかと両親にいわれた。猫作にも「ワイナリー便り」の編集やってくれといわれて断ったときに、「うちのフリーペーパーだって立派な情報誌だぞ!!そういうとこバカにしてるお前のそのマインド出版社の偉いさんたちも見抜いたんだろ!」といわれたことを思い出す。そしてネット記事のライターをやっている友達の紹介でスポンサーの商品を一個人の感想風に仕上げたタイアップ記事をバイトでやっているうちに、やがて似たようなサイトが増えて芸能ニュースを転載するまとめ記事を書くようになり、そっちがメインになってゴシップライターになっていた。

もし動画を見てSORAの事務所の社長がこうちゃんのお兄ちゃんだったら、SORAはこうちゃんで、同時に自分はこうちゃんの敵になるので見たくないと思う遙。だがやはり社長はこうちゃんのお兄さん、すなわちSORAはこうちゃんだった。誰にも言えなかったけれど本当に大好きだった男の子、私の初恋。また会えたけれど、私はあなたとはあまりにも釣り合わない人間になってしまった。スターになってしまったあなたとは関わってはいけない人間だ。私のことを憶えてないといい。

ところが突然SORAはSTAR GOSSIPの事務所に来て、遙との面談を指定する。兄は芸能人ではないので、未成年飲酒強要のゴシップ記事を取り下げて欲しいというSORAに、「すいません私にはそれを決める権限がありませんので」というと、「変わったね。遙ちゃん。僕にはあんなに優しかったのに。」といって呆然とする遙を残して出て行く。でもこれはSORAさん仕方ないよ。遙は自分で言っているようにただの記者だからそんな決定権はないもの。それに、遙に、自分があの遙ちゃんであることに気が付いていることを知らせた上で、あなたは敵だというのはあまり残酷。編集長にも「今後一切そちらからの取材は受けません。あとはマネージャーに連絡を取らせます」と。

編集長はSORAに何て言われたか知らんが俺は乗せる、と。自ら記事を書き、アップする。アクセル数は爆発し、大衆は、SORAもいたのではないかとかSORAが女の子達を集めたのではと噂する。かつてこうちゃんを猫作たちの悪戯から庇って、「正義の味方」とこうちゃんに言われた自分はもういなくて、ネットの中傷が悪だとしたら、自分は悪の組織の手先だと思う遙。

ちょうどその日はSORAの映画の初日舞台のあいさつで取材陣が殺到している。遙とずん子は編集長の命令で行く。たくさんの取材陣をずん子さんがかき分けて突進していくので必死でついて行く遙に、脚立に乗ったカメラマンが倒れかかる。マネージャーを押しのけて飛び出し、目の前の記者達に「どいて」と叫んで道を開けさせ、咄嗟に遙を庇ったのはSORA。周囲の記者がびっくりして一斉にカメラを向けると、SORAは遙の手を取って走り出し、突然現れたお兄さんの乗る。

ネットの記事で見た猫作は、このSORAのお兄さんのスキャンダル記事のせいで遙が変なことに巻き込まれているのではと心配して電話するが、遙はお兄さんとSORAで挟まれて車の中。「今取り込み中で」といって切る。

遙がSTAR GOSSIPの記者と知ったお兄さんは遙を脅そうとするが、SORAはSTAR GOSSIPの事務所前で車を止めて遙を降ろす。

マルオは「幼少期のイヤな記憶って絶体だよ。大人になっても抜けないんだ。」と。マルオは小5の時にワイナリー祭りで女の子に「よく食べるね。だからそんなにまんまるなんだ」マルオという名前を聞いてその娘は更に「うける。まんまじゃん」と言われたことを思い出す。この子が猫作の見合い相手の月影リゾートのお嬢さん麗子さんなのだけど・・・このとき猫作の所に案内してもらえなくて不機嫌だったとは言え、嫌な性格。「だから遙ちゃんも猫作のことこれから好きになんてならないよ。」この漫画のエンディングを示唆した含みのある言葉。

SNSでは大騒ぎ。遙は「こうちゃん私を守ってくれたの?私はあなたを守れなかったのにどうして?」

そこにSNSを見ていた、例のドレッドヘアの若者が現れて「お姉さんってSORAと知り合いなんすか?」「びっくりだなあ、SORAがこんなことするなんて。あの大人しい奴が」とSORAを知っている口ぶりに「君って何者なの?」「お姉さんは何者なんですか?もしかしてSORAの過去を知ってる?僕と組みません?僕、あの兄弟に復讐したいんですよ。」

QUOの時代からのSORAのファン真田さんはネットで見て羨ましくて悶絶。ドレッドヘアの若者に連れられてアイドルグッズのお店に来た遙と遭遇。真田さんにいろいろ聞かれている間にドレッドヘアは消えていた。そこに再び猫作から電話。ヤバい世界に巻き込まれていないでそんな仕事は辞めてこっちに戻ってこい。明日そっちに行くからという。猫作って遙の仕事も東京での生活も全く認めて無くて自分の価値観を押しつけている。こういう男とは結婚したくないものだ。

SORAの行為は、体を張って記者を助けた「神対応」ということでネットは大盛り上がり、お兄さんの未成年飲酒強要の事件でCMの契約打ち切りを申し出ていたお酒のスポンサーも、考え直すという。SORAは「ケガ人が出たらまた叩かれると思って、それで助けただけですよ」という。マネージャーは「今回はこの子がこういう感じの子で助かったわね。これが美女だったらネットで叩かれててたってこと!」「え、あの人って美女じゃないの?」というSORAに兄もマネージャーも呆然。

翌日、遙に編集長が、SORAの映画試写会挨拶に行って、助けてもらったお礼とかなんとかこじつけてこないだ聞きそこねた飲酒事件の言い訳インタビュー取ってこいとの命令。会場の外でSORAの映画の宣伝の大広告を見ながら、悶々としている遙の手を、突然掴んでずんずん歩いていくSORA。人気の無いところで「なんでここにいるんですか?STAR GOSSIPは断ってるはずなのに。ただでさえこないだの一件で顔がネットに出ちゃってるのにまた来られたら・・・前も言ったけど迷惑です。僕の周りをうろつかないでください」と冷たい目。「あれはケガ人が出たら、また僕らが叩かれると思って助けただけ。あの場に留まったらまた写真を撮られてしまうから逃げただけ。」「はるかちゃんは僕の敵?味方?」「私の名前よく憶えてたね。あんなに小さかったのに。こうちゃん。憶えてる?」「憶えてるよ。でも昔のことだから」といって背を向けて去る。そして舞台挨拶を他の記者の後ろから取材する遙。自分とこうちゃんは別世界にいることを改めて思い知らされる。

よっちゃんとマルオとともに猫作は東京へ。遙を喜ばせるために高級レストランで待つ猫作に、猫作の父から森川麗子さんとの見合いの日取りが決まったと電話が来る「俺見合いはしない。嫁さんは自分で見つけるよ」。

遙はSTAR GOSSIP編集部で落ち込んでいるところだった。SORAの試写会挨拶は、動揺してどの写真もピントが合ってない。ずん子さんが自分の古巣の「週刊スキャンダル」の元カレからボツ写真をもらってくれるという。

一時間遅刻して普段着で駆けつけ、食べたらまた会社に戻らなくてはならないかもという遙に、「もう辞めちまえよそんな会社!」「そんな仕事はお前に合わないし生活も荒れてて・・・」と文句たらたらのあとに「清澄戻ってオレと結婚して一緒にワイナリーの仕事手伝うってどうだ」と突然のプロポーズ。いやいったいいつの時代よ。こんな相手の生活も仕事も価値観も人生観を尊重しない上から目線のプロポーズ。ハラスメントもいいところ。相手の心を掴むのが先でしょう。話を聞いたよっちゃんとマルオが言うとおり男尊女卑、人権侵害、職権乱用、職業差別。昔からずっと好きだったよといえないなら最初から可能性0。

ぶち切れてデザートを断って会社に戻った遙に、よっちゃんとマルオはかわりに説明して後押ししてあげようと遙の会社に駆けつける。「オレやっぱアイツの怒った顔好きだわ」て猫作、これでは反省0

SORAがネットで注文した山猫ワインを飲んでいるのを見て「こいつのせいで父さんはあんなことになったんだぞ」と流しに捨てる兄さん。「お前はあの町が好きだったもんな」ふとSORAの顔を見た兄は「幸司、お前芸能人やってて辛くないか?兄弟二人食っていくために始めたことがここまで大きくなっちゃってさ」(兄が生活のために中華料理店で配達をしていたときのお得意さんの芸能事務所に、代わりに配達に行ったこうちゃんがスカウトされた)という「アイドル時代は大変だったけど俳優の仕事は楽しいよ」

STAR GOSSIP編集部見学といって押しかけたよっちゃんとマルオ。活気のある編集部を見て、「猫作もこれ見るべきだったよな。」「遙ちゃんこの仕事好きなんだよ。」猫作に、根本的に進め方間違ってんだよな、と報告するよっちゃんとマルオ。「結婚してもらいたいのは猫作のほうなのに遙ちゃんに仕事辞めろとか言って、どっ外し」とお説教する。

月影リゾートから大きな仕事がSORAに来た。破格の値段でのCMだ。月影リゾートの本社の住所が清澄の隣町であることに気が付いたSORA。本社に通うわけでもないしいいだろうという兄。おまえはもうSORAなんだしと。

SORAが月影リゾートのCM撮影で清澄に来た。猫作のぶどう畑に立っている。それを山猫ワイナリーのHPと役所のHPに載せるレポートの仕事を猫作からもらう。遙がナメられようにオレがビシッと言ってやると。

この仕事を受けたときにわかってるはずなのに、あんな去り方をした町に仕事とは言え戻ってきたくなんかなさそうだけど。「昔のことだから」といったSORAを遙は思い出す。社長の猫作にこうちゃんが「お久しぶりです。私のことを憶えてますか?」と挨拶しても思い出せない猫作。「こちらのワイナリーに遊びに来たことがあるんです。まだ・・その・・今みたいに・・・芸能のお仕事させていただく前に」というSORAに、猫作は遙を自分の幼なじみで婚約者と紹介する。

かつてこうちゃんの家があった別荘地に遙が行くと月影リゾート建設予定地となっていた。そこにやってきたこうちゃん。思わずシャッターを切ると走って行ってしまったが、小学校の時のお別れを思い出して「待って!!」という遙の声に一瞬止まったが更に走って行く。自分のマフラーを踏んで倒れてカメラを壊し、足を捻った遙に、戻ってくるSORA。「僕らが子供の時貧乏だったって記事でも書くつもり?何が目的でそんなことするの?人の私生活や過去を掘り返してネットに晒して」というSORA。「いつ(その仕事を)辞めるの?猫作くんと結婚するんでしょう?」猫作を憶えていてくれたことにこうちゃんだという実感が湧いて「こんなこと言うの迷惑だとわかってるけど・・私はずっと」といいかけた遙に、「兄さんに会いたかった?なのに猫作くんと結婚するの?」と去って行くSORA。

SORAは夜逃げする時の記憶が断片的にしかない。その日遙に会いに行ったことも。そしてその後事故に会って父も母も死んだことも。

SORAと兄とマネージャーは月影リゾートに泊まる。遙のことが気になるSORAのマネージャーは世話をしてくれる麗子さんに、遙が山猫ワイナリーの若社長の婚約者だと言う事を、若社長本人から聞いたことを話に出す。すると公式には自分が婚約者だと麗子は言う。片想いだけど外堀から埋めてってると。そういうのは公式とはいわないのでは?いずれにせよ外堀をうめてってると他人にまで宣言するこの人恐いよ。

よっちゃんとマルオが連絡したおかげで、猫作が足を捻った遙を迎えに来てしまった。別れ際に遙は、自分は今の仕事をやりがい持ってやってるし結婚願望なんて今のところ全然ないし、よっちゃんもマルオも遙の両親も自分と猫作をくっつけようとしているのがイヤだという。猫作がそれに乗って変なことを言うのも。順番を間違えたのを改めて思い知らされて、猫作は「オレお前のこと好きだ。子供の頃からずっと。これからも一緒にいれたらいいと思ってる」と。「お前誰かいるのか好きなやつ。こうちゃんはもういないだろ。」という猫作に「いるよ。顔見てわからなかった?」やっと昼間会ったSORAのことだと気がつく猫作。

翌日、麗子さんの差し金で、遙は、雨で室内が人数オーバーなので来ないでいいといわれる。レポートは昨日までの取材でまとめていただければと。それを聞いた猫作は、昨日あいつ足ねんざして痛そうだったので逆に良かったかもと。その話を聞いて、オレの気を引きたいのかなというSORAの兄を、SORAが今はここの社長の婚約者なんだから変なこと言わないでと窘めると、マネージャーは婚約者だってのもどうだかわかりませんよと、もう一人婚約者がいる話を伝える。

やってきたSORAに猫作は「なんで最初っから言わなかったんだよ」「(SORAがこうちゃんだと)誰にもいいませんよ。オレと遙で止めときます。遙にはちゃんと言い聞かせときますんで!」という猫作に「(遙を)まるで自分のもののように言いますね」とSORA.

遙が自宅でうたた寝しているとSORAがやってきた。行きたいところがあると。タクシーが待たせてあった。先にお花屋さんに行きたかったようだが山の方にはない。今日のSORAは前髪を下ろして、大人になったこうちゃんだ。「もう敬語はやめませんか」とため口になる。

遙がSORAと出かけたあとで遙の自宅に来た猫作は、遙の父にお見合いのことを聞かれて「オレ、遙を嫁さんにしたいんです。子供の時からずっと僕が一方的に好きなだけです。なのでお二人にご協力してもらえるとありがたいんですが」という。

SORAは突然道でタクシーを止め、彼女は元来た所に戻りますのでといってお金を払って下りる。彼の心の中のドアが開いたと思っても、それはほんの少しの隙間でしかなくて、あっという間に閉められてしまう。自分はただの道案内で、二人でどこかに行きたいわけじゃなかった。足のねんざをお見舞いに来たわけでもなかったと思う遙。

こうちゃんに電話をしたお兄さんは、雨の音からどこにいるか察して「父さんと母さんはそこにはいないんだよ」という。「思い出したいんだ。僕のために」とこうちゃん。

よっちゃんとマルオは、SORAのお兄さんを見かけて、こうちゃんのお兄さんだと気が付く。タクシーで戻る途中の遙に、よっちゃんは電話で、こうちゃんたちのお父さんとお母さんは交通事故で亡くなったことを伝える。夜逃げした日に軽トラが横転したという。やっぱり戻ってもらうことにする。「子供の時の想い人ってのはずーっとだからね。こんなおじさんになってもね。不思議なもんでね」とお互いバツイチになってから幼なじみと再会して結婚した話をしていた運転手は、同意する。運転手さん察しがいいね。

やっとこうちゃんがなぜ自分を警戒していたか、SORAのプロフィールが謎めいているのかが理解できた遙。

事故のあったカーブで、封印していた思い出をすべて思い出すSORA。インタビューで山波遙の名前を聞いた瞬間からすこしずつ思い出してきて、不思議とそれは悲しい色ではなくて色とりどりのキラキラしたかけらであった。

こうちゃんに声をかけ「私知らなかったの。何も知らなくて怖がらせてごめん。こうちゃんが一番辛い時に一緒にいてあげられなくてごめん。私はこうちゃんのスーパーマンだったのに。」そして雨は雪になった。「猫作くん呼んだら?婚約者なんでしょ?」「誰に聞いたの?猫作が言ったの?やめてよそれじゃまるでうちの記事だよ・・」という遙に吹き出すSORA。記憶の中ではいつも淋しそうだったこうちゃんが笑っている。遙は幸せだった。

「この上にペンションがあるからとりあえずそこに避難しよう」とSORAにおんぶされていく。昔、遙はこうちゃんをおんぶしたことがあるのだが、遙は朧気にしか思い出せない。「それぞれ憶えていること憶えてないことが違うのか。」とSORA。

ペンションでは恋人同士と誤解されてダブルベッドの部屋へ案内される。

よっちゃんとマルオは「子供の時の気持ちって大人になっても続くじゃん。そもそもお前がそうなわけじゃん」というのに「奪られねえよ」と猫作。遙のお父さんお母さんに話をつけたという猫作に、サイテーという二人。強力なライバル登場でなりふりかまわないとはいえ、卑怯。そこにスノータイヤの車を借りたいとSORAのお兄さん。思わずこうちゃんのお兄さんですかといいかける二人に「私のこと憶えてますか」と。

「SORAがこの町に住んでたことをネットに書いたりしないでほしいんだ。もちろんお礼はするよ」というSORAの兄に猫作は「口止め料ってか。年商10億の会社やってるオレにいくらくれるって言うんですか?」「君はあのゴシップ記者の女の子と結婚するんだってね。僕らにとっては、あの娘はひどいゴシップ記者でSORAに近づけるわけにはいかないわけ」「人に道案内頼んでおいてなんなんですかそれ」道は通行止めになっていて行けなかった。

「昔から下の山道が事故多くてね、この下なんて魔の急カーブなんて言われててさ」というペンションのオーナーは18年前の事故を憶えていた。急カーブが曲がれなくてガードレールにぶつかった。軽トラに大荷物を積んでいてバランスを崩したのかも知れない。田舎だから救急車が来るのも遅かった。小さい男の子が泣きもせず呆然としていたと。

部屋に戻ってみるとこうちゃんは寝ていた。せっかく話せたんだから私は昔の幼なじみのお姉さんのままでいてあげたい。こうちゃんも私と二人でいる時だけは昔に戻れるのかもしれない。と蒲団をかけてあげる。突然おきあがったこうちゃんは遙を抱きしめて再び夢の中へ。「はるかちゃん。ありがとう。」といいながら。

遙が目が覚ますとこうちゃんはいなかった。「帰りは猫作を呼んで下さい」とメモを残して。遙はペンションの花を一輪摘んで、ペットボトルに挿して事故現場のガードレールに縛り付け、こうちゃんの両親に「こうちゃんを見守っててください」と祈る遙。

SORAが帰りに、ホテルの花屋で買った花を持って事故現場に行くと、遙の供えた花があった。「ゆうべ夢の中で君はあの頃の姿で、泣いている僕を抱きしめてくれた。幸せな夢だった。それで十分だ。あの頃の記憶だけで僕は生きていける」うーん、途中記憶を封印していたとはいえ、18年間立っても消えなかった気持ちを、そんなに簡単に諦めないで。

猫作が帰る遙を送りながら、昨夜こうちゃんのお兄さんが口止めにきたことを話す。遙は、こうちゃんと話して昔のままだったこと、自分がこうちゃんのお兄さんが好きだと昔言いふらしていたのはカムフラージュだったことを喋る。「オレだってお前のこと好きだからからかってたんだよ」と猫作。「私あんたのこと恨んでる」という遙に「オレにしとけよ遙」「これから仲良くなれるよう努力する!お前に対する口のききかたも改める!だからオレにしろ!!」猫作はどこかでこうちゃんと遙が会って話してると知って嫉妬したのだろうけど、それでもまだ命令じゃん。「改まってないよ。命令してんじゃん。こわい。」と。当然こうなるよね。

走って駅に入っていった遙。落ち込む猫作。猫作の車の窓を叩いたのは麗子さん。一緒に帰りながら、お見合いの話を持ち出される。「乗り気じゃないんですね。でも清澄ワインリゾート構想の話は聞いてらっしゃるでしょう?」そのために麗子の父は猫作の父を町長に推したという。このあたりの土地の買い占めも20年かけて進めてやっと地盤が整ったという。過疎化にしているこの町にテーマパークを作って全国的に有名にしたいのが二人の夢で、それは自分の夢でもあるという。山猫ワイナリーのお祭りを、となり町に住んでたけど必ず行っていたと。あのお祭りを夏の間毎日開催して、全国の人を呼ぶのが自分の夢だったという。そこで猫作と麗子を結婚させようと両方の親がいっていた話をする。「よろしければお見合い飛ばして近々食事でも。ちなみに私、留学してたので英語とフランス語話せますし経理の資格とMBAも持ってます。去年やっとソムリエの資格を取りました。」とアピールしていく。両方の親が2人をくっつけようと画策していたとはいえ、いつ再会するかわからないのに、山猫ワイナリーの社長の妻および優秀なビジネスパートナーとして着々と十何年も準備している麗子さんの思い入れっぷりも、恐い。

SORAのインスタグラムに、あの事故のカーブに備えた自分の花の写真があった。「綺麗な花#Thank you」というコメントとともに。

同じサイトを見たドレッドヘアは、どこだろう、誰にThank youといっているのだろうと興味を持つ。昔SORAが「僕の親?いないんだ。子供の頃に交通事故で亡くなって。事務所には内緒にしろって言われてるんだけど」といったことを思い出す。

現場の花をインスタグラムにアップしたことを気にするSORAの兄。雑誌の撮影で今日のSORAは表情が別人みたいに生き生きしていると編集長は言う。SORA彼女できたんじゃないの?と。「あの歳で初めての恋愛だったらホントに気をつけないとまずいわよっ もちろん恋愛して人間的に成長するのは役者としてはいいことよ。今まで以上に表現の幅が広がって、ただの顔がいいイケメン俳優の殻を破れるかもしれない。でもファンは恋愛を許さないわ。特にSORAみたいなタイプは。今の子たちはみんなすぐ気がつくわよ。SNSでの匂わせとかでね!!それが一番ダメ!!恋してもいいけど徹底的に隠すのがプロ!!上り調子の今ファンにそっぽ向かれたら人気は一気にガタ落ちよ。」

SORAの兄がSORAを問い詰めると、あっさり遙が好きと認める。「子供の時好きだったんだよ。」と。「私こうちゃんのお兄さんが好き」とも言われたと。「雪で帰れなくてそのホテルに避難したってだけで何もないよ。それに遙ちゃんは猫作くんと結婚するんだから。遙ちゃんは3つも年下の僕が遙ちゃんのこと好きだったって知らないから、僕はいつまでも彼女に追いつけない。でもそれでいいんだ。どうせこの仕事だし恋愛なんてしちゃダメだしね。」「月影リゾートのお嬢様とは?(猫作くんは)二股?」「そうだったら僕は猫作くんを許さないけど」

再びSTAR GOSSIPにネタを売り込みにきたドレッドヘア。いつの間にかみんなと友達になっている。そこにSORAのSプロダクションの社長が、遙を電話で高級ホテルのカフェに呼びだす。「あの社長女好きで有名でしょ。僕がボディガードでついてってあげますよ♡」ドレッドヘアは「僕は怪しい奴かもしんないけど悪人じゃないっすよ。昔SORAの友達だったんです。でもあの兄弟に裏切られた。そのせいで仕事クビになって今じゃ小遣い稼ぎでこんなことやってる。あの社長は金のためならなんでもやる男ですよ。」といって近くの席から見守ってくれる。

「君はさぁ、あんなお金持ちとの結婚が決まってるってのにさぁ、幸司と一緒にホテルに泊まったってどういうこと?上のバーでゆっくり聞こうか。」と社長が迫っているところに、ドレッドヘアが「センパーイ!!編集長からすぐ戻ってこいって電話でーす。」ということであやうく難を逃れる。

「君はいつ友達だったの?SORAと。」という遙に、「僕のこと憶えてますか?何十回も会ったことあると思うんですけどね。みんなすぐ忘れちゃうんですね。悲しいな。」と、遙にスマホで音楽を流してもらって踊り出すドレッドヘア。誰だか思い出した遙はQUOの曲で一緒に踊る。「コンサートでダンスが一番上手いって思ったの。君がQUOのアランだったなんて。」こっそり伺っていたSORA兄はスマホで二人が踊ったりねんざした遙が転けそうになったところを支えるアランの写真を撮る。「いったに何人の男を転がして弄ぶつもりなんだい?」と憤りながら。

QUOがちょうど新曲を出そうと言うタイミングで、SORAが心の不調と会社から聞かされたアラン。なんでオレらSORAのその不調に気づけなかったんだろってすごく自分を責めて後悔して泣いて、うちの事務所は小さくてオレらしかいなかったから活動休止になって、SORAが帰ってくるところがないなんて可哀想過ぎると思ったのに、SORAは映画デビューしていた。兄が全部水面下で動いて準備していて騙されたと。だからオレは悪人でもなんでもない。ただのクズだよ、と遙に語るアラン。

社長が戻ると、鳥居マネージャーが「SORAのファンが集まる掲示板が、最近やたら過激なファンが書き込むようになって、昨日その過激なファンが例の彼女(遙)の写真を貼り始めて、清澄での彼女の写真も見つけ出されて・・・」とSORAの正体や過去貧しかったことがばれる心配をする鳥居マネージャー。「結婚するってのにまた別の男とあんなことするかね」とポツンともらす兄。「会ってたんですか?彼女と」と鳥居マネージャー。「彼女とは距離を置きましょう。彼女の身が危険です」と。

遙は、QUOの時代からSORAファンだったという真田さんが、上から下までアランの色であるピンクで決めていたことを思い出す。遙は真田さんから自分がネットで話題になっていてSTAR GOSSIPの記者であることもバレていることを知らされる。SORAのファンはSTAR GOSSIPを目の敵にしているから気をつけるようにと忠告される。「あの記事を書いたのはお姉さんですかい。お姉さんはQUOのファンだと思ってたのに。でも仕事ですもんな。それは仕方ないす。代わりにひとつお願い聞いてください。ワタシの初恋の推しを探してください。」といわれて「アラン?」と答える遙。真田さんが送ったTシャツをアランが何回も着てくれたので、「これ憶えてますか?って聞いてみたい。ワタシのこと憶えてなくてもいいんで。」

「僕の体型ってそんなに目立ちますか」とスタイリストさんに衣装合わせ中にいうSORA。「帽子とサングラスでもファンにはすぐバレちゃうかもよ」と。「じゃあ体型がわからない服だったら」「顔が小さいからアゴのラインとか見えるとイケメンってバレるし。かぶりもん被るしかないわね」と。

