2021年12月31日金曜日

スキップ・ビート!3

2003年3月19日発売

(ACT.12 プリンセス革命-舞踏会-)次のシーンは屋外でお茶を点てる。瑠璃子ちゃんは小さい頃親に茶道を習わされたのでなかなか手つきが様になっている。キョーコは足が痛むので正座をしたくないと茶道のレクチャーを断る。ふと気が付いて瑠璃子は紫外線アレルギーでは?とキョーコは問うと、単に日焼けが嫌なだけだと。以前キョーコにそう聞かれた時に否定しないで、キョーコの同情を引いたけど、それは勝手な思い違いだと。

切れたキョーコは瑠璃子とバトルになりかけるが、蓮に「君ははっきり言ってバカだろう」と言われる。瑠璃子が「だって初めからあんたを潰すのが目的なんだもの」といったことを思い出し、密かに怨キョを出して燃える。

一方瑠璃子は「敦賀さんはあの子と共演したいんでしょ!!」と蓮に言ってみるが「俺が一緒に仕事したいと思うのは自分の仕事に誇りとこだわりを持ってる人間だから」と言われてやんわり突き放された様な気がする。足を気づかう社さんに「たとえ骨が折れてもやめませんよだって骨は折れても治るもの」と。

瑠璃子の演技は蓮に見とれて台詞を忘れて終了。言い訳をする瑠璃子に新海監督は「俺が今君の口から聞きたいのは言い訳じゃない」と。
瑠璃子に「見てて私ラブミー部としての使命を果たしてみせるから 私の仕事は太陽から瑠璃子ちゃんを守るために日陰を作ってあげる事だったでしょう だから芸能界でも陽のあたらない場所を歩かせてあげるって言ってるの」と。
この台詞、ユーモアがあってキョーコちゃん格好いい。
始まる前は痛みで正座もできないキョーコだが、カチンコがなれば正座で微笑み、お茶を点てる手つきは板についている。「あの子根性は既にプロ級だ」と新海監督。蓮は本気でキョーコの相手をして芝居をしている。敦賀さんを取り巻く空気が瑠璃子の時とは全然違うのが瑠璃子にもわかった。

(ACT.13 プリンセス革命-心に火をつけて-)キョーコにも敦賀さんの雰囲気がいつもと違うのが伝わって威圧を感じるが、負けるものかと気を取り直す。が、蓮の演技に完全にキョーコの方は演技をさせられている。

新開監督に「あのくらいなら私にだってできます!!」と瑠璃子「今のあの子の演技は蓮が引き出した あの子に対して蓮が本気で向き合ってるから出てきた表情なんだよ だから君があの子と同等の演技をするには 君が蓮を本気にさせないとできないな 君はもし今のあの子の立場が自分だとしたらどうする」と言われてわがままな自分を振り返る瑠璃子。

キョーコは限界で冷や汗をかき目もうつろだが「私は最後までここを離れません」と。新開監督が蓮に座敷から降りるように言ったあと意識を失う。その姿にデビューはしても全然売れてなかった頃を思い出す瑠璃子。自分は負けるのかもしれないけど、まだ自分の力出し切った演技一度も見てもらってない。ともう一度演らせて下さいと新開監督に申し出る。

社さんに付き添われてキョーコが気を失って病院に担ぎ込まれているうちに、瑠璃子ちゃんが役をとったときいて「怒ると思うよ」と社さん。「しょうがない監督元々あの子を使う気なかった」と思うからと蓮。瑠璃子を使うのは宝田社長からの頼みなのだから。すなわちキョーコちゃんは瑠璃子に危機感を持たせるための当て馬。
演技が素人という意味なら瑠璃子も同じだけど、既にアイドル歌手として売れているし、まあここではしょうがないけど、芸能界で何がやりたいかもわからないキョーコが演技に目覚めたと言うことで意味があった。どうせこの敦賀蓮も44巻では恋の当て馬になって、墓場まで持っていきたい恥ずかしい思いをキョーコちゃん密かに聞くことになるんだし。もっと溜飲を下げていいよ!キョーコちゃん。
思いもよらず瑠璃子ちゃんから100点もらうキョーコ。「私が頑張ったのは貴女から役を奪い取るためだったはずでしょ」と不思議に思う。キョーコはわかっていながら蓮の演技にだまされたし、戦場で気を失ったし、生き残る資格はないというのが正直な感想。心の中で蓮にまるで子供みたいにいいように翻弄されたことがくすぶっている。

