2022年4月23日土曜日

スキップ・ビート!21

2009年2月19日発売
(ACT.121 幸福注意報)
 夢のようなパーティが終わった12月26日、まだ幸福感に浸っていたキョーコは仕事にいくのを忘れて、10時集合のBox"R"台本読み合わせ初日にいきなり1時間1分23秒遅刻する。

 15:50蓮と社さんがDARK MOONのスタジオ入りしてみると、キョーコは落ち込んで、珍しく未緒にもなかなか気持ちが入れなくて、緒方監督に少し休んでいるように言われて、さらに沈んでいるところだった。そっと十八茶を差し出す敦賀さん。

敦賀さん最初の頃とは別人のようにキョーコちゃんに優しい。

 新しいドラマの読み合わせに遅刻して共演者を一時間は待たせたときいて、「それで?他には?」と蓮。「今はその事忘れて早いところ気分を切り替えた方がいいな。今から5分待ってあげるからその間になんとかするように。はい、じゃあ、よーいスタート」絶対遅刻しない敦賀さんならもっと怒るかと思っていて、すがりつくキョーコに「俺が怒るとすれば先の現場でのその失敗を次の現場へ持ち込んでそのうえ悪影響を及ぼしているという事だな。正直迷惑だ。」と。

昨日蓮立ち会いの下、社長さんにデュリスさんを紹介され「この芸能界で、未来の自分が何を手にいれていたら嬉しいと思う?」と聞かれて、「これが私ですって他人に誇れる自分自身です。最終的にはどんな役でもこなせてしまう最高で最強の一流俳優になれればなって思ってます」といったことを、蓮は思い出させる。

「芸能業界は厳しい。親が死んでも仕事に穴は空けるなと言われる程。どんな辛い事があっても仕事になれば笑ってふざけて楽しそうにしなければならない時がある。それを一瞬で気持ちを切り替え乗り切るのがプロ。他人に死ぬまで晒さないのが一流だ」「気持ちも切り替えられず、『未緒』も演れないなら今日はもう帰らせてもらうんだな。芝居のできない役者は現場にいらない」といって離れていく蓮。

「甘やかすだけじゃ才能のある人間は育たないんです。それに俺だって無茶を言ったりしませんよ。わざわざできもしない人間相手に」社さんが振り返ってみると、確かにキョーコの中で何か変わったようで、表情が変わっている。

 蓮は松内瑠璃子のときそうだったけど、共演者のわがままややる気のなさに皮肉はいっても寛容だものね。この場合、愛の鞭をあげるキョーコちゃんは特別。

 キョーコが落ち込むのは役者としては甘えだけど、生まれて初めてバースディを大勢の人に祝ってもらって舞い上がるのは無理がない。今後は気持ちをすばやく切り替えられるといいね。こういう浮かれた後、気持ちを引きずって周りに迷惑をかけてしまうってありがちだから、気をつけよう。

 やっぱり京子さんは敦賀君には何でも話せるんだねと、様子をうかがう緒方監督。

(ACT.122 無敵のローザ)
 蓮に叱られたおかげで気持ちを切り替えて仕事に戻れたとお礼をいうキョーコ。引きずったのはあっちの監督にスゴイ凹むような叱られ方をしたからなんだろ?という社さんに、「全く叱られなかったからむしろスゴク凹んだんです」と。安南監督がナツについて熱く語っているうちに他の人は帰ってしまったのでまともに謝罪することもできなかったと。

 緒方監督じゃ優しすぎて無理だから、敦賀さんに一刀両断にバッサリ斬って欲しかった。斬って生かせるなんて盆栽か植木職人のようですね!!というキョーコにどこから突っ込んでいいかわからない社さんだが、蓮はまんざらでもなくて、盆栽の剪定トークをする二人。

 花瓶を買いたいというキョーコにつき合う二人。あのバラは「クィーン・ローザ」という名前で、イギリス王家にまつわる伝説があって、娘のプリンセス・ローザの夭逝を嘆いたクィーン・ローザの亡くなった場所で咲いたバラで、開ききった中心から王女の面差しによく似た小さな女の子が出てきたという。

コーンが妖精だと今でも信じているキョーコちゃんならまあ信じるのもわかるけど、このおとぎ話を考えている敦賀さんが、吹き出したくなるほど可愛い!久遠ならキョーコのメルヘン癖に徹底してつき合ってくれたんだろうなと彷彿させる。ほんとうは前日のキョーコの誕生日にローザ様を贈ったときに言おうと思っていたのだけど、モー子さんに邪魔されたから(20巻ACT.120)ここで披露できてよかったね。