真田さんの教えてくれた掲示板を見て遙はゾッとする。いつも自分が人のプライバシーをネットに晒してお金をもらってる側なのに、自分がやられてみて、いかに人を傷つけてきたか、夜も眠れないくらいに不安にさせてきたか。初めて気が付く。SORAもアランもずっとこの恐怖と戦ってきたんだ。

アランを呼び出すが、「オレじゃないっスよ。オレはプロのクズなんでお金もらえないのにそんなことしません♡」と。「こんな書き込みいちいち気にしてたら病んじゃいますよ」「相当しんどかったでしょう。アイドルやってた時」「オレはまだメンタル強いからアレだけど、SORAなんてそういうの一番弱かったよね」「おねーさんさ、夜遅いときとかさ、一人で会社から帰るでしょ。しばらくは一人で帰んないほうがいいよ。今夜からオレが一緒に帰ったげる」と。

アランはほんとに遙を迎えに来た。建物の陰に隠れるようにたたずんでいる人間を、ずん子さんを待ち伏せしている元彼と思い込んだ遙は声をかけるが、それは女だった。遙の写真をいきなりスマホで撮る。そのスマホを後ろから取り上げるウサギのかぶり物を被ったSORA。「消して」といいながら遙を守るように抱きついたアランを見たSORA。「こうちゃん」と思わず口にする遙。スマホを女に返して走って去るこうちゃん。

深夜にゴシップサイトを見ていた鳥居マネージャーは、後ろからSORAに声をかけられてあわててパソコンを強制終了させる。「やっぱり鳥居さんだったんですね。ハシゴが倒れた時に撮られた彼女の写真、あれ撮ったの鳥居さんですよね。あれ僕たちが立ってる場所からじゃないと撮れないでしょう。彼女がSTAR GOSSIPの記者だって書き込みもですか?」「アランがいました。声でわかりました。アランは僕らのこと恨んでるんです。アランだけじゃなく他のメンバーもきっと。鳥居さんもそうなんですか?僕の味方じゃないんですか?」「味方だからあの子からあなたを守りたいのよ。ファンという監視が必要なの。彼女が怯えてあなたの周りをうろつかなくなることが大事なの」と。「それでもし彼女に何かあったら?」「それは私の仕事じゃない」「僕は彼女を守りたい。でも僕じゃダメなんだ」鳥居さんも恐い女だなあ。芸能人のSORAを守っているようで、SORAの気持ちは無視している。

SORAは猫作に電話をかける。「遙ちゃんを守ってあげて」と。猫作の話から、ワイナリーのお祭りで猫作に綺麗なスーパーボールを取ってもらったこと、別れの日に遙に渡しにいったことを思い出す。なんといったか、遙が何と答えたかは思い出せない。

翌日から猫作が遙のボディガードについてくる。猫作は遙が働いている間近くの喫茶店で時間を潰しながら、ネットでSORAのファンが遙の身元を捜しているのを見つける。アランが隣に座って、一瞬だけ充電させて欲しいという。その後、遙が退社するのを猫作が待っているとアランも来て会釈する。猫作が遙を婚約者と紹介すると、「お気をつけて」とアランは去って行く。

帰ってから盗聴していたSORAの兄と遙の会話を再生するアラン。遙と結婚するはずのワイナリーの社長が先ほどの猫作であること、遙とSORAすなわち幸司がホテルに泊まったこと、あのインスタグラムの花の場所はたぶん清澄であること、SORAも清澄に子供の頃住んでいたことを察する。遙が幸司とできていたら、もとQUOのメンバーの自分に対する態度も変わるだろうから、それはなさそうだと思う。凄い洞察力の名探偵アラン。

3日間の国際映画祭の取材に行くように遙は編集長から言われる。SORAも来るらしい。

猫作も今年の仕込みは大体終わってるし、映画祭でセレブに営業すると、一緒に行くことになる。

場所取りに負けた遙は、猫作に抱っこしてもらう。望遠レンズつきカメラ越しのSORAの手つきから、自分を認識したことがわかった。遙には、SORAに見つけて欲しいけど、SORAのファンに見つかるのは恐いという矛盾した気持ちがあって、つい変装が甘くなっている。でも見つけてくれて嬉しい。「僕はすぐに君を見つけてしまう。たとえ君がもう誰かのものでも。こうやって君を遠くから見てるくらいなら、昔と同じだからいいよね。」一方SORAは階段で共演女優をエスコートせずに、ただ先を歩いていたことをネットで突っ込まれる。

人混みの中で麗子さんと会う猫作。取材で派遣されてきたという遙に、「今夜のパーティご一緒しませんか?入れるようにすぐ手配します。」で、パーティに参加するのに猫作はホテルの貸衣装でスーツを借りられるけれど、女性のドレスは用意が無いとのことで遙は普段着のまま。ワイン好きな俳優や著名なホテルの社長が来ているから紹介する、山猫ワインも用意してあると、麗子は仕事のできる女アピール。麗子は遙を会場にいれるが、プレスなんてどこにも居なくて、芸能人やモデルばかりでものすごい場違いなところに来てしまったことを悟る。猫作も遙も気づいてないけどあまりにも露骨すぎる麗子の嫌がらせ。

抽選のプレゼンターとしてSORAが舞台に現れた。惨めな自分を見られたくなくて退場しようとした遙は飲み物を持ったボーイとぶつかってしまう。それを見ていたSORAは、遙に衣装を貸すようこっそり指示する。ヘアからメイクからすべていじられて別人に変身する遙を見て「一緒に乾杯しましょう」とSORA。「別人だから大丈夫」と肩を抱かれる。ムービー上映中に暗くなった会場を抜け出す二人を見かけた秋山萌香(未成年飲酒の件で事務所をクビになったグラビアアイドル)は、こっそり後をつける。屋上で別人のようにリラックスしていろいろ話すSORA。手配したのは変装が甘かったからと。「綺麗だよ、遙ちゃん、すごく綺麗」といわれて勇気を出して、あの日のことを思い出したと告げる。こうちゃんも思い出したと「あのスーパーボールまだ持ってる?」と。「思い出したんだ。僕はあの日遙ちゃんにふられちゃったってことを」。遙は出版社の入社試験にすべて落ちてネットマガジンやってる今の会社に拾ってもらったこと、時代の流れでゴシップ記事もやるようになっていつのまにかSTAR GOSSIPの記者になったこと。お兄さんの記事の時に初めて確信したけれど、記事は止められなかったこと。「私もこうちゃんのこと好きだった」と勇気をだしていう。「小学生の時ってその3歳の差がすごく大きくて私、言えなかったんだよ。」「でもどのみちもう大昔の話だよね。だってもう遙ちゃんは猫作くんのものだから」「戻らなきゃ」と帰ろうとするSORAに、あの別れの日のこうちゃんが重なり「待って!!私結婚なんてしない。猫作のことなんて好きじゃない!!」と告げる。柱の陰で聞いている猫作。「私は猫作のことを好きだったことなんて一度もないし、私はずっとこうちゃんのことが」といいかける遙に「今の僕じゃ遙ちゃんを守れないから。猫作くんが遙ちゃんを守ってくれるはずだよ。遙ちゃんもう僕に近づかないで」といって走っていってしまう。

萌香は「あんたSTAR GOSSIPの記者なの!?」「SORAと君で私をハメたの!?こっちはあの記事のせいで事務所クビになってんのよ!!」「全部録ったから」「これが世の中に出たらSORAとSTAR GOSSIPの記者がデキてて、飲酒のニュースも私とのお泊まりもやらせだってわかたら・・」「そしたらみんな私が悪者じゃないってわかってくれるはず。これネットに流してやる」という。萌香を追おうとして慣れないハイヒールで脚を捻って階段を落ちようとした遙を庇って、怪我をして気を失う猫作。

SORAは兄に「僕って恋愛とかしたらお仕事もらえなくなるのかな」「もうアイドルじゃないんだし彼女できたってだけで干されるとかそんなことはないけどさ!ただそれは徹底的に隠すべき、というかもっと大事なのはバレた時考えてこう世間的にイメージのいい女を」「じゃあ世間的なイメージが悪かったとしても、完璧に隠せば大丈夫だってこと?」SORAさんさっきはびっくりしたとは言え、遅いよ。

猫作は頭から落ちたせいで頸椎の関節がずれている。手足に麻痺やしびれの後遺症は残るという。あとは私がやるという麗子に、「私が全て悪いです。私がやります。幼なじみですから子供の頃からずっと一緒でしたから。猫作も私のほうが気楽だと思います。あなただといろいろとしんどいと思います。それにまだ映画界のお仕事もあるでしょうし。私はもう辞めることになると思います。」あの動画が出たら私はもうこの業界にはいられなくなるだろう。私の仕事のせいでSORAに迷惑をかけて、猫作まで巻き込んだ。しかもこんな最悪の巻き込み方で。

目が覚めても遙が怪我をしてないか気遣う猫作。猫作はこうちゃんとの会話を聞いていて、遙が猫作を好きじゃないといったことを聞いていたのに。私がいてあげなきゃと思う遙。今はまあそう思うのは無理もないけど、それと恋人や妻としての愛情は違うような・・・私が生きる世界にSORAは下りて来ないと思い知らされた遙。

SORAの事務所は、ネットに流された萌香の撮った動画には、二人の関係を迷惑な突撃取材を繰り返す記者とそれを注意するSORAという形で声明を出す。

遙はSTAR GOSSIPにメールで辞表を出す。猫作が転院できるくらい回復したら、猫作と一緒に故郷に帰ってネット断ちSNS断ちをして暮らそうと決心する。

アップされた動画をアランも見ていた。STAR GOSSIPに顔をだして遙が辞めて故郷の清澄に帰ると聞く。ワイナリーの若社長と結婚するつもりなのかもと。ずん子はアランに「お前連れ戻して来いよ。仕事ほっぽっていきなりいなくなって。プロとしてダメだろそれじゃ。オレらはよ、こんな仕事でもプライド持ってやってんだから、何があったか知らんがその何かを記事にするくらいの根性を見せろって、ずんこがそう言ってたっつって連れ戻してこい」と。

マネージャーがあれこれ後始末に連絡をしているところで、遙はSTAR GOSSIPを辞めたと知る。「責任取って辞めたのかしら」という鳥居マネージャーに兄は「クビじゃねえの 田舎帰って結婚コースかな」と。「いやそれはないと思う。だって好きでもない人と結婚する人なんている?」とSORA。「たまにゃいるよ」うんいると思う。「そんなのおかしいと思わない?」とムキになるSORAに「まさかお前ら付き合うつもりか?」と小声で聞く。「ダメ?」「ゴシップ記者を辞めたんなら彼女が僕のファンに追い回されることもない。今はもう普通の人でしょ?」マネージャーに「あなたはあの子のことが好きなの?」「そうですよ?子供の頃からずっとです。」

「遙が一緒に帰ってきてくれたから、もう死んでもいいよ」と二人の世界に浸る遙と猫作に、「あのクソ遠い病院からこちらへの移送を段取ったのは私ですよ!なのにあなたまでついて来るとは思わなかったわっ」「いやここ私の実家ですから」「結婚もしてないのに嫁気取りやめてっ」「いやすぐそこが私の実家なんで」「じゃここじゃなくそこって言ってよ」「森川さんってそんなキャラだったんですね。もっとお上品な人かと思ってました」麗子さんだんだんキャラが変わってきてけっこう好感が持てるようになってきた。

猫作の両親にあやまる遙の両親に、猫作の母は「私は遙ちゃんが猫作のお嫁さんになってくれたらいいなってずっと思ってたんですよ。小さい時からよく知ってるし私にとっても娘みたいなもんですよ。」突然両方の両親の間で話が進む。

田舎に帰って一週間。猫作との穏やかな日々の中で猫作が「ずっと一緒にいてくれないか」とプロポーズすると「どうしたら猫作のこと好きになれるかな。やっぱりまだ全然好きじゃない」という遙に、まずは抱っこからと猫作。遙はSORAのことを思い浮かべるが、「きっと本当にあの人を好きだったってことではない。ノスタルジックな気持ちに振り回されたんだ。」と自分を納得させる。

清澄の山猫ワイナリーに来たアランは、遙の父の案内でワイナリーを見学する。SORAの出ているコマーシャルを見せてもらい、撮影した時に大雪があったことを知る。男の2人兄弟の子供が残された交通事故の話を聞いてみると、ああ、吉田さん夫婦の事故のことかい?と返される。SORAの本名を知っているアランは、下の子は吉田幸司君ですか?と聞く。遙とよく遊んでたことも、夜逃げしたことも。こうちゃんの知り合いだとアランはいう。あの家族は山猫ワイナリーのせいであんなことになっちゃったようなもんだからと、社長が吉田の父にワインの運搬を委託するといって運送会社を作ったけど直前で月影リゾートの系列会社にすると手のひら返しして、山猫ワイナリーの土地も月影に売ってしまい、たぶんあの一家は追い出されたという。兄はもう大きかったからもしかしたらその話聞いたのかもと。

夜、遙の父は遙に、こうちゃんの知り合いという子がワイナリーに来たことを話す。容貌からアランだとわかる。考えないようしていたのにこうちゃんのことを心配してしまう。

図書館で事故が載っている新聞を探すアラン。場所は入山峠と書いてあった。タクシーでいってみると、ドライフラワーになってしまっていたが、確かにあのペットボトルの花があった。タクシーを返してしまったので、近くのペンションにいったアランは、ドライフラワーになった花がこの植え込みにあることに気が付く。ゲストブックをそっとのぞくと、インスタに花がアップされた前日に遙の名前があった。遙はこの町に実家があるのになぜだろう。オーナーにさりげなく、このあいだ友達がここに泊まったといってみると、「カップルで来た東京の子らかな」という。ちょうど月影リゾートのCMをやっていたが、この俳優さんみたいな男前の男の子だったという。事故現場にはこのあいだ花一本と大きな花束が置いてあったともいう。

SORAの雰囲気が変わったけど彼女ができたんじゃないかという声にマネージャー曰く「付き合いたそうにしてますね」と。SORAにはアカデミー賞受賞者の監督の次回作に名前が挙がっているけど、もっと演技力を上げないと厳しいと思っているという。アイドル俳優から脱却させるためにももう一度しっかり基礎から演技のメソッドを勉強させないと。それなら今は絶対恋愛させちゃダメと。

仕事が終わった後ジムに行くとマネージャーには偽って、SORAはSTAR GOSSIPへ。「遙さんと話がしたくて来ました。」という。「辞めたよ。」とずん子。「知らんということは君は遙と交際してはいないんだな。じゃ何なんだよ。」と切れるずん子。「君にとってみれば我々はゲスなことやって小金稼いでいるチンピラみたいなもんかもしれんが、こっちはこっちで毎日頑張って働いてるんだよ。君のせいでうちの大事な後輩が会社を辞めた。」と。ずん子さんかっこいい。「遙の連絡先が知りたいなら教えてやるからこっちにも教えてくれ。君は遙のなんなんだ。」と。「大丈夫秘密は守る。」ほかの同僚も「遙ちゃんは映画祭の時なんであんなドレスでなんでそのパーティに入れてもらえたの?私達はSORAさんがそうしてくれたのかなって」「だとしたらSORAさんは遙ちゃんに優しくしてくれたってことでしょう?なのにあの動画がネットに流出して、いつの間にかSORAさんがパーティに潜り込んだゴシップ記者を追い出したって話になっちゃってて、それでまた遙ちゃんがうちがあなたのファンの怒りを買ってネットで叩かれてそれで遙ちゃんは責任を取って会社を辞めたのかなって」

ずん子たちは遙の携帯電話やSNSを教えるが禁止されているという。メモもできないという。今電話をかければ履歴が残ると教えるがまだ躊躇っているSORAに、「SORAさんそれくらいはいいでしょ!!」「わかりました。してみます電話。それで確かめます。気持ちを」なんと義理にがんじがらめな人だろう。ちゃんと仕事はするからプライベートに踏みこむなとマネージャーや兄を一喝すればいいのに。ところが遙はちょうどお茶を入れに病室をでたところで、電話に出たのは猫作だった。人の携帯に出るな!!こうちゃんに「遙こっちに帰ってきたんだよ。今毎日オレと一緒にいる。うちの親も遙のお父さんとお母さんも結婚向けて色々準備してくれてる。春には結婚式挙げられると思う。色々ありがとなこうちゃん遙のこと心配してくれて。仕事頑張ってな、二人でTV見て応援してるよ。じゃ。」と切られてしまう。猫作はそのまま履歴を削除する。お~い、遙の携帯だよ。

運転手さんに清澄まで高速をつかうと3時間くらいといわれて「今行かないと一生後悔する気がして」と向かうことにする。俳優は感情を殺す仕事だからいつの間にか心が硬く冷たくなってたのかな。君を突き放したのは君があんなこと言うからびっくりして・・僕は頑張るよ遙ちゃん。と心で思うSORA。遅い!!

突然右手がしびれる猫作。今夜病室に泊まり込みしてもらいたいと医者は言う。「彼ショック受けてる様子でしたし、昔後遺症でて窓から飛び下りちゃった人いて」と。

実家に今日は病院に泊まると連絡して両親が二人の進展を喜んでいるところにSORAが来る。SORAは自己紹介をして、自分が吉田幸司であることも告げる。両親は猫作がパーティの日に遙を助けようとして怪我をして遙は病院に付き添っていることを伝える。二人の結婚式では一曲歌ってくれと言われて、「結婚式はまだ決まってないんですよね?」「決まったら教えるわ!!」

その頃遙は病院で猫作にプロポーズされて承諾したところだった。

SORAはちょうど遙が猫作の病室からでてきたところに出会う。病院の入口で一本抜き取った花瓶のフリージアを差し出して、「また花屋さんに行きそこねたよ」中から猫作が「先生にちょっと来てもらってくれ。手がちょっとまた・・・」という。「これじゃダメかな。あの時みたいに。」ってSORAも空気読まなさすぎ。「遙ちゃん逃げよう」と手をとるSORAに(「遅い」)と思う。(「屋上で勇気を出して言った時にこうしてくれてたら。いやその前でも言ってくれてたら。2人で話す時間なんて何回もあったじゃない。」)ポットが落ちた音に猫作が立ち上がって廊下をのぞく。

SORAは車を待たしてあるから一緒に東京に帰ろうという。「あれから自分で考えて決めたんだ。僕みたいな仕事でも遙ちゃんを傷つけないで一緒にいるにはどうしたらいいのかなって。遙ちゃんは昔も今も僕の憧れの人だよ。いつも大変な仕事を頑張ってて会社の先輩たちにも大事にされてて大人になった遙ちゃんはかっこいいよ。かっこよくて綺麗だ。僕は今の遙ちゃんが好きだ。」こうちゃんは遙の両親に会ってじぶんが吉田幸司であることをいったという。猫作の怪我の話も聞いたと。遙の手を引いてエレベーターに。でも猫作がケガしてるから今はここから離れられない。僕は子供の時の遠い記憶と今の自分と整理するのに時間がかかったんだ。僕には時間も自由もないし恋愛しちゃダメだと思ってた。でも決めた。思い出したから。隣のエレベーターが空いて猫作が出てきたので遙はあわてて自分たちのエレベーターのドアを閉める。閉めたエレベーターの中でこうちゃんと遙は何回もキスをする。でも猫作や家族を裏切ることはできなかった。「もう僕のこと好きじゃない?」というこうちゃんにあの時のこうちゃんの言葉を思い出して「もう昔のことだから」と返す。そして猫作の部屋へ戻る。「あの手を取っても、きらびやかな世界で自分は恥をかき彼に恥をかかせ、彼の仕事を壊す。彼の回りは毎日美女だらけ。私なんてすぐ捨てられる」と自分に言い聞かせる遙。

アランは町で月影リゾートの娘と山猫ワイナリーの跡取り息子の縁談があるという噂を聞く。SORA一家は山猫ワイナリーのご主人がワインの配達の子会社をやるはずだったのに突然その話がなしになって、SORA家族のすんでた土地も山猫ワイナリーが月影リゾートに売ると言う事で町を追い出されたので、あの事故は心中じゃないかという噂も。

猫作の様子は思わしくないので、東京の専門の先生に見てもらうことになった。遙もついて行って、ついでに東京のアパートを引き上げるという。

猫作の父である町長は、麗子に、猫作に後遺症が残ってしまって治療も長引くので縁談は白紙に戻していただくという。「あの幼なじみとやらに山猫ワイナリーの嫁はつとまりませんわ」と麗子。あの2人はもう一緒になる気持ちを固めたという町長に「そんなの猫作さんが大ケガしたことで一時的にそういう気分が盛り上がってるだけです。だってあのひと猫作さんのこと好きじゃないでしょう。きっとあの人は都会に疲れてこっちに逃げ込みたいだけですよ。でもね、都会も田舎も同じですよ。あの大きな山猫ワイナリーを経営していくのにのんびりもクソもありませんし、あんな世の中ナメ腐ったブスに負けるわけにはいきませんわ。ということでこの縁談の破談はお断りします」やっぱこの人の執着ぶりは恐い。清々しいけど。

あの日マネージャーとの約束に遅れて東京に戻ったSORAに、マネージャーは著名な映画監督の時期作の2番手の話が来ているという。撮影も海外が中心だという。撮影までに徹底的に演技の勉強をして準備すれば私は不可能ではないと思うし、無謀なチャレンジだと言われてもやってみる価値はあると。この映画に出るならあの子と会うのはもうやめてもらうわ。当分恋愛は禁止よ、と。了承するSORA。僕たちの仕事はお互いを見つけるためには良かったけれど、恋愛をするには障害でしかなかったと思う。

マルオとよっちゃんに手伝ってもらいながらアパートを引き上げる遙。あのスーパーボールも捨てるものの方に入れる。そこにずん子さんが会社にあった荷物を持って来てくれる。ずん子さんにときめくマルオ。処分する荷物からスーパーボールを見つけてずん子はそっと懐に入れる。

萌香にあうアラン。SORAと遙の密会動画をアップしたのは萌香だとわかって、手を組もうという。

猫作の手術は上手くいった。そして4ヶ月、遙は31歳になった。猫作のぶどう園を手伝っている。月影リゾートが新しく作る式場の結婚式第一号となることに決まった。実家のリビングにはSORAのサインがあるが見ないようにして暮らしている。

シンガポールでSORAの撮影は順調、監督もスタッフも今回のSORAの演技絶賛している。マネージャーは遙が結婚する話を兄にする。「SORAはなぜかあの子のことが好きだったみたいだけどもし付き合っていたとしても住む世界の違う2人が上手くいくわけがない」兄は「あの子の初恋はオレだったんだよ。そしてSORAはそれをずっと気にしてた」という。「なんであの娘そんなウソをついたんでしょうね」と鳥居マネージャー。

ウェディングドレスの試着を奇跡的にファスナーが閉まって気恥ずかしくない一着だけでいいという遙に、麗子は「一生に一度女がお姫さまになれる日のドレスを」といってスタッフをでていかせ、「遙さん。この度はうちのホテルの結婚式場で式を挙げて下さるそうでありがとうございます。うちも全力でお手伝いしていんですが、遙さんがあんまり幸せそうに見えなくて心配です。私個人として仕事も立場も関係なくただの森川麗子として言わせていただきます。遙さんやめるなら今ですよ」「あなたのせいで起きた猫作さんの事故で変な責任感しょっちゃったみたいだけど、猫作さんの手術、上手くいって後遺症も出なくなったって聞きました。じゃあもういいじゃないですか。猫作さんのこと男として好きじゃないんでしょう?あなたは猫作さんを愛していない」

そのあと猫作の声を電話で聞いて、麗子のいったことを思い出して「愛」とかそういう仰々しい言葉はやめてほしいと思う。愛がなくても結婚する人だってたくさんいるじゃん。と考えてあれ私はそれをやろうとしてるのかと思う。自分は病める時は猫作のこと愛せてた。側にいて支えなきゃって思った。あれを愛と呼んでいいのか分からないけど、家族愛だって愛でしょう?じゃあ「健やかなる時も」は?一緒にいればいつか愛せるって思ってたけど、今それを誓うのはウソだと分かってしまった遙。だったら麗子さんの言うとおり引き返せ!!麗子さんなんとか結婚の邪魔をしようと思ってはいるけど、言っていることはあたってるよ。遙の気持ちも本人以上にわかっている。

そこへ麗子が飛び込んできて、SORAがN県の有名なワイナリーの若社長の婚約者とN県のホテルに一泊したこと、実はSORAの両親がワイナリーのせいで亡くなっているという情報がテレビにでたという。SORAはワイナリーを恨んでいて復讐のような形でこの婚約者の女性を略奪したのではという。それがSORAが倒れるハシゴから守ったりパーティを抜け出して屋上で密会していたゴシップ記者だという。おまけにこの屋上から下の階に続く階段から若社長は転落して大怪我をしていると。

このタイミングでSORAはシンポールから一時帰国。兄はマスコミをみて逃げる。突撃したずん子をSORAは車に乗せる。このままうちの会社に来て反撃のインタビューをさせてもらいたいという。マネージャーは反対するがSORAはスターゴシップに行くという。インタビューを受けるかどうかは行ってから考えると。編集部に来たSORAはずん子の机上の瓶に入ったスーパーボールを見つける。「これもしかして遙さんが置いてったものなんじゃないですか?」と。「遙の引っ越しの時に捨ててあったから貰った」というずん子。懐かしいから拾ったというずん子に「懐かしいってなんですかね」とSORA。ずん子の川西順子という名前を同僚も初めて聞く。SORAはそのスーパーボールをゆずってもらいたいという。「インタビューやらせてくれたら譲りますよ」とずん子。「やります」とSORA。

実家で頭を抱える遙に、猫作は突然キャンプに行くという。「一緒にペンションに泊まって何があったか聞かないのか」という遙に「いつかは聞くかもしんないけど今はいいよ。そもそも俺と付き合う前の話だろ。一番大打撃なのは芸能人の向こうのほうだろ。もしSORAのファンが怒ってお前に危害を加えに来たらオレが全力で守るからだからオレの側にいろ。オレはこんなことじゃびくともしない」猫作は強いけれどこうちゃんはそうじゃない。誰かが火を消さなきゃ。誰かがこうちゃんを守らなきゃ。

