2021年5月13日木曜日

漫画に見るハデス様のイメージ

「コレットは死ぬことにした」を読んでいて、今まで注目したことのなかったギリシア神話のハデス様の扱いに興味が湧いてきたので、ハデス様がでてくる他の漫画を読んでみた。

マンガギリシア神話 1999年

里中満智子は「アリエスの乙女たち」「悪女志願」「あすなろ坂」などなど、昔ずいぶん読んだ。この「マンガギリシア神話」シリーズは神話に忠実に漫画化してるので、ギリシア神話を知るには良い。もちろんギリシア神話っていろいろなバージョンがあるのだけど。とりあえず某所で無料だった第一巻と、冥界と関わりのあるエピソードを集めたこの第三巻を読んでみた。

冥界のようすや冥界の神々の姿はなかなか美しく描かれている。ちょっと登場人物の顔が似ているけれど。ハデス様が真面目で純情で美男子に描かれていて、好感が持てる。特に地上に繋がる割れ目からコレーに一目惚れしたときに、コレーの父親であるゼウスに伺いを立てるなんて真面目。オルフェウスの竪琴に心を動かされたりとか、冥界は怖いだけじゃないと描かれているし。ヘルメスは天界と冥界の連絡係で、旅人の神として死者に付き添って冥界にくることもあるんだ。地底の冥界は生命の源という考え方は好き。あと死んだ後は悪いことをしていなければエリュシオンで永遠に暮らせるのもいい。でもハデス様はここが好きでいるんじゃないけど誰かがやらなくてはならない大切な仕事だといっていたなあ。いつか必ず死ぬものだからこそ生命は尊いとも。

ハデスさまはお気の毒さま 2017年

冥府の神・ハデスは、超真面目で女性との浮いた噂もなく、仕事への厳しさから天界の人々に恐れられていた。実はハデスは近侍のエルヴィラのことが好きなのだが、いつも的外れに終わる残念な人でもある。実はエルヴィラもつけいる隙もない態度だけどハデスが好きなのだが。途中でアレスがエルヴィラに言い寄りだしてイライラが募るハデス。アフロディーテ相手に練習でエルヴィラをデートに誘う言葉を継げたはずがそこには本人がいて、ほんとうにテーマパークでデートをすることになって・・・

ハデスさまは現代的な美男子でまじめな堅物で恐れられている。しかしオリュンポス十二神に入れてもらっているのね。そういうバージョンのギリシア神話もあるようだけど。奥手のハデスさまを何かと世話を焼こうとするアフロディーテ様やヘラ様は男性の設定。おまけに婚姻と貞節の神のはずのヘラ様は妻が100人いるという爆笑設定。これはこれで楽しくよかった。

聖闘士星矢 1985年-

長いのでハーデスが関連していそうな19巻-28巻だけ購入。243年ぶりにアテナによる封印を解き、聖域へ侵攻を始めた冥王ハーデスと108人の冥闘士から地上を守るためアテナの聖闘士たちが闘う。今まで戦いで死んだ面々も復活してでてくる。ハーデスは地上に現れるときには美しい少年の体に宿る。今回は聖闘士アンドロメダ星座の瞬に。
アテナはハーデスを討って、永遠の闇をもたらす「グレイテスト・エクリップス」から地上を開放するためハーデスの本体がある冥界のエリシオンに赴く。星矢たち聖闘士はアテナに聖衣を届けようとする。ハーデス本人との最終決戦で星矢が体を呈してハーデスを攻撃し、ハーデスの肉体は消滅、冥界は崩壊し、地上には太陽が差して救われる。太陽が復活と共に地上に真の平和が訪れた。