 そして家に帰ったキョーコを待っていたのは、貧弱な一輪挿しでは絶えきれずにひっくりかえったクィーン・ローザ様からでてきたバラ色に近いピンク色下涙型の宝石。

 無敵の気分で報告するキョーコちゃん。社さんは「仕込んだな」と蓮にぽつり。

高いものを渡して受け取ってくれないからとその努力はかうけど、もう少し正攻法に使ったら・・・というのはまだ早いか。しかしいくらなんだろう。ネットで探した感じだとパパラチアサファイヤかと。ということは、意味は「シンハラ語(スリランカの言語)で『蓮の花』『蓮の花の蕾』」うんそれっぽいかも。

(ACT.123 Wake me up!)
BOX"R"の撮影が始まった。
『未緒』っぽくしてくれと安南監督に言われて、その通りすれば一発OKで絶賛される夢を見て、蓮様人形に「図々しいにも程があるよね」と叱られる一人芝居をLEMのラブミー部部室でしているところを、当の蓮に見られてしまうキョーコ。人形が見られなかったのは幸だけど「最上さんの中で俺ってずいぶんイヤミキャラなんだな」と。「敦賀さんの言う事はいつも正しくてダメなことはダメってはっきり叱ってくれるし、今の暴走気味な私をもし敦賀さんが見たら今回も窘めてくれるかなって」

BOX"R"の撮影1月15日が近づいてきて、未緒とは違う演技がしたいのにいじめるシーンはどうしても未緒になっちゃうし、いじめるシーン以外では平凡以上普通以下で私の演技は全然つまらないんですというキョーコに、台本を読んだ蓮は「そのまま演ってみれば?」と笑顔でいう。「答えって意外と自分のすぐ近くにあるものだよ」と。椹さんに呼ばれているキョーコだが、「すぐ済みます」といっても蓮は「待っててあげようか?」とは言ってくれなかったのにもちょっとショック。

敦賀さんはキョーコちゃんの実力を信じてるんだ。少々時間がかかっても自分のナツを作れるって。ただもう一言あってもいいかな。

蓮は、次の映画で殺し屋B.J.を演じる謎の俳優Xの役柄確認にきた。撮影は去年の暮れか今年の頭という話だったけれど、20日にクランクイン(1月の?)で蓮は来月末(2月末?)まで入らなくていいと監督に言われている。Xは主役だけど謎の人物だから。

ラブミー部部室で蓮が休憩するのは、キョーコは不思議に思わないんだ。キョーコちゃんのスケジュールまで管理しつつある社さんご苦労様。

ナツは優しいお父さんとお母さんがいて何でもすぐにこなせてしまう程、器用で頭も良くて、そんなだから常にリーダー的存在で人気者で・・・久遠少年とかぶるトコ一杯あるのになぁと思いながらクーさんの「成長と共にあの子の顔から笑顔が消えていったのはわたしのせいではあるんだが」という言葉を思い出す。でも笑顔が消えても久遠少年はナツみたいに自分の人生を退屈でつまらないものだと思ったりなんかしてなかったはず。ナツは人前ではいい子ぶって笑顔をとりつくろってるから反動で一人の時無表情になる。

敦賀さんの「そのまま演ってみれば?」という言葉を思い出す。クーさんの言った「演じるんじゃなくてお芝居の中で生きるんだ」という言葉も思い出す。

いや久遠も心がこわれていくのに、表をつくろって一人の時は無表情になっていったと思う。ナツとは状況が違うけど。

(ACT.124 見えない残像)
ナツになるためにモー子さんからのプレゼントの高い化粧品セットを前にしたが、決心がつかずもののいつものドラッグストアのコスメでメイクをする。足元だけは誕生日にだるまや夫婦からもらった靴を履いて。しかし撮影はNGの連続。こういう普通のシーンは未緒でなくて言いと安南監督は言うが、キョーコには未緒を演じている自覚はない。

いずれにせよキョーコは普通の女子高生じゃないから、敦賀さんの言う『そのまま』ではダメだと思う。やっぱ敦賀さん指導的配慮と言うより、単にスルーするスキルだけでは。

(ACT.125 Black or White)
とうとう休憩を取らされたキョーコ達。共演者がキョーコのことを所詮タレント女優じゃないと聞こえる様にいう。

未緒の演技しているつもり無いんです。これで普通に、普段通りにしてるだけなんですというキョーコに、突然「よろしくお願いします」って言ってみてというスタッフ。この丁寧で美しいお辞儀、今時の10代の子が普通にできることじゃないでしょ。この子立ち姿が、もう素で現代っ子のものじゃないいです。という。とりあえずもっと楽に立ってみてといわれてもキョーコにはできない。

