(第217話 固く閉じた蓋 2022年1号1/1 2021/12/03発売)
スウォンの書斎にいるヨナ姫を四龍が迎えに来た。ほかの龍達がヨナと一緒に出ていったあとジェハはスウォンに「僕らの前では無理した笑顔だったのに君の前では泣くのかな。嫉妬する。」と。「ハクがどこにいるのか教えて」というヨナに答えなかったスウォンがヨナから感じたのは、悲しみと絶望と強い怒りだった。父ユホンの「振り返るな。選んだのならいらない箱は全て捨てろ」という教えだが、スウォンには迷いが生じている。
ユホンは戦略家としてはすばらしかったかもしれないけれど、スウォンは既にユホンを超える指導者になっているから、もっと自分が何をやりたいかを考えていいと思うけど。
4部族すべて揃った。ヨナはスウォンの反対にもかかわらず四龍と共に戦場に行くことにした。「あなたにもしもの事があった時、私はあなたを支える。戦が終われば私達の同盟も終わり。私ハクを捜しに行く」と。集まった4部族の兵達へのヨナ姫と四龍の求心力は大きい。ケイシュクは「最早ヨナ姫と四龍はこの国の象徴。このまま同盟を解消して良いものか」
ケイシュクが信服しているのは、スウォンと言うよりもユホンとその理想とした強い高華国。そういう意味では現状をスウォンよりよく把握してる。
一方重傷で動けないハクは、洪水で南戒の戦死者を埋める墓地に流れ着き、あやうく埋められようとしていたが、ランランという子どもを連れた女性ソノンの「その人は私の夫です。」との言葉に救われ、ソノンの家で介抱される。千樹草を入れた袋はハクの帯からはずれて、なくしてしまった。
(第218話 開戦の角笛 2022年2号1/10 2021/12/20発売)
ジュド将軍率いる、先鋒の空の部族群の精鋭部隊が、金州を南戒の群から辛うじて抑え込んでいた。負傷したグンテは、ジュドをからかいながらも「雷獣を探し出して礼を言わなきゃならんのだ」という。「イル陛下の件を黙認しスウォン陛下に忠誠を誓った自分は、雷獣にとって敵同然なのに、自分と自分の部族を命をかけて守ってくれた。ヨナ姫にも阿波が世話になった。あの二人に返せるものがあるなら返してやりたい」と。
南戒の大軍勢がやってくる。今の疲弊した少数の空の部族軍では相手に出来ない。「雷獣なら留まっただろうか。俺はいつまであの男に勝手な劣等感を抱いているのか 未熟者め」と思うジュド。「無茶をするな撤退しろ」というグンテに、「少しだけ時間を稼ぐ」と、敵の将軍に一騎打ちを挑む。
ユンと緋龍城にいるメイニャンによれば南戒にはメイニャンを含め八人の大将軍がいて、ヴァル、ラーン、ヒッタン将軍は割といい奴だけど、クラウ将軍はチャゴル殿下の義弟で八代将軍一力を持っていてえげつない。
そのクラウ将軍にジュドは一騎打ちを挑んだのだが、クラウ将軍はジュドに従う少数精鋭の兵に投石器を向ける。発射された大石が、空中で一瞬止まった。駆けつけたジェハが空中で止めて、南戒軍に蹴り返す。そして後ろにはスウォン陛下と4部族揃った高華国軍が到着していた。
高華国軍の角笛を耳にしたハクは、ソノンやランランが止めるが、千樹草を入れた巾着袋を捜しに行くという。「なぜ敵国の人間と知ってて俺を助ける?」「生きてる人間をわざわざ殺すのは嫌いです」と。
(第219話 人間兵器 2022年3号1/20 2022/1/4発売)
南戒軍に見つからないように千樹草の巾着袋をソノンやランランと探すハクだが、カジ将軍の巾着をランランが盗もうとして捕まる。都では盗みをしたものは指を切り落とされるといって、子供のかわりに母親の指を切り落とそうとしたカジ将軍の刀の刃をハクが掴む。
その子は俺の捜し物を手伝ってくれただけだといって、その巾着袋はどこで手にいれたか聞くと、墓地に落ちてたという。珍しい植物が入ってて踏まれると大変だから拾ったという。俺が拾ったから俺のものだというカジ将軍に「都じゃ指、切り落とされるんですよね?」とハクは反論。
ソノンが「夫は負傷して休養を頂いております」と庇うが、カジ将軍が刀をふりまわすと、ハクはひらりと避ける。どこの将軍の兵かと聞かれて、唯一知っているラーン将軍の名前を挙げる。ラーン将軍は高華国の一兵卒(ハク)に重傷負わされて暫く死にかけてたので遅れて到着するから自分の隊に入れという。
戦場ではジェハとキジャが投石を受け止め、ジュド達を助けているうちに、火の部族と風の部族が左右から敵の背後に回り込んでいた。
ところが今度はクラウ将軍は投石器で石の代わりに、捕虜となった地の部族の兵士を飛ばしてきた。石と違って蹴り返すことができない。その昔ユホンは真国に首だけ飛ばしてやっていたとクラウ将軍。
