2022年1月2日日曜日

スキップ・ビート!4

2003年7月18日発売

(ACT. 18 天使の言霊-後編)「マリアちゃんのパパは、すぐにアメリカに帰ってしまったけど、仕事が忙しいだけでマリアちゃんを嫌ったりしてない」、と言われてきた自分を思い起こすマリア。みんなかわいそうな子供をそれ以上傷つけないように決まって同じ様なことしか言わないんだ。だから誰の言葉も嘘に聞こえる。蓮様さえ「マリアちゃんとパパは今まで一緒に遊んだり出かけたりしたことが無かったんだ それじゃあ仕方が無いかも パパはマリアちゃんとどう接していいかわからないだけなんだよ」と皆と同じ。みんなの言葉で私の心が勝手に期待しちゃうのが怖かった。

「お父様に憎まれてるの」というキョーコの台詞に涙を流しながら「でもこれは刃物のように切れ味のいい、あの人の率直で的確なセリフに感動したからよ」とマリアちゃん。

キョーコが更に「お父様の態度でわかるでしょう?お父様はねあなたなんかこれっぽっちも愛していないわ」と劇を続けると、主役のエンジェルの子はつい「ウソよ」とキョーコが期待した通りの反応を返してしまう。エンジェル役の子は本来はフローラ(キョーコが演じている姉)が言うべきセリフを返してしまったのだ。なおもエンジェルの言葉を否定して、お父様はあなたのことを愛してなどいない、というフローラ(キョーコ)のセリフに、突然「そんなことないもん」と乱入して反論を始めるマリアちゃん。一瞬びっくりしたキョーコだが、マリアちゃんにあわせて、パパの愛を否定すると、マリアちゃんはパパが自分を愛している理由を挙げ始める。それはいつも自分が言い聞かされて嘘くさいと思っていた言葉の数々なのだけど。

ここは両親に重苦しいほどの愛情をたっぷりもらって育った蓮様(まだここでは明かされていないけど)の言葉ではなく、母親から嫌われているかも、憎まれているかもと思って育ってきたキョーコちゃんの言葉の方が圧倒的に響くでしょう。マリアちゃんとパパの事情は理解しているとはいえ、突然乱入してきても動じないキョーコちゃん凄い。

そして突然フローラの台詞はフローラに戻る。「何がわかるの!?あなた『パパ』とはろくに会話もしないくせに!!」これが蓮様の言葉「パパはね マリアちゃんとどう接していいかわからないだけなんだよ」を思いださせてマリアの胸に突き刺さる。パパのメールがいつも同じ様な文なのは、私が一度も返事を返したことがないから・・・?私のことをほとんど知らないから!?そして出てきた言葉は「だってメールの最後には愛してるって入れてくれるもん!!」と。パパのメールはおじいさまに言われて送られてきてるものなんだと思っていて、嫌われるってこれ以上はっきりさせたくなくて毎日送られてくるそのメールをずっと信じてなかった自分に。パパとの間に壁を作っていたのは自分の方だと今初めて気が付く。「ほらね答えが出た」と優しい笑顔になるキョーコ。

途中の姉と妹の台詞入れかえスイッチで、エンジェル役の子が「姉」の台詞を返してくれなかったどうしてたのよ、という奏江に、「私が脚本に沿ったセリフを言えば相手も脚本通りのセリフを返してくれる自信はあったのよ だって必ずとっさに出てくるのはいつも聞き慣れてるセリフのはずでしょう?」というキョーコに呆然の奏江。

キョーコちゃん既に自分の演技でエンジェル役の相手を演技させている。蓮さんと同じ資質十分あり。

途中から社長の孫を相手にしたから失格だという生徒達の意見で、40万円は分割払いとは言え全額払うことにしたキョーコ。自分のせいだとしゅんとするマリアちゃんに、パパになんてメール返すかちゃんと決めたの?というキョーコ。

これから演技を勉強したいという初心者が、芝居を通してマリアちゃんの心のしこりをとってしまったことに、この子ひょっとして俺の想像をはるかに超えた爆弾になるかもと内心思う社長さん。