ハーデスは本体も人間に宿って地上に現れたときも、美しい青年の姿をしている。が、人間は愚かで、悪いことをすると死後地獄に落ちて未来永劫苦しむことになるという恐れがあって、かろうじて今の状態を保っていると考えている。人間にとって神や恐れ敬うものなのに、その敬虔な精神を忘れた今、地上を滅ぼそうとしていると。冥界や冥府の王の人間に鉄槌を下す恐ろしいイメージを膨らませたもの。いかにも少年漫画らしいアクションで、一気読ませる。好みではないけどヒットしたのはよくわかる。

続編もあるようだ
聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話

ハデスさまの無慈悲な婚姻 COMIC WALKERで連載中

エロ-スの矢を額に受けたハデス。その矢を抜いたのは、なぜか冥界に忍び込んでハデスの元に落ちてきた春の神コレー。矢を抜いたら望を叶えるというハデスの約束にコレーの望みはハデスがお妃を迎えること(自分が妃になることじゃないの?・・)。ノリノリの部下たちが天界大海に冥妃募集の通達を出して、ドタバタ喜劇に。しかしこの設定の冥界偉い賑やかだ。コレットは死ぬことにしたに冥界は静かだけど、確かに本来はもっとメンバーがいるはずなのよね。
結婚の女神ヘラ様の加護で次々にお妃候補が送られてくる。
自分で自分のことを無慈悲だといいながらけっこうハデス様真面目で優しい。
冥界の番犬ケルベロスがケルとベロとスーに三匹の子犬になってこの方がお腹が空かなくていいというのは、コレットで似たような設定を読んだなあ。

アリーズ

神話の時代に母親レアの偏愛するゼウスの奸計によりハデスとポセイドンはオリンポスを追われる。ポセイドンは海へ、肉親と争いたくないハデスは冥界へと退く。父王クロノスを倒したハデスを慕う氷の女神ヘカーテも共に冥界へ。冥府を統治したものの、恋人のデメテルは大地の女神なので冥界へ行くと地上の生命が枯れてしまうため、離ればなれになってしまう。デメテルの娘ベルセフォネーを狙うゼウスから保護するためハデスは妃とする。しかしレアの予言ではベルセフォネーは世界を手にいれる鍵、ヘルメスによってオリンポスに連れ去れ、助けにいったハデスを庇うためヘラの刃を受けて死ぬ。ここまでがアリーズZERO

そして本編は数千年後高校生亜里沙として生まれ変わったベルセフォネーは、封印されていて前世の記憶がない。一方同級生の天野はハデスの生まれ変わりで、記憶も神の力ももつ。神話の時代からの因縁のゼウスやヘラやポセイドンやヘカーテも次々あらわれて戦ったり協力関係にあったり・・・雷鳴剣や三叉の鉾やケ-リュケイオンなどの古典的な武器に神の力が加わって、少年漫画風の戦いが続く。最後はポセイドンとハデスが協力してレアとゼウスを倒す。

続編アリーズⅡでは、今度はアポロンが地上を制圧しようとする。ポセイドンとハデスは再び協力して戦う。

アリーズでは常にハデスが一番優れた力のある神で、世界はハデスによって治められるはずだったのにレアとゼウス、続編ではなんとウラヌスとウラヌスに操られるアポロン他の神が、人間を滅ぼして全世界を統治しようとする戦いが続く。ハデスは一番情が深くて肉親とは戦いたくないので、ティターン族の勝利のきっかけとなった父のクロノスを殺したことは心の傷となっている。自分を陥れた母のレアもなかなか殺せない。ポセイドンも時には対立することもあるけど、切り捨てられない。かつての恋人デメテルは、本編と続編では時にはベルセフォネーの為にハデスを殺そうとするのに、やはり切り捨てられない。

ともあれハデスは美男子で、情を捨てて全力を出したときは一番力のある神で、何回生まれ変わってもベルセフォネーとの絆はいつも絶対である(続編ではベルセフォネーはポセイドンと、ハデスはヘカーテと婚約しているが)。

安彦良和のアリオンは冒頭だけ試し読みで読んでみたけどハデスはおじさんなのね。普段電子書籍を買っているRenta!にはおいてないし、まあいいや。

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