2022年2月10日木曜日

スキップ・ビート!12

2006年2月17日発売

(ACT.67)ディープ・ショック
本来の「やっぱきまぐれロック」のTBMから坊の衣装の頭部を持ち出して、本体はLMEからアヒルの着ぐるみを持ち出し、蓮が控え室入りしているTV日本に駆けつけたキョーコ。チキンダック!😄🐔

朝、運転中の蓮にちょっと昨夜のことをイジったら、いきなりポルシェを塀にこすったし、控え室でため息ばかりつく蓮に、キョーコを昨夜送った仕掛け人、社は気が気ではない。スターが運転してマネージャーが助手席って、この頃はずっとそうだけど、やっぱり変。おまけに通常は役作りの際は独りになりたくて雲隠れするのに、CDを聴いている。蓮の自宅で音楽CDなど見たことがないのに。

そこに坊(キョーコ)が控え室のドアをノックする。誰もいない廊下で、昨夜の歳の差カップルの話題をふる。19歳差カップルがOKで4歳差カップルがダメというのは矛盾していることを蓮は素直に認める。更に坊が「君が気にしているのは相手が『高校生』だからじゃないのか」というと、少なくとも今まではそうだ、といったあと、「理由なんてなんでもいいんだ。俺があの子に惚れたりしないための『枷』になるなら何だって」と。心の中で昨夜のキョーコを思い出しながら「あの子が高校卒業してもきっと俺は何かまた新しい理由を見つけて鍵をする。『この子はダメなんだ』『恋愛対象にはならないんだ』そう思い込むために」「前に話しただろう。俺はここで大切な存在は作れない どこに居ても」と寂しそうな傷ついた顔に、これ以上触れちゃいけないと思って聞けないと思って、キョーコは何も言えなかった。

闇を抱えた、この表情の敦賀さん好き。でも大切な存在は作れないというのは、間違ってるってたぶんローリィ社長も思ってるから、浅い付き合いをするなと言ってるのに。今はともかく、目標を達してからもまだまだ人生は続くんだから。ってこの時点では「何故」というのが説明されてないから読者にはわからないだろうけど。まあ蓮としては、敦賀蓮は仮の姿で、いずれ目的を果たしてアメリカでスターになったら捨てるつもりだから、その状態で会っている人とは深い付き合いはできないと、線を引いてるんだろうけど。そういう意味では、この漫画は蓮の心の成長物語。

明後日現場で、社長立ち会いで蓮は嘉月を演ることになって、もし演技中に社長が席を立ったら即刻嘉月を切らるという電話連絡を、緒方監督から蓮は受ける。

(ACT.68)ワンナイト・コネクション
作者さん漫画の柱コーナーで、蓮とキョーコのDARK MOONごっこはやめようかと思ってそういうネームもちょっと切ったけど、結局つまらなかったと言ってる。今後もダークムーンのカーアクションとか、BJ撮影とかで、蓮の過去の闇がでてきて克服するのには常にキョーコが関わるのだから、これがなかったら完全に話の進め方が変わってしまうところだった。

社さんと移動しながら坊との会話を思い出す蓮。「あの子が高校卒業してもきっと俺は何かまた新しい理由を見つけて鍵する」俺ならどうするんだ?どんなに鍵を重ねて自分に言い聞かせても嘉月の様に気持ちが育ってしまったら。自分にしかできない嘉月を考えていると、
午前中、学校をさぼって、蓮にお弁当を渡したいために、制服のまま蓮を待っていたキョーコがいた。
こういうときキョーコはすごく積極的。これは相手によってはすごく押しつけがましく感じるだろう。キョーコと恋愛関係を進めたくなかった尚は、その辺感じてたのかな。

無表情からふわっとした神々スマイルに変わる敦賀さん。「元気の出るお弁当もらいついでにできればもらいたいものがあるんだけど。君の今夜の時間と身体」

夜8時に蓮のマンションを訪れるキョーコ「変な言い方しないでくれますか。」「あれ?もしかして何か期待させた?」予想通りの淡泊な反応で多少つまらなかったけれど、自分にドッキリされても困る蓮。

いや、独り暮らしの男性の部屋に夜訪れて、ドッキリするのは当然でしょう。

二人は台本を使わずに、素で嘉月と美月の名前と人物設定だけ使って部屋で過ごす、つまりDARK MOONごっこをすることにした。「俺の嘉月はそれでいいんだ」という蓮が、嘉月を掴みかけていることを察するキョーコ。

