2022年1月12日水曜日

スキップ・ビート!6

>2004年2月19日発売

(ACT.30 秘密の押印帳)「CM撮りが終わるまでは病気するなケガするな 「身体」の自己管理ができない奴は プロ意識が足りないものと見なす」と黒崎監督に言われている二人を、またもやドアの外から盗み聞きする高園寺絵梨花と3人のお世話係。琴南奏江に病気又はケガを負わせて繰り上げで絵梨花様がCM出演決定となるようにお世話係にいう。

ずっと後に絵梨花は「泥中の蓮」の紅葉のオーディションを通ったのに森住仁子に道路に突き飛ばされてケガさせられて紅葉ができなくなる(40巻ACT.239)とは、なんという巡り合わせ。もっとも森住仁子が繰り上げで紅葉をやるのは、高園寺財閥が阻止して、再オーディションをやらせたけれど。

黒崎監督は琴南奏江も綺麗で演技力抜群だが、有力だった高園寺絵梨花を影も無く吹き飛ばしてしまったキョーコの方が目が離せないと思う。

お世話係達はわざと奏江にぶつかろうとするが、会話の流れで絶妙のタイミングでキョーコは奏江をひっぱるので空振りばかり。しびれを切らした絵梨花が自分でなぐろうとすると、キョーコが絶妙のタイミングでモー子さんを押したので、空振りした絵梨花は噴水池に飛び込む。とうとう怒り心頭に発した絵梨花は、お世話係に押さえさせた奏江に、指輪をした手で顔を殴るという。そんな絵梨花に「あなたはいざという時 自分の財力に頼る事を前提に生きてる これまで自分で自分の限界がわかった時でも本当にもう打つ手がないと思うほどジタバタした事がある? 私に勝ちたいと思うならそこから降りてきなさいよ」と、キョーコから言われたことを返す。「そうしたら私はあなたを強敵だと認めるわ」「私にそんな偉そうな事言って絶対後悔させてやる」「待ってるわ」

実際に絵梨花はこれ以来、高園寺財閥の力を使わないでオーディションに臨むようになるのだけど、ここはちょっと二昔前の少女漫画風で、小学校の時からしつこく邪魔してきた人がそんなにコロッと変わらないと思う。

自分の言葉を引用してくれたことに、「親友っぽい」と喜んでハイになったままバスの中で寝てしまったキョーコに、奏江はこの子がいなければ私は闘おうとはしなかったかもと思い、ラブミースタンプ100点を押して、ありがとうとつぶやく。

(ACT.31 地雷原と一緒)敦賀蓮のドラマロケ現場に、顔を出したマリアちゃん、ラブミー部コンビの初めての仕事、キュララのCM撮影が今日終わるので、内緒で打ち上げを計画して、その途中に寄ったという。進軍ラッパ部隊の行進曲と共に馬に乗って登場する保護者のおじいさま、社長つきで。ちょうどロケは昼休みで、社長の車で様子を見にいく蓮と社さん。マリアちゃんはお姉様(キョーコちゃん)の養成所での逸話も嬉々として話す。LMEの俳優養成所にキョーコが通っていることを知って、複雑な顔をする蓮。蓮と社さんはすぐロケに戻ったものの、キョーコはマリアちゃんから蓮が来ていたことを聞いて、CMの仕事獲れたって報告しなくても良くなったんだと、逢う必要がなくなって少しがっかりして、そんな気分をあわてて否定する。

撮影が終わってもなかなか着替えたくないキョーコ、なんで制服が好きなんだろうと不思議がるマリアちゃんに、キョーコはなんでかはいいたがらないけど高校に行ってなくて、あなたのように至極ありきたりな学園生活を送りたいのかもと答える奏江。それを聞いて何か事情があるに違いないと思う社長さん。

LME事務所で風邪が流行っていて、社さんもうつったようだ。無理に仕事を続けてとうとうダウンする。代わりに俳優セクションの松島主任はキョーコを代理マネージャーとして送る。蓮は不機嫌で、「君もう帰っていいよ」という。「マネージャーとして君にできる仕事なんて何一つ無いと思うよ」とつれない。「失礼なマネージャーの仕事くらい私だってできるわよ」というキョーコに似非紳士笑顔で「せっかくだからお世話になってみようかな ぜひ俺が思わず感謝するような仕事ぶりを見せてもらおうか」と。

毎回ローリィ社長の登場のさせ方のアイディアや背景他を描くの大変そう。

黒崎監督はいつかキョーコがもっと成長したときに再登場してもらいたい。キョーコを世の中に出した監督だから。

あいかわらず敦賀さん、イヤミが辛辣すぎる。まあ「マネージャーの仕事くらい」などと言われたら怒るだろうけど。

(ACT.32 失われた青春)マリアちゃんが以前オーディション会場でウロウロしていた(1巻ACT.3)は、蓮様目的で来る人を呪いの蜘蛛玩具で撃退するため。

社長はラブミー部コンビがCMデビューするってわかった時はあからさまにふてくされていたらしい。デビューは愛の使者として期が熟したらもっとゴージャスに自分がプロデュースしようと思っていたらしい(それは戦慄のデビュー!)