彼女は何も悪くない。今回の記事は全くのデタラメで困惑していると。自分と彼女がお付き合いしているなんてことはない。幼なじみっていうほどではない。子供の頃に近所に住んでいたお姉さんです。上級生の先輩だから友達でもなかった。山猫ワイナリーの社長さんも近所の上級生のお兄さん。学年が違ったから一緒に遊ぶってことはなかったと思うけどそもそも昔のことすぎてあんまり憶えてない。アイドルデビューしたときに2歳サバ読んだという。このインタビューをマネージャーと兄がNGにしたとしても、お二人が本当のこと知ってくれたらそれでいいと。自分は両親が不幸な亡くなり方をしてずっと貧しい暮らしをしていたのが、アイドルとしてそういう暗いイメージはじゃまだということで、事務所の方針で名前と歳を変えて過去のことバレないようにしたと。でもこうやって両親の事故のことが書かれてしまって、しかもそれがまるで山猫ワイナリーと関係があるような書き方があるような書かれ方だけど、あれは単なる交通事故で自分もその場にいたという。自分は今は俳優なのでどんな過去があったって仕事には関係ないと。貧乏で苦労した子供時代だって今となってはいい経験だったと思えるし、と。遙の婚約者のケガは知らなかったという。映画祭の時は顔も合わせてないしケガをしたってことも全く知らなかった。

STAR GOSSIPのビルの外にマスコミが集まってきた。アランもその様子をマスコミの群れの外側から眺めている。SORAがマネージャーが止めるのも聞かずにSTAR GOSSIPでインタビューを受けていると聞いてタクシーで駆けつけるお兄さん。そこにタクシーに乗った兄が到着したが、すぐにUターンさせて逃げようとするのをアランは止めて、「お久しぶりです」と。「SORA君の未来を左右する大事なお話があります」と。やっとアランと気が付いたお兄さん。

お兄さんを静かな公園に連れて行って『僕テレビに出ようかと思って。SORAのスキャンダルの二の矢ですよ僕が。第二段は『俳優になるために仲間を切って捨てたSORA』かな。ニュースバリューはありますよ。腐っても元アイドルなんでね。まだどこかに残ってるQUOのファンも僕の味方してくれると思いますし」アランが週刊誌にタレ込んだことを気が付くお兄さん。「止めたかったらお金下さいよ。あんたらは俺の人生を台無しにした。その慰謝料を払ってくれれば二の矢は使わずこれで終わりにしてあげますよ」

インタビューは終わってSORAをどうやってマスコミに捕まらずに返すかという段で、変装して囮になるのに「オレの元カレ呼ぼうか」とずん子。185cmほどあってやせてるという。現れたのは芸能人もびっくりのハンサムな男。SORAを見て「わぁ・・芸能人だ」という。突然鳥居マネージャーが「あなたいくつ?どこか事務所入ってる?」と興味をもつ。この元カレはマスクとサングラスで顔を隠して頭はフードで覆って、STAR GOSSIPの同僚と車に乗ってとりあえず2時間くらいドライブをする。

テントで猫作とキスをすると、こうちゃんとのキスを思い出して「私は最低の女だ」と思う遙。そこに現れたのがマルオ。「ずんこさんが遙ちゃんにど-しても今連絡取りたいって」猫作は遙に「無視しろ」というが何が緊急なのかと聞くとずん子からのメッセージを見せる。「SORAが来てる。」と。お前が出てってもまた火に油をそそぐだけだ。やめとけという猫作。「私にできることないのかな」という遙に「あるよ、嘘だって言いなよ」とマルオ。「SORAとは何もないし私は猫作と結婚しますってちゃんと言いなよ遙ちゃん。じゃないと猫作がかわいそうだよ」というが遙の沈黙を見て、「え嘘じゃないの?」

結局遙は、止める猫作を振り切ってマルオに電波の繋がるところまで連れて行ってもらってずん子に電話をする。SORAが来てインタビューして今帰るとこ。今ならマネージャーは外で車を呼んでていないけど話すか?とずん子。電話を代わったSORAは「もう大丈夫だから遙ちゃんは何も心配しないで」という。「僕は大丈夫。自分の言葉でちゃんと説明できたから。僕と遙ちゃんはただの幼なじみで子供の時のご近所さんで、あとは予定通り遙ちゃんと猫作くんが結婚すれば世間はもうこのニュースに興味なくなるよ」と。「結婚式はいつ?」と聞かれて「来月の1日」と答えたところでマネージャーに呼ばれるSORA。「遙ちゃん あの日のことはもう忘れて」と最後にSORA。「それから子供のときのこともさ、もう全部忘れよう。さよなら遙ちゃん。幸せになって。」遙のスーパーボールを捨てようとして、身代わりで変装したずん子の元カレが着ていったコートに入れっぱなしであることに気が付く。「あのコート、あの素敵な彼氏さんにあげますよ」自分と猫作が結婚することが自分にできる唯一の火消しと遙も理解する。それがSORAを助けることになるし、みんなを幸せにできる方法、と。火消しは時間経って進展しなければうやむやのまま消えると思うけどな。まあその場合疑惑は残るけれど。

兄はアランに150万渡す。100万は口止め料50万は俺からの謝罪の気持ちだと。「どこまで話持ってるんだ、うちの両親の事故まで掘り返して結びつけやがって」という兄に」もしかして知らないんすか?そもそもおたくらのご両親は山猫の前の社長を頼ってあの町に行ったんすよ。だから山猫の持ってる物件に住んでた。」SORAたちのお母さんは昔清澄で山猫の前の社長と幼なじみだったと。

SORAたちのお母さんまり子ちゃんは転校生で、ワイナリーの前社長山田君と仲良しだったけれどほんの1年間の付き合いで、まり子ちゃんはお父さんの仕事の都合で引っ越して行ってしまった。

そして山田君は社長になった。そこに「私のこと憶えてますか」と23年ぶりに現れたのが結婚して子供が2人いるまり子ちゃん。まり子の夫は都会で商売始めて失敗してたちはお金がなくて都会からこちらに来たという。夫に仕事を斡旋して欲しいという。

運送会社を紹介したが、2年弱で会社の給料だけでは東京で作った借金が返せないと、清澄に来てスナックで知り合った友達の口車に乗って、独立して新しく商売を始めるという。まり子の夫は町のスナックに入り浸ってると評判になってる。「なんでそんなのと結婚したの、君みたいな素敵な人が」。更にまり子の夫は、新しく立ち上げる自分の会社に山猫ワイナリーの配送の仕事をもらえないか、まり子から話せという。。「奥さんの同級生をあてにして商売やろうなんて甘すぎる」と怒る社長に「だったらまり子をこのワイナリーで雇ってくれたら良かったじゃないですか。」「もしかしてうちのとデキてるんですか?やましいことがあるからここで働かせるのはまういってことですか」「浮気してんのはあんたのほうだろう噂は流れてるぞ」と。

結局その立ち上げた会社は上手くいかなくて、おたくらの父親はまた借金増えて山猫の社長とも仲悪くなったんでしょうね。それで町を出て行くことになったんすよ。とアラン。借金して買ったトラックは売り払ったから引っ越しのトラックは山猫が貸したという。あとは直接本人(町長)に聞かないと分かんないっすよね、と。アランに「ありがとな」と兄。

どうせこのゴタゴタの中ムリやり結婚式挙げたって幸せになんてなれないわよ。長期戦で行くわ。今やこの国の離婚率は35%よ。と部下の前で口走る麗子。ここまで恐い女だといっそすがすがしい。

遙をショッピングにいこうといって散歩に誘った母は、こうちゃんのことを「あの人は芸能人なんだから私達とはもう住む世界が違うのよね。遙はずっとSORAさんのファンでいればいいじゃない。お母さんもこの町に出張に出てたエリートのハンサムにも告白されたけど子供の時から仲良しだったお父さんと結婚して今となっては本当に良かったと思ってる」と。

STAR GOSSIPのもと同僚達は結婚式に呼ばれていないけど、ずん子は「遙がちゃんと結婚したってのがあのニュースの火消しになるんなら、俺らとしては行って写真のひとつでも撮って記事にしてやるべきだろう」と。編集長も「おめでとうだけでも言いにいくか」「いいだろ勝手に行ったって。オレらパパラッチだぞ」

兄はSORAに山猫の社長とお母さんの話をして、「なんで父さんと母さんがあんな死にかたをしなきゃならなかったのか息子の俺達は知っておかなきゃいけないと思う」普通に会いたいっていっても断られるだけだから、奴が現れる場にすなわち息子の結婚式に直接無理やり会いに行くという。「たまには兄ちゃんの命令を聞いてくれ」と。行くけれど結婚式は見ずに帰るとSORA。「僕が行ったら騒ぎになってしまうから神聖な式の邪魔にならないようにしたい。それだけは約束して」「これはオレたち兄弟の問題だから鳥居にはだまっておけよ」と。結局この最終狂言回しのきっかけをつくったのは常にSORAをコントロールしてきたお兄さん。

式は12時からなので朝7時に出発するSTAR GOSSIPメンバーズ。ワイナリーだからお酒を飲みたいから運転要員としてずん子の元カレも乗っている。途中で追い越していくSORAと兄の車。

実は猫作の手のしびれは治っていないのだが、親と遙には完璧に治ったということにしてある。よっちゃんとマルオは知っているが。

麗子はマスコミが紛れ込まないように万全の手配をしながら「私ってほんとに偉い。プロだわ。初恋は実らないって言うけどここまで激しく玉砕する女っているのかしら。神様今日の結婚式は無事終わらせて、それからなるべく早くあの2人が離婚しますように」とインカムのイッチがはいったまま大きな声で独り言をいう。

結婚式場に入れないので外で様子を探るアラン。

車で来た町長を待ち伏せするお兄さんとSORA「僕達のこと憶えてますか」「来ると思ってたよ」と町長。「あの記事を読んだときに気がついた。君達が吉田さんとこの息子さんだと」「今日はこれから息子の結婚式なんだ。申し訳ないが今ここで立ち話をしている時間はないよ」という町長に「あれからオレらがどうやって生きてきたか分かるか。あんたんとこの苦労知らずのボンボン息子とは訳が違うんだよ。また週刊誌にあることないこと書かれて困るのはあんただぞ。今ここで本当のことを話してくれ。じゃねーと大事な息子の結婚式をぶっ壊すぞ!」とヒートアップする兄。2人を車に乗せて別室に案内する町長。

STAR GOSSIPメンバーも外で止められたが、ずん子はマルオを携帯で呼び出して入れて貰う。元カレとマルオが一瞬険悪な雰囲気になったが。

町長は「私が君達に謝らなければならないことがあるとすればそれはあの事故の日に私が貸したトラックのことだ」急だったのと、2人の父が自分の紹介した仕事を辞めて奥さんに苦労をかけてることに腹を立てていたこともあってワイン配送用の大きいトラックではなく、ぶどう畑で使ってた小さくて古い軽トラックを貸した。そのトラックで彼が一人で家財道具を運ぶんだろうと思った。二人しか乗れない軽トラだからまり子さんと子供たちは電車で東京に向かうと思っていた。小さな荷台に家財道具を積んでバランスが悪くなっていたのか雨が強かったせいなのかそれとも事故の多かったあの急カーブのせいなのか、とにかく色んなことが重なってあの事故が起きた。「なんで父にそんな意地悪したんですか?」と突然SORAが口を出す「私は子供の頃まり子さんのことが好きだったんだよ。こんな年寄りが何を言ってるんだと思うかもしれないが彼女は私の初恋の人だったんだよ」「君達が乗っていたほうの車は、君達のお父さんが一緒に会社を立ち上げようとしていた男が運転していた。」SORAが「大人になって結婚して子供が産まれても忘れられなかったんですか?母のこと」と突然言う。「そういうものだよ。子供の頃の初恋の人っていうのは」「母はどうだったんですか?」と、兄に止められても食い下がるSORA。「君はお母さんによく似てるよ。目元も表情も性格も似てる気がする。いつも本当の気持ちを隠して周りのために自分が我慢すればいいと」「私は後悔しているよ。彼女を救えなかったことを。それは今の幸せや家族とは全く別の所にある感情だ」町長は式が始まると呼ばれる。「君も出なくていいのかい?幸司くん」えっと聞き返すSORAにいやなんでもないと町長は出て行く。町長さんも、息子の結婚式を壊すきっかけをSORAの中に植え付けてしまった。

外に出たSORAは教会に入っていく遙を見る。(「歳を取ればいつか忘れるだろうと思っていた。今は無理でも10年後20年後ならきっと忘れられる」)いや18年経って忘れられなかった人が無理でしょう。(「でもどうやらそれは難しいらしい」「僕にはなんとなく分かる。きっと母さんも子供の頃彼のことを好きだったんだろう。だから彼を頼ってこの町に来たんだろう。母さんも忘れてなかったんだろう。」)と考えているSORAに「いっそのこと式見てくか?そのほうがスッキリ吹っ切れるだろ。どーせ失恋するなら中途半端は良くないしな」と兄。突然歩き出すSORA「大丈夫、中には入らないよ。チャペルを近くで見てみたいだけ」

マルオのおかげでSTAR GOSSIPメンバーズはずん子の元カレ以外は教会に参列できた。外でうろうろする元カレがコンビニでバイトしているときいて、麗子は「その顔でもったいないわね。うちで働きなさいよ。あなたをコンシェルジュデスクに座らせとくだけでお客が増えそうだわ」といって2階から見学させてくれる。

ずん子の元カレと2階から進行を見ていた麗子は、外にたたずむSORAに気が付く。誰かに見られたらまずいとSORAの手を引いて2階に入れる。SORAは今日は二人をお祝いにきただけです、二人の幼なじみとして、という。

外にいる兄に鳥居マネージャーから電話で、SORAの映画「白翼の蝙蝠」がカンヌ映画祭の外国語映画賞にノミネートされたと連絡がある。すぐ事務所に来て欲しいと。そのためにも今回のゴシップを全力で押さえ込まないと。SORAの行動を今まで以上に管理しないと、と。

誓いの言葉が始まる。ずん子の元カレはSORAの身代わりをした時にコートを着ている。「これポケットに入ってたんですけど」と、あのスーパーボールをSORAに渡す。

猫作が誓いを済ましたところで遙の番だ。神父の言葉にこたえようとしたまさにその時、スーパーボールが遙の足元に飛んでくる(130話)。見上げると2階のテラスにSORA(と麗子さんとずん子の元カレ)が。青ざめる麗子に「すいません僕下りますね」

131話-引っ越しの時にすてたはずのスーパーボールに嘘だと思う遙。捨てたよね。全部捨てた。彼との思いでも記憶も。と思ううちにSORAが教会の入口から入って来た。バージンロードをまっすぐ遙の元に歩いてきて、スーパーボールを拾い、「遙ちゃん、間に合ったよね?」

132話-「行こう遙ちゃん。」と猫作の隣にいる遙にスーパーボールを乗せた手をのばすSORA。遙の手がスーパーボールに伸びる。その瞬間右手にしびれが走る猫作。SORAが「猫作くんごめん」といって遙の手首を握り二人が走って去るのを猫作は見送る。上から見ていた麗子さんは「嘘でしょ?」教会の外にいた兄も「嘘でしょ?」そんな兄に「兄さん!!車出して!!」と。兄が遙に「これは相手を傷つけてみんなをがっかりさせて全部壊して捨てるってことだぞ」「ハイそうですよね。でももうあの日みたいになりたくないから。私も好きって言えば良かったって。今度こそ私こうちゃんを幸せにしたいって思っちゃったんです。私はずっと憶えてると思うんです。何年経っても忘れようと思っても忘れられるわけがない」「このまま結婚してもどのみちムリがあるっつーか結局君はこいつのこと忘れられないから、破綻するっってんだな!?」「ってことは今も100%まずいけど結婚してからこうなっちゃうとそれはさらに200%まずい!!!」「よし社長としてオレは今ちゃんとリスクヘッジした!!」いやいやSORAの生活を管理するというマネージャーとの話はどうなのよ。要するにお兄さんも、SORAは他の人の幸せのために自分を殺しているとわかっているのね。

教会からみんなが出てくる。スターゴシップメンバーズを見て、写真撮られる前に逃げろ。ここはオレが止めるから。と兄は車のキーを渡し「行け」と。お兄さん初めて面倒ごとから逃げなかったね。格好いい!

133話-逃げる二人を止めようとする皆に、ずん子は「もういいだろ。二人を自由にしてやってくれ」ずん子さん格好いいし、二人の状況をよく分かってる。「大騒ぎしてこれがまたニュースになったら損をするのはSORAをCMに起用してるあんたらだぞ」「私は遅かれ早かれこうなると思ってました。遙さんは今もSORAさんのことが好きなんですよ。それはもう仕方ないじゃないですか。だからむしろ今日こうなって良かったと思いますよ。結婚生活が始まる前で」と麗子さん。「猫作はどうなるんだよ、猫作のご両親は、遙ちゃんのご両親だって」と言いつのるよっちゃんに、ふっと笑った麗子は「あなた本当の恋をしたことがないのね。本気の恋をしたら周りのことなんて考えてられないわよ。親が泣こうが怒ろうが知ったこっちゃないわ」と。麗子さんの本気の恋は親は泣かせないけれど、なりふりかまわないこわ~い女になるのね。

祭壇に立ち尽くす猫作に、猫作のお父さんは「お前は悪くない。私が彼を焚きつけた。」理解していない猫作に、お前にも話さないといけないなといい、「遙さんを恨んではだめだ。」と。「恨んでないよ。オレだって分かってたよ。子供の頃から遙はオレのことずっと嫌ってた。でも遙は優しいから、俺のケガのせいで俺と一緒になるって決めて、俺のためにこっちに帰ってきてくれた。俺も変わろうって頑張ったけどやっぱり駄目だったわ。もし時間を巻き戻せたら子供の頃に戻って、そしたら俺あんなバカみたいな意地悪なんてせずに、遙にうんと優しくしてあげるのに」と涙をこぼす「そしたら俺を選んでくれたかな」。「私もそう思うことがあるよ。時間を巻き戻せたらと。でもそれは無理な話だ。後悔を抱えたまま人生は先に進む。その後悔を次に生かせばいい。今日辛い目にあったおかげで次に出会う人にはうんと優しくしてあげられるだろう?」「次に出会う人・・・遙みたいに気の強い女がいるかな」そこに麗子さんが入ってくる。テキパキと式の中止の決断をお父さんに迫り、ホテルでの食事は希望する人だけ参加していただいていいかと。どこまでも仕事のできる女、麗子さん。こういうところは尊敬するなあ。

駐車場までは結構遠い。「遙ちゃん僕おんぶしてあげるよ」とSORA。おんぶしてふらふらと歩くSORAに「何やってんの君たち」と突然アラン「そこはお姫様抱っこでお願いしますよ。結婚式から花嫁かっさらって来たんだろ?お前がそんなことするなんてびっくりだよ」SORAは撮影以外で運転したことなく、遙は免許を持ってないので、結局アランが運転する。「全部撮ってますからね。これが世に出たらもうSORAはほんとに終わり。例の新作の映画のキャンペーンもぶっ飛ぶくらいの。なのになんで笑ってるの二人とも。SORAお前兄貴に聞いてないのかよオレは敵なんだぞ」「やっと分かったよ。アラン君が黒幕だったってことか。」とのんきに笑うSORA。「アランに久しぶりに会えたのが嬉しくて。敵でもいいよアランとこうして話せるなら」と。「オレはお前のせいでこんなに落ちぶれ・・」「ごめんね。だから今日借りを返すよ。僕をいくらでも撮ってワイドショーに売っていいよアラン。それで僕も仕事がなくなったらさもう一回アランにダンスを習って一緒に踊ろうかな」

SORAの両親の事故現場で「僕達とんでもないことをしちゃったよね。猫作くんを傷つけてみんなを傷つけて。でも僕の気持ちは結局子供の時のままだったみたいだ。あのスーパーボールを渡されて、気がついたら遙ちゃんに向けて放り投げてた。でも2回目の今日、遙ちゃんは僕と一緒に来てくれた。父さん母さん僕今幸せだよ」「私もです」と遙。お互いを幸せにすると誓う様子を動画で撮るアラン。

アランはSORAに、お前のファンの恐ろしさ忘れたかと、SORAがウサギかぶって助けに来たことを思い出させる。あの時いた変な頭の子がアランかといってるけど、あの時声でアランだと分かったと兄さんにいってたのでは?

QUOから独立して俳優になったとき、SORAにはレッスンのために夜中まで働く兄さんしかいなくて、それにまたQUOに戻れると思ってたから、僕が俳優で上手くいって知名度が上がったらQUOももっと人気が出ると説得されて、でもそのあとすぐに事務所が資金難で潰れちゃったと聞いて、ずっとみんなに謝らなきゃって思ってたと、SORA。

遙は動画を「どこが一番高く買ってくれるかな-」というアランに、そのスキャンダル、STAR GOSSIPが買ったという。みんなも今日のこと見てたわけだし、なんとか猫作が恥をかかずに済むような形で記事にしてもらうには、STAR GOSSIPのみんなの力を借りるしかない。「そうだ他の媒体じゃダメだ。またネットやワイドショーで面白おかしく取りあげられてしまう。」と。アランは200万という。編集長は逃げた後の動画は欲しいけど、200万は出せないという。SORA自分が出すというが、アランはお前に売ったら事務所にもみ消されて終わりだろ。今までだって兄貴がお前に隠れてそういうことしてきてんだよ。お前は昔から大人しくて大人の言いなりで、ずっとあの兄貴のために自分を殺してきた。でも今日それを全部ひっくり返したんだろ?隠したってどうせバレるぜこんな世の中だ。そもそもオレの目的はオレを裏切ったお前を潰すことだったからな。この記事が出ればそれが叶うってわけだ。というアランに「もうそんなこと言うのやめなよアラン」「自分がめちゃくちゃなことをしたのはよく分かってるけどそれでも今僕は何も不安じゃない。こうやって今日奇跡を起こせたから。僕には今世界が輝いて見えるよ。」

そして遙はこうちゃんのマンションに居候することになった。スターゴシップが二人が幼なじみで子供の頃からの初恋どうしで二人を応援して欲しいと記事を書いてくれ、事務所も二人の交際を公に認めて、SNSは、二人の初恋物語に憧れを持つ人が多く、スターだって恋したっていいじゃんといった声で溢れている。200万は実は猫作がだしてくれた。猫作がSTAR GOSSIPに提供してくれた子供の頃の写真も、SNSで好意的に受け止めて貰うのに役だった。猫作は遙には言わないでくれという。これは子供の時にあいつをいじめてた罪滅ぼしなんで。猫作、いい男だし、自分の為でもあるんだけど、この優しさ、もっと小さい頃からみせてたら・・

SNSは#山猫の社長かわいそう #どんな男でもSORAには勝てへんで というハッシュタグでバズってワインの注文が特に男性から増えた。

真田さんもお祝いに山猫ワインを10本買って遙に会う約束をしたところだった。ふと町で踊っている男性に気が付く。ドレッドヘアを切ったアランだ。その動画を遙に送る。

アランに「私のこと憶えてますか?」という真田さんに、アランは「もちろん。ハイタッチ会にいつも来てくれてましたよね」と。アランはカムバックするという。

ずん子さんの元カレは鳥居マネージャーにスカウトされてモデルになった。

清澄では、月影リゾートの開発に伴った国道の整備で、町長の懸念だった、事故が多かったカーブに陸橋を通して安全に峠を越せるように話が進んでいる。「やっと私の人生の宿題が片付きそうだ」と。月影リゾートの社長も買収した住宅地を整備して自然公園をつくって町の人や都会から来た観光客が一緒に集えるようにするという。ワイナリー祭りをそこで開催するのに完璧に仕切れそうな子は一人思い当たるが・・・やはりあの子はうちに必要だな・・良かったよあそこの兄弟が結婚式をブチ壊してくれて、いや元は私のせいか、いやいや彼の意志だよ。

麗子さん自身も猫作やその悪友たちとけっこう仲良く楽しく過ごしている。

ということで絵に描いたようなハッピーエンド。このあと後日談的な外伝が続きます。

外伝1-3 ずん子さんとマルオはつきあい始める。SORAは遙と結婚して休業中、星が浦海岸の別荘で二人で過ごす。遙はアランのインタビューと再デビューに向けたプロジェクトの手伝いをオンラインでやっている。ずん子さんの元カレJUNは映画に出てブレイク。これから3年間は恋愛禁止という鳥居マネージャーに、今つきあっている人はいないけど、もと付き合っていた人が忘れられなくて、もう一度会って気持ちを伝えたいと。そうしたら気持ちの整理が付いて仕事に集中できるというJUNIに承諾する鳥居マネージャー。鳥居マネージャーSORAの時より柔軟性になった。あまり頭ごなしに禁止すると帰って反動がでると学習したとか。対決するJUNとマルオに「不安がってる相手を落ち着かせるために吐く甘い言葉に男はみんな依存していく。私は誰のことも好きにならない」ずん子さん格好いい。

外伝4 山猫ワイナリーは#山猫の社長かわいそう のハッシュタグのおかげでユーチューバーなどが出入りするようになり猫作は落ち込んでいる。でもおかげで売り上げは伸びているので注意できない。そこに麗子さんが「見学は自由ですけど事前に許可を取ってない撮影はお断りしてます!」とビシッと注意し、データを消す。今年は子供むけのお祭りではなく、ワインフェスティバルを行うという麗子さんの企画プレゼンテーション。猫作も新作ワインの試飲に麗子さんを誘い、まんざらでもないようす。

最近大塚博堂の名前をネットで聞いたので、「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」という曲を思い出した。ダスティン・ホフマンの「卒業」は1967年の映画だ。このタイトルの意味が通じる人がどのくらいいるのだろうか。私も見たことはないけど、ラストシーンはあまりにも有名なので知っている。恋した女性が他の男性と教会で結婚しようとしている場面に駆けつけたベンジャミン、彼への愛に気づいたエレーンはそれに答えて、二人は手に手を取って教会を飛び出す。

ちなみに大塚博堂の方は、このように好きな女性を奪うことができなくて、教会で結婚するのをただ見ていて、今ではもう彼女には2人も子供がいると歌っている。たぶんこの方が現実的。ちなみに「卒業」の原作には続編があって、ベンジャミンとエレーンには子供が2人いてなんとかその後も結婚生活をやっているようだ。

でもって、この漫画のラスト近く(131話)で、猫作との教会での結婚式で遙が誓いのことばをいおうとしたまさにその場面で、こうちゃんは遙を連れて逃げる。これは卒業のラストシーンを拝借かな。大塚博堂は「(花嫁を奪えなかった)僕のまわりだけ時の流れが遅すぎる」と歌ったけれど、そういう後悔を残さずによかった。ラストは脇役もそれぞれけっこうハッピーエンドに向かってる。

2022年12月9日金曜日

スキップ・ビート!43

(2019年1月18日)
(ACT.256 番狂わせ)
呉崎プロデューサーに「是非君に紅葉を演ってもらいたい」と、とうとういわせたキョーコ。
オーディションの最後の課題「高台門のシーンのいぶし銀の渋いオヤジしかいなくて10代の女の子がやれるような役柄皆無」というシーンでキョーコちゃんはどんな演技をしたのだろうか。見たかった。
しかし千鳥はモー子さんではなかった。モー子さんはキョーコの電話にもメールにもでない。社さんは「実力のある人の事は必ずどこかで誰かが見てくれてるもので、今回のオーディションだって直接的に結果は出せなかったとしても何か次のステップに繋がるきっかけになるかもしれない。そうやってキョーコちゃん自身がここまで来たんじゃなかったの?」
社さんすごい格好いい。

一方高園寺絵梨花も、『泥中の蓮』制作委員会の審査員の二橋氏から、結果を聞く。キョーコの行動は、お世話係の坂崎が追っている。

社さんのキョーコ評、不屈の茨姫、なかなか的を射ていると思う。当に茨ロードスペシャリストだけど、そこをスターへ駆け上がれ!