(ACT.69)ゲーム・ヒート
風邪で学校を何日か休んでいるのを心配した美月が嘉月の様子を見にくる設定。美月が嘉月の部屋で過ごすのにその方が不自然じゃないけど、そこまでこだわらなくてもと思うキョーコ。

ところがキョーコ美月のドアのベルにしばらく待たせた後、ドアを開けたとたんにダメ出しをする蓮。
ここは自分とキョーコしかいない1フロアー1室のマンションの廊下ではなく、「駅から徒歩5分ほどすなわち人通りも少なくないテラスハウス」で「嘉月は、美月を毛嫌いしている従兄弟操の恋人で、目撃されたら大変な状況なはず」「嘉月の方も見られたら、本郷への復讐がだいなしになるはず。」自分はまだまだだなあと思いながら、敦賀さんが本気で演技の相手をしてくれているのでわくわくするキョーコ。

そういえば、未緒は嘉月の天敵のはずだけど、DARK MOONで二人が絡む部分がまったく見られないのが残念。やはりこれはどこかで京子と蓮が本格的にダブル主役として共演してもらいたい。3巻ACT13-12の松内瑠璃子ちゃんの当て馬でも素人なりに蓮に対峙していたけど、今後京子が成長したら、迫力あると思う。

もう一度ベルを鳴らすところから。
今度は、通りがかりの人の目を気にする美月になって、出てこない嘉月に焦って何度もベルを鳴らしたあと、植え込みに隠れているつもりになる。ちょっとドアを開けて話をしたところで蓮の嘉月に「本郷も今日はもう家に帰りなさい」と言い聞かせてドアを閉められそうになったので、足をドアに挟んで怪我をしながらも、「先生お腹すいてない、ずっと寝こんでて」と、強引に怪我の手当てのために部屋にあがる展開にする。驚きながらもこの先の俺の演技にどう返して来るんだろう、と蓮もわくわくする。ケガの手当てをしたら帰りなさいという展開になりそうな所を「私が生徒としてここに来たんじゃないとすれば?要するに身内。だって先生将来は本郷の家に入るんでしょう?操さんと結婚して。」何をいうのかと思っていた蓮は、その発想に驚くと共に他の女との関係を指摘されて胸が痛むのを感じる。

京子ちゃん松内瑠璃子とのことで捻挫と骨折をしているし、後ほど天宮千織に階段から突き落とされて右手も負傷するし(23巻ACT.133)、将来紅葉としてアクションをする(40巻-)のに大丈夫だろうか。

(ACT.70)ハニー・トラップ
胸が痛んでいるのは、嘉月だろうかそれとも俺が?と思いにふける蓮は、キョーコに「先生どうかなさいました?」と言われて演技中であることを思い出してハッとする。

蓮の風邪の演技が真に迫っているのと、玄関で元気そうに見せたのは美月を安心して帰すためだと気付いたキョーコ。蓮の手を取って「急いで先生でも食べられそうなもの作りますから それまで先生は寝てて下さい」と手を引く。更にベッドが乱れているのを見て、ついさっきまで寝ていて急いで飛び起きてそのままという状態がつくってあることに気が付き、だから嘉月はインターホンになかなかでてこられなかったと気が付く。

役の”行動”や設定に対する視野の広さも奥深さも、自分とは全然違う敦賀さんに、呆然とする京子、目に涙を溜めてフリーズした京子に狼狽える敦賀さん。気を取り直した京子は「おかゆの作り方がわかりません。でも先生のご飯を作りたいんです。だからお願いします。『帰れ』なんて言わないで」と自分ながらその場の思いつきの理由だと思うが、嘉月に台所に行かされる。

実は蓮は京子を『抱きしめたい』衝動に駆られて、そうなる前に台所に追い払ったのだが、キョーコへの気持ちがどんどん膨らんでいくのを感じる蓮。

と台所から大音響が。椅子の上にゴミ箱をおいて上の収納棚をおろしたら出っ張ってきて、にっちもさっちもいかない状況のキョーコを助けたところが、バランスを崩したゴミ箱が外れキョーコは後ろに落ちる・・・はずだったのが蓮に抱きしめられて床の上。

キョーコが落ちた衝撃を受けてないなら、敦賀さんの上に落ちて抱き止められたはずだけど、それでどうして敦賀さんが上になって抱きしめている???いやそれは助けた後思わず押し倒したのか。

(ACT.71)ギルティ・シーン
蓮は、抱きしめた昔のガールフレンド達を思い出すが、彼女たちの感覚に香りに胸を締め付けられることはなかった キョーコだと、こんなに愛おしいなんて、とそのままギュッとキョーコを抱きしめる蓮。

