2022年4月4日月曜日

スキップ・ビート!20

2008年10月17日

(ACT.115 LUCKY NUMBER"24")
今度のキョーコの役Box"R"という学園ドラマの”ナツ”はリーダー的存在で周りからも親しまれ、優しい両親に恵まれ、ちょっとの努力で成績トップな順風満帆な生活に退屈して、主人公をいじめることで憂さ晴らしをするという、到底キョーコには理解できない高校生。だってキョーコはいじめられる側だったものね。

台本を読みながらLMEを歩いていると、退屈だというマリアちゃんの声がする。蓮様人形で会話に加わるキョーコとのやりとりにあきれるモー子さん。蓮様人形が欲しいとキラキラ顔でマリアちゃんに言われるが、あげられないと聞いて落ち込むマリアちゃん。

明るくなるような話題をと思って12月24日はマリアちゃんの誕生日だし、クリスマス・イブでもあるからパーティをやるんでしょと話をふると、誕生日はママの命日だから生涯祝わないって決めてるのというどんよりした顔。しまったと思うキョーコに更に「私のバースデーパーティのために誰かに来て欲しいなんて言ったりすると良くない事が起こりそうだから」と。

マリアちゃん、大金持ちの家に生まれて、お祖父様や蓮様にも愛されているけど、深い傷はまだ残ってるんだよね。キョーコが養成所に入るときにお父さんの気持ちに気付かせてくれて(3巻ACT.16-4巻ACT18)、お父さんとはメールをやりとりするようにはなったけど。

そういえばマリアちゃんのお母様が飛行機事故で亡くなったのはマリアちゃんのお誕生日のために日本へ帰ってきてたときだったのだ。お誕生日をママと一緒に過ごしたいという生まれて初めてのマリアちゃんのお願い事を叶えるために。

クリスマスも誕生日も祝わないのはそのためかと思い、キョーコは7歳のマリアとキョーコ主催で「大切な人に『今年もあなたと関わることができて幸せでした。ありがとう』って伝えるパーティを持ちかける。「どちら様もセンキュウパーティー」という案はモー子さんにダサいと一蹴されたが。

マリアちゃんを笑顔にするために奮闘するキョーコは素敵。仏頂面して文句をいいながらも協力するモー子さん最高。

その頃蓮は、控え室でクィーン・ローザという大輪のバラが誕生したという雑誌記事を見て何かを思いついたもよう。

(ACT.116 LUCKY NUMBER"24")
12月24日午後6時半からというHAPPY GRATEFUL PARTYの招待状を蓮と社さんに渡す。

マリアちゃんのバースデープレゼントを渡しに行くくらいなら余裕で行けると蓮にいわれて、喜ぶキョーコ。「喜ぶのはマリアちゃんだけ?」というストレートなボールを「それは他の招待客の方々も」とフルスイングで空ぶるキョーコ。「じゃ最上さんは?」と更に外しようのないボールを「もちろん嬉しいですよ。敦賀さんには色々お世話になって感謝してますから!!」と笑えない凡打に冷や汗をかく社さん。

「24日に何で感謝パーティなのだろう。普通クリスマスパーティじゃないか?」と不思議そうな社さんに、「マリアちゃんのためかなあ」と蓮。

マリアちゃんが誕生日もクリスマスも祝いたくない事情を知っていて、マリアちゃんのためにパーティを開くキョーコの優しい気持ちを察する敦賀さん、だから思いっきり空振りされてもへこたれないよね。キョーコへの思いが更に募っただろうな。

パーティはキョーコとマリアの反対にもかかわらず、宝田社長が通りすがりの「足長おじさん」として出資し、社長の迎賓館でやるという大がかりなことになった。

ショーウィンドウにキョーコの好きそうなメルヘンな化粧品セットを見かけて、葛藤するモー子さん。

TV局からパーティの準備にキョーコが駆けつけると、足長おじさんが派遣した匠により、お菓子の家の基礎やチョコレートの滝の準備ができていた。

楽しそうなマリアとキョーコの様子をそっとのぞく社長さん。「マリア様があんな風に陰りなく笑うのを久しぶりに見ました」「もしかしたらマリア様はご自分の誕生日は決して他人を不幸にする呪われたものではないと思い直してくれるかもしれませんね。このパーティが楽しくて幸せなものに終われば」とルトさん。「なるさ。最上君は頭のいい娘だからな」と社長さん。

後に蓮の闇も乗り越える手伝いをするわけだけど、キョーコは他人を不幸な過去を克服させて幸せにする名人なんだなあ早くキョーコ自身が幸せになりますように。

(ACT.117 LUCKY NUMBER"24")
そしてHAPPY GRATEFUL PARTYが始まった。蝶ネクタイにパンツスーツで出迎える主催者のマリアちゃん。ローリィ社長の趣味でヨーロッパ王室のパレード風の出迎え。社長の友達や仕事関係の集団は多国的セレブのサロン風。マリアちゃんのお友達の集団はメルヘンガーデンin悪魔の森ゾーン。キョーコは厨房でディナーとスイーツ作成中。キョーコが一つつくってシェフとパティシェ集団があとを引き受ける形式だ。表との連絡をするのはルトさん。琴南さんに、「ごめんねぇモー子さぁ~ん!!もちょっと待ってて~~~!!」と真面目な顔でキョーコの口調を真似て伝える。