(ACT.257 番狂わせ-HUNGRY GHOST-)
事務所のパーティションの枠におでこをぶつける、心ここにあらずの敦賀さんが、二時間たっても事務所で暇をつぶしているのに声をかけたのは貴島。かつてキョーコとメールアドレスを交換していないことを貴島に揶揄されて、「折角携帯電話ってアイテム使ってるのに文字で用事を済ませるなんて。どうせなら声が聞きたいだろう?」とあからさまに狼払いな牽制された(32巻ACT.190黒の息吹)あの子の事かと、カマをかける。「あの子、ままならない問題だらけっしょ。まだ未成年だし若いくせに時代錯誤でガッチガチだし、恋愛ごとにはニブいしザルだし引きこもりだし」
「失恋したら一人淋しいマンションに帰りたくないないもんな」という貴島に「失恋なんかしてないよっ」「俺はまた『ままならない』と思ってたあの子を横からかっさらわれたのかと。予兆もなく『えっ、いつそんな事に!?』みたいな形で。それも敦賀君みたいなとっつぁん予備軍じゃなくてあの子と同年代のピッチピチハイティーンに」
貴島さん鋭すぎる!!でも貴島さんって、敦賀さんのように複雑な人とも距離感をとるのが上手いし、同世代のいい友達になれるのでは。蓮に牽制されて以来キョーコちゃんに手を出すのをやめたし、なかなかいい人。蓮も貴島さんと話すときはけっこう本音が思わず出そうになってるし。
しかし21歳でとっちゃん予備軍といわれるとは。社さんも19歳の蓮のことを『老成しきった』と表現してたけど。
無言の蓮を肯定と取った貴島は、「その若造クソミソに貶しながら旨い酒でも呑み明かそうぜ」と。

化粧室からの帰りにキョーコは、薬を嗅がされて身体に力が入らないまま、女性二人にどこかに連れて行かれる。かすかに聞こえた声に森住仁子と悟ったキョーコ。目の前は手摺りで、そこから仁子のマネージャーと二人がかりで落とされようとしていた。

キョーコちゃん遅いなと思っていた(4月26日20時58分)社さん、何かを感じてはっと立ち上がる。社さんいいカンをしているけど、何を感じたのかな?

(ACT.258 番狂わせ-HUNGRY GHOST-)
化粧室から戻ってこないキョーコに、社さんは電話をかけるがでない。捜しに行くと化粧室からの帰り道には、『紅葉』のオーディションで使っていたはちまきが落ちているのを見つけた。

目隠しして連れて行かれながら、キョーコは絵梨花のお世話係が言っていた、森住は「実力で獲れなければ物理的に相手を潰してでも自分の欲しいものを奪い取る」という言葉を思い出す。でもそれってかつての高園寺絵梨花そのもの。

突然向かいのマンションのあちこちからカメラのフラッシュが焚かれる。森住とマネージャーの二人がひるんだところへ、かけつけた社さん。すぐにキョーコは手摺りから降ろされて目隠しを外されるが、「京子さんが気分が悪いって蹲ってたから外の空気にあたらせてあげようと思って」とにっこりする仁子。「俺にはそこから投げ落とそうとしてる様に見えたけど。」突然森住はぶりっこして「社さん本当はあたしの事嫌いだからそんな事」「もしかして昔仁と敦賀君の事でドラマの現場の空気超絶悪くなった件で?そんな恋愛沙汰でのゴタゴタ仁一人のせいじゃないじゃない」「個人的な感情にまかせてあまりひどい事を言うと名誉毀損で訴えますよ」と仁子のマネージャーも。薬の効いているキョーコはまだ反応できない。「仮にこの人の主張があたし達の言う事と違っていてもそれをどうやって証明するっていうの?」

「証拠?それなら提供できるけど?」と現れたのは車椅子の絵梨花とお世話係。「つけさせてもらったの。あなたの事だからまたやるだろうな・・・と思って。現行犯で証拠を押さえられた。」「今のこのご時世に写真に何の証拠能力があるっていうの?加工し放題じゃない。」という仁子とマネージャーに「これだけ用意周到に包囲を固めさせてる私が写真を撮るだけで終わらせてるとでも思ってるの?経過は録画されているし、今すぐ動画投稿サイトにアップできる様にさせてある。拡散要員もパソコンの前で私のGOの合図待ち。数十秒で世界中へ流してくれる。誰もが思わずクリックしたくなる様な絶妙なアオリ付きで。もしかしたらあなたの大好きな例の彼の目にも留まるかも。セドリックDベネット 日本女性は純真で情に厚いと思い込んでる彼が今のあなたを見たら・・・」

まあ絵梨花を敵にまわしたのは森住の一番の失敗。しかし絵梨花も自分を突き飛ばして紅葉を演じられなくしたのは森住だと気が付いているだろうに、なぜすぐ反撃しなかったのかな。

隠れ家飲み会を貴島としていた蓮の席に飛び入り参加の楠香凪さん。蓮が会計に行くと「自分の分は払って来るわ。慣れてなくて年下に奢られるの」と蓮を追いかける。あんまり八方美人振りまいてると勘違いさせる相手とか出てくんじゃねーのと心配する貴島。そのころ蓮は香凪さんに、会計の前でホワイトデーのお返しと言う事でキスされていた。

蓮はこういうのを躱すのが上手いはずだけど、キョーコのことで心がここになかったのと、後ほどでてくるけど、香凪さんは男性が恋愛対象でなのを知っていたので(45巻ACT.274)、そんな行為に及ぶとは想像もして無くて油断したんだろうなあ。

しかし蓮様、キョーコちゃんは今殺されかけてるんだよ。そんなところで香凪さんに捕まってないで、キョーコちゃんのオーディションに駆けつければよかったのに。レイノの時といい、キョーコちゃんは蓮の御守りなのに、蓮はキョーコちゃんの危機に助けられてない。

(ACT.259 番狂わせ-GHOST CARD-)
そして奢るという蓮に「いいのよ悪いから」とさかんに謝る香凪さん。

よく見ると敦賀さんはびっくりしたような顔をしてるんだけどな。まあ煽るような見出しや記事のインパクトが大きいのか。あと蓮はもともとキスなんて慣れてるとはいい、このあと平然と香凪さんと会話してるんだね。あのキスに恋愛感情なんて無いってせめてキョーコちゃんに教えてあげたい。やっぱり敦賀さん、誰にでもいい顔しすぎ。

いっぽう森住君子は高園寺絵梨花に芸能活動を引退すると言質を取られる。

キョーコには「サスペンス張りに見栄え良く落下してくれれば良かったのに。落ちてくれた方が映像的により脅かし甲斐のあるものになったから」と高園寺絵梨花。(味方じゃないのか)と思う社さんだが、「そうならない様に高園寺さんが手を回してくれたんでしょう。森住さんの犯行現場を押さえるにしても何より有力な動画を撮ってるなら写真なんていらないし、それにもしかしてフラッシュ無しでも撮れるんじゃないですか。昨今のメディア向けのカメラって。証拠写真をこっそり確実に撮りたいなら気づいて下さいと言わんばかりのフラッシュは邪魔にしかなりませんよね。なのにわざわざそれを使わせたのは、社さんが来てくれるまで少しでもあの二人を足止めするためだったんじゃないんですか。」「あの女の思い通りにさせたくなかっただけ」「私がお芝居できない程の大ケガしたら自動的に『紅葉』は森住さんが演る事になったはずですからね。」「それだけじゃない。あの女が『紅葉』を手に入れる工程には『呉崎プロデューサーに頭を下げさせる』という目的が含まれていたはず。オーディションを辞退したのもそのため。」

二橋さんが部下から聞いたというお世話係北条の報告によれば、「森住仁子はオーディション中、呉崎プロデューサーから著しくプライドを傷つけられたという。その上に正式に落選を言い渡される事に耐えられなくて、勝機が無いと悟ったあの女は自らオーディションから身を引いた。ラブミー部員が芝居も出来ぬ程の大怪我をしたら、ただでさえトラブル続きの『泥中の蓮』、もう時間が費やせないとしたら森住仁子を起用するしか無くなるのだ。呉崎プロデューサーに頭を下げさせ自尊心を満たした上、さも『皆に頼まれたから仕方なく』という体で悠々と紅葉の座に着くまでがあの女の計画なのだ。あの女は辞退する際オーディション中ラブミー部員の演技を盗み見ていた事を告白して、呉崎氏には中途落選させたという心理を植えつける、実にあの女らしい狡猾で卑劣なワナを仕掛けてあったのだ!!」。

(蓮の前では猫かぶってただけで俺が知ってる以上にやっかいな娘だって事か。)と心の中で思う社さん。

しかしなんという女だろう。もともと社さんが、演技は「特に下手だと思った事はなかった」いっていたし(40巻ACT.240)、コネを行きすぎないくらいに使えば、芸能界でまっとうに成功するだろうに、なんでこんなにねじれたかなあ。いやこれは高園寺絵梨花についてもいえるのだけど。あと同じ40巻ACT.240であんまり激しい露出がないのは何故といっていたのも気になる。もちろん、トップ俳優にならなくても、コネで役には困らないとか、去年中過ぎからアメリカに拠点を移したといっていたから?

いや、あまりにも同性を敵にまわしすぎて、同じ様な性格のマネージャー以外友達がいないのかな。だからお金持ちのはずなのに、ヤバいことに自分で手をくださなければならないと。

帰ろうとする高園寺絵梨花に「ありがとうございました。色々と」とキョーコ。「もしあなたが怪我の一つもしなかった事への例のつもりなら劇中で私の納得する『紅葉』を演りとげてからにして。実際にあなたが転落した方がより脅し甲斐のある映像になったはずだから。あの女が完全に犯行を終えるまで私本当なら止めるつもりは無かったの。絶対私の方が魅力的な『紅葉』を演じる自信があった。オーディションであなたの『紅葉』を見るまでは。」(躍動、技術、生命力 そのどれもがラブミー部員であることを忘れてしまう程本物で、不覚にも見てみたいと思ってしまった。スクリーンの中で鮮やかに)と心の中でつぶやく絵梨花。「せいぜい粗野で泥くさい紅葉を演じて、私に素晴らしかったと言わせてみるのね」という悪口に、まけずに皮肉を交えて返すキョーコ。激高する絵梨花。絵梨花が元気になりつつあることに喜ぶ北条。

高園寺絵梨花もキョーコの演技で感服させたのね。絵梨花は素直じゃ無いからそういわないけど。キョーコらしい展開。絵梨花が精神的な原因で歩けないことはまだ治ってないから、今後まだでてきそう。高園寺さんラブミー部によさそうだけどな。

しかし天宮さんに階段から突き落とされたのも犯罪だから、もっと罰してもいいと思ったのに、あっさり友達になっちゃったのはちょっとなんだかなあと思ったけど、森住仁子とそのマネージャーも絵梨花の脅しに従って芸能界を引退させただけでおとがめなしなの?今回は証拠があるのだから、致死罪だと思うけど。おまけに薬物使用しているし・・あ、これも体から抜けたら証明できないか。その証拠を出すかどうかが高園寺絵梨花次第だから、キョーコとしては口をだせないかもしれないけど、逮捕させて、世の中から抹殺させたい。

とにかくこのような森住仁子とそのマネージャーを野に放つのは怖すぎる。森住仁子は芸能活動を引退しても、セドリックを諦めることはないだろうし、先の展開だけど、セドリックと蓮がアメリカで共演して、キョーコもアメリカについていくならまたまた対決することになりそう。

しかし森住のこの手際の良さ、絵梨花様がはじめてじゃないよね。被害を集めれば、証拠もでてくるのでは?何より怖いのが、大人であるマネージャーが積極的に手を貸しているところ。一族はどのくらい仁子の本質を知ってるのかなあ、森住譲二監督は仁子がここまでの悪だとは思ってないようだけど(44巻ACT.264)。高園寺一族と森住一族とどちらが強いのだろう。高園寺さんこの証拠をローリィ社長に提出して、こういうことが起こらないようにキョーコをしっかりガードさせて欲しいのだけどな。

しかしこの後もキョーコは蓮が森住を好きで指輪を贈ったと思っているのだよね。

(ACT.260 番狂わせ-GHOST CARD-)
奏江はキョーコの着信が3回あったのに気が付き、社さんの車で帰宅中のキョーコの連絡する。

呉崎プロデューサーがもう一つ携わっている作品で奏江の見た目がドストライクで、千鳥の演技もだが、演技の伸びしろの可能性にかけてみたいと頼まれたという。(役をもらうには呉崎プロデューサーの更に上を攻略しないといけないらしいが)。(まだ未定の話で、正直自分にこなせる自信がなくて断りたかったけど)とは思ったがキョーコには話をしようと思った。

社さんからキョーコが紅葉をゲットした、明日の打ち合わせをしたいので1時間後に電話しますとのメールに、「うまく操られてる様で癪に障らないでもないんだけど」と思いつつキョーコに電話する蓮。

社さん、蓮とキョーコの気持ちを気遣う最高のマネージャー

(ACT.261 番狂わせ-2日前-)
翌日社さんは蓮も一緒に送迎することを知って、昨日のオーディションでのことや、上の空で琴南さんに責められたこととか、森住仁子に殺されかけたこととか思い出すと不快さで凶悪な顔になってしまうのに、森住さんは敦賀さんの思い人。普通の顔をして会える自信が無いと動揺する。円周率を唱えて心を落ち着けて、迎えを待つ。

自分が下りてキョーコを奥に座らそうとする蓮を押しとどめて「たかが職場の後輩相手に無駄な気遣いはやめて下さい。」とキョーコは蓮や社が脱力するようなことをいう。
キョーコちゃん蓮を車に押し戻しているけど、こういうときの距離感は大丈夫なんだね。蓮に会う前は円周率唱えて平常心を取り戻そうとしていたのに。

見送る大将はなぜか怖い顔。

社さんが運転免許を撮って初めての送迎で、後部座席にいる敦賀さんも初めて見る。普通の顔をして蓮と喋れることにホッとするキョーコだが、心のどこかでは森住さんが本当はどんな女なのか知って欲しいと思っている。あんな女が敦賀さんに想われているなんて。だけどあの女の本当の姿を知って敦賀さんがどう思うか考えるとできない。自分がずっと想って来た女性があんな酷い女性なんて。

キョーコには『お前の身など夜盗に暴かれようが殺されようがわたしの知った事ではないし胸も痛まない。どんなにこの女が疎ましくて消えてしまえばいいと願っていてもあの御方が傷付く事はわたしの本意では無いのだ』という紅葉の心がリンクする。

物思いにふけるキョーコを何か言いたげに見る蓮。

社さんは昨日のことを蓮に言わないのだろうか。まあマネージメントしているとは言え、別の俳優のことだけど。少なくとも社長には報告したよね。

ところで後部座席のキョーコと蓮がシートベルトをしてないように見えるけど、2008年の道路交通法改正で義務付けられたはず、スキビ時間で2008年は過ぎてるよね。

キョーコがつくってきたお弁当を3人で撮影所近くの公園で食べることになる。

(ACT.262 番狂わせ-2日前-)
蓮から刺し絡む様な視線を感じるキョーコ。しかしキョーコが目をやると無駄にキラびやかな敦賀さんがそこにいる。何やら探られているような気になるキョーコ。
うんキョーコ鋭い。しかし敦賀さん、尚とキョーコのキスが気になるくらいなら、告ったら?ほんとに面倒くさい男だ。

大将が作ってくれた玉子焼きがおいしくて食べながら喋ろうとする社さんを翻訳する蓮。
蓮とキョーコが両方絡むと、乙女社さんが発動するの可愛い。
大将から嫌われていることを自覚している蓮は、覚悟を持って大将が下味をした鮭を口にするが、おいしかった。

「そこの水道でお弁当箱洗うまでが私めの仕事です」というキョーコに、その一言で真心弁当が一気に事務的弁当にと思う蓮。
キョーコのこの口癖で気分が下がるのは代マネのころからなので、蓮も心の中で思ってるだけでなく言えばいいのに。事務だけでないことはそろそろわかっているでしょう。甘え方を知らないキョーコにショックを与えて、甘々にしてほしい。

キョーコが洗い物に行っている間に、社さんに貴島さんと飲みに行ったときに香凪さんにキスされたことを話す蓮。「どうしたの香凪さん。しこたま酔ってたの?それとも人生に疲れちゃったの???いやだってお前・・っ」
社さんも香凪さんが男に興味が無いことを知ってるからね。ってずっと先の話(45巻ACT.274で坊と話している時の蓮の回想では社さんと蓮が、香凪さんが女性と痴話げんか中の所に通りかかる)だけど。
「悪戯心なんですかね。」という蓮に「もしくはお前相手に一番考え難い事だけど」そこにキョーコが戻ってきたので社さんは口をつぐむ。

洗い場で一緒になった女の子からたんぽぽの花の指輪をもらったとはしゃいで社さんと蓮に報告した途端に、昨日の森住が蓮から高級ブランドのピンキーリングの指輪をもらったといっていたことを連想してテンション劇落ちするキョーコ。

社さんが車を回している間に、取れかかったキョーコの花のリングを作り直してくれる蓮。「父が母によくつくってあげてたんだよ。それを真似して俺も子供の頃ヘタなりに作って母にプレゼントしてたから。これでも作り方としては簡単な方。父のはすごいんだよ。プロのフラワーアレンジメントかってくらい」とメルヘンなキョーコの顔を見て。「最上さん今、緒方監督みたいな(可憐、儚げ)風貌でウチの父を想像してるだろ?夢を壊して申し訳ないけどウチの父はガチムチの細マッチョだし例えて言うならMr.ヒーローだよ。」というのに想像できないキョーコ。

いやクーはガチムチ細マッチョかもしれないけど、一番印象に残ったのは、胃袋ブラックホール。

花のリングを見て野原で父と母と野遊びしたことを思い出した蓮は(この回想している蓮の表情が好き。いつかキョーコと思い出の野原に行って、お花のリングをつくってあげて)キョーコの右手の小指につくったリングをはめる。

(ACT.263 番狂わせ-2日前-)
森住仁子のことが頭にあるキョーコの口からでてきたのは「敦賀さん 最低ですね」
びっくりした蓮は「右手のピンキーリングは潜在能力を引き出し表現力を高めるっていうから、気休めにしかならないかもしれないけど、お守りになればいいなと思って。未来へ繋がる君の今日の仕事がどうかうまくいく様に」

いやあ森住仁子の匂わせを本気にしているキョーコちゃんの気持ちはよく分かるけど、これでは蓮はなんでだか全くわからないから通じないよ。森住のことがあるから比べてしまうのは無理も無いけど、蓮の指輪は、蓮の父が母に贈ったような、この世に二つとない花の指輪なんだよ。

本当に『紅葉』は苛め役二連続のキョーコの、役者としての大きな飛躍になるし、たぶん未来につながるはず。

キョーコが撮影所で車から降りたときに「正々堂々勝ち取った役なんだ。いつもの君らしくしてれば大丈夫。気負う必要無いよ」との蓮の言葉にも、無表情で固い態度のキョーコ。不思議に思った社さんに、何がダメだったのか評価してもらえないですかと蓮は事情を話すが、社さんもびっくり。「何故その反応が返って来たのか今の俺にはわからない」と。(キョーコちゃんの中で蓮が『恋愛対象』に格上げされてたら、普通ならソレときめいちゃったりするシーンじゃないの。奇蹟の展開は生まれていなかったのか)

まあ森住仁子が何を吹き込んだかきいてなければわからないよね。でも森住の意図がキョーコを動揺させるためだったことを、今ならキョーコはわかるのでは?だから森住の言った事を100%本当だと受け止めないで欲しい。
それに特別な人で無くても蓮は誰にでもする(指輪をはめるとか)と思っているのなら森住も特別じゃ無いわけでは・・・まあ指輪が高価すぎて本命と思われるのも無理ないか。しかしキョーコも一人で妄想してぐるぐるしてないで蓮に思ったことをぶつけないと。いや告るとかじゃ無くて、「森住さんにもそういったんでしょ」といえば、蓮が説明して誤解が解けたのに。

キョーコは泥中の蓮のメンバーがちょうどお昼から帰ってきたところに出会って、古賀さんに皆に紹介される。タレントであることに陰口が聞こえてきて気後れするが、敦賀さんの「正々堂々勝ち取った役なんだ。いつもの君らしくしてれば大丈夫。気負う必要無いよ」という言葉と指のタンポポリングを思い出して、明るく自己紹介するキョーコ。
なんだかんだで蓮の言葉はキョーコの心にしっかり残っていて支えとなっている。

ピンキーリングの件を話した時、一瞬傷ついた顔をしたのは何故だろう。ただでさえあの写真(尚とのキス)の真相を訊くタイミングを計りかねているのに、と蓮は思い悩む。

そのころ尚はだるまやに向かっていた。

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人で

2022年11月27日日曜日

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(2018.5.18発行)

 (ACT.249 フライング ショック)
冴菜さんの「私に子供は居ません」発言で蓮がキョーコを心配して駆けつける少し前に、尚が来ていて、キョーコとキスをしていた写真を社長に見せられて動揺する蓮。蓮とキョーコが会っている間はルトに周りを注意させていたから蓮との写真は撮られていないという。アカトキとLEMで写真は差し止めたが、たちの悪い雑誌なら有無を言わさずばらまかれるところだったと社長。「もともと不破君をマークしていたカメラマンだったみたいだから最上君の後は尾行なかったのかもしれんが、こんな写真を撮られた後じゃ今後マークつくかもしれねェな。最上君のマネージャーに社続投を考えている。社がお前に付けない時はルトを行かせる。社よりお前の事情に精通している分いざという時心強いだろう。」と「『いざという時』という心配事に『クオン』の関係が含まれているのなら杞憂ですよ。俺はもう大丈夫ですから。それに社長の腹心をマネージャーになんかしてもらったらLMEを挙げて壮大なプロジェクトが動いているんじゃないかとか目をつけられてうっかり別のプロジェクトに辿り着かれると困るんですけど」というのはRouteプロジェクトが正式にでたのは45巻ACT.273だと思うけど、既にそういう話は内々にあったのかな。

いずれにせよアメリカ行きが実現したら、蓮はまだまだ大丈夫じゃないと思う。ここで社長はお守りキョーコちゃんの大切さを思い出させようとしてると思うのに。

母ジュリエナの口癖を真似ながら社長に冗談を言う蓮。

オーディションでキョーコの殺陣を見た絵梨花はショックを受けたようだ。一方森住仁子の殺陣のテストは終わっただ。仁子は呉崎プロデューサーの要求する通り、正確に殺陣を再現したのに、キョーコの殺陣と「純粋にどっちが好きか」と聞いたらキョーコだと言われて、呉崎プロデューサーに怒っている。ただし呉崎プロデューサーは「私が役者に求めるのは『総合的』な能力だ。今現在殺陣で彼女に負けているのが悔しいのなら次で巻き返したまえ。」と。

森住仁子は『千鳥』のオーディションを一次で落ちていて、『千鳥』はまだ決まってないのに、そちらは執着してないのね。森住の目的である、セドリックの気をひく日本的な美人になるためには可憐な『千鳥』の方がよさそうだけど。後ほど琴南さんは、セドリックが熱を上げていたカレンという日系の女優になんとなく似ている(47巻ACT.291)という社さんの発言もあるし。

休憩中に古賀さんに話しかけられて、社さんは元々敦賀さんのマネージャーであることを話し、社さんから蓮が帰国したことを聞いたことも思い出して顔が崩壊するキョーコ。そんなキョーコを見て「好きなんだ。敦賀君のこと。」といっているのを通りかかった森住仁子とマネージャーに聞かれる。

 (ACT.250 フライング ショック)
社さんは電話でキョーコから離れる。プロジェクト(当然ROUTEプロジェクトですよね)が思いの外大きな話になって本人と相談してみますといっている。最初は日米合同プロジェクトでなかったのかな。それとも日本からたくさんの役者が参加するとは思わなかったとか。

「好きだなんてそんな生ぬるい!!私は彼の役者としての心と技を崇拝する者!!芝居に触れたことのなかった私にとって彼の在り方そのものが救いの教典」と力説するキョーコに「好きなんでしょ?敦賀君ほどのスペックの男性を好きにならない人間居る訳ないんだから」と古賀さんは更に「俺敦賀君の事大嫌いだし」「『泥中の蓮』この話元々敦賀君にオファー行ってたらしいんだよね。俺の行く先にいつも必ず敦賀君。”抱かれたい男ランキングな”なんて余興的なものですらも」

(ということで第一巻ACT.1の抱かれたい男第二位の古賀弘宗さんの伏線回収、ちなみに尚は七位、まあ20代女子の抱かれたい男だから10代の尚はそれほど順位が高くなくてもしょうがないのでは)

「何度思ったことだろう。”敦賀君さえ居なければ”俺の天下だったのに”」ってのは尚と同じ様に架空の敵としてライバル視?それとも具体的に何かあった?

