2021年12月26日日曜日

コレットは死ぬことにした20

カラーイラスト集付き版(電子)を買ってから、冥府こぼれ話がないのに気がついて小冊子付き特装版(電子)も買ってしまった。本編はダブってしまうので、電子限定カラー画集付き小冊子付きというバージョンも作って欲しかった。

(116話 2021年7/05 花とゆめ14号 2021/6/18発売)

最終クールに入っていると公言されていて、ハデス様からプロポーズされて、♡ムードだから、あとは冥府や天界の反応や結婚式やコレットの村との関わり合いが決着ついて終わるのだろうと思っていたので、あまりにも予想外の展開にびっくり。

ハデス様はノムさんに、シイラを大人になるまで親から守ってくれれば、かかる費用やシイラの賃金は出すと言って、身につけている高価なアクセサリーや凝った洋服を次々とノムさんに渡し、靴や手袋まで脱ぐ。

たまたま居合わせただけなのになぜそこまでするというノムさんに、「ある娘が言っていた その娘も過酷な幼少期を過ごした だが人との出会いに恵まれたと その娘は今生きる力に溢れている 眩しいほどに この娘にもそうなれる可能性がある それには助けが必要だ 娘 お前にも苦境を蹴散らす意思が必要だ」と。コレットと重ねているのね。「おれがネコババしないとどうしていえる」というノムさんに、「死者の神を信じているといった ならばその神に恥じ入ることをあなたは決してしない」「神さまに叱られたらどうしようかねぇ なぜ親も助けてやらん 冷たい奴めと」「言わぬよ」(それって自分がその神だと言っているに等しい だからその後ノムさんはハデス様に唐突に「顔を見せてくれんか」といっているし、その後シイラを引き受ける決心をしたのは何か感じたのだろうな。)
で、更にハデス様は着た切り雀のシイラに、仕立屋にコレットの連れだと言えばよくしてくれるから、自分の服を作ってもらえと、太陽からの最後の砦、マントまでシイラにあげてしまって去って行くけれど、曲がり角の先でコレットを待っている間に強烈な太陽に晒されて倒れてしまう。そこにコレットが駆けつけ、辛うじて神力で自分とコレットを冥府に運ぶが、アレルギーが全身に出て、そのままコレットとちょっと話しただけで、昏睡状態に。

こういった極端な行動をするのはどちらかというと、今まではコレットだったので凄く唐突に感じる。アクセサリーや中に着ている洋服はまだいいけど、太陽アレルギーなのはわかっているのに日差しが強い中、マントまでシイラにあげちゃって上半身裸では、絶対に倒れるのはわかっていたのに。あとからコレットを通じて届けるとか方法はいろいろありそうだったけど、114話で冥府が涼しいせいか暑いなといっていたのが気になっていたけど、ひょっとして普段冥府ではけっこう肌を露出した服を着ているので、脱いで太陽の下に裸を晒したかったのではとも思ったりして。なにしろギリシア神話の神さま、なにかというと裸になってムキムキの筋肉を見せつけるのが好きだし。

冥府に帰ったものの、そのまま目覚めなくなってしまうなんて、これをどう結末つけるのだろうか。全く見当も付かない。冥王が目覚めないと不都合だろうから、天界の薬師アポロン様にでも頼むとか、ゼウス様が乗り出してくるとか。

でもこれで第1話のコレットとハデス様がであった最初の状況に近くなったわけだ。これもお話しが終わりに向かう前兆?でもあのときは、服を着たまま脱走した影を追いかけて太陽を浴びたので、裸の身に太陽に晒されたわけでは無いけど、それでも完治するまで第5話までかかったのに、今回は下半身以外裸のままコレットを待っていたのだから、その刺激は比べものにならないはず。神さまだから死ぬことはないと思うけど、ハデス様はけっこう普段から体調を崩しぎみだし・・・

あとからふと気がついたのだけど、ハデス様は最後に自分とコレットを神の力で冥府に連れて帰っているけど、これってギリシア神話のハデス様がコレーと結婚したくて地上から連れてきた(あれは誘拐だけど)ことに匹敵する?ということは、アスポデロスで順調に育っている柘榴や、デメテル様やゼウス様の出番とか。