(ACT. 19 てのひらブルー)琴南奏江は「今日からあんたは私の敵」と心でつぶやく。

一方マリアちゃんは、キョーコはお父様やお母様は普段どんなお話しをするのか参考に聞く。キョーコは、自分にはお父さんはいないし、お母さんはいるけど・・と話を逸らしてしまう。「どんなに歯車がかみ合っていなくてもお互いが強く想い合っていれば気持ちは結びつく 奇跡だって起こせる力が生まれる 一方通行では生まれないチカラ」と思いにふけるキョーコに、マリアを先に帰した社長は「新人発掘オーディションの時には親御さんの了承は得ていると言っていたが本当なのか?もしそうでない場合 まだ未成年の君がデビューする際には 君のお母さんに了承を得なくてはならなくなる よければ詳しい事情を聞かせてはくれないだろうか」と問うが「話さなければLMEには置いてもらえないんですか?私がどこで何をしていようが関心のない人だとわかっていても」という寂しそうな表情のキョーコに思わず「いやそんな事はないが」と思わず答えて、演技で「親だって本気で実の子を憎めるの」といったキョーコを思い出す。

うん未成年だから親の了承は必要だね。考えてなかったのもわかるけど。しかし尚も未成年で実家とは勘当同然だけど、一応了承を得ているわけね。

悲しい気持ちを事務所の階段で思い出のコーンの石に吸い取ってもらっている最中、椹さんにいきなり話しかけられて、後ろ手に隠した際に階段から落としてしまったキョーコ。社さんを待って一階にいた蓮が拾う。「コーン」と叫びながら階段を駆け下りてきたキョーコ。椹さんに「君はこの石に名前をつけてるのか?」と聞かれて「『コーン』はその石をくれた人の名前です 子どもの頃泣き虫だった私に彼がくれたんです 自分にも大事なものだったのに 私の涙の数が減る様にって」と。呆然としていた蓮は、「これ?」と石を差し出す。笑顔でお礼をいうキョーコに何か感じて「京都に住んでた?」」と聞く。

(ACT. 20 呪われた夜)「合ってますけど どうして」と聞くキョーコに、その石、京都で採れるって知ってる?といっておいてから信じたキョーコに本当なら地元の君が知らないハズないじゃないか」といつも通りからかわれて「本当に君は騙されやすいな そんなんじゃいつか悪い男に騙されて泣くことになるよっ・・てもしかしてもう騙されて泣いた後だったりして」「ひょっとしてその騙した相手って例のアイツだったりして?」と言われてキョーコの妄想の中では(まさかそれでアイツに復讐したいとか言ってたワケ 逆恨みもいいところだな 世の中はな騙す方より騙される方が悪いんだよ)と言われているような気分になって、無視することにしたキョーコに「図星・・・か。」「この業界じゃ例え真実を言い当てられたとしても『違います』と口に出して言い通さないと都合の悪いことは都合の悪い方へとことん解釈されて広められるんだよ それもデビューできなきゃ覚えても無駄だけどね」とひたすらのイヤミに、中指をたてて走って逃げるキョーコ。

いや・・そうだけど蓮さんそのいい方はないでしょう。

「人が変わったな あんな下品なこと誰に教わったんだ アイツか?」と思いながら、10年前のキョーコちゃんを思い出して微笑み、「俺ほどは変わってないのかもな」と。

養成所で、意外と琴南さんは基礎も手を抜かずに真剣に取り組んでいる。何もかもが初めてで毎回のトレーニングを必死にこなしている私とモー子さんが同じに見えるときがあるのは気のせいだろう、とキョーコは椹さんと話しながら思う。突然椹さんは、テレビの仕事してみないとキョーコにいう。琴南さんとTBMというテレビ局のスタジオを訪れると、LMEが誇る人気マルチタレントユニット、ブリッジ・ロックのバラエティ番組第一回の観客のサクラの仕事だった。そして、土壇場で急にでられなくなった番組のショートコーナー、鶏の着ぐるみ「坊」の役を頼まれる。そして引き受けたのはモー子さんなのに、私は女優よ そんな仕事するわけないじゃないっ あんた得意分野でしょ!?タレント志望なんだからと。キョーコは押しつけられる。