「誰よりも秀でた要旨と才能の持ち主なのだから、こんな所で小さくまとまらず、もっと大きくて広い世界へ羽ばたいていけばいいのに(キョーコの意訳:テメェは日本人規格外だろ。さっさとこの国から消えちまえ!!)はからずも古賀さん、敦賀さんの本質をいいあてている。ただし敦賀さんが世界に羽ばたくときに、自分も共演して世界へ羽ばたくとはこの時はまだ知らなかったのだろうな。

「残念だなぁ~君のことは面白い子だと思って好きだったのに。君がただただ素敵イケメンとキャッキャッ騒いでるその辺のライトな敦賀ファンなら良かったなぁ~」そこにやってきた森住仁子。

社さんが電話から戻ってみると、キョーコと古賀さんと森住仁子が一緒にいて、キョーコが動揺している。古賀さんに寄れば他の紅葉受験者は皆棄権したという。森住仁子は「最後まで正々堂々と闘いましょう!!崇高な彼を慕う者として恥じる事が無いように」といって別れるところだった。こういう事態にならないように、キョーコのマネージャーとしてオーディションについてきたのにと後悔する社さん。

そういえばキョーコのマネージャーを申し出る前に、森住仁子のブログを見て気にしているキョーコ(40巻ACT.240)に何か思うところがあるみたいだったしね。

社さんは何の話をしていたのか聞き出そうとするが、キョーコは、森住さんも敦賀さんを、役者としても人間としても尊敬してるという話ですというだけだ。

キョーコは社さんがどんなに優秀で敦賀さんから信頼されていたとしても、坊のキョーコに話した、高校生が好きだという敦賀さん自身否定し続けて来た感情を話しているとは思えない。密かに察しているだけだと思う。

森住仁子は、気持ちが弱くなってたときに、蓮さんが「じゃあお守りに」って右手小指にピンキーリングをそっとはめてくれたという。ピンキーリングには『自分の能力を引き出す』とか『表現力をアップさせる』という意味があって、蓮さんはそっちのつもりだと森住はいうが、古賀さん曰くこのリングはブランドもので妹の誕生日に「買ってくれ」ってごねられたやつと全く同じで、意味合い的にも金額的にもただの職場の先輩後輩の間でやりとりするものじゃないと。これをもらったのは一昨年、まだ自分が15歳だったときだと森住はいう。バレンタインのお返しも兼ねてるから良いんだって、あたしヴィンテージもののちょっと高いお酒あげちゃってたので(って蓮さん一昨年にはまだ19歳)。お返しをもらえていないのは私だけじゃないといい聞かせてきたキョーコだった。敦賀さんに想う人が居る事は元々わかってた事で、それが彼女である可能性が限りなく高いだけ。そうならバレンタインのお返しが彼女にあって私には無かった理由を嫌でも納得してしまう、とホワイトデーでローリィ社長のところで蓮に会ったことを思い出す。

はっと物思いから醒めると、オーディションは再開していて、千鳥候補者や森住が見守る中、呉崎プロデューサーがキョーコに「わたしの話を聞いてましたか?」と念を押していた。

あわてるのはわかるけど、キョーコここは明らかに聞いてなかったし、呉崎プロデューサーも気が付いているのだから、あからさまな嘘をつかずに謝った方が、印象がよかったのに。まあ結果的に、この後のキョーコや奏江の察しの良さに呉崎プロデューサーの印象が爆上がりするのだけど。

というかキョーコ、森住仁子に思うように操られている。キョーコの役に入り込む才能と裏表なんだろうけど、今はオーディションに集中しないと。

(ACT.251 フライング ショック)
明らかにおかしいキョーコに、森住が蓮のことでキョーコちゃんに妙な事を吹き込んだのでは、と傍を離れたことを公開する社さん。

Purple DownⅡで森住が蓮と共演していた頃を知っている社さんは、森住が他人が羨むことをあえてアピールしてマウントを取りその優越感で自己顕示欲を満たして喜ぶ節があって、ソレに蓮を利用して主に女性キャスト女性スタッフ陣の現場の空気が悪くなったことを知っている。言葉選びも巧みに他人が聞いたら誤解を招く様な発言をナチュラルにして、あの頃まるで蓮とあの娘がつき合ってるかの様な紛らわしい言動に悩まされた。当時は老成しきった蓮と(って蓮は19歳だよね。19歳で老成しきったと言われるとは・・久遠に戻る日が来たら、10代後半の年相応の青春自体をアメリカでキョーコちゃんと満喫して欲しい)15のあの娘じゃ現実味なくて、本気にする人間が居なかったから変な噂になる事もなかったけど、今アレやられたら未成年に手を出す敦賀蓮・・・クリーンなイメージ台無しで怖いよな。あの子の口から出る事は事実無根じゃないのが困るんだよな。ただその発言の仕方に問題があるだけで。と悶々とする社さん。

キョーコちゃんは何を聞かされたんだろう。これまでのパターンだと「蓮とのただならぬ関係」をほのめかすのが手口だけど、キョーコちゃんは蓮の事を全く恋愛対象として見てないのにあんな心ここにあらずみたいになる訳が・・・「知らないうちに恋愛対象に格上げされてたって事は・・・?」と心のヤッスィーの声。社さんやっと気が付いたの?

じゃんけんにより最初は琴南さんとキョーコが演じることになった。キョーコが何をやるのか全くわかってないのを察した琴南さんの千鳥は、仕込み刀の杖をすっと左側において座る。呉崎プロデューサーと森住譲二監督は何か感じたようだ。

演技会場を上から見守る森住とマネージャー、森住は「不戦勝。お堅い呉崎さんだからこそ、消去法であたりを選ばざるを得なくなるとは思うけどね」と自信満々だったが、キョーコが、刀を一つ迷わず抜いて指定されたシーンをしているのを見て驚く森住。

終了後

呉崎プロデューサーは琴南さんの演技を「前のオーディションの時からあなたの演技力は評価していましたが、新しい面がいくつか見られて一層それが深くなりました。素晴らしい千鳥だったと思います。」とべた褒め。

一方京子には「今回は相棒に助けられましたね。うまく切り抜けられたなどと思わないで下さいよ。わたしはみえすいた嘘をつく人間も芝居に対して集中力を欠く人間も大嫌いです。同じ空気を吸って同じ芝居を作り上げていきたいなど奇蹟でも起きない限り思わない」という。キョーコは、弁明の余地も無く、もう二度とチャンスなんて与えてはもらえないと落ち込む。

が、そんなキョーコに呉崎プロデューサーは「次が最後ですよ」という。「嘘つきと集中力のない人間は嫌いだが、相棒の”サイン”一つで総てを理解した君の頭の良さは嫌いじゃない。このわたしの口から言わせてみるといい。『是非君に紅葉を演って欲しい』と」なんだ呉崎プロデューサー、キョーコのこと気に入ってるんじゃん!

 (ACT.252 フライング ショック)
そんな呉崎プロデューサーに森住譲二監督は「面白がって小突き回すのも程々にしてやれよ。相手はまだ十代なんだから」古賀さんも「呉崎さんに気に入られるのは純粋に嬉しいけど、そこまでいくの俺は嫌だな。この先ずっといたぶられるんだろうなぁあの子可哀想に」二人ともよく分かってる。

呉崎プロデューサーにさっきのオーディションの仕組みが分かったか問われた古賀さんは「対面する相手に『貴方に敵意はありません』とアピールするため武士は座する時必ず抜刀する右手側に刀を置くんです。いざという時利き手側に刀があると抜きにくいから。それを千鳥がわざわざ左手に持ち換えた。それはつまりいつでも戦闘態勢に入れなければならない様な危険な状態に身をおかれているという事で、さっき二人が演った通称『烏兎の夜霧』のシーンだけ。実際にオリジナルシーンで、千鳥が仕込み杖を左手に持つことも左側に置いて座する事も無いのですが、どのシーンを課題で演るのか相棒に伝えるために琴南千鳥が機転を利かせたんでしょう。」と解説。「それを京子紅葉が正確にキャッチした」と。

このときの森住仁子の様子を見て何やら企んでいるのを感じた様子のマネージャー。今までもこういうことに協力してきたんだろうな。こういう人間は芸能界から追放して欲しい。

モー子さんからゲンコツを喰らって「何に気を取られていたの?言わないと絶交するわよ」と本気。、キョーコは「男の人の居る所じゃ恥ずかしい」と、蓮の事じゃとドキドキする社さんの前からモー子さんを連れていく。

必死の形相で奏江を中庭に連れて行ったキョーコは、「恋をしているの」と話し始めるが、やっぱりいえずに天宮さんの事にして、相手の男性にもまた密かに思う女性がいてあそれが森住さんである可能性が限りなく高いってわかったという。ユミカ(天宮さんの役)のスピンオフで自分もナツとして出るから失恋の痛手で天宮さんの演技に翳りが出るという。「そんな事言ったってどうにもならないでしょう。相手の男にもう想う女性がいるんだから始まる前から終わってて気の毒だとは思うけどその”痛み”演技の肥やしにしてみせてこそ”真の女優”っていうんじゃないの?」「ユミカの恋する男性は消去法で敦賀さんなんだわね。あの子の芝居へのこだわりは本物。芝居のできない男に何て興味ないはず」「相手があの敦賀さんだというのなら森住仁子なんて小娘速攻で陥没るでしょ。」(「落ちるも何ももう両想い成立してると思う。森住さん敦賀さんから指輪もらったらしいから。それも2年も前に」とキョーコの心の中で思う)(「未成年相手に!!2年前なら敦賀さんも未成年か。当然だけど昔からああじゃないのよね。いたいけな少年時代もあったはず・・・全然想像できないけど」とモー子さんの頭の中の声)

二人の話を盗み聞きしていた、高園寺さんのお世話係二人が、聞こえる様に話し始めた「2年前でも森住仁子が敦賀蓮に相手にされている様には見えなかったが、今となってはあの女が敦賀蓮に猛アピールする事さえ無くなった。そんな状況下で”両想い”など笑止千万。そもそもあの女は現在別の男に入れ込んでいて敦賀蓮に興味など微塵も無いはずだ」

って高園寺さんのお世話係がなんでそんなことを詳細に知っているのだろう。以前6巻ACT31と32の間のおまけまんが「あなたの知らない本当にあった怖い話」で高園寺さんが敦賀さんの熱烈なファンだったことが出てきたけどそのため?

それとも森住仁子にたぶん高園寺さんは怪我させられて紅葉をできなくなったから、仁子のことを徹底的に過去に渡っても調べた?

 (ACT.253 フライング ショック)
森住仁子が陰で呼ばれているニックネームが「ニコちゃん」であること、指輪を敦賀蓮に用意させるにはこ狡い手を使ったに違いないという会話が後ろからまだ聞こえてくる。高園寺さんの取り巻きであることがわかった奏江は「関わりたくないから」と立ち去る。

森住は、キョーコがあきらかにぼんやりしていたのになぜちゃんと演技ができたのか呉崎プロデューサーに説明してもらう。「君は京子さんの演技を見てたんですか。不正ですよ。わたしは曲がったことは嫌いです。」「覚悟はできてます」と辞退する。

森住が辞退する話を森住のマネージャーから聞いて、森住がどう見てもキレてる表情だったのを知っている社さんは驚く。一方お付きの一人北条と様子を見ている車椅子の高園寺絵梨花に、『泥中の蓮』制作委員会の審査員二橋さんが、森住が辞退したことを伝える。高園寺さんは、審査員で色眼鏡で見られたくなかったから、先ほどのオーディションでは髪の色は黒く、姓は母方の従姉妹のものを借りて、父には紅葉の起用が決まってから知られる予定だったことを話す。今キョーコと話している藤堂と坂崎も携帯が繋がらないので、絵梨花の父親が取り乱して連絡してきたという。

子供の頃から高園寺さんにずっといじめられてきた奏江は、簡単には納得できないし、簡単に認めたら人格の掘り下げ方が浅すぎるけど、そろそろ今の高園寺さんの演劇に対する姿勢は見てもらってもいいかも。

しかし高園寺さんも当然ながら紅葉のオーディションでは髪を黒くしていたわけね。呉崎プロデューサーに追い出されないように事前調査はしっかりしてるだろうけど。

一方藤堂と坂崎から、森住の目的はその他大勢に混じるライトなファンだった自分が『彼(セドリック)』に何故が見初められて、仲良くなった自慢をすることで、敦賀蓮相手の時もそういう姑息な真似をしていたはずだとキョーコは聞く。キョーコは殺気を出しながらオーディション会場に戻る。

一方、呉崎プロデューサーや森住監督の前で笑顔で自体を申し出る様子を見ていた高園寺さんは、お付きの北条に「頼みがあるの」という。

 (ACT.254 フライング ショック)
昔蓮に、不破尚に復讐するために芸能界に入るからLEMの新人発掘オーディションを受けるといったキョーコに「根性だけでいつまでも事が運ぶと思うなよ」(第一巻ACT.3)と言われた時の敦賀さんの気持ちを理解したキョーコ。泥中の蓮に思い入れがあったからな訳でもまして千鳥や紅葉を演りたいからでもなくて、意中の男性の気をひきたいから紅葉が欲しいという森住。

しかし、冷静に考えて、キョーコは復讐のために芸能界に入ろうとして蓮に嫌われたんだから、私利私欲のために芝居を使う人のことを敦賀さんが好きになるわけ無いでしょうに。蓮は大御所女優の上尾君子(2巻ACT.7)も松内瑠璃子のようなアイドル(3巻ACT.12)であっても、わがままで撮影を遅らせたりすると皮肉をいってたし。まあキョーコは蓮は森住の本質を知らないと信じているから、なかなか気が付かないか。

おまけに敦賀さんに思われておきながら他の男性に現を抜かしてるという。許せなくてそこらの草で藁人形ならぬグラスドールをつくるキョーコ。

でも敦賀さんのような大人の男性があんな年下の女の子に易々と騙し打ちされるとは思えないので、わざと騙されたふりをして指輪を贈ったのじゃないかという気が心から消えない。

控え室に戻ると奏江も社さんとともに居て、社さんが森住仁子が「キョーコちゃんには敵う気がしないから」って辞退してマネージャーさんと引き上げていったという。

巻き返す機会は与えてもらってるのに、全力でぶつかることもしてないのに。あの女にとって、敦賀さんの事も紅葉の事もそんな簡単に割り切れるものだったの、と怒りのやり場をなくすキョーコ。

そこにやってきた呉崎プロデューサーを思わず睨み付けてしまう。

次の課題は「暁の下」越境峠のシーンを千鳥候補の朝比奈と演じるのだという。そのまま行こうとするキョーコに、「次に会う時は千鳥と紅葉よ」という約束を忘れるなと奏江。「もしここでまたあんたが役者として何かヘタを打ったら自動的に「紅葉」はあの敵前逃亡した卑怯者の手に落ちる。あんたはそれでなくても大事なオーディション中に集中力を欠く人間だと呉崎さんに印象づけてるんだから。さっき呉崎さんを睨み上げたのも最悪だった。あんたが役者だと言うのなら芝居中は役をどうリアルに表現するかだけに集中して」蓮を思い出して、「誰よりリアルに『紅葉』を演れるのは私」、と改めて思うキョーコ。

モー子さんがいなかたらキョーコは紅葉のオーディションをもともと受けなかったらろうし、オーディションでこの頭に血が上ったときと、その前の森住の言葉に動揺して呉崎プロデューサーの指示を聞いてなかったときとで二回オーディションに落ちている。キョーコのお守りはモー子さんかも。

キョーコも敦賀さんとは違う方向だけど、思考が暴走するのをなんとかしないと女優として大成しないよ。

 (ACT.255 フライング ショック)
思う男性には別に心密かに想う女性が居てそれが自分と歳の頃が同じだと嫉妬心を煽らずには居られない。何事にも真面目で真摯な彼ならばきっと彼女に対しても心から真っすぐ真摯に向かい合いそして大切に触れるのだろう。どうして私は彼女ではないのだろう。蓮への気持ち、森住への嫉妬を、紅葉の志津摩への気持ちと千鳥への嫉妬に重ねて迫真の演技をするキョーコ。感極まって原作にはないが想わず涙が浮かんでくる。

このあとキョーコは落ち込んでたけど、原作をどのくらい自分のものにしているかが問題で、原作とそっくり同じで無くてもいいのでは?月籠りの未緒を超えたDARK MOONの未緒をつくりだしたことを思い出して!

呉崎プロデューサーは京子にもう一人の千鳥候補新田さんと、課題シーンを突然変えて「水月楼の蝶」の高台門のシーンを演じろという。

見ていた森住監督は、ユキ(呉崎プロデューサー)の中で『紅葉』はあの子で揺るがないという。結局呉崎さん、ローリィ社長のいう「”役者”でなければ素人同然と”タレント”を見下してる人間が、凝り固まった常識も価値観も粉砕されたらどうなると思うよ?世界が広がんだろ。呉崎君のよ。勿体無ェと思わねェか?世の中タレントだろうが芸人だろうが芝居の才能を隠し持った奴は居るんだよ。それを肩書きだけで見落としてるなんて。視野を狭める高い囲いをぶち壊してやりゃ、この国にはまた一人、『鬼才』の域に手をかけ得るクリエイターを誕生させることができるんだ。それをあの娘がやってのけちまうんじゃねーかと思ってる。」(41巻ACT.245)という思惑通りになったのね。

そして森住監督はむしろユキが誰を選ぶのか俺でも判断しかねるのは「千鳥」の方だな、と。

カフェの窓辺の席で待機する森住仁子とマネージャーの様子を車から見守る高園寺絵梨花とお世話係。

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2022年11月24日木曜日

暁のヨナ39

(第223話) 全てを懸けてもいいと思えた
カジ将軍に頭巾を剥ぎ取られ身バレしたハクと再会して、ヘンデは驚く。そこにラーン将軍が現れる。金州を制圧できなかったことでチャゴル殿下の怒りをかい、瀕死の怪我を負っている。ラーン将軍はハクが高華国の兵士であることをカジ将軍に伝える。

ハクとヘンデは高華国軍のために、カジ将軍の南戒兵をここで足止めするために闘う。ハクを夫だと言って助けた家族は罪人だというカジ将軍に、「暴力で圧しないと秩序が保てないのは、暴力を正義で覆い隠しているのか、考えるのを放棄してるのか」とハク。「高華国にも暴力と支配の歴史がある。ユホンのして来たこと知らないの」とカジ将軍。「少なくとも今、スウォンの治世で盗みをして指を落とされる民はいない。盗みが必要な程飢える者も少なくなった。色々と納得できない事もある。でも民を不自由にさせない所は信頼出来る」と語るハクに「スウォンはメイニャン様をチャゴル殿下から盗んだ」「メイニャンは城で休んでんじゃねーかな。戻る気はなさそうだったぞ。とりあえずメシは食ってるし今は捕らえられてもいねえから大丈夫だ」と。ハクは国王としてスウォンの国を治める姿勢は評価をしているのね。

そこへ空から落ちてきたゼノ。クラウ将軍に不死身なのを悟られて執拗に攻撃され、大怪我をしている。キレたハクはクラウ将軍を一撃のもと殺す。

(第224話) 限界を超えて
クラウ将軍はカジ将軍にとっても憎い男。呆然とするが、力尽きて倒れたハクを傷が癒えてきたゼノが守る。突撃する南戒部隊にハクが踏み潰されそうになったところで、シンヤやジェハが助けに駆けつける。生きているハクを見てシンヤもジェハも唖然。

キジャやジュドやキョウガ将軍の活躍で劣勢になった南戒軍に、ヒッタン将軍は撤退命令を出す。

ハクは突然馬に載りクラウ将軍を追いかける。目的はクラウ将軍ではなくて、奪われた千樹草。その千樹草をヨナや高華国の将軍達やケイシュク参謀といるスウォンの元に届け、ハクは気を失う。

今まで切り捨ててきたものに助けられて動揺するスウォン。スウォンはハクもヨナも認めつつあるのだけど、態度で表してくれないかな。

(第225話) 息を吐く
ハクの持って帰った千樹草をミンスに処方され、スウォンは緋の病は治らないものの、痛みはましになって回復した。

ハクは出血が多くて絶対安静。雨が降ってきてみなが休む天幕に水が入らないように土嚢をとりにいくヨナを見かけた水の部族のジュンギ将軍は、ラマルに命じて運ばせる。「我が娘リリをよろしくお願いします」ジュンギ将軍がヨナ達をどう思っているかはあまり表現されてないけど、十分認めているのね。

雨の音に目覚めたハクは、水攻めの幻を見て、1人外に出て行く。追いかけてきたヨナに引き留められる。震えているハクに「ハクは皆を守ったよ」と諭して、2人で小屋で雨宿り。ハクはヨナを抱きしめてキスをし、2人で夜明けまで過ごす。

(第226話) やさしい夜明け
千樹草の礼はユンに言ってくれとミンスに答えるハク。ハクがスウォンのことを苦しめばいいとは思ってないことに、千樹草がハクとスウォンを一瞬だけ繋いでくれたようで胸が詰まるミンス。メイニャンにも千樹草を渡したいとも思う。(千樹草ってそんなにあるの?37巻212話でギガン船長からもらったときに季節外れでこれしかないといってもらったのは、一株に見えたけど。そういえば前にユンは千樹草を育てられないかなといっていたのはどうなったのだろうか。)四龍達はハクが絶対に戻ると信じて大刀を鍛え直して持ってきていた。

南戒軍は撤退したものの停戦交渉が行われたわけではなく、また襲撃されるかもしれないので、高華国軍は金州から離れることができない。

緋龍城で幽閉されて退屈したメイニャンは、ユンと見張りのヒューリを連れて町に歩き。メイニャンはユンを見ていると南戒で仲良かった子を思い出すという。カジ将軍のことね。そこでリリとテトラとアユラに出逢い、皆でオギの酒場へいく。ヒューリさんまで酒場にいるけど、ヒューリさんも性格が少し変わってきたのでは。オギから金州では高華国軍が勝ったことを知らされる(そういえばオギは情報屋だったね)。メイニャンはリリとテトラとアユラと女子会で盛り上がる。テトラはかつてジュンギ様に憧れていたらしい。メイニャンはヴァルとの青春の思い出に泣き出す。ヒューリとユンに無理矢理お開きにされて緋龍城に戻るとき、ここ数日空都で死亡事故が多発しているから気をつけろとオギは警告する。
突然ヒューリがどこかへ走り出す。酔い潰れて座り込むメイニャンに手を貸したのは突然現れたヴァルだった。ホーちゃんが飛びつく。

「私はこっちで幸せに暮らしてるし邪魔しないで!!私は死んだって殿下に伝えて!!」ホーちゃんを取り返そうとするメイニャンを捕まえてヴァルは「俺も手ぶらでは戻れない。お前を南戒に連れて帰る」と。

(第227話) 夜陰に蠢く
「絶対南戒には帰らない」とメイニャン。「メイニャンは俺の患者だよ。ほっとけない!」とユンはいってから緋の病が極秘なのを思い出すが「ユンは怪我の手当てをしてくれたんだよ」とメイニャン。「こいつが世話になった。あとは俺が面倒見るから」というヴァルをメイニャンは殴り「私が戻ってどんな目に遭うと」と振り切る。城に逃げ込もうとする二人にテトラとアユラとリリが追いつく。衛兵が見当たらなくてやけに静かで妙だという。ヒューリもどこかへいってしまった。

その先にドロモスが。身体が動かないメイニャンに代わって攻撃するテトラとアユラ。更に増えたドロモス。ユンを守るためメイニャンはアユラの剣を借りて攻撃するが歯がたたない。そこに立ち塞がりドロモスに向かって「命を受けたのは俺だ。俺に任せてくれ」とヴァル。

そのヴァルを「ユン達に危害が及ぶようならお前でも容赦しない」と攻撃するメイニャン。「お前には南戒の情報を流した疑いがかかっている。その疑いを晴らして罰を受けないよう俺が殿下に諫言する」と。「話が通じる相手だと思う?殿下はただ私が自分の手から逃れたことが許せないだけだ。父さんが高華国出身なの。あと私たぶんもうすぐ死ぬ。だから死ぬ前に自由になりたかった。頼むから静かに死なせてよ」と。

そこにアユラが「ヴァルさんがメイニャンさんのお相手?」と。メイニャンは先ほど酔っ払って「ヴァルのばかー」と叫んでいたのだ。「どうせ揺さぶるなら、いやぶっちゃけるならそこまで仰った方がいいですわよ。しこりは残さずにね」と暴露する。アユラさんいい性格している。

街が燃えているのに気が付いて駆け出すリリをアユラとテトラも追う。

その間に「思った以上にややこしいぞお前。突然殿下の側室になるわ 突然高華国に使者として行って戻って来ねーわ 突然髪が短いわ 突然俺のことを何だって?」「位が上がればスウォンに会える可能性が高くなるから」というメイニャンに、まだ黙っている事があるなと察するヴァル。「私を連れて帰らなかったらヴァルが罰を受けるよな。それが分かっても私は逃げるつもりだからヴァルも自分の為に行動しなよ。どっちに転んでもめんどくさい女はお前の前から消えるから」というメイニャン。

そこにドロモスが「街の鎮火に衛兵が動いた。混乱に乗じ緋龍城に侵入する姫を連れて貴殿も来られよ」と。

衛兵に知らせに行こうとするユンを攻撃しようとするドロモスは、ユンを守ろうとするメイニャンに「脚だけならば切っても良いと殿下から仰せつかっております」と。そんなメイニャンを庇うヴァル。