ともあれもう最終クールだしこのままラブラブのままハッピーエンドに向かうかと思っていたので、2週間後の展開が待ち遠しい。

コレットはハデス様の看病の為に冥府にいるけど、自分の診療所にはなにかいってあるのだろうか。村に帰っていたりちょっとしか冥府にいけてないので、この際だから、ハデス様の身分は明かせないものの、少し事情を説明してみんなの理解を得て、夜は冥府に泊まり込むとか。だって結婚しても今まで通りでは冥府にほとんどいけないし。

(117話 2021年7/20 花とゆめ15号 2021/7/5発売)
10日経ってもハデス様はまだ目覚めない。コレットは地上では賢明にいつも通りに診察や後輩の指導をこなして、朝、昼、夜とハデス様の往診に冥府に通う。しょっちゅう上の空で呼ばれても気がつかなくて心配されるけれど、本を読んで夜更かししすぎたと言い訳。地上ではお昼ご飯を食べずに出かけていくし不審には思われているけど、冥府ではガイコツが食事をつくってくれて、毎回薬箱を背負っていくのも不審なので、代わりの薬箱などをガイコツが作ってくれて、みんな協力してくれている。「我らは以前と違って無力ではないぞ ハデス様を治せるのはお前だけだが 我らにもできることはあるのじゃ しっかり食え」と。
 ハデス様の現状は以前の日光アレルギーを知っているガイコツとカロンは理解しているが、コツメくんやクロノス様たちには体調不良とだけ伝えてある。
 意識が戻ったハデス様、太陽を見たせいか目がかすむという。コレットが裁判はラダマンテュスさまたちが行っていて問題ないこと、ハデス様が助けた女の子シイラは、街の針子たちが応援してくれて身ぎれいにしてくれたり、お店のおじいさんが毅然として父親を追い払ってくれたことを伝えると再びハデス様は眠りへつく。

「まぶしかった 最後に見た空が お前の服の色 思わず見上げてしまった」というハデス様の言葉はなかなか意味深。ギリシア神話でのハデス様の妃ペルセポネの名前は「眩い光」「光りを破壊する女性」という意味だ。

 ハリーは、御利益があるからと、コレット人形をハデス様の枕元へと持ってくる。「いつでもそばにいられないもんね」と心の中でつぶやくコレット。
 しかし夜再び往診に行くとハデス様は高熱を出してうめいている。「街へ行ったのは失敗じゃない 私が一緒だったらも たられば ただちょっと色んなことが重なっただけ ちょっと運が悪かっただけ」と頭で打ち消しながらも、コレットにはその前のハデス様にプロポーズされた幸せな瞬間が蘇る。一晩氷で冷やしたものの夜が明けてもまだよくなる気配はない。ガイコツ5人は閨の外で待機。コツメ君もハリーの膝で待機。そしてカロンは地上は夜が明けたことを伝えに来る。ガイコツが「ワタシがハデス様を看る」という。「だからお前は地上に戻って地上での仕事をしっかりやってこい」と。ここにいたいのに、ここに患者がいるのに 私この人の妻になるのにと思いながらも「わかった」とコレット「私はハデス様のそばにいつでもいられるわけじゃない いつでも ずっと(いられるわけじゃない) わかってるつもりだったのに」

またまた切ない終わりになってしまった。24時間ハデス様の看病をしていられないコレットは病気の子どもを置いて仕事に行く母のような立場かな?ガイコツはこれからもいつもハデス様のお世話をするけど、同じ場所で同じ時間を生きられないことを改めて突きつけられるコレット。ガイコツたち、コレットを尊重して、出来る限りの協力をしているけど、あと一言、コレットは冥府の仲間だし、コレットはハデス様にとっては一番で、だからこそガイコツはいつでもコレットを助けると言って欲しかった。

前から思っていたのだけど、ハデス様日光アレルギーで倒れるのは2回目だし、加護の反動で倒れたり心のバランスを崩していたときもあったし、それ以外にもしょっちゅう熱を出しているし、偉い神さまなのにけっこう弱い。もっとも本家ギリシア神話でも、情に流されることがしばしばあったし、怪我をしたこともあるようだけど。この漫画では最高神のゼウス様も毒キノコにあたって入院してたなあ。

体温を効果的に冷やす場所は頸動脈の通るのどの左右、太い血管の通る脇の下と太ももの付け根。当たり前だけど、コレット正しい。おでこは冷やすと気持ちいいけど、体温は下がりません。