真国にしてもそうだけど、残酷な扱いはそのまま自分たちに返ってくる。
キジャとジェハは投石器を壊しに敵陣へ向かう。
(第220話 打っ壊せ 2022年5号2/20 2022/2/4発売 )
「捕虜になっている人達を助けるのに四龍だけでは厳しいので、援護に誰か向かわせて」というヨナに、「今戦略変更は命取りです。四龍さん達にも勝手な行動は控えて頂きたかった」というスウォン。「貴女はイル陛下の思想を継いでいる。ここは戦場ですよ。貴女を連れて来るべきではなかった」と。
そしてスウォンはユホンの思想を受け継いでいる。捕虜の残酷な扱いは自分たちにもはね返ってくることはユホンと同じ事をクラウ将軍がやっているのをみてもわかるのに。
投石器を破壊しに行ったキジャとジェハだが、ジェハは龍の右手を矢に射貫かれ落馬する。跳躍して現場に飛び込んだジェハは投石器を破壊する。だが投石器はまだ5台ある。ジェハはクラウ将軍の軍に囲まれてしまう。クラウ将軍の兵の大男につかまったジェハ。そこをゼノと一緒に駆けつけたシンアが、龍の目の力を開放して炸裂させ兵がバタバタ倒れる。反動で倒れたシンアを抱き起こしたゼノは、クラウ将軍の槍に串刺しにされる。
投石はとまったが、捕虜とキジャが助けた人達は戦場に取り残されているが、スウォンは第二陣第三陣の騎兵に前進を命じる。そこへグンテと阿波の海賊達が、捕虜と四龍達を助けに行ってくれるという。グンテはスウォンに、この戦が終わったら、負傷してもう役に立たないので将軍を降りるという。今はスウォンの戦略のじゃまにならないようにするから、と許しを請う。
(第221話 ただ心が向かう場所 2022年7号3/20 2022/3/4発売)
捕虜と四龍が残る前線にスウォンは予定通り弓隊を動かすという。遠方から弓の雨を降らして、その隙に風と火の部族が脇から回り込むのだ。ハク、ヨナ、グンテがスウォンの頭をよぎるが、戒帝国を制圧できるなら、自分は死をも受け入れると振り切る。
しかしこれでは戒帝国軍の一部に勝つだけだと思うけど。チャゴル殿下は安全なところでのうのうとしているし、8人の将軍の一部しかまだ対峙してないわけだし。あと北戒がどうするかは全くの未知数だし。ここを切り抜けても高華国は安泰ではない。
負傷しながらも立ち直ったキジャは、串刺しから少し回復したゼノが戒軍の大男に捕まろうとしているのをみて、攻撃する。そこへ高華国軍の弓が、雨嵐と降ってくる。捕虜を助けて逃げ惑う四龍に、高華国軍の弓が降り注ぐのを、本部からみている国王軍の兵士達も動揺する。みていたケイシュク参謀はこれでは民はヨナ姫の方に傾くのではないか、選択を誤ったと思う。そんな折りだが、スウォンは発作を起こす。
戦場で発作を起こすことも十分あり得るのに、スウォンはやはり予測が甘い。
だが、ヨナ姫はスウォンを支え「四龍は大丈夫よ」と国王軍の兵士達にいう。「なぜ・・」と思うスウォン。自分は四龍を殺したかも知れないのに。ハクももういないのに。在りし日のヨナやハクが浮かび、捨てなければいけないものが捨てられないと。
突撃する風の部族だが、クラウ将軍の南戒軍の後ろに更に南戒のカジ将軍の援軍が控えていた。
南戒の軍の力を予測し間違ったのではないだろうか、スウォンは。
(第222話 肩を並べた日 2022年8号4/5 2022/3/19発売)
スウォンに風と火の部族軍を後退させて、水・地の部族に合流させてクラウ将軍の南戒第一陣を崩して後退させ、カジ将軍の援軍の方へ雪崩れ込ませるように進言するヨナ。急な変更は陣形を乱す恐れがあるというスウォンに、多少乱れても弓兵が風と火の援護にまわれば南戒の援軍は近寄れないとヨナ。スウォンの同意を経てケイシュクに風と火に後退の合図をするように命じる。
それをみたカジ将軍は弓兵隊に投石器を向ける。しかし2本目の攻撃をしようとしたところで投石器の縄が切れる。縄に刃物で傷つけた跡があのにカジ将軍は気が付く。
南戒の前線は瓦解したが、最初の投石で右翼弓兵隊の半数が壊滅したため、風の部族の背後にカジ将軍が近づいていた。ヘンデが自分は後列を守るから前につっぱしれとテウ将軍に告げて、カジ将軍の軍と対峙するヘンデ。
なぜかカジ将軍の軍で槍と旗を不器用に振り回して味方を落馬させている新米がいる。何で新米なのに歩兵じゃないのと違和感を感じたカジ将軍は、その新米兵の頭巾を落とすと、ハクだった。ヘンデを初めとした風の部族も驚く。「投石器の縄切った?」というカジ将軍に「何のことだかわかりません」とハク。
久しぶりにテウの相棒ノブも登場。25巻146話まで戻って名前を探してしまった。
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