(第228話) 離反
ヴァルに「チャゴル殿下に仇なす反逆者と取られかねない行為。貴殿が昇り詰めた地位、お仲間・ご家族・・国 全てを捨てることになりますよ」というドロモス。「チャゴル殿下は何の後ろ盾もない俺を実力で認めて下さった。感謝してるよ。ですがこれよりこいつからは手を引いてもらえませんかね。俺らのことは忘れて下さい。」とヴァル。

「南戒屈指の武将と元将軍を相手にするのは徒に時を費やすだけ」ドロモスは「姫と交換」だとユンを連れていく。「ユンは命の恩人だし高華国で唯一の友達だしユンは助けなきゃ」とメイニャン。更にヴァルに「お前ドロモスに刃向かったりしてもう後戻りできないぞ」というメイニャン。ヴァルは「お前と一緒に生きる でいいよ」と。メイニャンの手を引いて緋龍城に向かうヴァル。

だったらチャゴル殿下の愛人なるのを黙って見ていないで南戒にいるときから告白して仲良く暮らせよという気もするが・・ヴァルもめんどくさい男。

「ユンがいないと城に入るには許可証がいる。さっきの女の子達(の中)のリリは水の部族長の娘らしいから多分なんとかしてくれる。」とメイニャン。

ヴァルが南戒の人間と知っていてあっさり受け入れるアユラは、「メイニャンさんはユン君のお友達ですもの。私達ユン君への絶対の信頼がありますの。そしてメイニャンさんは可愛らしい御方。お会いしたばかりですが守って差し上げたいと思ったらおかしいですか?」という。「あいつはここに来て良かったのかもしれない」と思うヴァル。

ユンを連れたドロモスたちは、緋龍城でヒューリがドロモスを一人殺したところに辿り着く。更に3人のドロモスがヒューリを取り囲む。もう一人はユンを拘束している。「みんながいてくれたら!」とユンの心の声が届いたのか、金州の天幕で、ハクを見守りながら不安な気持ちを抱えるヨナ。

(特別編) 昔々あるところに
雷獣という妖怪が人里に降りてきては、大刀を振り回してゴロツキを追いまわし、村をぶらぶらするテジュンをからかうという悪行を繰り返していた。そんなハクを追い出すために、テジュンはお見合いの話や遠方の職を斡旋する話を持ち込むが、結局差し入れを持ってきたヨナ姫への恋の鞘当てだったので失敗。テジュンがごろつきに襲われそうになったところで、お見合い写真と求人案内を返しに来たハクがごろつきを追い払う。

テジュンとフクチのコンビ大好きなんだけど、ずっとでてきてない。フクチはしっかり家庭を持ってそう。テジュンは副将軍だからキョウガ将軍が前線にでているあいだ、火の部族領を守ってるんだよね。暗黒龍とゆかいな仲間達、懐かしい。

2022年9月27日火曜日

スキップ・ビート!41

(2017/10/20発行)
(ACT.243 不死の怪物)
社さんは、呉崎プロデューサーが前もって準備や役作りできてない人間が嫌いだと知ってたけど、あえて茶髪でいった方が印象に残るかな思ってそのままにしたという。「だってキョーコちゃん、こんな事でおとなしく引き下がったりしないだろう」社さん、蓮に付いてキョーコと対峙しているときは乙女社さんになって顔が崩壊していることが多いけど、このオーディションでは無茶苦茶格好いい。

庭で『紅葉』の準備をして、オーディション中の一階の稽古場へ。その様子を見る絵梨花様のお付き。オーディションは軽い殺陣ののちのリアクション。どういったものかは森住仁子は伯父から聞きだしてあるので誰よりも上手くできる自信がある。「千鳥」や前回の「紅葉」のオーディション時に融通してくれればすんなりあたしのものになってたと機嫌の悪い仁子。なんだかんだで、少なくとも森住譲二監督はけっこう公正。

刀を手に審査員の前まで歩いて行くのに、前回、高園寺絵梨花は、忍びのように足音を立てず特技のクラシックバレエを生かして軽やかに滑るようにいって差をつけたという。が、仁子はストッキングで足がすべって笑いをとってしまう。いきなり斬りかかって名前を聞く呉崎プロデューサー。「鎌鼬だ」と応える仁子、何か違ったような気がするけれど。

そこに入ってくるキョーコ。「LME所属京子です。先ほど不戦敗を言い渡されましたが諦めきれず参りました!!今日のため私なりの紅葉を作ってきました身としては、オーディションに復帰できずとも、せめて私の『紅葉』がどんなものなのか見届けて頂く事だけでも出来ないでしょうか!!

まるで別人のようなDARK MOONの『未緒』とBOX"R"の『ナツ』を知っている、主演の坂上志津摩役の古賀弘宗は、履歴書見たときから気になっていたという。「この子がどんな紅葉演んのか見てみたかったな」という。ナツは知らないが、未緒を思い浮かべる呉崎プロデューサー。

古賀さんこのあと泥中の蓮撮影中もずっとキョーコに意地悪だけど、キョーコのこと最初から気に入ってるんだよね。蓮への気持ちも最初から知ってるし。古賀さんも好きな娘は苛めたくなる面倒な男っぽい。

ドアの外で控える社さんは、車椅子に乗ってやってくる高園寺絵梨花に気が付く。

(ACT.244 不死の怪物)
呉崎は「君のその度胸と執念に免じて一度だけチャンスを与えよう。ただしこれから見る君の対応が、他の受験者と同等またはその水準に達していないと判断した瞬間、発言、行動、総ての君の自由をそこで剥奪する。わたしがキレる前にここから即刻消えて下さい。誓いますか」と。

呉崎プロデューサーもこの堅物のイメージが後に随分変わるんだよね。

仁子にとって頼りの伯父、森住譲二は、携帯をいじってるだけだ。退出を命じられてドアを出た仁子は、ドアの外の社さんに気が付くが、階段を駆け上がって2階から様子をうかがう。「無名の新人ごときがこの条件下で一体何ができるのか。蓮さんと並列にマネージメントされる器がどの程度のものなのか、見せてもらおうじゃない」と。

高園寺絵梨花は、一度失格を宣告されたのに、あの呉崎プロデューサーにケンカを売るなんて、私と同等の『紅葉』が演れるなら望みはあるかもしれないけど、そんなのとてもあなたに出来ると思えない。って高園寺さん、キュララのオーディション大逆転を忘れたの?高園寺さんを最終的に吹き飛ばしたのは、キョーコの方だよ。奏江もキョーコのことを絶賛していたのに。あの時、世間的には美人のモー子さんの方が評判になったけど、黒崎潮監督が評価していたのはキョーコの方だし。

呉崎プロデューサーに呼ばれても跪いたままのキョーコ。「志津摩様の命が無ければ動けません!!」と。呉崎は古賀にマイクを渡して紅葉を呼ばせると、足音を立てず、いきなりトップスピードに乗って滑るように駆け寄った。見ていた絵梨花も仁子も唖然とする。

キョーコ格好いい!!これを機会にアクション女優として名を売って欲しい。

呉崎の刀での攻撃を受け、両刀遣いで喉に刀を突きつけるキョーコ。「鎌鼬」とつぶやいた呉崎に「その名で呼ぶな。父からその字名まで引き継いだつもりはない」

思わずバランスを崩しそうになった絵梨花を、気が付いて駆けつけていたお世話係が支える。

「紅葉、控えよ」の古賀の声に、刀を納めるキョーコ。

呉崎が「特別にオーディションに復帰する権利を」といいかけたところで森住譲二が、応募書類にLMEのどこの部に所属してるか書いてないことを問う。松島主任が「ざっとLMEとだけ書けばいいから。タレント部とか細かい事書かなくていいから。」と念を押すように言うから書いてないだけなのでキョトンとしているキョーコ。

お前の信念は役者で無い半端者は使わない。いいのかこの子タレントだぞ、とLMEのキョーコのプロフィールのページのスマホを見せる。

呉崎さん「他の受験者と同等またはその水準に達していないと判断した瞬間、発言、行動、総ての君の自由をそこで剥奪する。」といったんだから、この時点で他の受験者よりも上だと判断したわけだよね。呉崎さん、頭でっかちのブランド志向ではあるけど、意外と役者の才能を見る目はある。

(ACT.245 SURVIVOR COMBAT)
オーディションの前、社さんは社長に、キョーコを俳優部門に移籍させることを提言していた。呉崎雪之丞氏は、社長曰く「頭でっかちのブランド志向」で芝居にはタレントやお笑い芸人を絶対使わないんだろ?「キョーコちゃんってタレントとしての仕事って何かしてましたっけ?」という社さんに「はっきり言わねーけど最上君からもラブミー部関連で予定入ってるっての聞いた事あるし」という社長に、キョーコから何やらバレたら命が無いみたいな思いつめた顔で極秘の仕事があることを言われたことを思い出す。って、琴南さんは最初から俳優部門所属だけどラブミー部だよ。

社さんは社長が「このままの方が面白い事になりそうだからむしろ移動なんかしなくていいんじゃねーのw」という顔をしてるのがわかる。「”役者”でなければ素人同然と”タレント”を見下してる人間が、凝り固まった常識も価値観も粉砕されたらどうなると思うよ?そんな己のプライドも常識も打っちゃってまで最上君を使ってみたいと呉崎君に思わせられたら」「呉崎氏初のタレント起用 これは『演技者』としての箔が付きますね」と社さん。「プラス世界が広がんだろ。呉崎君のよ。勿体無ェと思わねェか?世の中タレントだろうが芸人だろうが芝居の才能を隠し持った奴は居るんだよ。それを肩書きだけで見落としてるなんて。視野を狭める高い囲いをぶち壊してやりゃ、この国にはまた一人、『鬼才』の域に手をかけ得るクリエイターを誕生させることができるんだ。それをあの娘がやってのけちまうんじゃねーかと思ってる。」

社長との対話を思い出しながら、中の会話を聞く社さん。

タレントとしての傍らで何やらふざけた感じの活動もしてるらしい。ラブミー部。
「お笑い芸人もやってるのか」とキョーコに聞く呉崎プロデューサー。天宮さんを見たことがある古賀さんは「『マジスカ』にも一人出てるよね。」とわくわくと聞く。だが瑠璃子ちゃんの世話も代マネもセッカもクーさんの世話も天宮さんの代マネも、相手のことを考えるといえない。なんとなくぼかして説明するが、それは俗に言う雑用で、お笑い芸人より立場下なのでは?と皆思う。

社長さんのいうこともわかるけど、キョーコをそこまで茨の道にしなくてもいいのに。
キョーコが女優として世界に羽ばたくところが見たいキョーコ推しとしては、ラブミー部を卒業させて女優に専念させて欲しい。まあ社長さんにとって一番大切なのは、産まれたときから知っている久遠なので、なにかと久遠の御守りにさせる口実をつくりやすいから残しておきたいのかなとも思ってしまう。こういうとき、東京クレージーパラダイスの鴨さんの、司が好きだしその才能をかってるけど、なんといっても産まれたときから知っている竜二のためが第一な立ち位置を連想して、主人公推しとしてはちょっとひっかかる。

自分の信念との矛盾に葛藤する呉崎プロデューサー。そんな呉崎を見て、森住譲二監督が提案したのは、キョーコと希望により他の候補者全員が殺陣のテストをうけること。

ネットでキョーコを検索していた森住仁子のマネージャーが見つけたのは、キュララのCM。社さんは「また随分レアな覚え方してますね。今ならDARK MOONで『未緒を演ってた子』と認識されるのが定番かと」という。「去年の頭から日本とアメリカを行き来して、中過ぎには生活の拠点がほとんど米国だったから、あんまり日本に居なかったのよ。私も仁も」と。
これまた気になる。アメリカでセドリックと交流があったのかと思うけど、いったいどんなな関わりが?

演技テストは、切られ役の役者さんの一連の殺陣を見て、再現すること。流れを忘れてても自力で考え流れを止めずとにかく最後まで演じ切った者だけわたしは『演技者』として評価する。と呉崎プロデューサー。

森住仁子は、あのままにしておけば呉崎プロデューサーはキョーコをクビにしたのにと、こっそり森住監督に抗議するが、「あいつがああいう餅巾着みたいな顔する時は、キレてるっていうより葛藤してんだよ。『役者』じゃないから使いたくないけど、このまま切って捨ててしまうのも惜しいって。だから決断がもう二度と揺るがない様にダメ押ししてやったのさ。」という森住監督に、自分に有利な記憶力が勝負になる様なテスト内容を選んでくれたのも、さすが身内!さすが味方!!と自分に都合良く解釈する仁子。仁子は即興より決められたことをそのまま覚えて演じる方が得意なので。

森住監督はキョーコの才能をどのくらい見抜いていたのだろうか。仁子は自分に都合良く解釈しているけど、結局他の受験者を圧倒したのはこの殺陣のシーンだし、その後の泥中の蓮での撮影中や森住監督や呉崎プロデューサーのキョーコに対する態度を見ていても、キョーコの才能を高く評価しているし、特に呉崎プロデューサーはキョーコのアメリカ進出の鍵になると思う。

社のスマホに、蓮から2日早いけれど日本に到着したとのメールが入る。

(ACT.246 SURVIVOR COMBAT)
社さんの返事は、「明日にでもまたこちらから連絡します」と。「今日連絡できないって何か忙しそうだな。予定では間に合わないと思ってたけど。まだ今頃だと。最上さんはオーディションの最中だろうか」

早く長い殺陣に、圧倒される紅葉候補者の中で、余裕の仁子。一方キョーコはなんと途中から目をつぶる。

そこに担当者に連れられて入ってくる琴南さんたち千鳥の候補者。

モー子さんを見て喜ぶキョーコ。

「まずは君の実力を計るために始めたテストだ。君から演ってもらおうか京子さん」
退出する受験者だが、キョーコの様子を見ていた候補者が、途中から最後まで目を閉じて手本演技見てなかったとつぶやく。「でもあの子DARK MOONで『未緒』を演ってた子でしょ。今ならBOX"R"で『ナツ』も演ってるわよ。その別人ぶりやDARK MOONでの飯塚さんを納得させた演技の噂をする候補者達。

仁子のマネージャーは社に「真相は?」と聞くが、社は応えない。
そのようすにキョーコ登場の時の呉崎との殺陣を思い出した仁子は、稽古場が見下ろせる2階にかけあがる。他の候補者も続く。

これって、キョーコは途中からアドリブをやるから問題ないけど、本来やるはずの見本を再現するのなら他の人の演技テストを見ちゃったら、2回以上模擬演技を見たことになるから、ずるいのでは。まあ、どっちみち森住仁子以外はもうキョーコに圧倒されて棄権するのだけど。

「まぁ気になりますよねェ役者なら」という社さんに「自信があるの?あの子が『紅葉』を獲る。」「さぁそこまではっきりした事は断言できませんけど、俺が確実にわかる事は一つありますよ。こういう何をやらかすかわからないキョーコちゃんが出す結果に『及第点』はありません。特に呉崎さんの様な性格の方が相手では。出る目は必ず0か100、又は黒か白か、合か否か」

キョーコがオリジナルな解釈の未緒で飯塚さんや緒方監督を納得させるのを、目の前で見ていた社さんだからわかる。でキョーコの才能のあり様をよく知っている社さんがマネージャーにつくのは絶妙なコンビ。

いっぽう再々オーディションを見る絵梨花は、もしも呉崎プロデューサーに『ラブミー部員』である事がバレたのだとしたら・・・

(ACT.247 SURVIVOR COMBAT)
「ラブミー部員が役者としてどこまで演れるのか呉崎プロデューサーに試されている。」とお世話係に言う絵梨花。絵梨花も先ほどの大乱闘殺陣の流れを覚えていて、なぞっているのがわかる。

そしてキョーコが覚えることを放棄したところから、両刀遣いの紅葉のアクションでの攻撃を入れ皆を魅了する。見ていた琴南さんだけは『アレだ』と虎徹さんのところで見たアクションを思い出す。

「あの子途中から何も覚えてないですね。」と古賀。当然呉崎プロデューサーも気が付いている。「覚えてないから攻撃『される』側から『する』側に切り換えて殺陣の『対処』をプロに丸投げしちゃったんだ。大胆な事をするなぁ~なんかすきだわぁあの子」
古賀さんこのあと撮影時もRouteプロジェクトでもキョーコに意地悪だけど、実はキョーコ好きだよね。

一方森住譲二監督は「正しい選択だな。素人がプロを相手に主導権を握って立ち回れる訳が無い。あの子はある程度『忍び』の修行をしている様だ。今のあの様子では『殺陣』の何たるかも理解している。あの子が『タレント』だと知っても即刻切らなかった次点でお前の腹はもう決まってたんじゃないのか」

森住譲二監督も公平だね。仁子よりキョーコの才能を買ってる。

一瞬でも止まらない殺陣に、圧倒される、盗み見の候補者達。

「流れの一挙手一投足を丸々完璧に覚えようとするな。『殺陣』には暗黙の約束事がある。相手の『声』を聞き動きを良く見ろ。手の向き刃の向き身体の向きで、自ずと太刀筋は読めて来る」と虎徹さんに鍛えられた日々が生きてくる。

そして相手のポジショングを見て、全員一殺の圧倒的アクションを見せる忍者キョーコ。

強い女大好きな私には萌え~~~キョーコには将来また殺陣をやってもらいたい。それも敦賀さん相手に真剣に闘って欲しい。あと映画の宣伝でこの場面を取り上げてキョーコの演技やアクションを日本全国に見せつけて欲しい。日本を代表する女優になる第一歩として。

この漫画の魅力は、主人公キョーコが最高に格好いいところ。古賀さんの感想からすると、これは原作の紅葉の技なようだから、斬られ役の人も原作をよく研究して、紅葉に吹っ飛ばされてくれたプロなんだろうな。キョーコは斬られ役の役者達も魅了してしまったのがわかる。

紅葉の殺陣は最高に格好いい。もっとスキップ・ビート!グッズにしてくれないかな。

(ACT.248 フライング・ショック)
審査員達に美しいお辞儀をした後、斬られ役の役者達にも礼を述べるキョーコ。「旋風閃火からの龍爪嵐牙」「血振り」「納刀」と解説してリアル紅葉を絶賛する古賀さん。

時代劇における『殺陣』の存在を問う呉崎プロデューサー。虎徹さんの教えと自分の見解をくわえて「茶道の経験がある私が感じた正直な気持ちは、時代劇における『殺陣』の存在とは、必要不可欠な様式美である”日本の心”に根付くあらゆる伝統芸能に通じるものがあると言っても過言ではないと思っています。魅せる殺陣は斬り手と斬られ手の両者が創り上げるものだということを短い修練中に私が得た『殺陣』の心得です」と。

「その通りだ」とやわらかい表情になる呉崎プロデューサー。
呉崎プロデューサーも第一印象とすごく変わった。最初オーディション前に髪の毛の色で引導を渡されたのに乱入してきたときは、「君のその度胸と執念に免じて・・」と『君』呼びだったのがここでは完全に『京子』さん呼びになってるし。

尚の実家での女将さん修行のあれこれ、直接使っては居ないけど、今のキョーコをつくる助けにはなってるね。

社長に呼ばれて挨拶がてら飲む蓮。
「今日は例のオーディションのはずだろ最上君」と振られて、「オーディションに間に合う様に帰ったからって俺に何が出来るんです?現場にかけつけて応援するんですか?過保護な親みたいに。あの子の事は特に心配していません。紅葉は必ず獲ると思ってるので」「現場にかけつけても周りが納得しそうな関連性は無くは無いがな」といって社がマネージャーとして付いていることを知らせる社長。

いや、オーディションが終わったところでお祝いにかけつけていれば、その後の森住仁子に殺されかけた展開はなかったし、森住仁子の事を蓮が好きなんだという誤解もそれほど酷くならなかったから全く違う展開になりそうだったのに。

しかし「あの子の事は特に心配していません。紅葉は必ず獲ると思ってるので」って、蓮に言わせるキョーコすごい。

先ほどの帰国を知られたメールの社さんからの返事に、キョーコのオーディションに付き添っていることやキョーコのマネージャーをやっている件が、何も書いてなかったのでびっくりする蓮。

「お前を事務所に呼びつけたのは見せたいものがあったからだ。これを見てもさっきと同じ涼しい顔して心配してねぇって言えんのか?」と見せられたのは、夜の横丁でキョーコにキスする尚。

社さん、この後も決してキョーコの危機を守れてないので、この写真を社長さんがわざわざ蓮に見せたのは、社さんがキョーコのマネージャーとして続投する理由づけよりも、蓮を煽るためにしか見えない。

2022年9月21日水曜日

スキップ・ビート!40

(2017/3/20発行)

(ACT.237) 武士と狩人
久遠の髪に戻った蓮は、社長に、キョーコが紅葉のオーディションを受けること、母子関係にも改善の兆しが見られることなどを報告して、TRAGIC MARKERの最後の撮影のためにグアムに飛び立つ。成田空港で受信したキョーコからの応援のメールには念願の顔文字で万歳三唱が記載されていた。人生終わった\(^o^)/顔文字ではあったが。返信には君ならやれるよლ(゚д゚ლ)と顔文字付き。この顔文字何???敦賀さんとまったく似合わないのだけど。でも久遠はいい顔になった。

キョーコは錦賀荘苑で奏江と待ち合わせて、虎徹さんに弟子入り。初めて見かけた虎徹さんは、目上の者とすれ違うときに『行』の挨拶をスパルタ指導の途中だった。畳の縁を踏んだ弟子は正座一時間。

このあいだ見かけた敦賀さんは弓道場でCM撮りだそうだ。弓道着で弓をひく凜とした敦賀さんを想像するキョーコ。

奏江を見た途端顔がゆるゆるになる虎徹さん。キョーコには冷たいまなざしを送るが、座敷に入る際に真の礼をしたキョーコを見直したようだ。茶道をやっていたことも見抜き、キョーコの所作の端々には茶道が息づいていることを指摘する。ただしキョーコが今度やる忍びでは全く役にたたないが。

虎徹さん、なかなか一本縄ではいかないおじいさんだけど、面白い。

奏江の見たところでは虎徹さんはキョーコのことを気に入ったという。基本的に行きずりの講習者の名前なんて覚えないのだが、名前を訊かれたことを指摘する。

モー子さんとの扱いに差がありすぎるから、これでも虎徹さんに気に入られているというのはモー子さんに言われないとわからないよね。モー子さん優しい。

(ACT.238) 衝撃の先に
殺陣を習う奏江に対して、4日間ひたすらバトンを回し続けるキョーコ。しかし虎徹さんは「上達が早い」と褒めてくれて、次に渡されたのがボールと棍棒。飛鷹くんにゲンコツ落とした過去やゲストに来てくれた番組内で嫌がらせされたことが虎徹さんに伝わっていれば虎徹さんに好かれないのもまともに指導してもらえないのも納得でき・・・と奏江に愚痴っているところを飛鷹君に「俺のじいちゃんをバカにすんなよ。じいちゃんは芝居にそれも時代劇に出たくて真面目に役作りに取り組んでる奴に自分が気にいらねェからってインチキ指導する様な下衆じゃねーよ」とゲンコツを落とされる。「お前と奏江じゃ殺陣は殺陣でも同じじゃダメだろ。『紅葉』は忍びでおまけに二刀流なんだから。」はっと気が付くキョーコ。「以前のことは今回のコレ(飛鷹君からのゲンコツ)でチャラだから二度と持ち出すんじゃねーぞ」と。

キョーコの手鞠歌の替え歌楽しい「盾だってタテさ殺陣さ殺陣だってさタテ違(たが)さ」
飛鷹君なかなかいい男になった

中一の飛鷹君が「中二(病)」かというのが面白い。モー子さんの前では背伸びしたいよね。いつかモー子さんの身長を追い越した2人が見たい。

まだ入院中の天宮さんのマネージャーの見舞いに行くと「嫌なことから一度逃げ癖ついたらもうなし崩しでしょ?あなたの進言にならあの子は必ず耳を傾ける」と。

みんなキョーコの人を癒やし変えていく力を認めている。

病院で子供とぶつかってボールをすっとばすと、その先にボールを手にしていたのが車椅子の髙園寺さん。

(ACT.239) 青い落葉
以前とあまりにも違う精気のなさに、すぐに理解できなかったが、お付きの男性陣を見て、キュララのオーディションであった、琴南さんの子供の頃からの天敵、高園寺さん(5巻ACT.24-6巻ACt.30)と思い出すキョーコ。以前と同じように、お付きの男性がキョーコのノーメイクや、洋服や鞄を使い古していることを揶揄するが、反応がない。

と、「ラブミー部員」と何かいいかけた高園寺さんだが、いいかけてやめたのは「私がこんな風になってる事、言わないように。特にあの子(琴南さん)には。といってボールを返す。本当は他に何か言いたいことがあったんじゃと思うキョーコ。

高園寺さんのあとを見送って振り返るとお付きの男性2人が床で土下座している。「我らが絵梨花様の心の叫びを代弁し『ラブミー部員』『京子』に依頼する。この怨みを晴らして欲しい」

椹さんのいっていたことがキョーコの脳裏に蘇る。電話はこの男性が裏声を使い絵梨花様を装ったという。絵梨花様はオーディションのあと、車道に転がり出て、バンパーに手荷物が挟まって車に数メートル引きずられたという。車の同乗者によれば、誰かに突き飛ばされたように見えたそうだ。打撲と擦り傷が少しひどいくらいだが事故から2日後意識を取り戻したあと何故か『心因性下肢麻痺』で『立つ』どころか僅かに脚を動かす事すらできなくなっていたという。絵梨花様が出演できなくなったら、紅葉に繰り上げでなる次点の女のしわざに違いないと。
でもこれはキュララのオーディションに落ちたときに、高園寺さんが琴南さんにやろうとしていたことだよ。琴南さんを傷つければ次点の自分がコマーシャルに出られると、おつきの人達に襲わせたり、自分が指輪付きの手で顔を殴ると脅かしたり。(6巻ACT.30)まあモー子さんに宣戦布告されて以来心を入れ替えたわけだけど。