(118話 2021年8/05 花とゆめ16号 2021/7/20発売)
夜明け前に診療所で仮眠を取って目覚めると、部屋にはゼウス様が来ていた。ヘルメス様が通販量からハデス様が臥せっているのを察したのを報告されたようだ。「私がついています 大丈夫です」ときっぱりゼウス様に宣言するコレットに、ゼウス様は「コレットとハデスはずうとお互いを愛しく想い合っていくんだろうなって ぼくはそんな二人がとても好きだよ」「ぼくは最高神としてある特権を持っている それはいきものに”神格”を与えられる権利 コレット ぼくは君を神様にしたい」というスカウトの提案。誰にもってわけじゃなくてコレットはあまりにも神々に近しい存在になってしまった しかもあのハデスや冥府と そんな人間は初めてだ 神になればハデスとずっと一緒にいられる いやいてほしいって思ったんだ だからスカウト とのこと。考えておいてとゼウス様。

相変わらず忙しい一日で、お昼になったら冥府に行って看病すると思っていたのに、結局忙しくていけなくなってしまった。ハデス様の看病ガイコツと交代したのはよかったんだわ・・(って交代なのコレット!!交替でなくて)ハデス様のそばには皆がついている そういう冥府になった 私がいなくても冥府は続いていくから と虚しいと思う。

夜冥府に行くとハデス様は熱がだいぶ落ち着いて起きていた。
ハデス様に「そんなに自分を削らなくていい これは私の自業自得 呻いていようと放って帰っていい」ってハデス様、コレットには地上の仕事の責任があるのはその通りなのだけど、それは承知のうえで、無理をしてでもいたかった気持ちを汲む言葉が先に来ないと素直に聞けない。だから珍しくコレットは感情的に反応してしまったのだと思う。第一巻第二話で未熟な弟子にまかせずにすべてを背負って大車輪のコレットが致命的なミスをして笑って誤魔化そうとしたとは言え「お前に命は預けられない お前はいらぬ」といったのと変わらない、正論ではあるけどそれはいい方があまりにもあまりなので素直に聞けないと思う。いやこういう上司、よくいるなあ。正論だから反論できないのをいいことに傷つける。

「ハデス様わかってない 私はハデス様の薬師で妻なんですよ 好きな人のそばにいたいに決まっているじゃないですか」と涙ぐむコレットに驚いて痛みをこらえて起き上がりコレットの肩に手をかけ顔をのぞき込むハデス様。ゼウス様からの提案がコレットの頭をよぎり、ハデス様に相談するコレット。ハデス様は「自分一人で腹を括って覚悟していたのだな、すまん」と。

コレットの決意は「人として生きて死ぬことにしました」

ってタイトル通りコレットは死ぬことにしたになってしまったけど、もともとこの漫画の内容になわないタイトルは第1話が読みきりだったからこうなったはず。それも第1話の内容にもぴったりとも言えないと思う。ここでタイトルに従わないでくれ~~という気分。

今までハデス様は、いずれコレットが亡くなったら自分が裁判をして、アスポデロスでコレットが自分のことを忘れていくのを見ていなければならないことに対して「腹をくくった」といっていたけど、年老いてやがて死んでいくコレットの側の気持ちをハデス様がくみ取れるようになってよかったけれど、二人ともそこから解放されるチャンスを与えられたのに、人として生きて死んでいく道を選ぶのに同意するの・・・

確かに今までコレットは自分を必要としてくれるところに駆けつけてきたという意味では、現在コレットは村では必要とされているけど、冥府はコレットが居なくても大丈夫というのはあるけど、ポーラたちもあと一息で一人前になるし、孫弟子たちはポーラに育ててもらいたいともともといっていたのだから、今はまだ必要とされているけど、いずれコレットが居なくても続いていくようになりかけているし、命に限りがなければ、薬師の居ない次の村を探して繋いでいくこともできるわけだし、冥府はコレットがいつでもいなくても大丈夫なのは、むしろ進歩してコレットの仕事と冥府に時々行くことが両立するようになってよかったわけだし、あとは神様になるとディオニュソス様のように一所に留まることが出来ないので一人の弟子が一人前になるまでは見られないかもしれないけど、薬師として働けないわけじゃないし。だいたい女神様みんな仕事があってキャリアウーマンのはず。

コレットには、自分を追い込みすぎないように、休むことを恐れないように、自分が幸せになる道を選ぶようにと言いたい気分。ハデス様は昔よりずっとワーカホリックでなくなって、休暇を取ってコレットと街に行ったり、倒れて11日寝込んでも大丈夫なように冥府はなっているし、ワークライフバランスが初めのことから考えるとずっと改善された。今一番頭が固いのはコレットでは。

今までは選択肢がなかったので、「有限をめいっぱい生きていく」「同じ時間を生きられなくても」と覚悟したわけなのに、状況が変わって選択肢ができてもハデス様と共に生きていく道を選ばないの?ハデス様に「好きな人のそばにいたいに決まってるじゃないですか」いった言葉とあまりにも矛盾していて、違和感しかない。ハデス様もそんなコレットに同意したの?