嘉月なら思わず触ってしまってあわてるのではと思って、反応に困った京子は、「先生、あのもしかしてご気分でも悪くして」と言われてハッとする蓮。

こんな所で俺の気持ちに気付かれる訳にはいかないんだと、夜の帝王の顔になり、京子のくちびるを手でなぜ「キスしたことある?」「教えてあげようか」と更に迫る。焦った京子は「先生お気を確かに。私は操さんじゃありませんよ」との声に、また素で暴走しかけたことに気が付いて呆然とする蓮。

ろくに料理しないのに冷蔵庫や棚が大きくて立派なことが、まんがParkで言われていたけど、敦賀さんアメリカ育ちだから、これはアメリカの典型的なキッチン。巨大な冷蔵庫といっぱな棚や綺麗なシンクや調理台、で、実は料理はほとんどしない。

思わずキョーコを抱きしめたのが嘉月じゃなくて自分であり、芝居を忘れて暴走したことに呆然とする蓮。思わず笑う蓮に、むっとするキョーコ。「教師の言う事聞かないで家に帰ろうとしないから、おしおきしたんだ。」と芝居に便乗して本心を隠す蓮。実は『嘉月』でも『敦賀蓮』でもない素の自分(ここではまだ明かされないけど久遠)がでてしまったのだけど。
今日ほどテンパった自分に出会える機会が訪れた事が一度もなかった。自分も知らなかった自分の一面を彼女が引き出した。過去は持ち込まないって決めたのにとため息をつく。一方キョーコも抱きしめられた後の蓮が、嘉月ともいつもの敦賀さん違う誰かであるような気がしていた。

蓮の頭に、「嘉月を楽しいと思えるようになったら出てきて下さい」という緒方監督の言葉が浮かぶ。過去は持ち込まないと決めていたけど俺はその嘉月を演ってみたい。俺にしかできない嘉月を。

なにか吹っ切れたような蓮から「今夜はありがとう。つき合ってくれて」と言われて「敦賀さんの嘉月が」とキョーコ「演れそうだ」と蓮。

敦賀さんほんとうに恋を自覚したのね。しかしこの先が長い。しかし素の敦賀蓮=久遠って夜の帝王なの・・・まあ10代前半に両手の指に余るほどの彼女とつきあってSexしてきたんだろうけど。

(ACT.72)シナリオ・ジャック
敦賀さんの嘉月が見られるとウキウキと撮影現場にキョーコがいくと、なにやら重苦しい雰囲気で、未緒の衣装もまだ用意されてないし、宝田ローリィ社長が蓮とにらみ合っている。宝田社長が来た時、1回目も2回目も京子はいなかったし、スタッフも監督を刺激しないように口に出さないようにしてきたのだ。
「俺がタイクツする様なヘタな演技しやがったら即刻降板だ。保津周平のインパクトに劣っていても降板だ」と社長。「保津周平の表現力も影響力もインパクトも超えてみせます。あなたの目の前で」と蓮。

蓮にとって大変な事態なのに自分だけ知らなくて、と独り拗ねるキョーコ。昨日の別れ際に何も言われなかったので、キョーコは多分知らないと気付いていた蓮。「一番最後まで敦賀さんの側にいたのは私なのに、敦賀さんの身に大変な事が起きてる事知らなくて、悔しかっただけ」と腕で膝を抱えていうキョーコに、「俺の理性を試しているのか」と無表情で思う蓮。

宝田社長曰く、これは蓮仕様の俺の愛情表現なんだと。
宝田社長はどうさせたかったのか、結局よくわからなかった。蓮を挑発して、久遠を解放させたかったのか、まだその時では無いから悔しさだけを胸に残したかったのか。

テストは敦賀さんがスランプに陥って演技ができなくなった、美月が嘉月に紅茶を出しに来るところからだが、百瀬逸美のため息を聞いた蓮は、「美月でカップで手を切った後からのセリフ、アドリブでやらせて下さい。」と緒方監督にも申し出る。
「台本の中の嘉月のままだと俺の演りたい嘉月にならないんです。」「嘉月のセリフが変わると美月のセリフも変わってしまう。百瀬さんだって困るよ」という緒方監督に「百瀬さんは演ってくれますよ。もう何度も同じ演技やらされて飽きちゃってるはずだから」話の流れは絶対変えないし、このシーンの引きも変えません。「もし美月のセリフが出てこなかったら?」となおも言う監督に、「俺が演技させます」と蓮。俺が演技させますって・・・なんと挑発的な。


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