(1話)高華王国の緋龍城のイル国王の一人娘ヨナ姫は、大切に箱入りで育てられて一度も城の外にでたことがなく(実際はのちに(11巻60話61話)回顧されるように、ハクやスウォンに連れられて一度城下町に遊びに行って、あやうく人さらいにさらわれそうな目に遭って、当時近衛隊長だったジュドの大目玉をくらっている)、関心があるのは、まとまらない赤毛の髪と、幼馴染みの従者であり風の部族の将軍であるハクは、口が悪く無礼であることと、3つ年上のいとこのスウォンへの片思い。スウォンに馬に乗せてもらってドキドキがとまらない。スウォンのほうは、ヨナが6歳の時にヨナの母が賊に襲われて殺されたときに、ヨナの手を握って寝てくれたときから変わらず、全くの子ども扱い。思わず、ハクとの縁談があるというと、それはおめでとうございますといわれてしまう。父であるイル国王は、そろそろ婚約を考えなくてはいけないけど、なぜかスウォンはダメだという。スウォンはイル国王の兄の息子だからもうしぶんない家柄なはずなのに。
16歳の誕生日を祝うために、スウォンが事前に泊まりがけでお城に来てウキウキしているヨナだが、夜城の中で誰かに追いかけられて恐怖でスウォンの部屋へ逃げ込む。そこで思わず片思いだったスウォンへの気持ちを告げるヨナ。スウォンにヨナを妹のようにしか見ていないとはいわれたけど、少しでも気にしてくれたならば今はそれでいいという。この姿も見せずに追いかけてきたのは、後ほど緋龍城に帰還してからもヨナを殺そうとしたヒューリ。ヒューリとはその後も緋龍城でやり合うことになるけれど、35巻くらいで少しヨナの気持ちが通じるようになったのかな。
そして5日後に16歳の誕生日のお祝いの宴会が終わったあとに、スウォンから簪を贈られて「私は好きですよ ヨナの髪 キレイな紅 暁の空の色です」と言われて幸せに満たされる。それを目の前で見ていたスウォンともヨナとも幼なじみであるハクは、スウォンに「頑張ってください」とエールを送る。部屋に帰ったヨナはやはりスウォンをあきらめることはできないと、イル国王に伝えに行くと、スウォンがイル陛下を刺し殺したところだった。尊敬する自分の父ユホンをイル国王は殺害したのだと。10年前から自分はこの日のために生きてきた。父の敵をうち遺志を受け継いで自分が高華の王になるという。
本来ならイル国王はなぜユホンを殺したかまで説明しないと公平で無いと思うが、まあこのときはヨナに目撃されるとは思っていなかったはずなのでそこまで説明する余裕はないか。
(2話)スウォンに従い城を制するために、城を守るはずの守備隊やスウォンが率いてきた兵や後の参謀になるスウォンの腹心ケイシュクがやってきて、ヨナを捕まえ殺害しようとする。間一髪駆けつけた護衛のハクが助け出し、兵に囲まれ刃をつきつけられながら「俺が見ていたスウォンは幻だったのか?お前になら姫をまかせてもいいと思っていた」と問いかけるハクに「貴方たちの知っているスウォンは最初からいなかったんです。道を阻むものがあれば切り捨てます」と背を向ける。そこに誰かが矢を射る。注意がそがれた隙にヨナを連れて逃げるハク。矢をいったのはイル国王の側仕えのミンスで、二人に逃げ道を教えて、自分はおとりになって矢を受けて倒れる。
ミンスが後々出てきて、重要な役割を持つのは、この時点では作者は考えていなかったようだし、ミンスが側仕えになる前にどこで何をしていたかもここではほのめかされていない。
(3話)山を越えてハクの故郷、風の部族の風雅の都に向かって逃げる二人。現実を受け入れられずに、食事も喉を通らずハクのいうままにあるくだけのヨナ。
ハクは、ヨナの護衛となることをイル国王に誓った日の回想にふける。王位狙いでヨナにしつこく言い寄る火の部族長の次男のカン・テジュンを追い払うために、自分とヨナは幼少時より将来を誓い合った仲という。自分は風の部族の次期将軍で、陛下直々にヨナ姫様専属護衛を命ぜられたものだという。聞いていたイル国王は素手でカン・テジュンの刃を止め、ハクは改めてイル国王に忠誠を誓う。怪我した素手を後ろにそっと隠したイル国王を、「この王は臆病などではない」とハクは思う。回想の最後に「あなたの心残りは俺が守る そして必ずあなたの城に戻ります」と誓うのであった。31巻で確かに緋龍城に戻ることになったけど、ハクは城に入れてもらえないとは予想もしていなかっただろう。後ほど35巻で城の地下牢へ入ることにはなったけど。
(4話)もう一つの回想編はハクと野宿しながら逃亡するヨナの夢、ハク、ヨナ、スウォンが雪遊びをして風邪をひいて三人仲良く寝込んだのは、ヨナの母が賊に殺されて間もない頃。見舞いに来たユホンのヨナを見つめる厳しい目は、このときは全く意味もわからなかったけど、34巻で過去編を見れば、ほんとはヨナはユホンの命により、母親のカシとともに殺されていたはずだったのだから、無理も無い。スウォンと一緒で無ければ、ユホンはヨナを殺害したかったところだろう。目が覚めてあの日々は帰ってこないことを改めて実感するヨナ。一方スウォンはハクとヨナは城を出たらしいことを兵から報告されて、城を出た彼らには何もできないから追っ手をかける必要ないという。
(5話)宴のあとスウォンから贈られた簪をまだ大切にヨナが持っていることに気がついたハクは、そっと隠す。簪を落としたと思ったヨナは探しに行って毒蛇の巣窟に迷い込んでしまう。探しにきたハクは毒蛇に噛まれながらヨナを助け簪を返しながら「俺はスウォンを許さない だがそれ以上に俺はあんたに生きて欲しい」と。
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