2022年7月2日土曜日

スキップ・ビート!33

(2013年9月20日発売)
(ACT.195 黒の息吹)
社長さんの「アイツは今恐らく自分自身と闘っている」という言葉を思い出す。敦賀さんが自分の闇と負けてはダメ、と蓮にのしかかられたキョーコは、蓮を引っ張り、二人の位置を逆転させてベッドに仰向けになった敦賀さんの上に馬乗りになる。「なぁに?もしかしてヤキモチ焼いてるの?兄さん」と、セッカの妖艶な笑みを浮かべて演技に引き戻す。「バカね。あんな電話気にするなんて」と指でカインの唇や頬を撫でる。私と同じ底辺に堕落て来ないで、負けないでと願いながら「アタシが兄さん以外の男に興味ある訳ないじゃない。もうそのくらいわかってるでしょう。」と額にキスをする。
見開きが続くセッカとカインのベッドでの姿、キョーコが敦賀さんを思う気持ちが感じられて切ないけど、この話大好き。17歳のそれも奥手の少女にこの不安定な敦賀さんを任せるのは、社長さんも中々大胆だけど、今の敦賀さんは社長さんにも両親にも社さんにも心を開いて弱みを見せられないから闇に堕ちたわけで、キョーコの気持ちはこの時点ではまだ社長さんは知らないけど、マリアちゃんの心を開いたのを見ていたのと、蓮がキョーコに惚れているのを知っているから、託したのだろうな。

幼いキョーコが自分の爆転を喜んでくれたときの久遠の気持ちが、蓮の中に蘇る。ルージュのキスマークついちゃったというセツに「ルージュだとすぐに消えるな。長ければその間ずっと少しは心も身体も満たされる。俺がお前のものだという印だからな。」昔見たドラマの、女性が男性の洋服を脱がせる官能的なシーンを思い出しながらセッカはカインの上着を脱がせる。
敦賀さんが闇落ちしているとはいえ、キョーコ既に演技で敦賀さんを圧倒してる。『貴方(敦賀さん)を私の演技でオロオロと翻弄したい』という2巻ACT.15以来の目的はもう達してるよ。純情乙女がここまでやるとは。敦賀さん内心びっくりしすぎて、手を出せなかったと思う。しかしこれで敦賀さんの上半身はしっかり計測できた!

(ACT.196 黒の息吹)
しかしキスマークの付け方をしらないセッカは、首筋に歯形をつける。歯形が残るほど噛みつくってけっこう痛かったんじゃ・・実はセッカの中のキョーコはもう限界で自分の心音が聞こえる。「噛みつくんじゃない。吸うんだよ。きつく同じ所を何度もしつこく。独占欲を刻み込むみたいに、そうすれば一層濃く跡を残す。内出血した肌が痣になって。キスマークとはそうしてできるんだ」って、敦賀さん、これは解説しすぎ。キョーコちゃんでなくてもこのような言い方されると、昔の女と培ったテクニック?と思いたくなるよ。蓮が自分の経験談を語ってると察して、悔しくなってきたセッカは「独占欲なんて今更刻みつけなくたって兄さんはアタシのものでしょう?」といって首筋の咬み跡にキスマークをつける。「何があっても兄さんを正しく理解できるのはアタシだけ。いつもどんな時でもアタシの心が兄さんと共に在るという事忘れないで」

「もう二度と今夜みたいにらしくない事をしてお前を失望させる様な真似はしない。俺のこの人生を終えるまで”お前の俺”で生きてやる。この先もお前がずっと俺を見ていてくれるなら」思わず素のキョーコの顔で嬉しそうに「うん」というと、逆転されてセッカが抜けそうなキョーコをベッドの上に、カインが上からのぞき込む。「ここに刻んでもいいか?誓った証を。ついでに実践して教えてやる事もできる。正しいつけ方をって赤線の部分、敦賀さん一言余計!これではキョーコがムカつくのが当然。でもセッカが抜けて素のキョーコが安心して微笑んだのがわかってて、敦賀さんよく理性を保った。夜の顔になった敦賀さんに、素がでそうなキョーコよく頑張った。ローリィ社長、なでるだけとかいってたけど、それ以上のことしてますよ!手でカインの顔を押さえて止めるキョーコ。「実践して教えてやる事もできる?どこの馬の骨とも知れない女で培ったテクニックをアタシに仕込もうっての・・・ムカつく」とベッドから立ち上がりドアの外に出て行こうとする。「今のアタシじゃ兄さんの相手にはならないみたいだから修行を積んでくる。外に出れば練習台になる男なんか山程居る」キョーコちゃんいい幕引き!引き留めるカインに朝ご飯を買いに行くだけよというと、俺が行ってくると。

散々振り回された敦賀さんはエレベーターの中で、動揺の連続で内心激しく狼狽えたことを噛みしめる。芝居をやっててこんなに振り回されるのは久しぶりだ。日本に来てからは初めてだ。こんなに心地のいいものだったろうか。あの娘を失望させたくはないから。あの頃とは違う誰にも芝居では負けたくない、とエレベーターの鏡に映る自分の内なる久遠に話しかける。ベッドの上での敦賀さんのリアルな気持ちも解説して欲しかった。

「この先もお前がずっと俺を見ていてくれるなら」ってのは、この先の展開を暗示しているのかな。まだ先だけど、アメリカで一番の山場が来ると思うけど、キョーコはいつも蓮のそばで見ていると。

(ACT.197 ターニング・ポイント)
昨日の事を思い出しては崖っぷちの心理状態のキョーコ。シャワー中のカインに声をかけると昨日の敦賀さんの生肌を思い出してしまう。またもや必死に視線を敦賀さんの顔に固定してるキョーコ。