突然の生番組で、ぼおっとしているキョーコの耳に聞こえてきたスペシャルゲストはなんと不破尚。

モー子さんこの頃キョーコをライバル視してるのね。

(ACT. 21 ここで会ったが百年目)客がいるぶんにはブリッジもウキウキ、ファンがいる分には不破もスポンサーもホクホクで、生不破が見れる最上さんも一石三鳥かなと思って送り込んだ椹さんは、ブリッジ・ロックが不破に喰われているのを見て「すまんブリッジ おれはお前達を追い込む要員を一人送り込んでしまった」と後悔する。キョーコが不破尚のファンだと信じている椹さんは「最上さんブリッジの応援してくれとは言わないけど せめて正規の観客に徹してくれないかなあ」と。

一方千載一遇のチャンスと燃えるキョーコは、カプセルに入った番組の進行カードをすり替えて、不破の隠す恥ずかしい本名を言わせようとするが、「俺は過去を捨てた」と格好よくかわされて、かえって好感度を上げてしまう。

次は不破の苦手なバドミントン対戦に持ち込む坊だが、過去のバドミントン対戦は0勝36敗なのに、負けると3べん回って獣の体勢でアゥウーンと鳴くという屈辱的な罰ゲームなので、必死のショータローは意外とがんばり、格好よくてファンが盛り上がる。

舞台袖で見ていた奏江は、キョーコを潰すために押しつけたのに、レギュラー取りそうな盛り上がりぶりに「本当に転んでもただじゃ起きない あの子ってますます油断ならない」と。

キョーコ坊の奥の手の高く打ち上げたシャトルがライトの光に入るが、天井に引っかかって坊の負け。これがキョーコの必殺技であることを思い出した尚。

芸名で活動してるのなら本名がキラキラネームにほど遠かろうと全く構わないと思うのだけどな。それに不破松太郎ってそんなにカッコ悪い?確かにヴィジュアル系ではちょっと合わないけど。

(ACT. 22 それが法則)番組進行ネタを勝手に入れかえた事がバレて番組プロデューサーから大目玉を食うキョーコ。

坊の中身はキョーコなのではないかと疑い始めた尚は、VTRの放送中に坊の頭を取ろうとする。キョーコの手を白刃取りして「もしかして意外とあんた俺の知り合いキョーコだったりなーんかして」といいながら更に頭を取ろうとする。必死で暴れるうちに不破を押し倒してしまった坊の胸に触れて「こういう着ぐるみに入るくらいの女ったら 地味で色気のねー女なんだろうな」との言葉に切れて怨キョをだしながら尚の首を絞めようとしたキョーコはとうとうプロデューサーからTV局立ち入り禁止を言い渡され首になる。

その後のミニライブで観客を熱狂させる尚をあとに「それが芸能界の法則なの?アイツが出す曲必ず一位を飾る上級歌手で私が無名の新人だから こんな悔しい思いをしたくなければ行かなきゃダメなんだ あそこまで アイツと対等の位置に立つにはあの眩しい場所へいかなくてはならないんだ」と舞台袖から悲しく思う。

まだ早いよキョーコちゃん。がまんがまん。今は自分が惨めになるだけ。

ブリッジ・ロックの石橋さんから「その子もう『坊』はやらないと思うよ プロデューサーが今日限りだって言ってたから」と聞いた尚は「アレがキョーコだったとしても所詮あのレベルが限界 今度俺のそばへ来られるなんていつの日か いやもうねーんじゃねーかな」

一瞬不破が格好よく見えてしまったキョーコは自己嫌悪に陥りながら、坊の姿のままテレビ局を歩き回り迷子になって倉庫のような所へでる。そこでらしからぬ深刻な顔をした敦賀蓮を見かける。最後にあったときに中指を立てて怒らせただろうキョーコは、逃げようと思ったが、坊の足音はそっと歩くとかえって長い音になって注意を引いてしまう。突然話しかけてきた蓮は「力を貸してくれませんか」。