初日は、敦賀さんについてスケジュールをこなすのに必死でマネージャーの仕事らしきものは全く出来なかったキョーコ。2日目は今日こそはと思うものの何の役にも立たないどころかヘマをして敦賀さんに謝罪させて立場がない。二人っきりの車内では全く会話が無いし、昨日から怒っているように感じられて息がつまる。思わず「私が敦賀さんのマネージャーなんかしたばっかりに余計なご迷惑を」と2度目だが謝ると「二度も謝らせる程怒ってないんだけどな」というが、キョーコには他人から放たれる怨・恨・怒周波を感じるアンテナがある。

キョーコのお腹が鳴り、二人はファミレスで目玉焼きが乗ったハンバーグライスを食べる。10年前の石をハンバーグに見立ててご機嫌な6歳のキョーコを思い出して笑いを堪える蓮。

その頃松島主任は「食事に関しては大雑把な短所があいつの気性なら 他人を気づかう長所も根っからの気性だ 女の子一人で食事させるのなんてデリカシーのない真似ができる奴じゃないのはわかってるからな あの子くっつけとけば必ずつきあって多少なりとも何か食うはずだよ」と。つまりキョーコはマネージャーの仕事なんか端から期待してされていなくて、蓮がちゃんとご飯を食べるためのだしだったのだ。

しかしすぐレストランにいた女子高生グループに見つかる蓮。ハンバーグを食べて、ダサい奇天烈なつなぎを着た女の子といるから蓮じゃないんじゃという声も聞こえる。「でも昼間はしっかり女子高生であれが彼女なりのアフター5のおしゃれなのかも」「今しか持てない『女子高生』という名のブランドを・・・」という声に、キョーコは尚にだまされて女子高生になれなかった自分を呪って怨念で周りが見えなくなる。

蓮に「今まで聞いたことなかったけど 君 高校には行ってないよな 原因は不破尚か」と言われて、尚に誘われて高校をやめて東京についてきて踏み台にされたことを語る。10年前「ショーちゃんはねェ わたしの王子さまなの 大きくなったらガラスのクツを持っていつかわたしをむかえに来るのぉ だからわたしはお姫さまになって しょうらいはショーちゃんのお嫁さんになるんだ」というノロケ話を思い出して、あのショーちゃんは不破のことだったのかと思う。「絶対アイツを越えるスターになってアイツを見返してやるんです」と聞いて、「やっぱり演技を勉強しているのはそのためか 君にもいろいろ事情はあるみたいだが そんな動機で俳優になりたいと思っているなら同じ俳優としては不愉快だな」と突然今までと雰囲気が変わって怒りの波動がでてピリピリした雰囲気になる蓮。

またまだでてきたけど、尚に人生を狂わされたのに踏み台にされて捨てられたから見返してやりたいとうのは、スターになりたい理由としてしごく全うだと思う。要はそれで演技がめちゃくちゃだったりしなければいいだけの話で、このころの敦賀さんなんでこんなにキョーコを嫌うのだろうか。

演技の勉強は復讐のためではないのだけど、キョーコが説明する前に社長からの電話が携帯電話にかかってくる。社長の知人が理事長を務める高校で、途中編入OK芸能活動もちろんOKの芸能クラスに行きたくないかと。

(ACT.33 非常事態)編入試験は軽い一般教養と中学のおさらいみたいなものだと言われたけれど、蓮の現場に付き添いながら必死で勉強に励むキョーコ。その姿に塾のテストが88点で母に怒られて泣いていた6歳のキョーコを思い出す蓮。

実際にその事を思い出していたキョーコは、ふと、常に80点以下をとらない人間のことを世間では決してバカとは言わないと気づく。物心ついた時から頭ごなしにお前はバカだと母から言われてきたから洗脳されていたと。認めてもらえるのは100点だけだった。母の望む結果が出せなければそれだけで自分は落ちこぼれなんだと。

毒親に育てられて、否定的な言葉でしか評価されたことがない私にはこの回想、すごく心に刺さる。トップ高では無いけど進学校に進んで、それなりの国立大学の理学部に現役で合格した人を世間ではバカと言わない。でも旧帝大出の母は『駅弁大』』といった。同じく旧帝大出の父は、もっと頭の柔らかい人だけど、それでも自分ももっと低いところからあがってきたから気にすることがないといっていた。

撮影の合間に咳払いをする蓮に気が付くキョーコ。自動販売機で砂糖ミルク入り紅茶を買う蓮に、「何か喉にひっかかってる感じがするんですよね 唾液をのみ込むだけで喉の奥がむずがゆい様な」「世間ではそういう症状を『風邪』と言うのです」というのに、この歳になるまで風邪引いたことないのが自慢だと頑なに否定して薬も飲まない。

これまで風邪にかかったことがないというのは、今の現象が風邪でないという理由に全くなってないんだけど。日頃から身体をきたえてるから大丈夫という人はけっこういるけど、それって感染症をなめている。こんな子供っぽいことを言って言い合いになるのは、逆にキョーコちゃんと合いそうだけど。ご飯の心配のことといい、お母さんみたいだけど。