(ACT.14 プリンセス革命-AM12:00-)お礼にホテルの写真館に頼んでキョーコちゃんの写真撮影。バーで社さんにさそわれても見にいかないという蓮に「俺 蓮はキョーコちゃんのこと気に入ってるんだと思っていた 芝居本気で相手したろ」「「確かに根性は気に入りましたよ」

メイクアップして撮影に大喜びのキョーコに後ろめたい新開監督は「役は瑠璃に落ちついてしまったが決して俺は君が瑠璃に劣っていたとはおもわない むしろ演技は君の方が・・」とつい本音がでかけて焦るが、キョーコは「私は瑠璃子ちゃんに負けて良かったと思っています だって私あのまま続けてもことごとく敦賀さんの思うツボにはまる自分にムカつくだけだもの」「君だけじゃないよ あいつは相手が蓮に惚れる役なら本気で自分に惚れさせるし蓮にビビる役なら本気で相手をビビらせる 蓮と共演する人間の演技はいつも本物になる」「あれはサギです誘導です 私の演技がほめられたとしてもそれは私の実力じゃありません」と。

ファンに気づかれて騒がれ始めたので写真撮影の場に逃げてきた蓮。捏造も多い「BOOST」という雑誌記者が来ていてキョーコちゃんに興味を持っているので、瑠璃子ちゃんのために希望のない演技対決させられたことがバレて名前が出るのはキョーコちゃんのためにならないからと、追い払い役を新開監督は蓮に頼む。おお、敦賀蓮と楠香凪さんのスキャンダルをすっぱ抜いてキョーコちゃんと蓮を危機に追いやったBOOST!!がここにでてきてる。
蓮と社さんに部屋へ送られる途中で、あまりにも蓮とキョーコちゃんの雰囲気が凍り付いているので、社さんが茶道はいつからやってるの?と聞いてショータローの旅館で12の頃から習い始めたけれど女将修行、すなわちショータローの花嫁修行をさせられていたことに気が付いて、今回の演技テストはこの男に惨敗しただけじゃなく、唯一自信があったお茶を点てる演技もショータローのために身についてたものとキョーコは改めて気が付いて思わずへたり込む。近づいてきたBOOSTの記者を目力で追い払いキョーコに手を貸す蓮。でもこの男と対等に演り合える演技力を身につけたいと思うキョーコ。二人はなかなかいい感じじゃないかと思う社。

メイクを落とすのを嫌がるキョーコに「肌ルックス ビジュアル系」「負けるぞ アイツに」と不破尚のCMのキャッチフレーズをつぶやく蓮。

翌日帰りに挨拶に来たキョーコに「あれでもっと高度な演技力を身につけた日にゃ 俺は惚れるね 役者として確実に」と心の内で思う新開監督。蓮と社さんにも挨拶をして昨日部屋に帰る途中崩れて動けなくなったのは茶道の話で憎っくき男の事思い出してといったとたん「アイツの事か」と表情の変わる蓮「ならアイツへの復讐のために頑張ったようなモンなんだ。今回の根性全開の演技対決も」「もちろんです(少なくとも前半は)」というキョーコに似非紳士スマイルで-10点スタンプを押す敦賀蓮。いやキョーコちゃんそんなに卑下しなくても、既に尚への復讐ではなくなっていたでしょ。