気分を変えるために教室のシーンにかえるという安南監督に、主役より扱いがいいと不満たらたらの共演者達。「当たりクジ一回引いただけなのに自分才能ある人だから~~みたいに」。初顔合わせに遅刻したことを謝っても、更にうっとおしがられるだけ。

いろいろ理由はあると思うけど、やっぱりキョーコちゃん最初の顔合わせで遅刻して反発をかったのはまずかったかも。しかし謝ってるのに虫扱いとは他のJK役もちょっとねえ。

かつて小学校時代に同級生から虫扱いされたことを突然思い出して、自分のことをいわれていたことを自覚するキョーコ。ショータローのおかげで同級生の女の子から嫌われていた自分の歴史であるが、小学生レベルのいじめじゃナツの演技にもつかえないと思うキョーコ。

教室シーンで安南監督からイジメシーンはもっと未緒っぽっくと要求されて、未緒が美月を憎んでるみたいにナツはちとせを憎んでる訳ではないので違う気が、と思わず口にするキョーコに「俺が未緒でいいって言ってんだから黙って未緒で演ればいいんだよ。ただでさえ普通の演技がまともに出来ないんだから、こういう得意分野の演技くらい一発でキメてくれないか」と頭ごなしの監督に、誰も助けをだしてくれない。

まあ監督のイメージにも未緒以外ないからこうなったら実践するしかないキョーコちゃん。

(ACT.126 ナツへダッシュ!)
未緒の演技にかえてから一発OKのキョーコ。今最も怖い悪役NO1という声に複雑な気分のキョーコ。「やっぱり『敦賀蓮の後輩』は伊達じゃないかもな!」という声。

でも共演JKたちは「『ナツ』って確かあたしらのリーダー的存在じゃんね。すべてにおいて常に頭一つ出ている『ナツ』に、あたしら親しみの中に憧れすら抱いてなくちゃいけないのよ」と納得できない様子。

その中で天宮千織だけは「気にしないで」と優しい。「それに私はあなたの意見に賛成よ。憎悪を露にして『ちとせ』に接するのは『ナツ』としては異質な気がするわ」と。「もしあなたが役にこだわりを持っているのなら諦めないで」と励ます。

しかし千織は監督にこっそり「京子さん、監督の求める『ナツ』にどうしても納得できないらしくて、もしかしてまた自分なりの『ナツ』にかえてくるかも知れません」と告げ口をすると、監督は「次また俺に刃向かう様ならもっと無駄なプライド叩き潰しとくか。」と。

『敦賀蓮の後輩』は伊達じゃないかもなという声をきいたときに、もしかしたら敦賀さんなら闘ったかもしれないと思ったキョーコ。かつて坊に、蓮が、新人時代はクビ三昧だったとの言葉を思い出す。役を守りたいって言う役者魂がまだ全然足りなかったんだ。とつらつらと控え室で鏡に映る自分を見て、仲居立ちしている自分に気が付く。女の子が憧れるファンションリーダーのモデルさんのようになりたいと思ったキョーコの頭に、先日の「やっぱきまぐれロック」収録で会ったファッションモデルのほのかさんのたたずまいが思い浮かぶが、どんな風にたっていたか思い出せない。何かいい案はと蓮人形に話しかけて、ふとモデルである蓮のたたずまいを思い出す。

車を運転して自宅に向かう途中の蓮は、社さんから、キョーコちゃんから蓮のあがりの時間を聞かれたと連絡を受ける。もう夜中の2:10。切迫していて様子がおかしかったという。そんな蓮の前方の道路にたたずむキョーコが目に入る。

夜中の2:10に忙しいスター俳優を待ち伏せするって、すごく非常識だけど、キョーコは自分が拒否されないだろうと無意識のうちに思っている?ということは無意識のうちの蓮の好意を少しは感じているのでは?まあ気になることがあると、そういう事を考えられないくらいまわりが見えなくなるのもキョーコらしいか。

調べたら道路交通法が改正されて「運転中にスマートフォンなどの携帯電話などを手に持っての通話の禁止」「運転中にスマートフォンなどの携帯電話やカーナビなどの画像の注視の禁止」になったのは2019年12月1日かあ。後からこういったシーンを見るとなかなか感慨深い

しかし素のキョーコを表す素うどんって悪くはないよ。何にでも変身できるし。


0 件のコメント:

コメントを投稿