2021年12月28日火曜日

スキップ・ビート!2

2002年11月19日発売

(ACT6 再会の迷宮)LMEのオーディションに落ちて3日目、だるまやの大将には「諦めるのか お前はもっと根性のある奴だと思っていた」とはいわれたものの、根性だけではどうする事もできないものを失してしまったキョーコはガソリンスタンドで昼間のアルバイトを見つけて働いていた。敦賀蓮の「根性だけで事が運ぶと思うなよ」という通りになったのは負け犬みたいで悔しいけれど。一方大将は「今にふっきる コケた辛さもふっきれるくらいじっとしていられない時ってのは必ず来るもんだ」と。そこへガソリンを入れに立ち寄ったアカトキエージェンシーの車から降りてきた尚が。キョーコは同僚から話をふられて、「かっこいい上に美しい なんてあなたを越える男なんかもうこの日本には存在しませんね。」と正体気付かれないように屈辱に耐えて心にもないことをいうキョーコ。同僚に名前を呼ばれそうになって思わず飛び出したキョーコと目が合ったけれど、気がつかない尚。
だるま屋の二階で、LMEには入れない、復讐なんてできない あいつはやっぱり許せない どうしても芸能界でアイツの脅威になってやりたいと悶々とするキョーコに大将が「お前がいつまでもあきらめにふんぎりがつかないのは 自分が納得するまで「芸能界」にぶちあたってないからだ 答えを出したいなら頭で考えるなお前のやりたいことをやってみろ 自分には向いてないだとか無理だとか八方手をつくした人間だけが言う事だ お前が目指す場所へはたった一つの道しかないのか」と。
キョーコちゃん、尚が許せないのは当然だけど、今はこらえないと自分が惨めになるだけ。でも大将は、どんな人生を送ったらこんな言葉が出るのだろう。いい人だね。キョーコちゃんACT.301現在ではけっこう有名になったのに、だるまやに下宿してるままなのわかる気がする。

(ACT.7 その名は禁忌)大将からもらっただるまにキョーコは片目を入れる。ショータローをギャフンと言わせた暁にはもう片方の目を入れると誓って。一方LMEでは椹さんが「今日で4日目か。オーディションで落ちた者の場合、社長いわく、待ってやれるのは不合格を言い渡されてから一週間 それを超えるとあの子がLMEに入れる余地は完全になくなる」と言うのに対して「賢明ですね 何を血迷ってそういう企画が持ち上がったか知りませんが 何も好き好んであんなのを事務所に入れること無いですよ」と蓮。蓮はあの子が嫌いなわけじゃない 気に入らないだけだと。理由はあの子が芸能界を目指している動機かと椹さんに見抜かれて「お前の業界への姿勢はLMEの社長より厳しいからな」と。

だからといって、蓮はLMEを経営しているわけではないし、人ごとだと思うけど、なんでこんなに執拗にキョーコちゃんを嫌うのかな。あれはただの追っかけで無いと見抜いた社長さんの方が人を見る目がある。

今回は蓮が出てきた裏通路からLEMに入るキョーコ。ところがダッシュで走り込んだキョーコは、大物女優上尾君子と正面衝突してお説教される。そしていきなりラブミー部員として荷物を持たされる。堂々と遅刻した上尾君子、怒らせると後々までいびられるということで椹さんでさえ何もいえないが、蓮だけは「次からはお化粧する時間を移動に費やせば間に合いますね」と嫌みを飛ばす。重そうだねと荷物を持ってあげた蓮から、ラブミー部の説明を受け、一体どんな人が入るんでしょうと人ごとのように聞くと「だから今君がやってるのがラブミー部員の仕事だよ」と「ラブミー部とはあっさりと切り捨てるには惜しい素材だが重要なものが欠けているそういう人材の『欠けている部分』を育ててやるために社長が作ったありがたい部門だ その『ラブミー部』の第一号生に選ばれたのが君だよ」と。でもって敦賀さんに荷物を持たせたキョーコは上尾君子からダメ出しを出され、蓮は「自業自得 自分が受けた仕事は自分で責任もってやらないからだよ ああいう時はどんなに甘い言葉で手をさしのべられてもちゃんと断らないと これからはこれ以上ペナルティーが増えない様に」と似非紳士スマイルで去って行く。

お~い敦賀さん、「責任を持ってやらないと」っていったくせに、後ほどキョーコちゃんが蓮の代マネを責任感でやっていたという発言を聞いて減点したのはなんだ~~自分に対しては責任感でやるのは嫌なのね。