トラおじ様ことエルトラは「アルジに呼ばれたくらいじゃ、忙しい私はのこのこ日本までやって来ないよ」と。主催はマリアちゃんとキョーコという娘と聞き、更にプロが舌を巻く程の料理の腕前と「芝居の才能にも恵まれている」と既に噂を聞いて獲物を狙う獣の目になって、ローリィに紹介してくれるように頼む。

これは将来の伏線かな。わかりにくいけどトラおじさまとマリアの会話とか、ローリィとトラおじさまの会話とか、横書きの字は英語で喋ってるんだよね。ずっと先のカインとセツカの会話とかACT.296の京子とヘルベルト監督の監督の会話とか呉前プロデューサーとヘルベルト監督の会話とかACT.297のモー子さんの演技とかヘルベルト監督との会話とかを改めて見てみるとみんなそうなってる。

坊(当然今日は中身はキョーコじゃない)とブリッジロックも招待されているのを見て、キョーコとの今までを思い返す奏江。

そういえば後ほど敦賀さん来た時に坊を見たかな。見ていればますますキョーコとは別の存在だと無意識のうちに記憶が強化されるかも。

万年ダイエット中のモー子さんがキョーコの料理がおいしすぎて食べ過ぎてしまったところへシェフスタイルのまま走ってくるキョーコ。

舞台では音楽一家がマリアちゃんの演奏に加わって盛り上がっている。マリアちゃん楽しそうでよかったとつぶやくキョーコに「責任感じてたんだ。あの子に自分の誕生日が母親の命日だと言わせて落ち込ませた事」と奏江はいうが、キョーコの返事は「マリアちゃんきっと今でも自分のせいでママが亡くなったと思ってるんだと思うから。大好きな人達と楽しく過ごせるバースデーはしたくてもママの死んだ日に自分が祝われるのは辛いんだよ。だからせめて12月24日をマリアちゃんが大好きな人達と楽しい時間を思い切り笑顔で過ごせる様に生誕祭を感謝祭にしてみたの」

舞台裏ではローリィ宝田とトラおじさまとそしてもう一人、パーティの佳境に向けて密かに打ち合わせをしていた。

スキップ・ビート!には素敵なおじさまもたくさん出てくる。

(ACT.118 LUCKY NUMBER"24")
DARK MOONの緒方監督や共演者も、だるまやご夫婦も仕事が終わった後駆けつけてくれた。

そして蓮と社さんも登場。シェフの格好で、社さんには「夜の帳」蓮には「夜明けの明星」と名付けた特別なウェルカムドリンクを持って迎えるキョーコ。

ヨーロッパ王室パレード風の入場案内のそれぞれの反応の仕方が面白い。モー子さん、DARK MOONの緒方監督や共演者、だるまやご夫婦、そして社さん。さすがに蓮は社長さんには慣れていて動じてない。

突然灯りが消え、花火と共に登場する社長。社長さんも招待客だったはずだけど、どこにいっても存在だけでその場を乗っ取るのはさすが。

そして社長さんから参加者へのプレゼントは、マントを振って幸せの花がでてくる・・・はずがトラおじさま登場。もう一度マントを振るってでてきた箱からはやはりトラおじさまが。何度やってもでてくるのはトラおじさま。

そして24日が終わるまであと15分、ラストチャンスに花と共に現れたのは宝田コウキさん、すなわちマリアちゃんのお父さん。キョーコの隣で見まもっていたマリアは呆然として「パパ」とつぶやく。

マリアの気持ちをたてながら本心がわかっていて、策をたてたトラおじさまと社長が素晴らしい!

(ACT.119 LUCKY NUMBER"24")
パパには招待状を出してないという。呆然としたまま動けないマリアちゃんにトラおじさまは「このパーティーに、直接マリアに招待してもらえなかったこと、内心コウキはショックを受けてるよ」「理由があるならちゃんとコウキに言ってお上げ(きっとマリアがどんなにコウキを愛しているか伝わるはずだから)」と。

手を組んで成り行きを見守るキョーコに目をやる蓮。

「マリアは気を遣ってくれたんだよね。招待状を出すことで僕の仕事の邪魔をするんじゃないかって。謝るのは僕の方だよ。マリアにずっと我慢ばかりをさせて来たくせにたった一度のわがままを咎めてしまった。もう我慢しなくていいからもっとわがままを言ってもらえないかな」とのお父さん(コウキ)の言葉に、無言で首を振るマリアちゃん。