翌朝8度3分の熱が出た蓮に「敦賀さん はっきり言って 貴方はプロ失格ですね」と黒崎監督にキョーコと奏江が言われた「自分の身体つまり商売道具を自己管理できない奴は プロ意識が足りない奴だって」という言葉も引用する。食事のことも含めてお説教するキョーコに「ごめん 本当に君の言う通りだ 俺は自分を過信しすぎてた なんか格好悪いな こんなことならちゃんと君の言うことを聞いておけば良かった」と突然素直に謝る蓮に、やっぱり大人だ 私なら言えないと思い、敦賀さんがショータローへの復讐のために演技の勉強してると思っている誤解を先日タイミングが悪くて解けなかったことを改めて残念に思う。

LMEのオーディションを受ける前に「根性だけでいつまでも事が運ぶと思うなよ」と言われたことも思いだし、蓮は自分がショータローに復讐するためだけに芸能界に入った事自体怒っていたと気が付く。だから最初から自分に意地悪だったのだと。

次の場面は人工雨を降らせると聞いてあわてるキョーコだが、「たとえ熱が上がろうが倒れようが最高のシーンが撮れるまで俺は演じ続けるよ 意識がなくなるその瞬間まで」と。 

格好いいけど、倒れたらその後に仕事に影響がでるから、それはそれでプロではないのでは。

(ACT.34 虚像破壊)ドツボにはまってダメ出しを連発する相手役のために、撮影は雨の中何度も取り直しになるが、熱があるにもかかわらず、優しく指導する蓮。もし自分だったらイヤミたらたらになりそうだ。自分以外の人にはそんなに優しかったんだ。純粋に自分を芸能界で生かしたくて普通に芸能界に入った人なら敦賀さんに嫌われる要素なんか皆無だもんね。きっとこの世のどこを探しても私くらい あの敦賀さんに嫌われることができる女なんて。この期に及んで誰かに好かれたいなんて一生思わない。だって私は復讐に生きる女なのよ思うキョーコ。

ドツボにはまるとどうしても正しく言えない事ってわかるわかる。

熱が上がって控え室で意識が遠のき、キョーコの上に倒れてしまった蓮。先ほどのセリフを口にすると、セリフを返してきて、はっと気が付く蓮。「この後の撮影、今日はお休みさせてもらった方がいいですよ」というキョーコだが、目で言い含められる。

余程演技するのが好きなんだなと思うキョーコは、蓮の世話をするために、冷えピタ、風邪薬、のど飴、うがい薬、氷のう、氷枕、大根とはちみつと買い物に走る。

昔からどんな小さな事にも一生懸命だったと思い出す蓮。もしかして俺は今まで復讐という動機に目を奪われて、この子の本来の姿を見過ごしてきていないかと。

(ACT.35 嫌い×嫌い)熱に浮かされた蓮は、10年前京都でキョーコが、暑くてダウンしていた蓮(久遠)のおでこに冷やした布を乗せてくれた夢を見ていた。蓮の看病をするためにマンションに泊まって氷のうの氷を替えるキョーコは、「ありがとうキョーコちゃん」と言われて、動揺する。名字でさえ呼ばれたことないのに。

そういえば、この頃『『君』だった。

朝、目が覚めて氷のうや氷枕に気が付く蓮。キョーコは台所で病人食をつくっていた。居間にはキョーコが勉強していた跡が。

キョーコ特製のスタミナジュースの殺人的な珍味「君はそんなに俺が嫌いか?」と言われて答えにつまってフリーズするキョーコ。冗談だったのだが、「まあ 今まで嫌われるような事しかして来なかったんだから嫌いで当然」と思うが、スープは旨い。「どんなに頑張っても俺が満点スタンプを押すとは思ってないだろうに 嫌いな俺のために どうしてこうまで一生懸命になるかな 本当に昔のままなんだから」

明日までに蓮が覚えなくてはならない台本を出して読むキョーコ。そのうち蓮人形を出して、「一晩中嫌いな奴の看病したり わざわざ病院食を作ったり 十分お人好しだと俺は思うね はっきり言ってバカだろう」と腹話術をしているところを蓮に見られ慌てるが、蓮人形は見られてないらしい。

蓮は台本を持ってどこかへいってしまった。飲み物を持って探しにいくと、階段で声に出して台本を読んでいる蓮を見つける。声に出して覚えるタイプじゃないし、同じ所を何度も読んでるし、手間取ってるなら、相手役のセリフがあった方が頭に入りやすいんじゃと、会談したからキョーコは相手役のセリフを口にする。怒りながらのセリフに発声もブレスも完璧なのに驚く蓮。セリフを続けながら階段を降りると、表情までよくできているのを見て、これが演技を勉強し始めて半年もたたない素人か これが『復讐』のためだけに身についた演技なのかと驚嘆する。

奏江もそうだし、後ほどでてくる飯塚さんやBox「R」のメンバーとかもそうだけど、演技で相手の自分に対する見方を見直させるキョーコちゃん凄く好き。

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