敦賀蓮は誰にも穏やかでやさしいとのことだけど、大物女優にも皮肉を飛ばすのはGood jobだけど、弱い立場のキョーコをいじめるのはパワハラ以外の何者でもない。この頃はほんとに嫌な男だ。この頃の自分のことを、デレデレな現在ACTY301で分析して、キョーコに言い訳しないのだろうか。

(ACT.8 危険地帯)「君には他人に愛される仕事をする自信はあるかね」と社長に聞かれて「いえ・・・全然」と正直に答えるキョーコ、隣で青ざめる椹さん。「でも以前はそういう人間でした 他人の幸せのために自分の人生捨ててつくせる程、あの頃の私健気すぎて、あきれるくらいこの世で一番のバカ女でした。今は誰かのためにつくす事、そんな風にしか思えなくなってます でも1度出来てた事はリハビリすれば治ると思うんです!!」「人間として大切な感情とりもどすチャンス私に下さい!!」(やっぱり何か意表をついてくる事言うよなあ と感心する社長さん)「君の返事がどうであれ最低一年は様子を見るつもりでいた」とのことでラブミースタンプセットを渡される。初めのうちは裏での仕事が多いかもしれないがなにそのうちTVに映れる仕事も入ってくるぞ」とやる気になったところで背中にはでかでかと、左胸にもラブミーのロゴが入った、どピンクのつなぎを着せられて恥ずかしさに縮み上がる。

初仕事は、ダメ出しされたボーカルグループが嫌がらせのために廊下の床に一杯こびりつけていったガムの清掃。

一方富士テレビの廊下で迎えの車待ちの尚は、向こうからやってくる蓮の姿に気圧される自分にかつを入れるように、目の前でスタンド灰皿を蹴倒して「悪い 俺 脚が長いからよ あんた(敦賀蓮)の存在に気づいていたらもっと注意をはらったんだけど」とケンカを売る。尚の顔を見て、キョーコの話で検索した顔と気づいた蓮は、にっこり笑って「わかるよ よくやるんだよな」と脚でスタンド灰皿を起こし「蓋と散らばったゴミ ちゃんと拾ってけよ」と去って行った。見守っていた人達は「かっこいい」と。

凝り出すと徹底するキョーコは床を徹底的に磨き通る人が次々滑る事態になったおかげで依頼主の歌手部門主任中澤さんからお目玉を食って10点をもらって落ち込むが「今からスタートだと思えばいいんだ」と気を取り直す。

そこにやってきた松内瑠璃子に「私の依頼受けて」よと言われる。

ショータローがガキ過ぎる。人気で上回るのが今は無理だと認めているようなもの。あとショータローは芝居をする気は全くないだろうし、敦賀さんが歌を歌う気も全くないだろうから、そもそもライバルでさえないと思うが。ラブミー部入りが必要なのはショータローでは?まあ彼はLMEの所属ではないけど。このあとでてくる松内瑠璃子だって愛される仕事ができるように矯正の必要があるわけだし。

廊下は私もやり始めたら徹底しそう。「磨きたてで滑ります 注意!!」張り紙しておけばよかったのに。

(ACT.9 プリンセス革命-イジワル姫)長時間太陽の下になんか居たら命にかかわるという瑠璃子に、紫外線アレルギーなのかと思うキョーコは、体が弱くて外に出られない雪のように白い大金持ちのお嬢様を想像して太陽から守ると決心する。
車が突然エンコして、ロケ地まで歩く羽目になり、マネージャーに頼まれたこともあり特注日傘で守りながら歩く。敦賀さんだって待ってるのよ!!というマネージャーの叱咤に、敦賀蓮が出演することを知り、ツルとレンガのイメージで脳内逃避。内心は敦賀蓮主演の映画に出る事になってたと知っていたらこんな仕事受けなかったのにと思いながら。

すぐに歩けないと座り込む瑠璃子ちゃんを背負って歩くキョーコ、しかし足をくじいて動けなくなったら松内瑠璃子は「上に行って誰か呼んであげるから」とキョーコを置いてロケ現場に。ついたら、キョーコのことは知らん顔。才能もないくせに事務所にかじりついて人に媚びを売ってお情けでデビューしようというラブミー部員は嫌いなのだ。

誰にも助けてもらえないキョーコは気が遠くなりそうになりながら、ショータローに捨てられたこと、お母さんに置いて行かれたことを思い出す。そこに突然現れた敦賀さん、とスタッフさん。瑠璃子待ちで暇つぶしをしていたらしい。骨にひびが入っているらしい事を調べた蓮はお姫様だっこで・・・