いや残っている伏線(アスポデロスで育っている柘榴とか、デメテル様との再開とか、「最後に見た空が お前の服の色 思わず見上げてしまった」というハデス様の言葉が違う方向を示しているし、ディオニュソス様はなんで突然山向こうに行く気になったのか、これっきりお別れでない含みが感じられたけどなどなどでまだ一波乱ありそうだと思ってはいる。

でも今回は打開するチャンスがあったのにハデス様と生きることを選ばないという衝撃の決意で、もしすっきりしたハッピーエンドにならないのなら読まなければ良かったという気分。そういえば保留になっているコレットのハデス様へのお願いはいつ?

神話のハデス様にはレウケーというニンフの恋人もいて、ニンフは長命ではあるけど不死ではないので(ということは柊ちゃんも)死んだあと悲しんだハデス様がエリュシオンの白ポプラに変えたけど、でもこれは今までコレットの中では暗示するものは全くなかったから違うだろうな。

ハデス様、最終クールに再び倒れて意識不明になってしまったり波瀾万丈だけど、コレットが結婚する前から未亡人みたいになっちゃったけど、それでも4神様は不老不死だからまあそのうち回復するだろうと思っていたけど、今回の決意はちょっと賛成しかねる。

でもって、単行本になったときにこの部分4ページ加筆されていた!!ずるい・・・けどまあコレットの気持ちはわかるようになっていた。
「ハデス様のそばにいたいけど誠実な薬師でいたい神さまになったら冥府の皆と一緒にいられるけど亡くなった患者の葬列にどんな顔して並ぶ?」と。
ハデス様にどう答えたのか、どう思っていたのかも描いてくれると良かったけど、でもまあ最後の最後で、コレットの一番の良さだと思っていた人の心の機微がなくて一気にコレット熱が冷めたのが少し復活。

 (119話 2021年9/20 花とゆめ19 2021/9/3発売)

ショートが入ったりお休みだったりで本編は1ヶ月半ぶりだけど、なんとストーリーは10年後くらいかな。ポーラは結婚して産休育休中、モネちゃんやトルカちゃんは診療所で一人前になってるロムテ先生という新しい薬師(たぶん最後のストーリー後に弟子入りしてもう一人前になった?)もいるし、何とベレー先生も住んでいるけど今日は街に出て、シイラの花嫁行列に出会う。もちろんベレー先生はシイラを知らないけど。セラは遍歴医になって、遍歴医の村に今では住み込んだトーヤン先生に会って、コレットさんは数年前に遍歴医になったという話をしている。今では子どももいるタン兄ちゃんマリー姉ちゃん夫婦を訪れランちゃんやユリヤ姉ちゃんのところにも顔を出して、もう弟子もいるササラちゃん、いやササラ先生も訪れて旅をしている。コレットは薬師のいない村を見つけては薬師を置いて、弟子も募集して、軌道に乗るまで自分も住んでいるという。みんなコレットさんは今どこを旅しているのかなと思っているけど、実は不治の病で冥府にいる。

118話の人間として生きて死ぬことを決心した回想はこの時点だったのね。

おばあちゃんになるよりもずっと前(多分20代後半くらい)で、ハデス様や冥府の皆に見守られながら死の床についたコレット。ハデス様に手を握られて意識が薄れていく。

しかしコレットはもともと小さい頃に両親も友達も知り合い全部を流行病で失うという過酷な経験をして、必死で一人前の大人に、薬師になろうとしてきたのに、最後に再び自分が不治の病とか、この展開はあまりにも過酷なのでは。あと2回でどんでん返しがない限りはものすごく後味の悪い読後で、今までファンで来たのを後悔しそう。

ハデス様が日光アレルギーで倒れたあとも、シイラのその後も描かれてなくて、いったいあれはなんだったのだろうか。プロポーズをしたけど、その後のあのハリーが作った髪飾りをつけた結婚式も飛ばして、その後の冥府での新婚生活や、天界の反応もなしで最終回に突入するの?