(ACT.15 一蓮托生)
キョーコがたった一日で松内瑠璃子を矯正したと新開監督からきいた社長は、俺も頼んでみようかなとつぶやいた。

キョーコは蓮を演技でオロオロと翻弄する演技力を身につける方法を探していた。基礎から身につけようと、LMEプロダクション付属養成所俳優科昼の部夜の部一年=週3回4時間、のパンフレットを手に事務所を歩いていると、同じパンフレットを手にした琴南奏江と出会う。琴南さんは5巻ででてくる高園寺絵梨花さんの嫌がらせで、演技の勉強を正式にはしてないから。そこに俳優部門の松島さんが声をかけてきて、なんと琴南奏江もラブミー部員になったという。奏江は一次審査も二次審査も難なくクリアしたのに、最終審査の質疑応答で「家族愛」についてのストーリーの主人公をどう演じたいか延べよと言われて、「彼女は不幸だと思います おそらくこれからも「家族の幸せ」に縛られ彼女自身の幸せについて考えることもしないでしょう しかもこういう家庭は何度もくり返す様な気がします 一言で言わせていただくとこの主人公は不毛ですね」と本音を言った上、一次審査の電話のすばらしいリアクションテストも「女優として芝居したまでだ」って1%も彼女の心がはいっていない事も判明して「愛」の欠落者としてラブミー部で心を育てていくことになったと。
俳優になるためのテストで「女優として芝居したまでだ」でなぜ悪いのだろうか・・・あと家族の幸せに縛られるっていっていいかどうかは状況に寄るけれど、私もそういう感想を思うけどな。
キョーコと奏江のラブミー部員コンビは、養成所でレッスンや舞台稽古の邪魔をして、生徒に怪我をさせたマリアちゃんの後始末?に、社長の依頼で養成所にいく。そのマリアちゃんとはLMEオーディションであった女の子だった。

しかしマリアちゃん、事務所に出入りしていたのに、なぜ養成所に通い先を変えたのだろう。天使の言霊が気に入らなかった?
事務所に毎日顔を出していた頃は「蓮」が絡まなけりゃ「天使」といわれていたのは、蓮に媚びを売る女性に、6巻ACT.31見たいに、クモのおもちゃの入ったお弁当を出して嫌がらせしたりするからかな。

(ACT.16 天使の言霊-前編)トップモデルだったマリアちゃんの母は、マリアちゃんの5歳のお誕生日をマリアちゃんと過ごすために帰国途中に事故に遭った。その時に思わず父が口にしたマリアちゃんを責める言葉に深く傷ついていた。養成所で生徒達が取り組んでいた劇「天使の言霊」は、主人公の末っ子は母親が主人公に会いに帰ってくる途中で飛行機事故にあってだ亡くなったけれど、その子を愛してくれるよう姉が父を説得する劇だが、嘘くさいという。

社長曰く、マリアちゃんは時には自分より影響力があるかもしれない蓮の言葉さえ信じようとしないという。でも瑠璃子を一日で矯正したキョーコなら、マリアが気に入っているようだしできるのではという。新人オーディションのあとマリアは嬉々として椹さんにキョーコのことを聞いていた。他人のことを知りたがるなんて敦賀蓮以来始めただと。

養成所でラブミー部員とからかわれて頭にきた奏江は、ひと目で台本を暗記して感情をいれて演じる特技を生徒の前で見せていた。

キョーコの望みはもしマリアちゃんの心のシコリを取ってあげる事ができたら養成所の入所金・授業料40万円を分割払いにしてもらいたいという。社長はマリアちゃんの心のしこりを取ることができたら両方免除にするというのを耳にして、奏江は「お孫さんのことはわたくし達ラブミー部員におまかせ下さい」という。

まずはどこかに隠れているマリアちゃんを誘い出すために蓮様人形を取り出す。奏江はひと目で蓮と見抜いたものの、キョーコは不破尚が好きなんだと思っていた奏江はその不破尚の呪い人形も見て、とんだマニア、信者だと思う。

そして予想通り蓮様大好きなマリアちゃんはすぐに誘い出され、キョーコと呪い人形談義に花を咲かせる。「あなたとは一度じっくりお話ししてみたいと思ってたの だって初めて会ったとき あなたから私と同じ波長を感じたんだもの」と。