「だって神様は私に意地悪なのよ。きっとまた私の大切なものを奪って行くの。私がわがまま言うと」「パパが飛行機乗るの怖かったの」と絞り出すマリアちゃん。涙がとめどなく流れるキョーコ。「僕は今日飛行機に乗ってきたんだよ。マリアに会うために。でもちゃんと生きてる。確かめてごらん」抱き合うコウキさんとマリア。「ありがとう僕の娘に生まれてくれて」

「マリアちゃんこれを機にうまく甘えられるようになるといいね。お父さんに。」とキョーコにハンカチを差し出す蓮。

20巻を読むと、事故で父を亡くした私はいつも涙が出る。崩壊家庭で父と暮らしていたのは多分4歳くらいまでで、ほとんど覚えてなくて、その後父はアメリカに職を得て人生の後ろ半分はアメリカにいた。私が高校生になる頃から手紙、後にメールを交換するようになったけど、付き合い方は常にギクシャクしていた。

あまり近い存在でははなかったので、突然の事故で逝ってしまったときに涙はでなかったけど、やはり喪失感があった。

父の人生の半分以上は内縁の妻だった方と一緒で、母がどれだけ不愉快な人間かよく知っている私は、父が幸せな半生を送れてよかったとは思う。でも父が亡くなった直後の電話でのやりとりで、彼女にそういったときに「私の母と出会ったのは若い頃の過ちだった」と言われた。私もそうは思うけど複雑な気持ちで、それまで良好だった彼女との間はその後も見かけ上は良好だし、その後2回彼女を訪問したけど、父の生前には絶対に私の母の悪口をいわなかったのが(父が悪口をいうとたしなめていた)、私に母の悪口をいうようになった。まあそれが本音だろうと思うし、父も母も彼女も全員同じ分野の人で、彼女も父も、母から非常に不愉快な目にあわされたと察するし、父が日本に居づらくなったのもたぶんそれと関係なくはないと思う。でも同意はするものの何というか心が痛かった。母は人を不愉快にする名人で、私にとっても毒親だし、父はその人と幸せに暮らせて良かったとは思うけど、若い頃の母との暮らしがなかったら私は存在しなかったはずだから。

12時の鐘が鳴る。12月25日になった。大輪のバラを一輪差し出す蓮。「17歳お誕生日おめでとう」と。

ともあれこういうときの蓮はスマート。蓮はマリアちゃんと親しかったからマリアちゃんの気持ちも知っているだろうし、この結末もある程度予想して、キョーコちゃんが感涙した最高のシチュエーションを狙ってたんだろうなあ。ちなみにバラ一輪の花言葉は「一目ぼれ」「あなたしかいない」

(ACT.120 LUCKY NUMBER"25")
帰る前にキョーコへの恥ずかしいキラキラ化粧品セットを渡そうか悩むモー子さん。やっぱり帰ろうと、キョー子に一声かけにいくと、キョーコは敦賀さんからバラを贈られているところだった。社長からバースディを聞いたと嘘をついて。(10年前コーンとして子供のキョーコと会ったときに聞いていた)

突然「あんた、今日、誕生日だったの」と二人の会話に割って入るモー子さん。視線は敦賀さんの送ったバラを睨んでいる。いそいでクラークから預けた化粧品セットをキョーコに渡す。
モー子さんって、敦賀さんになびかない数少ない女性で、むしろキョーコを争って敦賀さんに対抗意識を燃やしてるところが最高。敦賀さんといい雰囲気のキョーコに割って入るところもモー子さんなら許せるし、ツンデレでいて肝心の所ではちゃんとキョーコへの気持ちを言葉にできるところは蓮にも見習って欲しい。

「思わず買っちゃったのよね。誕生日なんて知らなかったけどあんたこういうの好きそうだし、喜ぶかな(と思って)」

大喜びのキョーコに、「(蓮に)勝った」とほくそ笑むモー子さん。「そこまで演出考えて日付変わった瞬間に一番乗りでプレゼント渡した敦賀君が、誕生日すら知らなかった駆け込み乗車客に負けるなんて」と吹き出す社さん。

蓮の脳裏に浮かんだのは「私のお誕生日は25日なの。でもお世話になってるお家が旅館で忙しいときだからお祝いは24日。クリスマスパーティ-の時一緒にしてくれるのよっ」といった10年前のキョーコ。「それはすこしかなしいね」というコーンに「どうして?クリスマスとお誕生日二つ同時にお祝いできるのに。一人お家でお留守番してるのと比べたら私ずっとずっと嬉しいし楽しいわ!!」と笑う。

「やっぱり誕生日を一人でもたくさん祝ってくれる人が居るって嬉しくないですか」と蓮。10年前からずっとそう思ってきたのならいい加減にコーンバレせい!と思う。
だるまや夫婦からもプレゼントをもらって喜ぶキョーコに、神々スマイルを浮かべる蓮。そして社長さんによるハッピーバースディのシェフコーラス隊とお菓子の家???の登場。

『今日、ずっと気付かないふりをしてきた胸にあいた小さな穴が暖かい何かで埋まった気がした』キョーコ。

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