お仕事漫画と言われるのは、作者には不本意かもしれないけど、コレットが村での仕事を完成させて弟子たちに任せて遍歴医となる過程も見たかったし。

あと、薬師のいない村でゼロから弟子を募集して一人前になるまで滞在すると10年以上かかるけど、タン兄ちゃんがいっているように「薬師を置いて、弟子も募集して、軌道に乗るまで自分も住む」というのなら、キャリアウーマンである女神様の生活とも両立するし、ゼウス様の申しでを受けて神様になってもよかったのに。なぜハデス様と永遠に生きることを断ってまで、人として生きて死ぬことをコレットは選んだのか、ハデス様はそれを同意したのかの説明がまったくなくて、あと二回でそこら辺が納得できてハッピーエンドにならないなら、残念ながら今までのこの漫画を読んで楽しかったり感激したのがまったく覆がえる。

しかしまだ伏線が全然回収してないから少し希望をもとう。とはいえどっちみち117話と118話と119話はあまりにも無理があって読むほどに興ざめ。この漫画は、二人のやりとりやモノローグで心理状態や何を戸惑っているのか表現されているのが魅力なのに、ハデス様の気持ちはまったく出てこないし。

しかしコレットが死を目前としているのにハデス様冷静だなあ。これも伏線?

(120話 2021年10/5花とゆめ20 2021/9/18発売)コレットは死んで影となって冥府の川辺に来た。突然真っ白になってゼウス様が現れ、裁判の前に寄り道をするといって、ヘルメス様の作った道をいくことになる。途中の窓から冥府のようすをのぞくと、コレットの死を悲しむガイコツたち、ハリー、コツメ君「なんでこんな後ろ髪をひかれるようなものを見せるんですか」というコレットに「後ろ髪を引きに来たんだよ」とゼウス様。「昔ぼくはコレットに提案をしたね”神格を与えたい”って 君は断って人として死ぬことにした だからそれが成された今日 もう一度お誘いに来たんだよコレット どうか神様になっておくれ」「同じ人間なのにあのひと達だって誰かを残してきたかもしれないし もっと生きたかったかもしれないのに特別扱いは不公平です」「”扱い”じゃなくて”特別”なんだけど?だってコレットは冥府の家族なんでしょう?冥府の神にとって唯一無二の存在なんでしょう?そんな人間他にいる?」「コレットの魂がある間は皆君を想うだろうけどコレットが消えた何十年何百年あとにまた誰かが冥府にやってくるかもしれないよね」とのゼウス様の言葉に誰かがわたしの代わりになることも納得・・・?と迷ったところで窓からハデス様の独り言が聞こえる「私の妻はお前の他にいない 永遠にお前だけだ」と涙を流す後ろ姿。「ぼくの言葉なんかより兄上の姿を見る方がコレットには一番だね 兄上はああだから永遠に愛してると言うよ そばにいてやってよ 受け取ってよコレット 神々からの祝福を」冥府に帰りたいと心から思ったコレットをヘルメス様はその亡骸とともに天界へ連れて行く。天界で待っていたのはデメテル様。デメテルが母にゼウスが父になるといってコレットを引き上げる。

コレットが望み通り人としての人生を全うした後、たぶんゼウス様がもう一度提案するだろうとは思っていたけど、神話通りデメテルが母に、ゼウスが父になるのね。とうぜんコレットはペルセポネに。しかし結婚式はもっと華やかにやるかと思ったけど仮装パーティ?だったんだ。ヘルメス様も神話では使者を冥府に連れて行くことがあるので、思った以上に神話を取り入れた終盤だった。あと1話で終わりなので、ハデス様や冥府の皆と再会して終了かな。やはりラブラブな後日談が必要。

ここも2ページ加筆されている!でもコレットがハデス様の気持ちを知って迷う場面がよくわかってこれもいい!あと154ページ(電子版単行本)のゼウス様の台詞も「あーもうコレットは!心にもないことをいうのはおわりっ」の方がコレットの気持ちを吹っ切るのに相応しい。(連載では「なーんてね いじわるしちゃったごめん」)