再オーディションは絵梨花様の父、豪将(かつまさ)様が、オーディションのやり直しに応えなければ、高園寺グループは『泥中の蓮』のスポンサーを全面的に降りると圧力をかけたためだ。

しかし今まで絵梨花はモー子さんとの宣戦布告(6巻ACT.30)以来、家柄でオーディションに影響を与えなよう、相手に気づかれないように工夫して、お付きの同行も拒絶してきたという。

キョーコは『私の代わりに紅葉を奪って欲しい』のかと思ったのに、彼等の希望は最初は、以前怨キョで琴南さんを守ったキョーコに『相手の女を残酷無比に呪い殺して欲しい』ということだった。既に『紅葉』のオーディションに再応募していると聞いて喜ぶお付きの男性陣。

(ACT.240) 無欠のPICK UP ARTIST(ナンパ師)
キョーコは事務所で、お世話係から名前を聞いた、くだんの紅葉オーディションのでの容疑者、森住仁子のブログを見て、おととし敦賀さん主演のドラマに共演していることに気づく。そこにやってきた社さんから、森住仁子は、芸能一族の出身で、森住一族が噛んでいるところに出演することが多いという。とはいっても演技は特に下手では無いという。

環境にも才能にも恵まれているようなのにあまり露出がないのは、テレビ業界以外のところで活躍しているのだろうかと違和感を感じるキョーコ。更に調べると泥中の蓮は監督/脚本が森住仁子の伯父である森住譲二であることを知って出来レースかと絶望するキョーコに、社さんは、この業界で発言権屋決定権を持ってるのは『プロデューサー』だと説得する。

そういえば紅葉は一度は高園寺さんに決定していたことを思い出して、少なくともプロデューサーには森住の人間以外を選べるフェア精神と配役繰り上げほどを受け入れる柔軟性があると思い直す。キュララのオーディションでメーカー側は出端から既に高園寺さんで気持ちが固まっていたのに逆転したことも思い出す。

そして元気を回復したキョーコに、バレンタインのお返しのカボチャの馬車のアロマキャンドルホルダーを渡す社さん。こんな業界の場合お返しが都合よくホワイトデー当日に渡せない人の方が圧倒的に多いから一ヶ月以内までって決めてるみたいだよ(たぶん蓮は)と。蓮からお返しをもらえなかったことを更につきつけられて落ち込むが、敦賀さんに送ったのはチョコレートでなかったことを思いだして無理矢理自分を納得させるキョーコ。

キョーコは最近BOX"R”の影響で芝居以外の仕事も入って来て、芝居との板挟みになるので相談役の社員をつけているという椹さんの話と、森住仁子を気にしていた様子、蓮のいない間に2週間の合宿免許をこっそりとっていたことから、期間限定でキョーコのマネージャーを申し出る。

このあと結局社さんは蓮が帰国しても、キョーコのマネージャーを兼任で続けるわけだけど、この設定が絶妙だと思う。一番の目的だったと思われる、森住仁子に変なことを吹き込まれるのは防げなかったし、森住仁子にあやうく大怪我をさせられるのを防いだのも社さんではなかったし、蓮と兼任では常に傍にいられるわけじゃないからさまざまな場面で不便ではあるけど、マネージャーが共通というのは蓮とキョーコちゃんが一緒に行動するのに本人達も周囲もすんなり納得できる理由になっている。

社さん、免許取り立てで初心者マーク付きだと思うけど、運転の腕は心配なさそう。社さんも何事もそつなくできてしまう天才タイプかな。

(ACT.241) 煩悶の種
社さんがマネージャーとしてついてくれて8日、アクションも身につけて「付け焼き刃とはいえよくここまで頑張った。後はもうお前が思うままお前の『紅葉』に料理せぇ」と虎徹さんにいわれるほどになった。

このあと「プル・ベル」というエステの港区の本店にいく奏江に、社さんはTBMにいくキョーコちゃんを送りがてら送ってくれるという。奏江にTBMに何をしに行くのか社さんは知ってるのかと訊かれるが、「ラブミー部として正体を知られてはいけない仕事をしているので詳細は明かせない」といったら、社さんは「そこには触れて欲しくない」って部分を的確に感じ取ってサポートしてくれるという。社さんが敦賀さんのマネージャーをまかされているのがわかる気がするとも思うキョーコ。

「あんたなら大丈夫よ。仮にこの間私が言ってた子がオーディションに居たとしてもあの子はあんたに敵わない」と奏江にいわれているところに社さんが帰ってきた。

もしプロデューサーも監督も高園寺さんの素性を知っていたのだとしたら、高園寺グループは泥中の蓮の一番大きなスポンサー、と昨夜思いついたキョーコの顔は晴れない。

百瀬さんとTBMで偶然であって敦賀さんのバレンタインのお返しのパッケージについていたチャームを携帯のアクセサリーにしているのを見てショックを受ける。百瀬さんはなにか手違いがあってキョーコに渡ってないだけではと思うが、送ったのがチョコじゃないからというキョーコの迫力に負ける。

帰りに送ってくれる社さんの車の中でも浮かない顔のキョーコに、「『森住仁子』の事なら特に下手とは思わなかったって言ったけど、つまりそれ特筆すべきインパクトも無いって事だから、彼女はキョーコちゃんには敵わない」といってから、昼間琴南さんがいったのも森住仁子のことかと気が付く。キョーコも「彼女以外どんな受験者が居たとしても誰よりリアルに『紅葉』を演れるのは私。必ず手に入れてみせます。」と応える(ただし悪の破壊の魔女が強力な魔法を効かせていなければ)この最後のト書きっぽいのはキョーコの気持ち?それともストーリーの暗示?

しかし敦賀さんからホワイトデーのお返しもらえなかった(と信じている)気持ちがそのまま紅葉が主人の志津摩様を一方的に慕う気持ちになっているのね。

まあ敦賀さんも自分だけバレンタインにチョコを貰えなかったと思っていたのだから、(ゼリーをもらってこの失望がいきなり歓喜にヒートアップしすぎて、尚への対抗意識もあって、頬チューになったけど)これも2人お似合いな設定。

(ACT.242) 希望の綱
紅葉の再オーディションの日で、例のラブミー部員が紅葉争奪戦に加わるとの事なので、わたしは現場に偵察に潜入して来ようかと思います、とのお世話係の言葉に車椅子の上で手をギュッと握る高園寺さん。

オーディション会場の撮影所は有力な映画会社数社が共同・総力上げてつくったもので、辺境の地ではあるけれど宿泊施設も完備で、生活する上で困らない施設も揃っていて一つの街のようなエリアもあり、そこも撮影に使われると。社さんはキョーコと奏江を送ってきてくれた。

紅葉のオーディション受験者待機室に社さんも同行する。「先にちょっと今回のオーディションの顔ぶれを参考までに見ておこうかと思って、俺の知ってる顔が居るなら対策と心構えができるだろう」と。10人ほどの先客はキョーコの顔を見ても全く誰だか理解できないようだ。黒髪の森住仁子を見て、時代劇なのだから自分も髪黒く染めてくれば良かったと気づくキョーコ。この髪の色不利ですよねというキョーコににっこり笑う社さん。

社さんに気づく仁子のマネージャー、仁子は社さんに声をかける。「森住さんなの?」びっくりしたように装う。「記憶してる印象と違ってたから名前言ってくれるまで誰かわかんなかったよ」という社さんに驚くキョーコ。先ほど森住仁子を教えてくれたのに。

仁子のマネージャーに「あなたどこかで見てる気がするんだけどどこだったかしら思い出せないわ。失礼だけど名前を聞いても構わないかしら」といわれて「京子と申します。LEM所属です。」と聞いてびっくりする他の応募者。その反応に驚いて、「いままでどういったお仕事をこなして来たのか伺っても」といいかけたところで入ってきた呉崎プロデューサーに、他の落ち着いたダークブラウンの髪の女性2人と共に肩を叩かれ、もう帰ってもらって構いません。と引導をわたされる。絶望するキョーコににっこり笑う社さん。

キョーコちゃんのマネージャーやってる社さんってすごくカッコいい。蓮は最初からできあがっているスター性のある役者だったのに対して、キョーコはまだこれから育てる余地のある女優だから、マネージャーとして育てがいのある新鮮な素材だったんだろうな。

キョーコが一番浮いた明るい茶髪で、事前調査を怠るはずの無い社さん(と社長さんもグルになってるのは後にでてくるけど)なのにキョーコをあえてこの髪のまま行かせたのは、呉崎プロデューサーが拒否するであろうタレント部所属のままにしたのと同じ理由で、呉崎プロデューサーに逆インパクトを与えるため?しかしここでの社さん、敦賀さんより役者!

いずれにせよ、茶髪とかどうにもなる外見で、役ができてないと判断する呉崎プロデューサーはおかしい。別の映画やドラマの撮影中にオーディション受けることも多いのに。

2022年9月14日水曜日

スキップ・ビート!39

(2016年9月20日発売)
(ACT.231 GROUND CALL)
10分かけてシャワーを浴びる冴菜さん。その間御園井さんはフロッピーディスクにいくらでも接触できる。その後、御園井さんが自動販売機に飲み物を買いに行ったあいだに、冴菜さんはフロッピーディスクをチェックするが、今度は逆転していない。触れてないのは既にデータを盗んでいるからという可能性もあるが、あの優しさも笑顔も全部嘘だなんて信じたくない冴菜さん。

戻ってきた御園井さんの携帯のバイブが鳴ると、顔が険しくなる。突然用事ができたといい帰る御園井さん、冴菜さんを振り返り「ごめんな」といって消えていったのが最後だった。改めて冴菜さんがフロッピーディスクを調べると偽物で空フロッピーディスクだった。

そもそも冴菜さん、重要資料を持ち出すのがまずいでしょうが。確かに仕事が終わらなくて、表に出したら大問題になるような個人情報を、持ち出して家で仕事をした経験、私にもあるけれど、弁護士さんの扱う情報は、企業秘密や個人情報でも特に重要なものも多いし。

そしてどう考えても、今まで2回フロッピーディスクが逆さまに入れられていて十分怪しいのに、まだ自宅に持ち出し禁止のはずの重要情報を持って帰るのは、あまりにも非常識。御園井さんを信じるかどうかの問題じゃなくて、たとえ恋人でも夫婦でも、仕事上の機密情報を晒してはいけないし、相手が信用できるかどうか賭けをするなど、問題外。

御園井さんもかなり詰めが甘いようだけど、冴菜さんがほんとうに自分を信じているから心が揺れたのかな。将来キョーコの父として現れるのだろうか。今頃家庭を持っていて、キョーコの異母兄弟がいたりして。キョーコも冴菜さんも許さないで欲しい。いや御園井さんがいないとこの物語、始まらないのだけど。

そして御園井一志という男はその存在ごと消えた。携帯は電源が切られていて翌朝には解約されていた。彼から聞いていたアルバイト先にもそんな人物を雇った記録はなかった。藤道さんの一族は代々警察関係の職務に就いている人が多く、身内のコネで照合してくれるのだが、冴菜さんの部屋には指紋も髪の毛も彼の私物もなかった。

しかし冴菜さんとSexもする関係だったのに指紋も髪の毛も残さないというのは、最後の日の冴菜さんがシャワーを浴びている10分間に、あと片付けもしたのかな。すごいプロ。いったい御園井さんって何者?将来あかされるのかな。キョーコも冴菜さんも許さないで欲しい。しかし、そこまで用意周到なのに避妊しなかったの?キョーコこそ重要な証拠なのに。

盗まれたのは5年闘ってきた裁判の明暗を分ける重要な情報だから、表立った騒ぎにすることは許されなかった。当時冴菜さんや藤道さんや片桐先生の所属していた業界最大手の『アスカム』という弁護士グループの、片桐先生は京都支部の要だったが、その上層部東京本部から、事務所内からの情報漏洩である事は何があっても隠蔽する様命令があった。この裁判にケリをつけられれば東京本部に栄転するはずだった片桐先生の昇進もなくなり、総ての責任を片桐先生はとらされた。

状況を見ると、恋をしたとか、騙されたとかを差し引いても、冴菜さんにかなりの落ち度がある。もちろん盗んでもいいわけじゃないけど。本人もわかっているので御園井さんを恨んではいないと言っているけど、自分の浅はかさや愚かさへの嫌悪感をキョーコに向けてきたわけで、これは絶対に許されない。キョーコこそこの件に無関係なのに。

今日母と会うことになったというキョーコの伝言を、CM撮影中の上杉虎徹さん(飛鷹君のお祖父さん)の屋敷の弓道場で聞いて、頭を抱える敦賀さんと社さん。自分を鼓舞するための『敦賀袋小路計画』だったのだが。キョーコちゃん尚のPVで演技に行き詰まったときも、繋がらなかったけど、敦賀さんにアドバイスをもとめていたっけ(8巻ACT43)。通常なら敦賀さんに個人的なことで電話しないけど、やはりいざというときに思い浮かべるのは敦賀さん。で、敦賀さんがメッセージを聞いただけでなくかけ直そうとして(8巻ACT44)社さんを驚かせたけど、まだ二人が微妙な関係だったあの頃から敦賀さんにとってキョーコは気になる存在ではあった。

(ACT.232 ENDLESS GIVE UP)
虎徹家に殺陣を習いに来た奏江が、頭を抱える敦賀さんと社さんを見かけて、キョーコと母親の件だろうか、でもなんで敦賀さんが知っているのか疑問に思う。敦賀さんにこんな顔をさせられるのはキョーコしかいない。さすが琴南さん、よく見ている。でも親友に自分が聞けなかったことを敦賀さんが知っているかもと思って、敦賀さんの方に嫉妬してる琴南さん、最高に好き。😍

敦賀さんをガン見する琴南さんを見て、奏江もああいう男が好きなのかと勘違いする飛鷹君。いや琴南さんもラブミー部員だよ、飛鷹君。

キョーコが心配だけど電話が繋がらないのでSMSを送る敦賀さん。「文字じゃつまらないからメールは使わない主義」は頑強な主義思想でもない。せいぜい麩菓子レベルと社さんに答える。

回想
冴菜さんがキョーコを身籠もっていることに気づいたのは妊娠5ヶ月を過ぎた時期で、法律で中絶が許されるボーダーラインが迫っていた。

そこで言葉を躊躇う冴菜さんだが、キョーコに「どうぞありのまま仰って下さい。私は大丈夫ですから」と励まされて「お腹の中のキョーコは自分の汚点の象徴としか思えなかった。大切に育んでいく気になんて到底なれなかった。この手で触れる事も愛していけるという仄かな現実ですらも私には持てる自信が無かった」という。引き受けてくれる医師に辿り着く前に法的タイムリミットを迎えてしまったという。そしてお腹の中のあなたもろとも滅んでつけるケジメの仕方を選んでしまった、と。

キョーコを自分の汚点の象徴と思うのなら生まない方が良かったと思う。あるいは産まれたらすぐ養子に出した方が良かったのでは。これはネグレクトもいいところ。親子だからって、合わないことも当然あるのだし。まあキョーコに励まされたからと言え、正直に伝えられる冴菜さん、まだキョーコとの関係の修復の可能性あり。何もわからないまま嫌われるより、キョーコにとってはよかった。

途中で仕事に呼ばれる冴菜さん。キョーコは冴菜さんが呼ばれた後、呼びに来た藤道さんと
「消してしまいたいと思う程愚かで浅はかになり下がる様な不様な恋を私も経験した事があります。(経験も相手の男も)あの人と同列にするのはおこがましい程小っぽけでハナクソみたいなものですが」と話す。

滅びる(すなわちお腹の子とともに自殺?)はずだった冴菜さんもキョーコも奇跡的に無事で、片桐先生が現在の事務所の前身になる事務所をを立ち上げて「本気で私に詫びる気があるのなら私のために馬車馬になって働け!」と冴菜さんを引っ張ったという。

いや、片桐先生素晴らしい。部下の新人弁護士のおかげで出世を棒に振って職場もやめざるを得なかったのに、そのドジをした新人弁護士の娘を自分の妹夫婦に預けて、今では立派な弁護士事務所をたて、今ではメディアでも「笑いも取れる弁護士」として活躍って。

「君は感性が柔軟だ。幼い君からしてみれば最上の取って来た態度は理由がわからなくてさぞ理不尽だったことだろう。あいつの頭から君があいつの一部か分身かの様な思い込みが消えない限りその境遇は続いたはずだから。わかってやって欲しいとは言ったが決して容易いことじゃない。」という藤道さんに、「少し前の私なら無理だったかも」とキョーコ。

藤道さんはずっと冴菜さんを見てきたから、冴菜さん寄りなのはわかるけど、17歳のキョーコには「わかってやって欲しい」というのはあまりにも酷。

「なら最上を許せる?」といったところで冴菜さんが戻ってくる。「私子供の頃、あの人にほめてもらえるのが夢だったんです。よく頑張ったわねって頭をなでてもらうのが。あの人の望む結果を出し続ければいつか叶うと思っていた。必ずいつかやさしく微笑みかけてくれるって。今日私の知らないあの人の事情を聞いて、私やっぱりもう諦めます『あなたに愛されたいと思うこと諦める事を』諦めます。」

あと3年で成人だし、そこまで母親にこだわらなくていいし、許さなくていいけど、冴菜さんも自分を冷静に見つめてキョーコにすべてを話せるというのは、救われるところがある。大部分の毒親は自分を正当化すると思う。冴菜さんの性格からして、今後もべたべたした関係にはならないだろうけど、遠くから相手の幸せを祈る穏やかな関係になれるといいな。

冴菜さんの子供はいません発言も、ローリィ社長に何をやらせてもかまわないけれど、親子だと世間に知られないようにしてくれるならといったのも、自分の手を離れて羽ばたくのがキョーコのためだと思ったからかな。キョーコを自分とは別の一人の人間なんだと認めつつ在るのだと信じたい。まあそういう意味でも大人になったキョーコにとっては過干渉すぎる親よりマシかも知れない。

「私に子供はいません」発言もう一つの解釈。冴菜さん、テレビにでるのは不本意だったと思うけど、本名で出てるから、どこかで御園井さんが見ていることを危惧しているとか。御園井さんは自分と冴菜さんの子供がいることを知らないと思うけど、もしキョーコの存在を知ったらどう思うだろう。いや通常は芸名の『京子』だけしか表示されないから、通常気が付かないと思うけど。

遙か昔3巻ACT.17の養成所の実技テスト「天使のことだま」で、「お父様だって人間よ。我を忘れて取り乱せば本気で人を傷つけてしまう事もあるはずよ?」「わかるでしょう?親だって本気で実の子を憎めるの」といってキョーコの気持ちはこの冴菜さんの態度から来ているのかな。あれはでも結局本気で父親に憎まれてないことを妹に悟らるためだからそれも心のどこかでキョーコは感じていたのかも。切ないけれど。あれは、うっかり口にした言葉から、まだこれから演技を習いたいというところなのに自分で演じることになって、敦賀蓮ならどう演じるだろうかと思ったけど、役柄が女の人なら問題外と思ったのだよね。

(ACT.233 CLEAR MIST)
「これまで何度も期待しては否定され続けて来て、ガッカリするだけだからもうやめようってもう期待はしないって自分に言い聞かせてきた。なのにやっぱり期待してしまう。あなたの些細な一言にもしかして・・・って性懲りも無く淡い期待が芽生えるのを止められない。だったら私はもう自分の気持ちに抵抗しない。私にはあなたと本気で嫌いになれない。あなたがどんなに私のことを嫌いでも。」「今はまだ主役を引き立てる役柄しかもらえないけど、誰もが認める日本を代表する女優になってみせる。この身体にあなたの血が流れている事をあなたが誇りに思えるようなすごい女優になってみせるから、その時は頭をなでてもらっていいですか?」頭を近づけたキョーコの耳元でそっと「あなたがそれを求めるのなら」と冴菜さん。

帰って行くキョーコを見送りながら「嘘でも『あなたを嫌いな訳じゃない』って言ってあげれば良かったのに」という藤道さんに「嘘はつきたく在りません(あの子に触れると過去の自分に逆戻りしてしまいそうで嫌悪と恐怖で拒絶し続けた。長い月日の流れの中で可愛いと思う瞬間もありましたけれど私には普通の親の様に愛せる自信は・・・)」「君に視界を濁らせるその呪われた霧はいつか必ず晴れる。彼女が君には到底まねできない様な何かを成し遂げた時に。或いは彼女の言う目標が果たされるのを待つまでもなく霧は晴れる」と(「私にできた事がどうしてあんたにできないの」とキョーコに当たった日々を思い出す冴菜さん)

しかし冴菜さんどこかでキョーコに謝って欲しい。あとここまで自分をわかっていながら自分を変える気はないのね。未だに人間としてはキョーコより未熟。母親が子供から無償の愛をもらうなんて。子供から見たら、どんな親でもなかなか嫌いにはなれないものだよ。藤道さんも鰐顔先生もどれだけ冴菜さんを支えてくれたことか。社長さんの言うとおりラブミー部で少し鍛え直した方がいい。

キョーコのメールボックスには、留守録のメッセージを聞いた敦賀さんから心配するショートメールが入っていた。

琴南さんからも事務所部室で待つというメッセージがあったので、事務所に寄ると、椹さんから、この3日ほど匿名でラブミー部への変な仕事依頼の電話があったという。オーディションで勝ち取った『くの一』役を、後日事故を装い怪我をさせられもう二度と自分の脚では立てない身体にされて、卑怯な手段で負け犬に奪われた怨みを晴らして欲しいと。

(ACT.234 泥中の蓮)
どうもその役は、内容を聞くと社長がモー子さんに押しつけた「泥中の蓮」の登場人物のようだ。

部室に来た琴南さんは元気いっぱいのキョーコを見て、用が済んだという。敦賀さんの珍百景はこのことは何の関係もない可能性が高いと、心の中で思う。

改めて「泥中の蓮」の『くの一、紅葉』のオーディションの話を琴南さんに訊いてみると、確かに一度決まったはずのくの一役のオーディションをやり直すことになったという。普通は決まってた人が何かの事情で出られなくなったんならオーディションで次点候補だった人が選ばれるはずなのにオーディションのやり直しをするのは松島主任も不思議がってたという。そういえば琴南さんが『千鳥』役のオーディションを受けた時も力ずくで奪う系のひどいのがいた。という。結局落ちたけれど。

琴南さんもまだこれから2次審査だけれど既に役作りを初めて、時代劇の重鎮で飛鷹君のお祖父さん上杉虎徹さんに殺陣の指導をしてもらっているという。

それで『千鳥』のオーディションに落ちた力ずく系女子が『紅葉』のオーディションにも乗り込んで行ってたとしたら、さっきの物騒な恨み節話も全くのデタラメじゃないかもしれないと言い始めた琴南だが、キョーコは琴南さんとの共演を目指して、紅葉のオーディションを受ける気になっている。俳優部で松島主任に京子ちゃん所属がタレント部だから情報がそっちには回らなかったんだなと言われて、どうしてタレント部なら情報が回らないんだろうと思うキョーコ。

キョーコ、LEMに入るときは何をやりたいかも全く考えてなかったからタレント部に入ったけど、女優になりたいとはっきり目標が定まったのだから、俳優部に移籍していいのでは。

原作を琴南さんから借りるために一緒に帰るキョーコに、琴南さんは、今日敦賀さんを見かけた話をする。何の撮影だったかは知らないけれどものすごい苦悩してる様子だったという。文字通り頭抱えちゃっててらしくないとこ見たと思ったと。仕事上のトラブルかな・・とは思うけどといいながら、ふと思い出して「アンタ、敦賀さんに母親関係の話ってした事あるの?」と聞くが一度も無いと言われて、やっぱりこの子の事が原因ってわけじゃないと思う。
モー子さん正解だったんだけどね。

一方キョーコは、敦賀さんがまた自分の闇に捕らわれているのでは心配するが、いつもこっそり一人で解決しようとしているを知っているキョーコは聞けない。明日の夜またグアムに発ってしまうのに、キョーコも明日はBOX"R"の全員揃って撮る最後の撮影だ。敦賀さんは私を簡単に元気にしてくれるのにと、もどかしく思いながらだるまやの看板まで手伝いをしたあと暖簾をしまおうとして落としたところへ助けにくる敦賀さんと社さん。

この後ろから突然「ごきげんよう最上さん」とアップで登場する敦賀さん、素敵すぎてキョーコは心臓がとびだしそうだったろうな。

(ACT.235 SAKURA メッセンジャー)
お騒がせして誠に申し訳ございませんでした・・・と点々だらけのメールはまるで心配してくれと言わんばかりだよなと敦賀さん。そのメールを送ったときはむしろ清々しいしい気分で・・というと「それならそれで何故清々しい顔文字の一つも入れない!!」と叱られる。(コイツは何て尤もらしい送らせようとしてるんだ送らせようとしてるんだ、貴島のタイヤキメールにキレてたもんな。なんか俺ってその流れに持っていくために上手く利用されてない?)と内心突っ込む社さん。

「私の凹み元が母だと気づいて様子を見に来て下さったんですか?」とキョーコ。以前代マネしてくれた時の『編入試験』に対する君の様子でご両親が随分厳しい人なのかなっていう印象が強かったから」「清々しい気分だったって事はお母さんとの関係に何か良い兆しが・・・?」「はいっ」

社さんと蓮にオーディションを受ける話をすると、もともと泥中の蓮の『浪人』の役は蓮に話が来ていたので、ストーリーを知っている社さん。

BJのクランクアップより泥中の蓮のクランクインの方が早いスケジュールだったしBJは最後は海外だし断ったという。でもオーディションとか言ってるって事はまだ撮影始まってないんだなと。

隣の蓮を見るとなんか落胆目をしているように見えるし、と落ち込む社さんに、何かトラブルがあったらしく撮影に入れないのもそれもあるのじゃないかとキョーコ。

そして『紅葉』は琴南さんが演る予定の『千鳥』を守るのではなく、どちらかというと憎しみの対象で、主人公を挟んで『紅葉』と『千鳥』は恋のライバルだと社さんに教わって埴輪になるキョーコ。

そこに大将とおかみさんが来る。

帰りの車で「もし『紅葉』を本当にゲットできたとしたらキョーコちゃん公で初めて誰かに恋をする役を演るんだな」という社さんに、似非紳士スマイルの蓮。社さん、わざとやってる?