やっと少し敦賀蓮に好感がもてるようになってきた。お姫様抱っこ~それもスタッフがいるのに任せずに。

(ACT.10 プリンセス革命-舞踏会への招待状)敦賀蓮にお姫様抱っこされてロケ現場に来たキョーコを見た瑠璃子は怒りに震える。
キョーコは手当てをしてくれた社さんにお礼を言い、蓮については「私にはスゴクいじ悪なんです」「おかしいね~基本的に誰に対しても友好的なはずなんだけど でも俺も実はまだ蓮の性格つかみきれてないから」と。この頃の社さんのビジュアル、若くて今とは随分違う。「仕事が関わると蓮は容赦なく厳しくなるんだよ 自分にも他人にもね」

一方敦賀蓮が自分との共演を切望したと聞いてたのに、瑠璃子は「待ちくたびれたよ。」とのつれない言葉に腹を立て、廊下で出会ったキョーコに「ラブミー部ってできたときから嫌いだったの 芸能界は才能ある人間だけが輝けるのよ 掃除やつき人やってりゃ陽の当たる場所に出られるなんて甘ったれてるわ 人に媚び売る暇があれば芸の一つでも磨けってのよ!」と言われて、本当に、瑠璃ちゃんを守りたくて、なくしちゃった気持ちが取り戻せそうだったと心の中で反論するキョーコに「いい点数なんか絶対あげないわよ だって初めからあんたを潰すのが目的なんだもの」とダメ押しに、思わず怨キョがでそうになるが慌てて引っ込め、社さんと撮影現場に瑠璃子を戻す。

撮影現場、左足を直にガンガン使わなければ歩けますというキョーコを突き飛ばす瑠璃子。そんな瑠璃子に「やりすぎだぞ 謝りなさい」と監督。蓮も冷たい目で見ている。

椅子を持ってきてくれた蓮に「どうして優しくするんですか!?」「人間怪我人と病人には無条件に優しくできないか?」と。やっとここで蓮のやさしさが少し出てきた。

旧家のお嬢様の振る舞いになってないとダメ出しをされる瑠璃子。立つ時は背筋をのばして頭を少し引く。身体の重心が頭の天頂部と足の真ん中を通る様に、という監督の言葉だが隣に立つキョーコは無意識のうちにできていることに蓮は気がつく。再三のダメ出しに頭にきた瑠璃子は「私は演技なんて素人なの。同じ素人でいいんならあの子なんかいいんじゃない?」と監督を困らせてもう一回お願いさせるためにいうが、カチンときたキョーコは受けて立つ。

(ACT.11 プリンセス革命-魔法-)「瑠璃子の自分の思い通りにならなきゃなんでも放り出す悪い癖を改善する協力して欲しいって社長に頼まれたのはどうするんだ」と、監督に囁く蓮だが、監督はけっこう乗り気。スタッフも松内瑠璃子のわがままを面白く思っていない陰の声を立ち聞きして、焦り始める瑠璃子。様子を見に来た敦賀さんも「監督どうも本気みたいだし勢いとはいえ自分から降りるって言ってしまった以上演技で訴えるしかないんじゃないから」とつれない。

そこへ準備ができて出てきたキョーコの予想外の化け方にスタッフも蓮も瑠璃子も監督も驚く。「いいわねェ 元が並なだけに化粧化けしてまるで別人に変身できるんだもの」と瑠璃子は嫌みをいうが、化粧をしたことがないキョーコは素直に受け取ってイヤミが通じない。「私もっと幸せになりたいの 貴女に勝って」と言われて自分の身は自分で守らなくちゃと燃え始めた瑠璃子に、監督は満足そうな笑いを浮かべる。

実際に演技を始めると、キョーコの両家のお嬢様そのものの動作に監督も目を見張る。流れるような歩行といい、お辞儀の仕方も綺麗との賛辞の声に、忌まわしい過去の残り癖だと思うキョーコ。

和装が美しくて、作法も動作も完璧なんて女優としては最高だと思うけど、キョーコ自身がそう思えるようになるのは34巻ACT.203の社長さんとの会話までまだまだ先の話。でもこの作法は忍者の紅葉修行でも役に立つし、姿勢がいいのは、モデルウォークを習う際にも役に立ったし。

ここで初めてキョーコの変身ぶりがでてくるけど、蓮も尚も驚く化けっぷりがキョーコちゃんの魅力。

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