最終話121話 2021年10/20花とゆめ21 2021/10/5発売)
天界の泉からデメテル様の手を握ってひっぱりあげられたコレットは、デメテル様が6巻34話で地上で迷子になったときに、薬師(クスシ)ちゃんとして助けた17歳の頃の姿。ゼウス様とヘルメス様も近くで見守っている。

冥府ではヘルメス様がコレットの死体を盗んだので今頃大騒ぎになっているはずと、冥府に戻る。ヘルメス様の道は神となった今はぐるぐる目がまわらずにいける。

突然現れた17歳の姿のコレットとヘルメス様、デメテル様、ゼウス様に呆然とする冥府のメンバー、「ずい分 懐かしい顔だ」とコレットの頬をなでながらいうハデス様に「ハデス様 私ここで 皆と一緒にいたいです 心残りはないって思っていたのに そんなことなくてだから勝手なことしたんですけど でも私どうしてもここに帰りたくて」「おかえり よく帰ってきた ここにいてくれ」とハデス様。ハリーもコツメ君も涙を流してコレットを迎える。クロノス様はヘルメスの気配を感じていたとのことだが、冥府はコレットさんが消えたと大騒ぎだったよう。デメテル様も久しぶりに父のクロノス様と再会。そこにガイコツが「おい 皆がおかえりを言うとるのだぞ おかえりと言われたなら応えんかい」と現実的に迫るガイコツに「ただいま」とコレット。

コレットに服を用意し、風呂の用意をし、食事の用意をし、ゼウス様達のおもてなしに、走るガイコツ達を待つ間に閨にもどるコレットとハデス様。「本当にあの頃のコレットだな 幼く見える 背はあまり変わらんが体も戻っているのか」というハデス様に「戻ってますけど今この中何も着てないから」とコレット「夫婦なのに」「夫婦でも恥ずかしいんです」といいながら、最後は寝たきりで体も動かなくてハデス様の手も握れなかったコレットは、ハデス様の手をギュッと握る。そんなコレットをぎゅっと抱きしめるハデス様は「本当に生きている 私のことがわかる いつか忘れることもなく」「神々の祝福か つくづくお前は只者ではないな」と。


そんなハデス様に女神としての名を下さいとお願いするコレット。 

冥府の皆とかけつけた父であるゼウス様、ディオニュソス様。コレットの冥府の住人となる儀式は、今やアスポデロスで立派に育った柘榴の実。ハデス様からもらった神としての名は眩しい光りという意味のペルセポネ。青服のコレットが眩しいほどに逞しく生きていたようにこれからもそのままでいてくれと。(End)

デメテル様と出会ったのは、ハデス様がコレットが好きであることを意識した5巻32話の翌々日、そこに繋がるコレットの復活はお見事。ということでデメテル様との再会や冥界の柘榴を食べることなどなどここで伏線はすべて回収でハッピーエンド。思ったよりずっと神話に忠実で、かつプロポーズされて神様になることを提案されてそのままハッピーエンドにしなかった話の構成はすばらしいのだけど、コレットは死ぬことにしたの一番の魅力と私が思っていた、コレットやハデス様の心の機微が、人ととして生きて死ぬ決心をしたところから全く描かれてないので、もちろんそういう選択もあるだろうとは思うけど、あまりにも唐突すぎて説明不足だし、ハデス様はどう思っているのかとか、結婚しても冥府の食べ物は食べないようにして冥府の一員にはならなかったのは二人の間でどのような話し合いがもたれたのかとかまったくないので118話から最後までの4話はちょっとしらけた。まあお陰で連載が終了してもロスにならなかったけど。

あと、二人が結婚した後の生活ぶりもほとんど描かれてない。まあこれは続編があるとのことで、回想されることを期待。

冥府こぼれ話

(ガイコツ会議ー通販ー)
冥府の生活にヘルメス通販は欠かせない。ガイコツ達が購入予定のものをみなで検討。ハリーの希望は布と綿・・・ハデス様のぬいぐるみをつくりたいという。盛り上がるガイコツ達。

(ガイコツ会議ー公式グッズー)
ハデス様グッズをつくるとしたら・・・ガイコツが喧々諤々、抱き枕の案が出て不敬な妄想を反省しているところに、抱き枕をつくってきたハリーがあらわれて、皆がリクエスト。

(コツメくんときゃんぷ)
冥府の川のほとりで、いつもハンモックで寝ているカロンに影響されて、ガイコツ達と川辺に蒲団を並べてキャンプ。魚のいない冥府の川で釣りまでする。皆が寝ても寝付けないコツメをカロンはハンモックに呼んで一緒に寝る。

(SP番外編クロノス様の或る一日 単行本ではクロノス様の記念日 ザ花とゆめオールスター6/1増刊号 4/27発売)

クロノス様率いるティターン神族がゼウス様率いるオリンポス神に敗戦した日になると、元気がなくなるクロノス様。隠れ兜をかぶってティターン族と戦うハデス様はまさかの三つ編み?