そこに現れたおじいさま、すなわち社長さん。マリアは「あんな馬鹿げた稚拙なお芝居を定期公演として発表するのはLMEの恥」だという。「主人公の母親は主人公のせいで死んだのに実の姉までもが主人公の味方で、最後には父親が主人公を愛せるようになるなんてそんな都合のいい話、子供の私でもシラけるわ。」自分の母親を思い出したキョーコはエールを送る。「自分にとっても最愛の母親が死んだというのに「妹」をカケラも憎むどころか父親を非難するなんて人として出来すぎてない?」というキョーコにむかっとした生徒達は、「あなたが演ってみなさいよ ただし その姉のおかげで主人公は父親に心底憎まれてたんじゃないって気づくきっかけをもらわないといけない」「それをあなたの言う「妹を憎む姉」の人物設定で演ってみなさいよ」との挑戦を受ける。

確かキョーコはオーディション会場でマリアに最初にあったときに、「お嬢ちゃん あなた 女子供は泣けば誰かが助けてくれると思っていないーー?」と普通は子供に言わない本音を言っていた。社長の孫(ってのはこの時点では知らなかったけど)だということでみんな取り繕って本音を言わないのにうんざりしていたから、逆に気に入ったのかも。あとは二人は蓮様人形友達。この時点ではキョーコにとっては蓮様人形は呪いの人形だけど。

しかしマリアちゃんもラブミー部員修行が必要なようで。

(ACT.17 天使の言霊-中編)こんな難しい役タレント部門を目標としている自分には無理だといいたいけど、俳優養成所だから役者になるつもりのない人間は養成所に入る資格なんかないといわれるだろうな。確かに自分は芸能界に入ってスターになりたいと思った動機(尚)は異常だし、演技を勉強したいと思った動機(蓮)も不純だし・・・不純かもしれない、でも敦賀蓮ならこれどう演じるだろう 育ててみたい 初めて自分のために生まれた気持ち、と思う。

養成所の生徒達の気を静めるために、入所演技テストを兼ねてキョーコに演じさせることにした社長にマリアは不満。「一から演技を習いたいって言ってる初心者の人にこんな難しい課題出すなんて、まともな事できる訳ないじゃない!!」「一体彼女がどこまでできるか楽しみだ」とのほほんという。しかしマリアとキョーコのオーディション会場でのやりとりを聞いて、それでキョーコが気に入ったというマリアには、社長さんは唖然。「昔から自分が自分に言い聞かせて来たことをまさか他人から投げかけられると思わなかったからよ」と。「あの子が莉菜を呼び寄せたりしなければ」と思わずパパが言ってしまったことがをきいて、パパは私を許さないと思っているマリア。

奏江は「それが脚本である以上そこに描かれている形でベスト 脚本に描かれてない登場人物のバックグラウンドなんて考えなくていいの」という。
これは演技素人の私でもちょっと・・・もちろん役者は脚本を変える立場にはないけど、バックグラウンドを考えると台詞のしゃべり方も変わると、後ほど10巻ACT.56のダークムーンの役作りで敦賀さんがキョーコちゃんにアドヴァイスしていた方に賛成。まあここでは脚本通りという奏江の言葉がヒントになったのだけど。

素人が事務所入りできるなんてコネかお金 ラブミー部ってまるで寄生虫 夢を軽くお金で買える人はうらやましいわね、そして「あなたお余程親に愛されているのね 幸せな人」との言葉(禁句)を聞いてキョーコの雰囲気は変わる。

自分のせいで母が亡くなったと亡く主人公に笑いで割り込み、殺気を込めて脚本通りの台詞を言ってみせる。そして「お父様だって人間よ我を忘れて取り乱せば本気で人を傷つけてしまう事もあるはずよ」「わかるでしょう?親だって本気で実の子を憎めるの」と正反対のことを主人公にぶつける。マリアちゃんがまさに自分の母の死に際して思っていた・・・というか・・・恐れていた言葉を。

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