そしてPM12:09、予定の時間を2時間過ぎてもカインが現れないので、撮影現場から近衛監督の電話がセッカに。カインはセッカは朝食をまったりとった後お店をひやかしながら向かうところだった。「今度またゆっくりどこかへ出かけよう」とのカインの言葉に恋人ツナギしながら「うん」とセッカ。蓮とキョーコが恋人ツナギで町を歩けるのはいつかな。早いうちに来るといいね。しかし無遅刻の人がわざと遅刻するって、役を作ってるとはいえ、けっこうストレスだと思う。

いっぽう昨日蓮が、カインに戻る前からカインっぽい雰囲気だったのが気になるテンさんは、社長に電話する。「俺からもちょっと探りを入れてみる」と社長。

撮影現場ではあいかわらず村雨が地雷を踏むような言葉でカインに文句をぶつけるが、カインは冷静に受け応える。セッカは敦賀さんが、私の尊敬して止まない役者敦賀蓮でいてくれるっと約束してくれたからと安心しているのがいいね。

(ACT.198 惨劇予告(トラジックマーカー))
昨日につぎ今日もカインは大遅刻。キョーコはひたすら近衛監督に謝る。近衛監督はそれがカインだからという。

監督の関心は、昨日からカインの首筋に在る歯形ともキスマークとも取れる跡。特殊メイク班スタッフは「仕事で外国に来ててもヤる事ヤるんすね」というが、敦賀蓮はそんな浮ついたことをするはずがないと思う近衛監督。芝居に対して究極真摯で妥協は無いから、役に徹底するあまり本当に京子さんと怪しいことに。と悩みつつ結局キョーコには聞けなかった。監督の心の中で社さんのせいにされちゃったのが、ありえなさすぎて笑える。

近衛監督が言いづらそうにしていたのはそのことかとハッと気が付いてB.Jの正体が明かされたときどうしようと内心あわてるキョーコを、抱きしめて頭にキスするカイン。いやセツはここでは役者じゃ無いから、敦賀さんが適当にとぼけておけば十分。もっとも2022年7月現在、キョーコがもっと強力な印象のライアーを村雨の前で演じるとバレそうな気もするけど、今の感じだと、村雨さんは気が付いてもみんなにはいわないのじゃないかな。あと敦賀さ~ん、社長に許可されたのはなでなでまで!だけど、すりすりチューいいね~~~。

(ACT.199 死神ニ、殺サレタ)
自動販売機でみんなのドリンクを買っている愛華(まなか)ちゃんがおつりをぽろっと落とすとカインの足元へ。拾って愛華に返して、蓮の顔でふわっと微笑み、あたまをなでなでする。愛華ちゃんはクーが主演した映画の英雄、恭紫狼(きょうしろう)様に会ったと、カインになつく。

話を聞いて「なんでなでたの?それも優しく?アタシ以外の女相手に兄さんが?」」と冷たく聞くセッカ。「俺にだって動物を愛護する精神くらいあるんだが。特に俺は齧歯類には庇護欲を激しく掻き立てられる」としれっというカイン。敦賀さんそれはちょっと苦しいいいわけ。ますます恭紫狼様になつく愛華ちゃんをあわてて連れ去る村雨。
敦賀さん、またもやカインが抜けてる!

「怒ってるか」というカインに「別に怒ってない」と返してからセツならあからさまにふてくされていい所だと気が付いて焦る中のキョーコ。背を向けて立ち去るセツにしつこく「怒ってるか」とカイン。カインにキスマークの付け方を説明されていたときと同じむかつく感情が湧いてきて、見せてはいけないと必死のキョーコ。

(ACT.200 願いごとは一つ)
蓮は本当は愛華ちゃんに、過去何度も自分に脅えていたキョーコを重ねていたのだけど。

現場に突然現れて裏方の仕事をしている、ショッキングピンクのツナギの大男に既視感を感じるキョーコ。思わずカインを見ると、何も見なかったふりで別の話をする。やっぱりあれはローリィ社長!と確信するキョーコに「気にするな。今の俺達には何の関係もない人だ。」先日カインに戻るときの自分の様子がおかしいと、ミス・ウッズに聞いたのだろうと蓮は察する。

敦賀さんはもう大丈夫。でもキョーコが心配なのは直に社長さんに見られたら、キョーコが蓮に惹かれていることが、バレてしまう。キョーコの妄想の中では、蓮は「一度男で大失敗してあんな痛い目に遭っておきながら、まだそんな想いが芽生えるなんて。しかも相手は俺って。その純潔を命にかえて守り抜くって言ったのはウソだったのか。失望した」という顔まで浮かぶ。ってキョーコなんでここまで屈折しているの。蓮が自分に惚れているのは夢にも思わないとしても、蓮は女性が自分に惚れることに慣れてるでしょうに。キョーコちゃんの中の蓮は、未だに意地悪なのか。
そして社長さんに知られれば敦賀さんに筒抜けになる。さらにこのきもちがこれ以上進行しませんように。とまた愛華さんがカインに懐いていて、カインが無視してキョーコの手を取っても、まだ強引にいちゃいちゃする。すたすたと立ち去るセッカ。ところが追いかけてきたカインは、セッカを抱きしめて謝る。完全にセツが抜けて素で赤面するキョーコを、社長さんが見ているのに気が付く。
キョーコちゃん大丈夫だよ。これは社長の思惑通りだから。しかし一番最後のコマの社長さん、今までで一番真面目な顔をしている。

しかし最後から3ページ目の、空白の吹き出し二つ、カインはいったい何を言ったんだろう。思わず本音で「愛しているのはお前だけだセツ」とか。

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