そんなクロノス様を励まそうとするガイコツ達。かつてのクロノス様は長髪イケメンで眼光はハデス様より鋭く口元はハデス様のようにへの字ではないと。
クロノス様なかなかの美神 ハデス様も降臨したときのように長髪の方が神様らしいのに

父をも倒すほどに成長した我が子を祝う父の記念日、とガイコツに持ち上げられて元気になったクロノス様は、コツメを探しに部屋に入ってきたハデス様に「寛大な心でだんごむし共の成長を祝ってやる」といって、いつも通りハデス様に顔面を捕まれて「ハデスは極悪」と憤慨。

111話のコレットが受け取った手紙に「ハデスは極悪 ハデスは極悪・・・」とひたすら書いてあったのはそのせいなんだ。ミノス王に代筆させて・・・ということはハデス様はコレットに手紙を届けてもらおうとコツメ君を探しに来たわけか。

(SP番外編 2021年9/1 単行本ではハデス様のモーニングルーティーン ザ花とゆめイケメン 2021/7/27発売)
ハデス様が起きて顔を洗って裁判服に着替えて、昨日と同じお茶をガイコツに入れてもらって「うまかった」といって仕事に出かけるだけのたった6ページだけのショート。イケメンは何をやってもイケメン・・・

(ショート 2021年8/20 単行本ではコレットさんと泉の精 花とゆめ17 2021/8/5発売)
旅の途中で冥府でお泊まりしてハデス様と寝ているときのコレットの夢。コレットの枕が逃げ出して泉にドボン。コレットの枕と冥府のふかふか枕を手に出てきたハデス様似の神様は「私は正直さを問うこの泉の精である 娘 お前が落としたのはこの普通の枕か それとも冥府の枕か」と問う。それに対して「あの・・・その冥府の枕 購入は可能ですか」「お金はここに 冥府を宿にしてたから(そんなにしてないと思うが・・・)わりと残ってます」「枕・・・ください・・・」というコレットが可愛い茶トラの猫に見えたハデス様似の神さまは両方押しつけて消えていく。冥府の枕をもらって幸せそうなコレットに「どんな夢を見ているんだか」とハデス様。そっと髪を顔からかき上げても楽しそうに笑いながら起きないコレットに「そんなにいい夢か ならいい」と幸せそうなハデス様。

118話のあと本編が進まないけど、こんな日々が二人に永遠に続いて欲しい。コレットが死んでしまったらSP番外編のような毎朝がずっとつづくなんて「寂しいを知ってしまった」ハデス様にはあまりにも酷。

(針子のハリーお召し物大作戦)ハデス様に新しいお召し物を着てもらいたいハリーの作戦・・・って今までと同じにしか見えないけど?

(4コマ漫画 家来たる者)
ハデス様福笑いに気合い入りすぎのガイコツ

(描き下ろし後日談)女神様になっても冥府の掃除をしてガイコツを手伝い、カロンやコツメくんからはペルと呼ばれているコレット。クロノス様は日によって気分でコレット呼びやペルセポネ呼び。ガイコツは・・・戸惑いながらコレットと呼んでからペルセポネと。

暇なので毎日冥府を手伝っていると聞いてハデス様は「遍歴医を再開しては」と。地上用の名前はコレーとなった。

万歳これで神話通り。神話ではコレーは薬師ではないけどね。
ということで、最後の4話ほどは「コレットは・・」の一番の魅力と私が思っているコレットやハデス様の心の機微が描かれていなくて
説明不足で消化不良感があったけど、単行本ですこし納得できるようになったかな。できればハデス様がどう思っていたのかも描いて欲しかった。

思ったよりギリシア神話に忠実でペルセポネはデメテルとゼウスの娘だったし、冥府と地上を行き来できるヘルメスが活躍したし、伏線のデメテルとの再会や冥府の柘榴も生きて見事な展開ではある。

続編はもうその事には触れないかな。

0 件のコメント:

コメントを投稿