TBMへいくと祥子さんにばったり出逢う。尚の「余計な事は一切考えるな。お前はお前の決めた未来だけを貫き通せ」という言葉を思い出し、お礼がしたいと尚の控え室に祥子さんといく。が、尚の顔を見たキョーコのリアクションはいきなりスネへの蹴り。

(ACT.236 呼応野望(ハウリングアンビション))
京都の尚の母と電話で話すと「ウチの子がキョーコちゃんをまきこんで家出た事は詳しい事情なんか訊かんでもわかりきってる事なんや。何度訊いても『キョーコちゃんとなんてもう会うてない。居場所なんか知らん』で済ませるなんて無責任すぎる。ほんまの事言うたら今月キョーコちゃんに会えるなら連れて帰る算段つけようと思てたんや。でも冴菜さんからキョーコちゃんの好きにさせてやって欲しいて頼まれてしもたさかいに『なりたいものがあるみたいでそれには東京に居る方が便利が良いみたいだから』て。

これが一年前ならどんなにアイツが憎くても女将さん相手に我を通して東京に留まっていたとは思えない。復讐とは別に小さく芽吹いたお芝居への感情も不純すぎたし(蓮を私の演技でアタフタさせたいと)アイツ、もしかしてどこかで守ってるつもりはあったのかな。ようやく見つけた自分を活かせる私の未来を。

母親に愛されず、尚の家では遠慮と気遣いばかりで、自分のしたいことを全く考える余裕がないキョーコに、『これが自分』と言える個性を持てというのはわかるけど、それが伝わるように尚はキョーコに言ってない。まあ尚自身も意識してないのかもしれないけど。結果的にキョーコが京都の家から解放されるように尚はしているんだけどね。で空っぽの人間が嫌いなくせに、いざキョーコが目標を見つけて羽ばたけば新しい人間関係もできるのに、独占欲を見せる尚はちょっとね。まあいいところもあるから、二人がもう少し穏やかな兄妹のような関係になれる日がくるといいな。

しかし尚、40万円の靴が買えるなら、東京に来たときに生活費やマンション代キョーコに返せ!

女将さんと話して、あの人(冴菜さん)とも会って話し、二人の理解は得られたので京都には帰らない。自分の野望を果たすまで。(アンタが嘘をつき続けていなければこんな事を言える私は居なかったけど)

グッジョッ👌ジョブといってやってもいいかと思ったけど、乙女の唇に事項も事故もありゃしないと尚の40万円の靴を掘削するキョーコ。

こうなるところが幼馴染みの気安さ。で、蓮がキレる原因でもあるんだけどね。

私はここから高みへ昇る。次へのステップも決めてある。今に上から旋毛を踏んであげるから。というキョーコに、「お前の言う次のステップってのを上がり切るその前に俺はまた一足飛びにスケールのでかい更なるステージへ・・・」祥子さんに挨拶して出て行くキョーコ。

雑誌のあらゆるジャンルの変わり種をのせるコーナーのインタビューで、天宮さんと共にラブミー部員へのインタビューに応じるキョーコ。「私の野望はどんな役でもこなせてしまう最高で最強の日本を代表する一流女優になる事です!!」と。

キョーコはオーディションに備えて、モー子さん→飛鷹君を通じて虎徹さんに殺陣を指導してもらえるよう頼む。

(番外編 あの時の彼 ~MGHと14年目の親心~)
幼いキョーコと会った藤道さんは「藤道奨(しょう)」と自己紹介する。しょうちゃんといっしょだとキラキラしたキョーコだが、ほんとうは(すすむ)と読むようだ。嘘だからとにっこりする藤道さん。「どこの馬の骨とも知らない男の血を引いてる君が憎らしくて、本名なんか教えてやるかと思ったけれど、君の身体に流れる血の半分は最上のものだと思うと『格好良い』と思われたいと思ってしまった」「僕は複雑によじれて絡みまくった知恵の輪みたいな、こ難しい女性がタイプでね」と。

先ほど藤道氏の紹介で面会した鰐顔先生も「コイツはエリート揃いの身内に司法試験は最度でクリアしないと一族追放と言われてわざと2度失敗してみせるマゾで下衆な変態だからあまり懐いちゃダメだよ」といっていた。
それって藤道さん、ものすごく屈折した冴菜さんへの愛。冴菜さんの心に余裕ができればキョーコちゃんへの態度もかわるから、素直に冴菜さんへの好意を表してくれれば少しは状況が改善したのに。

あと司法試験をわざと失敗するって、頭のいい人の嫌味な行動としか思えない。

2022年9月9日金曜日

スキップ・ビート!38

(2016年3月18日発売)
(ACT.225 POP CHORD)
キョーコが心配で付き人とともに戻ってきた尚は、緑が多そうな所にいるだろうと(さすがキョーコをよく知ってる尚、なかなかいいカンしている)、キョーコと蓮の居る路地に歩いて行こうとする。覆面サングラスの男が突然現れて、ストーカーまがいの事をしてくる。尚は体重64.8kg ヒップ87cm 身長181cm。
しかしルトさん他社の歌手なのに、ショータローの身体データや祥子さんと同棲していることまで知ってるの?これは社長さんがショータローに興味を持ったからかな。

恥も外聞もなく全力で色々解き放ってすがりついて号泣したらコーンではなく敦賀さんだと気が付いて動揺するキョーコに、蓮は何度も謝る。「コーンがここに居てくれたらもしかして何か相談したい事でもあった?話を聞くくらいなら俺にもできると思うんだけど。何か辛い事があったんだろう?弱音を吐くのとクールダウンは違うんだよ。たとえ不条理な目に遭ってもそれへの憤りすら燃料にして自力で立ち上がるのが君なのに、それができないなら泣いてたんじゃないのか?だったら自力で消化しきれない鉛みたいな感情は外に吐き出すべきだ。」と説得するが、話そうとしないキョーコに俺がコーンだったらここまで口が重くないはずだよなと思い、(「どうして俺は禿げに恐れをなしておかなかったんだ。あの時ミス・ウッズの杞憂に影響されて髪をクオンのままにしておけば、すぐにでも昔みたいに話を聞いてあげる事ができたのに」ということろが抱腹絶倒!私がスキップ・ビート!が好きなのは、たぶん大部分のファンと違って、冴菜さんの存在があるからで、冴菜さんのキョーコを愛してないわけじゃないけど優しくできない不器用さは、決して認めないし、キョーコも許さないでいいと思うけど、毒親崩壊家庭育ちの私にとって、すごく理解できてそんな育ちのキョーコに共鳴するから。

毒親や家族との軋轢を扱った漫画はたくさんあるけど、シリアスで読んだ後どよんとした気分になるのは御免被りたい。スキップ・ビート!はシリアスな中にこういった抱腹絶倒な部分がいいバランスで入っている。キョーコがこういう育ちだからこそ、成長してこういった過去も糧にして、女優として世界に羽ばたき、自分を卑下する事なく蓮と結ばれて、クーやジュリエナに思いきり甘えて欲しい。

しかし今回のグアム滞在そんなに長くないから、日本出国の時、敦賀蓮カラーからコーンの金髪→カインヒールの髪→コーンの金髪→敦賀蓮カラーになって、更に日本滞在も3日ほどだからすぐにコーンの金髪→カインヒール髪になるのよね。まあミス・ウッズが頭皮の心配をしたくなるのもわかる。

「思いっきり泣いたのでスッキリしちゃったみたいです。」というキョーコに、泣いた後、河原の石の目玉焼きハンバーグごっこで驚異の復活をとげていた子供のキョーコを思い出すが、同時に「だいたいは不・・アイツの話をふったらい一瞬で・・」と思い出したくない奴の事も思い出す蓮。

どうしてこんな所にいらっしゃるんですかというキョーコに、グアムでの食事を摂る証拠動画を見せに来たという蓮。わざわざこんな時間にと言われて、ウォーキングを教えろと夜中に家の前で待ち伏せしてた君からそんな風にいわれるなんてといいながら、「この日本滞在中今夜しか時間が取れそうにないみたいでね」(といいながら翌日の夜もあらわれる敦賀さん)まぁ別に本当は何も今夜じゃなくても良かったんだけど、とにかく君に早く逢いたくて、と思わず本音をつぶやくが、頬を染めて見つめるキョーコに気が付いて、ものすごく頑張ったから早く見てくれると食事動画を見せる。思わず自分の都合のいい様に聞き取ってしまう所だった。と思うキョーコだけれど、目の前に居るこの男性が”敦賀蓮”だとわかったら、あんなに重苦しかった胸の痛みも後ろ向きな感情もいつの間にか消えていたのに気が付くキョーコ。

照れずに君が心配できたといえばいいのにな~~~~社長さんから母親の事を聞いたのは隠す必要ないのに。で、敦賀さんコーンでなくても十分キョーコを元気づけられてるよ。

一人で冴菜さんとの会話を思い出すローリィ社長。「あの子を可愛いと思った事なんて一度も無いと言えば嘘になります。だけど無理なんです。私にはあの子を愛せる自信が無い」「ラブミー部に入れられないだろうか」と思うローリィ社長。

まあ、まあ不器用なりに冴菜さん自分をわかってるんだろうな。キョーコと二人で向き合ったら傷つけてばかりになってしまうと。

ルトさんからなにやら報告を受けてるのは尚があらわれたことかな。

すごく元気をもらったのでこの勢いを借りて私、今回の凹み元に正面きって体あたりしてみようかと思います。という。

(ACT.226 MARBLE FLAG)
表紙の注射器を構えた敦賀医師、サディストっぽくて萌え。
母親に奇襲をかけるらしいと、翌朝社長に電話で報告する蓮。朝食中だったマリアちゃんは「蓮様の方からお電話して来てね♡」と伝言してそっと席を外す。

「お前が必死な形相で食物を接種する(接種・・・摂取の誤植では?)ようすは弱った人間の心に大いなる生きる勇気と気力を与えるのかもしれない」という解釈の社さん。「一種の御守みたいなもんさ。コレがあるから何があっても大丈夫って」。キョーコに∞のラブミースタンプを押したことを思い出す。「敦賀さんからいただくから意味があるんです」と満面の笑顔でいるキョーコに「あなたはできる。絶対勝てる。そう惚れた女に魔法をかけてもらうだけ」といったリックを思い出す。しかし蓮は「成功者のサインなど御利益求めて無駄にほしがる人も居る。御利益と魔法って違いますよね」とDr.学習能力に鎮静剤を打たれて願望から覚醒する。

敦賀さんからもらった∞のラブミースタンプ、プリンセス・ローザの首飾り、コーンの石をもって戦闘服ラブミーツナギでいくはずだったのが、学校からアポをとるつもりで仲介者に電話したら(公衆電話!)冴菜さんは午後3時から予定空いちゃったみたいだからといわれ、勢いで会った方が良いんじゃないかなと言われて、午後から早引きして高校の制服のまま喫茶店で待つキョーコ。

やってきたのは冴菜さんの同僚弁護士藤道さん。キョーコは3、4歳の頃一、二回あっただけだ。冴菜さんの事情は知っているようだが、同僚の人生最大の地雷劇といわれて、やはり父親に原因があるのだと、尚に捨てられた自分と同じ思い、あるいはそれ以上の経験をしたのかと想像して「やっぱりやめておきます。訊きたい事無くなってしまったので」と車の中で藤道さんにいうが、もうウィリデ法律事務所について目の前を歩いて行く冴菜さんに、藤道さんは呼びかける。「確かに戦う覚悟で心の準備も整えていた。でもそれはずっと目を逸らしてきた疑問に答えをもらいたいと思ったから。人生で最大だというその傷跡に刃物をつき立てて無理矢理抉り出すのが目的な訳じゃない。私はこの人を傷つけるために来たんじゃないんだ」と思いながら車から降りるキョーコ。

この期に及んでも冴菜さんを傷つけたくないというキョーコ、そこまで人の気持ちを思いやる姿に心が痛む。

(ACT.227 SPIRA+ ECHO)
車から降りたって、藤道さんの車越しに対面するキョーコと冴菜さん。二人同時に喋り始める。二人のセリフも吹き出しの中でダブってるのが笑える。聞き返すと冴菜さんはふいっと横を向く。(キョーコがいったのは「あなたには感謝してます。」)

冴菜さんの言葉を聞き取った藤道さんは「今、君が着てる制服は衣装なのか?って」と伝える。「衣装の要る仕事って、演劇か何かやってるのかな?」と言われて、「私は芸能・・」といいかけて冴菜さんの眉間のしわに気が付く。端役で他人から嫌われるしかないイジメ役、ラブミー部員というふざけたアレ・・と冴菜さんの声なき声を聞き取って、芸能関係の仕事につきたくて裏方スタッフからエキストラまでやらせてもらっていて、海外ロケは極秘任務なので代わりは立てられなかったと藤道さんに伝えて怪しまれる。

「高校通ってたの ちゃんと」といわれて、「学費の事なら事務所の社長が助けてくれてます。もちろん少しずつですが返していけてはいますので。」「あの男性が」という冴菜の表情にもしかして心配してくれた?とほっこりしたところで「学歴が中学止まりだなんて怒りで目の前が真っ赤に染まり歪んで何度不法を承知で籍を抜いてしまえたらと思ったか知れない。後先も考えず男にくっついて家出するなんて頭が悪いにも程がある。もう紙の上ですら関係していたくないレベル」それで『子供はいない』発言と思うキョーコ。さ・・・冴菜さんそれはあまりにも自分勝手な。キョーコが尚に依存するのも冴菜さんへの満たされない気持ちもあるし、いずれにせよ、あなたがそんなこと考えられる立場じゃない。「情けなくてイライラする。そんな所だけ似るなんて」ハッとするキョーコ。だから????と言いたい。

藤道さんが宥めて部屋に二人を連れて行く。藤道さんがキョーコは家業を継ぐのが嫌で逃げ出した大好きな幼馴染みにホイホイついてって結局別れて人生を棒に振ったことを知っていることに、不思議に思うキョーコだが、キョーコちゃんからの手紙で荒れている冴菜さんを酒に誘って口を割ったという。「ロクでもない事しかしでかさないバカな娘とはすぐにでも縁を切ってしまいたいのにプライドと職業柄がそれを許さない。出口の見つからないジレンマに押し潰されて?」というキョーコに「それは全く否定しないけれど、心底縁を切りたいと見限ってる相手のやる事にあいつならいちいち腹は立てないよ」と。先ほどの高校へ行けてないと心配していたらしい言動を思い出すが、だけどやっぱりもう期待はしないと思うキョーコ。
冴菜さん、お酒が弱いのか。キョーコはどうだろう。
藤道さん、気が利いて人の気持ちがわかる、優秀な弁護士なんだろうな。

冴菜さんとキョーコは二人だけになって、また同時にしゃべり出す。

「あなた松君とはいつからそういう仲だったの」と駆け落ちしていたと思う冴菜さんに家政婦代わりに恋愛関係ですらないことを思わず勢いよくしゃべって更に呆れられる。

「まぁ何にせよ最悪の状況を避けられてるだけでも救いだと思える。子供なんてできていたら目も当てられない」といったところで突然黙り込んだ冴菜さんに、「純粋に若気の至りで取り返しのつかない事にならなくて良かったと言った事が、結果私の存在を蔑む事になっちゃってマズイ事言っちゃったとかって焦ってる?」と冴菜さんを見つめるキョーコ。

子供の頃から瞬時に読み取るようにしていた眉間のシワは、怒りと『あんたが憎い』の信号だとずっと思っていたけれど・・・藤道さんの「もう十分知ってるだろう?キョーコちゃんだってあいつが難解で困難な性格だって事は」という言葉が蘇る。

「私、今の自分がすごく好きなんです。あなたから見れば嫌われ役しかやらせてもらえない私はみっともないかもしれないけれど、この仕事に出逢って自分の狭い世界が広がった。経験も人との繋がりも総てが私に生命力をくれる。京都に居た頃の私なら間違ってもやってみようなんて思わなかったこの仕事に出逢わせてもらえた総ての出来事に感謝しています。」「それは松君にも感謝していると言ってるかの様に聞こえるけれど」「もちろん一番に感謝しているのはあなたにですけど」「私を産んでくれてありがとうございます」

いやキョーコちゃん、どんな理由があっても冴菜さんの態度は理不尽過ぎる。いい人過ぎて涙が出てくる。結果的に女優である現在へ、蓮を思う現在へつながっているけど、本来ならもっと幸せな子供時代を送れたはず。

母娘とともに、似たような性格だけど、キョーコにはコーンやだるまやの夫婦や、琴南さんや社長さんや蓮がいた。つまり冴菜さんよりはキョーコは人間関係を築く力はあるのかな。でもこの育ち方で17歳で、つい失言してしまうお母さんに「産んでくれてありがとうございます」って切なくて涙。

(ACT.228 GROUND CALL)
回想 若き日の冴菜さん。一流大学首席入学首席卒業、在学中に司法試験ストレートクリアしたスーパーエリートで、片桐先生の事務所に入って二年で『城生』のプロジェクトにくわえられたのに、ぼーとしていて山口さんという先輩から怒鳴られる。「正直言ってあなたは存在するだけで私に喉の奥から苦い物を込み上げさせる。」(「別に他人を見下した事なんて一度も無いのに」)と心の中で思っていると、「そのつまらなさそうな顔やめてくれる?まるで相手にされてないんだなって傷附くわ」「あなたくらい優秀な人なら安心して私の後を任せられる。私がここに居られるのも後少しなんだからしっかりしてちょうだい」「次の公判で『城生』の案件にケリをつけられれば片桐先生の東京本部への栄転が確定されるはず。私達で片桐先生のサポートをしっかりやっていきましょう」と。

そこに帰ってきた藤道さんに、口紅を変えた(正確にはグロスを)ことを指摘されて、ドキッとする冴菜さん。この状態で今の職場が居心地が良すぎるという冴菜さん。山口さんを「歯に衣着せずに物事をはっきり言いますけれど、逆にそれがいつも本心で向き合ってくれてるってわかるので、安心できるんです。私の様に対人スキルの乏しい人間には。
藤道さん、このころから冴菜さんへのひねくれた愛が見られるけど、もっとストレートに冴菜さんを口説いていたら、冴菜さんも幸せになったのに。冴菜さんが他の男とつきあっているらしいのを察してるのに、揶揄するだけ?

夜、恋人の御園井さんに、今日職場で山口さんに私の様に対人スキルの乏しい人間には今の支部のメンバーみたいに厳しいくらいの本音で接してくれるのがちょうどいいと思っていたのだが、その山口さんに『存在が嫌味』だとズバリ言われ久しぶりに心が折れそうだったという。山口さんは、優秀な人で司法試験を2度目で通過したと聞いた御園井さんは「元々優秀な人間であればある程少しの泥でもついちゃうと本来自分はこうだったはずって理想の姿を目のあたりにすると嫌でも嫉妬心が芽生えてしまう。その証拠に大学3浪、30を過ぎてもまだ司法試験をクリアできない俺なんて冴ちゃんには憧憬は感じても嫉妬心なんて沸き起こりようがないもの」という。眉間にまるで怒っているかのようにしわが寄る冴菜さんに、「今どうフォローしたものかと考えあぐねてる。冴ちゃんは他人に誤解され易いよね。すごくどうでもいい事で悩んでる時も眉間に皺よっちゃうから」「怒ったときは小の字が大きくなって彫刻刀で彫られたみたいに深く刻みこまれていくからすぐわかる」と。

いつの間にかちゃんと『つき合おう』とも言われてないのに一度も男性とつき合ったりした事もなかった自分が御園井さんと3か月でそんな関係になっていた。司法試験の特訓してよといわれて家に出入りしていた。

「私はあなたにお礼を言われる様な事は何もしていない。あなたの母親になろうとした事もない。産まれた瞬間からあなたに触れる事すら拒絶した人間です。(総ての悲劇の原因を何も知らないあなたになすりつけた)」

今のキョーコにはこの言葉は通じるだろうけど、17歳やそこらでそんな気持ちが通じてしまうように、人を思いやる心が溢れているキョーコが逆に可哀想。今頃間違っていたと思われても。

(ACT.229 GROUND CALL)
子供の頃から嫌われている事にも憎まれている事にも覚悟はあった存在を否定された事も乗り越えた。抱きしめてくれた蓮の顔がキョーコの脳裏に浮かぶ。∞をくれたラブミースタンプも。今更何を聞かされても私はもうへし折れない。

「憎んでたから?」というキョーコ。あなたの事を呪われた子だと思った。だけど間違っていた。呪われているのは私の方。「怖かったのよ。あなたを傷つけてしまいそうで」「心を?」「今更でしょう。もうそれは。よく泣きながら私の後を追って来てた」(じゃあ体を!!)と思い当たり愕然とする。総てはそれが最善の道と判断して片桐先生が不破さんを紹介して下さったからよ。あなたが不破さんのお宅に預けられたのは。私からあなたを守るため」
松君のお母さん彌生さんは片桐先生の妹だと。

鰐顔の片桐先生を見ると子供のキョーコは泣き叫んだという。母の法律事務所のホームページで初めて見たと思ったテレビの中の人との過去に何度も会ってたなんて。これも現在の『私』を作った一片。もしかしたら自分の知らない過去の片鱗にはまだ現在の私へと形を変えられないまま放置された一片があるかもしれない。その一片色がつき形を変え、息衝く事ができたなら私の夢の未来図に私の夢の未来図に何か更なる変化をもたらすんじゃ・・・いやこの人の私の出征を語らせるってことは地雷劇だというこの人の過去をほじくり返すってこと・・と悶えるキョーコ。
キョーコは冴菜さんが自分を否定する理由を訊く権利があるよ。そこまで気遣わなくても・

あなた今日は何か私に用があってきたんでしょうと冴菜さんの方から言い出す。あなたにはその権利があるのだから言いたい事でも訊きたい事でもあなたがそれを求めるのなら私は決して拒みません。これまで一度も「母親」らしい事をして来なかった。だからこそ今のあなたからの望みにはでき得る限り応えていく。それが私の当然果たすべきけじめです。ただしあなたも無傷ではいられないかもしれませんよ、と。いやキョーコは既に冴菜さんに子供の頃から傷つけられまくってきたよ。
冴菜さん、理知的な人だし、キョーコを今まで傷つけてきたのも十分わかってるし自分をよくわかってる。だったらもう少し冴菜さんの方から手を伸ばしてくれれば、キョーコは救われたのに。

回想
28歳の冴菜さん。遅くまで弁護士事務所で仕事をする冴菜さんに、おでんの差し入れも持ってきてくれる藤道さん。仕事に熱中すると食事も忘れる冴菜さんは、蓮と似てなくもない。さりげなく、気負いすぎないように、年長の弁護士に頼るようにとアドバイスする藤道さん。

喫茶店で偶然知り合った、弁護士事務所でアルバイトしているという御園井一志さんは、疲れている冴菜さんに、お家デートでご飯をつくってくれる。食べるとなぜか急に眠くなる冴菜さん。意識が飛ぶ直線に御園井さんに頭をなでられた記憶だけが残る。

(ACT.230 GROUND CALL)
眼が覚めるとベッドで、御園井さんは既にいなかった。おかげでゆっくり眠れた冴菜さん。冴菜さんは優秀なのに自己評価が低くて一人でがんばりすぎてしまうところキョーコに似ている。藤道君の中では神経が高ぶって眠れそうにないなら睡眠薬でもこっそり盛っちゃおうか計画が立ってたんだよという先輩弁護士のあてこすりに、昨夜の作用の感覚が睡眠薬を飲んだときと似てたと思う冴菜さんの心に御園井さんへの疑惑が湧く。

昨夜は自宅で資料に目を通しておこうと、禁じられているけれど資料のコピーをを持ち出していた。いったん案件のボックスに戻そうとすると3つのフロッピーのうちNO2が逆さまに入っている。

しばらく会えないと伝えた御園井さん、なぜかお弁当をもってマンションに冴菜さんを訪れる。そのまま帰ってしまってけれどほっこりする冴菜さん。

翌夜も差し入れに来てくれた御園井さんを、思わずマンションに招き入れる。途中でクライアントから電話があってマンションの外で電話をする冴菜さん。そして御園井さんが帰った後またもやNO2のフロッピーが逆に入っている。「製品開発資料の全容が相手方側の手に渡らない限りこちらは負けない」といった片桐先生の言葉が頭をよぎる。製品開発の資料が入っているのがNO2だ。
フロッピーディスクっていつまであったっけ・・・時代を感じる。持ち出して無くしたり、人の手に渡ったら大変なことになる書類やデータを持ち出して私も昔結構やったけど、やはり弁護士さんの扱う情報は機密度が全然違うから、まずいよ、冴菜さん。仕事が終わらないから持ち帰るのは私も同じだから気持ちはわかるけど。
もうこの情報は持ち出さない方がいい。私は利用されてるだけなのかなと悩む冴菜さん。帰るとマンションの前では御園井さんが待っていた。

(番外編 あの時の彼等 丑三つ刻の人間曼荼羅)
深夜、冴菜さんのことで傷ついていたキョーコを元気にした後、ラブミースタンプを押すために、キョーコに招かれてだるまやに顔を出す敦賀さん。

キョーコは尚君とでていったはずなのに。「ま、いいか。誰が相手だったってひとまずはキョーコちゃんを元気にしてくれたみたいだし」と頭を切り替える女将さんだが、大将は不審の目で睨む。蓮に、魚料理を出す大将。「食ってけ」との圧力にびびる蓮。そこに戻ってきたキョーコが、「お魚料理出すのウチのお店のバイト採用試験なんです。お魚を綺麗に食べられる人が大将好きみたいで。食事の仕方って自然と人となりが現れるんですって」いや育ちの良さ、しつけの良さは現れるかも知れないけど、心の中までは測れない。査定されていたのを悟る蓮。

尚君と違って人あたりのいいニヤけたあの笑顔が気に入らん。詐欺師みたいだ。結婚詐欺師・・と窘める女将さんにぶつぶつつぶやく大将。