(ACT. 23 嵐の素顔)蓮の頼みは「携帯お借りできませんか」とのこと。マネージャーの携帯は原因不明の故障でメンテナンスにでていて、代替機も故障したとのこと。(出た!社さんの、素手で触ると10秒で携帯を壊す特技!)スタッフにも何人か聞いて空振りしたと聞いて、台本でわからない文字が出てきてググりたいと見抜いた坊の中のキョーコは、キラキラ笑顔で否定する蓮に「図星刺されても言い通すのが、芸能人の鉄則なんですよね」と蓮に言われたことを返す。「他人を欺こうとか毒のある本音を露呈するその瞬間、本音とはウラハラに作り物みたいに綺麗な笑顔で装うんだ」と得意げにキョーコ坊が喋ると、蓮の顔つきが変わった。恐怖に震えるキョーコは「ごめんなさい敦賀君が大嫌いなので勘でイジワル言っただけなんです」と凄い勢いで謝ると蓮は吹き出す。「面と向かって大嫌いって言われたの生まれて初めて」だと。「俺は一度でも心から非を認めた人間にそれ以上怒る必要なんて無いと思うよ 他人の目をごまかさないといけない様な性格してる俺にも非はあると思うし」といわれて考え方が大人だなとキョーコは感心する。

突如変更した台本を渡された蓮がわからなかったのは「天手古舞い」がどう大変な舞なのか全く知らないという。堪えきれずキョーコ坊は吹き出す。意味を教えた後「この20年日本で生まれ育って一度も耳にした事なかったの?」といいつつまあそういうこともあるかと思い直す。スタジオの照明が目に入り眩しくて、突然光の当たるところにいる先ほどの尚を思い出してキョーコ坊がっくりすると「その頭取った方がいいんじゃないか」と気持ち悪くなったのかと心配する蓮「ボク今日でこの仕事クビだから・・・っもうちょっと着てたいな」とこんな着ぐるみの仕事さえ、尚のことを考えると暴走してまともにこなせない自分に更に落ち込む。「そんなクビになった仕事にいつまでも執着してたんじゃいつまでたっても上へは行けないぞ 女々しい」といわれて「君に何がわかる クビになったこともないクセに」というと、なんと、業界入りしたすぐの頃は早く売れたくてだいぶから回ってて、役者として未熟なくせに監督の言うこと聞かなくてクビにされたことを数え始めると10指に余るらしい。この人でも新人時代はたくさん失敗してるんだとほっこりしながらふと「君みたいなトップスターが昔そんなリストラ俳優だったなんてどうして一度も話題にならなかったの?日本のマスコミなら絶対ほっとかなさそうなのに 君 実はその時日本で芸能活動してなかったんじゃないの」というキョーコ坊に、両手を広げてHA!という動作をして見せて「ナニシロ米国暮らしが長かったモノでクセなのデエス」と片言外人まねっこをしてみせる。馬鹿にされたと思ったキョーコは図星で隠すのなら似非紳士キラキラ笑顔になるから「アメリカ」は除外されたと思う。

立ち去るキョーコ坊を追いかけてきた蓮はあらためて「ありがとう」と礼をいう。ともあれ蓮の失敗話を聞いて「失敗したってクビになったっていちいちヘコんだりなんかしてちゃ芸能人なんか勤まらないんだ」とやる気を取り戻したキョーコだった。蓮のいろいろな面が見られたし。

石なしで復活したの初めてとキョーコは言っていたけど、キョーコはもちろん知らないけれど、蓮はキョーコに、悲しみを吸い取るコーンの石を送った本人久遠だものね(ACT.19)。

天手古舞いってそんなに使う言葉じゃないけどな。この部分、多大な時間とお金を費やして英語を身につけて、non-nativeでそんな表現できる人、初めて聞いたなどとお世辞をいってもらえるようになった私には身につまされるものがある。ナチュラルなスピードで喋られてもついていけるし、慣用句交えてぺらぺら喋っているように見えるのに、実はネイティブの80%割が知っている表現を知らないことがしばしばあって、逆に調子よく喋ってた相手をイラッとさせることがあるので。

スキップ・ビート!3へ / スキップ・ビート!5へ

スキップ・ビート!目次

0 件のコメント:

コメントを投稿